JP2023152121A - ガス遮断器 - Google Patents

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JP2023152121A JP2022062070A JP2022062070A JP2023152121A JP 2023152121 A JP2023152121 A JP 2023152121A JP 2022062070 A JP2022062070 A JP 2022062070A JP 2022062070 A JP2022062070 A JP 2022062070A JP 2023152121 A JP2023152121 A JP 2023152121A
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Abstract

【課題】ガス遮断器の性能を向上させる。【解決手段】ガス遮断器(1)は、固定接触子(2)と、可動接触子(4)と、熱パッファ室(11)と、機械パッファ室(12)とを備える。熱パッファ室(11)は、開閉可能な導通部を介して機械パッファ室(12)と導通可能な第1領域(111)と、熱パッファ室(11)の内圧に応じて容積が変化する第2領域(112)とを備えており、機械パッファ室(12)は、第2領域(112)と同軸かつ第2領域(112)の外周に位置している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱パッファ消弧方式のガス遮断器に関する。
電力系統において故障電流を遮断するために用いられ、接触子間に発生したアークにガスを吹き付けて遮断する熱パッファ消弧方式のガス遮断器(パッファ形ガス遮断器)が知られている。特許文献1に記載のパッファ形ガス遮断器は、パッファシリンダとピストンによって囲まれた空間が、軸に対して垂直に配置された仕切り板により、熱パッファ室と圧縮パッファ室とに区切られている。当該仕切り板には熱パッファ室と圧縮パッファ室とを連通する連通孔と、当該連通孔を開閉する逆止弁が設けられている。当該逆止弁は通常では熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガス流を制限しており、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合には、逆止弁が開き、圧縮パッファ室からアーク放電近傍に至る流路が形成される。
特許第4855825号
しかしながら、上述の従来技術は、圧縮パッファ室からアーク放電までの経路において、摩擦などにより消孤ガスの速度が低下し、アーク放電を消孤するのに十分なガスの吹き付け力が得られなくなる可能性がある。
本開示の一態様は、ガス遮断器の消孤性能を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るガス遮断器は、固定接触子と、前記固定接触子の長手方向に移動することにより前記固定接触子と接離可能な可動接触子と、絶縁ガスを内包し、前記固定接触子と前記可動接触子との間に生じるアーク放電によって加熱された当該絶縁ガスを、前記アーク放電の消孤ガスとして噴出し得る熱パッファ室と、絶縁ガスを内包し、前記可動接触子が前記固定接触子から開離する移動に伴い、機械的に圧縮された絶縁ガスを、前記アーク放電の消孤ガスとして噴出し得る機械パッファ室と、を備え、前記熱パッファ室は、開閉可能な導通部を介して前記機械パッファ室と導通する第1領域と、当該熱パッファ室の内圧に応じて容積が変化する第2領域とを備えており、前記機械パッファ室は、前記第2領域と同軸かつ前記第2領域の外周に位置している。
上記構成によれば、熱パッファ室が、熱パッファ室の内圧に応じて容積が変化する第2領域を備えているため、熱パッファ室から噴出される消孤ガスの速度をより適切な速度とすることができる。また、機械パッファ室は、熱パッファ室の第2領域の外周に位置しているため、従来技術と比較して、機械パッファ室から噴出された消孤ガスがアーク放電に到達するまでの距離が短くなる。これにより、機械パッファ室から噴出された消弧ガスの速度が摩擦などにより低下する可能性を低減することができる。よって、消孤性能を向上させることができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器は、さらに、前記固定接触子の長手方向に垂直に配置され、前記熱パッファ室の内壁に沿って摺動することにより、前記第2領域の容積を変化させる板と、前記板に接続され、前記長手方向に伸縮するバネを備えていてもよい。
当該構成により、熱パッファ室の第2領域の容積を変化させることができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器の前記導通部は、前記機械パッファ室から前記熱パッファ室への消弧ガスの流入を許容し、前記熱パッファ室から前記機械パッファ室への消弧ガスの流入を阻止する逆止弁を備えていてもよい。
上記構成によれば、逆止弁によってガスの流れを制御することにより、小さな駆動力でも大電流を遮断可能であり、かつ中小電流遮断時においても優れた消弧性能を実現することができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器の前記機械パッファ室は、前記機械パッファ室への給気および前記機械パッファ室からの排気を可能にするバルブを備えていてもよい。
上記構成によれば機械パッファ室内の絶縁ガスの圧力を適正に維持することができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器の前記バネは、前記熱パッファ室の外部に位置していてもよい。あるいは、本発明の一態様に係るガス遮断器の前記バネは、前記熱パッファ室の内部に位置していてもよい。
上記構成によれば、第2領域の容積を変化させる板の位置を、熱パッファ室の内圧に応じて調節することができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器は、前記アーク放電による加熱によって熱パッファ室内の絶縁ガスが膨張すると、前記可変領域の容積は増加し、前記熱パッファ室内の絶縁ガスの圧力が、前記機械パッファ室内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部は閉じ、前記熱パッファ室に内包される絶縁ガスが、消孤ガスとして前記アーク放電に向けて噴出される。
上記構成によれば、ガス遮断器の消孤性能を向上させることができる。
本発明の一態様に係るガス遮断器は、前記機械パッファ室内の絶縁ガスの圧力が、前記アーク放電によって加熱された前記熱パッファ室内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部が開き、前記機械パッファ室に内包される圧縮された絶縁ガスが、消孤ガスとして前記アーク放電に向けて噴出される。
上記構成によれば、ガス遮断器の消孤性能を向上させることができる。
本発明の一態様によれば、ガス遮断器の性能を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係るガス遮断器の断面図であり、閉極状態および大電流遮断時の開極状態を示している。 本発明の実施形態1に係るガス遮断器の断面図であり、閉極状態および中小電流遮断時の開極状態を示している。 本発明の実施形態2に係るガス遮断器の断面図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態であるガス遮断器1について、図面を用いて詳細に説明する。まず、本発明の実施形態1に係るガス遮断器1の概要について説明する。ガス遮断器1は、電力系統における短絡電流等を遮断するために用いられる。ガス遮断器1は、故障電流等を遮断する際、開極動作を行うことで、故障電流等を遮断する。開極動作とは、ガス遮断器1を通電状態(閉極状態)から電流遮断状態(開極状態)に変化させる動作を意味する。ガス遮断器1は、絶縁開閉装置(GIS)に使用するのに適しており、絶縁ガスが封入された容器内に収納されている。ガス遮断器1の開極動作中、固定接触子2と可動接触子4との間にアーク放電7が発生する。ガス遮断器1は、発生したアーク放電7に絶縁ガスを吹き付けて、アーク放電7を消弧する。消弧するためにアーク放電7に吹き付ける絶縁ガスを消弧ガスと称する。
<ガス遮断器1の構成>
ガス遮断器1の概略構成について、図1および図2を用いて説明する。なお、図1および図2は本発明を説明するために用いるものであり、実際の寸法とは異なる場合がある。図1は、本実施形態に係るガス遮断器1の断面図であり、閉極状態および大電流遮断時の開極状態を示している。図2は、本実施形態に係るガス遮断器1の断面図であり、閉極状態および中小電流遮断時の開極状態を示している。説明を容易にするために、図1および図2において、軸Pより右側が開極状態、すなわち電流遮断時(アーク発生時)の状態を示しており、左側が閉極状態、すなわち通常時の通電状態を示している。
なお、以下では、図1に示すように、軸Pに平行な方向をx方向、軸Pに垂直な方向をy方向とし、可動部Kが固定部Mに向かう方向をx軸正方向として説明する。また、便宜上x軸正方向を上方向、x軸負方向を下方向、y軸方向を横方向と称する。
ガス遮断器1は、図示されていない密閉容器の中に設置されている。当該密閉容器は、接地された金属製またはガラス製の筐体であり、その内部には、電気絶縁体として絶縁ガスが充填されている。ガス遮断器1は、密閉容器に絶縁固定されている。
図1に示すように、本実施形態のガス遮断器1は、第1固定部Mと、第2固定部Nと、可動部Kと、を備えている。第1固定部M、第2固定部Nおよび可動部Kは、軸Pを中心軸として同軸上に配置されている。第1固定部Mおよび第2固定部Nの位置は、密閉容器に対して固定されており、可動部Kは、第1固定部Mに対して離接自在に配置されている。また、可動部Kの少なくとも一部は、第2固定部N内に嵌挿されている。可動部Kは、第2固定部Nに対し、軸Pの延伸方向に沿って摺動可能である。第1固定部M、第2固定部Nおよび可動部Kについて、以下に詳細に説明する。
(第1固定部)
第1固定部Mは、固定接触子2と、固定通電接触子3とを備えている。
固定接触子2は、軸Pに沿って延伸する円柱状の導体である。固定接触子2の中心軸は、軸Pと一致している。すなわち、固定接触子2の長手方向は、軸Pの延伸方向である。固定接触子2は、ガス遮断器1の外部の電力系統と電気的に接続されており、密閉容器に絶縁固定されている。
固定通電接触子3は、軸Pに略平行に延伸する円筒状の導体である。固定通電接触子3は、ガス遮断器1の外部の電力系統と電気的に接続されている。固定通電接触子3は密閉容器に絶縁固定されている。
(第2固定部)
本実施形態において、第2固定部Nは、固定シリンダ9を含む。固定シリンダ9は、軸Pと平行な方向に延伸する側面体92を備えている。換言すると、固定シリンダ9は、軸Pに略平行に延伸する円筒状の側面体92を有している。固定シリンダ9は、側面体92の下端部外縁を外縁とし、軸Pを中心とするドーナツ状の底面体91を備えている。底面体91の内縁は、後述する可動部Kの第1側面体102の外面と接するように構成されている。
底面体91には、固定シリンダ9内への給気および固定シリンダ9内からの排気を可能にするバルブ18が設けられている。より具体的には、バルブ18は、固定シリンダ9内における後述する機械パッファ室12への給気および機械パッファ室12からの排気を可能にする。バルブ18は、前記密閉容器中の絶縁ガスを固定シリンダ9内に給気し得る。また、バルブ18は、固定シリンダ9内の圧力が基準値を超えた場合に固定シリンダ9内の絶縁ガスを排気し得る。
(可動部)
可動部Kは、可動接触子4と、可動通電接触子5と、摺動棒6と、ガイド8と、可動シリンダ10とを備えている。
摺動棒6は、軸Pの略軸上に延伸する円筒状または円柱状の部材である。可動シリンダ10は、摺動棒6に対して固定されている。ガイド8および可動通電接触子5は、可動シリンダ10の上部に固定されている。可動接触子4は、摺動棒6の上方向先端部に位置している。摺動棒6が図示しない駆動装置によりx方向に移動することにより、摺動棒6に固定されている各構成要素は摺動棒6と一体的に移動する。
可動通電接触子5は、筒状であり、通電状態(閉極状態)において固定通電接触子3の内周に接している。可動通電接触子5は、固定通電接触子3に対して相対的に移動することにより固定接触子2と接離可能である。
可動接触子4は、筒状であり、通電状態(閉極状態)において固定接触子2の外周に接している。可動接触子4は、固定接触子2の長手方向に移動することにより固定接触子2と接離可能である。開極動作において、可動通電接触子5と固定通電接触子3とが開離した後、可動接触子4と固定接触子2とが開離する。そのため、固定接触子2と可動接触子4とが開離する(開極状態となる)ときに、固定接触子2と可動接触子4との間にアーク放電が生じる。
ガイド8は、開極時に消弧ガスを整流し、アーク放電7に導く部材である。ガイド8と可動接触子4との間の空間は、消弧ガスをアーク放電7に導く経路113である。ガイド8は、絶縁性能を有しており、材質として、例えばフッ素樹脂などを用いることができる。
可動シリンダ10は、軸Pを中心としたドーナツ状の第1底面体101を備える。第1底面体101の内縁は、摺動棒6と接合されている。可動シリンダ10は、第1底面体101の外縁から軸Pに沿って延伸する第1側面体102を備えている。第1側面体102は、固定シリンダ9の側面体92よりも内側に位置している。
可動シリンダ10はさらに、第1側面体102の上端部内縁を内縁とする、軸Pを中心としたドーナツ状の第2底面体103を備える。第2底面体103は、固定シリンダ9の底面体91よりも上方に位置しており、第2底面体103の外縁は、側面体92の内面と接している。可動シリンダ10は、第2底面体103の外縁から軸Pに沿って延伸する第2側面体104を備えている。第2側面体104の外面は、側面体92の内面と接している。
可動シリンダ10はさらに、第2側面体104の上端部外縁を外縁とする、軸Pを中心としたドーナツ状の上面体105を備える。上面体105の内縁は、摺動棒6から離隔して位置している。ガイド8は、上面体105の内縁から軸Pに沿ってX軸正方向に延伸している。可動シリンダ10内に位置する摺動棒6の外面は、可動シリンダ10の内部空間を規定する内面の一部を構成している。
可動シリンダ10は、摺動棒6、第1底面体101および第1側面体102によって規定される空間内において、軸Pに沿って摺動するドーナツ状の板30を備える。板30は、その主面が軸Pに垂直になるように配置されている。板30の内縁は、摺動棒6の外面と接しており、板30の外縁は、第1側面体102の内面と接している。板30は、熱パッファ室11の内壁に沿って摺動することにより、後述する熱パッファ室11の第2領域112の容積を変化させる。板30と、第1底面体101との間には、バネ31が位置している。すなわち、バネ31は、熱パッファ室11の外部に位置している。
バネ31は、板30と接続されており、バネ31の伸縮方向がx方向となるよう、配置されている。換言すると、バネ31は、軸Pの延伸方向に沿って伸縮する。
可動シリンダ10が有する内部空間のうち、板30より上方は熱パッファ室11、板30より下方は調整室15である。換言すると、可動シリンダ10において、熱パッファ室11と、調整室15とは板30を隔てて軸Pの延伸方向に隣接している。熱パッファ室11は摺動棒6と同軸かつ摺動棒6の外周に位置している。
熱パッファ室11は、絶縁ガスを内包しており、開極動作によって生じたアーク放電7によって加熱された絶縁ガスを、アーク放電7の消孤ガスとして噴出する。熱パッファ室11は、第2底面体103の上面を含む平面、上面体105の下面を含む平面、摺動棒6の外面、および第2側面体104の内面によって規定される第1領域111を備えている。
また、熱パッファ室11は、板30の上面、第2底面体103の上面を含む平面、摺動棒6の外面、および第1側面体102の内面によって規定される第2領域112を備えている。第2領域112は、熱パッファ室11において、熱パッファ室11の内圧に応じて容積が変化する領域である。第2領域112は、第2領域112を規定する面の一部が、可動シリンダ10内を摺動可能な板30によって構成されているため、熱パッファ室11の内圧に応じて容積が変化し得る。
摺動棒6の外面には、板30の移動を制限するストッパ16が設けられている。ストッパ16の形状は、例えば、内縁が摺動棒6の外周に接合されるドーナツ形状を有していてもよい。ストッパ16の下面は、第2底面体103の上面を含む平面に一致しているかまたは当該平面よりも下方に位置している。ストッパ16の形状は、板30の可動領域を第2領域112内に制限することができるものであれば特に限定されない。可動部Kがストッパ16を有することにより、板30を第2領域112内に維持することができる。
可動シリンダ10の第1側面体102の外面および第2底面体103の下面、ならびに固定シリンダ9の側面体92の内面および底面体91の上面によって規定される空間は機械パッファ室12として機能する。
第2底面体103には、開閉可能な導通部が設けられている。熱パッファ室11の第1領域111は、当該導通部を介して機械パッファ室12と導通可能である。導通部の数は特に限定されず、第2底面体103に1つ以上形成されていればよい。本実施形態において、導通部は、第2底面体103に形成される円形の導通孔13と、逆止弁32から構成されている。より具体的には、導通部は、機械パッファ室12から熱パッファ室11への絶縁ガスの流入を許容し、熱パッファ室11から機械パッファ室12への絶縁ガスの流入を阻止する逆止弁32を備えている。逆止弁32は、例えば、導通孔13を熱パッファ室11側から塞ぐことのできる平板形状の弁であってよい。
機械パッファ室12は、絶縁ガスを内包しており、可動接触子4が固定接触子2から開離する移動に伴い、機械的に圧縮された絶縁ガスを、アーク放電7の消孤ガスとして噴出し得る。より具体的には、開極動作によって可動シリンダがx軸負方向に移動すると、機械パッファ室12の容積は小さくなる。これにより、機械パッファ室に内包されている絶縁ガスは圧縮され、機械パッファ室12の内圧は上昇する。熱パッファ室11の内圧よりも機械パッファ室12の内圧が高い場合には、逆止弁32が開き、機械パッファ室12から熱パッファ室11への絶縁ガスの流入を許容する。これにより、機械パッファ室12内の絶縁ガスは、機械パッファ室12から導通部を介して消孤ガスとして噴出する。機械パッファ室12は、熱パッファ室11の第2領域112と同軸かつ第2領域112の外周に位置している。
<ガス遮断器1の動作>
(大電流遮断時)
まず、図1を用いて大電流遮断時のガス遮断器1の動作について説明する。
ガス遮断器1が図1の左側に示される閉極状態においては、固定接触子2は可動接触子4と接触しており、固定通電接触子3は可動通電接触子5と接触している。また、板30は、バネ31の伸長作用により、ストッパ16によって係止される係止位置に位置している。
これに対し、ガス遮断器1の開極動作(遮断動作)が実施されると、可動部Kがx負方向に高速で移動し、図1の右側に示される開極状態となる。この開極動作により、固定接触子2と可動接触子4との間においてアーク放電7が生じ得る。
大電流遮断時は、アーク放電7のエネルギは大きく、アーク放電7に近い熱パッファ室11内に内包されている絶縁ガスは加熱され、大きく膨張する。この膨張により圧縮された絶縁ガスは、経路113を通り、消孤ガスとしてアーク放電7に吹き付けられることにより、アーク放電7を消孤する。また、この膨張により、板30は、x負方向に移動し、第2領域112の容積は増加する。熱パッファ室11内の絶縁ガスの圧力が必要以上に過大になると、熱パッファ室11から噴出される消孤ガスの速度が過剰に速くなり、消孤性能が低減する可能性がある。板30がx負方向に移動することにより、熱パッファ室11内の絶縁ガスの圧力が必要以上に過大になる可能性を低減することができる。これにより、熱パッファ室11から噴出される消孤ガスの速度をより適切な速度とすることができ、消孤性能を向上させることができる。
なお、開極動作により、機械パッファ室12内の絶縁ガスも圧縮されるが、大電流遮断時は、熱パッファ室11内の絶縁ガスの膨張が大きいため、機械パッファ室12の内圧よりも熱パッファ室11の内圧の方が高くなる。そのため、逆止弁32は開かず、機械パッファ室12内で圧縮された絶縁ガスは、バルブ18を介して機械パッファ室12から排出される。すなわち、熱パッファ室11内の絶縁ガスの圧力が、機械パッファ室12内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部は閉じ、熱パッファ室11に内包される絶縁ガスが、消孤ガスとしてアーク放電7に向けて噴出される。
(中小電流遮断時)
次に、図2を用いて中小電流遮断時のガス遮断器1の動作について説明する。
図2の左側に示される閉極状態のガス遮断器1に対し、開極動作(遮断動作)が実施されると、可動部Kがx負方向に高速で移動し、図2の右側に示される開極状態となる。
中小電流遮断時は、大電流遮断時と比較すると、アーク放電7のエネルギは小さい。そのため熱パッファ室11内に内包されている絶縁ガスの膨張は小さく、板30はx負方向に移動しないかまたは少ししか移動しない。
一方、開極動作により、機械パッファ室12内の絶縁ガスは機械的に圧縮され、熱パッファ室11の内圧よりも機械パッファ室12の内圧の方が高くなる。そのため、逆止弁32が開き、熱パッファ室11内の絶縁ガスは導通孔13を介して機械パッファ室12から噴出する。機械パッファ室12から噴出したガスは、経路113を通り、消孤ガスとしてアーク放電7に吹き付けられることにより、アーク放電7を消弧する。すなわち、機械パッファ室12内の絶縁ガスの圧力が、アーク放電7によって加熱された熱パッファ室11内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部が開く。そして、機械パッファ室12に内包される圧縮された絶縁ガスが、消孤ガスとしてアーク放電7に向けて噴出される。
例えば、特許文献1に記載のガス遮断器のように機械パッファ室が軸Pに沿って熱パッファ室と隣接している場合、機械パッファ室からアーク放電までの消弧ガスの経路は長くなる。これに対し、本実施形態のガス遮断器1では、機械パッファ室12は、熱パッファ室11の第2領域112の外周に位置しているため、機械パッファ室12から噴出された消孤ガスがアーク放電7に到達するまでの距離は従来技術と比較して短くなる。これにより、機械パッファ室12から噴出された消弧ガスの速度が摩擦などにより低下する可能性を低減することができ、消孤性能を向上させることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図3は、実施形態2に係るガス遮断器1Aの断面図である。図3において、軸Pより左側は大電流遮断時、軸Pより右側は中小電流遮断時を示している。
ガス遮断器1Aは、バネ31が熱パッファ室11の内部に位置している点が実施形態1のガス遮断器1と異なっている。より詳細には、バネ31の一方の端部は板30の上面と接続されており、他方の端部は、可動シリンダ10の上面体105と接続されている。他の点は実施形態1のガス遮断器1と同様の構成である。
ガス遮断器1Aについても実施形態1のガス遮断器1と同様の効果を奏する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、1A・・・ガス遮断器
2・・・固定接触子
3・・・固定通電接触子
4・・・可動接触子
5・・・可動通電接触子
6・・・摺動棒
7・・・アーク放電
11・・・熱パッファ室
12・・・機械パッファ室
13・・・導通孔(導通部)
15・・・調整室
16・・・ストッパ
18・・・バルブ
30・・・板
31・・・バネ
32・・・逆止弁
111・・・第1領域
112・・・第2領域

Claims (8)

  1. 固定接触子と、
    前記固定接触子の長手方向に移動することにより前記固定接触子と接離可能な可動接触子と、
    絶縁ガスを内包し、前記固定接触子と前記可動接触子との間に生じるアーク放電によって加熱された当該絶縁ガスを、前記アーク放電の消孤ガスとして噴出し得る熱パッファ室と、
    絶縁ガスを内包し、前記可動接触子が前記固定接触子から開離する移動に伴い、機械的に圧縮された絶縁ガスを、前記アーク放電の消孤ガスとして噴出し得る機械パッファ室と、を備え、
    前記熱パッファ室は、開閉可能な導通部を介して前記機械パッファ室と導通可能な第1領域と、当該熱パッファ室の内圧に応じて容積が変化する第2領域とを備えており、
    前記機械パッファ室は、前記第2領域と同軸かつ前記第2領域の外周に位置している、ガス遮断器。
  2. 前記固定接触子の長手方向に垂直に配置され、前記熱パッファ室の内壁に沿って摺動することにより、前記第2領域の容積を変化させる板と、
    前記板に接続され、前記長手方向に伸縮するバネを備える、請求項1に記載のガス遮断器。
  3. 前記導通部は、前記機械パッファ室から前記熱パッファ室への消弧ガスの流入を許容し、前記熱パッファ室から前記機械パッファ室への消弧ガスの流入を阻止する逆止弁を備える、請求項1に記載のガス遮断器。
  4. 前記機械パッファ室は、前記機械パッファ室への給気および前記機械パッファ室からの排気を可能にするバルブを備える、請求項1に記載のガス遮断器。
  5. 前記バネは、前記熱パッファ室の外部に位置している、請求項2に記載のガス遮断器。
  6. 前記バネは、前記熱パッファ室の内部に位置している、請求項2に記載のガス遮断器。
  7. 前記アーク放電による加熱によって熱パッファ室内の絶縁ガスが膨張すると、前記第2領域の容積は増加し、
    前記熱パッファ室内の絶縁ガスの圧力が、前記機械パッファ室内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部は閉じ、前記熱パッファ室に内包される絶縁ガスが、消孤ガスとして前記アーク放電に向けて噴出される、請求項1から6のいずれか1項に記載のガス遮断器。
  8. 前記機械パッファ室内の絶縁ガスの圧力が、前記アーク放電によって加熱された前記熱パッファ室内の絶縁ガスの圧力を超える場合には、前記導通部が開き、前記機械パッファ室に内包される圧縮された絶縁ガスが、消孤ガスとして前記アーク放電に向けて噴出される、請求項1から6のいずれか1項に記載のガス遮断器。
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