JP3656987B2 - Icカード処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一面側に複数の接触子が設けられた接触子ブロックを有し、所定位置まで受け入れたICカードの一面側の各接点に前記接触子ブロックの各接触子を接触させてICカードとの間で信号の授受を行うICカード処理装置において、カード状の異物の挿入による接触子の損傷を防ぐための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードに対する情報の読み書きを行うICカード処理装置では、所定位置まで受け入れたICカードの一面側に設けられた複数の接点にそれぞれ接触子を接触させて、各接点と接触子との電気的な接続によってICカード内の回路と交信を行うように構成されている。
【0003】
このようなICカード処理装置は、例えば公衆電話機のように不特定な者が使用する機器にも多く使用されており、異物の挿入等のいたずらの被害を受けることが多い。
【0004】
このため、従来のICカード処理装置では、ICカードを受け入れる部分の下面側を大きく開口させて、挿入された異物を下方に落下排出させている。
【0005】
図23〜図27は、挿入された異物を落下排出させるように構成された従来のICカード処理装置5の概略構造を示している。
【0006】
このICカード処理装置5では、カードスロット6の前面側に横長に設けられたスリット7から挿入されたICカードを処理装置本体8の矩形状の基板9の下面側に受け入れる。
【0007】
基板9の下面両側には、挿入されたICカードの幅方向の移動を両側から規制するための一対の規制部10、11が基板9の前端から後端近傍まで連続するように形成されている。
【0008】
一方の規制部10の下縁にはICカードの幅方向の一方の縁部を下方から支持して下方への移動を規制するレール部12が形成され、規制部10、11の後端間にはICカードの先端縁を下方から支持する支持部13が設けられている。
【0009】
また、支持部13の奥側には、ICカードの先端に当接してICカードを所定位置で停止させるストッパ14が設けられており、ストッパ14の前方には、所定位置まで受け入れたICカードの一面側の複数の端子に接触させるための複数の接触子15を下面側に有する接触子ブロック16が上下動自在に支持されている(支持機構は図示せず)。
【0010】
また、ストッパ14と接触子ブロック16の間には、ICカードの挿入を検知するための検知部材17の一端側が突出している。この検知部材17は、ICカードの挿入力を一端側で受けて他端側を移動させて接触子ブロック16をICカードの一面側に下降させ、ICカードの端子に接触子15を接触させて、ICカードに対する情報の授受を可能にする(支持機構は図示せず)。
【0011】
このように構成されたICカード処理装置5では、正規のICカード1がカードスロット6のスリット7から挿入されると、一対の規制部10、11の内壁面でICカード1の幅方向の移動を規制し、且つレール部12によってICカード1の幅方向の一方の縁部を下方から支持しながら奥まで案内し、図28の(a)のように、支持部13上に達したICカード1の先端を検知部材17の一端に当接させる。
【0012】
ICカード1がさらに押されると、図28の(b)のように、検知部材17が回動して接触子ブロック16を下降させ、ICカード1の先端がストッパ14に当接する所定位置まで達したときに、接触子ブロック16の各接触子15がICカード1の一面側に設けられた各端子(図示せず)に適度な接触圧で接触する。これによってICカード1に対する情報の処理が可能となる。
【0013】
また、このICカード処理装置5は、ICカードの幅方向の一方側では、その幅方向の移動と下方への移動を規制し、他方側では幅方向の移動だけを規制した状態で所定位置まで案内するようにしているので、カードスロット6のスリット7を通過した異物を下面側から排出させることができる。
【0014】
例えば図29の(a)に示すように、幅が正規のICカードと同等で、長さがスリット6から支持部13の前縁までの距離より短いカード状の異物2が挿入された場合、この異物2の後端が基板9の前端を通過すると、その異物2の規制部10側の縁部はレール部12によって下方から支持されるが、他方の縁部側に対する下方からの支持がないため、この異物2は、図30に示しているように他方の縁部側が下降して傾き、この傾きによって一方の縁部側がレール部12から外れる。このため、異物2は、図29の(b)のように基板9の下方へ落下排出されることになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したICカード処理装置5において、図31の(a)のように、カード状の異物2の後端がスリット7を僅かに超えた位置まで挿入された状態で正規のICカード1が挿入されると、異物2はその後端をICカード1に押されて奥へ進入する。
【0016】
このとき、ICカード1の挿入速度が遅い場合、異物2は、その先端が支持部13に達する前にレール部12から外れて前記したように落下排出されて、ICカード1を所定位置まで挿入することができるが、ICカード1の挿入速度が速い場合には、異物2の一方の縁部がレール部12から外れる前にその先端が支持部13に達し、検知部材17を可動させてストッパ14に当接する位置まで進入してしまい、図31の(b)に示すように、この異物2に対して接触子ブロック16を下降させて接触子15を接触させる。
【0017】
そして、このように異物2に対して接触子15が接触した状態で、ICカード1を無理に押し込むと、そのICカード1の先端が異物2と基板9の間を通過して接触子15に衝突し、接触子15を破損してしまい、以後機器の利用が不能となってしまう。
【0018】
本発明は、この問題を解決して、カード状の異物とICカードとの2重挿入による接触子の損傷を防ぐことができるICカード処理装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のICカード処理装置は、
略矩形の基板と、
前記基板の下面両側に互いに対向するように突設され、前記基板の下面に沿ってその前端側から挿入されるICカードの幅方向の移動を互いに対向する壁面で両側から規制する一対の幅方向規制部と、
前記一方の幅方向規制部の下縁に沿って設けられ、ICカードの幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制するレール部と、
前記基板の下面の後端側に設けられ、前記幅方向規制部によって幅方向の移動が規制され且つ前記レール部によって幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制された状態で進入するICカードの先端に当接して、ICカードを所定位置で停止させるストッパと、
前記ストッパより前方の位置で前記基板に対して上下動自在に支持され、下面側に複数の接触子を有する接触子ブロックと、
前記複数の接触子と前記ストッパとの間の位置範囲でICカードの挿入を検知する検知部材とを備え、
前記検知部材によって検知されて前記所定位置まで進入したICカードの一面側に前記接触子ブロックを移動して前記複数の接触子をICカードの端子に接触させ、該ICカードとの間で情報の授受を行うICカード処理装置において、
前記一方の幅方向規制部が前記基板の前端から前記ストッパ近傍までほぼ連続的に形成され、
前記他方の幅方向規制部は、前記基板の前端近傍に設けられた第1規制部と、前記ストッパ近傍に設けられた第2規制部とからなり、前記第1規制部と第2規制部との間が側方へ向かって開口または前記一方の幅方向規制部の壁面からの距離がICカードの幅寸法に対して十分広くなるように形成されているとともに、
前記検知部材は、前記複数の接触子群の後方位置から前記他方の幅方向規制部の第2規制部の間でICカードの挿入を検知することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1〜図11は、本発明を適用したICカード処理装置20およびその要部の構成を示している。
【0021】
このICカード処理装置20は、図1〜図4に示しているように、カードスロット21と処理装置本体35とによって構成されている。
【0022】
カードスロット21は、図1のようにICカードを利用する機器(例えば公衆電話機)の筐体1の表面に取り付けられて、ICカードを処理装置本体35内へ案内する。
【0023】
カードスロット21は、上下に対向する凹状の上板22、下板23と、上板22の左右の突出部22a、22bの両側縁と下板23の左右の突出部23a、23bの両側縁の間をそれぞれ塞ぐ側板24〜27と、上板22の突出部22a、22bの前縁と下板23の突出部23a、23bの前縁の間をそれぞれ塞ぐ前板28、29と、上板22の中央部22cの前縁と下板23の中央部23cの前縁の間をそれぞれ塞ぐ前板30とを有し、内部が中空状に形成されている。
【0024】
外側の側板24、25には、このカード処理装置20全体を機器の筐体1にネジ止め固定するためのフランジ31が設けられ、下板22の後端両側には、処理装置本体35を支持固定するための支持部32、33が延設されている。
【0025】
また、左右の前板28、29、内側の側板26、27および中央の前板30には、ICカードを前方から背面側へ通過させるための横長のスリット34が形成されている。
【0026】
スリット34の高さは、正規のICカード1枚の厚さより大で、正規のICカード2枚分の厚さより小となるように設定され、スリット34の幅は、正規のICカードの幅より僅かに大となるように設定されている。
【0027】
カードスロット21の背面側に設けられた処理装置本体35は、ベース部材36、レール部材95およびカバー100が上下3段に重ね合わされるように一体化されて構成されている。
【0028】
ベース部材36は、図5に示しているように、略矩形状の基板37と、基板37の両側の縁に沿って互いに対向するように上方に立設された側板38、39、側板38、39の後端を連結するように基板37の後部の縁に沿って立設された後板40、側板38、39の前端を連結するように基板37の前部の縁に沿って立設された前板41とによって形成されている。
【0029】
基板37の下面37aの右端には、カードスロット21のスリット34から挿入されるICカードの幅方向の一方側への移動を規制するための第1の規制部43が形成されている。この第1の規制部43は、この実施形態の1対の幅方向規制部の一方側を形成するものである。
【0030】
第1の規制部43は基板37の下面37aからの高さが一定で基板37の前端から後端近傍まで連続するように突出し、その内側の壁面43aは、カードスロット21のスリット34の一端側の内壁面を後方へ延長した面と一致しており、スリット34から挿入されたICカードの一方の側端面を壁面43aに摺接させるようにしてICカードを前後方向に移動させる。
【0031】
第1の規制部43の内側には、図11に示しているように、基板37の上面37b側へ所定深さで陥没する所定幅の溝44が、基板37の前端から後端近傍まで連続形成されている。溝44の外側の内壁面は第1の規制部43の壁面43aと連続している。
【0032】
また、基板37の中央やや後方には、図7、図8および図10に示しているように、後述する接触子ブロック70の接触子部分を通過させるための矩形の穴45が上下に貫通形成され、その穴45の後部には、後述する可動部材85の第2の板部87を通過させるための矩形の穴46が上下に貫通形成されている。
【0033】
穴45の両側には、接触子ブロック70を上下動および揺動自在に支持するための支持部材として支持軸47、48が立設され、支持軸47、48の後方には、後述する軸92の両端を支持する軸受49、50が立設されている。また、一方の軸受50の後方には、バネフック51が突設されている。
【0034】
基板37の下面37a側のほぼ中央には、前部から後部まで所定幅で下方に僅かに突出し、カードスロット21のスリット34から挿入されたICカードを、その先端が接触子ブロック70に当接しないように規制する第2の規制部52が形成されている。
【0035】
また、穴46の両側には、基板37の下面37aから第2の規制部52よりもさらに大きい突出長で下方に突出し、挿入されたICカードの先端に当接して、ICカードの進入を停止させるストッパ53が形成されている。このストッパ53は、第1の規制部44と同一の高さを有している。
【0036】
基板37の下面37aの前端の左端には、第3の規制部55が下方へ突設されている。第3の規制部55は、後述する第4の規制部56とともに、この実施形態の他方の幅方向規制部を形成するものであり、四角柱状に形成され、その内側の壁面55aは、カードスロット21のスリット34の他端側内壁面を後方へ延長した面と一致しており、第1の規制部43の壁面43aとの間でICカードの幅方向の移動を規制している。
【0037】
基板37の下面37aの後端の左端には、第4の規制部56が下方へ突設されている。第4の規制部56は、第3の規制部55と同様にほぼ四角柱状に形成され、その内側の壁面56aは、第3の規制部55の内壁面55aを後方へ延長した面と一致しており、第1の規制部43の壁面43aとの間でICカードの幅方向の移動を規制している。なお、第3の規制部55と第4の規制部56の間は側方へ向かって開口している。
【0038】
前板41の前面側両端にはシャッタ支持部57、58が突設されている。シャッタ支持部57の内壁は、第1の規制部43の内側の壁面43aと連続し、シャッタ支持部58の内壁は、第3の規制部55の内側の壁面55aと連続していて、ICカードの幅方向の移動を規制する。
【0039】
シャッタ支持部57、58に支持されたシャッタ部材60は、図5〜図8に示しているように、横長に形成された基部61と、基部61の両側に突設されシャッタ支持部57、58に係合する軸部62、63と、基部61の前部から上方へ突出する突起64と、基部61の前縁から下方に延びたシャッタ板65と、一方の軸部63から前方に延びた腕部66と、腕部66の先端に取り付けられ軸部63と平行な軸を中心に回転するローラ67とによって構成されている。
【0040】
シャッタ部材60は、常時は、そのシャッタ板65の下端位置がカードスロット21のスリット34の下縁より低い位置となり、ローラ67の回転中心がシャッタ板65よりも前方に位置し、且つその外周の下端位置がシャッタ板65の下端位置より低くなるように支持されており、カードスロット21のスリット34から正規厚のICカードが挿入されたとき、そのICカードの先端縁を外周下部に当接させ、ICカードの挿入力を腕部66を介して軸部63に伝達して、シャッタ板65をICカードの厚さに対応した距離だけ上方側へ回動移動させ、挿入されたICカードがスリット34を通過して基板37の下面側へ進入できるようにする。
【0041】
また、正規厚より薄いカード状の異物や、幅が狭くローラ67の内側を通過するようなカード状の異物が挿入された場合には、シャッタ板65の上方への移動距離が短いかあるいは全く移動しないので、その異物はシャッタ板65に当接して、基板37の下面37aへの進入は阻止される。
【0042】
一方、基板37の上面37b側に立設された支持軸47、48には、接触子ブロック70が支持されている。
【0043】
接触子ブロック70は、図9に示すように、略矩形の基板71を有し、基板71の上面のほぼ中央には、上方に突出する円柱状の突起72が設けられ、その両側には腕部73、74が対称に延設されている。
【0044】
腕部73、74の先端側には、支持軸47、48を隙間のある状態で通過させる穴75、76が設けられている。また、突起72と腕部73、74の間には、鉤状のフック77、78が突設されている。
【0045】
基板71の下面のほぼ中央には矩形状の接触子板79が固定されている。接触子板79の下面には、複数(ここでは8個)の接触子80が突設されている。
【0046】
これらの接触子80は、異物とカードとの2重挿入による破損を防ぐために、従来の接触子に比べて下方への突出長が短く、しかも、強度(剛性)が大きく弾性変形が少なくなるように形成されている。
【0047】
なお、基板71の突起72は、接触子板79に設けられた複数の接触子群の中央位置の反対面側に位置しており、複数の接触子80は、接触子板79と基板71との間に挟まれたフレキシブル基板81を介して図示しない回路基板に接続される。
【0048】
この接触子ブロック70は、腕部73、74の穴75、76に挿通された支持軸47、48によって、接触子板79が穴45を通過するように上下動が可能で、且つ穴45の内部で左右方向、前後方向に揺動ができるように支持されている。
【0049】
接触子ブロック70の上方には、可動部材85の第1の板部86が延びている。可動部材85は、この実施形態の検知部を形成するものであり、図13に示しているように、略矩形の第1の板部86と、第1の板部86の後端から下方に延びた略矩形の第2の板部87とによってL字状に形成されている。
【0050】
第1の板部86の後部には、幅方向に貫通する軸穴88が設けられ、第1の板部86の先端側の両側部には、接触子ブロック70のフック77、78に係合するピン89、90が突設されている。また、第1の板部86の後端の一方の側部には、バネフック91が突設されている。
【0051】
可動部材85は、軸穴87を通過し軸受49、50に両端を支持された軸92によって、第1の板部86の先端側で接触子ブロック70を吊るすように支持し、且つ第2の板部87の下端を穴46から基板37aの下面側へ突出させた状態で、軸92を中心に回動できるように支持されている。
【0052】
また、軸92の一端側にはバネ93が取り付けられ、このバネ93の一端側がバネフック91にかけられ、他端側が基板37のバネフック51にかけられており、可動部材85は、このバネ93によって常に第2の板部87の下端内面側が穴46の前端側の壁面に当接する方向に付勢されている。
【0053】
また、可動部材85の第1の板部86の先端側の下面と接触子ブロック70の突起72との間には、弾性部材としてのコイルバネ94が挟まれるように取り付けられている。
【0054】
コイルバネ94は、弾性変形した状態で可動部材85の第1の板部86と突起72の間に挟まれており、その弾性復帰力を接触子ブロック70の基板71のほぼ中央部分、即ち、複数の接触子群のほぼ中央位置に対応する位置に集中的に加えている。
【0055】
レール部材95は、ベース部材36の基板37の溝43の右側にオーバラップするように前後方向に延びて挿入されるICカードの幅方向の一方の縁部を下方から支持するレール部96と、レール部96の後部から基板37の後部側を覆うように延びて、挿入されるICカードの先端縁を下方から支持してストッパ52に当接するまで案内する支持部97とによってL字状に形成されている。
【0056】
図11に示しているように、レール部材95のレール部96の内側の壁面96aと、溝44の内側の壁面44aとの隙間は、正規のICカード2枚分の厚さより十分大きくなるように形成されている。また、案内部97と基板37側の第2の規制部52の下面との隙間は、正規のICカード1枚分の厚さより大きく、正規のICカード2枚分の厚さより小さくなるように設定されている。
【0057】
カバー100は、ベース部材36の上面側を覆うように形成されており、その前端下面側には、シャッタ部材60の突起64を下方へ押圧して、シャッタ部材60を常に閉じる方向に付勢する板バネ101が取り付けられている。
【0058】
以上のように構成されたICカード処理装置20では、正規のICカード1が図12に示すように、カードスロット21のスリット34に挿入されて、その先端がシャッタ部材60のローラ67(図12では図示せず)の下部外周に当接すると、シャッタ部材60が上方へ回動してICカード1の進入を可能にする。
【0059】
シャッタ部材60の下方を通過したICカード1は、スリット34とレール部材95のレール部96によって下方から支持され、且つスリット34、第1の規制部43の壁面43a、第3の規制部55の壁面55aによって幅方向の移動が規制された状態で奥へ進む。
【0060】
そして、図13に示すように、ICカード1の先端がレール部材95の支持部97に乗り上げるように進入し、可動部材85の第2の板部87の下端に当接する。なお、このとき、ICカード1の先端部分の幅方向の移動は、第1の規制部43と第4の規制部56によって規制される。
【0061】
さらにICカード1を奥側へ押すと、図14のように、可動部材85が反時計回りに回動して接触子ブロック70を下降させてICカード1の一面側へ移動させ、ICカード1の先端がストッパ53に当接する所定位置に達したときには、接触子ブロック70の接触子80がICカード1の上面の端子(図示せず)に適度な接触圧でそれぞれ接触する。
【0062】
なお、このとき、可動部材85の第2の板部87の下端は、ICカード1の上面に当接した状態となり、可動部材85を付勢しているバネ93の復帰力はICカード1をカードスロット21側に戻す方向には作用せず、ICカード1から手を離してもICカード1はその先端がストッパ53に当接した位置に保持される。
【0063】
このようにして所定位置まで挿入されたICカード1の端子に接触子ブロック70の各接触子80が適度な接触圧で接触することにより、このICカード1との間の情報の授受を確実に行うことができる。
【0064】
また、長さが正規のものより短い(例えば半分以下)のカード状の異物が挿入された場合、その異物の後端がスリット34を通過すると、その異物に対する下方からの支持はレール部96だけとなる。
【0065】
このため、図15に示すように、異物2の一方の縁部2aはレール部96上にある状態で他方の縁部2b側が下方へ大きく傾き、この傾きにより一方の縁部2aがレール部96からはずれて下方へ落下する。
【0066】
なお、レール部96の上方には、基板37の上面側へ陥没する溝44が設けられているので、異物2の一方の縁部2a側の回動が規制されず、異物2を確実に落下させることができる。
【0067】
また、図16に示すように、長さの短いカード状の異物2が、その後端がスリット34を僅かに超えた位置にある状態で、ICカード1が挿入されると、異物2はその後端をICカード1に押されて奥へ進入し、その後端が基板37の前端を通過すると前記したように一方の縁部2b側が下降する。
【0068】
このため、図17に示すように、異物2は、その後端縁の一端側をICカード1の先端縁の一端側に押されながら奥側に進むことになる。
【0069】
ここで、ICカード1の挿入速度が遅い場合、異物2の縁部2aは、その先端が支持部97に達する前にレール部96から外れて前記したように落下排出される。このためICカード1を所定位置まで挿入することができる。
【0070】
また、ICカード1の挿入速度が速い場合、異物2は、その縁部2aがレール部96から外れる前に支持部97に達してしまうが、このとき異物2は、縁部2bが反対側の縁部2aより下がるように傾くため、図18に示すように、異物2の後端縁とICカード1の先端縁とは、レール部96側で交差するように当接する。
【0071】
このため、図18に示しているように、異物2は下面側から見て左回りの回転力を受けながら奥へ進み、異物2の縁部2bが第3の規制部55を通過して異物2に対する幅方向の規制がなくなると、異物2が左回りに大きく回転し、図19に示すように、縁部2aの先端側の隅部が可動部材85の第2の板部87と第1の規制部43の後端との間の範囲でストッパ53に点接触するように当接し、異物2の後部左側の上にICカード1の前部左側が重なる状態で停止する。
【0072】
このため、この異物2は可動部材85の第2の板部87に当接しないか、あるいは当接しても第2の板部87を十分に押し切ることができず、図20に示すように、接触子ブロック70が下降しないか、あるいは下降量が少なくなる。
【0073】
したがって、この状態からICカード1を強引に押し込んだとしても、ICカード1の先端は、図21に示すように、接触子80に無理な力を与えることなく、異物2と接触子ブロック70との間を通過する。
【0074】
また、接触子ブロック70が多少下降していても、ICカード1の挿入力を受けた接触子ブロック70がその力をコイルバネ94へ伝達するので、コイルバネ94が縮んで、接触子ブロック70を上方へ移動させ、ICカード1を無理なく通過させる。
【0075】
異物2と接触子80との間を無理なく通過したICカード1は、その先端がレール部材96の支持部97の上部で異物2と基板37の第2の規制部52の下面との隙間に嵌入した位置で停止し、可動部材85の第2の板部87に当接する位置まで達することはできない。
【0076】
したがって、このICカード1を利用することができず、このICカード1を挿入した者はICカード1を引き抜くことになる。
【0077】
このとき、ICカード1の先端と異物2の先端は、案内部97と第2の規制部52との間に強く嵌入した状態にあり、両者の間に生じた強い摩擦力により、ICカード1とともに異物2がカードスロット21側に移動し、図22に示すように、異物2の縁部2bが第3の規制部55の角に当接し、この当接箇所を支点として右回りに回転して姿勢が戻り、その先端側が支持部97上から外れると、下方からの支持がレール部96によるものだけになって下方へ落下する。
【0078】
したがって、ICカード1を引き抜いた者がICカード1を再度挿入すれば、そのICカード1は正しく所定位置まで進入し、その端子に接触子80が正しく接触し、情報の授受を確実に行うことができる。
【0079】
以上のように、この実施形態のカード処理装置20では、カードの幅方向の移動を規制するための一対の幅方向規制部の一方側を、基板37の前端部分に設けられた第3の規制部55と後端部分に設けられた第4の規制部56とによって形成し、第3の規制部55と第4の規制部56との間が側方に向かって開口するようにしている。
【0080】
このため、正規長より短いカード状の異物2がICカード1によって押し込まれたときに、第3の規制部55と第4の規制部56との間の開口部分を利用して異物2を回転させることにより、異物2の可動部材85への当接を避けることができ、異物2による接触子80の下降を防ぐことができ、異物2に続いて挿入されたICカード1による接触子80の破損を防止できる。
【0081】
なお、前記したICカード処理装置20では、ICカードの挿入を検知するための検知部材としての可動部材85が、接触子群の後の位置でICカードの挿入力を受けていたが、これは、本発明を限定するものでなく、検知部材は、接触子群とストッパ53との間の範囲で、且つ接触子群の後方位置から第4の規制部56までの範囲でICカードを検知すればよく、このようにすれば、カード状の異物が検知部材で検知されて接触子が下降するのを防ぐことができる。
【0082】
また、前記実施形態では、ICカードの所定位置近傍までの進入を可動部材85によって機械的に検知して接触子ブロックを移動していたが、検知部材としてスイッチ等の電気的なセンサやフォトカプラ等の光学的なセンサを用いてICカードの所定位置近傍までの進入を検知し、その検知信号によってモータやプランジャ等を駆動して接触子ブロック70をICカードの一面側に移動させるICカード処理装置においても本発明を同様に適用できる。
【0083】
また、前記実施形態では、第3の規制部55と第4の規制部56との間が側方に向かって開口するようにして構成していたが、第3の規制部55と第4の規制部56の間の第1の規制部43の壁面からの距離をICカードの幅寸法に対して十分広くとって、カード状の異物がほぼ水平面上で回転できるようにしておけば、第3の規制部55と第4の規制部56との間の側方を壁部材で閉口することもできる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のICカード処理装置は、
略矩形の基板と、
前記基板の下面両側に互いに対向するように突設され、前記基板の下面に沿ってその前端側から挿入されるICカードの幅方向の移動を互いに対向する壁面で両側から規制する一対の幅方向規制部と、
前記一方の幅方向規制部の下縁に沿って設けられ、ICカードの幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制するレール部と、
前記基板の下面の後端側に設けられ、前記幅方向規制部によって幅方向の移動が規制され且つ前記レール部によって幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制された状態で進入するICカードの先端に当接して、ICカードを所定位置で停止させるストッパと、
前記ストッパより前方の位置で前記基板に対して上下動自在に支持され、下面側に複数の接触子を有する接触子ブロックと、
前記複数の接触子と前記ストッパとの間の位置範囲でICカードの挿入を検知する検知部材とを備え、
前記検知部材によって検知されて前記所定位置まで進入したICカードの一面側に前記接触子ブロックを移動して前記複数の接触子をICカードの端子に接触させ、該ICカードとの間で情報の授受を行うICカード処理装置において、
前記一方の幅方向規制部が前記基板の前端から前記ストッパ近傍までほぼ連続的に形成され、
前記他方の幅方向規制部は、前記基板の前端近傍に設けられた第1規制部と、前記ストッパ近傍に設けられた第2規制部とからなり、前記第1規制部と第2規制部との間が側方へ向かって開口または前記一方の幅方向規制部の壁面からの距離がICカードの幅寸法に対して十分広くなるように形成されているとともに、
前記検知部材は、前記複数の接触子群の後方位置から前記他方の幅方向規制部の第2規制部の間でICカードの挿入を検知することを特徴としている。
【0085】
このため、正規長より短いカード状の異物がICカードによって押し込まれたときに、他方の幅方向規制部の第1規制部と第2規制部との間の部分によって異物を回転させて検知部材によるカード検知を避け、異物に対する接触子の下降を防ぐことができ、挿入されたICカードによる接触子の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の平面図
【図2】本発明の実施形態の正面図
【図3】本発明の実施形態の側面図
【図4】本発明の実施形態の底面図
【図5】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の平面図
【図6】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の正面図
【図7】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の底面図
【図8】本発明の実施形態のカードスロットとレール部材を外した状態の底面図
【図9】本発明の実施形態の要部の分解斜視図
【図10】図1のC−C線拡大断面図
【図11】図5のD−D線拡大断面図
【図12】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図13】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図14】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図15】実施形態の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図16】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図17】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図18】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図19】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図20】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図21】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図22】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図23】従来装置の概略平面図
【図24】従来装置の概略正面図
【図25】従来装置の概略底面図
【図26】図23のA−A線断面図
【図27】図23のB−B線断面図
【図28】従来装置の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図29】従来装置の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図30】従来装置の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図31】従来装置の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【符号の説明】
1 ICカード
2 異物
20 ICカード処理装置
21 カードスロット
34 スリット
35 処理装置本体
36 ベース部材
37 基板
38、39 側板
40 後板
41 前板
43 第1の規制部
44 溝
45、46 穴
47、48 支持軸
49、50 軸受け
51 バネフック
52 第2の規制部
53 ストッパ
55 第3の規制部
56 第4の規制部
57、58 シャッタ支持部
60 シャッタ部材
61 基部
62、63 軸部
64 突起
65 シャッタ板
66 腕部
67 ローラ
70 接触子ブロック
71 基板
72 突起
73、74 腕部
75、76 穴
77、78 フック
79 接触子板
80 接触子
81 フレキシブル基板
85 可動部材
86 第1の板部
87 第2の板部
88 穴
89、90 ピン
91 バネフック
92 軸
93 バネ
95 レール部材
96 レール部
97 支持部
100 カバー
101 板バネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、一面側に複数の接触子が設けられた接触子ブロックを有し、所定位置まで受け入れたICカードの一面側の各接点に前記接触子ブロックの各接触子を接触させてICカードとの間で信号の授受を行うICカード処理装置において、カード状の異物の挿入による接触子の損傷を防ぐための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードに対する情報の読み書きを行うICカード処理装置では、所定位置まで受け入れたICカードの一面側に設けられた複数の接点にそれぞれ接触子を接触させて、各接点と接触子との電気的な接続によってICカード内の回路と交信を行うように構成されている。
【0003】
このようなICカード処理装置は、例えば公衆電話機のように不特定な者が使用する機器にも多く使用されており、異物の挿入等のいたずらの被害を受けることが多い。
【0004】
このため、従来のICカード処理装置では、ICカードを受け入れる部分の下面側を大きく開口させて、挿入された異物を下方に落下排出させている。
【0005】
図23〜図27は、挿入された異物を落下排出させるように構成された従来のICカード処理装置5の概略構造を示している。
【0006】
このICカード処理装置5では、カードスロット6の前面側に横長に設けられたスリット7から挿入されたICカードを処理装置本体8の矩形状の基板9の下面側に受け入れる。
【0007】
基板9の下面両側には、挿入されたICカードの幅方向の移動を両側から規制するための一対の規制部10、11が基板9の前端から後端近傍まで連続するように形成されている。
【0008】
一方の規制部10の下縁にはICカードの幅方向の一方の縁部を下方から支持して下方への移動を規制するレール部12が形成され、規制部10、11の後端間にはICカードの先端縁を下方から支持する支持部13が設けられている。
【0009】
また、支持部13の奥側には、ICカードの先端に当接してICカードを所定位置で停止させるストッパ14が設けられており、ストッパ14の前方には、所定位置まで受け入れたICカードの一面側の複数の端子に接触させるための複数の接触子15を下面側に有する接触子ブロック16が上下動自在に支持されている(支持機構は図示せず)。
【0010】
また、ストッパ14と接触子ブロック16の間には、ICカードの挿入を検知するための検知部材17の一端側が突出している。この検知部材17は、ICカードの挿入力を一端側で受けて他端側を移動させて接触子ブロック16をICカードの一面側に下降させ、ICカードの端子に接触子15を接触させて、ICカードに対する情報の授受を可能にする(支持機構は図示せず)。
【0011】
このように構成されたICカード処理装置5では、正規のICカード1がカードスロット6のスリット7から挿入されると、一対の規制部10、11の内壁面でICカード1の幅方向の移動を規制し、且つレール部12によってICカード1の幅方向の一方の縁部を下方から支持しながら奥まで案内し、図28の(a)のように、支持部13上に達したICカード1の先端を検知部材17の一端に当接させる。
【0012】
ICカード1がさらに押されると、図28の(b)のように、検知部材17が回動して接触子ブロック16を下降させ、ICカード1の先端がストッパ14に当接する所定位置まで達したときに、接触子ブロック16の各接触子15がICカード1の一面側に設けられた各端子(図示せず)に適度な接触圧で接触する。これによってICカード1に対する情報の処理が可能となる。
【0013】
また、このICカード処理装置5は、ICカードの幅方向の一方側では、その幅方向の移動と下方への移動を規制し、他方側では幅方向の移動だけを規制した状態で所定位置まで案内するようにしているので、カードスロット6のスリット7を通過した異物を下面側から排出させることができる。
【0014】
例えば図29の(a)に示すように、幅が正規のICカードと同等で、長さがスリット6から支持部13の前縁までの距離より短いカード状の異物2が挿入された場合、この異物2の後端が基板9の前端を通過すると、その異物2の規制部10側の縁部はレール部12によって下方から支持されるが、他方の縁部側に対する下方からの支持がないため、この異物2は、図30に示しているように他方の縁部側が下降して傾き、この傾きによって一方の縁部側がレール部12から外れる。このため、異物2は、図29の(b)のように基板9の下方へ落下排出されることになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したICカード処理装置5において、図31の(a)のように、カード状の異物2の後端がスリット7を僅かに超えた位置まで挿入された状態で正規のICカード1が挿入されると、異物2はその後端をICカード1に押されて奥へ進入する。
【0016】
このとき、ICカード1の挿入速度が遅い場合、異物2は、その先端が支持部13に達する前にレール部12から外れて前記したように落下排出されて、ICカード1を所定位置まで挿入することができるが、ICカード1の挿入速度が速い場合には、異物2の一方の縁部がレール部12から外れる前にその先端が支持部13に達し、検知部材17を可動させてストッパ14に当接する位置まで進入してしまい、図31の(b)に示すように、この異物2に対して接触子ブロック16を下降させて接触子15を接触させる。
【0017】
そして、このように異物2に対して接触子15が接触した状態で、ICカード1を無理に押し込むと、そのICカード1の先端が異物2と基板9の間を通過して接触子15に衝突し、接触子15を破損してしまい、以後機器の利用が不能となってしまう。
【0018】
本発明は、この問題を解決して、カード状の異物とICカードとの2重挿入による接触子の損傷を防ぐことができるICカード処理装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のICカード処理装置は、
略矩形の基板と、
前記基板の下面両側に互いに対向するように突設され、前記基板の下面に沿ってその前端側から挿入されるICカードの幅方向の移動を互いに対向する壁面で両側から規制する一対の幅方向規制部と、
前記一方の幅方向規制部の下縁に沿って設けられ、ICカードの幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制するレール部と、
前記基板の下面の後端側に設けられ、前記幅方向規制部によって幅方向の移動が規制され且つ前記レール部によって幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制された状態で進入するICカードの先端に当接して、ICカードを所定位置で停止させるストッパと、
前記ストッパより前方の位置で前記基板に対して上下動自在に支持され、下面側に複数の接触子を有する接触子ブロックと、
前記複数の接触子と前記ストッパとの間の位置範囲でICカードの挿入を検知する検知部材とを備え、
前記検知部材によって検知されて前記所定位置まで進入したICカードの一面側に前記接触子ブロックを移動して前記複数の接触子をICカードの端子に接触させ、該ICカードとの間で情報の授受を行うICカード処理装置において、
前記一方の幅方向規制部が前記基板の前端から前記ストッパ近傍までほぼ連続的に形成され、
前記他方の幅方向規制部は、前記基板の前端近傍に設けられた第1規制部と、前記ストッパ近傍に設けられた第2規制部とからなり、前記第1規制部と第2規制部との間が側方へ向かって開口または前記一方の幅方向規制部の壁面からの距離がICカードの幅寸法に対して十分広くなるように形成されているとともに、
前記検知部材は、前記複数の接触子群の後方位置から前記他方の幅方向規制部の第2規制部の間でICカードの挿入を検知することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1〜図11は、本発明を適用したICカード処理装置20およびその要部の構成を示している。
【0021】
このICカード処理装置20は、図1〜図4に示しているように、カードスロット21と処理装置本体35とによって構成されている。
【0022】
カードスロット21は、図1のようにICカードを利用する機器(例えば公衆電話機)の筐体1の表面に取り付けられて、ICカードを処理装置本体35内へ案内する。
【0023】
カードスロット21は、上下に対向する凹状の上板22、下板23と、上板22の左右の突出部22a、22bの両側縁と下板23の左右の突出部23a、23bの両側縁の間をそれぞれ塞ぐ側板24〜27と、上板22の突出部22a、22bの前縁と下板23の突出部23a、23bの前縁の間をそれぞれ塞ぐ前板28、29と、上板22の中央部22cの前縁と下板23の中央部23cの前縁の間をそれぞれ塞ぐ前板30とを有し、内部が中空状に形成されている。
【0024】
外側の側板24、25には、このカード処理装置20全体を機器の筐体1にネジ止め固定するためのフランジ31が設けられ、下板22の後端両側には、処理装置本体35を支持固定するための支持部32、33が延設されている。
【0025】
また、左右の前板28、29、内側の側板26、27および中央の前板30には、ICカードを前方から背面側へ通過させるための横長のスリット34が形成されている。
【0026】
スリット34の高さは、正規のICカード1枚の厚さより大で、正規のICカード2枚分の厚さより小となるように設定され、スリット34の幅は、正規のICカードの幅より僅かに大となるように設定されている。
【0027】
カードスロット21の背面側に設けられた処理装置本体35は、ベース部材36、レール部材95およびカバー100が上下3段に重ね合わされるように一体化されて構成されている。
【0028】
ベース部材36は、図5に示しているように、略矩形状の基板37と、基板37の両側の縁に沿って互いに対向するように上方に立設された側板38、39、側板38、39の後端を連結するように基板37の後部の縁に沿って立設された後板40、側板38、39の前端を連結するように基板37の前部の縁に沿って立設された前板41とによって形成されている。
【0029】
基板37の下面37aの右端には、カードスロット21のスリット34から挿入されるICカードの幅方向の一方側への移動を規制するための第1の規制部43が形成されている。この第1の規制部43は、この実施形態の1対の幅方向規制部の一方側を形成するものである。
【0030】
第1の規制部43は基板37の下面37aからの高さが一定で基板37の前端から後端近傍まで連続するように突出し、その内側の壁面43aは、カードスロット21のスリット34の一端側の内壁面を後方へ延長した面と一致しており、スリット34から挿入されたICカードの一方の側端面を壁面43aに摺接させるようにしてICカードを前後方向に移動させる。
【0031】
第1の規制部43の内側には、図11に示しているように、基板37の上面37b側へ所定深さで陥没する所定幅の溝44が、基板37の前端から後端近傍まで連続形成されている。溝44の外側の内壁面は第1の規制部43の壁面43aと連続している。
【0032】
また、基板37の中央やや後方には、図7、図8および図10に示しているように、後述する接触子ブロック70の接触子部分を通過させるための矩形の穴45が上下に貫通形成され、その穴45の後部には、後述する可動部材85の第2の板部87を通過させるための矩形の穴46が上下に貫通形成されている。
【0033】
穴45の両側には、接触子ブロック70を上下動および揺動自在に支持するための支持部材として支持軸47、48が立設され、支持軸47、48の後方には、後述する軸92の両端を支持する軸受49、50が立設されている。また、一方の軸受50の後方には、バネフック51が突設されている。
【0034】
基板37の下面37a側のほぼ中央には、前部から後部まで所定幅で下方に僅かに突出し、カードスロット21のスリット34から挿入されたICカードを、その先端が接触子ブロック70に当接しないように規制する第2の規制部52が形成されている。
【0035】
また、穴46の両側には、基板37の下面37aから第2の規制部52よりもさらに大きい突出長で下方に突出し、挿入されたICカードの先端に当接して、ICカードの進入を停止させるストッパ53が形成されている。このストッパ53は、第1の規制部44と同一の高さを有している。
【0036】
基板37の下面37aの前端の左端には、第3の規制部55が下方へ突設されている。第3の規制部55は、後述する第4の規制部56とともに、この実施形態の他方の幅方向規制部を形成するものであり、四角柱状に形成され、その内側の壁面55aは、カードスロット21のスリット34の他端側内壁面を後方へ延長した面と一致しており、第1の規制部43の壁面43aとの間でICカードの幅方向の移動を規制している。
【0037】
基板37の下面37aの後端の左端には、第4の規制部56が下方へ突設されている。第4の規制部56は、第3の規制部55と同様にほぼ四角柱状に形成され、その内側の壁面56aは、第3の規制部55の内壁面55aを後方へ延長した面と一致しており、第1の規制部43の壁面43aとの間でICカードの幅方向の移動を規制している。なお、第3の規制部55と第4の規制部56の間は側方へ向かって開口している。
【0038】
前板41の前面側両端にはシャッタ支持部57、58が突設されている。シャッタ支持部57の内壁は、第1の規制部43の内側の壁面43aと連続し、シャッタ支持部58の内壁は、第3の規制部55の内側の壁面55aと連続していて、ICカードの幅方向の移動を規制する。
【0039】
シャッタ支持部57、58に支持されたシャッタ部材60は、図5〜図8に示しているように、横長に形成された基部61と、基部61の両側に突設されシャッタ支持部57、58に係合する軸部62、63と、基部61の前部から上方へ突出する突起64と、基部61の前縁から下方に延びたシャッタ板65と、一方の軸部63から前方に延びた腕部66と、腕部66の先端に取り付けられ軸部63と平行な軸を中心に回転するローラ67とによって構成されている。
【0040】
シャッタ部材60は、常時は、そのシャッタ板65の下端位置がカードスロット21のスリット34の下縁より低い位置となり、ローラ67の回転中心がシャッタ板65よりも前方に位置し、且つその外周の下端位置がシャッタ板65の下端位置より低くなるように支持されており、カードスロット21のスリット34から正規厚のICカードが挿入されたとき、そのICカードの先端縁を外周下部に当接させ、ICカードの挿入力を腕部66を介して軸部63に伝達して、シャッタ板65をICカードの厚さに対応した距離だけ上方側へ回動移動させ、挿入されたICカードがスリット34を通過して基板37の下面側へ進入できるようにする。
【0041】
また、正規厚より薄いカード状の異物や、幅が狭くローラ67の内側を通過するようなカード状の異物が挿入された場合には、シャッタ板65の上方への移動距離が短いかあるいは全く移動しないので、その異物はシャッタ板65に当接して、基板37の下面37aへの進入は阻止される。
【0042】
一方、基板37の上面37b側に立設された支持軸47、48には、接触子ブロック70が支持されている。
【0043】
接触子ブロック70は、図9に示すように、略矩形の基板71を有し、基板71の上面のほぼ中央には、上方に突出する円柱状の突起72が設けられ、その両側には腕部73、74が対称に延設されている。
【0044】
腕部73、74の先端側には、支持軸47、48を隙間のある状態で通過させる穴75、76が設けられている。また、突起72と腕部73、74の間には、鉤状のフック77、78が突設されている。
【0045】
基板71の下面のほぼ中央には矩形状の接触子板79が固定されている。接触子板79の下面には、複数(ここでは8個)の接触子80が突設されている。
【0046】
これらの接触子80は、異物とカードとの2重挿入による破損を防ぐために、従来の接触子に比べて下方への突出長が短く、しかも、強度(剛性)が大きく弾性変形が少なくなるように形成されている。
【0047】
なお、基板71の突起72は、接触子板79に設けられた複数の接触子群の中央位置の反対面側に位置しており、複数の接触子80は、接触子板79と基板71との間に挟まれたフレキシブル基板81を介して図示しない回路基板に接続される。
【0048】
この接触子ブロック70は、腕部73、74の穴75、76に挿通された支持軸47、48によって、接触子板79が穴45を通過するように上下動が可能で、且つ穴45の内部で左右方向、前後方向に揺動ができるように支持されている。
【0049】
接触子ブロック70の上方には、可動部材85の第1の板部86が延びている。可動部材85は、この実施形態の検知部を形成するものであり、図13に示しているように、略矩形の第1の板部86と、第1の板部86の後端から下方に延びた略矩形の第2の板部87とによってL字状に形成されている。
【0050】
第1の板部86の後部には、幅方向に貫通する軸穴88が設けられ、第1の板部86の先端側の両側部には、接触子ブロック70のフック77、78に係合するピン89、90が突設されている。また、第1の板部86の後端の一方の側部には、バネフック91が突設されている。
【0051】
可動部材85は、軸穴87を通過し軸受49、50に両端を支持された軸92によって、第1の板部86の先端側で接触子ブロック70を吊るすように支持し、且つ第2の板部87の下端を穴46から基板37aの下面側へ突出させた状態で、軸92を中心に回動できるように支持されている。
【0052】
また、軸92の一端側にはバネ93が取り付けられ、このバネ93の一端側がバネフック91にかけられ、他端側が基板37のバネフック51にかけられており、可動部材85は、このバネ93によって常に第2の板部87の下端内面側が穴46の前端側の壁面に当接する方向に付勢されている。
【0053】
また、可動部材85の第1の板部86の先端側の下面と接触子ブロック70の突起72との間には、弾性部材としてのコイルバネ94が挟まれるように取り付けられている。
【0054】
コイルバネ94は、弾性変形した状態で可動部材85の第1の板部86と突起72の間に挟まれており、その弾性復帰力を接触子ブロック70の基板71のほぼ中央部分、即ち、複数の接触子群のほぼ中央位置に対応する位置に集中的に加えている。
【0055】
レール部材95は、ベース部材36の基板37の溝43の右側にオーバラップするように前後方向に延びて挿入されるICカードの幅方向の一方の縁部を下方から支持するレール部96と、レール部96の後部から基板37の後部側を覆うように延びて、挿入されるICカードの先端縁を下方から支持してストッパ52に当接するまで案内する支持部97とによってL字状に形成されている。
【0056】
図11に示しているように、レール部材95のレール部96の内側の壁面96aと、溝44の内側の壁面44aとの隙間は、正規のICカード2枚分の厚さより十分大きくなるように形成されている。また、案内部97と基板37側の第2の規制部52の下面との隙間は、正規のICカード1枚分の厚さより大きく、正規のICカード2枚分の厚さより小さくなるように設定されている。
【0057】
カバー100は、ベース部材36の上面側を覆うように形成されており、その前端下面側には、シャッタ部材60の突起64を下方へ押圧して、シャッタ部材60を常に閉じる方向に付勢する板バネ101が取り付けられている。
【0058】
以上のように構成されたICカード処理装置20では、正規のICカード1が図12に示すように、カードスロット21のスリット34に挿入されて、その先端がシャッタ部材60のローラ67(図12では図示せず)の下部外周に当接すると、シャッタ部材60が上方へ回動してICカード1の進入を可能にする。
【0059】
シャッタ部材60の下方を通過したICカード1は、スリット34とレール部材95のレール部96によって下方から支持され、且つスリット34、第1の規制部43の壁面43a、第3の規制部55の壁面55aによって幅方向の移動が規制された状態で奥へ進む。
【0060】
そして、図13に示すように、ICカード1の先端がレール部材95の支持部97に乗り上げるように進入し、可動部材85の第2の板部87の下端に当接する。なお、このとき、ICカード1の先端部分の幅方向の移動は、第1の規制部43と第4の規制部56によって規制される。
【0061】
さらにICカード1を奥側へ押すと、図14のように、可動部材85が反時計回りに回動して接触子ブロック70を下降させてICカード1の一面側へ移動させ、ICカード1の先端がストッパ53に当接する所定位置に達したときには、接触子ブロック70の接触子80がICカード1の上面の端子(図示せず)に適度な接触圧でそれぞれ接触する。
【0062】
なお、このとき、可動部材85の第2の板部87の下端は、ICカード1の上面に当接した状態となり、可動部材85を付勢しているバネ93の復帰力はICカード1をカードスロット21側に戻す方向には作用せず、ICカード1から手を離してもICカード1はその先端がストッパ53に当接した位置に保持される。
【0063】
このようにして所定位置まで挿入されたICカード1の端子に接触子ブロック70の各接触子80が適度な接触圧で接触することにより、このICカード1との間の情報の授受を確実に行うことができる。
【0064】
また、長さが正規のものより短い(例えば半分以下)のカード状の異物が挿入された場合、その異物の後端がスリット34を通過すると、その異物に対する下方からの支持はレール部96だけとなる。
【0065】
このため、図15に示すように、異物2の一方の縁部2aはレール部96上にある状態で他方の縁部2b側が下方へ大きく傾き、この傾きにより一方の縁部2aがレール部96からはずれて下方へ落下する。
【0066】
なお、レール部96の上方には、基板37の上面側へ陥没する溝44が設けられているので、異物2の一方の縁部2a側の回動が規制されず、異物2を確実に落下させることができる。
【0067】
また、図16に示すように、長さの短いカード状の異物2が、その後端がスリット34を僅かに超えた位置にある状態で、ICカード1が挿入されると、異物2はその後端をICカード1に押されて奥へ進入し、その後端が基板37の前端を通過すると前記したように一方の縁部2b側が下降する。
【0068】
このため、図17に示すように、異物2は、その後端縁の一端側をICカード1の先端縁の一端側に押されながら奥側に進むことになる。
【0069】
ここで、ICカード1の挿入速度が遅い場合、異物2の縁部2aは、その先端が支持部97に達する前にレール部96から外れて前記したように落下排出される。このためICカード1を所定位置まで挿入することができる。
【0070】
また、ICカード1の挿入速度が速い場合、異物2は、その縁部2aがレール部96から外れる前に支持部97に達してしまうが、このとき異物2は、縁部2bが反対側の縁部2aより下がるように傾くため、図18に示すように、異物2の後端縁とICカード1の先端縁とは、レール部96側で交差するように当接する。
【0071】
このため、図18に示しているように、異物2は下面側から見て左回りの回転力を受けながら奥へ進み、異物2の縁部2bが第3の規制部55を通過して異物2に対する幅方向の規制がなくなると、異物2が左回りに大きく回転し、図19に示すように、縁部2aの先端側の隅部が可動部材85の第2の板部87と第1の規制部43の後端との間の範囲でストッパ53に点接触するように当接し、異物2の後部左側の上にICカード1の前部左側が重なる状態で停止する。
【0072】
このため、この異物2は可動部材85の第2の板部87に当接しないか、あるいは当接しても第2の板部87を十分に押し切ることができず、図20に示すように、接触子ブロック70が下降しないか、あるいは下降量が少なくなる。
【0073】
したがって、この状態からICカード1を強引に押し込んだとしても、ICカード1の先端は、図21に示すように、接触子80に無理な力を与えることなく、異物2と接触子ブロック70との間を通過する。
【0074】
また、接触子ブロック70が多少下降していても、ICカード1の挿入力を受けた接触子ブロック70がその力をコイルバネ94へ伝達するので、コイルバネ94が縮んで、接触子ブロック70を上方へ移動させ、ICカード1を無理なく通過させる。
【0075】
異物2と接触子80との間を無理なく通過したICカード1は、その先端がレール部材96の支持部97の上部で異物2と基板37の第2の規制部52の下面との隙間に嵌入した位置で停止し、可動部材85の第2の板部87に当接する位置まで達することはできない。
【0076】
したがって、このICカード1を利用することができず、このICカード1を挿入した者はICカード1を引き抜くことになる。
【0077】
このとき、ICカード1の先端と異物2の先端は、案内部97と第2の規制部52との間に強く嵌入した状態にあり、両者の間に生じた強い摩擦力により、ICカード1とともに異物2がカードスロット21側に移動し、図22に示すように、異物2の縁部2bが第3の規制部55の角に当接し、この当接箇所を支点として右回りに回転して姿勢が戻り、その先端側が支持部97上から外れると、下方からの支持がレール部96によるものだけになって下方へ落下する。
【0078】
したがって、ICカード1を引き抜いた者がICカード1を再度挿入すれば、そのICカード1は正しく所定位置まで進入し、その端子に接触子80が正しく接触し、情報の授受を確実に行うことができる。
【0079】
以上のように、この実施形態のカード処理装置20では、カードの幅方向の移動を規制するための一対の幅方向規制部の一方側を、基板37の前端部分に設けられた第3の規制部55と後端部分に設けられた第4の規制部56とによって形成し、第3の規制部55と第4の規制部56との間が側方に向かって開口するようにしている。
【0080】
このため、正規長より短いカード状の異物2がICカード1によって押し込まれたときに、第3の規制部55と第4の規制部56との間の開口部分を利用して異物2を回転させることにより、異物2の可動部材85への当接を避けることができ、異物2による接触子80の下降を防ぐことができ、異物2に続いて挿入されたICカード1による接触子80の破損を防止できる。
【0081】
なお、前記したICカード処理装置20では、ICカードの挿入を検知するための検知部材としての可動部材85が、接触子群の後の位置でICカードの挿入力を受けていたが、これは、本発明を限定するものでなく、検知部材は、接触子群とストッパ53との間の範囲で、且つ接触子群の後方位置から第4の規制部56までの範囲でICカードを検知すればよく、このようにすれば、カード状の異物が検知部材で検知されて接触子が下降するのを防ぐことができる。
【0082】
また、前記実施形態では、ICカードの所定位置近傍までの進入を可動部材85によって機械的に検知して接触子ブロックを移動していたが、検知部材としてスイッチ等の電気的なセンサやフォトカプラ等の光学的なセンサを用いてICカードの所定位置近傍までの進入を検知し、その検知信号によってモータやプランジャ等を駆動して接触子ブロック70をICカードの一面側に移動させるICカード処理装置においても本発明を同様に適用できる。
【0083】
また、前記実施形態では、第3の規制部55と第4の規制部56との間が側方に向かって開口するようにして構成していたが、第3の規制部55と第4の規制部56の間の第1の規制部43の壁面からの距離をICカードの幅寸法に対して十分広くとって、カード状の異物がほぼ水平面上で回転できるようにしておけば、第3の規制部55と第4の規制部56との間の側方を壁部材で閉口することもできる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のICカード処理装置は、
略矩形の基板と、
前記基板の下面両側に互いに対向するように突設され、前記基板の下面に沿ってその前端側から挿入されるICカードの幅方向の移動を互いに対向する壁面で両側から規制する一対の幅方向規制部と、
前記一方の幅方向規制部の下縁に沿って設けられ、ICカードの幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制するレール部と、
前記基板の下面の後端側に設けられ、前記幅方向規制部によって幅方向の移動が規制され且つ前記レール部によって幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制された状態で進入するICカードの先端に当接して、ICカードを所定位置で停止させるストッパと、
前記ストッパより前方の位置で前記基板に対して上下動自在に支持され、下面側に複数の接触子を有する接触子ブロックと、
前記複数の接触子と前記ストッパとの間の位置範囲でICカードの挿入を検知する検知部材とを備え、
前記検知部材によって検知されて前記所定位置まで進入したICカードの一面側に前記接触子ブロックを移動して前記複数の接触子をICカードの端子に接触させ、該ICカードとの間で情報の授受を行うICカード処理装置において、
前記一方の幅方向規制部が前記基板の前端から前記ストッパ近傍までほぼ連続的に形成され、
前記他方の幅方向規制部は、前記基板の前端近傍に設けられた第1規制部と、前記ストッパ近傍に設けられた第2規制部とからなり、前記第1規制部と第2規制部との間が側方へ向かって開口または前記一方の幅方向規制部の壁面からの距離がICカードの幅寸法に対して十分広くなるように形成されているとともに、
前記検知部材は、前記複数の接触子群の後方位置から前記他方の幅方向規制部の第2規制部の間でICカードの挿入を検知することを特徴としている。
【0085】
このため、正規長より短いカード状の異物がICカードによって押し込まれたときに、他方の幅方向規制部の第1規制部と第2規制部との間の部分によって異物を回転させて検知部材によるカード検知を避け、異物に対する接触子の下降を防ぐことができ、挿入されたICカードによる接触子の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の平面図
【図2】本発明の実施形態の正面図
【図3】本発明の実施形態の側面図
【図4】本発明の実施形態の底面図
【図5】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の平面図
【図6】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の正面図
【図7】本発明の実施形態のカードスロットを外した状態の底面図
【図8】本発明の実施形態のカードスロットとレール部材を外した状態の底面図
【図9】本発明の実施形態の要部の分解斜視図
【図10】図1のC−C線拡大断面図
【図11】図5のD−D線拡大断面図
【図12】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図13】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図14】実施形態の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図15】実施形態の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図16】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図17】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図18】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図19】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図20】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図21】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図22】実施形態の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【図23】従来装置の概略平面図
【図24】従来装置の概略正面図
【図25】従来装置の概略底面図
【図26】図23のA−A線断面図
【図27】図23のB−B線断面図
【図28】従来装置の正規カード挿入時の動作を説明するための概略図
【図29】従来装置の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図30】従来装置の短いカード状の異物挿入時の動作を説明するための概略図
【図31】従来装置の異物と正規カードの2重挿入時の動作を説明するための概略図
【符号の説明】
1 ICカード
2 異物
20 ICカード処理装置
21 カードスロット
34 スリット
35 処理装置本体
36 ベース部材
37 基板
38、39 側板
40 後板
41 前板
43 第1の規制部
44 溝
45、46 穴
47、48 支持軸
49、50 軸受け
51 バネフック
52 第2の規制部
53 ストッパ
55 第3の規制部
56 第4の規制部
57、58 シャッタ支持部
60 シャッタ部材
61 基部
62、63 軸部
64 突起
65 シャッタ板
66 腕部
67 ローラ
70 接触子ブロック
71 基板
72 突起
73、74 腕部
75、76 穴
77、78 フック
79 接触子板
80 接触子
81 フレキシブル基板
85 可動部材
86 第1の板部
87 第2の板部
88 穴
89、90 ピン
91 バネフック
92 軸
93 バネ
95 レール部材
96 レール部
97 支持部
100 カバー
101 板バネ
Claims (1)
- 略矩形の基板と、
前記基板の下面両側に互いに対向するように突設され、前記基板の下面に沿ってその前端側から挿入されるICカードの幅方向の移動を互いに対向する壁面で両側から規制する一対の幅方向規制部と、
前記一方の幅方向規制部の下縁に沿って設けられ、ICカードの幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制するレール部と、
前記基板の下面の後端側に設けられ、前記幅方向規制部によって幅方向の移動が規制され且つ前記レール部によって幅方向の一方の縁部の下方への移動を規制された状態で進入するICカードの先端に当接して、ICカードを所定位置で停止させるストッパと、
前記ストッパより前方の位置で前記基板に対して上下動自在に支持され、下面側に複数の接触子を有する接触子ブロックと、
前記複数の接触子と前記ストッパとの間の位置範囲でICカードの挿入を検知する検知部材とを備え、
前記検知部材によって検知されて前記所定位置まで進入したICカードの一面側に前記接触子ブロックを移動して前記複数の接触子をICカードの端子に接触させ、該ICカードとの間で情報の授受を行うICカード処理装置において、
前記一方の幅方向規制部が前記基板の前端から前記ストッパ近傍までほぼ連続的に形成され、
前記他方の幅方向規制部は、前記基板の前端近傍に設けられた第1規制部と、前記ストッパ近傍に設けられた第2規制部とからなり、前記第1規制部と第2規制部との間が側方へ向かって開口または前記一方の幅方向規制部の壁面からの距離がICカードの幅寸法に対して十分広くなるように形成されているとともに、
前記検知部材は、前記複数の接触子群の後方位置から前記他方の幅方向規制部の第2規制部の間でICカードの挿入を検知することを特徴とするICカード処理装置。
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