JP3654580B2 - カラー付きシャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のオートマチック等のトランスミッションの油圧制御回路に組み込まれてオイル流路の切り替えを行うスプールバルブ等のカラー付きシャフトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のオートマチック等のトランスミッション用のオイルバルブとして使用されるスプールバルブなどのカラー付きシャフトの製造方法として、棒材を旋盤等により切削加工して製造する方法があるが、切削加工によりカラー付きシャフトを製造するには長時間を必要としていた。また、寸法を高精度に確保するには熟練した技術を必要とし、熟練技術者の固有技術に頼っており技術の伝承が困難である、作業が難易度の高いものであって加工効率が低い、切り粉として廃棄される材料が多い等の問題があった。
【0003】
また、スプールバルブのシャフト素材と複数のカラーを別個に製造したうえ、複数のカラーをシャフト素材に嵌挿して一体に固定するスプールバルブの製造方法においては、カラーには、その内周にシャフト素材を嵌挿するための中心穴と、その外周にはスプールランド溝等の溝が設けられるが、肉厚の薄いカラーに転造型により溝を形成すると、転造圧によりカラーが押し潰されて変形してしまうことがあった。このため、このような場合にはカラーの中心穴にマンドレル(芯金)を挿入して変形を防止したうえ転造加工を行う必要があり、カラーの製造工程が複雑なものになってしまっていた。
【0004】
また、複数のカラーへスプールランド溝を形成したのち、これらのカラーをシャフト素材の所要位置に嵌挿して配列させたうえ、転造型によりシャフト素材を縮径して金属を塑性流動させ、カラーの両端部にカラーの内径よりも大径の環状隆条を形成し、これによってカラーをシャフトに固定するスプールバルブの製造方法においては、スプールランド溝などの溝を形成する工程と、環状隆条を形成する工程とが別工程になってしまうために、転造型が2種類必要である、時間と工数がかかる、製造コストが上昇する等多くの問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、マンドレル等を用いずとも肉厚の薄いカラーに溝を形成することができるうえに、この溝の形成と、シャフトへのカラーの固定とを一工程で行うことのできるカラー付きシャフトの製造方法を提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明のカラー付きシャフトの製造方法は、シャフト素材と複数のカラーとを金属の塑性加工により製造し、このシャフト素材に複数のカラーを所要位置に嵌挿して配列させた工程のあとに、カラーの外周に溝を形成する工程と、シャフト素材を縮径して金属を塑性流動させ、カラーの両端部にカラーの内径よりも大径の環状隆条を形成してカラーをシャフトに固定する工程とを、同一転造型を用いて一工程にて行うことを特徴とするものである。
【0007】
本発明のカラー付きシャフトの製造方法は、カラーに溝を形成する工程と、シャフト素材を縮径して金属を塑性流動させ、カラーの両端部にカラーの内径よりも大径の環状隆条を形成してカラーをシャフトに固定する工程とを、同一転造型を用いて一工程にて行うことにより、マンドレル等を用いずとも肉厚の薄いカラーに溝を形成することができて、この溝の形成とシャフトへのカラーの固定とを一工程で同時に行うことができて、カラー付きシャフトの製造工程を簡素化することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を示す。図1は本発明の方法により製造したカラー付きシャフトの一実施形態であるスプールバルブを示す図であって、スプールバルブ1は、一端にばね受け凹部2を有するシャフト3に3つのカラー4〜6が嵌挿されてバルブ体として一体に固定されている。カラー4、5にはそれぞれ3本のスプールランド溝7が形成されているとともに、3つのカラー4〜6の両端には縮径部8が形成されて、これにより金属が塑性流動してカラー4〜6の両端に、カラー4〜6の内径よりも大径の環状隆条9が形成されて、カラー4〜6をシャフト3に強固に密着嵌合している。なお、シャフト、カラーの材質として、鉄鋼、アルミニウム合金、チタン合金等の金属を用いることができ、これらの金属には耐摩耗性を付与するため必要に応じ、浸炭焼入れ、軟窒化等の表面硬化処理を施すことができる。
【0009】
上記したスプールバルブの製造方法を以下に説明する。図2は、棒状の金属をヘッディングにより塑性加工して、頭部にばね受け凹部2を形成したシャフト素材10であり、図3は、棒状の金属から塑性加工により製造したカラー4〜6であって、スプールランド溝7形成前のものであり、その内側にはシャフト素材10に嵌挿可能な大きさの内径の中心穴11が形成されている。
【0010】
このシャフト素材10とカラー4〜6を用いてスプールバルブ1となすに当たっては、先ずシャフト素材10の所要位置にカラー4〜6を嵌挿する。そして図4に示すような転造型21を用いて、1ストロークによりカラー4、5の外周にスプールランド溝7を形成するとともに、カラー4〜6の両端を縮径して環状隆条9を形成することによりカラー4〜6をシャフト3に固定する。カラー4〜6にはシャフト素材10がすでに嵌挿されているので、肉厚の薄いカラー4〜6に転造型21によりスプールランド溝7を形成しても、転造圧によりカラー4〜6が押し潰されて変形することはなく、従来のようにカラー4〜6の中心穴11にマンドレル(芯金)等を挿入して変形を防止する必要が無く、スプールバルブの製造工程を大幅に簡素化することができる。
【0011】
転造型21は、その転造面にカラー4に3本のスプールランド溝7を形成するための凸条22を有する溝形成凸条部24と、同じくカラー5に3本のスプールランド溝7を形成するための凸条22を有する溝形成凸条部25とが設けられている。さらに、転造型21の転造面には、カラー4の上端のシャフト素材10を縮径するためのかしめ凸条26と、カラー4と5、およびカラー5と6の間を縮径するためのかしめ凸条27、28と、カラー6の下端を縮径するためのかしめ凸条29とが設けられている。このような転造型21を相手側の転造型と対をなして配列し、この間にカラー4〜6を嵌挿したシャフト素材10を送入して、2枚の転造型を摺動させることにより、転造型の1ストローク、即ち、一工程でカラー4、5の外周に3本のスプールランド溝7を形成するとともに、カラ−4〜6の両端を縮径して環状隆条9を形成することにより、シャフト3へのカラー4〜6の強固な固定を、一工程にて同時に行うことができる。なお、本発明実施形態においては、カラー6にはスプールランド溝7は形成されておらず、スプールランド溝7無しで用いられるものである。
【0012】
転造工程における金属の塑性流動を、図5により説明する。カラー4はその外周が転造型21の3本の凸条22に押し込まれてスプールランド溝7が形成されるとともに、かしめ凸条26および27によりカラー4の両端部のシャフト素材10を縮径して金属を塑性流動させ、カラー4の両端部にカラー4の内径よりも太径の環状隆状9を形成してカラー4をシャフト10に強固に密着嵌合することができる。なお、図5の実施例においてはカラー4をシャフト素材10に嵌入したのち、シャフト素材10を転造型21により縮径して金属の塑性流動により形成した一対の環状隆条9をカラー4の両端側面に当接させてカラー4をシャフト10に固定するようにしているが、カラー4の中心穴11両端部を斜めに面取りまたは段付きに加工して拡径凹部を形成し、この拡径凹部に環状隆条9を密着嵌合させて、カラー4をシャフト3に強固に固定することもできる。
【0013】
図4に示した転造型21はハイスや超硬等の硬質材料からなる一枚の盤状のものであるが、図6に示すように、転造型を幾つかのブロックを組み合わせて合体させて構成することもできる。図6に示す転造型31は上方から順番に、支持ブロック32、カラー4の上端を縮径するかしめブロック33、カラー4にスプールランド溝7を形成する溝形成ブロック34、カラー4と5の間を縮径するかしめブロック35、カラー5にスプールランド溝7を形成する溝形成ブロック36、カラー5と6の間を縮径するかしめブロック37、支持ブロック38、カラー6の下端を縮径するとともにシャフトコーナーを面取り加工するかしめブロック39とが一体に組み合わされて構成されている。このように構成されたものを左右に対をなして配列させて摺動することにより、この間に送入されたシャフト素材10に嵌挿されたカラー4、5に3本のスプールランド溝7を形成するとともに、カラー4〜6の両端を縮径して環状隆条9を形成することによりカラー4〜6をシャフト3の所要位置に強固に固定することができる。
【0014】
なお、カラー4〜6をシャフトに固定したのち、カラー4、5の外周を研削仕上げして寸法精度を向上させることができる。寸法精度を向上させることによりスプールバルブの作動を滑らかなものとしてオイル流路の切り替えをスムーズに行うことができる。
【0015】
以上のように構成されたスプールバルブ1は、オートマチック等のトランスミッションの油圧制御回路に組み込まれ、シャフト3を摺動させてスプールバルブ1によりオイル流路を切り換えるものである。スプールバルブ1に嵌挿されているカラー4〜6は、シャフト3の縮径部8の両端外周面に形成された一対の環状隆条9により密着嵌合されているので、カラー4〜6は確実に固定されてがたつくことがない。しかも、必要に応じ表面には浸炭焼き入れや軟窒化等の熱処理を施して表面を硬化させることもできるので、オイル流路切り替え動作によってもカラー4〜6は耐摩耗性に優れ、オイル流路切り替え動作を長期間にわたり確実に行うことができる。
【0016】
以上においては、カラー付きシャフトの実施形態としてスプールバルブを例に挙げて本発明を説明したが、本発明のカラー付きシャフトの製造方法によれば、カムシャフト等のカラーとシャフトにより構成される部品を、簡素化した工程で製造することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明のカラー付きシャフトの製造方法は、カラーに溝を形成する工程と、シャフト素材を縮径して金属を塑性流動させ、カラーの両端部にカラーの内径よりも大径の環状隆条を形成してカラーをシャフトに固定する工程とを、同一転造型を用いて一工程にて行うことにより、マンドレル等を用いずとも肉厚の薄いカラーに溝を形成することができるうえに、この溝の形成とシャフトへのカラーの固定とを一工程で同時に行うことができることにより、切削加工による方法や、溝の形成と環状隆条の形成とを別工程で行う方法よりも、製造工程を大幅に簡素化することができて、製造コストを低減することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スプールバルブの一実施形態を示す図である。
【図2】 シャフト素材を示す図である。
【図3】 カラー素材を示す図である。
【図4】 転造型の凸条配置を示す図である。
【図5】 転造型による金属の塑性流動を示す図である。
【図6】 幾つかのブロックの組み合わせにより構成された転造型を示す図である。
【符号の説明】
1 スプールバルブ
2 ばね受け凹部
3 シャフト
4、5、6 カラー
7 スプールランド溝
8 縮径部
9 環状隆条
10 シャフト素材
11 中心穴
21、31 転造型
22 凸条
24、25 溝形成凸条部
26、27、28、29 かしめ凸条
32、38 支持ブロック
33、35、37、39 かしめブロック
34、36 溝形成ブロック
Claims (1)
- シャフト素材と複数のカラーとを金属の塑性加工により製造し、このシャフト素材に複数のカラーを所要位置に嵌挿して配列させた工程のあとに、カラーの外周に溝を形成する工程と、シャフト素材を縮径して金属を塑性流動させ、カラーの両端部にカラーの内径よりも大径の環状隆条を形成してカラーをシャフトに固定する工程とを、同一転造型を用いて一工程にて行うことを特徴とするカラー付きシャフトの製造方法。
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JP2000200919A JP3654580B2 (ja) | 2000-07-03 | 2000-07-03 | カラー付きシャフトの製造方法 |
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