JP2000061778A - 溶接部位仕上げ方法及び装置 - Google Patents

溶接部位仕上げ方法及び装置

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JP2000061778A
JP2000061778A JP23559298A JP23559298A JP2000061778A JP 2000061778 A JP2000061778 A JP 2000061778A JP 23559298 A JP23559298 A JP 23559298A JP 23559298 A JP23559298 A JP 23559298A JP 2000061778 A JP2000061778 A JP 2000061778A
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shape
work surface
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JP23559298A
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Keiji Tanimoto
圭司 谷本
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OKAYAMA PREF GOV SHIN GIJUTSU
OKAYAMA PREF GOV SHIN GIJUTSU SHINKO ZAIDAN
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OKAYAMA PREF GOV SHIN GIJUTSU
OKAYAMA PREF GOV SHIN GIJUTSU SHINKO ZAIDAN
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接ビードを含めて、複数部材を端縁で突き
合わせて前記端縁を溶接したワークに対し、溶接部位周
囲を滑らかな連続面とするための溶接部位仕上げ方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 複数部材11,12を端縁13で突き合わせて
溶接したワーク6に対して、研削又は研磨ツール10を装
着したロボット9を動かして溶接部位周囲を研削又は研
磨して滑らかな連続面とするに際し、溶接部位を含むワ
ーク表面2の起伏を測定してワーク表面2の形状及び溶
接部位での段差3を特定し、特定した形状及び段差3に
より一義的に定まる研削又は研磨ツール10の作動情報か
らロボット経路Rを生成し、このロボット経路Rに従っ
てロボット9を動かすことにより溶接部位周囲を研削又
は研磨して平滑にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアフレ
ーム等、複数部材を端縁で突き合わせて前記端縁で溶接
したワークに対し、ツール装着ロボットにより溶接部位
を研削又は研磨して滑らかな連続面とする溶接部位仕上
げ方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数部材を端縁で突き合わせて前記端縁
で溶接し、溶接部位周囲を研削又は研磨して滑らかな連
続面とする溶接部位の仕上げ作業は、従来より種々見ら
れる。前記仕上げ作業は主として溶接ビードの除去を目
的とする。しかし、2枚の薄板ワークを略L字状に突き
合わせた端縁を溶接する自動車のドアフレームでは、溶
接部位の溶接ビードを除去しながら、ワーク表面に滑ら
かな連続面を形成する、までが仕上げ作業に含まれる。
滑らかな連続面を実現するには、溶接ビードはもちろ
ん、微妙な端縁の段差も研削し、突合わせた端縁の存在
がわからなくなるように研磨する必要がある。
【0003】従来は、こうした仕上げ作業を熟練者の手
作業に頼っていた。しかし、手作業による仕上げ作業で
は粉塵や振動等の作業環境が問題とされ、たとえ熟練者
といえども過大な負担を課していた。こうしたことか
ら、近年では省人化、省力化、効率化をも含め、ロボッ
トを用いて仕上げ作業の自動化が図られるようになって
きている。
【0004】現在多用されているロボットの多くは「テ
ィーチングプレイバック方式」と呼ばれるもので、ロボ
ット経路(ロボット本体の動きや装着した研削又は研磨
ツールの姿勢等)が必要である。例えば、作業者が操作
する制御用マスターアームにロボットを追随させ、研削
又は研磨ツールの位置及び姿勢を補正するもの(従来例
1、特開平6-214633号)は、ワーク表面の3次元曲面を
研削又は研磨する。また、ティーチングした基本的なロ
ボット経路に、スリット光を用いて検出した溶接ビード
の幅情報を加えてロボット経路を自動生成するもの(従
来例2、特開平5-345255号)や、事前に得たロボット経
路に前記溶接ビードの幅情報を加えて補正しながらロボ
ットを動かすもの(従来例3、特開平5-337785号)もあ
る。
【0005】同じくスリット光を用いてワーク表面を測
定しながら、予めロボット経路を自動生成するものもあ
る(従来例4、特開平8-318280号)。また、多数の三角パ
ッチを割り当ててワーク表面の形状を測定し、測定デー
タからロボット経路を自動生成するもの(従来例5、特
開平6-285762号)や、タッチセンサの位置データから割
り出したワーク表面の法線方向によってロボットの座標
を計算し、分割面内における最適な研磨開始点を分割面
の形状及びツール形状に合わせて位置補正し、ロボット
経路を自動生成するもの(従来例6、特開平6-285762号)
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ロボットを用いた仕上
げ作業を目指す限りは、ロボット経路を自動生成するこ
とが望ましい。この観点から、先に挙げた従来例1は、
ロボットの操作に作業者が必要となることから好ましく
ない。また、従来例2及び従来例3は、基本的なロボッ
ト経路に対して、溶接ビードの取扱いを解決したもので
あり、複数部材を端縁で突き合わせたワーク表面の溶接
部位における段差を考慮したロボット経路の生成には不
適である。同様に、従来例4及び従来例5は、三角パッ
チ又は分割面が溶接部位における段差を跨いだ場合に、
適切なロボット経路を自動生成することができない。
【0007】このように、ロボットを用いた仕上げ作業
の自動化は、段差のない連続面に対して、又は連続面に
溶接ビードがあると仮定した場合にのみについて実現さ
れ、溶接ビードを含み、溶接部位の段差をなくして滑ら
かな連続面を得るためのロボット経路の自動生成につい
ては未だ良好な技術開示がなされていない。そこで、溶
接ビードを含めて、複数部材を端縁で突き合わせて前記
端縁を溶接したワークに対し、溶接部位周囲を滑らかな
連続面とするための溶接部位仕上げ方法及び装置につい
て検討した。
【0008】
【課題を解決するための手段】検討の結果、開発したも
のが、複数部材を端縁で突き合わせて溶接したワークに
対し、研削又は研磨ツールを装着したロボットを動かし
て溶接部位周囲を研削又は研磨して滑らかな連続面とす
るに際し、溶接部位を含むワーク表面の起伏を測定して
ワーク表面の形状及び溶接部位での段差を特定し、特定
した形状及び段差により一義的に定まる研削又は研磨ツ
ールの作動情報からロボット経路を生成し、このロボッ
ト経路に従ってロボットを動かすことにより溶接部位周
囲を研削又は研磨して平滑にする溶接部位仕上げ方法で
ある。
【0009】「ワーク表面の起伏の測定」とは、接触式セ
ンサ又は非接触式センサによりワーク表面を走査するこ
とで、測定データは多数の測定点それぞれの基準平面に
対する絶対高さ又は相対高さとなる。測定点は、例えば
格子状に定めた測定ラインの交点でもよいし、ワーク表
面に対してランダムに定めてもよい。このほか、連続す
る複数の倣い曲線(2次元曲線)又は単一の倣い曲面(3
次元曲面)を測定するようにしてもよい。この倣い曲線
又は倣い曲面の測定は、後述する表面補間曲線又は表面
補間曲線群を直接測定によって取得する場合にあたる。
また、「研削又は研磨ツールの作動情報」とは、得られた
形状及び段差に対してワークの材種、研削又は研磨ツー
ルの形状、粒度、回転数から一義的に定まる研削又は研
磨ツールの運動経路、姿勢、押し付け力、送り速度や反
覆形態である。ここにいう研削又は研磨ツールの姿勢と
は、ワーク表面に対する砥石の角度、砥石の接触角度、
そしてモータ方向角度を包含する意味である。また、運
動経路は研削又は研磨ツール全体の進行軌道であり、反
覆形態とは前記進行軌道上で繰り返す砥石の反覆運動及
びこの反覆運動に伴う姿勢、押し付け力及び送り速度の
変化又は増減を意味する。ロボット経路は、一義的に定
められた研削又は研磨ツールの運動経路、姿勢、押し付
け力、送り速度や反覆形態を実現するように決定する。
【0010】上記仕上げ方法では、例えば、溶接部位周
囲の各ワーク表面の起伏を測定して得られる多数の測定
点高さから溶接部位に向けて延びる略同一方向の表面補
間曲線を複数生成して、この表面補間曲線からワーク表
面の形状を特定し、各ワーク表面の表面補間曲線と溶接
部位垂直面との交点高さを用いてこのワーク表面の断面
補間曲線を生成して、同一溶接部位垂直面における各ワ
ーク表面の断面補間曲線の比較から溶接部位での段差を
特定する。測定点を格子状に定めた場合、溶接部位に向
けて延びる略同一方向の測定点を一群として、表面補間
曲線群を生成する。また、測定点をランダムに定めた場
合、溶接部位に向けて延びる略同一方向の垂直面を仮定
し、各垂直面それぞれから一定距離にある測定点を一群
として、表面補間曲線群を生成する。溶接部位垂直面
は、ワークを構成する複数部材を突き合わせる端縁と必
ずしも一致しなくてもよく、ズレが小さければ前記端縁
と多少斜行する位置関係にあってもよい。
【0011】また、溶接部位を挟む一定範囲をビード領
域としてこのビード領域にある測定点高さを除いて表面
補間曲線を生成し、表面補間曲線とビード領域にある測
定点高さとの差分から溶接ビードの高さ又は体積を特定
し、特定した形状、段差、溶接ビードの高さ又は体積に
より一義的に定まる研削又は研磨ツールの作動情報から
ロボット経路を生成し、このロボット経路に従ってロボ
ットを動かすことにより溶接部位周囲を研削又は研磨し
て平滑にする。溶接ビードの高さは、表面補間曲線とビ
ード領域にある測定点高さとの差分から直接的に求めら
れ、同溶接ビードの体積は前記差分を積分することによ
り近似的に算出できる。
【0012】以上の仕上げ方法を実現する溶接部位仕上
げ装置には、端縁で突き合わせた複数部材を前記端縁に
て溶接したワーク表面の溶接部位周囲を研削又は研磨し
て滑らかな連続面とする装置であって、溶接部位周囲の
ワーク表面の起伏を測定する形状測定手段と、得られた
測定データからワーク表面の形状及び溶接部位での段差
を算出する形状算出手段と、算出した形状及び段差によ
り一義的に定まる研削又は研磨ツールの作動情報からロ
ボット経路を生成する経路生成手段と、溶接部位周囲を
研削又は研磨して平滑にする研削又は研磨ツールを装着
し、前記ロボット経路に従って動くロボットとからなる
装置を例示できる。このうち、形状算出手段と経路生成
手段とは、多数の測定データを取り扱う意味から、一体
としてコンピュータを用いることができる。また、形状
測定手段とロボットとの設置場所が異なる場合、形状測
定手段によりワークの特徴点座標(例えば特定の外形点
座標)をワーク表面の起伏の測定と同時に実施し、この
特徴点座標を基準として、生成したロボット経路をロボ
ットの作動仮想空間の座標系に割り当てるようにすると
よい。
【0013】この仕上げ装置において、形状測定手段
は、ワークの載置台、基準平面、載置台及び基準平面そ
れぞれに対応した高さセンサと両高さセンサを連動して
移動させる駆動部とからなり、基準平面に対応する高さ
センサの測定データが一定となるように駆動部を作動さ
せ、両距離計の差分からワーク表面上の測定点高さを求
めることで、ワーク表面の起伏を特定するとよい。これ
は、必ずしも平面でないワーク表面の測定を、基準平面
との比較により精度よく測定するためのもので、とりわ
け高さセンサが接触式であったり、駆動部が廉価な直交
ロボットの場合には、ワーク表面に接触式高さセンサが
摺接することによる精度低下を防ぐのに有効である。も
ちろん、非接触式センサの場合でも前記形状測定手段は
有効であるが、前述のような摺接による測定データの精
度低下はなく、特に基準平面とワーク表面との測定デー
タを比較する必要はない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しながら説明する。図1は溶接部位仕上げ
装置の一例を示す斜視構成図、図2は形状測定手段1の
みを表した拡大斜視図である。また、図3〜図9はワー
ク表面2の起伏及び段差3の特定からロボット経路Rの
決定までを説明する斜視図及び模式図であり、図3は測
定データの測定点Pを表したワーク6の溶接部位近辺の
斜視図、図4は生成した表面補間曲線B1の一つを表し
た図3相当斜視図、図5は図4における表面補間曲線B
1を2次元的に表した模式図、図6は表面補間曲線B1と
溶接部位垂直面Sとが交差することで断面補間曲線B2
を形成することを表した図3相当斜視図、図7は図6に
おける断面補間曲線B2を2次元的に表した模式図、図
8は表面補間曲線B1と測定点高さH1との差から溶接ビ
ード7の体積を算出している状態を表した図3相当斜視
図であり、図9は得られたワーク表面2の起伏及び段差
3から一義的に決定したロボット経路Rを表した図3相
当斜視図である。
【0015】図1では、上方に形状測定手段1、中央に
形状算出手段兼経路生成手段のコンピュータ8、そして
下方に研削又は研磨ツール装着ロボット9を並べてい
る。仕上げ作業は、(1)形状測定手段1においてワーク
表面2の起伏を測定し、得られた測定データをコンピュ
ータ8へ送る、(2)得られた測定データからコンピュー
タ8がワーク表面2の形状及び段差3を算出し、次いで
(3)同コンピュータ8において前記形状及び段差3によ
り一義的に定まる研削又は研磨ツール10の作動情報から
ロボット経路R(図9参照)を生成する、そして(4)前記
ロボット経路Rを研削又は研磨ツール装着ロボット9へ
送る手順で実施する。ワーク6は、2枚の平板11,12の
端縁13,13(図3参照、平板11又は平板12の端縁13,13の
ズレが段差3となる)で突き合わせ、TIG溶接したものを
例示している。
【0016】形状測定手段1は、図2に見られるよう
に、既製の直交ロボット14を駆動部として、この直交ロ
ボット14の直線アーム15に固定間隔で接触式高さセンサ
であるデジタルリニアゲージ16,16を一組取り付け、各
デジタルリニアゲージ16,16に対応してワーク6の載置
台17及び基準平面18を並設した構成である。直線アーム
15は、コンピュータ8がコントローラ19を介して操作す
る(図1中上太矢印参照)。本例では、コンピュータ8が
各デジタルリニアゲージ16の測定データを受け取る(図
1中上破線矢印参照)と、基準平面18及びワークの各測
定データの差分を算出し、ワーク6上の測定点高さH1
(図4又は図5参照)を得るというソフト的な手法を採用
している。このほか、各高さセンサからの測定データに
応じた強度の出力電気信号を比較回路等により差し引き
するハード的手法を用いてもよい。
【0017】本例における仕上げ作業を順に説明する。
まず、図2に示した載置台17にワーク6を固定し、ワー
ク表面2の形状の起伏を測定する。本例では、図3に見
られるように、ワーク6を構成する各部材11,12に対し
てそれぞれ格子状の測定点Pを定め、一定間隔で起伏を
測定する。図3では説明の便宜上、測定点Pの数を少な
くしているが、実際は測定点Pが多数であるほど好まし
く、例えば連続的な3次元曲線として起伏を測定しても
よい。本例のように格子状に測定する場合は、格子間隔
を1mm程度にするとよい。各部材11,12に対する格子は
個別に定め、重畳している。また、本例ではTIG溶接に
よる溶接ビード7を研削するため、溶接ビード7を含む
一定の領域をビード領域Aとして定めている。このビー
ド領域Aは、各部材11,12の溶接部位に対して仮想境界
Eを決め、この仮想境界Eを中心線とする一定幅の帯と
して定める。仮想境界Eは、必ずしも現実の端縁13と一
致する必要はない。測定点高さH1は、ワーク表面2及
び基準平面18に対して摺接するデジタルリニアゲージ1
6,16の測定データをコンピュータ8で差し引きし(図1
参照)、基準平面18に対する相対高さとして求める。
【0018】次に、図4及び図5に見られるように、得
られた測定点高さH1から溶接部位に向けて延びる略同
一方向の表面補間曲線B1を複数生成する。本例では、
各部材11,12にほぼ平行な方向に並ぶ測定点Pを一群と
して表面補間曲線B1を生成する。表面補間曲線B1は、
最小二乗法による3〜5次曲線が簡易かつ実用的であ
る。2次以下では起伏を補間できず、6次以降では近似
計算過程で発散する虞がある。ワーク6は必ずしも平面
的なものばかりではないために、各表面補間曲線B1は
完全な平行にならないことが多い。測定点がランダム配
列の場合、仮想的に定めた垂直面から一定範囲内の測定
点(点は平面位置と高さとから定まる3次元座標)を一群
として3〜5次曲線を生成する。本例ではビード領域A
を定めているために、このビード領域Aにかかる測定点
Pは表面補間曲線B1の生成には利用していない(図4参
照)。
【0019】こうして、複数群の測定点高さH1からそ
れぞれ得られた表面補間曲線B1をワーク表面2上に並
べると、図5に見られるように、ワーク表面2の形状の
起伏を表すことができる。各表面補間曲線B1(図6参
照)は、仮想境界Eを含む溶接部位垂直面Sに対してそ
れぞれ交点Dを持つ。断面補間曲線B2(図7参照)は、
上述までの測定点高さH1から表面補間曲線B1を求める
手順同様に、前記交点高さH2から求める。この断面補
間曲線B2は、図6及び図7に見られるように、いずれ
も溶接部位垂直面S(部材12側を実線、部材11側を破線
で表示)に含まれ、その差分が溶接部位における段差3
(図3又は図4参照)となる。この段差3と、ワーク6を
構成する各部材11.12の端縁13,13とは、仮想境界Eと端
縁13,13との違い(図2参照)から一致しないことは明か
である。しかし、(a)測定点を多数定めて表面補間曲線
及び断面補間曲線の精度を高め、(b)仮想境界をできる
限り実際の端縁に近づけることで、研削又は研磨作業に
支障を及ぼさないワーク表面及び段差の形状測定が可能
となる。
【0020】断面補間曲線の生成と並び、本例では溶接
ビードの体積を算出し、後手順であるロボット経路の生
成の基礎の一つとしている。本例では、図8に見られる
ように、溶接ビード7の体積Vの算出には、先に生成し
た表面補間曲線B1と表面補間曲線B1の生成に利用しな
かったビード領域Aにある測定点高さH1との差を、こ
の測定点Pにおける溶接ビード7の高さhとして用いる
(図5中太線参照)。前記高さhに対して微小面積ΔSを
設定し、ΔS×hから測定点Pにおける溶接ビード7の
微小体積ΔVを求め、前記微小体積ΔVをビード領域A
にわたって合算(積分)することで溶接ビード7の体積V
とするのである。図8では、溶接ビード7の体積V算出
の理解に資するように、測定点Pの数を図3以降のもの
に比べて増やしている。実際には更に細かく測定点を設
定するので、こうした溶接ビードの体積の算出は、十分
な精度を有する。
【0021】こうして、コンピュータ8(図1参照)は、
まず形状算出手段としてワーク表面の形状、溶接部位で
の段差及び溶接ビードの体積を生成又は算出する。そし
て、次にコンピュータ8を経路生成手段として用い、前
記ワーク表面の形状、溶接部位での段差、そして溶接ビ
ードの体積に、ワークの材種、研削又は研磨ツールの形
状、粒度、回転数を加味して、研削又は研磨ツールの運
動経路、姿勢、押し付け力、送り速度や反覆形態を一義
的に定め、この研削又は研磨ツールの動きを実現するよ
うに、例えば図9に見られるようなロボット経路Rを決
定する。研削又は研磨ツール10の運動経路、姿勢、押し
付け力、送り速度や反覆形態を一義的に定めるには、実
験的に定めた関数を用いたり、対応テーブルを予めコン
ピュータに記憶させておくとよい。
【0022】研削又は研磨ツールの運動経路、姿勢、押
し付け力、送り速度や反覆形態は、研削又は研磨作業
が、荒仕上げ工程、コーナー仕上げ工程、中仕上げ工
程、酸化膜除去工程又は目落とし工程等によって異な
り、従来手作業による場合は、前記各工程について熟練
者によるノウハウ的要素である側面が強い。そこで、本
発明においてロボット経路の生成に際しては、こうした
熟練者の経験又はノウハウを数値化して利用する(とり
わけ研削又は研磨ツールの反覆形態)と、より好ましい
ロボット経路が生成でき、それだけ良好な研削又は研磨
が実現できる。
【0023】本例では、形状測定手段1と研削又は研磨
ツール装着ロボット9とが別装置である(図1参照)た
め、ワーク表面の形状及び段差の特定、溶接ビードの体
積の算出を終えた後、改めてワーク6をロボット9に対
して配置しなければならない。このため、形状測定手段
1においてワーク6の特徴点座標を測定し、ロボット9
の座標系に対してロボット経路を変換する必要がある。
こうした特徴点座標によるロボット経路の変換は従来よ
り見られるところである。本例では、コンピュータが形
状算出手段と経路生成手段とを兼ね、すべてのデータ処
理を担っているので、前記特徴点座標も併せてコンピュ
ータで処理すると便利である。もちろん、研削又は研磨
ツール装着ロボットにワークを固定した状態でワーク表
面の形状測定ができれば、特に特徴点座標を測定する必
要はない。
【0024】
【発明の効果】本発明の溶接部位仕上げ方法は、形状だ
けでなく、ワークを構成する各部材の突合わせ端縁にお
ける段差及びこの端縁における溶接ビードの存在を前提
としてワークを把握し、一義的な関係をもってロボット
経路を自動生成し、溶接部位を研削又は研磨して滑らか
な連続面とする仕上げ作業を自動化することができる。
ロボット経路の自動生成に数値化した熟練者のノウハウ
を加味することで、自動生成できるロボット経路はより
適切なものとなり、また自動化により短時間かつ安定し
た仕上げが可能となった。
【0025】より具体的には、次のように効果を説明す
ることができる。ロボット経路の作成を自動化したこと
により、従来のように別途ティーチングする必要がな
く、ワークの個体差やワーク自体の変更に伴って、容易
かつ迅速にロボット経路を変更できるようになる。これ
は、大幅な作業効率の改善をもたらす。例えば、実施形
態として説明したドアフレームの場合、最低でも2つ以
上の砥石を必要としたため、従来通りのティーチングプ
レイバック方式ロボットによる自動化では、ロボット経
路を生成するだけでも手間がかかっていた。これが、本
発明によれば迅速かつ高精度にロボット経路が生成でき
るようになる。
【0026】また、ワークの形状、段差及び溶接ビード
の高さ又は体積を測定してのロボット経路の生成は、個
体差による仕上がりの違いを克服し、より均質な仕上げ
を可能にする。更に言えば、こうしたワークの立体形状
の把握は、本来自動化による研削又は研磨が難しいとさ
れた溶接部位のコーナー仕上げをも可能にする。このよ
うに、本発明は自動化可能な研削又は研磨作業を増や
し、より適切な仕上げ作業を実現するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接部位仕上げ装置の一例を示す斜視構成図で
ある。
【図2】形状測定手段のみを表した拡大斜視図である。
【図3】測定データの測定点を表したワークの溶接部位
近辺の斜視図である。
【図4】生成した表面補間曲線の一つを表した図3相当
斜視図である。
【図5】図4における表面補間曲線を2次元的に表した
模式図である。
【図6】表面補間曲線と溶接部位垂直面とが交差するこ
とで断面補間曲線を形成することを表した図3相当斜視
図である。
【図7】図6における断面補間曲線を2次元的に表した
模式図である。
【図8】表面補間曲線と測定点高さとの差から溶接ビー
ドの体積を算出している状態を表した図3相当斜視図で
ある。
【図9】得られたワーク表面の起伏及び段差から一義的
に決定したロボット経路を表した図3相当斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 形状測定手段 2 ワーク表面 3 段差 6 ワーク 7 溶接ビード 8 コンピュータ 9 研削又は研磨ツール装着ロボット 10 研削又は研磨ツール 11 平板 12 平板 13 端縁 14 直交ロボット 15 直線アーム 16 デジタルリニアゲージ 17 載置台 18 基準平面 19 コントローラ A ビード領域 B1 表面補間曲線 B2 断面補間曲線 D 溶接部位垂直面と表面補間曲線との交点 E 仮想境界 S 溶接部位垂直面 P 測定点 H1 測定点高さ H2 交点高さ h 溶接ビードの高さ V 溶接ビードの体積 R ロボット経路 ΔS 溶接ビードの高さに対する微小面積

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数部材を端縁で突き合わせて溶接した
    ワークに対し、研削又は研磨ツールを装着したロボット
    を動かして溶接部位周囲を研削又は研磨して滑らかな連
    続面とするに際し、溶接部位を含むワーク表面の起伏を
    測定してワーク表面の形状及び溶接部位での段差を特定
    し、特定した形状及び段差により一義的に定まる研削又
    は研磨ツールの作動情報からロボット経路を生成し、該
    ロボット経路に従ってロボットを動かすことにより溶接
    部位周囲を研削又は研磨して平滑にすることを特徴とす
    る溶接部位仕上げ方法。
  2. 【請求項2】 溶接部位周囲の各ワーク表面の起伏を測
    定して得られる多数の測定点高さから溶接部位に向けて
    延びる略同一方向の表面補間曲線を複数生成して、該表
    面補間曲線からワーク表面の形状を特定し、各ワーク表
    面の表面補間曲線と溶接部位垂直面との交点高さを用い
    て該ワーク表面の断面補間曲線を生成して、同一溶接部
    位垂直面における各ワーク表面の断面補間曲線の比較か
    ら溶接部位での段差を特定することを特徴とする請求項
    1記載の溶接部位仕上げ方法。
  3. 【請求項3】 溶接部位を挟む一定範囲をビード領域と
    して該ビード領域にある測定点高さを除いて表面補間曲
    線を生成し、該表面補間曲線とビード領域にある測定点
    高さとの差分から溶接ビードの高さ又は体積を特定し、
    特定した形状、段差、溶接ビードの高さ又は体積により
    一義的に定まる研削又は研磨ツールの作動情報からロボ
    ット経路を生成し、該ロボット経路に従ってロボットを
    動かすことにより溶接部位周囲を研削又は研磨して平滑
    にすることを特徴とする請求項2記載の溶接部位仕上げ
    方法。
  4. 【請求項4】 端縁で突き合わせた複数部材を前記端縁
    にて溶接したワーク表面の溶接部位周囲を研削又は研磨
    して滑らかな連続面とする装置であって、溶接部位周囲
    のワーク表面の起伏を測定する形状測定手段と、得られ
    た測定データからワーク表面の形状及び溶接部位での段
    差を算出する形状算出手段と、算出した形状及び段差に
    より一義的に定まる研削又は研磨ツールの作動情報から
    ロボット経路を生成する経路生成手段と、溶接部位周囲
    を研削又は研磨して平滑にする研削又は研磨ツールを装
    着し、前記ロボット経路に従って動くロボットとからな
    ることを特徴とする溶接部位仕上げ装置。
  5. 【請求項5】 形状測定手段は、ワークの載置台、基準
    平面、載置台及び基準平面それぞれに対応した高さセン
    サと両高さセンサを連動して移動させる駆動部とからな
    り、基準平面に対応する高さセンサの測定データが一定
    となるように駆動部を作動させ、両距離計の差分からワ
    ーク表面上の測定点高さを求めることで、ワーク表面の
    起伏を特定することを特徴とする請求項4記載の溶接部
    位仕上げ装置。
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