JP3654633B2 - 屋根の融雪装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は屋根の融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその欠点】
従来屋根の融雪装置としては、屋根に水を流す方法とか、温水パイプを埋め込んだパネルを敷設する方法などがあるが、何れも融雪速度が遅いとが均一な融雪ができなく、燃費や水の使用量が多くなる等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は融雪速度が早く、均一な融雪ができ、燃費や水の使用量の少なくてすむ屋根の融雪装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、屋根の斜面に沿って配設する融雪パネルと、該融雪パネルの棟側側縁に沿って配設する三角筒状の散水管と、融雪パネルの軒側側縁に沿って配設する融雪水の受け樋と、循環パイプに不凍液を循環させる循環機構と、散水管に水と空気を送りこむ送気・送水機構とよりなり、融雪パネルはパネル本体の内部に蓄熱材と循環パイプを配設してあり、散水管の上面は積雪を軒側に案内する案内傾斜面となっており、この案内傾斜面と縦面との間には融雪パネルの長さ方向に沿って設けた横長散水穴を設けて内部の水を融雪パネル上に空気と共に散水自在とすると共に、案内傾斜面の前縁部は融雪パネル上に突き出るようにした衝当庇とし、循環機構はボイラ−とポンプにより循環パイプに適温の不凍液を循環自在とし、送気・送水機構は散水管への水と空気を送り込み自在とし、更には散水管の内部には融雪パネルの循環パイプに接続される第2循環パイプが配設され、散水管内の水を加温できるようにし、又循環機構の終端部に受け樋からの融雪水を溜める融雪水タンクを設け、該融雪水タンクに循環パイプを配設して熱交換を行わせ、融雪水タンクの水を送気・送水機構により散水管内に送水自在としたものである。
【0005】
【実施例】
本発明を図示の実施例により詳記すると、屋根1の斜面に沿って配設する融雪パネル2と、該融雪パネル2の棟側側縁に沿って配設する三角筒状の散水管3と、融雪パネル2の軒側側縁に沿って配設する雪止めを兼ねた融雪水の受け樋4と、循環パイプ9に不凍液或は温水を循環させる循環機構5と、散水管3に水と空気を送りこむ送気・送水機構6とよりなっている。
【0006】
融雪パネル2は、表面を黒塗装を施した箱型のパネル本体7の内部に蓄熱材8と約20¢の太さの銅管製の循環パイプ9を配設しているが、循環パイプ9は内部に設けた仕切り板10とパネル本体7の側壁11に設けた挿通孔12、12に挿通し(パネル本体を単独で使用する場合は側壁の挿通孔は循環パイプの入り口と出口だけに設ければよい。)て固定してあり、製造に際してはパネル本体7の表側になる方を下にし、このパネル本体7に砕いた軽石等の蓄熱材8を硬化剤により固めた状態で充填し、その上にアルミ箔13を敷設し、蓋14を被せて密封する、このようにすることによりパネル本体7の表面裏側と蓄熱材8の間に空気層のできることが防止でき熱伝導を高める。
【0007】
三角筒状の散水管3の上面は積雪を軒側に案内する案内傾斜面15となっており、この案内傾斜面15と縦面16との間には融雪パネルの長さ方向に沿って設けた高さ約2mmの横長散水穴17を設けて内部の水18を融雪パネル2上に空気と共に散水自在としており、案内傾斜面15の前縁部は融雪パネル2上に10乃至30mm位突き出るようにして衝当庇15’とし、該衝当庇15’に水と空気が衝当して舞う状態にすると共に、案内傾斜面15をスライドしてくる積雪に当たり積雪と融雪パネル2に空間をもたらし、赤外線熱を発生させ融雪を早めるようにしてある。
【0008】
循環機構5はボイラ−19とポンプ20により循環パイプ9に適温の不凍液を循環自在とするが、温水を循環するようにするが、水の凍る地域においては不凍液を用いるようにするのが望ましいが、この循環パイプ9の出口の不凍液等は直接ボイラ−19にて温めるようにしてもよいが、この循環パイプ9は更に散水管3の内部に配設された第2循環パイプ21に接続されて散水管3内の水、空気を温めるようにし、循環する不凍液等は循環機構5の終端部の循環パイプ9に戻るようにするとより効果的である。
【0009】
送気・送水機構6は融雪水を溜める融雪水タンク22と、この融雪水タンク22の水を散水管3へ送水する送水管23、送水ポンプ24、圧縮空気を送るコンプレッサ−25とよりなり、これにより水18と空気を送り込み自在としてあるが、融雪水タンク22内には、循環機構5の終端部における循環パイプ6を配して熱交換を行わせ、融雪水タンク22の水を送水するようにすると、より効果的である。
融雪水タンク22の水を図示しない別途ボイラ−により加温自在としておくこともできる。
【0010】
夏にソ−ラとして使用する場合は循環機構5の不凍液を排出し、別途水道水等をポンプ20により融雪パネル2の循環パイプ9に送り出し、循環パイプ9の終端部から温められた湯をとりだし、別途ボイラ−、給湯タンク等に貯留、供給するようにする。
【0011】
【作用】
本発明は以上のようになるもので、この作用を以下に説明する。
循環機構5のボイラ19により温められた不凍液等は循環パイプ9を上昇し、融雪パネル2を温めるが、不凍液等の熱は融雪パネル2内の蓄熱材8に蓄熱され、全体が加温されて外気温に左右されず、且つ全体が均一に温められる。
【0012】
融雪パネル2を通過した不凍液等は、直接循環機構5に戻るようにしてもよいが、図示のように散水管3内の第2循環パイプ21に送り出され、散水管3内の水18や空気を温めて融雪水タンク22内に入り、融雪水タンク内の水を温め、循環機構5のボイラ−19に戻る。
【0013】
一方、送水・送気機構6の融雪水タンク22の水18(初期にあっては常温水や温水を融雪水タンク22内に満たしておく。)は送水ポンプ24で散水管3内にで送りこまれ、同時にコンプレッサ25により圧搾空気が散水管3内に送りこまれ、水18をエア−と共に横長散水穴17より散水される。
【0014】
水18とエア−は、横長散水穴17と衝当庇15’よりの噴出により舞う状態となり、積雪や案内傾斜面15をスライドしてきた雪は空洞となり、又融雪パネル2上を融雪が温水となって散水され、雪が直接融雪パネル2の上面に触れないため融雪パネルの表面温度は散水の温度に近い状態でながれて赤外線熱を発生し、融雪速度を早める。
【0015】
融雪パネル2上の散水量と融雪水は受け樋4を伝って融雪水タンク22内に貯留される。あふれた水は放流される。
【0016】
屋根1に施工するには屋根のたる木等に取付枠26を固定し(長い屋根の場合は複数段設ける。)、この取付枠に受け樋4、融雪パネル2、融雪パネル2、散水管3と固定し、隣接する融雪パネル2、2間の循環パイプ9は、各々の対応する位置の端部を図示しないジョイントにより接続し、循環機構5、送気・送水機構6を設置する。
【0017】
【効果】
本発明は叙上のように、屋根の斜面に沿って配設する融雪パネルと、該融雪パネルの棟側側縁に沿って配設する三角筒状の散水管と、融雪パネルの軒側側縁に沿って配設する融雪水の受け樋と、循環パイプに温水或は不凍液を循環させる循環機構と、散水管に水と空気を送りこむ送気・送水機構とよりなり、融雪パネルはパネル本体の内部に蓄熱材と循環パイプを配設してあり、散水管の上面は積雪を軒側に案内する案内傾斜面となっており、この案内傾斜面と縦面との間には融雪パネルの長さ方向に沿って設けた横長散水穴を設けて融雪パネル上に空気と共に散水自在とすると共に、案内傾斜面の前縁部は融雪パネル上に突き出るようにした衝当庇とし、循環機構はボイラ−とポンプにより循環パイプに適温の不凍液を循環自在とし、送気・送水機構は散水管への水と空気を送り込み自在としたので、融雪パネルは外気温、融雪する雪の温度の変化に左右されずに蓄熱され、全面の温度差の少なく、空気層が少ないので熱の伝導がよく、又水とエア−は横長散水穴から吹き出し舞うように散水され、且つ案内傾斜面をスライドしてくる雪に当たり雪と融雪パネルとの上に空間をもたらし赤外線熱を発生させて融雪を早め、燃費や水の使用量を軽減できる。
【0018】
自然の雪は、太陽熱だけでなく、風、湿気を多く含んだ気候条件のときに一番溶けやすい、と云われているが、本発明ではこれに近い条件を融雪パネル上に再現し、融雪を早めるようにしたものである。
【0019】
又散水管の内部には融雪パネルの循環パイプに接続される第2循環パイプが配設され、散水管内の水を加温できるようにしてあるので、より暖かい水やエア−を散水できるので融雪を早めることができ、燃料の節約ができる。
【0020】
更に循環機構の終端部に受け樋からの融雪水を溜める融雪水タンクを設け、該融雪水タンクに循環パイプを配設して熱交換を行わせ、融雪水タンクの水を送気・送水機構により散水管内に送水自在としたので、散水される水は加温され、且つ燃費を節約することができ効果的な融雪ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根の融雪装置の融雪パネル及び散水管、受け樋の組合せ状態を示した側面説明図。
【図2】不凍液等の循環機構を示した平面説明図。
【図3】融雪水のサイクルを示す送水・送水機構の説明図。
【図4】融雪パネルの製造工程の分解説明図。
【符号の説明】
1は屋根
2は融雪パネル
3は散水管
4は受け樋
5は循環機構
6は送気・送水機構
7はパネル本体
8は蓄熱材
9は循環パイプ
10は仕切り板
11は側壁
12は挿通孔
13アルミ箔
14は蓋
15は案内傾斜面
15’は衝当庇
16は縦面
17は横長散水穴
18は水
19はボイラ−
20はポンプ
21は第2循環パイプ
22は融雪水タンク
23は送水管
24は送水ポンプ
25はコンプレッサ−
26は取付枠
Claims (3)
- 屋根の斜面に沿って配設する融雪パネルと、該融雪パネルの棟側側縁に沿って配設する三角筒状の散水管と、融雪パネルの軒側側縁に沿って配設する融雪水の受け樋と、循環パイプに温水或は不凍液を循環させる循環機構と、散水管に水と空気を送りこむ送気・送水機構とよりなり、融雪パネルはパネル本体の内部に蓄熱材と循環パイプを配設してあり、散水管の上面は積雪を軒側に案内する案内傾斜面となっており、この案内傾斜面と縦面との間には融雪パネルの長さ方向に沿って設けた横長散水穴を設けて融雪パネル上に空気と共に散水自在とすると共に、案内傾斜面の前縁部は融雪パネル上に突き出るようにした衝当庇とし、循環機構はボイラ−とポンプにより循環パイプに適温の不凍液を循環自在とし、送気・送水機構は散水管への水と空気を送り込み自在とした融雪装置。
- 散水管の内部には融雪パネルの循環パイプに接続される第
2循環パイプが配設され、散水管内の水を加温できるようにした請求項1記載の屋根の融雪装置。 - 循環機構の終端部に受け樋からの融雪水を溜める融雪水タンクを設け、該融雪水タンクに循環パイプを配設して熱交換を行わせ、融雪水タンクの水を送気・送水機構により散水管内に送水自在とした請求項1記載の屋根の融雪装置。
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JP2001159153A JP3654633B2 (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 屋根の融雪装置 |
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