JP3657180B2 - リブ付管用樹脂製マンホールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リブ付管用の樹脂製マンホールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の樹脂製マンホールとしては、特開平9−100987号に開示されたものが知られている。
すなわち、前記公報には図9に示すように、上流側に受口部、下流側に差口部、上向きに点検用筒接続部がそれぞれ一体的に形成された円管用の汎用樹脂製マンホールの受口部と差口部についてリブ付管の接続を可能とするように変更した構造が開示されている。
リブ付管は管の外周に所定のピッチで環状リブが設けられているもので、その形状により、軽量ながら高い耐衝撃性と偏平強度を発揮するものである。
そして、前記公報においては、この環状リブが受口部に挿入できるように、受口部についてその内径を環状リブ外径に合わせた径大のものとするようにし、差口部についてはリブ付管の受口との接続のため、リブ付管の受口内径に合わせたリップ付ゴム輪とそれを挟むカラーを装着するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報には、次の点の開示がされていない。
第1に、樹脂製マンホールの受口部の強度を確保するための手段が開示されていない。下水管としてリブ付管を使用するメリットの1つに、高い耐衝撃性を生かして砕石基礎の施工を可能にすることが挙げられるため、リブ付管以外の管路構成部分の強度を確保することは重要な課題である。そこで、仮に、前記受口部分を汎用樹脂製マンホールと同じ肉厚で形成したとすると、管路の他部分と比べて強度が弱くなり、埋め戻しの際に砕石等が直接当たって破損するおそれがある。また管路の他部分(リブ付管の部分)と同等の強度を確保した肉厚で形成した場合には、相当の肉厚が必要となり、マンホール自体が重くなり、運搬、施工に著しい不便をきたすという問題がある。
【0004】
第2に、樹脂製マンホールの差口部の管径について開示されていない。前記汎用樹脂製マンホールの差口の内径は、そこに接続される汎用の円管(VU管)の内径と略同一に形成されるが、この内径は規格で定められた寸法通りに製造すると、汎用のリブ付管の内径よりも若干大きいものとなる。したがって、前記差口にリブ付管を同管軸で接続すると、樹脂製マンホールの差口部とリブ付管の接続部内周面に流路方向に高くなる段差が生じ、汚物溜となるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、施工の容易性を維持しつつ、砕石基礎にも耐える強度を有し、かつ汚物溜も生じないリブ付管用の樹脂製マンホールの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために請求項1に記載した発明では、先端部内周にゴム輪が嵌着された受口を上流側に、差口を下流側に、点検筒接続部を上方に設けた円管用樹脂製マンホールの前記受口を、ゴム輪を収納する溝のマンホール本体側の縁から受口の縮径部分に至るまでの範囲 H で切除し、前記差口を差口部材との接合強度が確保されるよう切除して各々受口部分および差口部分とし、前記受口部分をリブ付管の環状リブ外径に合わせて拡径処理してマンホール本体を形成し、所定ピッチで環状リブが外周に設けられた短管であって径大部と径小部からなり、その境界部内周面に前記拡径受口部分の肉厚と略等しい段差が設けられている受口部材を前記マンホール本体の拡径処理後の拡径受口部分に外嵌接合し、所定ピッチで環状リブが外周に設けられた径大部と径小部からなり、径大部の管軸よりも径小部の管軸が下方に偏芯している差口部材を、前記差口部分に外嵌接合することを特徴とするリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法である。
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、汎用品である円管用樹脂製マンホールを基本構造として用いているので、新たに金型を必要とせず、低コストでの製造が可能になる。
また、受口部材および差口部材は所定ピッチで環状リブが設けられた短管から構成されているので、肉薄でも強度が確保でき、重量は汎用品である円管用樹脂製マンホールと略同一としながら、樹脂製マンホールの受口および差口にリブ付管と同等以上の強度を与えることができる。
また、受口部材に径小部を設けたことで、樹脂量の低減が図られ、軽量化され、径小部と径大部の境界内周面に生じる段差を位置決め手段として利用できるので、受口部材の外嵌接合作業が容易となる。さらに、1個の部材の接続作業で受口が完成でき、強度を低下させることもない。
さらに、差口部材の径小部の管軸を径大部の管軸よりも下方に偏芯させたため、マンホール本体の差口部分と差口部材の管底の位置が一致し、汚水溜まりは生じない。
【0008】
請求項2に記載した発明では、先端部内周にゴム輪が嵌着された受口を上流側に、差口を下流側に、点検筒接続部を上方に設けた円管用樹脂製マンホールの前記受口および差口を先端から所定範囲にわたって切除して各々受口部分および差口部分とし、前記受口部分をリブ付管の環状リブ外径に合わせて拡径処理してマンホール本体を形成し、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた短管からなる受口部材と、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた径大部と径小部からなり、径大部の管軸よりも径小部の管軸が下方に偏芯している差口部材とを、
前記マンホール本体の拡径処理後の拡径受口部分および差口部分に各々外嵌接合し、前記拡径受口部分と前記外嵌された受口部材で形成された受口に、一端側が拡径され他端側が縮径された短管からなる受口補助部材を内嵌することを特徴とするリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法である。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、受口補助部材を内嵌させるので受口内周面の滑らかさを考慮する必要がなくなり、外嵌接合する受口部材はリブ付管を切断した短管を使用することができる。
また、受口補助部材は一端側が拡径され他端側が縮径されているので、管路の施工時にリブ付管の差口の挿入作業が容易になり、内周面が一体成形された滑らかな面で形成されることになるので、リブ付管との接続がより確実になる。
【0010】
請求項3に記載した発明では、前記受口が前記ゴム輪を収納する溝のマンホール本体側の縁(範囲 H の開口側端)で切断することを特徴とする請求項1または2に記載のリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法である。
【0011】
請求項3に記載した発明によれば、この位置で切断する場合には、溝の縁が切断の位置決め手段として利用でき、また、受口部材との接着範囲が大きく取れ、接合強度を最も大きくできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の請求項1及び3に記載の製造方法により得られるリブ付管用樹脂製マンホールの第1の実施形態を示す断面図である。
本実施形態は、汎用品である円管用樹脂製マンホールを利用してできるマンホール本体10に受口部材20と差口部材30を接合するという基本構造からなる。
【0013】
マンホール本体10は、図2に示す円管用樹脂製マンホール100を加工して製造される。
円管用樹脂製マンホール100は、受口の先端部内周の溝106にゴム輪105が嵌着された所謂ゴム輪接合方式のマンホールである。受口102Aが上流側に、差口103Aが下流側に、点検筒接続部101が上方に設けられている。
まず、円管用樹脂製マンホール100の受口をその先端から所定長の位置で切断する。
具体的には、ゴム輪105を収納する溝106がマンホール本体に残らないように、溝106のマンホール本体側の縁から受口102Aの縮径部分に到るまでの範囲Hで切断すればよい。
切断位置は、(1) 受口部材を外嵌接合させて形成された受口にリブ付管を挿入させた場合に、規格で定められている呑み込み代の長さが確保されていること、(2) 受口部材を受口部分に外嵌接合させたときに接合強度が十分確保されること、という2つの条件を満足した上で、受口全体の長さを最小とするように決定される。
【0014】
この範囲Hで切断する場合には、マンホール本体に残る受口部分は内周面、外周面ともに滑らかな筒状部分を有することになり、受口部材の外嵌が容易にできる。
さらに、好ましくは、前記溝のマンホール本体側の縁(範囲Hの開口側端)で切断するのがよい。この位置で切断する場合には、溝の縁が切断の位置決め手段として利用でき、また、受口部材との接着範囲が大きく取れ、接合強度を最も大きくできるからである。
なお、切断は、受口102Aの開口端面と平行な面が形成されるように、受口102Aの管軸に対して垂直に切断する。
このようにして受口の先端から切断位置までの範囲の部分を切除する。
【0015】
次に、差口についても、先端から所定範囲を切除する。切断位置は差口部材30を差口部分に外嵌させたときに接合強度が十分確保され、かつ差口全体の長さを最小となるように決定される。
また、差口103Aの開口端面と平行な面が形成されるように、差口103Aの管軸に対して垂直に切断する。
なお、受口の切除する範囲(先端から切断位置までの長さ)とは必ずしも一致しない。
【0016】
円管用樹脂製マンホールから受口と差口について先端から所定範囲を切除した状態を図3に示す。マンホール本体には受口部分102B、差口部分103が残されている。
このマンホール本体の受口部分102Bについて拡径処理を行う。内径を基準にして1.1〜1.2倍程度拡径させる。受口にリブ付管を収容すべく、リブ付管の外周に設けられる環状リブの径に合わせるものである。
拡径処理は、マンホール10の受口部分102Bをオイルバスに浸して、受口部分102B全体を均一に加熱する。その後、所望する内径に設計されたスリーブ型を挿入して拡径させれば良い。
拡径処理後の受口部分は、拡径受口部分102となる。
【0017】
以上のような工程でマンホール本体10が形成される。勿論、工程の順序は、受口と差口の切除を同時に行ってもよいし、どちらかを先にしてもよい。
また、受口と差口の切除後に、受口部分の拡径処理を行ってもよいし、受口の切除後に、受口部分の拡径処理を行い、その後差口の切除を行ってもよい。
【0018】
次に、マンホール本体10の拡径受口部分102に受口部材20を外嵌接合する。
図4に示すように受口部材20は、所定ピッチで環状リブが外周に設けられた短管で構成されている。所定ピッチは、汎用のリブ付管に形成されている環状リブのピッチに合わせて設定すればよい。例えば、呼び径200mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約25mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約16mmとなる。また、呼び径150mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約20mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約13mmとなる。
【0019】
受口部材20は、外径が同径の筒状部221の先端に拡径された先端部21が設けられている。先端部21の内周面は先端に向けて拡がる傾斜面となっていてリブ付管の挿入を容易にしている。
また、筒状部221は先端側の内径を縮径させて内周面の途中に段差222を設けてある。この段差222は拡径受口部分102の肉厚と略同一とされる。
この段差222は受口部材20を拡径受口部分102に外嵌させるときの位置決め手段に利用でき、外嵌接合作業を容易にするとともに、外嵌接合後の受口内周面の段差を解消し、リブ付管の接続をより確実にする。
受口部材20を拡径受口部分102に外嵌接合する際には接着剤を用いる。
【0020】
なお、受け口部材20は、汎用のリブ付管を所定長に切断した円筒状短管で構成するものとしてもよい。この場合には、先端部21および内周面の段差222はなくなるが、製造コストを低減することができる。ここで、所定長とはリブ付管の受口呑み込み代に相当する長さとすれば良い。
【0021】
次に、マンホール本体10に残された差口部分103に差口部材30を外嵌接合する。
図5(b) に示すように差口部材30は、径大部31と径小部32を有する。径小部32は、径大部31よりも外径および内径の何れも径小に形成されている。
外周には、所定ピッチで環状リブが設けられているが、所定ピッチは、汎用のリブ付管に形成されている環状リブのピッチに合わせて設定すればよい。例えば、呼び径200mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約25mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約16mmとなる。また、呼び径150mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約20mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約13mmとなる。
【0022】
そして、径大部31の管軸lと径小部32の管軸l’は偏芯させている。すなわち、径小部32の管軸l’は、径大部31の管軸lよりも長さXだけ、垂直下方に偏芯した状態になっている。
【0023】
この状態を径大部31の開口端側から見た図が図5(a) である。
Oは管軸lの開口端側から見た位置を示しており、O’は管軸l’の開口端側から見た位置を示している。図5(a) に示すように、管軸l’は管軸lの垂直下方に長さXだけ偏芯している。
【0024】
したがって、径大部31と径小部32の接続部内周面には、段差部34が環状にできる。この段差部34の段差は全周に渡って一定ではなく、管頂部分が最も大きく、管底部分が最も小さい。
管底部分の段差を差口部分103の肉厚と略同一に設定する。これは差口部103と差口部材30の径小部32の管底の位置を一致させるものである。
これにより、マンホール本体10の差口部分103の内径と汎用のリブ付管の内径の規格寸法の不一致を巧く解消し、特別な作業は一切必要とせずに流路方向に対して逆段差を生じない配管施工が可能になる。
【0025】
差口部材30は、前述の通り偏芯させたため、マンホール本体10の差口部分103と接合する際には、管頂部分と管底部分の位置合わせを確実にしておく必要がある。
そこで、射出成形する際の金型のパーティングラインを利用する。つまり、管頂部分に相当する位置にパーティングラインがくるようにマンホール本体10と差口部材30を設計する。そして接合の際に、各々のパーティングラインを一致させるようにすればよい。パーティングラインは金型を削り込むことで、その一部を凸状の指標として目立つようにしてもよい。
【0026】
なお、差口部材の径小部の開口端部付近には、リブ付管52の受口との接続のためにゴム輪321が嵌着されている。ゴム輪321は外周リブ33と外周リブ33との間に挟み込むように嵌着すればよい。
【0027】
図6は、受口部材についての他の実施形態を示す断面図である。
この受口部材20Bは、径大部23Bと径小部22Bを有しており、径小部22Bの開口端側は拡径された先端部21Bとされる。
【0028】
外周には、所定ピッチで環状リブが設けられているが、所定ピッチは、汎用のリブ付管に形成されている環状リブのピッチに合わせて設定すればよい。例えば、呼び径200mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約25mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約16mmとなる。また、呼び径150mmの管との接続用の受口部材であれば、ピッチは約20mm、この場合の環状リブの高さ(円筒状本体から突出したリブの高さ)は約13mmとなる。
【0029】
先端部21Bの内周面は先端に向けて拡がる傾斜面となっていてリブ付管の挿入を容易にしている。
径小部22Bは、内径および外径ともに径大部23Bよりも小さく形成されている。径小部22Bの内径は、径大部23Bとの内径の差である段差25Bがマンホール本体10の拡径受口部分102の肉厚と略同一となるように設定される。
【0030】
径小部22Bは強度が確保される最小の肉厚に設定されるが、径小部22Bの外径は径大部23Bの外径よりも小さくなるので、その分の樹脂材料を節減できる。
薄肉としたことによる強度の低下は、径小部においてもリブ24Bを設けたことで、補強しており、実用上の問題は生じない。
【0031】
図7は、本発明の請求項2に記載の製造方法により得られるリブ付管用樹脂製マンホールの第2の実施形態を示す断面図である。
第1の実施形態とは、受口構造のみが異なる。そこで、受口構造のみを説明し、他は省略する。
【0032】
まず、マンホール本体10の拡径受口部分102に受口部材20Aを外嵌する。ここでは受口部材20Aは、汎用のリブ付管を所定長に切断した円筒状短管で構成したものを用いた。所定長とはリブ付管の受口呑み込み代に相当する長さとすれば良い。
【0033】
拡径受口部分102に受口部材20Aを外嵌し、接合は接着剤にて行う。
その後、受口補助部材21Aを拡径受口部分102と受口部材20Aで形成された受口に内嵌させる。受口補助部材21Aは、拡径された一端部211Aと縮径された他端部212Aを有する筒状短管である。受口補助部材21Aも接着剤を用いて前記受口に固定させる。
【0034】
受口の構造としては、拡径受口部分102を、受口部材20Aと受口補助部材21Aで挟んだ二重構造となるため、要求される強度を十分満足するものとなる。
また、受口部材20Aは前記の形状、すなわち、汎用のリブ付管を所定長に切断した円筒状短管で構成したものとしたので、簡易に製造でき、金型が不要であるため、製造コストを低減できる。
【0035】
もっとも、受口部材20Aは第1の実施形態で用いた形状のもの、すなわち、先端が拡径されており、筒状部は先端側の内径を縮径させて内周面の途中に段差を設けたものを用いてもよい。その場合には、受口部材20Aと受口補助部材21Aの間隙にも樹脂が満たされることになるので、さらに強度が向上することになる。
また、図6に示した径大部23Bと径小部22Bを有するものでもよい。この場合には、樹脂量の低減が図られ、軽量化される。
【0036】
図8に本発明であるリブ付管用樹脂製マンホールを使用した配管例を示す断面図を示した。
受口部材は図6に示したものを使用した。すなわち、径大部23Bと径小部22Bを有しており、径小部22Bの開口端側は拡径された先端部21Bとされる受口部材20Bを受口部分102に外嵌接合している。
【0037】
リブ付管用樹脂製マンホールの上流側に設けられた受口には、リブ付管51の差口が接続され、リブ付管用樹脂製マンホールの下流側に設けられた差口には、リブ付管52の受口が接続される。また、点検筒接続部101には点検筒53が接続される。
ほぼ全体に渡りリブで補強された管路構成が実現でき、管路全体が高い耐衝撃性を有する。
なお、基礎に砕石を用いる場合は、汚水の流れる管路部分は少なくとも砕石55で埋設されることになる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、汎用品である円管用樹脂製マンホールを基本構造として用いているので、新たに金型を必要とせず、低コストでの製造が可能になる。
また、受口部材および差口部材は所定ピッチで環状リブが設けられた短管から構成されているので、肉薄でも強度が確保でき、重量は汎用品である円管用樹脂製マンホールと略同一としながら、樹脂製マンホールの受口および差口にリブ付管と同等以上の強度を与えることができる。
また、受口部材に径小部を設けたことで、樹脂量の低減が図られ、軽量化され、径小部と径大部の境界内周面に生じる段差を位置決め手段として利用できるので、受口部材の外嵌接合作業が容易となる。さらに、1個の部材の接続作業で受口が完成でき、強度を低下させることもない。
さらに、差口部材の径小部の管軸を径大部の管軸よりも下方に偏芯させたため、マンホール本体の差口部分と差口部材の管底の位置が一致し、汚水溜まりは生じない。
【0039】
請求項2に記載した発明によれば、受口補助部材を内嵌させるので受口内周面の滑らかさを考慮する必要がなくなり、外嵌接合する受口部材はリブ付管を切断した短管を使用することができる。
また、受口補助部材は一端側が拡径され他端側が縮径されているので、管路の施工時にリブ付管の差口の挿入作業が容易になり、内周面が一体成形された滑らかな面で形成されることになるので、リブ付管との接続がより確実になる。
【0040】
請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の前記受口が前記溝のマンホール本体側の縁(範囲 H の開口側端)で切断されているので、この位置で切断する場合には、溝の縁が切断の位置決め手段として利用でき、また、受口部材との接着範囲が大きく取れ、接合強度を最も大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるリブ付管用樹脂製マンホールの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】円管用樹脂製マンホールを示す断面図である。
【図3】マンホール本体を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態で用いた受口部材の断面図である。
【図5】第1の実施形態で用いた差口部材の、(a) は径大部側の開口端から見た図、(b) は断面図である。
【図6】受口部材についての他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明であるリブ付管用樹脂製マンホールの第2の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明であるリブ付管用樹脂製マンホールを使用した配管例を示す断面図である。
【図9】従来のリブ付管用の樹脂製マンホールを示す断面図である。
【符号の説明】
10 マンホール本体
20 受口部材
30 差口部材
100 円管用樹脂製マンホール
102 拡径受口部分
102A 受口
102B 受口部分
103A 差口
103 差口部分
104,105,321 ゴム輪
106 溝
Claims (3)
- 先端部内周にゴム輪が嵌着された受口を上流側に、差口を下流側に、点検筒接続部を上方に設けた円管用樹脂製マンホールの前記受口を、ゴム輪を収納する溝のマンホール本体側の縁から受口の縮径部分に至るまでの範囲 H で切除し、前記差口を差口部材との接合強度が確保されるよう切除して各々受口部分および差口部分とし、前記受口部分をリブ付管の環状リブ外径に合わせて拡径処理してマンホール本体を形成し、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた短管であって径大部と径小部からなり、その境界部内周面に前記拡径受口部分の肉厚と略等しい段差が設けられている受口部材を前記マンホール本体の拡径処理後の拡径受口部分に外嵌接合し、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた径大部と径小部からなり、径大部の管軸よりも径小部の管軸が下方に偏芯している差口部材を、前記差口部分に外嵌接合することを特徴とするリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法。 - 先端部内周にゴム輪が嵌着された受口を上流側に、差口を下流側に、点検筒接続部を上方に設けた円管用樹脂製マンホールの前記受口および差口を先端から所定範囲にわたって切除して各々受口部分および差口部分とし、前記受口部分をリブ付管の環状リブ外径に合わせて拡径処理してマンホール本体を形成し、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた短管からなる受口部材と、
所定ピッチで環状リブが外周に設けられた径大部と径小部からなり、径大部の管軸よりも径小部の管軸が下方に偏芯している差口部材とを、
前記マンホール本体の拡径処理後の拡径受口部分および差口部分に各々外嵌接合し、前記拡径受口部分と前記外嵌された受口部材で形成された受口に、一端側が拡径され他端側が縮径された短管からなる受口補助部材を内嵌することを特徴とするリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法。 - 前記受口が前記ゴム輪を収納する溝のマンホール本体側の縁(範囲 H の開口側端)で切断することを特徴とする請求項1または2に記載のリブ付管用樹脂製マンホールの製造方法。
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