JP3656771B2 - 変性ポリアミド樹脂の製造法、その製造法により得られる変性ポリアミド樹脂、これを用いた接着剤及びフィルム - Google Patents

変性ポリアミド樹脂の製造法、その製造法により得られる変性ポリアミド樹脂、これを用いた接着剤及びフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性ポリアミド樹脂の製造法、その製造法により得られる変性ポリアミド樹脂、これを用いた接着剤及びフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリント配線基板においては、配線占有面積が小さくなり、多層配線板化、フレキシブル配線板(FPC)化等の要求が益々高まっている。これらの製造工程においては、種々の接着剤あるいは接着フィルムが用いられている。
特開平5−51447号公報には、脂肪族ジカルボン酸のダイマー酸と脂肪族ジイソシアネートのイソフォロンジイソシアネートを主成分とする酸末端ポリアミド樹脂のカルボン酸に対して、既ね当量のエポキシ樹脂を反応させることを特徴とするエポキシ末端ポリアミド樹脂が開示されている。しかし、この樹脂は、エポキシ樹脂硬化剤と組み合わせてもガラス転移点(Tg)が低く、耐熱性が不充分であり、また、銅箔の特に光沢面に対する接着性が充分ではない。
また、特開平6−200216号公報には、ポリジメチルシロキサン変性ポリイミド樹脂が開示され、接着フィルムとして有用としている。この樹脂は、充分な耐熱性と接着性を有しているものの、非常にコストの高い材料から成っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性等にも優れる変性ポリアミド樹脂の製造法を提供するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、さらに、より高い接着性及び耐吸水性を有する変性ポリアミド樹脂の製造法を提供するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、さらに、より高い耐熱性を有する変性ポリアミド樹脂の製造法を提供するものである。
請求項4記載の発明は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れる変性ポリアミド樹脂を提供するものである。
請求項5記載の発明は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れる接着剤を提供するものである。
請求項6記載の発明は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れるフィルムを提供するのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(I)(A)(a) 1 ポリアルキレングリコール又は 2 ポリカーボネートジオールと 3 ジカルボン酸化合物との反応物である、ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分と(b)ジイソシアネートとを、カルボキシル基/イソシアネート基>1(モル比)となる配合割合で反応させて得られる、酸末端ポリアミド樹脂と
(B)エポキシ樹脂
とをエポキシ基/カルボキシル基≧1(モル比)となる配合割合で反応させて得られる、アミドエポキシ樹脂及び
(II)フェノール化合物としてビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールS、ビスフェノールAD及びこれらの臭素化物、またはフェノール樹脂を、(I)アミドエポキシ樹脂100重量部に対して、( II )フェノール化合物1〜30重量部を反応させることを特徴とする変性ポリアミド樹脂の製造法に関する。
【0005】
また、本発明は、(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分が、▲1▼ポリアルキレングリコールと▲3▼ジカルボン酸化合物との反応物である前記変性ポリアミド樹脂の製造法に関する。
また、本発明は、(b)ジイソシアネートが、芳香族ジイソシアネートである前記変性ポリアミド樹脂の製造法に関する。
また、本発明は、前記変性ポリアミド樹脂の製造法により得られた変性ポリアミド樹脂に関する。
また、本発明は、前記変性ポリアミド樹脂を主成分として含有する接着剤に関する。
また、本発明は、前記変性ポリアミド樹脂を主成分として含有するフィルムに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分は、▲1▼ポリアルキレングリコール又は▲2▼ポリカーボネートジオールと▲3▼ジカルボン酸化合物との反応物である。
本発明における▲1▼ポリアルキレングリコールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、接着性、耐吸水性等の点から、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好ましく、その数平均分子量は200〜3,000のものが好ましい。
【0007】
本発明における▲2▼ポリカーボネートジオールとしては、特に制限はなく、公知のものを使用することができるが(特開昭56−28213号公報、特開平3−247618号公報参照)、例えば、下記一般式(I)
【化1】
Figure 0003656771
(式中、R1及びR2は、各々独立に、2価のアルコール残基を示し、nは1〜20の整数である)
で表される化合物等が入手容易性などの点から好ましいものとして挙げられる。
【0008】
また、例えば、下記式(II)及び下記式(III)
【化2】
Figure 0003656771
で表される繰り返し単位を含み、式(II)及び式(III)との割合が、式(II) :式(III)=9:1〜1:9であり、両末端にはヒドロキシル基を有し、数平均分子量が600〜3,000の化合物等が、機械特性、塗膜性等の点から好ましい。
なお、▲2▼ポリカーボネートジオールの市販品としては、例えば、プラクセルCDシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)、ニッポラン980、981(日本ポリウレタン工業(株)製)等が挙げられる。
【0009】
本発明における(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分における▲1▼ポリアルキレングリコール又は▲2▼ポリカーボネートジオールは、それぞれ単独で使用してもよく、▲1▼成分及び▲2▼成分を併せて使用することもできるが、接着性等の点から、▲1▼ポリアルキレングリコールを単独で使用することが好ましい。
【0010】
本発明における▲3▼ジカルボン酸化合物としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等)、芳香族カルボン酸無水物(トリメリット酸、ピロメリット酸、ジフェニルスルホンテトラカルボキシリックジアンハイドライド等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0011】
本発明における(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分中の必須成分であるジカルボン酸は、▲1▼ポリアルキレングリコール又は▲2▼ポリカーボネートジオールと▲3▼ジカルボン酸化合物との反応物であり、この反応は、常法により行うことができる。
例えば、▲3▼成分1モルに対して、▲1▼成分又は▲2▼成分を1モル未満として、180〜280℃で、1〜10時間加熱すること等により行うことができる。このとき、▲1▼成分又は▲2▼成分が1モル以上では、(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分が生成しにくい傾向がある。この反応は、通常、無溶媒下に行われるが、有機溶媒中で行うこともできる。
【0012】
(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分中の必須成分であるジカルボン酸以外の、その他のジカルボン酸としては、前記した▲3▼ジカルボン酸化合物として例示したものを挙げることができ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0013】
(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分中において、▲1▼成分又は▲2▼成分と▲3▼成分との反応物であるジカルボン酸(必須成分)の配合割合は、(a)成分の総量100を重量部として、20重量部以上とすることが機械特性等の点から好ましい。
【0014】
本発明における(A)酸末端ポリアミド樹脂は、前記(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分と(b)ジイソシアネートとを、カルボキシル基が1モルに対して、イソシアネート基が1モル未満となる配合割合で反応させて得られる。この配合割合において、イソシアネート基が1モル以上では、末端がイソシアネート基となり、酸末端ポリアミド樹脂が得られない。
【0015】
本発明における(b)ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族イソシアネート(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート等)、脂肪族イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等)などが挙げられる。
これらのうち、耐熱性等の点から、芳香族イソシアネートが好ましく、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等がより好ましい。これらは単独で使用してもよいが、結晶性が高くなる点で、2種類以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0016】
本発明における(A)酸末端ポリアミド樹脂において、(a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分と(b)ジイソシアネートとを、反応させる場合の反応温度及び反応時間は、100〜250℃で、1〜24時間とすることが好ましい。この反応は、通常、有機溶媒中で、加熱残分濃度を20〜80重量%として行われる。
使用する有機溶媒としては、ラクトン系有機溶媒(γ−ブチロラクトン等)、アミド系有機溶媒(N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド (DMF)等)、スルホン系有機溶媒(テトラメチレンスルホン等)、エーテル系有機溶媒(ジエチレングリコールジメチルエーテル等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
なお、反応収率、溶解性及び後工程での揮散性等を考慮すると、γ−ブチロラクトンを溶媒の主成分とすることが好ましい。
【0017】
本発明における(I)アミドエポキシ樹脂は、前記(A)酸末端ポリアミド樹脂と(B)エポキシ樹脂とを、カルボキシル基が1モルに対して、エポキシ基が1モル以上となる配合割合で反応させて得られる。
この配合割合において、エポキシ基が1モル未満では、末端エポキシの樹脂 ((I)アミドエポキシ樹脂)が得られない。
なお、この配合割合において、エポキシ基が過剰となり未反応のエポキシ樹脂が残り接着性が劣る現象を抑える点から、エポキシ基は2モル以下とすることが好ましい。
【0018】
本発明における(B)エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等)、脂肪族系エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等)、複素環式エポキシ化合物(トリグリシジルイソシアネート等)などが挙げられる。これらのうち、反応制御の点から、2官能エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性の点から芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。また、難燃性を付与する点から、ブロム化エポキシ樹脂も有用である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0019】
本発明における(I)アミドエポキシ樹脂において、(A)酸末端ポリアミド樹脂と(B)エポキシ樹脂とを、反応させる場合の反応温度及び反応時間は、80〜200℃で、1〜24時間とすることが好ましい。この反応は、通常、有機溶媒中で、加熱残分濃度を20〜80重量%として行われる。使用する有機溶媒としては、前記したものが挙げられる。
このようにして得られる本発明における(I)アミドエポキシ樹脂のエポキシ当量は、1,000〜40,000であることが好ましい。このエポキシ当量が1,000未満では、接着性が劣る傾向があり、40,000を超えると、分子量が高すぎて、作業性に劣る傾向がある。
【0020】
本発明の変性ポリアミド樹脂は、前記(I)アミドエポキシ樹脂及び(II)フェノール化合物を反応させて得られる。
本発明における(II)フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールS、ビスフェノールAD及びこれらの臭素化物(テトラブロモビスフェノールA等)などが挙げられる。これらの他にランダムノボラック型フェノール樹脂(例えば、日立化成工業(株)製商品名:HP850N等)、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂(例えば、日立化成工業(株)製商品名:HP491N等)、固形アンモニアレゾール型フェノール樹脂(例えば、日立化成工業(株)製商品名:HP500N等)、ジメチレンエーテル型フェノール樹脂(例えば、日立化成工業(株)製商品名:HP180N等)、レゾール型フェノール樹脂(例えば、日立化成工業(株)製:HP13N等)などのフェノール樹脂が挙げられる。
【0021】
本発明における(II)フェノール化合物の配合量は、(I)アミドエポキシ樹脂100重量部に対して、1〜30重量部とすることが好ましい。この配合量が1重量%未満では、接着性、特にポリイミドフィルムに対する接着性が劣る傾向があり、30重量部を超えると、相溶性が劣る傾向がある。
【0022】
本発明の変性ポリアミド樹脂において、(I)アミドエポキシ樹脂及び(II)フェノール化合物を反応させる場合の反応温度及び反応時間は、80〜200℃で、1〜24時間とすることが好ましい。この反応は、通常、有機溶媒中で、加熱残分濃度を20〜80重量%として行われる。使用する有機溶媒としては、前記したものが挙げられる。
【0023】
このようにして得られた本発明の変性ポリアミド樹脂の重量平均分子量(GPC測定により、ポリスチレン換算した値)は、10,000〜300,000とすることが好ましい。
【0024】
本発明の接着剤又は本発明の接着フィルムは、前記本発明の変性ポリアミド樹脂を主成分として、含有するものである。
本発明の接着剤又は本発明の接着フィルムには、前記本発明の変性ポリアミド樹脂の他に、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤等を組み合わせて含有させることが好ましい。
この場合のエポキシ樹脂としては、本発明の変性ポリアミド樹脂との混合が可能であれば、特に制限はなく、例えば、上記した(B)エポキシ樹脂に例示されたもの等を、1種類以上使用できる。
エポキシ樹脂の配合量は、本発明の変性ポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂の総量を100重量部として、5〜60重量部とすることが好ましい。
【0025】
上記エポキシ樹脂硬化剤としては、特に制限はなく、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、2級又は3級アミン、有機酸、イミダゾール類、ジシアンジアミド、ポリメルカプタン、フェノール樹脂等が挙げられる。これらは接着性、耐熱性その他の特性の観点から、硬化剤の種類により適量使用することができる。
また、本発明の接着剤又は本発明の接着フィルムには、必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料等を適宜配合することができる。
【0026】
本発明の接着剤は、前記本発明の変性ポリアミド樹脂を有機溶媒に溶解し、樹脂溶液とすることにより作製できる。
これをそのまま接着剤として使用することもでき、上記したエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料等を配合してもよい。
また、この本発明の接着剤を、表面が離型処理された、金属箔、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ペーパー等の基材上に、従来公知の方法によりコーティングした後、乾燥させ、基材から剥離することにより本発明の接着フィルムとすることができる。
【0027】
上記有機溶媒としては、前記本発明の変性ポリアミド樹脂の製造時に用いた溶媒をそのまま使用することができるが、この他に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、エチルアセテート、ブチルセロソルブ、クロロフェノール等の各種有機溶媒を使用することもできる。
【0028】
本発明の変性ポリアミド樹脂、接着剤及び接着剤フィルムは、ガラス繊維−エポキシ配線板、紙−フェノール配線板、フレキシブル配線板、フレックスリジッド配線板、メタルコア配線板、TAB(テープ オートメイティド ボンディング)等の電気/電子部品実装の基板、BGA(ボール グリッド アレイ)、MCM(マルチ チップ モジュール)等の高密度実装部品、液晶シール等の液晶関連部品などに好適に使用できる。
また、本発明の変性ポリアミド樹脂は、鉄、ステンレス、ブリキ、銅等の金属、プラスチックなどの塗料用樹脂としても好適であり、ガラス繊維、炭素繊維等の無機質繊維を補強材とする繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂としても好適である。
【0029】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。
〔酸成分の必須成分となるジカルボン酸の作製〕
製造例1〜4
撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す配合割合で、▲1▼成分又は▲2▼成分及び▲3▼成分を仕込み、2時間かけて200℃に昇温し、同温度で3時間反応させた後、冷却し、酸成分の必須成分となるジカルボン酸(a−1)〜(a−4)を得た。
得られた、酸成分の必須成分となるジカルボン酸(a−1)〜(a−4)の特性を表2に示した。
【0030】
【表1】
Figure 0003656771
【0031】
【表2】
Figure 0003656771
【0032】
〔アミドエポキシ樹脂の作製〕
製造例5〜8
撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、γ−ブチロラクトン100g、NMP50gを仕込み、さらに、表3に示す(a)成分及び(b)成分を仕込み、200℃に昇温し、4時間保温後、冷却し、加熱残分が40重量%の酸末端ポリアミド樹脂((A)成分)を得た。得られた酸末端ポリアミド樹脂の酸価を表3に併せて示した。
【0033】
【表3】
Figure 0003656771
【0034】
次いで、得られた酸末端ポリアミド樹脂と表4に示す(B)成分を仕込み、150℃で3時間保温後、ジメチルフォルムアミド(DMF)を加え、加熱残分35重量%とし、アミドエポキシ樹脂(I−1)〜(I−4)((I)成分)の溶液を得た。
得られたアミドエポキシ樹脂(I−1)〜(I−4)の特性を表4に併せて示した。
【0035】
【表4】
Figure 0003656771
【0036】
〔変性ポリアミド樹脂の作製〕
実施例1〜実施例4
撹拌機、還流冷却器、不活性ガス導入口および温度計を備えたフラスコに、表5に示す製造例5〜8で得られたアミドエポキシ樹脂(I−1)〜(I−4) ((I)成分)及び表5に示す(II)成分を仕込み、150℃で2時間保温して、加熱残分が35重量%となるようDMFを加え、変性ポリアミド樹脂(E−1)〜(E−4)の溶液を得た。
【0037】
【表5】
Figure 0003656771
【0038】
〔接着剤の作製〕
実施例5〜実施例8
表6に示す実施例1〜実施例4で得られた変性ポリアミド樹脂(E−1)〜 (E−4)228g、BREN105(日本化薬社(株)製商品名、臭素化エポキシ)20g及び2−エチル4−メチルイミダゾール1gを配合し、接着剤を作製した。
【0039】
得られた接着剤を電解銅箔(厚さ35μm)の光沢面及びポリイミドフィルム(カプトン)に、乾燥膜厚30μmになるように均一に塗布し、100℃で5分間乾燥させた。
銅箔光沢面には光沢面、フィルム面にはフィルム面がくるように張り合わせ、熱プレスで、170℃で30分間、40kgf/cm2で硬化させた。
これをT字ピール強度にて接着強度を測定した。また、260℃のはんだ浴に30秒間浸漬させ、その接着状態を黙視にて観察し、はがれ、ふくれ等の異常の有無を確認し、これをはんだ耐熱性とした。また、10重量%NaOH及び10重量%HCl水溶液中に、上記で作製したフィルムを24時間浸漬後、外観を黙視にて観察し、これを耐薬品性とした。
以上の結果を表6に併せて示した。
【0040】
【表6】
Figure 0003656771
【0041】
比較例1〜比較例4
実施例5〜実施例8で、それぞれ使用した変性ポリアミド樹脂(E−1)〜 (E−4)に代えて、それぞれアミドエポキシ樹脂(I−1)〜(I−4)を使用した以外は、実施例5〜実施例8と同様に行い、結果を表7に併せて示した。
【0042】
【表7】
Figure 0003656771
【0043】
〔フィルムの作製〕
実施例9〜実施例10
実施例5及び6で得られた接着剤を、各々、ポリエステルフィルムの上に、乾燥膜厚が50μmとなるように塗布し、100℃で10分間乾燥後、剥離してフィルムを得た。
得られたフィルムは、優れた可とう性を有していた。また、これらのフィルムを、電解銅箔光沢面の間、カプトンフィルムの間にそれぞれ装入し、熱プレスにより、170℃で30分間、40kgf/cm2の条件で硬化させた。
これをT字ピール強度にて接着強度を測定し、また、260℃のはんだ浴に30秒間浸漬させ、その接着状態を黙視にて観察し、これをはんだ耐熱性とし、はがれ、ふくれ等の異常の有無を確認した結果、実施例5及び6と同様の結果が得られ、良好であった。
【0044】
比較例5
実施例9において、実施例5の接着剤の使用に代えて、比較例1の接着剤を使用した以外は、実施例9と同様に行った結果、比較例1と同様で不満足な結果しか得られなかった。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の変性ポリアミド樹脂の製造法によれば、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性等に優れる変性ポリアミド樹脂を製造できる。
請求項2記載の変性ポリアミド樹脂の製造法は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さらに、より高い接着性及び耐吸水性を有する変性ポリアミド樹脂を製造できるものである。
請求項3記載の変性ポリアミド樹脂の製造法によれば、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらに、より高い耐熱性を有する変性ポリアミド樹脂を製造できるものである。
請求項4記載の変性ポリアミド樹脂は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れるものである。
請求項5記載の接着剤は、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れるものである。
請求項6記載のフィルムは、優れた接着性を有し、耐薬品性、耐熱性、加工性、耐吸水性等に優れるものである。

Claims (6)

  1. (I)(A)(a)(1)ポリアルキレングリコール又は(2)ポリカーボネートジオールと(3)ジカルボン酸化合物との反応物である、ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分と(b)ジイソシアネートとを、カルボキシル基/イソシアネート基>1(モル比)となる配合割合で反応させて得られる、酸末端ポリアミド樹脂と
    (B)エポキシ樹脂
    とをエポキシ基/カルボキシル基≧1(モル比)となる配合割合で反応させて得られる、アミドエポキシ樹脂及び
    (II)フェノール化合物としてビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールS、ビスフェノールAD及びこれらの臭素化物、またはフェノール樹脂を、(I)アミドエポキシ樹脂100重量部に対して、( II )フェノール化合物1〜30重量部を反応させることを特徴とする変性ポリアミド樹脂の製造法。
  2. (a)ジカルボン酸を必須成分として含む酸成分が、(1)ポリアルキレングリコールと 3 ジカルボン酸化合物との反応物である請求項1記載の変性ポリアミド樹脂の製造法。
  3. (b)ジイソシアネートが、芳香族ジイソシアネートである請求項1又は2記載の変性ポリアミド樹脂の製造法。
  4. 請求項1、2又は3記載の変性ポリアミド樹脂の製造法により得られた変性ポリアミド樹脂。
  5. 請求項4記載の変性ポリアミド樹脂を主成分として含有する接着剤。
  6. 請求項4記載の変性ポリアミド樹脂を主成分として含有するフィルム。
JP31017895A 1995-11-29 1995-11-29 変性ポリアミド樹脂の製造法、その製造法により得られる変性ポリアミド樹脂、これを用いた接着剤及びフィルム Expired - Fee Related JP3656771B2 (ja)

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