JP3657052B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィット性に優れた展開型の使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有し、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成されている、いわゆる展開型の使い捨ておむつが、広く用いられている。
【0003】
しかし、従来の展開型の使い捨ておむつは、背側部の左右両側縁に設けられたテープファスナーを、腹側部の裏面シートの表面側に貼着することにより、おむつの止着を行うものであったため、特に立ったままで装着する際における操作性が悪く、また、装着中におけるフィット性が悪いため、装着感に劣り、おむつと身体とのに隙間が生じて尿等が漏れるなどの問題があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、装着時の操作性に優れ、且つ装着中におけるフィット性に優れた使い捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記背側部の左右両側縁に伸縮部を有するフラップを設けることによって、特に、該伸縮部として特定の成分の組み合わせからなる2成分系伸縮弾性複合繊維を構成繊維として用いた伸縮弾性不織布を含むシートを採用することによって、上記目的が達成され得ることを知見した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有し、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成されている、展開型の使い捨ておむつにおいて、
上記背側部の左右両側縁には、それぞれフラップが連設されており、左右の該フラップの少なくとも何れか一方における先端部には、フラップ止着部が設けられており、該フラップ止着部により、左右の該フラップを着用者の腹側において止着することができるようになしてあり、
上記腹側部には、その左右両側におむつ止着部が設けられており、該おむつ止着部を上記フラップに当接させておむつの止着ができるようになしてあり、
上記フラップは、少なくともその基端部側に伸縮部を有し、
上記伸縮部は、結晶性ポリプロピレンからなるハードエラスチック成分を第1成分とし、熱可塑性エラストマーを第2成分とする伸縮弾性複合繊維からなる伸縮弾性不織布を含むシートからなり、
上記伸縮弾性複合繊維は、上記第1成分が鞘で、上記第2成分が芯である芯鞘型複合繊維である、ことを特徴とする使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨ておむつの好ましい一実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の使い捨ておむつの好ましい一実施形態を示す正面図であり、図2は、図1に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図である。図3は、図1に示す実施形態の使い捨ておむつの使用形態を示す図であり、図3(a)は、フラップ止着部を止着する際の状態を示す正面図であり、図3(b)は、おむつ止着部を止着する際の状態を示す正面図である。
【0008】
図1及び図2に示す実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体4を有し、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部A及び背中側に位置する背側部Bが形成されている、展開型の使い捨ておむつである。
【0009】
図1及び図2に示す実施形態の使い捨ておむつ1について詳細に説明すると、上記吸収体4はその股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成されている。また、上記表面シート2及び上記裏面シート3も上記吸収体4の形状に即してその股下領域が上述の如く湾曲形成されている。そして、上記吸収体4は、上記表面シート2及び上記裏面シート3により挟持・固定されている。また、上記吸収体4の周縁部におけるウエスト部5とレッグ部6とには、おむつを着用した際に、着用者にウエスト部5とレッグ部6とをフィットさせるためのウエスト部弾性伸縮部材7a及びレッグ弾性伸縮部材7bが、それぞれ上記表面シート2と上記裏面シート3とにより固定されて設けられている。
【0010】
上記使い捨ておむつ1の長手方向左右両側には、それぞれ不織布が配されて立体ガード8が形成されている。該立体ガード8の自由端9には立体ガード弾性伸縮部材7cが配されて、ギャザーを形成している。
このような構成は、従来の展開型の使い捨ておむつと同様である。
【0011】
次に、上記使い捨ておむつ1を構成する各部材の形成材料について説明する。上記表面シート2としては、排泄物を吸収体へ透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有したものが好ましく、このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。また、表面シート2の周縁にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法により、撥水処理を施し、周縁における尿等の滲みによる漏れを防止することができる。
【0012】
上記裏面シート3としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した液不透過性かつ蒸気透過性のフィルムシート、または繊維集合体と該フィルムシートとのラミネート等が用いられる。
【0013】
上記吸収体4としては、解繊パルプを主材とし、高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましい。該高分子吸水ポリマーは、上記吸収体4の上層、中層、下層の何れの位置に存在させてもよく、また、パルプと混合したものであってもよい。また、該高分子吸水ポリマーは自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましい。このような高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などが好ましく挙げられる。
【0014】
上記ウエスト部弾性伸縮部材7a、上記レッグ部弾性伸縮部材7b及び上記立体ガード弾性伸縮部材7cとしては、それぞれ、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴム、或いはポリウレタン又はメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体の弾性フィルム、糸ゴム、平ゴム、発泡体等が好ましく挙げられ、特に50%伸長時の応力が40〜150グラムのものが好ましい。なお、上記ウエスト部弾性伸縮部材7aが配されて形成された腹側部Aにおけるウエストギャザーの伸縮度は1.1〜2.0倍であることが好ましい。
【0015】
また、上記立体ガード8を形成する上記不織布としては、通常おむつに用いられるものを特に制限なく用いることができる。
【0016】
而して、図1及び図2に示すように、本実施形態の使い捨ておむつ1においては、上記背側部Bの左右両側縁B1,B2に、それぞれフラップ10a,10bが連設されている。左右の該フラップ10a,10bのうちフラップ10aにおける先端部11には、フラップ止着部14が設けられており、該フラップ止着部14により、左右の該フラップ10a,10bを着用者の腹側において止着することができるようになされている。また、上記腹側部Aには、その左右両側におむつ止着部20,20・・・が設けられており、該おむつ止着部20,20・・・を、上記フラップ10a,10bに当接させて、おむつの止着ができるようになされている。
【0017】
上記フラップ10a,10bについて更に詳述すると、図1及び図2に示すように、上記フラップ10a,10bは、対称的に形成されており、それぞれ、基端部12から先端部11にかけて幅が細くなるようになされている。また、上記フラップ止着部14は、上記フラップ10aの先端部11における表面シート側に設けられており、上記フラップ10bの裏面シート側に該フラップ先端部11を当接させることにより、フラップ10a,10bの止着ができるようになされている。
また、上記おむつ止着部20,20・・・は、それぞれ上記腹側部Aの左右両側の上下に設けられており、片側2個ずつ合計4個設けられている。
【0018】
図1及び図2に示すように、上記フラップ10a,10bは、少なくともその基端部12側に伸縮部13を有している。
上記伸縮部13について更に詳述すると、該伸縮部13は、上記フラップ10a,10bのフラップ本体15と上記背側部Bの左右両側縁B1,B2とをそれぞれ連結するように設けられている。
上記フラップ10a,10bは、非応力下における該フラップ10a,10bの長さに対して1.2〜2倍の長さに伸長可能であることが好ましい。即ち、上記伸縮部13は、その伸縮により、フラップ全体がフラップ全体の長さに対して1.2〜2倍の長さとなるような伸縮性能を有することが好ましい。該伸長可能な長さが1.2倍未満であると、上記使い捨ておむつ1がその装着時に身体の動きに追従することができずフィット性向上の効果が低下し、2倍を超えると、装着する時の操作性が悪くなるので、好ましくない。ここで、「非応力下」とは、外力が何もかかっていない状態を意味する。
【0019】
上記フラップ本体15の長さL1と上記伸縮部13の長さL2との比は(図2参照)、L1:L2=90〜0:10〜100であることが好ましい。従って、L1とL2との比の大小によって、上記フラップ本体15が上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20の被止着部となる場合と、上記伸縮部13が上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20の被止着部となる場合とがある。
【0020】
次に、上記フラップ止着部14、上記おむつ止着部20及び上記フラップ10a,10bの形成材料について説明する。
【0021】
上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20は、それぞれ、機械的ファスナーの凸部材により形成されている。該機械的ファスナーの凸部材としては、基材シート上に錨型のオス型係合部材が多数配されたものや、基材シート上に釣型のオス型係合部材が多数配されたもの等を挙げることができる。また、「マジックテープ」(登録商標、クラレ社製)、「クイックロン」(登録商標、YKK社製)、「マジクロス」(登録商標、カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いることもできる。
【0022】
また、上記フラップ10a,10bにおける上記フラップ本体15は、不織布で形成されており、上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20における上記機械的ファスナーの凸部材に対して係合可能になされている。
【0023】
上記不織布としては、通常使い捨ておむつに用いられるものであれば特に制限無く用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等熱可塑性樹脂の単独樹脂から成形されるフィラメント;鞘芯型や並列型複合フィラメントを用い、通常の溶融紡糸により、フィラメントを必要に応じて延伸し、クリンピング処理し、切断した短繊維を熱、接着剤等で点接着するか、又は水流、針等で交絡させてなる不織布、即ち、湿式法、乾式法、スパーンレース法又はスパンボンド法等により形成されてなる不織布などが用いられる。また、多層フィラメントを成形した後、該多層フィラメントを外力によって分割した分割フィラメントからなる不織布を用いることもできる。更に、メルトブローン或いはスパンボンド成形法により直接成形される不織布を用いることもできる。
中でも、高弾性樹脂を芯にし、低弾性及び/又は低融点樹脂を鞘に用いた鞘芯型複合フィラメントを用いてなる不織布は、風合い及び弾力性が良好であり、また生産性、安全性及びコストの点から好ましい。この際用いられる上記複合フィラメントとしては、芯/鞘が、PET/PE、PP/PE、PET/PPである、ポリオレフィン系鞘芯型複合フィラメントが挙げられる。
一般に、上記機械的ファスナーの凸部材に対して良好な係合性を得ようとするならば、嵩の高い、上記短繊維のサーマルボンド若しくはニードルパンチ不織布、又は繊維自由度が比較的大きいスパンレース不織布を用いることが好ましい。
【0024】
また、上記不織布に用いられる上記フィラメントは、得られる不織布の柔軟性及び風合いから、その太さが細い程好ましく、特に好ましい太さは3デニール以下であり、下限は特に制限されないが0.1デニール位までである。これ未満であると製造が困難である。また、上記不織布の坪量は、5〜200g/m2 が好ましく、10〜50g/m2 が特に好ましい。また、0.5g/cm2 加重下の厚さは、15〜700μmが好ましく、特に好ましくは30〜400μmである。
【0025】
上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20は、上記の形成材料(機械的ファスナーの凸部材)を、それぞれ、フラップ又は腹側部の表面シート側に接着固定するなどして容易に形成することができ、また、上記フラップ10a,10bは、超音波シール(熱融着)、接着剤固定等して形成することができる。
【0026】
次に、上記伸縮部13について説明する。
上記伸縮部13は、結晶性ポリプロピレンからなるハードエラスチック成分を第1成分とし、熱可塑性エラストマーを第2成分とする2成分系の伸縮弾性複合繊維(以下、単に「複合繊維」という)であって、第1成分が鞘で、第2成分が芯である芯鞘型複合繊維からなる伸縮弾性不織布を含むシートからなるものである。
上記複合繊維は、熱可塑性エラストマーからなる従来の弾性繊維に比して、すべり性が良好であり、特にカード機を用いて不織布に加工することが容易である。
また、上記複合繊維を構成繊維とする上記伸縮弾性不織布は、通常の不織布と同様に布様の感触を有し、風合いに優れたものである。従って、該伸縮弾性不織布を含むシートを上記伸縮部13として用いる上記使い捨ておむつ1は、快適な装着感を有するものとなる。
【0027】
上記伸縮部は、上記伸縮弾性不織布のみからなるシートから構成されていても、本発明の効果は十分に奏されるが、上記伸縮部として、上記伸縮弾性不織布と他の伸縮性材料、例えばエラストマーシートとを積層させてなる少なくとも2層以上の積層シートを用いても本発明の効果は十分に奏される。該積層シートは、上記伸縮弾性不織布及び上記エラストマーシートが、部分接着により、具体的には、点状又は線状に接着されて形成されていることが好ましい。上記エラストマーシートを構成する材料としては、例えば、ウレタン、スチレン、エステル、オレフィン系の熱可塑性エラストマーが挙げられ、特に、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく用いられる。
【0028】
上記エラストマーシートと上記伸縮弾性不織布とを線状に接着する際の接着パターンの好ましい例としては、上記フラップ止着部及び/又は上記おむつ止着部止着する際の止着強度、止着時の操作性、更には柔軟性を考慮すると、亀甲状、菱形状、三角形状及び円形状並びにこれらの2種以上の組み合わせが好ましく、シート引張強度及び引き裂き強度、並びに上記止着部の止着性及び風合いの点から、亀甲状又は上記の形状の2種以上の組み合わせが特に好ましい。
また、線状の接着部の線幅は、好ましくは0.2〜3mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmであり、接着されている部分の面積と接着されていない部分の面積との比(接着されている部分の面積:接着されていない部分の面積)は、好ましくは5:95〜70:30、更に好ましくは20:80〜40:60である。上記線幅が0.2mm未満であると、接着力が不足しておむつの止着性が低下し、3mmを超えると、柔軟性が低下するので好ましくない。また、上記接着部分の面積比が5未満であると、上記エラストマーシートと上記伸縮弾性不織布との保形性が不足し、70を超えると、風合いが悪くなるので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0029】
また、上記エラストマーシートと上記不伸縮弾性織布とを点状に接着する際の接着パターンは、風合いを良好にするためおむつの幅方向に平行又は垂直に点在するよりも、斜め方向に向けて点在するように各点状の接着部を形成させて接着するのが、引き裂き強度及び風合いの点から好ましい。また、上記の点状の接着部の形状は特に制限されないが、風合いの点から、円形、菱形、亀甲形等が好ましい。
また、上記の点状の接着部の面積は、好ましくは0.05〜5mm2 、更に好ましくは0.5〜2mm2 であり、接着されている部分の面積と接着されていない部分の面積との比(接着されている部分の面積:接着されていない部分の面積)は、好ましくは1:99〜40:60、更に好ましくは5:95〜20:80である。上記面積が0.05mm2 未満であると、接着することが困難であり、5mm2 を超えると、風合が悪くなるので好ましくない。また、上記接着部分の面積が1未満であると、接着力が不足しておむつの止着性が低下し、40を超えると、風合が悪くなるので好ましくない。
【0030】
上記エラストマーシートと上記伸縮弾性不織布との積層シートは、接着剤やホットメルト接着剤等を用いた通常の接着方法により、接着して形成することができるが、生産性、安全性及びコスト、並びにシートの柔軟性低下を防止して風合いを良好にする観点から、熱融着により接着して形成されることが好ましい。また、熱融着させる際には、上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20を係合させ得るように、上記不織布側から加熱することが好ましい。
【0031】
また、上記エラストマーシートと上記伸縮弾性不織布とは、点状に接着した後、更に線状に接着してもよい。このように点状に接着した後、更に線状に接着した場合における、接着された部分の面積と接着されていない部分の面積との比(接着された部分の面積:接着されていない部分の面積)は、好ましくは10:90〜80:20、更に好ましくは20:80〜50:50である。
【0032】
上記エラストマーシートと上記伸縮弾性不織布との積層シートとしては、肌に当接する面の風合いと上記フラップ止着部14及び上記おむつ止着部20と係合可能とすることを考慮して、上記エラストマーシートの表裏両面に上記伸縮弾性不織布を配してなる、3層構造の積層シートが特に好ましく用いられる。
【0033】
上記伸縮弾性不織布を構成する上記複合繊維の第1成分として用いられるハードエラスチック成分は結晶性ポリプロピレンからなる。
【0034】
上記結晶性ポリプロピレンとしては、ハードエラスチック性を有するものであれば特に制限無く用いることができる。上記結晶性ポリプロピレンの好ましい例としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンを主体とするエチレンとのコポリマー、プロピレンを主体とするα−オレフィンとのコポリマー等が挙げられる。
【0035】
上記結晶性ポリプロピレンは、その結晶化度が40%以上であることが好ましい。上記結晶化度が40%満たないと繊維の伸張回復率が不十分となる場合がある。なお、上記結晶化度は、DSC(示差走査熱量測定)法に従って測定された結晶の融解に要するエネルギーをもとに算出した値である。
【0036】
上記結晶性ポリプロピレンは、そのメルトインデックスが、1〜200g/10分であることが好ましく、3〜50g/10分であることが更に好ましい。上記メルトインデックスが1g/10分に満たないと溶融粘度が高すぎて、紡糸が困難となる場合があり、200g/10分を超えると溶融粘度が低すぎて、繊維化する前に糸切れが発生する場合があるので上記範囲内とすることが好ましい。なお、上記メルトインデックスは、ASTM D−1238に従い、230℃、2.16kgf荷重下で測定された値である。
【0037】
また、上記結晶性ポリプロピレンは、伸縮弾性が容易に発現し、且つ上記複合繊維を容易に紡糸し得る点から、その重量平均分子量が、1万〜100万であることが好ましく、2万〜60万であることが更に好ましい。
【0038】
上記伸縮弾性不織布を構成する上記複合繊維の第2成分は熱可塑性エラストマーからなる。
該熱可塑性エラストマーは、一般に、分子中にゴム弾性を有する柔軟性成分(ソフトセグメント、軟質相)と、塑性変形を防止するための分子拘束成分(ハードセグメント、硬質相)とから構成されている。
上記熱可塑性エラストマーは、そのハードセグメントの種類により分類することができ、本発明においては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、シンジオタクチックポリ(1,2−ブタジエン)及びポリ(トランス−1,4−イソプレン)等を好ましく用いることができる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、ウレタン系エラストマー及びエステル系エラストマーを特に好ましく用いることができる。
【0039】
上記ウレタン系エラストマーとして好ましく用いられるものとしては、例えば、ハードセグメントとしてウレタン結合を有するブロックと、ソフトセグメントとしてポリカーボネート系ポリオール、エーテル系ポリオール、カプロラクトン系ポリエステル、又はアジペート系ポリエステル等を有するブロックとから成るウレタン系エラストマー等が挙げられる。
また、上記エステル系エラストマーとして好ましく用いられるものとしては、例えば、ハードセグメントとして芳香族ポリエステルを有するブロックと、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテル、又は脂肪族ポリエステルを有するブロックとから成るエステル系エラストマー等が挙げられる。
【0040】
とりわけ、加工性、コスト、耐光性、耐薬品性、及び皮膚刺激性等を考慮すると、上記熱可塑性エラストマーとして、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることが特に好ましい。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体において、エチレンと共重合させるα−オレフィンとしては、炭素数が3〜30のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。これらの中でも1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテンが好ましく用いられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体におけるエチレンとα−オレフィンとの配合割合は、好ましくはエチレンが40〜98重量%であり、α−オレフィンが60〜2重量%である。
【0041】
本発明においては、これらの熱可塑性エラストマーの溶融流動性を改質するために、これらの熱可塑性エラストマーに熱可塑性プラスチックやオイル成分等を添加してもよい。
【0042】
上記熱可塑性エラストマーは、その100%伸張時の伸張回復率が50%以上であることが、上記伸縮部が、被着者の動きを防げず、且つ上記使い捨ておむつがルーズにならないことから好ましい。
【0043】
上記複合繊維においては、好ましくは、上記第1成分の含有量が5〜70重量%であり、上記第2成分の含有量が95〜30重量%であり、更に好ましくは、上記第1成分の含有量が10〜60重量%であり、上記第2成分の含有量が90〜40重量%であり、一層好ましくは、上記第1成分の含有量が10〜50重量%であり、上記第2成分の含有量が90〜50重量%である。上記第1成分の含有量が上記の上限を超えるか又は上記第2成分の含有量が上記の下限に満たないと上記複合繊維の伸縮性が不十分となる場合があり、上記第1成分の含有量が上記の下限に満たないか又は上記第2成分の含有量が上記の上限を超えると上記複合繊維の表面に上記第2成分が露出する面積が多くなり、触感が低下する場合があるうえ、鞘芯型の複合繊維を紡糸することが困難となる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0044】
上記複合繊維の繊維形態は、鞘芯型〔シース・コア型(同心円型及び偏心型)〕である。
【0045】
上記公知の紡糸方法により製造された上記複合繊維は、紡糸後直接ウエブとなして不織布を形成してもよく、或いは、伸縮特性を発現する点から、紡糸後所定の延伸処理に付した後にウエブとなして不織布を形成してもよい。
上記延伸処理の条件としては、延伸温度が20〜130℃であることが好ましく、延伸倍率が1〜6倍であることが好ましい。上記延伸処理における上記伸縮弾性複合繊維の加熱には、例えば、熱風、蒸気、赤外線等の加熱手段を用いることができる。
【0046】
上記複合繊維は、その繊維径が1〜20デニールであることが好ましく、2〜6デニールであることが更に好ましい。上記繊維径が1デニールに満たないと紡糸工程での紡糸性が低下し、繊維化しにくくなる場合があり、20デニールを超えると上記伸縮弾性不織布の実用性において、風合いが悪化する場合があるので上記範囲内とすることが好ましい。
【0047】
上記複合繊維は、その100%伸張時の伸張回復率が20〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが更に好ましい。上記伸張回復率が20%に満たないと、上記伸縮部の、人体の動作に追従する機能が不十分となる場合がある。
【0048】
上記複合繊維は、ステープルファイバーのような短繊維の形態で用いられてもよく、連続フィラメントのような長繊維の形態で用いられてもよい。
【0049】
上記伸縮弾性不織布は、上記複合繊維100%から構成されていることが特に好ましいが、他の繊維と混紡されたものであってもよい。
上記複合繊維を他の繊維と混紡する場合には、上記伸縮弾性不織布は、上記複合繊維を好ましくは30重量%以上含み、更に好ましくは50重量%以上含む。上記複合繊維の量が30重量%に満たないと、上記伸縮弾性不織布の伸縮弾性が著しく低下して破断してしまう場合がある。
上記複合繊維と混紡し得る他の繊維としては、不織布形成工程における熱処理により変質しない繊維、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル及びポリアミド等の熱可塑性合成繊維、コットン、麻及び羊毛等の天然繊維、並びにレーヨン及びアセテート等の再生繊維や、上記熱処理により融着し得る各種バインダー繊維等が挙げられる。
【0050】
上記伸縮弾性不織布は、例えば、カード機を用いる方法や直接シート法によって製造することができ、具体的には、レジンボンド、バインダー繊維の混紡、ヒートロール、及びウオーターニードリンク等の不織布製造法により製造することができる。
特に、上記伸縮弾性不織布は、公知のウエブ形成方法を用いて上記複合繊維からなる(又は上記複合繊維を含む)ウエブを形成し、次いで該ウエブにおける繊維の交絡点間を、上記第1成分の融点と上記第2成分の融点との間の温度での熱処理により融着させ、多数の接着点を形成することにより好ましく製造される。上記ウエブ形成方法としては、上記複合繊維としてステープルファイバー等の短繊維を用いる場合には、カード機を用いて該複合繊維を開繊させてウエブを形成する方法が挙げられる。また、上記複合繊維として連続フィラメント等の長繊維を用いる場合には、溶融紡糸した上記複合繊維を高速の空気流に搬送させ、移動ネット上に堆積・開繊させてウエブを形成する方法(スパンボンド法)が挙げられる。
【0051】
形成されたウエブを熱処理して不織布を形成する方法(サーマルボンド法)としては、例えば、該ウエブを、スルー・エア・ドライヤ中を通過させ、熱風により該ウエブの構成繊維の交絡点間を熱融着させて、多数の接着点を形成する方法が挙げられる。この場合、熱風の温度や供給量は、上記ウエブの構成繊維の種類並びに上記ウエブの坪量及び搬送速度等にもよるが、一般に、熱風の温度が140〜170℃であることが好ましく、流速又は風速が0.5〜3m/分であることが好ましい。
また、上記熱処理の別法として、彫刻ロールと平滑ロールとからなる一対のエンボスロールを用いた熱エンボス加工が挙げられる。この場合、これら両ロールのうちの何れか一方又は両方を加熱して用いることにより、熱エンボス加工を行う。エンボスロールの加熱温度は、120〜170℃とすることが好ましい。エンボスロールをこれよりも高い温度に加熱すると、上記ウエブが該エンボスロールに接着する場合がある。
上記彫刻ロールとしては、例えば種々のパターンがその表面に彫刻された鉄ロールを用いることができる。一方、上記平滑ロールとしてはペーパーロール、ゴムロール、シリコンゴムロール、ウレタンゴムロール、金属ロール等を用いることができる。上記彫刻ロールのパターンの例としては、例えば、ピン、点ドット、亀甲、格子、縦縞、横縞、編み目、絵柄等があり、特にそのパターンに限定されるものでは無い。
上記熱エンボス加工時のエンボスロールの線圧は、上記ウエブの坪量及び搬送速度並びにエンボスロールの加熱温度等にもよるが、一般的な範囲として、10〜150kg/cmであることが好ましい。
【0052】
上記伸縮弾性不織布は、その20%伸張時の伸張回復率が40〜100%であることが好ましく、60〜100%であることが更に好ましい。上記伸張回復率が40%に満たないと、上記伸縮部の、人体の動作等への追従が不十分で、抵抗が大きくなる場合がある。
【0053】
上記伸縮弾性不織布は、その坪量が5〜200g/m2 であることが好ましく、15〜80g/m2 であることが更に好ましい。上記坪量が5g/m2 に満たないと、上記伸張回復率が小さく不十分となる場合があり、200g/m2 を超えると、サーマルボンド法での不織布形成が難しくなり、コスト的に不利であるので上記範囲内とすることが好ましい。
【0054】
また、上記伸縮弾性不織布は、その0.5g/cm2 加重下における厚さが0.05〜5mmであることが好ましく、0.2〜2mmであることが更に好ましい。上記厚さが0.05mmに満たないと、繊維密度が高くなり、伸縮特性が不十分となる場合があり、5mmを超えると、上記伸縮部が、実用上、違和感を与えるので上記範囲内とすることが好ましい。
【0055】
次に、図1に示す実施形態の使い捨ておむつ1の装着方法について図3を参照して説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ1を着用するには、先ず、図3(a)に示すように、着用者30の背側の腰部に上記背側部を当接させた後、上記フラップ10a,10bを着用者30の腰部に沿って腹側にもってくる。次いで、図3(a)中の矢印で示すように、上記フラップ10b上に上記フラップ10aが重なるようにし、上記フラップ10aの先端部における上記フラップ止着部14を上記フラップ10bの裏面シート側に係合させて止着する。
次いで、上記腹側部を着用者30の股間に沿って腹側に引き上げ、図3(b)に示すように、上記おむつ止着部20を、上記フラップ10a,10bの裏面シート側に係合させて止着する。
【0056】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、上述のような構成を有しているので、装着時における操作性に優れ、また、フィット性にも優れる。特に上記伸縮部13を有しているので、着用者の動きに上記フラップ10が追従するので、特にフィット性が良好である。とりわけ、上記伸縮部13を特定の成分の組み合わせからなる2成分系伸縮弾性複合繊維を構成繊維として用いた伸縮弾性不織布を含むシートから形成しているので、上記使い捨ておむつ1の装着感が一層快適なものとなる。
更に、上記止着部14の上記フラップ10に対する結合力が、上記伸縮部13の伸縮性により向上する。
【0057】
以上、本発明の使い捨ておむつをその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の使い捨ておむつは上記実施形態に制限されるものではなく、種々の変更形態が可能である。例えば、上記実施形態においては、上記フラップはその基端部側に上記伸縮部を有しているが、これに代えて図4に示すように、上記フラップ全体が上記伸縮部から成っていてもよい。即ち、上記フラップ全体が上記伸縮弾性不織布を含むシートから成っていてもよい。
また、上記ウエストギャザー5aは、設けなくてもよい。即ち、本発明の使い捨ておむつは上記伸縮部の作用により着用者の動きに良好に追従するので、特に上記ウエストギャザー5aを設けずとも十分にフィット性の高いものである。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明の使い捨ておむつの有効性を例示する。しかしながら、本発明の範囲は、かかる実施例に制限されるものではない。
【0059】
〔製造例1〕
複合繊維の製造
第1成分としてポリプロピレン(メルトインデックス;8g/10分、結晶化度;43%)を用い(50重量%)、第2成分としてメタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体(100%伸張時の伸張回復率;80%)を用いて(50重量%)、溶融紡糸により偏心鞘芯型(第1成分が鞘で、第2成分が芯)の複合繊維を製造した。この複合繊維の繊維径は2デニールであり、100%伸張時の伸張回復率は80%であった(表1参照)。
【0060】
伸縮弾性不織布の製造
上記複合繊維のステープルファイバー(2d×51mm)をカード機を用いて開繊しウエブとなした。引き続き、該ウエブを、スルー・エア・ドライヤ中を通過させて熱処理し(熱風温度;168℃、風速;2m/分)、伸縮弾性不織布を製造した。
このようにして得られた伸縮弾性不織布の20%伸張時の伸張回復率、坪量及び0.5g/cm2 加重下での厚さをそれぞれ測定したところ、20%伸張時の伸張回復率は75%であり、坪量は32g/m2 であり、0.5g/cm2 加重下での厚さは0.8mmであった。また、この伸縮弾性不織布の風合いを評価した。その結果を表2に示す。
なお、上記第2成分及び上記複合繊維の100%伸張時の伸張回復率、並びに上記伸縮弾性不織布の20%伸張時の伸張回復率の測定方法及び風合いの評価方法は下記の通りである。
【0061】
<第2成分及び複合繊維の100%伸張時の伸張回復率>
長さ51mm、繊維径2.0デニールの試料を用意し、テンシロン(オリエンテック社製RTA−100)装置を用いて、JIS L1015及びL1096に従い、試料を試験機に固定して、100%伸張させる。この状態を1分間保持した後、引張速度と同様の速度で戻し始めて応力が0になったときの変位長L’(mm)を測定する。元の固定寸法L(mm)に対して下記式から100%伸張時の伸張回復率(%)を算出する。
100伸張時の伸張回復率(%)=(L’/L)×100
<伸縮弾性不織布の20%伸張時の伸張回復率>
上記伸縮弾性不織布の流れ方向(連続方向)を長手方向とした試料を縦サンプルとし、それに直交する方向を長手方向とした試料を横サンプルとし、試料サイズが長さ200mm×幅50mmの試料を縦サンプル及び横サンプルそれぞれ10枚ずつサンプリングした。次いで、テンシロン(オリエンテック社製 RTA−100)装置を用いて、試料固定の寸法150mm、引張速度300mm/minで引張試験を行い、20%伸張させる。この状態を1分間保持した後、速度300mm/minで戻し始めて、応力が0になったときの長さを測定する。20%伸張時の伸張回復率(%)は下記式から算出する。
20%伸張時の伸張回復率(%)=(初期長さ/伸張回復後の長さ)×100
<伸縮弾性不織布の風合い>
パネラー10人により手触りの評価を行なった。手触りが良かったと感じる人数が10人又は9人のときを「◎」、8人〜6人のときを「○」、5人〜3人のときを「△」、2人又は1人のときを「×」とした。
【0062】
〔製造例2〜6〕
表1に示す成分を用い且つ表1に示す断面形状とする以外は製造例1と同様の手順により複合繊維を製造した。得られた複合繊維を用いて製造例1と同様の手順により伸縮弾性不織布を製造した。このようにして得られた伸縮弾性不織布について製造例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表2に示す。
【0063】
〔比較製造例1〜3〕
表1に示す成分を用いて溶融紡糸により繊維を製造した。得られた繊維を用いてスパンボンド不織布を製造した。このようにして得られた不織布について製造例1と同様の測定及び評価をした。その結果を表2に示す。なお、上記繊維は、断面が円形である通常の繊維である。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
表2に示す結果から明らかなように、結晶性ポリプロピレンからなるハードエラスチック成分を第1成分とし、熱可塑性エラストマーを第2成分とする複合繊維からなる伸縮弾性不織布(製造例1〜6)は、伸縮性が高く、しかも優れた風合いを有するものである。これに対して、比較製造例1〜3の不織布は肌触りが悪く、直接肌に接触する用途には不適当である。
【0067】
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体からなるエラストマーシートの両面に、製造例1〜6で得られた伸縮弾性不織布を接着剤にて積層した3層構造の積層シートを、伸縮部として用いて、図1に示す使い捨ておむつを製造した(実施例1〜6)。同様に、上記エラストマーシートの両面に、比較製造例1〜3で得られた不織布を接着剤にて積層した3層構造の積層シートを、伸縮部として用いて、図1に示す使い捨ておむつを製造した(比較例1〜3)。
これらの使い捨ておむつについて、10人のモニターに対して装着感に関する試験を行った。その結果、実施例1〜6(本発明)のパンツ型使い捨ておむつは、肌触りや風合い及びフィット性が良好であったのに対して、比較例1〜3のパンツ型使い捨ておむつは、肌触りが悪く、フィット性に劣るものであった。
【0068】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、装着時の操作性に優れ、且つ装着中におけるフィット性に優れたものである。
また、本発明の使い捨ておむつは、上記伸縮部として用いる上記伸縮弾性不織布を含むシートが布様の感触を有することにより、快適な装着感を有するものである。
特に、本発明の使い捨ておむつは、立ったままはかせる使い捨ておむつとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨ておむつの好ましい一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す実施形態の使い捨ておむつの展開図である。
【図3】図3は、図1に示す実施形態の使い捨ておむつの使用形態を示す図であり、図3(a)は、フラップ止着部を止着する際の状態を示す正面図であり、図3(b)は、おむつ止着部を止着する際の状態を示す正面図である。
【図4】本発明の使い捨ておむつの別の実施形態を示す展開図(図2相当図)である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト部
6 レッグ部
7a ウエスト部弾性伸縮部材
7b レッグ部弾性伸縮部材
7c 立体ガード弾性伸縮部材
8 立体ガード
9 自由端
10a フラップ
10b フラップ
11 先端部
12 基端部
13 伸縮部
14 フラップ止着部
15 フラップ本体
20 おむつ止着部
A 腹側部
B 背側部
Claims (7)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を有し、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背中側に位置する背側部が形成されている、展開型の使い捨ておむつにおいて、
上記背側部の左右両側縁には、それぞれフラップが連設されており、左右の該フラップの少なくとも何れか一方における先端部には、フラップ止着部が設けられており、該フラップ止着部により、左右の該フラップを着用者の腹側において止着することができるようになしてあり、
上記腹側部には、その左右両側におむつ止着部が設けられており、該おむつ止着部を上記フラップに当接させておむつの止着ができるようになしてあり、
上記フラップは、少なくともその基端部側に伸縮部を有し、
上記伸縮部は、結晶性ポリプロピレンからなるハードエラスチック成分を第1成分とし、熱可塑性エラストマーを第2成分とする伸縮弾性複合繊維からなる伸縮弾性不織布を含むシートからなり、
上記伸縮弾性複合繊維は、上記第1成分が鞘で、上記第2成分が芯である芯鞘型複合繊維である、ことを特徴とする使い捨ておむつ。 - 上記伸縮弾性不織布が、上記伸縮弾性複合繊維を30重量%以上含む、請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 上記伸縮弾性複合繊維における上記第1成分の含有量が5〜70重量%であり、上記第2成分の含有量が95〜30重量%である、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 上記伸縮弾性不織布の20%伸張時の伸張回復率が40〜100%である、請求項1〜3の何れかに記載の使い捨ておむつ。
- 上記フラップは、非応力下における該フラップの長さに対して1.2〜2倍の長さに伸長可能である、請求項1〜4の何れかに記載の使い捨ておむつ。
- 上記シートが、エラストマーシートと上記伸縮性不織布との積層シートである、請求項1〜5の何れかに記載の使い捨ておむつ。
- 上記熱可塑性エラストマーが、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体からなる、請求項1〜6の何れかに記載の使い捨ておむつ。
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