JP3657022B2 - 枝管の撤去方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、管支持板に設けた孔に、先端を突出した形で挿通し、前記孔内に位置する挿通部の拡管と前記孔から突出して先端部分のフレア加工によって前記管支持板に固定されている金属製の枝管を、前記管支持板から取り外す枝管の撤去方法及びその方法の実施に好適な枝管の撤去装置に関するものである。本発明で撤去する枝管の代表的な対象としては、蒸気ボイラーの蒸気ドラムと水ドラムの間に多数取り付けられている枝管を挙げることができる。以下、蒸気ボイラーの保全のために行われる上記枝管の撤去作業を例にとって説明を行う。
【0002】
【従来の技術】
一般に、蒸気ボイラーに取り付けられている枝管は、上方にある蒸気ドラムと下方の水ドラムの胴体に固定されており、その固定部の構造は、図8に示すように、蒸気ドラム或いは水ドラムの胴体即ち管支持板1に設けた孔2に、枝管3の先端を突出した形で挿通し、その孔2内に位置する挿通部3aを拡管して緊着し、且つ孔2から突出した先端部分にフレア加工を施してフレア加工部3bとし、固着していた。
【0003】
このような枝管3を管支持板1から撤去するために従来行われていた方法は、図9に示すように、ガストーチ6で枝管3の一部を溶断して枝管切片3Aに切り離し、その溶断部3cに生じたバリ7をグラインダー等による研削作業によって取り除き、次に、拡管した挿通部3aをガストーチで加熱し、その後、空気又は水によって急冷して挿通部3aを縮径、弛緩させ、次いで、枝管切片3Aを矢印A方向に引き抜き、解体するという方法であった。また、別の方法として、枝管3を溶断した後、挿通部3aを加熱、急冷によって縮径、弛緩させ、その後、フレア加工部3bをグラインダー等で削り取ってしまうか、或いはガストーチでフレア加工部3bの周方向に離れた3ヶ所を、管支持板1を損傷しないように、軸方向に溶断した上で、ハンマー等で絞り、枝管切片3Aを矢印B方向に引き抜き、解体するという方法も採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来方法には次のような問題点があった。すなわち、枝管3を溶断した後、矢印A方向に抜き取る場合には、溶断部3cに生じたバリ7を除去する作業を要し、作業工数が多くなる。しかも、枝管3の挿通部3aを拡径して管支持板の孔2に緊着させた際に、その近傍も拡径されて拡径部3dが生じていることがあり、このような拡径部3dが生じていると、孔2から矢印A方向への抜き取りが困難となる。そこで、その拡径部3dによる抜き取り難を解消するために、前記弛緩代を拡径部3dにまで亘って大とする必要があり、このための加熱、冷却に条件の強化或いは工数増が伴っていた。一方、枝管3を溶断後、矢印B方向に抜き取る場合には、フレア加工部3bを削り取ってしまうか或いはガストーチでフレア加工部を軸方向に溶断し且つ絞る作業を必要とし、やはり作業工数が多く必要であり、しかも、フレア加工部を削り取ったり溶断したりする時に管支持板を損傷することが多く、その場合にはその補修に多大な費用を要する。このように、いずれの方法でも作業が面倒で、工数を多く要するという欠点を有している。一般の蒸気ボイラーは上部の蒸気ドラムと下部の水ドラムの間に1000本前後の枝管が取り付けられており、これらを前記方法によって撤去するには膨大な手数を要する。更に、蒸気ドラムは水ドラムから約8〜12mほど高く配置されているため、蒸気ドラムからの枝管撤去作業は危険を伴う高所作業となり、大々的な足場の設置を要する。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ボイラー胴体のような管支持板に固定されている枝管の撤去を、前記難作業によることなく、効率的、経済的、且つ安全に行いうる枝管の撤去方法を提供することを目的とする。
また、本発明はその枝管の撤去方法の実施に用いるのに好適な枝管の撤去装置を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の枝管の撤去方法は、管支持板に設けた孔に固定されている金属製の枝管を取り外すに当たって、従来技術において行われて来た、管支持板の孔への挿通部の枝管を加熱、冷却して前記孔から弛緩させる単位操作は踏襲するが、管の切断を、赤熱してその部分を引きちぎるという赤熱下の延性破断によって行うという、全く新規の方式によって行う点に顕著な特徴を有するものである。
【0007】
すなわち、本発明の枝管の撤去方法は、図1(a)に示す構成で管支持板1の孔2に固定されている枝管3を取り外すに際し、まず、枝管3の挿通部3aを含む領域Lをその内面から加熱し、次いで冷却することによって、図1(b)に示すように、挿通部3aを縮径させて管支持板1の孔2から弛緩させ、次に、図1(c)に示すように、枝管3の、管支持板1をはさんで先端とは反対側に位置する領域Dを円環状に加熱して赤熱させる操作及びその枝管3の先端のフレア加工部3bを矢印Aで示すように長手方向に引っ張る操作を加えることにより、図1(d)に示すように、枝管3の円環状に赤熱した部分に張力を作用させてこの部分を延性破断し、その破断した部分よりも先端側の枝管切片3Aを前記管支持板1の孔2から引き抜くというものである。
【0008】
本発明方法において、枝管3の挿通部3aを弛緩させるための加熱は、従来と同様にガストーチによっても良いが、枝管が急熱されるほど弛緩代が大となることから、枝管内の当該位置にコイルを配し、これに交流を通電することによって行う誘導加熱法によることが推奨される。誘導加熱法によれば、これに続く冷却を空冷としても、弛緩代は十分確保される。誘導加熱法により50.8mmφ×3.2mmtの枝管が、気温にもよるが、25kW×1min程度の通電によって約900°Cに加熱され、続いて空気を吹き付けるなどして冷却を行えば、枝管は1%前後縮径する。
【0009】
次に、本発明方法の中心作業である枝管の赤熱下延性破断について述べる。まず、枝管3の破断個所(赤熱する領域D)は、管支持板をはさんで先端とは反対側に位置する個所であれば任意であるが、図1(c)に示したように、管支持板1に近接した位置(以下根元部という)とすることが好ましい。破断個所を枝管の根元部とすれば、この根元部に拡径部3dが生じていても、延性破断に伴う縮径によってその拡径代が打ち消され、矢印A方向の抜き取りが容易となる。
【0010】
枝管の破断すべく赤熱する領域Dの幅は、延性破断を生じうる限り小さいことがエネルギー効率の点から望ましく、通常7〜10mm程度に選定される。この領域Dの円環状赤熱は、急速入熱により短時間に行うほど延性破断に有利な局部的な強度低下が際立ったものとなる。この観点から、ガストーチによる直火も優れた急速手段ではあるが、更に急速な入熱の可能な誘導加熱法が最適であると言える。上記誘導加熱は、例えば、1ターンのコイルを枝管内の当該部に枝管と略同心状に配し、該コイルに管径、管厚に応じた通電を行うことにより実施できる。50.8mmφ×3.2mmtの枝管であれば、28kW×0.75min程度の通電によって破断に適した1250°C前後の赤熱が行える。
【0011】
上記領域Dを赤熱した後の破断のための引張力付与は、管支持板1より突出した先端のフレア加工部3bを矢印A方向に引っ張ることにより行う。これにより、枝管の破断と枝管切片の管支持板からの引き抜きが同時に行われ、作業効率が良い。蒸気ボイラーの場合、例えば蒸気ドラム側の枝管の撤去を先行させるとすれば、枝管の他端は未だ水ドラムに固定されているので、蒸気ドラム側のフレア加工部を把持し、管支持板を反力壁として引き上げるよう外力を加えれば、枝管に長手方向の張力が付加されて、前記赤熱部が破断され、引き続いて上部側の枝管切片を上方に引き抜くことができる。上記の操作は、前記赤熱のためのコイル設置、給電操作と同じ側から行えて好都合である。次いで行う水ドラム側の枝管撤去は、破断解放された枝管の上部を仮固定し、上部側と同様な操作にて行うことができる。ただし、この場合は、水ドラム内での天井向き作業となるため、装置全体ないしは一部の装置要素をそれらに付設したマグネットによってドラム天井に固定することが推奨される。上述例においては、仮固定個所を水ドラムの直上部とすれば、足場の簡素化ないしは省略が可能であり、作業の危険性も従来方法に比べて著減する。
【0012】
破断のための赤熱と枝管への張力付与は、この順で行ってもよく、また、張力をかけながら赤熱のための操作を加えてもよい。
【0013】
本発明はまた、上記した枝管の撤去方法の一部の工程の実施に用いるのに好適な装置をも提供する。
【0014】
すなわち、請求項4に記載の発明は、枝管を固定した管支持板に着座させる支持面を有し、該支持面に直角な軸線を持った装置本体と、該装置本体の軸線を枝管の中心線に一致させて、前記管支持板に着座させた時に前記枝管内の所定位置に挿入されるよう、前記装置本体に取り付けられた誘導加熱コイルと、前記装置本体に軸線方向に移動可能に保持されると共に前記軸線を中心として直角方向に開閉可能な複数のクランプ爪で構成され、前記枝管先端に形成しているフレア加工部を把持するクランプと、該クランプを前記装置本体に対して軸線方向に移動させる流体圧シリンダとを備えた枝管の撤去装置である。
【0015】
ここで、前記装置本体に、管支持板に着座させる支持面を備えた吸着用マグネットを設けておくことが好ましい。また、前記装置本体に更に、前記枝管の管支持板への挿通部内に挿入され、該挿通部を加熱する第二の誘導加熱コイルと、該挿通部に冷却用媒体(空気、水等)を吹き付けるノズルを保持させておくことが好ましい。
【0016】
【作用】
上記した本発明方法によれば、枝管の撤去に必要な枝管の切断を、円環状に赤熱した枝管に張力を加えて行う延性破断によったため、破断部は伸張によってなだらかに縮径しており、ばりの発生もないため、この部分に管支持板の孔通過のための研削処置等を施す必要がなく、単にフレア加工部を管支持板から引き抜く方向に引っ張るのみで、枝管の破断と管支持板からの抜き出しを行うことができる。
【0017】
ここで、延性破断による破断個所を枝管の根元部とすれば、図1に示すように、この根元部に拡径部3dが生じていても、延性破断に伴う縮径によってその拡径代が打ち消され、容易に管支持板の孔から抜き取ることができる。
【0018】
また、枝管の破断すべき位置の円環状赤熱を、枝管内に挿入した誘導加熱コイルによる誘導加熱によって行うと急速入熱が行われるため、延性破断に有利な局部的な強度低下が際立ったものとなり、枝管に付与する張力を小さくできる。
【0020】
請求項に記載の発明による装置によれば、装置本体の軸線を抜き取るべき枝管の中心線に一致させて、該装置本体の支持面を管支持板に着座させると、誘導加熱コイルが枝管内の所定位置に挿入され、次いで、複数のクランプ爪を閉じることで枝管先端のフレア加工部を把持することができ、この状態で前記コイルに通電することで枝管の所定位置を円環状に赤熱し、また、流体圧シリンダを作動させることで、クランプ爪で把持した枝管部分を管支持板から引き抜く方向に引っ張ることができ、円環状の赤熱部分を延性破断させると共に管支持板の孔から抜き出すことができる。すなわち、上記した本発明方法の工程のうち、枝管の挿通部の加熱、冷却による弛緩工程に続く工程を実施することができる
【0021】
ここで、前記装置本体に、管支持板に着座させる支持面を備えた吸着用マグネットを設けておくと、装置本体をそのマグネットで管支持板に固定することができ、管支持板が傾斜していても或いは天井にあっても、その管支持板に対して装置本体を固定できるので、枝管の延性破断及び管支持板からの抜き取りを容易に行うことが可能となる。
【0022】
また、前記装置本体に更に、前記枝管の管支持板への挿通部内に挿入され、該挿通部を加熱する第二の誘導加熱コイルと、該挿通部に冷却用媒体を吹き付けるノズルを保持させておくと、上記した枝管を円環状に赤熱する前に、第二の誘導加熱コイルが枝管の挿通部を加熱し、次いでノズルから冷却用媒体、例えば空気或いは水を吹き付けて冷却でき、従って枝管の挿通部を、加熱、冷却によって縮径させて前記管支持板の孔から弛緩させることができ、結局、本発明方法の全工程を実施することが可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。
図2は管支持板1の孔2に固定している枝管3の挿通部3aを弛緩させるために使用する弛緩用加熱装置11を示す概略側面図であり、この弛緩用加熱装置11は、先端に誘導加熱コイル12aを、後端に取手12bを備えた加熱部12と、フレキシブルケーブル13と、トランス14と、一次ケーブル15と、インバータ16とを有している。
【0024】
図3は枝管を延性破断するために円環状に赤熱するために使用する延性破断用加熱装置21を示す概略側面図であり、この延性破断用加熱装置21は、先端に誘導加熱コイル22aを、後端に取手22bを備えた加熱部22と、フレキシブルケーブル23と、トランス24と、一次ケーブル25と、インバータ26と、誘導加熱コイル22aが枝管3内の所定位置となるように前記加熱部22を支持するコイル位置決め台27を有している。このコイル位置決め台27は管支持板1上の任意の位置に固定できるようマグネット27aを備えている。
【0025】
次に、上記構成の装置を用いた枝管の撤去方法を説明する。まず、図2に示すように、加熱部12を手で持って先端の誘導加熱コイル12aを枝管3の挿通部3aに差し込み、インバータ16から一次ケーブル15、トランス14、フレキシブルケーブル13を経て誘導加熱コイル12aに交流電流を流し、誘導加熱コイル12aを枝管3内で上下に動かしながら、挿通部3aを目視で約900〜1000°Cに昇温させる。昇温させたら、空気ノズル(図示せず)によって空気を吹き込み、冷却する。これにより、挿通部3aが縮径して管支持板1の孔2から弛緩される。
【0026】
次に、挿通部3aを弛緩させた後の枝管3内に、図3に示すように、誘導加熱コイル22aを挿入し、コイル位置決め台27によって所定の位置に位置決めする。この時の誘導加熱コイル22aの位置は、枝管3の根元部を加熱するように定められている。次いで、誘導加熱コイル22aに交流電流を流し、枝管3の根元部を円環状に、目視で約1200〜1300°Cに赤熱させる。この状態で、枝管3の先端のフレア加工部3bを上方に適当な手段によって引っ張る。これにより、円環状の赤熱部分が縮径しながら延性破断し、枝管先端側の切片が管支持板1の孔2に引っ掛かることなく上方に引き抜かれ、枝管3が管支持板1から分離される。以上により枝管3を管支持板1から分離し撤去することができる。なお、この実施例では、挿通部3a及び枝管根元部の所望温度への昇温及び赤熱を目視により判断し、それによって誘導加熱コイル12a、22aへの通電を停止しているが、この代わりに、予め所望温度への昇温及び赤熱に要する時間を測定しておき、誘導加熱コイル12a、22aへの通電時間をタイマー設定するようにしてもよい。また、挿通部3a及び枝管根元部の加熱時にその温度を測定し、所望温度に達した時点で誘導加熱コイル12a、22aへの通電を停止する構成としてもよい。
【0027】
図4〜図8は上記の方法の実施に用いるのに好適な枝管の撤去装置を示すものである。全体を参照符号30で示す枝管の撤去装置は、管支持板1に着座させて取り付けるように構成した装置本体31を備えている。この装置本体31は、図5に示すように管支持板1に着座させるための支持面32aを備えた吸着用マグネット32と、そのマグネット32に取り付けられた下部フレーム33と、その下部フレーム33に、合体治具35によって固定された上部フレーム34等を備えており、管支持板1に着座させるための支持面32aに対して図6で直角な軸線O−Oを有している。
【0028】
下部フレーム33には、先端に、枝管3を円環状に赤熱するための誘導加熱コイル22aを備えた加熱部22が支持部材36によって保持されている。この加熱部22は、装置本体31を、その軸線O−Oを枝管3の中心線に一致させて管支持板1に着座させた時に、先端の誘導加熱コイル22aが枝管3内の加熱すべき所定位置に挿入されるよう、取付位置が定められている。なお、支持部材36は、保持した加熱部22の位置を調整可能なように、下部フレーム33に対する取付位置が調整可能となっている。図5、図7において加熱部22には、フレキシブルケーブル23、トランス24、一次ケーブル25、インバータ26が連結されており、延性破断用加熱装置21を構成している。ここで、トランス24と加熱部22との間にフレキシブルケーブル23を用いたことにより、トランス24を適当な位置に置いた状態で、装置本体31及びそれに保持した加熱部22を所望の枝管3に対して取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0029】
図5〜図7において、装置本体31には更に、枝管3先端のフレア加工部3bを把持するクランプ40と、そのクランプ40を管支持板1から引き離す方向に駆動する駆動手段50が設けられている。このクランプ40は、図6に示すように一対のクランプ爪42と、そのクランプ爪42をそれぞれ、装置本体31の軸線O−Oを中心として直角方向に開閉可能なように保持するピン43と、そのピン43を保持した昇降ブロック44と、一対のクランプ爪42を開く方向に付勢するばね45と、一対のクランプ爪42を閉じた位置に拘束する爪押えボルト46等を備えている。前記した昇降ブロック44は上部フレーム34に軸線O−Oに平行に設けられたガイド溝34aに移動可能に保持されている。かくして、クランプ40は軸線O−Oに平行方向に移動可能である。なお、クランプ40を構成するクランプ爪42は必ずしも2個に限らず、3個以上としてもよい。また、クランプ爪42を開閉する機構は図示実施例のものに限らず、適宜変更可能である。
【0030】
図6において、このクランプ40を移動させるための駆動手段50は、上部フレーム34に軸線O−Oに平行に設けられたガイド溝34bに移動可能に保持された移動フレーム51と、その移動フレーム51の下端に連結され、クランプ爪42の上端部に係合するリンク部材52と、移動フレーム51に保持された油圧シリンダ等の流体圧シリンダ53を備えており、その流体圧シリンダ53のピストンロッド53aの先端は上部フレーム34に取り付けられた横梁55に連結されている。かくして、流体圧シリンダ53を作動させることにより、移動フレーム51を上部フレーム34に対して軸線O−Oに平行に昇降させ、クランプ40を昇降させることができる。ここで、流体圧シリンダ53によるクランプ40の移動範囲としては、クランプ40が下端位置に降下した時、図6に示すように、一対のクランプ爪42で、管支持板1に固定した状態の枝管3のフレア加工部3bを把持することができ、クランプ40を上昇させた時に、この枝管3の挿通部3aを管支持板1の孔2から引き抜くことができるように定められている。
【0031】
次に、この枝管の撤去装置30を用いた枝管撤去動作を説明する。まず、この撤去装置30を取り付けるに先立って、枝管3の挿通部3aの縮径及び弛緩を行う。この動作は、図2で説明したのと同様に行う。縮径及び弛緩を終わった後、図4〜図7に示すように、撤去装置30を、軸線O−Oがその枝管3の中心線に一致するようにセットし、マグネット32で管支持板1に固定する。この際、装置本体31がマグネット32によって管支持板1に吸着保持されるため、管支持板1が水平で上向きの場合に限らず、傾斜していても、或いは下向きであっても管支持板1に対して軸線O−Oを枝管3の中心線に一致させた状態で固定することが可能である。撤去装置30を管支持板1の所定位置にセットすると、誘導加熱コイル22aは自動的に枝管3内に挿入され、所定位置に位置決めされる。次に、一対のクランプ爪42で枝管3のフレア加工部3bをクランプし、爪押えボルト46を締め込んで、外れないようにする。この状態で、誘導加熱コイル22aに交流電流を流し、枝管3の根元部を円環状に約1200〜1300°Cに赤熱させ、同時に流体圧シリンダ53を作動させてクランプ40を上方に引き上げる。これにより、円環状の赤熱部分が縮径しながら延性破断し、枝管先端側の切片が管支持板1の孔2に引っ掛かることなく上方に引き抜かれ、枝管3が管支持板1から分離される。以上により枝管3を管支持板1から分離し撤去することができる。
【0032】
なお、上記実施例の撤去装置30では、加熱部22を下部フレーム33に支持部材36で取り付けた構成としているが、この加熱部22を下部フレーム33に取り付けず、図3に示すように、コイル位置決め台27によって保持させる構成としてもよい。この場合には、コイル位置決め台27によって加熱部22を所定位置にセットした後、その上にかぶせるようにして撤去装置30をセットし、枝管3の加熱と同時に枝管3先端をクランプ40で引っ張ることにより、枝管3を延性破断させて、引き抜くことができる。
【0033】
更に、上記実施例の撤去装置30に、枝管3の挿通部3a内に挿入され、該挿通部を加熱する第二の誘導加熱コイル(図示せず)と、該挿通部に冷却用空気を吹き付ける送風ノズル(図示せず)を設けることも可能である。このような第二の誘導加熱コイルと送風ノズルとを設けておくと、この撤去装置30を抜き取るべき枝管3の位置にセットした後、第二の誘導加熱コイルへの通電によって、挿通部3aを加熱し、次いで送風ノズルからの空気吹き付けによってその挿通部3aを冷却させ、挿通部3aの縮径及び弛緩を行い、次いで、加熱部22aによる加熱とクランプ40の上昇により、挿通部3aの下を延性破断して引き抜くという全工程を実施できる。また、冷却用空気に代えて、水を噴霧ノズルで吹き付け、冷却するように構成することも可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明方法は、枝管の挿通部を縮径、弛緩させた後、枝管の一部を円環状に赤熱し且つ該枝管に挿通部を先端側に引き抜く方向の引張力を加えているので、枝管の円環状に赤熱した部分を延性破断させ、その破断した部分よりも先端側の部分を管支持板から引き抜くことができ、しかも、その際、破断部は伸張によってなだらかに縮径し且つばりの発生もないため、この部分を容易に管支持板から引き抜くことができ、従来のように破断部のバリを取るための作業が必要なくなり、しかも、管支持板を損傷することもないのでその補修作業が不要であり、結局、能率良く、確実に枝管の撤去を行うことができ、労力節減、品質維持、安全性の向上に大きく貢献するという効果を有している。
【0035】
ここで、延性破断による破断個所を枝管の根元部としておくと、図1に示すように、この根元部に拡径部3dが生じていても、延性破断に伴う縮径によってその拡径代が打ち消され、容易に管支持板の孔から抜き取ることができ、作業性が一層向上するという効果が得られる。
【0036】
また、枝管の破断すべき位置の円環状赤熱を、枝管内に挿入したコイルによる誘導加熱によって行うと急速入熱が行われるため、延性破断に有利な局部的な強度低下が際立ったものとなり、枝管に付与する張力を小さくでき、枝管撤去を一層効率良く行うことができるという効果が得られる。
【0038】
次に、請求項4に記載の発明の装置によれば、装置本体の軸線を抜き取るべき枝管の中心線に一致させて、該装置本体の支持面を管支持板に着座させると、誘導加熱用のコイルが枝管内の所定位置に挿入され、次いで、複数のクランプ爪を閉じることで枝管先端のフレア加工部を把持することができ、この状態で前記コイルに通電することで枝管の所定位置を円環状に赤熱し、また、流体圧シリンダを作動させることで、クランプ爪で把持した枝管部分を管支持板から引き抜く方向に引っ張ることができ、円環状の赤熱部分を延性破断させると共に管支持板の孔から抜き出すことができ、本発明方法を効率良く実施することができるという効果を有している。
【0039】
ここで、前記装置本体に、管支持板に着座させる支持面を備えた吸着用マグネットを設けておくと、装置本体をそのマグネットで管支持板に固定することができ、管支持板が傾斜していても或いは天井にあっても、その管支持板に対して装置本体を固定できるので、枝管の延性破断及び管支持板からの抜き取りを容易に行うことができるという効果が得られる。
【0040】
また、前記装置本体に更に、前記枝管の管支持板への挿通部内に挿入され、該挿通部を加熱する第二の誘導加熱コイルと、該挿通部に冷却用媒体を吹き付けるノズルを保持させておくと、上記した枝管を円環状に赤熱する前に、第二の誘導加熱コイルが枝管の挿通部を加熱し、次いでノズルから空気、水等の冷却用媒体を吹き付けて冷却でき、従って枝管の挿通部を、加熱、冷却によって縮径させて前記管支持板の孔から弛緩させることができ、結局、本発明方法の全工程を実施することが可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)、(d)は本発明方法の手順を示す概略断面図
【図2】本発明の実施例を示すもので、枝管の挿通部を加熱する状態を示す概略断面図
【図3】本発明の実施例を示すもので、枝管の根元部を加熱する状態を示す概略断面図
【図4】本発明方法の実施に好適な撤去装置の一例を示す概略正面図
【図5】図4に示す撤去装置の概略側面図
【図6】図4に示す撤去装置の概略断面図
【図7】図4に示す撤去装置を、図6とは90度異なる方向から見た概略断面図
【図8】撤去すべき枝管の管支持板に対する取付構造を示す概略断面図
【図9】従来の方法により枝管を撤去する状態を説明する概略断面図
【符号の説明】
1 管支持板
2 孔
3 枝管
3a 挿通部
3b フレア加工部
3d 拡径部
11 弛緩用加熱装置
12 加熱部
12a 誘導加熱コイル
13 フレキシブルケーブル
14 トランス
15 一次ケーブル
16 インバータ
21 延性破断用加熱装置
22 加熱部
22a 誘導加熱コイル
23 フレキシブルケーブル
24 トランス
25 一次ケーブル
26 インバータ
30 撤去装置
31 装置本体
32 マクネット
33 下部フレーム
34 上部フレーム
40 クランプ
42 クランプ爪
50 駆動手段
53 流体圧シリンダ

Claims (6)

  1. 管支持板に設けた孔に、先端を突出した形で挿通し、前記孔内に位置する挿通部の拡管と前記孔から突出している先端部分のフレア加工によって前記管支持板に固定されている金属製の枝管を取り外す方法であって、前記枝管の挿通部を、その内側からの加熱とそれに続く冷却とによって縮径させて前記管支持板の孔から弛緩させ、次いで、前記枝管の、管支持板をはさんで先端とは反対側に位置する部分を円環状に加熱して赤熱させる操作及び前記枝管の先端を長手方向に引っ張る操作を加え、枝管の円環状に赤熱した部分を延性破断させて、その破断した部分よりも先端側の枝管切片を前記管支持板から引き抜くことを特徴とする枝管の撤去方法。
  2. 枝管の破断のための円環状赤熱個所を、前記管支持板に近接した根元部としたことを特徴とする請求項1記載の枝管の撤去方法。
  3. 前記枝管を円環状に赤熱させるための加熱を、前記枝管内に誘導加熱コイルを配し、該誘導加熱コイルに交流を通電することにより枝管を誘導加熱する方法によって行うことを特徴とする請求項1又は2記載の枝管の撤去方法。
  4. 枝管を固定した管支持板に着座させる支持面を有し、該支持面に直角な軸線を持った装置本体と、該装置本体の軸線を枝管の中心線に一致させて、前記管支持板に着座させた時に前記枝管内の所定位置に挿入されるよう、前記装置本体に取り付けられた誘導加熱コイルと、前記装置本体に軸線方向に移動可能に保持されると共に前記軸線を中心として直角方向に開閉可能な複数のクランプ爪で構成され、前記枝管先端に形成しているフレア加工部を把持するクランプと、該クランプを前記装置本体に対して軸線方向に移動させる流体圧シリンダとを備えた枝管の撤去装置。
  5. 前記装置本体が、前記管支持板に着座させる支持面を備えた吸着用マグネットを有していることを特徴とする請求項4に記載の枝管の撤去装置。
  6. 前記装置本体が更に、前記枝管の管支持板への挿通部内に挿入され、該挿通部を加熱する第二の誘導加熱コイルと、該挿通部に冷却用媒体を吹き付けるノズルを保持していることを特徴とする請求項4又は5に記載の枝管の撤去装置。
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