JP3654586B2 - 溶接部位仕上げ方法及び装置 - Google Patents

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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドアフレーム等、複数部材を溶接したワークに対し、研削ツールを装着したロボットを動かして溶接部位周囲を研削する溶接部位仕上げ方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数部材を溶接し、溶接部位周囲を研削(本発明では研摩を含む)して滑らかな連続面とする溶接部位の仕上げ作業は、従来より種々見られる。前記仕上げ作業は、主として溶接ビードの除去を目的とする。しかし、2枚の薄板ワークを略L字状に突き合わせた端縁を溶接する自動車のドアフレームでは、溶接部位の溶接ビードを除去しながら、ワーク表面に滑らかな連続面を形成することまでが望まれる。こうした滑らかな連続面をロボットを用いた自動化において実現するには、溶接ビードを含めた溶接部位周囲を一体に評価し、溶接部位表面に従う微妙な研削量の変化を知り、研削量の変化に応じたロボット経路を設定する必要がある。
【0003】
従来は、作業者が操作する制御用マスターアームにロボットを追随させ、研削ツールの位置及び姿勢を補正したり(従来例1、特開平06-214633号)、ティーチングした基本的なロボット経路に、スリット光を用いて検出した溶接ビードの幅情報を加えてロボット経路を自動生成したり(従来例2、特開平05-345255号)、事前に得たロボット経路に前記溶接ビードの幅情報を加えて補正しながらロボットを動かしていた(従来例3、特開平05-337785号)。
【0004】
より精密な溶接部位周辺の凹凸形状を認識するため、多数の三角パッチを割り当ててワーク表面の形状を測定し、実データからロボット経路を自動生成するもの(従来例4、特開平06-285762号)や、タッチセンサの位置データから割り出したワーク表面の法線方向によってロボットの座標を計算し、分割面内における最適な研磨開始点を分割面の形状及びツール形状に合わせて位置補正し、ロボット経路を自動生成するもの(従来例5、特開平06-285762号)もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
自動化を進めるには、ロボット経路を自動生成することが望ましいことから、ティーチングが必要となる従来例1は好ましくない。また、従来例2及び3は、基本的なロボット経路に対する溶接ビードの取扱いの要素を加えたもので、溶接部位周囲を一体として連続面に研削するには不適である。同様に、従来例4及び5は、三角パッチ又は分割面が溶接部位における段差を跨いだ場合に、適切なロボット経路を自動生成することができない問題がある。
【0006】
こうした背景を受けて、本発明者らは、先に特開2000-061778号「溶接部位仕上げ方法及び装置」を提案している。これは、溶接部位周囲を一体に測定してビードを含む絶対的な測定点高さ(基準平面からの高さ)を求め、この絶対的な測定点高さに基づいて研削量及びロボット経路を生成する。しかし、実際に要望される滑らかな連続面は、溶接部位周囲における絶対的高さよりも、溶接後の表面形状に関係する相対的高さに従って個々に定まる。また、溶接後のワーク自体の完成曲面を推定し、この推定完成曲面を目標として研削することがより実際的である。そこで、溶接ビードを含めて、複数部材を溶接したワークに対し、溶接部位周囲を滑らかな連続面とするための溶接部位仕上げ方法及び装置について改めて検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、複数部材を溶接したワークに対し、研削ツールを装着したロボットを動かして溶接部位周囲を研削するに際し、溶接部位を含むワーク表面の起伏を測定して実データを取得し、この実データを補完した自由曲面に高さ修正及び凸状修正を加えて推定完成曲面を生成し、実データと前記推定完成曲面との高さ方向の差分(実データ−推定完成曲面)を研削量としてロボット経路を生成して、このロボット経路に従ってロボットを動かす溶接部位仕上げ方法である。この溶接部位仕上げ方法は、3次元座標で得られる実データから既知の自由曲面(NURNS曲面、ベジェ曲面等)を生成し、この自由曲面が凸状となるような修正を加えて推定完成曲面として、この推定完成曲面を完成目標として研削することで、より実際的な仕上げを試みる方法である。
【0008】
ここで、「ワーク表面の起伏の測定」は、接触式センサ又は非接触式センサによりワーク表面を走査することで、実データは3次元座標で与えられる。また、「ロボット経路」は、実データと推定完成曲面との高さ方向の差分を研削量として、ワークの材種、研削ツールの形状、粒度、回転数から一義的に定まる研削ツールの運動経路、姿勢、押付力、送り速度や反覆形態である。前記研削ツールの姿勢は、ワーク表面に対する砥石の角度、砥石の接触角度、そしてモータ方向角度を包含し、運動経路は研削ツール全体の進行軌道で、反覆形態は前記進行軌道上で繰り返す砥石の反覆運動及びこの反覆運動に伴う姿勢、押付力及び送り速度の変化又は増減をそれぞれ意味する。こうして、ロボット経路は、一義的に定められた研削ツールの運動経路、姿勢、押付力、送り速度や反覆形態を実現するように決定する。
【0009】
推定完成曲面は、自由曲面の構成要素である制御点、重み付け又はノットベクトルのいずれか又は複数を変化させ、実データに対して個々の制御点を高さ方向に移動させる高さ修正及び凸状修正を加えて生成する。通常、自由曲面を決定する構成要素には、NURNS曲面では主として制御点、重み付け又はノットベクトルが、ベジェ曲面では主として制御点があり、本発明ではこれらの構成要素の変化により、自由曲面の制御点を実データに対して高さ方向の移動により、凸状修正とする。
【0010】
また、推定完成曲面の妥当性を確保するため、具体的な個々の制御点の移動について検討した結果、(1)高さ修正は、この制御点及びこの制御点を囲む周囲制御点それぞれと実データとの高さ方向の各差分(実データ−推定完成曲面)に、この制御点に対する関係比率を掛け合わせた積の和からなる絶対的な昇降量に従う個々の制御点の移動、(2)凸状修正は、前後又は左右方向に並ぶ制御点列のうち、端にある基準制御点と端にない中間制御点とを結んだ直線が他の中間制御点を高さ方向に上回らないように、制御点列内の各制御点を個々にかつ相対的に昇降させる個々の制御点の移動、とした。
【0011】
(1)高さ修正は、特定制御点に対する周囲の制御点の影響度=関係比率を試験的又は実証的に導き出しておき、凸状補正前の各制御点の高さ方向の差分に前記関係比率を掛け合わせて特定制御点の昇降を決定する。このとき、(a)各制御点における高さ方向の差分がプラスである場合(実データ−制御点>0、制御点が実データより高い)、この差分と関係比率との積は除外する、(b)差分と関係比率との積の和がプラスになった場合、制御点を高さ方向に上げない、という条件を追加してもよい。前記条件は、推定完成曲面は研削対象である実際のワーク表面より高くなることはない(研削量がプラスになる)、との前提に基づく。すなわち、この高さ修正は制御点の昇降によって、間接的に推定完成曲面を実データより低くする修正である。制御点を上げても、必ずしも推定曲面が実データを上回るとは限らないので、条件(a)、(b)は十分条件になっても必要条件にはならない。
【0012】
(2)凸状修正は、生成される推定完成曲面は必ず高さ方向に凸状にすることを原則として、前後又は左右方向に並ぶ制御点列内での制御点を相対的に昇降させて制御点列上の自由曲線が凸状になるようにする。ベジェ曲面の場合、制御点は4×4点、計16点設定されるため、この(2)凸状修正における比較対象は前後又は左右それぞれ4列、各列4点の制御点列である。このとき、端にある基準制御点はできる限り固定し、中間制御点の昇降によって凸状補正できることが望ましい。この(2)凸状修正は、上記(1)高さ修正実行後の自由曲面に対して施すことが望ましい。この凸状修正は、研削目標となる推定完成曲面を、凹凸の変化のない滑らかな曲面を目指した修正であり、理想は完全な凸平面であるが、必ずしも凸平面の推定完成曲面にならなければいけないわけではない。凸状修正の結果の良否(得られた推定完成曲面の妥当性)は、仕上げ処理に求められる程度に従って別途判定基準を定めて判断するとよい。
【0013】
具体的には、ベジェ曲面のある制御点列について一端から内基準制御点、内中間制御点、外中間制御点及び外基準制御点と定めた場合、両端の内外基準制御点を結ぶ直線と比較し、(a)内外中間制御点が共に上にある場合、(b)内中間制御点は上、外中間制御点は下にある場合、(c)内中間制御点は下、外中間制御点は上にある場合、(d)内外中間制御点が共に下にある場合、の4状態が考えられる。(a)状態では内外中間制御点のみを昇降させる。(b)状態では内外中間制御点の昇降のほか、外基準制御点の昇降も抑制的(内外中間制御点よりも小さい昇降量、以下同様)に許してもよい。(c)状態では内外中間制御点の昇降のほか、内基準制御点の昇降も抑制的に許してもよい。(d)状態では内外中間制御点の昇降のほか、内外基準制御点の昇降も抑制的に許してもよい。
【0014】
上記溶接部位仕上げ方法に従えば、複数部材を溶接したワークに対し、研削ツールを装着したロボットを動かして溶接部位周囲を研削する装置であって、溶接部位周囲のワーク表面の起伏を測定する形状測定手段と、得られた実データから溶接部位周囲の自由曲面を生成する曲面生成手段と、自由曲面に凸状修正を加えて生成した推定完成曲面と実データとの高さ方向の差分から研削量を求めてロボット経路を生成する経路生成手段と、溶接部位周囲を研削して平滑にする研削ツールを装着し、前記ロボット経路に従って動くロボットとからなる溶接部位仕上げ装置を構成できる。形状算出手段及び経路生成手段は、多数の実データを取り扱う意味から、一体としてコンピュータで構成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づき溶接部位仕上げ装置の一例の構成を表す斜視図、図2は同装置における溶接部位仕上げ方法の基本的なフローチャート図、図3は溶接部位1の実データ21取得を説明するワーク2の部分拡大斜視図、図4は溶接部位1の自由曲面3生成を説明するワーク2の図3相当部分拡大斜視図、図5は(1)高さ修正の修正対象である制御点CPxxと実データ21及び制御点CPxxの差分Dxxの割当を表す溶接部位1の平面図、図6は溶接部位1に割り当てた制御点CPxxと差分Dxxに適用する関係比率フィルタ4の構成図、図7は(2)凸状修正の手順を表すフローチャート図、図8はCP01-CP03列を例とした(a)修正処理を説明する手順説明図であり、図9は同(a)修正処理のフローチャート図である。
【0016】
本発明に基づく溶接部位仕上げ装置は、図1に見られるように、既存の各種装置で構成することができる。具体的には、複数部材5,5を溶接したワーク2(本例では2枚の板材斜め端面を突き合せ、溶接している)を載せる載置台6を中心に、形状測定手段7、曲面生成手段8、経路生成手段9及びロボット10を配している。
【0017】
形状測定手段7は、直線レール11上をACサーボモータ12駆動で往復動する直交アーム13に、鉛直方向にスリット光14を照射するレーザ照射器15と、前記スリット光14の反射光を画像として取込むCCDカメラ16とを取り付けて構成している。いわゆる「スリット光投影法」と呼ばれる3次元画像の計測手法である。本発明は、計測手法の種類を問わず、自由曲面生成のための実データ21を取得できればよいので、前記「スリット光投影法」に限定はされない。
【0018】
曲面生成手段8及び経路生成手段9は、コンピュータ17を利用している。前記両手段8,9はそれぞれに専用装置を構成してもよいが、いずれも計算処理であるために、CCDカメラ16から実データ21を取込んだコンピュータ17内で、ソフトウェア的な連続した処理手段として一体に構成できるわけである。本例のコンピュータ17は、このほか形状測定手段7やロボット10の制御装置としても働く。ロボット10は、3軸アーム18端に研削ツールとしてグラインダ19を装着した構成である。
【0019】
仕上げ作業は、図2に見られるように、まず(1)CCDカメラ16によるワーク2から反射したスリット光14を測定し、得られた実データ21をコンピュータ17へ送り、次に(2)コンピュータ17が実データ21から溶接部位1周囲の自由曲面3(ベジェ曲面)を生成し、次いで(3)前記自由曲面3から推定完成曲面20を生成し、(4)推定完成曲面20が許容量の範囲内にあるかを判定して(具体的には推定完成曲面20の妥当性判定)、(5)判定結果がOKであれば、この推定完成曲面20と実データ21との差分Dxxとを研削量としてロボット経路を生成し、(6)前記ロボット経路に基づいてロボット10を動かして溶接部位1を研削及び研摩して仕上げる手順となる。
【0020】
溶接部位1の実データ21は、直線レール11に従って往動(又は復動)する直交アーム13に従って載置台6のワーク2上方を一方向に移動するレーザ照射器15からスリット光14が断続的に照射され、このスリット光14の反射をCCDカメラ16が捉えることで、図3(図3中横実線が実データ21に相当)に見られるように、溶接部位1を網羅するように取得できる。こうした実データ21から自由曲面3を生成するには、実データ21相互を補完する既知の様々な手法を用いることができる。本例では実データ21から最小二乗法に基づいて、図4に見られるような4×4=16点の制御点CP00〜CP33(図4中黒丸が制御点CPxx、白丸は同一xy座標の実データ21)からなるベジェ曲面として自由曲面3を生成している。ここで、CP00はワーク2を構成する板材5,5端面の突き合わせ内側、CP33は同板材5,5端面の突き合せ外側とし、U,Vベクトルは板材5,5の内側から外側に向いている。
【0021】
本発明の特徴は、こうして求めた自由曲面3から(1)高さ修正、及び(2)凸状修正を順に施して、推定完成曲面20を生成する点にある。まず、(1)高さ修正は、図5に見られるような制御点CP00〜CP33それぞれに、各制御点CPxxを含む一定領域内にある実データ平均22との差分D00〜D33を求め、関係比率フィルタ4(図6参照)に基づく差分×関係比率R-high,R-mid,R-lowの和を昇降量として、各制御点CPxxのZ座標値を修正する。
【0022】
CP00の場合を例に挙げれば、図6に見られるようになる。まず、関係比率フィルタ4中心のR-highをCP00に当てると、CP10及びCP01にはR-mid、そしてCP11にはR-lowが割り当てられる。この場合のCP00の昇降量Δhは、
Δh=D00×R-high+D01×R-mid+D10×R-mid+D11×R-low
R-high<R-mid<R-low≦0、Δh≦0
となる。ここで、R-high、R-mid及びR-lowのより好ましい値はワーク2や溶接部位1の状態により異なるであろうから、予め実験的に定めておくとよい。本例では、実データ21よりも自由曲面3(及び推定完成曲面20)のZ座標値が上回らないようにするため、差分Dxxが負の値である場合には計算から除外する(差分Dxxがマイナスであると、マイナスの関係比率R-xxxとの積がプラス=上昇量になるため)。こうした(1)高さ修正は、全制御点CPxxについて実施する。
【0023】
こうして(1)高さ修正を終えた自由曲面3に対し、次いで(2)凸状修正を実施する。この(2)凸状修正は、最終的に求める推定完成曲面20は全体として凸状となるとの前提に基づき、ビード(溶接部位1)の存在によって形成された部分的な凹部を自由曲面3から取り除く処理である。本例では、全16点の制御点CPxxをUベクトル方向又はVベクトル方向の4点ずつ、計8列の制御点列23毎に、各制御点列23内の制御点CPxx相互のZ座標を比較する態様で(2)凸状修正を実施している。具体的には、CP00を基点として、この基点に近い側から制御点CPxxを内基準制御点24、内中間制御点25、外中間制御点26、そして外基準制御点27として、内外基準制御点24,27を結ぶ直線(CP00-CP03)に対して内外中間制御点25,26の位置関係で、図7に見られるように、(a)〜(d)修正処理に分けて各制御点列23毎の凸状修正(相対的に低い制御点CPxxを上げ、相対的に高い制御点CPxxを下げる)を試みている。
【0024】
CP00-CP03の制御点列23の場合を例に挙げれば、図8に見られるようになる。この例では、CP00が内基準制御点24、CP01が内中間制御点25、CP02が外中間制御点26、そしてCP03が外基準制御点27である。ここで、CP01及びCP02は、CP00-CP03(内外基準制御点24,27を結ぶ直線)よりも共にZ座標値が上回っているため、図9に見られる(a)修正処理に移る。この(a)修正処理では、更にCP01及びCP02の高低差により、処理を分けている。まず(i)CP00(内基準制御点24)とCP02(外中間制御点26)とを結ぶ直線(CP00-CP02)とCP01を比較し、CP01が前記CP00-CP02よりも低ければ、相対的にCP01を上げ、逆にCP02を下げるように修正する。図8では、前記(i)の場合に当たるため、先にCP02をCP01との差分に対する一定割合(修正量Δ02)だけ下げてCP02'とし、次いでCP01-CP02'の直線上にCP01を修正量Δ01だけ上げてCP01'とする。前修正量記Δ02は実験的に設定するとよい。
【0025】
上記(i)の判断でCP01>CP00-CP02であれば、次に(ii)CP01(内中間制御点25)とCP03(外基準制御点27)とを結ぶ直線(CP01-CP03)とCP02を比較し、CP02が前記CP01-CP03よりも低ければ、相対的にCP01を下げ、CP02を上げるように修正する。本例において判断評価の順序をCP01、CP02の順にしたのは、できるだけ内側の制御点CPxxに加える修正を抑制するためである。このため、仮に(i)の条件を充足して(ii)の条件での修正処理する場合、(i)でCP02を下げる修正量Δ02より(ii)でCP01を下げる修正量Δ01は小さく設定するとよい。また、(i)及び(ii)の条件いずれも充足する場合は、CP00-CP03の制御点列23においては、許容量の範囲に収まる凸状に並んでいると判断し、特に修正処理せず凸状修正を終えることになる。
【0026】
こうして、全8列の制御点列23における凸状修正を終えれば、推定完成曲面20ができあがる。実データ21に対する高さ方向のズレを減らし((1)高さ修正)、凹みのない凸面((2)凸状修正)となった推定完成曲面20は、一応、研削及び研摩した後に滑らかな仕上がりとなるワーク2表面を示すものと判断できる。しかし、十分満足する推定完成曲面20が必ずしも得られるとは限らないので、得られた推定完成曲面に20を再び実データ21と比較して、推定完成曲面20及び実データ21の差分が許容量の範囲内にあるかを判断する。この判断の結果が真(差分が許容量範囲内)ならば、こうして得られた推定完成曲面20に基づきロボット経路を生成し、最後の研削処理に移ることができる。しかし、結果が偽(差分が許容量範囲を超える)ならば、再び(1)高さ修正、(2)凸状修正を繰り返して、より理想的な推定完成曲面20を生成する(図2参照)。
【0027】
ロボット経路は、推定完成曲面20を目標形状として、実データ21との差分を求めれば、容易に生成できる。本例の溶接部位仕上げ装置では、生成したロボット経路に従って、グラインダ19の傾き、回転数及び研削対象への押付力は略一定としながら、ロボット経路に従うグラインダ19の軌跡速度を加減速し、研削量を増減している。グラインダ19の傾き、回転数及び研削対象への押付力は微妙な変化をつけにくく、これらに基づいて研削量を加減することは難しい。そこで、推定完成曲面20から導き出したロボット経路に従う正確な研削量を実現するため、本例ではグラインダ19の軌跡速度を加減速して、研削量を加減している。
【0028】
【発明の効果】
本発明の溶接部位仕上げ方法は、溶接部位周囲の表面形状を3次元測定し、得られた実データから研削及び研摩後の表面形状となる推定完成曲面を生成し、この推定完成曲面からロボット経路を導き出す。このため、ビード等の存在に基づく研削量から研削及び研摩後の表面形状を想像することなく、直接的に研削及び研摩後の表面形状を認識しながら研削処理ができるため、より実際的なワークの仕上げ処理が可能となる。個別にビードを識別してロボット経路を生成しているわけではなく、あくまで研削及び研摩後の表面形状を推定完成曲面として認識しているので、例えば溶接部位に限らず、その他の研削又は研摩処理にも本発明を応用できる利点がある。
【0029】
溶接部位仕上げ装置として述べれば、ロボット経路を自動的に生成するため、ロボットのティーチングが不要であり、大幅な作業効率の改善をもたらす。加えて、別途基準面を用意する必要もなく、実データから推定完成曲面を生成するので処理対象となるワークの種類や構成が変っても、それぞれのワークに適した研削作業が可能になっている。このように、本発明は自動化可能な研削作業を拡充し、ワークの種類や構成を問わず、それぞれにおけるより適切な仕上げ作業を実現する効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づき溶接部位仕上げ装置の一例の構成を表す斜視図である。
【図2】同装置における溶接部位仕上げ方法の基本的なフローチャート図である。
【図3】溶接部位の実データ取得を説明するワークの部分拡大斜視図である。
【図4】溶接部位の自由曲面生成を説明するワークの図3相当部分拡大斜視図である。
【図5】 (1)高さ修正の修正対象である制御点CPxxと実データ及び制御点CPxxの差分Dxxの割当を表す溶接部位の平面図である。
【図6】溶接部位に割り当てた制御点CPxxと差分Dxxに適用する関係比率フィルタの構成図である。
【図7】 (2)凸状修正の手順を表すフローチャート図である。
【図8】 CP01-CP03列を例とした(a)修正処理を説明する手順説明図である。
【図9】同(a)修正処理のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 溶接部位
2 ワーク
3 自由曲面
4 関係比率フィルタ
7 形状測定手段
8 曲面生成手段
9 経路生成手段
10 ロボット
20 推定完成曲面
21 実データ
22 実データ平均
23 制御点列
24 内基準制御点
25 内中間制御点
26 外中間制御点
27 外基準制御点
CPxx 制御点
Dxx 実データ及び制御点CPxxの差分
Δ01,Δ02 凸状修正における修正量

Claims (5)

  1. 複数部材を溶接したワークに対し、研削ツールを装着したロボットを動かして溶接部位周囲を研削するに際し、溶接部位を含むワーク表面の起伏を測定して実データを取得し、該実データを補完した自由曲面に高さ修正及び凸状修正を加えて推定完成曲面を生成し、実データと前記推定完成曲面との高さ方向の差分を研削量としてロボット経路を生成して、該ロボット経路に従ってロボットを動かすことを特徴とする溶接部位仕上げ方法。
  2. 推定完成曲面は、自由曲面の構成要素である制御点、重み付け又はノットベクトルのいずれか又は複数を変化させ、実データに対して個々の制御点を高さ方向に移動させる高さ修正及び凸状修正を加えて生成する請求項1記載の溶接部位仕上げ方法。
  3. 高さ修正は、該制御点及び該制御点を囲む周囲制御点それぞれと実データとの高さ方向の各差分に、該制御点に対する関係比率を掛け合わせた積の和からなる絶対的な昇降量に従う個々の制御点の移動である請求項2記載の溶接部位仕上げ方法。
  4. 凸状修正は、前後又は左右方向に並ぶ制御点列のうち、端にある基準制御点と端にない中間制御点とを結んだ直線が他の中間制御点を高さ方向に上回らないように、制御点列内の各制御点を個々にかつ相対的に昇降させる個々の制御点の移動である請求項2記載の溶接部位仕上げ方法。
  5. 複数部材を溶接したワークに対し、研削ツールを装着したロボットを動かして溶接部位周囲を研削する装置であって、溶接部位周囲のワーク表面の起伏を測定する形状測定手段と、得られた実データから溶接部位周囲の自由曲面を生成する曲面生成手段と、自由曲面に高さ修正及び凸状修正を加えて生成した推定完成曲面と実データとの高さ方向の差分から研削量を求めてロボット経路を生成する経路生成手段と、溶接部位周囲を研削して平滑にする研削ツールを装着し、前記ロボット経路に従って動くロボットとからなることを特徴とする溶接部位仕上げ装置。
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