JP3654512B2 - 防御組換えhaemophilusinfluenzae(インフルエンザ菌)高分子量タンパク質をコードする核酸分子、形質転換ベクター、形質転換菌株ならびにそれらを用いたタンパク質の生産方法 - Google Patents

防御組換えhaemophilusinfluenzae(インフルエンザ菌)高分子量タンパク質をコードする核酸分子、形質転換ベクター、形質転換菌株ならびにそれらを用いたタンパク質の生産方法 Download PDF

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    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Description

【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、1998年10月7日に出願された出願第09/167,568号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は分子遺伝子学の分野に関し、詳細には、組換えHaemophilus influenzae高分子量タンパク質の生産と、それに使用される核酸分子およびベクターに関する。
【0003】
(発明の背景)
被包性Haemophilus influenzae B型菌株は、細菌性髄膜炎およびその他の小児に生じる侵襲性感染の、主な原因である。しかし、非被包性の、または非分類型H.influenzae(NTHi)は、中耳炎、喉頭蓋炎、肺炎、および気管気管支炎を含めた広い範囲にわたるヒトの病気の原因である。ジフテリアトキソイド(参考文献1 本出願全体を通し、本発明が関係する現況技術をより十分に記述するために括弧内に示した種々の参考文献が参照される。各引例に関する全書誌情報を本明細書の終わりに示す。これらの参考文献の開示を、参照により本発明の開示に組み込む。)、破傷風トキソイド(参考文献2および米国特許第4,496,538号)、またはNeisseria meningitidis(髄膜炎菌)外膜タンパク質(参考文献3)に共有結合させたH.influenzae B型きょう膜多糖類をベースにしたワクチンは、H.influenzae B型により誘発された髄膜炎を軽くするのに効果的であったが、NTHi誘発型の病気には効果的ではなかった(参考文献4)。
【0004】
中耳炎は幼児期の最も一般的な疾病であり、2才未満の子供全ての 60%から 70%が耳の感染症を1回から3回経験している(参考文献5)。慢性中耳炎は、子供の聴覚障害、言語障害、および認識障害の原因になる。急性中耳炎の症例の約30%、そして慢性中耳炎の約60%は、H.influenzae感染が原因である。米国だけで、中耳炎の治療には、抗生物質と外科的処置、例えば扁桃摘出やアデノイド切除、中耳腔換気用チューブの挿入などに、1年当たり 10億ドルから 20億ドルかかる。さらに、言語療法や特殊教育学級などの補助療法に、1年当たり 300億ドルが費やされると見積もられている。さらに、中耳炎を引き起こす生物体の多くは、抗生物質による治療に対して耐性を持つようになる。そのため中耳炎に有効な予防ワクチンが望まれている。
【0005】
NTHiに自然感染している間、抗体反応を刺激する表面露出状態の外膜タンパク質は、殺菌性抗体および/または防御抗体の重要な標的となる可能性があり、したがってこのタンパク質はワクチンの候補になり得る。BarenkampおよびBodor(参考文献6)は、NTHiが原因で中耳炎に罹った子供の回復期血清が、高分子量(HMW)のタンパク質に対する抗体を含有していることを実証した。NTHi菌株の約70%から 75%がHMWタンパク質を発現し、これらの菌株のほとんどが、hmw1ABCおよび hmw2ABCと呼ばれる2種の遺伝子クラスタを含有している。hmwA遺伝子は構造HMWAタンパク質をコードし、hmwB遺伝子および hmwC遺伝子は、HMWAタンパク質のプロセッシングおよび分泌に関与する補助遺伝子である(参考文献7、8、9;米国特許第5,603,938号;WO97/36914)。HMWAタンパク質は、ヒト上皮細胞への付着を仲介する付着因子であることが実証されており(参考文献 10)、適正にプロセッシングされたHMWAタンパク質のみが有効な付着因子になると考えられる(参考文献8)。天然のHMW1Aタンパク質とHMW2Aタンパク質の混合物で免疫化した結果、中耳炎のチンチラ胞内攻撃誘発モデルで防御が得られた(参考文献 11;WO97/36914)。NTHi菌株 12 からの原型 hmw1A遺伝子は、35kDa のアミノ末端フラグメントの切断によって処理された 160kDa のHMW1Aタンパク質をコードし、成熟した 125kDa のHMW1Aタンパク質を発生させる。同様に、NTHi菌株 12hmw2A遺伝子は、ほぼ同一の 35kDa のアミノ末端フラグメントを切断することによって処理された 155kDa のHMW2Aタンパク質をコードし、成熟した 120kDa のHMW2Aタンパク質を産生する。
【0006】
プラスミド pHMW1-15(参考文献8)は、pT7-7 骨格を有し(参考文献 12)、5'-および3'-フランキング領域を有する完全なNTHi菌株 12 hmw1ABCオペロンを含有する。hmw1A構造遺伝子のT7プロモーターとその始まりの間に位置付けられた、約400bp の5'-フランキング配列がある。プラスミドpHMW2-21(参考文献 10)は、pT7-7 骨格を有し、5'-および3'-フランキング配列を有する完全なhmw2ABCオペロンを含有する。hmw2A構造遺伝子のT7プロモーターとその始まりの間に位置付けられた、約800bp の5'-フランキング配列がある。rHMW1Aタンパク質および rHMW2Aタンパク質は、プラスミド pHMW1-15 およびプラスミドpHMW2-21 から比較的低い収量で産生される。
【0007】
H.influenzae hmw1 ABC遺伝子または hmw2 ABC遺伝子に遺伝子操作を行って、35kDaのリーダー配列をコードする配列を欠失させることにより、成熟組換えHMA1Aタンパク質またはHMW2Aタンパク質を産生することができるが、これは通常、H.influenzae でのプロセッシングによって除去されるものである。リーダー配列が欠失したので、H.influenzae で成熟HMW1A構造タンパク質および成熟HMW2A構造タンパク質のプロセッシングおよび分泌に役立つ hmw1BC遺伝子または hmw2BC遺伝子の必要が無くなる(参考文献9)。rHMW1Aタンパク質または rHMW2Aタンパク質の収量は、リーダー配列を欠失させ遺伝子をプロセッシングすることによって著しく増加させることができるが、精製された組換えタンパク質には防御能が無い。本明細書で述べるように、hmw1BC遺伝子および hmw2BC遺伝子またはそれらのタンパク質産物は、明らかに rHMW1Aタンパク質および rHMW2Aタンパク質の防御能に寄与する。通常なら余分な補助遺伝子に関するこのような要件は意外なことである。
【0008】
E.coli cer 遺伝子は、多重化を防止することによってプラスミドを安定化すると考えられている(参考文献 13)。発現ベクターが多量に挿入された場合、cer 遺伝子を使用してプラスミドを安定化することができる。
【0009】
(発明の概要)
本発明は、ある特定の核酸分子とそれを含有するベクターを提供することによって、防御能のある組換え非分類型H.influenzae 高分子量タンパク質を提供することを対象とする。
【0010】
今回、防御能のある非分類型Haemophilus の組換え高分子量(HMW)タンパク質を得るために、成熟HMWタンパク質をコードするオペロンのA部分のセグメントのみ含有するベクター、すなわちリーダー配列をコードするA遺伝子のセグメントとオペロンのB部分およびC部分が欠けているベクターを提供することが必要であることがわかった。また、そのベクターに、成熟タンパク質、E.coli からの cer 遺伝子、またはこれらの両方をコードする少なくとも1つの追加のセグメントを含めることによって、成熟タンパク質の発現のレベルを高めることができることもわかった。
【0011】
したがって本発明の一態様では、E.coli で機能性があり、かつA、B、およびC遺伝子を含む非分類型Haemophilus 菌株の修飾オペロンに作働するように結合されたプロモーターを含む核酸分子が提供されるが、このオペロンのA遺伝子は、非分類型Haemophilus 菌株の成熟高分子量タンパク質をコードする核酸配列のみを含有し、そのためリーダー配列をコードするA遺伝子の部分は存在しない。
【0012】
任意の適切なプロモーターを使用して、E.coli に成熟HMWタンパク質を発現させることができる。しかし、T7プロモーターを使用することが好ましい。
【0013】
コードされた成熟高分子量タンパク質は、非分類型Haemophilus 菌株のHMW1タンパク質またはHMW2タンパク質でよい。この非分類型Haemophilus菌株は、非分類型Haemophilus influenzaeの菌株 12、Joyc、K21、LCDC2、PMH1、および 15 からなる群から選択することができる。
【0014】
また本発明は、非分類型Haemophilus 菌株の、対応するHMW1タンパク質およびHMW2タンパク質の推定アミノ酸配列と共に、予め単離されず、精製されず、発現していないある特定の非分類型Haemophilus influenzae 菌株の hmw1Aおよび/またはhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列も提供する。
【0015】
したがって、本発明の別の態様では、
(a)図18、19、20、21、22、23、24、25、26、および 27(配列番号: 25、27、29、32、33、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64)に示されるものからなる群から選択されたDNA配列またはそれらと相補的な配列、あるいは
(b)図18、19、20、21、22、23、24、25、26、および 27(配列番号: 26、28、30、32、34、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65)に示されるものからなる群から選択されたアミノ酸配列を有する高分子量タンパク質をコードするDNA配列、またはそれらと相補的な配列
を有する、非分類型Haemophilus influenzae 菌株の高分子量(HMW)タンパク質をコードする、単離され精製された核酸分子が提供される。
【0016】
本発明の第1の態様の修飾オペロンは、配列(配列番号:27、31、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72)をコードする成熟タンパク質、または図 18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、および 29 に示されるアミノ酸配列(配列番号: 28、32、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73)を有する成熟タンパク質をコードするDNA分子を含むことができる。
【0017】
本発明の第1の態様により提供される核酸分子は、非分類型Haemophilus 菌株のオペロンの成熟コード領域のみ、E.coli の cer 遺伝子、またはそのようなセグメントの両方の少なくとも1つの追加のコピーを含有する配列を、さらに含むことができる。
【0018】
本発明の第1の態様により提供される核酸分子は、非分類型Haemophilus 菌株の成熟防御高分子タンパク質の発現を目的として、E.coli の形質転換を行うために、ベクター、通常はプラスミドベクターに組み込むことができる。
【0019】
この成熟防御高分子タンパク質の発現を目的とするプラスミドベクターは、
DS-1046-1-1
JB-2507-7
BK-86-1-1
BK-35-4
BK-76-1-1
DS-2334-5
DS-2400-13
からなる群から選択されるプラスミドの識別形質を有することができる。
【0020】
そのようなプラスミドの構造および調製の詳細を、図および実施例に示す。
【0021】
本発明は、その別の態様において、本明細書で提供されるベクターにより形質転換され、かつ非分類型Haemophilus 菌株の防御高分子量タンパク質を発現するE.coli の菌株にまで範囲を広げる。本発明はさらに、形質転換されたE.coli によって産生可能な、非分類型Haemophilus 菌株の単離され精製された組換え防御高分子量タンパク質、その免疫原性セグメント、またはその類似体を含む。
【0022】
本発明はさらに、その追加の態様において、非分類型Haemophilus 菌株の防御高分子量タンパク質を産生する組換え方法を含み、この方法は、
本発明の第1の態様で提供された核酸分子を含むベクターでE.coli を形質転換すること、
E.coli を成長させて、コードした成熟高分子量(HMW)タンパク質を発現させること、および
発現したHMWタンパク質を単離し精製することを含む。
【0023】
非分類型Haemophilus 菌株は前記菌株のいずれかでよく、高分子量タンパク質は、その他のタンパク質で汚染されていない形で提供されるHMW1タンパク質またはHMW2タンパク質でよい。精製ステップは、HMW Aタンパク質とBタンパク質およびCタンパク質との分離を含むことができる。
【0024】
本発明は、その追加の態様において、非分類型Haemophilus 菌株の単離され精製された防御HMW1タンパク質であって、非分類型Haemophilus の同じ菌株のHMW2タンパク質で汚染されていない防御HMW1タンパク質を提供する。
【0025】
さらに別の態様で、本発明は、非分類型Haemophilus の単離され精製された防御HMW2タンパク質であって、非分類型Haemophilus の同じ菌株のHMW1タンパク質で汚染されていない防御HMW2タンパク質を提供する。
【0026】
HMW1タンパク質またはHMW2タンパク質は、上述の非分類型Haemophilus 菌株のいずれかからのものでよく、配列番号 28、32、37、41、45、49、53、57、61、65、69、または 73 を有するものでよい。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本明細書で提供される少なくとも1種の核酸分子、本明細書で提供される少なくとも1種の組換えHMWタンパク質、または本明細書で提供される少なくとも1種の新奇なHMWタンパク質からなる群から選択された少なくとも1種の免疫学上活性な成分と、医薬品として許容されるこれらの担体を含む、免疫原性組成物が提供される。少なくとも1種の活性成分は、宿主に投与されると免疫応答を引き起こす。
【0028】
本明細書で提供される免疫原性組成物は、H.influenzae によって引き起こされる病気を予防するため、宿主に in vivo 投与するためのワクチンとして処方することができる。このような目的で、組成物を、ミクロ粒子、ISCOM、またはリポソーム製剤として処方することができる。免疫原性組成物は、免疫系の特定の細胞または粘膜表面に送達するための標的化分子と組み合わせて提供することができる。本発明の免疫原性組成物(ワクチンを含む)は、少なくとも1つのその他の免疫原性材料または免疫促進材料をさらに含むことができ、この免疫促進材料は、少なくとも1つのアジュバントまたは少なくとも1つのサイトカインでよい。
【0029】
本発明で使用される適切なアジュバントには、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、QS21、Quil A、これらの誘導体および成分、ISCOMマトリックス、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、グリコリピド類似体、アミノ酸のオクタデシルエステル、ムラミールジペプチド、ポリホスファゼン、ISCOPREP、DC-chol、DDBA、およびリポタンパク質、およびその他のアジュバントが含まれる(しかしこれらに限定するものではない)。アジュバントの有利な組合せは、1994年6月16日出願の同時係属の米国特許出願第 08/261,194 号および 1995年6月7日出願の第 08/483,856 号に記載されているが、これは本出願の譲受人に譲渡されたものであり、その開示を参照により本明細書に組み込む(1995年11月21日に公表されたWO 95/34308)。
【0030】
本発明の別の態様によれば、宿主に免疫応答を生じさせる方法であって、ヒトなどの罹患した宿主に有効な量の上記免疫原性組成物を投与するステップを含む方法が提供される。免疫応答は、体液性または細胞性の免疫応答でよく、Haemophilus により引き起こされる病気の予防ができる。病気の予防が可能な宿主には、ヒトを含めた霊長類が含まれる。
【0031】
HMW1タンパク質およびHMW2タンパク質をコードするオペロンのB部分およびC部分の核酸配列は、非分類型Haemophilus 種の核酸配列中に高レベルで保存されており、E.coli などの形質転換した宿主からHMW1AまたはHMW2Aを発現させる目的で、非分類型Haemophilusの様々な菌株からの成熟HMW1Aタンパク質またはHMW2Aタンパク質をコードする核酸配列を受容するための万能プラスミドベクター上に提供できることがわかった。
【0032】
したがって、本発明のさらに別の態様では、非分類型Haemophilus菌株の高分子量タンパク質を発現させるためのプラスミドベクターであって、T7プロモーター、クローニング部位、非分類型Haemophilus菌株のhmwオペロンのB部分およびC部分を含むベクターが提供される。プラスミドは、E.coli cer遺伝子を含有することもできる。プラスミドベクターは、プラスミドJB-2646-1でよい。
【0033】
本発明によれば、その様々な態様において、非分類型Haemophilus菌株に感染して引き起こされる病気の予防が可能な免疫原性組成物を提供するのに有用な、非分類型Haemophilusの防御高分子量タンパク質の産生が可能になる。
【0034】
本発明は、図面を参考とした次の記述によって更に理解されるであろう。
【0035】
(発明の一般的な説明)
本発明の実施形態によって代表されるように、HMW1A、HMW1B、HMW1C、HMW2A、HMW2BまたはHMW2Cタンパク質に対しコードする少なくとも一部分を含む、精製され、単離された核酸分子(DNA分子の形態をしている)を得るために、hmw遺伝子を有する任意のHaemophilus菌株が好都合に使用される。このような菌株は、一般に臨床源およびAmerican Type Culture Collectionのような細菌培養収集機関から入手できる。非分類型Haemophilusの適切な菌株は、
非分類型H.influenzae 12 菌株、
非分類型H.influenzae Joyc菌株、
非分類型H.influenzae K1菌株、
非分類型H.influenzae K21 菌株、
非分類型H.influenzae LCDC2菌株、
非分類型H.influenzae PMH1菌株、または
非分類型H.influenzae 15 菌株
を含む。
【0036】
この出願において、「HMWタンパク質」という用語は、非分類型Haemophilusの様々な菌株に見出されるようなアミノ酸配列に自然発生した変異を有し、約100 から約150 までの見掛け分子量を特徴とするタンパク質を含む一群のHMWタンパク質を定義するために使用される。
【0037】
以下の実施例と共に、本発明の原理を説明するために有用な、本発明の現時点で好ましい実施形態をこれから詳述する。本発明の詳細な説明を以下の節に分けて行うが、その目的は開示を明確にするためであって、限定するためではない。
【0038】
1.E.coliからの組換えHMWタンパク質の改良生産
H.influenzae中での生来のHMW1AまたはHMW2Aタンパク質の産生は非常に少ない。プラスミドpHMW1-15 およびpHMW2-21(参考文献8、10)は、NTHi 12 菌株から得られ、発現ベクターpT7-7中にクローン化された完全なhmw1ABCおよびhmw2ABCオペロンを含んでいる。これらのプラスミドからの組換えrHMW1AまたはrHMW2Aタンパク質の生産は、恐らくT7プロモーターとhmwA遺伝子の開始コドンとの間に挿入された5'-フランキング配列およびhmwプロモーター配列のために、少ない。5'-フランキング配列およびhmwプロモーター配列の除去によって、プラスミドDS-1091-2およびDS-1094-2(図1および2)から生産されるrHMW1AおよびrHMW2Aタンパク質の収量はわずかに改善された。
【0039】
H.influenzae中で生産されるとき、生来のHMWAタンパク質は、35 kDaのN末端断片が除かれてプロセッシングされ、分泌される。E.coliによるrHMWAタンパク質の正しいプロセッシングと分泌に頼るのではなく、N末端 35 kDa断片をコード化する遺伝子配列がhmw1ABCおよびhmw2ABCの各遺伝子から遺伝学的に除去された。生成した新しい構築体、DS-1046-1-1およびDS-1174-4(図3および4)においては、rHMW1AおよびrHMW2A成熟タンパク質の生産が促進された。rHMW BCタンパク質も過剰に生産された。pT7-7ベクター中へのhmw1ABCおよびhmw2ABC遺伝子挿入体は、依然として各々約 8.6 kbと約 8.3 kbであった。HMWAタンパク質は構造タンパク質であり、防御タンパク質であるので、hmwBC遺伝子の一部または全部を削除することによって、その遺伝子挿入体の大きさを減らすことができると考えられた。一般により小さな挿入体を有する発現ベクターは、組換えタンパク質を生産する上でより効果的であり、rHMWBCタンパク質の過剰生産は望ましくないと考えられた。
【0040】
ベクターDS-1200-3、DS-1122-2、JB-2330-7およびDS-2084-3(図4、5、6および8)において、hmwBC遺伝子を削除したとき、rHMWAタンパク質の生産はわずかに改善された。しかし、rHMWBとrHMWCのタンパク質の生産が除かれ、タンパク質精製プロセスが簡潔になった。ベクターJB-2369-6およびDS-2084-1(図7および8)からrHMWAタンパク質を発現させるために、T7 hmwA遺伝子カセットのタンデムコピーを用いたとき、その生産はわずかに改善された。
【0041】
この系列の発現ベクターの構築によって、E.coliからrHMW1およびrHMW2タンパク質の生産を増加させることができることが判明した。しかし、鼻咽腔コロニー形成防御モデルで試験したとき、改良したベクターから生産されたrHMWAタンパク質は防御性を示さなかった。生来のHMW1A+HMW2Aタンパク質混合物、または完全なhmwABC遺伝子を含む比較的低収量のベクターから生産されたrHMWAタンパク質だけが防御性を示した。
【0042】
2.組換え防御性HMWタンパク質を生産するための発現ベクターの修飾
完全な長さのHMW1A(DS-1091-2)またはHMW2A(DS-1094-2)のタンパク質をコード化するhmwABC遺伝子を含み、そのプロセッシングをE.coliに依存する発現ベクターは、動物モデルで試験するのに十分なタンパク質を生産しなかった。成熟HMW1A(DS-1046-1-1)またはHMW2A(DS-1174-4)タンパク質をコード化するhmwABC遺伝子を含む発現ベクターは、中位の収量で防御性rHMWAタンパク質を発現した。rHMWAタンパク質だけを過剰に生産したベクターは、防御性抗原を産生しなかった。
【0043】
防御性rHMWAタンパク質の収量を高めるために、2通りの手法を試みた。成熟rHMW1Aタンパク質を発現するT7 hmwABC遺伝子カセットを含むベクターに、E.coli cer 遺伝子を導入した。cer遺伝子は多重化の防止によってプラスミドを安定化させると考えられ、その存在は大きなhmwABC遺伝子カセットを含む発現ベクターを安定化することができる。cer 遺伝子の存在は、組換えタンパク質の生産も増加させることがあることも判明した。T7 hmw1ABC/cer構築体(図10)から過剰生産されたrHMW1A抗原は、鼻咽腔コロニー形成モデルで防御性を示した(表2)。
【0044】
防御性rHMWAタンパク質を過剰生産する第2の手法は、rHMWBCタンパク質の存在下でrHMWAタンパク質を過剰生産するベクターを構築することであった。成熟rHMW1Aタンパク質を発現するT7 hmwABC遺伝子カセットを含むベクターに、追加のT7 hmwA遺伝子カセットを追加した。T7 hmw1A/T7 hmw1ABC構築体(図9)から過剰生産されたrHMW1A抗原は、鼻咽腔コロニー形成モデルで防御性を示した(表2)。
【0045】
T7 hmwA/T7 hmwABC遺伝子のタンデムコピーを同一プラスミドDS-2400-13 上のE.coli cer 遺伝子と同時発現するように、前記2手法を組み合せることができる(図34)。
【0046】
3.追加hmwA遺伝子のクローニングおよび配列分析
hmwA遺伝子およびコード化タンパク質の配列は可変である。完全に有効なワクチンを生産するためには、非分類型Haemophilusの多種の菌株から創られるrHMWAタンパク質を使用することが必要である。非分類型Haemophilus influenzaeの数菌株から得たhmw1Aおよび/またはhmw2A遺伝子をPCR増幅し、かつその配列を決定した。図18 から 26 は、各々Joyc菌株からのhmw1A遺伝子、Joyc菌株からのhmw2A遺伝子、K1菌株からの欠陥hmw1A遺伝子、K21 菌株からのhmw2A遺伝子、LCDC2菌株からのhmw1A遺伝子、LCDC2菌株からのhmw2A遺伝子、PMH1菌株からのhmw1A遺伝子、PMH1菌株からのhmw2A遺伝子、15 菌株からのhmw1A遺伝子および 15 菌株からのhmw2A遺伝子に対するヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。推定タンパク質配列を前記の 12 菌株HMW1AおよびHMW2Aタンパク質配列(図 28 および 29)と並べると、配列の保存および分岐の両領域が認識される(図 30)。このような情報は、ワクチン接種や診断の目的でペプチドを創るために、エピト―プとなり得るものの確認に有用である。様々な非分類型Haemophilus菌株から得られる成熟HMWタンパク質の分子量を表3に含めている。
【0047】
4.組換え防御性HMWタンパク質を生産するための属共通発現ベクターの構築
非分類型Haemophilus菌株から新しいhmwA遺伝子をPCR増幅し、上記のように配列決定することができる。しかし、防御性rHMWA抗原を生産するためには、hmwA遺伝子をhmwBC遺伝子の存在下で発現しなければならない。原型 12 菌株から得られる付属HMW1BおよびHMW2Bタンパク質の推定配列は、99 %同一であることが判明し、一方同一菌株から得られるHMW1CおよびHMW2Cタンパク質の推定配列は 96 %同一であった(参考文献8、米国特許第 5603938 号)。hmwBC遺伝子の高い保存性から、ある原型菌株から得られるhmwBC遺伝子を用いて属共通の発現ベクターを構築し、そのベクター中に発現させるために、任意のhmwA遺伝子をそのベクターに導入することが可能となる。図 32 は、T7プロモーター、hmwA遺伝子導入のためのXba Iクローニング部位、12 菌株hmw1BC遺伝子、およびE.coli cer遺伝子を含有する属共通発現ベクター(JB-2646-1)の構築を図示する。図 33 は、属共通発現ベクター中でのキメラT7 hmwABC遺伝子カセットの構築を図示し、そこではPCR増幅LCDC2 hmw2A遺伝子が 12 菌株hmw1BC遺伝子と組み合されることによりプラスミドDS-2334-5を生成する。キメラ構築体からの遺伝子の発現は、NTHi 12 菌株のhmw1Aおよびhmw2A遺伝子に基くT7 hmw1ABCまたはT7 hmw2ABC構築体に対して見た場合と同様であった。
【0048】
本発明の様々な実施形態がワクチン接種、診断、Haemophilus感染の処置および免疫剤の創製の各分野での応用に使用できることは、当分野の技術者に明白である。このような用途に関する更なる非限定的な考察を以下に提示する。
【0049】
5.ワクチンの調製および使用
ワクチンとして使用するのに適当な免疫原性組成物は、非分類型Haemophilus菌株の免疫原性高分子量(HMW)タンパク質、その免疫原性類縁体および断片、および/または本明細書に開示したような免疫原性ペプチドから調製される。そのワクチンは、抗HMW抗体およびオプソニン作用または殺菌作用を示す抗体を含む抗体を産生する免疫反応を引起す。ワクチンを含め、免疫原性組成物は注入剤、即ち液体溶液または乳濁液として調製され得る。HMWタンパク質、その免疫原性類縁体および断片、および/または免疫原性ペプチドを、HMWタンパク質、その免疫原性断片、類縁体または免疫原性ペプチドと適合性のある製剤上許容可能な賦形剤と混合してもよい。このような賦形剤は水、塩水、ブドウ糖、グリセリン、エタノールおよびその組合せを含む。免疫原性組成物およびワクチンは、さらに湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、ワクチンの有効性を高めるためのアジュバント等の補助物質を含有してもよい。免疫原性組成物およびワクチンは、非経口的に、即ち皮下注射または筋肉内注射によって投与される。あるいは、本発明に従って形成される免疫原性組成物は、粘膜表面の免疫反応を引起すように製剤され、送達されてもよい。したがって、免疫原性組成物を、例えば鼻腔または経口(胃内)ルートによって粘膜表面に投与してもよい。免疫系の特定の細胞または粘膜表面に送達するために、免疫原性組成物を標的指向性分子と併用してもよい。このような幾つかの標的指向性分子は、ビタミンB 12、WO 92/17167(Biotech Australia Pty.Ltd.)に記載されているような細菌毒素の断片、および米国特許第 5194254 号(Barber等)に記載されているようなモノクローナル抗体を含む。あるいは、坐薬や経口製剤を含む他の投与方式が好ましいかもしれない。坐薬に対しては、結合剤および担体は、例えばポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドを含む。経口製剤は、例えば製剤用のサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウム等の普通に使用される賦形剤を含み得る。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、持続性放出製剤または粉末の形態を採り、約1から 95 %のHMWタンパク質、断片、類縁体および/またはペプチドを含有する。
【0050】
ワクチンは調剤処方に適合した方式で、かつ治療上有効で、防御性で免疫原性を示すような量を投与される。投与すべき量は、例えば抗体を合成し、必要であれば細胞性免疫反応を起こすその個人の免疫系の能力を含め、治療される対象者に依存する。必要とされる活性成分の精確な投与量は、担当開業医の判断次第である。しかし、適当な投与量範囲は当分野の技術者によって容易に決定することができ、高分子量タンパク質、その類縁体および断片、および/またはペプチドの数マイクログラムの位数である。初回投与および追加投与に対する適当な投与計画も変動し得るが、初回投与とその後の投与を含み得る。ワクチンの投与量は投与ルートにも依存し、宿主の大きさに従って変化する。
【0051】
非分類型HaemophilusのHMWタンパク質をコード化する核酸分子も、DNAの直接投与、例えば遺伝学的免疫形成のために注射するか、またはサルモネラ、BCG、アデノウィルス、ポックスウィルス、ワクシニアまたはポリオウィルス等のその核酸分子を含有した生体ベクターを構築することによって、免疫形成のために直接使用されてもよい。免疫系に異種抗原を運ぶために使用されてきた幾つかの生体ベクターに関する考察は、例えばO'Hagan(1992 年)(参考文献 17)の中に含まれている。遺伝学的免疫形成のために被験対象中にDNAを直接注射する方法が、例えばUlmer等、1993 年(参考文献 18)の中に記載されている。
【0052】
リン酸緩衝塩水中 0.05 から 1.0 パーセント溶液として普通使用するアジュバントと共に、抗原を同時投与した場合、免疫原性をかなり改善することができる。アジュバントは抗原の免疫原性を高めるが、それ自体は必ずしも免疫原性を示さない。アジュバントは、貯蔵効果を生むために投与部位近傍に抗原を局在させることによって作用し、免疫系の細胞に対する抗原の遅い持続的な放出を促進する。アジュバントは抗原貯蔵部に免疫系の細胞を引寄せ、免疫反応を引起すようにこのような細胞を刺激することもできる。
【0053】
例えばワクチンに対する宿主免疫反応を改善するために、免疫刺激剤即ちアジュバントが長年にわたり使用されてきた。リポ多糖類のような内在性アジュバントは、通常ワクチンとして用いられる死滅または弱体化細菌の成分である。外来性アジュバントは、抗原に普通は非共有結合で結合され、宿主免疫反応を高めるように処方された免疫調節剤である。したがって、非経口的に送達された抗原に対する免疫反応を高めるアジュバントが確認された。しかし、これらのアジュバントの一部は有毒であり、望ましくない副作用を引起すことができ、ヒトや多くの動物に使用するには不適当である。実際、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム(普通アラムと総称される)だけしか、ヒトや動物のワクチン中のアジュバントとして日常的に使用されていない。ジフテリアおよび破傷風のトキソイドに対する抗体反応を増加させる上で、アラムの有効性が十分に確立されている。
【0054】
広範囲の外来性アジュバントが、抗原に対する効力のある免疫反応を引起すことができる。これらのアジュバントは、膜タンパク質抗原と複合したサポニン(免疫刺激複合体)、鉱油を含んだpluronicポリマー、殺菌マイコバクテリアと鉱油、完全フロイントアジュバント、ムラミルジペプチド(MDP)やリポ多糖(LPS)およびリピッドAのような細菌生成物、およびリポソ―ムを含む。
【0055】
体液性免疫反応(HIR)および細胞性免疫(CMI)を効果的に誘発するためには、免疫原をアジュバント中に乳化する。多くのアジュバントは有毒で、肉芽腫、急性および慢性の炎症(完全フロイントアジュバント、FCA)、細胞溶解(サポニンおよびpluronicポリマー)および発熱性、関節炎および前部ブドウ膜炎(LPSおよびMDP)を誘発する。FCAは優れたアジュバントで研究では広く使用されているが、毒性のためにヒトや動物のワクチンに使用することは認可されていない。
【0056】
理想的なアジュバントの望ましい特性は、
(1)毒性がないこと、
(2)長期に持続する免疫反応を刺激することができること、
(3)製造の簡潔さと長期保存時の安定性、
(4)必要ならば、様々なルートで投与される抗原に対して細胞性免疫も体液性免疫反応も引起すことができること、
(5)他のアジュバントとの相助作用、
(6)抗原提示細胞(APC)の集団と選択的に相互作用をすることができること、
(7)適当なTH1またはTH2細胞特異的免疫反応を特異的に引起すことができること、および
(8)抗原に対する適当な抗体イソタイプレベル(例えばIgA)を選択的に増加させることができることを含む。
【0057】
1989年8月8日にLockhoff等に与えられ、参考のために本明細書に挿入されている米国特許第 4855283 号は、免疫調節剤またはアジュバントとして、その各々が糖残基においてアミノ酸で置換されているN-グリコシルアミド、N-グリコシルウレアおよびN-グリコシルカルバメートを含む糖脂質類縁体を教示している。したがって、Lockhoff等 1991 年(参考文献 19)は、スフィンゴ糖脂質やグリセロ糖脂質のような天然糖脂質に構造の類似したN-糖脂質類縁体が、単純疱疹ウィルスワクチンにも仮性狂犬病ウィルスワクチンにも強い免疫反応を引起すことができることを報告した。天然の脂質残基の機能を模倣するために、幾つかの糖脂質が長鎖アルキルアミンおよびアノマー炭素原子を介して糖と直接連結した脂肪酸から合成されてきた。
【0058】
Moloneyに与えられ、本発明の譲受人に譲渡され、参考のために本明細書に挿入されている米国特許第 4258029 号は、破傷風トキソイドやホルマリン不活化I、IIおよびIII型ポリオウィルスワクチンと複合したとき、オクタデシルチロシン塩酸塩(OTH)がアジュバントとして機能することを教示している。また、Nixon-George等,1990年(参考文献 20)は、組換えB型肝炎表面抗原と複合した芳香族アミノ酸のオクタデシルエステルが、B型肝炎ウィルスに対し宿主免疫反応を高めると報告した。
【0059】
6.免疫検定
本発明の、非分類型Haemophilusの菌株のHMWタンパク質、その類縁体および断片、および/またはペプチドは、免疫原として、酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)、RIAおよび他の非酵素結合抗体結合検定を含む免疫検定、または抗菌性HaemophilusHMWタンパク質および/またはペプチド抗体を検出するための当分野で公知の手順における抗原として有用である。ELISA検定では、HMWタンパク質、類縁体、断片、および/またはHMWタンパク質の部分に対応するペプチドが、選択された表面、例えばポリスチレンミクロタイタープレートのウェルのような、タンパク質やペプチドを結合することのできる表面の上に固定化される。吸着の不完全なHMWタンパク質、類縁体、断片、および/またはペプチドを除去するために洗浄した後、試験試料に対して抗原として中性であることが知られているウシ血清アルブミン(BSA)やカゼインの溶液のような非特異的タンパク質が、その選択表面に結合される。これによって固定化表面上の非特異的吸着部位が封鎖され、したがつて抗血清の表面への非特異的結合によつて起こるバックグランドが低下する。
【0060】
次いで、免疫複合体(抗原/抗体)の形成に資するように、固定化表面を臨床物質や生物物質のような試験試料と接触させる。この操作には、BSA、ウシガンマグロブリン(BGG)および/またはリン酸緩衝塩水(PBS)/Tweenのような希釈剤で試料を希釈することが含まれる。次に、約 25 ℃から約 37 ℃のオーダーのような温度で、約2時間から約4時間、試料をインキュベートする。インキュベーションの後、非免疫複合体物質を除去するために、試料接触表面を洗浄する。この洗浄操作は、PBS/Tweenやホウ酸緩衝液のような溶液で洗浄することを含む。
【0061】
試験試料および結合したHMWタンパク質、類縁体、断片、および/またはペプチドとの特異的免疫複合体を形成し、次に洗浄した後、免疫複合体を第1抗体に対する特異性を有する第2の抗体に曝すことによって、免疫複合体形成の発生および発生量をも決定し得る。試験試料がヒト由来のものである場合、第2抗体はヒト免疫グロブリンに対する特異性を有する抗体であて、一般にIgGである。検出手段を提供するために、第2抗体は、例えば適当な発色性物質とインキュベートしたときに発色を起こす酵素活性のような関連する活性を有する。次いで、例えば可視スペクトル分光光度計を用いて発色度を測定することによって、定量化が実現される。
【0062】
7.ハイブリダイゼーションプローブとしての配列の使用
hmw遺伝子の新たに単離し、特定した配列を含む本発明のヌクレオチド配列は、Haemophilusの他の非分類型菌株から得られるhmw遺伝子の同定およびクローニングを可能にする。
【0063】
本発明のhmw遺伝子の配列を含むヌクレオチド配列は、他のhmw遺伝子の相補性鎖と2本鎖分子を選択的に形成することができるために有用である。用途により、他のhmw遺伝子に対するプローブの様々な程度の選択性を実現するために、多様なハイブリダイゼーション条件が使用される。高度の選択性のためには、約 50℃から 70℃の間の温度で 0.02Mから 0.15MのNaClで実現されるような、低塩および/または高温の条件のような比較的厳しい条件が、2本鎖を形成するために使用される。幾つかの用途に対しては、20℃から 55℃の間にわたる温度で 0.15Mから 0.9Mの塩のような厳しさのもっと小さいハイブリダイゼーション条件でよい。ハイブリッド2本鎖を不安定化するために、ホルマミドの添加量を増やすことによっても、ハイブリダイゼーション条件をより厳しくすることができる。したがって、特定のハイブリダイゼーション条件を容易に扱うことができ、選択される方法は一般に望ましい結果に依存することになろう。一般に、50%ホルマミドと 0.15MのNaClの存在下で好都合なハイブリダイゼーション温度は、標的核酸断片との相同性が約95 から 100%であるhmw遺伝子に対しては 42℃で、約90 から 95%の相同性に対して 37℃で、約85 から 90%の相同性に対して 32℃である。
【0064】
臨床診断の実施形態では、ハイブリダイゼーションを決定するために、本発明のhmw遺伝子の核酸配列は、標識のような適当な手段と組合せて使用される。放射性リガンド、酵素性リガンド、または検出可能なシグナルを提供することのできるアビジン/ビオチンのような他のリガンドを含め、多様な適切な標識手段が当分野で知られている。幾つかの診断実施形態では、ウレアーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ等の酵素タグが、放射性タグの代わりに使用される。酵素タグの場合、hmw遺伝子配列を含む試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定するために、ヒトの肉眼に見える手段を提供するために使用するか、または分光光度計によって使用することのできる比色定量用指示薬基質が知られている。
【0065】
本発明のhmw遺伝子の核酸配列は、溶液ハイブリダイゼーションおよび固相操作を用いる実施形態におけるハイブリダイゼーションプローブとして有用である。固相操作を伴う実施形態では、浸出液、体液(例えば、血清、羊水、中耳溢出液、唾液、気管支肺胞洗浄液)または組織までも含む臨床試料のような試料から得られる試験DNA(またはRNA)が、選択されたマトリックスまたは表面に吸着されるか、そうでない場合は付着される。次いで、固定された単鎖核酸は、望ましい条件下で、本発明のhmw遺伝子またはその断片の核酸配列を含む選択されたプローブとの特異的なハイブリダイゼーションを受ける。選択される条件は、例えばG+C含量、標的核酸の型、核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプローブの大きさ等に依存して必要とされる特定の規準に基く特定の状況に依存するであろう。非特異的に結合したプローブ分子を除去するためにハイブリダイゼーション表面を洗浄した後、標識によって特異的ハイブリダイゼーションが検出されるか、または定量化さえもなされる。Haemophilus 種の中に保存されている核酸配列部分を選択することが好ましい。選択されるプローブは長さが少なくとも 18 bpであり、長さが 30 bpから 90 bpの範囲に入る。
【0066】
8.高分子量タンパク質遺伝子の発現
宿主細胞との適合性を示す種から誘導されるレプリコン配列および制御配列を含んだプラスミドベクターは、発現系で高分子量タンパク質遺伝子を発現するために使用される。ベクターは普通、形質転換細胞中に表現型の選択をもたらすことのできる標識配列だけでなく、複製部位をも担持する。例えばE.coliは、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含むpBR 322 を用いて形質転換され、したがって形質転換細胞を同定するための容易な手段を提供する。このpBR 322 プラスミド、または他の微生物プラスミド、またはファージは、自己のタンパク質を発現するために、宿主細胞が使用することのできるプロモーターも含んでいるか、または含むように修飾されねばならない。
【0067】
その上、宿主との適合性を示すレプリコン配列および制御配列を含んだファージベクターを、これらの宿主に関連する形質転換ベクターとして使用することができる。例えばλ GEMTM-11 中のファージを、E.coli LE 392 のような宿主細胞を形質転換するために使用することのできる組換えファージベクターを作る際に、利用することができる。
【0068】
組換えDNAの構築に普通使用されるプロモーターは、β-ラクタマ―ゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター系、および本明細書の好ましい実施形態(米国特許第 4952496 号)で使用されるT7プロモーター系のような他の微生物プロモーターを含んでいる。プロモーターのヌクレオチド配列に関する詳細が公知であり、したがつて技術者はプロモーターを機能的に遺伝子と連結することができる。使用される特定のプロモーターは、一般に望ましい結果に依存する選択の問題であろう。HMWタンパク質および免疫学的断片またはその類縁体の発現に適当な宿主は、E.coli、Bordetella種、Bacillus種、Haemophilus、かび、酵母を含み、あるいはバキュロウィルス発現系が使用されてもよい。E.coliが本発明で使用される好ましい宿主である。
【0069】
特に、Haemophilus種の培養物から精製されるような天然HMWタンパク質が痕跡量の毒性物質や他の汚染物質を含んでいるとき、本発明に従って組換え法によりHMWタンパク質を生産することが好ましい。特に本明細書に記載の構築体を用いて、精製物質中の汚染物質を最小限に抑えるように、宿主から単離することのできる組換え生産HMWタンパク質を異種系中で使用することによって、この問題を回避することができる。その上、組換え生産法によって、HMW1またはHMW2、または免疫原性断片およびその類縁体を、Haemophilus菌株中に存在する普通の組み合わさったタンパク質と異なり、別々に、かつ高純度に生産することができる。
【0070】
生物学的寄託物
本明細書に記載し、言及した非分類型Haemophilusの菌株の高分子量タンパク質に対する核酸コーディングを含む一定のベクターを、ブダペスト条約に従いこの出願前に、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110-2209,USAに在るAmerica Type Culture Collection(ATCC)に寄託した。寄託したベクターの試料を公衆は入手することができ、この米国特許出願に基く特許が与えられたときに、寄託物の入手に課されるあらゆる規制が除かれることになろう。その上、寄託所が生体試料を分与できなければ寄託物を更新することになろう。寄託した実施形態は本発明の単なる例示を意図したものにすぎないので、本明細書に記載し、請求した本発明の範囲は寄託した生物学的材料によって限定されるものではない。この出願書に記載のものと同等または類似の抗原をコード化する核酸を含有する、任意の同等または類似のベクターは、本発明の範囲内にある。
【0071】
【表1】
Figure 0003654512
【0072】
(実施例)
上述の開示は、本発明を一般的に述べている。下記の具体的な実施例を参考文献することによって、より完全な理解を得ることができる。これらの実施例は例示の目的で述べられているに過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。状況によってはよい方法になるかもしれないので、形状の変更および均等物の代用が考えられる。本明細書では特定の用語が用いられているが、これらの用語は記述的な意味のためのものであり、制限の目的のためではない。
【0073】
本開示とこれらの実施例で用いられているが明示的には述べられていない分子遺伝学、タンパク質生化学、免疫学、および発行技術の方法は科学文献では広く報告されており、充分に当業者の能力範囲にある。
【0074】
実施例1
この実施例では、全長160kDaのHMW1Aタンパク質をコードするhmw1ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1091-2の構築について述べる。
【0075】
プラスミドpHMW1-15(参考文献8)は、T7プロモーターとhmw1ABCコード領域の開始点との間に挿入されるhmw1プロモーターを含めて約 400 bpの5'-フランキング領域を含む(図1)。pHMW1-15 のマルチクローニング部位の中にはユニークBgl II部位が1つあり、hmw1Aのコード領域内にはユニークBamH I部位が1つある。2.2 kbのBgl II―BamH I断片を別の操作のためにサブクローニングして、プラスミドDS-1035-12 を生成させた。5'-フランキング領域を含む 400 kbのXba I-Bsm I断片を、T7プロモーターを直接プラスミドDS-1055 R-2中のhmw1A遺伝子のATG開始コドンに接合させる約 86 bpのオリゴヌクレオチド配列(図1B)で置き換えた。DS-1055 R-2からの 1.5 kbのXba I-Bam I断片を、プラスミドDS-1091-2を生成するために、同じ酵素で消化されていたpHMW1-15 に挿入した。
【0076】
実施例2
この実施例では、全長 155 kDaのHMW2Aタンパク質をコードするhmw2ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1094-2の構築について述べる。
【0077】
プラスミドpHMW2-21(参考文献 10)は、T7プロモーターとhmw2ABCのコード配列(図2)の開始点との間に挿入されるhmw2プロモーターを含めて約 800 bpの5'-フランキング配列を含む。プラスミドpHMW2-21 は2つのEcoR I部位を有し、1つはマルチクローニング部位中にあり、もう1つはhmw2A遺伝子のコード配列中にある。2.5 kbのEcoR I断片を別の操作のためにサブクローニングし、プラスミドDS-1036-9を生成させた。5'-フランキング配列を含む約 800 kbのXba I-Bsm I断片を、T7プロモーターを直接hmw2AのATG開始コドンに接合させるために、hmw/に用いられた約 86 bpの同じオリゴヌクレオチド(図1B)に取り替え、プラスミドDS-1056 R-1-1が生成された。中間プラスミド(DS-1078-4)は適切な制限酵素部位を導入するのに必要であり、Xba Iの挿入を行い、次いでプラスミドDS-1085-8の定位を変えるために連結した。プラスミドDS-1085-8をEcoR Iによって線状化し、脱リン酸化し、pHMW2-21 からの8kbのEcoR I断片によって連結し、hmw2ABCのコード配列に直接連結されたT7プロモーターを含むプラスミドDS-1094-2が生成された。
【0078】
実施例3
この実施例は、全長 125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードするhmw1ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1046-1-1 の構築について例示するものである。
【0079】
プラスミドpHMW1-15(参考文献8)はT7プロモーター配列内にXba I部位を、成熟HMW1Aタンパク質(図3A)のコード配列内にユニークBamH I部位を含む。pHMW1-15 の 1.8 kbのXba I-BamH I断片を欠失させ、オリゴヌクレオチド(図3B)から生成させた約 114 bpのXba I-BamH I断片で置き換えた。生成させた 11.3 kbのプラスミドDS-1046-1-1 は、したがって、125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードするhmw1ABCオペロンと構造上接合されたT7プロモーターを含む。
【0080】
実施例4
この実施例は、全長 120 kDaの成熟HMW2Aタンパク質をコードするhmw2ABのC遺伝子の一部を発現するプラスミドDS-1200-3の構築について例示するものである。
【0081】
プラスミドpHMW2-21(参考文献 10)は、成熟HMW2Aタンパク質のコード配列内に1つのEcoR I部位を含む。しかしながら、それは特異的ではない(図4A)。複数のステップから成る構築過程は、105 bpのオリゴヌクレオチド(図4B)からのT7プロモーターおよび成熟HMW2Aタンパク質をコードするhmw2A遺伝子の開始点の第1の再形成部分を含む。プラスミドDS-1134-2は、完全なT7プロモーターおよび成熟HMW2Aタンパク質をコードする5'-配列を含む。プラスミドDS-1134-2をEcoR Iによって線状化し、脱リン酸化し、大部分のhmw2A遺伝子およびhmw2Bとhmw2C遺伝子すべてを含むpHMW2-21 からの8kbのEcoR I断片を挿入した。プラスミドDS-1147-4は、T7hmw2ABC遺伝子カセットを含むpUCベースのプラスミドである。プラスミドDS-1200-3を生成するために、このカセットすべてを 6.5 kbのBgl II―Xho I断片上に取り除き、Bal IIとSal Iで消化されていたpT7-7に挿入した。この構築中にhmw2C遺伝子の一部が削除された。
【0082】
実施例5
この実施例は、125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードするhmw1A遺伝子およびhmw1B遺伝子の一部を含むプラスミドDS-1122-2の構築について例示するものである。
【0083】
プラスミドDS-1046-1-1(図3A;実施例3)は3つのHind III部位を含み、1つはhmw1B遺伝子内に、1つはhmw1C遺伝子内に、さらにもう1つはマルチクローニング部位(図5)の3'-領域にある。DS-1046-1-1をHind IIIで消化させ、次いで再連結させると、125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードする完全なhmw1A遺伝子およびhmw1B遺伝子の一部を含み、hmw1C遺伝子をまったく含まない 125 kDaの成熟プラスミドDS-1122-2が生成された。
【0084】
実施例6
この実施例は、125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードするhmw1A遺伝子を含み、他のhmw遺伝子をまったく含まないプラスミドJB-2330-7の構築について例示するものである。
【0085】
PCR法による増幅をプラスミドDS-1122-2DNA上で行い(図5;実施例5)、ターミネーターを介してhmw1Aの3'-末端近くにあるKpn I部位から 500 bpの断片を生成し、3'-末端のXho IとHind III用に制限酵素部位を導入した。この断片をpCR IIにクローニングし、プラスミドDS-2056-1-1(図6A)を生成させた。さらに、使用したヌクレオチドを図6Bに示す。プラスミドDS-1122-2をKpn IとHind IIIによって消化し、それによって大部分のhmw1A遺伝子およびすべてのhmw1B遺伝子断片が欠失された。DS-1122-2からの 2.6 kbのKpn I-Hind IIIベクター断片をDS-2056-1-1からの 0.5 kbのKpn I-Hind III断片と連結し、約 0.2 kbの5'-hmw1A配列および約 0.5 kbの3'-hmw1A配列を含むKpn I部位に接合されたプラスミドJB-2321-1が生成された。プラスミドJB-2321-1をKpn Iによって線状化し、脱リン酸化し、DS-1122-2からの 2.7 kbの内在Kpn I断片を挿入し、プラスミドJB-2330-7を作成した。このプラスミドは付加のhmw1遺伝子配列がまったくないT7 hmw1A遺伝子カセットを含む。
【0086】
実施例7
この実施例は、125 kDaの成熟HMW1Aタンパク質をコードするT7 hmw1A遺伝子カセットのタンデムコピーを含むプラスミドJB-2369-6の構築について例示するものである。
【0087】
プラスミドJB-2330-7(図6A;実施例6)をBgl IIとHind IIIによって消化し、T7 hmw1A遺伝子カセットをBgl IIとHind IIIによって消化されていたpUC-BgXbにサブクローニングし、プラスミドJB-2337-1(図7)を作成した。プラスミドJB-2337-1をSal IとXho Iによって消化し、互換性の末端を有する断片上にT7 hmw1A遺伝子カセットを切り離した。ベクターDS-1843-2は、転写終止コドンおよびユニークXho I部位を有するマルチクローニング部位を含むpBR 328 ベースのプラスミドである。ベクターDS-1843-2をXho Iで消化し、脱リン酸化し、次いで 3.5 kbのSal I-Xho I T7hmw1A遺伝子カセットと連結させ、プラスミドJB-2347-5を生成させた。Sal IおよびXho I部位は閉ざされているので、このプラスミドはJB-2337-1に由来する付加のSal I-Xho I T7hmw1A遺伝子カセットを挿入するのに用いられるT7 hmw1A遺伝子の3'-末端にユニークXho I部位を含む。プラスミドJB-2369-6は、このようにして導入された2つのタンデムT7 hmw1A遺伝子を含む。
【0088】
実施例8
この実施例は、成熟HMW2Aタンパク質をコードするT7 hmw2A遺伝子カセットの1つまたは2つのタンデムコピーを含むプラスミドDS-2084-3およびDS-2084-1の構築について例示するものである。
【0089】
プラスミドDS-1200-3(図4A,実施例4)は、C遺伝子カセットの一部であるT7 hmw2ABを含む。DS-1200-3内には2つのMlu I部位があり、1つはhmw2Aの3'-末端近くに位置し、もう1つはhmw2Bの5'-末端近くに位置する(図8A)。オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、PCRによってMlu I部位からのhmw2A遺伝子3'-末端の 247 bpの断片を増幅させ、ユニークBamH I部位の次にhmw2Aの停止コドンを導入した(図8B)。247 bpのPCR断片をpCR IIにサブクローニングして、プラスミドDS-2056-3-1を生成させた。プラスミドDS-1200-3をBgl IIとMlu Iによって消化し、T7プロモーターおよび大部分のhmw2A遺伝子を含む 3.2 kbの断片を精製した。プラスミドpUC-BgXbをBgl IIとBamH Iによって消化して脱リン酸化した。Bgl II-Mlu I hmw2A遺伝子断片およびDS-2056-3-1からのMlu I-BamH I PCR断片を連結させてpCUベクターにして、Bgl II-BamH I断片上に 3.4 kbのT7 hmw2A遺伝子カセットを含み付加のhmw2遺伝子をまったく含まないプラスミドDS-2073-3を生成させた。プラスミドDS-1843-2をBgl IIで線状化し、3.4 kbのBgl II-BamH Iカセットを挿入し、単一のT7 hmw2A遺伝子カセットおよび2つのタンデムT7 hmw2A遺伝子カセットを含むプラスミドDS-2084-1を含むプラスミドDS-2084-3を生成させた。
【0090】
実施例9
この実施例は、約 125 kbの成熟HMW1Aタンパク質をコードするタンデムT7hmw1A/T7 hmw1ABC遺伝子を含み、アンシピリンまたはカナマイシンに対してそれぞれ耐性のあるプラスミドJB-2057-7およびBK-86-1-1の構築について例示するものである。
【0091】
プラスミドDS-1046-1-1(図3A;実施例3)は、T7 hmw1ABC遺伝子カセットを含み、成熟HMW1Aタンパク質のコード領域内にユニークBamH I部位を有する。プラスミドJB-2369-6(図7;実施例7)は複数のタンデムT7 hmw1A遺伝子カセットを含み、その各々がHMW1A用のコード配列内に内在BamH I部位を含む。プラスミドJB-2369-6をBamH Iで消化すると、第1のhmw1A遺伝子の3'-末端、T7プロモーター、および第2のhmw1A遺伝子の5'-末端を含む 3.5 kbの断片を生成させた。この断片をDS-1046-1-1のBamH I部位に連結させて、タンデムT7 hmw1A/T7 hmw1ABC遺伝子カセットを含むプラスミドJB-2507-7を作成した(図9)。pT7-7ベクターの基幹のマルチクローニング部位にあるユニークSal I部位をJB-2507-7の線状化に用いた。カナマイシンに耐性のあるカセットを、Sal Iでの消化によるpUC-4Kから切除し、JB-2507-7ベクターと連結させ、プラスミドBK-86-1-1を生成させた。
【0092】
実施例 10
この実施例は、T7 hmw1ABC遺伝子カセットおよびE.coli cer遺伝子を含み、アンシピリンまたはカナマイシンに対してそれぞれ耐性のあるプラスミドBK-35-4およびBK-76-1-1の構築について例示するものである。
【0093】
プラスミドDS-2224-1-4(図 10)は、pUC-BgXbのBamH I部位にクローニングされた約 290 bpのオリゴヌクレオチドからのE.coli cer遺伝子(参考文献 13)を1つ含む。プラスミドDS-1046-1-1(図3A;実施例3)は、T7プロモーターの上流にユニークBgl II部位を含む。プラスミドDS-1046-1-1をBgl IIで線状化し、脱リン酸化し、DS-2224-1-4からのcer遺伝子を含む 290 bpのBamH I断片と連結させ、プラスミドBK-35-4を形成させた。カナマイシンに耐性のあるカセットを、Sal Iでの消化によるpUC-4Kから削り取り、BK-35-4のユニークSal I部位に挿入し、プラスミドBK-76-1-1を形成させた。
【0094】
実施例 11
この実施例は、前述の実施例において生成された異なる構築体からのrHMW1およびrHMW2タンパク質生成の分析を例示するものである。
【0095】
プラスミドを、Biorad器具を用いたエレクトロポレーションによって、E.coli BL 21(DE3)細胞に導入した。37 ℃のNZCYM媒体中で、菌株を光学濃度A878=0.3 まで成長させ、次いで4時間かけてラクトースを 1.0 %まで加えることによって誘発した。SDS-PAGEリーシスとローディングバッファーによって、サンプルを 0.2 OD/μlに調整し、同量のタンパク質サンプルをSDS-PAGEゲル上にのせた。図 11 は、SDS-PAGEゲルによって分析され、さまざまな構築体からのrHMWタンパク質の相対的生成量を例示するものである。特定の構築体に関するレーンの同定結果は、上述の図の記述の中で与えられている。「a」はHMWAタンパク質のバンドを示し、「b」はHMWBタンパク質のバンドを示し、「c」はHMWCタンパク質のバンドを示す。
【0096】
図を見ると分かるように、T7 hmw1ABC(160)構築体(レーン3)からのHMW1A、BおよびCタンパク質の生成はごくわずかである。3つのタンパク質すべての生成が、T7 hmw1ABC(125)構築体(レーン4)では向上する。レーン5では、HMW1Cタンパク質の生成がまったくなく、B構築体の一部のT7 hmw1A内の遺伝子の先端が切り取られることによって、HMW1Bタンパク質の大きさがわずかに減少する。レーン6では、T7 hmw1ABC(125)構築体からのHMW1BまたはHMW1Cタンパク質の生成がまったくない。レーン7は、T7 hmw1A/T7 hmw1A構築体からのHMW1Aの生成の向上は、たとえあるにしてもわずかであった。レーン8では、HMW1A、HMW1B、およびHMW1Cタンパク質の生成は、それらがT7 hmw1A/T7 hmw1ABC構築体から発現される場合は明らかである。レーン9では、HMW1A、HMW1B、およびHMW1Cタンパク質はすべてT7 hmw1ABC/cer構築体から生成される。
【0097】
実施例 12
このサンプルは、組換え型HMW1およびHMW2タンパク質の精製を例示するものである。
【0098】
さまざまな構築体中のBまたはC遺伝子の削除が完全であれ部分的であれ、すべての組換え型HMWタンパク質がE.coli内の封入体として発現され、同じ手順(図 12)で精製された。500 ml培地からのE.coli細胞のペレットを、pH 8.0 で 0.1 M NaClを含む 50 mM Tris-HCl 50 ml中で再懸濁して、超音波によってかき混ぜた。抽出液を 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離して、生成した上澄みを捨てた。pH 8.0 で 0.5 %Triton X-100 および 10 mM EDTAを含む 50 mM Tris-HCl 50 ml中で、ペレット(PPT1)をさらに抽出して、次いで 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離して、上澄みを捨てた。pH 8.0 で1%のオクチルグルコサイドを含む 50 mM Tris-HCl 50 ml中で、ペレット(PPT2)をさらに抽出して、次いで 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離して、上澄みを捨てた。
【0099】
上述の抽出後に得られたペレット(PPT3)は、封入体を含む。このペレットをpH 8.0 で6Mグアニジンおよび5mM DTTを含む 50 mM Tris-HCl 6ml中で可溶化した。pH 8.0 の 50 mM Tris-HCl 12 mlをこの溶液に加えて、混合物を 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離した。その上澄み(SUP4)をポリエチレングリコール(PEG)4000 で、最終濃度7%に沈殿させた。生成したペレット(PPT5)を 20,000 g(重力加速度) で 30 分間の遠心分離で除去して、その上澄みを飽和度 50 %の(NH4)2SO4で沈殿した。(NH4)2SO4を加えた後、その溶液をタンパク質で相分離し上相にして、次いで 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離した。生成したペレット(PPT6)を6MグアニジンHClおよび5mM DTTを含むpH 8.0 の 50 mM Tris-HCl 2ml中で溶解し、その透明溶液を、pH 8.0 で2MグアニジンHClを含む 50 mM Tris-HCl中で平衡化されたSuperdex 200 ゲルろ過コラムで精製した。その留分をSDS-PAGEで分析し、精製rHMW1を含むものをプールして4℃で一昼夜PBSに対してディスプレーし、次いで 20,000 g(重力加速度) で 30 分間遠心分離した。この条件下ではタンパク質は可溶性のままであり、マイナス 20 ℃で保存するためにrHMW1沈殿にグリセリンを加えて最終濃度 20 %にした。
【0100】
さまざまな精製段階の代表的なrHMW1タンパク質(abc/cer)のSDS-PAGE分析を図 13 に示す。レーンの同定を図の記載中に示す。最初の3つの抽出液、pH 8.0 の 50 mM Tris-HCl/0.1 M NaCl(レーン3)、pH 8.0 の 50 mM Tris-HCl/0.5 % Triton X-100(レーン4)、pH 8.0 の 50 mM Tris-HCl/1%オクチルグルコシド(レーン5)の後では、約110、80、60 kDaの3つの主なタンパクの質バンド(レーン6)は明らかであった。N-末端アミノ酸配列で確認されるように、これら3つのタンパク質は、それぞれhmw1A、C、B遺伝子の産物である。BおよびC遺伝子の産物は、グアニン塩酸塩溶液中では可溶性が低く(レーン7)、グラニジンHCl濃度を6Mから2Mに希釈することによって、遺伝子Aの産物(HMW1、レーン8)から容易に分離された。7%ポリエチレングリコール(PEG)4000 による沈降で、rHMW1調製からの他の混合タンパク質(レーン9)を除去した。最終的な硫酸アンモニウム沈降で、PEG可溶性留分(レーン 10)からのrHMW1を凝集しただけでなく、残留したPEG(レーン 11)、高濃度の(NH4)2SO4を有するPEG溶液の混合による相分離を介した(NH4)2SO4塩(レーン 12)効果的に除去した。次いでrHMW1ペレットを、6MグアニジンHClおよび5mM DTTを含むpH 8.0 の 50 mM Tris-HCl中で溶解し、pH 8.0 で2MグアニジンHClを含む 50 mM Tris-HCl中であらかじめ平衡化されたSuperdex 200 ゲルろ過コラムで精製した(図 14、パネルA)。精製されたrHMW1の平均量は、培地1Lあたり 10 mgである。T7 hmw2A/T7 hmw2A構築体からのrHMW2A精製のSDS-PAGE分析を図 14、パネルBに示す。
【0101】
実施例 13
この実施例は、精製されたrHMW1Aタンパク質の安定性を例示するものである。
【0102】
rHMW1Aの安定性を研究するために、実施例 12 に従って生成された精製されたrHMW1Aタンパク質を、グリセリンと共にまたはグリセリンなしで、4℃またはマイナス 20 ℃で保存してた。グリセリンが存在しない場合、タンパク質は4℃で保存されると解体され、マイナス 20 ℃で保存されると沈殿する傾向があった。最終濃度 20 %までグリセリンを加えると、rHMW1Aの可溶性が大幅に上がっただけでなく、マイナス 20 ℃で保存する場合のタンパク質の安定性が増した。繰り返しの凍結および解凍の後も、タンパク質は少なくとも8週間はそのままの状態だった(図 15)。
【0103】
実施例 14
この実施例は、異なる構築体から生成されたrHMW1AおよびrHMW2Aタンパク質の免疫原性を例示するものである。
【0104】
T7 hmw1ABC(pDS-1046-1-1、図3A、実施例3)またはT7 hmw1ABC/cer(pBK-76-1-1、図 10、実施例 10)構築体から生成され、実施例 12 の手順に従って精製されたrHMW1タンパク質の免疫原性を研究するために、5匹のBALB/cマウス(ケベック州チャールズリバー産)を、AlPO4(一投与量あたり 1.5 mg)の存在下で1日、29 日、43 日目に 0.3、1、3μgの抗原で免疫性を与えた。0、14、28、42、56 日目に、血液サンプルを集めた。
【0105】
T7 hmw1ABCまたはT7 hmw1ABC/cer構築体(一投与量あたり 0.3 から3μgに由来する精製rHMW1によって免疫性を与えられたマウスは、投与量依存性抗rHMW1抗体反応を起こし(図 16)、この反応は両方のタンパク質が封入体の抽出および可溶化の後でも免疫遺伝的であることを示唆している。マウスにおいて、この2つの構築体からのタンパク質によって誘発される抗体の滴定濃度中には、統計的に大幅な差異は見られなかった。
【0106】
いくつかの異なる構築体から生成され実施例 12 に従って精製された、rHMW1およびrHMW2タンパク質の免疫原性を比較するために、AlPO4(一投与量あたり 1.5 mg)の存在下でrHMWタンパク質 30 μgを用いて、1、14、28 日目に9匹のチンチラ(モールトンチンチラ牧場産)のグループに免疫性を与えた。42 日目に、血液サンプルを集めた。さまざまな型のrHMWによって誘発されるチンチラ抗HMW抗体反応を表1に要約する。
【0107】
T7 hmw1AB(125)(ab/Δ)(pDS-1122-2、図5、実施例5)構築体ではなく、T7 hmw1ABC(abc)(pDS-1046-1-1、図3A、実施例3)、T7 hmw1A/T7 hmw1ABC(a/abc)(pBK-86-1-1、図9、実施例9)、T7 hmw1ABC/cer(abc/cer)(pBK 76-1-1、図 10、実施例 10)、およびT7 hmw1A/T7 hmw1A(2Xa)(pJB-2369-6、図7、実施例7)構築体から調製されたrHMW1が、3つの免疫処置後にチンチラの体内で相当な抗体滴定濃度を誘発することが分かった。同様に、T7 hmw2ABC(abc)(pDS-1147-4、図4A、実施例4)またはT7 hmw2A/T7 hmw2A(2Xa)(pDS-2084-1、図8A、実施例8)構築体から調製され、実施例 12 に従って精製されたrHMW2が3つの免疫処置後にチンチラの体内で相当な抗体滴定濃度を引き出すことが分かった。
【0108】
抗rHMW IgG滴定濃度を、抗原特異的酵素連結免疫吸着剤アッセイ(EIAs)によって決定した。Microtiter wells(ナンク-マキシソープ、ナンク、デンマーク)をタンパク質抗原 50 μl(0.5 μg ml-1)でコーティングした。このアッセイで用いられた試薬は次の通りである:ホースラディシュペルオキシダーゼに結合させたヤギ抗マウスIgG(Fc特異的)の親和性精製されたF(ab')2断片(Jackson Immuno Research Labs.、オンタリオ州ミシソーガ)、親和性精製されたモルモット抗IgG抗体(1μgml-1)(この研究室で調製された)、およびレポーターとして用いられたホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP)に結合させたヤギ抗モルモットIgG(H+L)抗体(Jackson Immuno Research Labs.)。チンチラIgGを、Barenkamp(参考文献 14)に従ってチンチラ血清から精製した。モルモット抗チンチラIgG抗体の発生および精製については前に述べた(参考文献 15)。テトラメチルベンジジンを用いて反応を進展させ(TMB/H22、ADI、オンタリオ州ミシソーガ)、Flow Multiskan MCC マイクロプレートリーダー(ICN Biochemicals、オンタリオ州ミシソーガ)で 450 nmで吸光度を測定した(基準波長として 540 nmを用いた)。抗血清の反応による滴定濃度を、常に2倍以上の吸光度の増加を示すあらかじめ採取した血清サンプルと共に得られた希釈度の逆数として定義した。
【0109】
実施例 15
この実施例は、異なる構築体から生成されたrHMW1AおよびrHMW2Aタンパク質の防御能を例示するものである。
【0110】
チンチラにおける新しく成長させたストレプトマイシン耐性NTH1菌株 12 での免疫および鼻腔内の攻撃誘発については述べてきた(参考文献 15)。簡潔に述べると、8から9匹の動物グループを次のもので3度筋肉内免疫した:0、14、28 日目に精製rHMW1およびrHMW 30 μg、アラム中の熱不活性(56 ℃、10 分)NTHi全細胞2× 109 cfu、またはアラムのみで。EIAsによって抗HMW1または抗rHMW2抗体の滴定濃度を測定するために、血清サンプルおよび鼻洗浄サンプルを 42 日目に取り出した。
【0111】
44 日目に、筋内注射(体重1kgあたり 0.06 mgキシラジンおよび 0.3 mgケタミンHCl)によるキシラジン/ケタミンHClを用いて動物に軽度の麻酔をかけた。共に2μgml-1であるヘミンおよびNADを補充したBHI培地で新しく培養した、ストレプトマイシン耐性NTHi菌株 12 に受動的吸入法(鼻腔あたり 50 μl、動物あたり計 0.1 ml)によって鼻腔内でインキュレーションを行った。バクテリア攻撃の投与量は、動物あたり1× 108 cfuであった。インキュレーション後に、麻酔したチンチラに、4日間鼻咽喉洗浄を行った(キシラジン/ケタミンHCl、44 日目と同じ方法および投与量)。1mlの滅菌塩水で鼻咽喉を洗浄して、反対側の鼻腔から流体を集めることによって分泌物を得た。標準的に、各々の動物から流体約 500 μlを集めて、ストレプトマイシン 50 μl(20 mg ml-1)の存在下で、サンプル 25 μlをチョコレート寒天培地上で培養した。
【0112】
NTHi菌株 12 を有するチンチラ鼻咽喉のNPコロニゼーションにおけるさまざまなrHMW1およびrHMW2調製に関する非経口免疫処置の保護効果を表2に要約する。アラムのみで免疫性を与えられた対照動物の 67 %から 88 %は、培地陽性の鼻部洗浄流体を有した。対照的に、構築体abc(pDS-1046-1-1)a/abc(pBK 86-1-1)、またはabc/cer(pBK-76-1-1)から精製されたrHMW1タンパク質で免疫性を与えられた動物の 67 %から 80 %は広く保護された。構築体abΔ(pDS-1122-2)または構築体2Xa(pJB-2369-6)に由来するrHMW1タンパク質で免疫性を与えられた動物は、70 %から 90 %が感染した。これらの結果によって、チンチラモデルにおけるNTHi菌株 12 のコロニゼーションに対して有意な保護を得るためには、rHMW1タンパク質は無傷のABC遺伝子を有する構築体に由来しなければならないことが明らかに示された。
【0113】
rHMW2タンパク質に関しても、同様の結果をを観察した。表2に示すように、構築体2Xa(pDS-2084-1)からではなく構築体abc(pDS-1147-4)から精製されたrHMW2タンパク質で免疫性を与えられた動物は、チンチラモデルにおけるNTHi菌株 12 のコロニゼーションに対して保護された。いずれの場合も、米国特許第5,603,938 号に従って調整された、熱不活性NTHi 12 の全細胞調製によって免疫性を与えられたチンチラにおいては有意な保護を観察した。
【0114】
実施例 16
この実施例は、付加のNTHi菌株からのhmwA遺伝子のクローニングおよび配列分析を例示するものである。
【0115】
染色体DNAをいくつかのNTHi菌株から調製し、図 17 に示したオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCR法を行った。センスプライマー(5522.SL、配列番号 21)は、プロセシング部位のすぐ上流に成熟HMWタンパク質の残基をコードするhmwA遺伝子の保存領域に対応する。アンチセンスプライマー(5523.SL、配列番号 24)は、これもまた保存されているhmwB遺伝子の開始点に対応する。
【0116】
PCR法による増幅を次のように行った:5〜 100 ngのDNAを含む各反応混合物、各プライマー1μg、taq+またはtag+(Sangon)またはtaq plus long(Stratagene)の5ユニット、2mM dNTPs、20 mM Tris-HCl(pH 8.8)、10 mM Kcl、10 mM (NH4)2SO4、2mM MgSO4、0.1 % Triton X-100 BSA。循環条件は、95 ℃で1分間、次に 95 ℃で 30 秒を 25 サイクル、45 ℃で1分間、72 ℃で2分間、次いで 72 ℃で 10 分間。
【0117】
菌株Joycからのhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 25)および推定アミノ酸配列(配列番号 26)を図 18 に示す。菌株Joycからの予想される成熟HMW1Aタンパク質(配列番号 27、アミノ酸配列番号 28 をエンコードしている)は、分子量 125.9 kDaであり 8.21.のpIを有する。Joyc HMW1A中には、RGDモティーフはまったく見られない。菌株Joycからのhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 29)および推定アミノ酸配列(配列番号 30)を図 19 に示す。菌株Joycからの予想される成熟HMW2Aタンパク質(配列番号 31、アミノ酸配列番号 32 をエンコードしている)は、分子量 100.9 kDaであり 6.91.のpIを有する。Joyc HMW2A中には、RGDモティーフはまったく見られない。
【0118】
K1菌株からの欠損hmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 33)および推定アミノ酸配列(配列番号 34,35)を図 20 に示す。K1菌株中には完全なhmw1A遺伝子が存在するが、ポリG域のすぐ次にフレームシフトがあり、これによってアミノ酸 326 以降のHMW1Aタンパク質の早期停止が起こる。
【0119】
菌株K 21 からのhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 38)および推定アミノ酸配列(配列番号 39)を図 21 に示す。菌株K 21 からの予想される成熟HMW1Aタンパク質(配列番号 40、アミノ酸配列番号 41 をエンコードしている)は、分子量 104.4 kDaであり 8.71.のpIを有する。K 21 HMW1A中の残基 20 から 22 に位置するRGDモティーフが1つある。
【0120】
菌株LCDC2からのhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 42)および推定アミノ酸配列(配列番号 43)を図 22 に示す。菌株LCDC2からの予想される成熟HMW1Aタンパク質(配列番号 44、アミノ酸配列番号 45 をエンコードしている)は、分子量 114.0 kDaであり 8.72.のpIを有する。LCDC2 HMW1A中には、RGDモティーフはまったく見られない。菌株LCDC2からのhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 46)および推定アミノ酸配列(配列番号 47)を図 23 に示す。菌株LCDC2からの予想される成熟HMW2Aタンパク質(配列番号 48、アミノ酸配列番号 49 をエンコードしている)は、分子量 111.7 kDaであり 8.22.のpIを有する。LCDC2 HMW2A中には、RGDモティーフはまったく見られない。
【0121】
菌株PMH1からのhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 50)および推定アミノ酸配列(配列番号 51)を図 24 に示す。菌株PMH1からの予想される成熟HMW1Aタンパク質(配列番号 52、アミノ酸配列番号 53 をエンコードしている)は、分子量 102.4 kDaであり 6.73.のpIを有する。PMH1 HMW1A中には2つのRGDモティーフがあり、第1のモティーフは残基 19 から 21、第2のモティーフは残基 505 から 507 にある。菌株PMH1からのhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 54)および推定アミノ酸配列(配列番号 55)を図 25 に示す。菌株PMH1からの予想される成熟HMW2Aタンパク質(配列番号 56、アミノ酸配列番号 57 をエンコードしている)は、分子量 103.9 kDaであり 9.07.のpIを有する。PMH1 HMW2A中には2つのRGDモティーフがあり、第1のモティーフは残基 26 から 28、第2のモティーフは残基 532 から 534 にある。
【0122】
菌株 15 からのhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 58)および推定アミノ酸配列(配列番号 59)を図 26 に示す。菌株 15 からの予想される成熟HMW1Aタンパク質(配列番号 60、アミノ酸配列番号 61 をエンコードしている)は、分子量 103.5 kDaであり 8.06.のpIを有する。菌株 15 のHMW1A中にはRGDモティーフはまったく見られない。菌株 15 からのhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 62)および推定アミノ酸配列(配列番号 63)を図 27 に示す。菌株 15 からの予想される成熟HMW2Aタンパク質(配列番号 64、アミノ酸配列番号 65 をエンコードしている)は、分子量 121.9 kDaであり 8.22.のpIを有する。菌株 15 のHMW2A中にはRGDモティーフはまったく見られない。
【0123】
米国特許第5,603,938 号に含まれるように、菌株 12 からのhmw1Aおよびhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号: 66,70)および推定アミノ酸配列(配列番号: 67,71)を図 28 および図 29 にそれぞれ示す。
【0124】
推定HMW1Aタンパク質および推定HMW2Aタンパク質の配列と、公表されている菌株 12 からのHMW1Aタンパク質およびHMW2Aタンパク質の配列を図 30 に示す(配列番号 67,71)。成熟タンパク質の開裂部位を矢印で示す。特に残基約 980 〜 1168 とカルボキシル末端の残基約 1360 〜末端との間で、同様の領域が同定される。残基 1219 あたりに挿入されるタンパク質の中には繰り返し配列があるものもあるようであり、最も顕著なのは2つのタンデム挿入繰り返し配列を有すると思われるJoyc HMW1AとK1 HMW1Aであるが、K 21 HMW1AとLCDC2 HMW2Aは繰り返し配列のコピーを1つしか含まない。菌株 15 HMW2Aは、同じ場所に位置する異なった繰り返し部分を含む。菌株 15 HMW2A以外のすべてのHMW2Aタンパク質で見られる残基 583 に挿入された半保存配列の短い部分がある。しかしながら菌株 15 HMW1Aタンパク質では、それが見られる。
【0125】
実施例 17
この実施例は、hmw1Aまたはhmw2A遺伝子が増幅されたかどうかを決定するために用いられる、PCR法による増幅を例示するものである。
【0126】
hmw1オペロンとhmw2オペロンの間に保存されている配列上のプライマーによってhmwA遺伝子をPCR法で増幅すると、増幅した遺伝子はhmw1またはhmw2のどちらかであるはずである。hmw遺伝子は包み込まれた菌株内では発生しないが、
H.インフルエンザ菌株RDの遺伝配列内で5'-および3'-フランキングが見られるはずである(参考文献 16)。菌株RD遺伝子HI 1679 からの5'-hmw1フランキング(プライマー 5672.SL、配列番号 74)および菌株Rdの遺伝子HI 1598 由来の5'-hmw2フランキング領域(プライマー 5676.SL、配列番号 75)を基にオリゴヌクレオチドセンスプライマーが生成された。増幅されたhmwA遺伝子の内部配列を基に、アンチセンスプライマーが生成された。オリゴヌクレオチドプライマーを図 31 に示す。プライマー 5742.SL(配列番号 78)を用いて、菌株K1、K 21、PMH1、15 からのhmwA遺伝子を増幅させる一方で、プライマー 5743.SL(配列番号 81)を用いてPCR法によって菌株JoycとLCDC2からのhmwA遺伝子を増幅させた。hmwA特異性プライマー(5742.SLおよび 5743.SL)および実施例 16 でクローニングされた遺伝子の配列と対照をなす配列を用いて、増幅した断片を直接シークエンスした。PCR法で増幅されたhmwA遺伝子をhmw1Aまたはhmw2Aであると同定した後に、特異的PCRプライマーを用いて、成熟タンパク質の開始点で工作された開始コドンを有する遺伝子の第2のコピーを増幅した。発現用のLCDC2hmw2A遺伝子を増幅させるために用いられるPCRプライマーの代表的なペアを、図 33 Bに示す(5972.SL、配列番号 92 ; 5973.SL、配列番号 95)。
【0127】
実施例 18
この実施例は、E.coli中のhmwABC遺伝子の発現に必要な一般的なプラスミドの構築を例示するものである。
【0128】
実施例 16 に示すように、hmw1Aおよびhmw2A遺伝子は、hmwを含みH.インフルエンザ型ではないあらゆる菌株からPCR法により増幅されるが、保護性のある組み替え抗原を生成するためではなく、これらはhmwBC遺伝子の存在下で発現されなければならない。一般的な発現プラスミドは、T7プロモーター、菌株 12 hmw1BC遺伝子、E.coli cer遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、あらゆるhmwA遺伝子を挿入するためのクローン部位を含むように構築される。
【0129】
プラスミドBK-76-1-1(図 10、実施例 10)をEcoR Iで消化して最連結させ、hmw1Aの3'-末端と削除されたhmw1Bの5'-末端を含む2kbのEcoR I断片を有するプラスミドJB-2581-2-1を生成した(図 32 A)。次の操作のためにBK-76-1-1からの2kbのEcoR I断片をpUC-BgXbにサブクローニングして、プラスミドJB-2581-1-1を作成した。図 32 Bでは、hmw1Aの3'-末端(5947.SL、配列番号 83 ; 5948.SL、配列番号 86)およびhmw1Bの5'-末端(5949.SL、配列番号 87 ; 5950.SL、配列番号 90)の増幅に用いられるオリゴヌクレオチドプライマーを示し、2つの遺伝子の接合におけるXba I部位を紹介する。プラスミドJB-2603-1-1は、hmw1A遺伝子の-EcoR IXbaI3'-断片 1.5 kbを含み、プラスミドJB-2603-2-1は、hmwA-B相互遺伝配列およびhmw1Bの5'-末端のXba I-EcoR I断片約 550 bpを含む。プラスミドJB-2581-2-1をEcoR Iで線状化して、脱リン酸化して、JB-2603-1-1およびJB-2603-2-1からのEcoR I-Xba I挿入物と連結させて、プラスミドJB-2641-1を生成した。hmw1A遺伝子とhmw1B遺伝子の間に余分なXba I部位を含むこと以外は、このプラスミドはBK-76-1-1と全く同じである。プラスミドJB-2641-1をXba Iで消化すると完全なhmw1A遺伝子が削除されたが、hmw1BC遺伝子はそのまま残った。ベクター断片の再連結によって、hmwA遺伝子をXba I部位でクローニング可能な一般的な発現ベクターであるプラスミドJB-2646-1が生成した(図 32 A)。
【0130】
一般的な発現ベクターの有用性を例証するために、菌株 12 hmw1BC遺伝子と結びついたLCDC2 hmw2A遺伝子を含むキメラT7 hmwABC遺伝子カセットを生成した。LCDC2 hmw2A遺伝子を、図 33 Bで例示されpCR IIにクローニングされるプライマーを用いてPCR法で増幅させ、半時計方向の定位にhmw2A遺伝子を含むプラスミドBK-137-3-10 を生成した。クローニング用にhmw2A遺伝子の定位を変えるために、このプラスミドをBamH Iで消化してhmw2A挿入物を切り離して、次いで両断片を再連結した。プラスミドBK-177-3-2は、時計方向の定位にLCDC2 hmw2A遺伝子を含む。プラスミドBK-177-3-2をNde IおよびXho Iで消化して、hmw2A断片をNde IおよびSal Iで消化しておいたpT7-7に連結させ、プラスミドBK-189-2-5を生成した。一般的な発現プラスミドJB-2646-1(図 32 A)をXba Iで線状化して脱リン酸化した。プラスミドBK-189-2-5をXba Iで消化して、それによって発現ベクターに挿入するはずのhmw2A遺伝子を切り離した。したがってプラスミドDS 2334-5は、LCDC2からのhmw2A遺伝子および菌株 12 からのhmw1BC遺伝子から成るT7 hmwABC遺伝子カセットを含む。
【0131】
実施例 19
この実施例は、T7 hmwA/T7 hmwABCカセット、E.coli cer遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドDS 2400-13 の構築について例示するものである。
【0132】
プラスミドDS 1843-2は、EcoR I部位とPst I部位の間に挿入されるマルチクローニング部位を含むテトラサイクリン耐性pBRベースベクターである。DS-1843-2をXho Iで線状化し、脱リン酸化して、pUC-4Kからのカナマイシン耐性遺伝子をSal I断片上に挿入して、テトラサイクリンとカナマイシンの両方に耐性のあるプラスミドDS-2372-31 を生成した。プラスミドDS-2372-31 をBgl IIで線状化、脱リン酸化して、プラスミドDS-2224-1-4からの合成E.coli cer遺伝子をBamH I断片上に挿入して、プラスミドDS-2379-2-6を生成した。プラスミドDS-1046-1-1(図3A、実施例3)をBgl-IIおよびSal-Iで消化して、T7 hmwABC遺伝子断片をBamH IおよびSal Iで消化されていたDS-2379-2-6に挿入した。生成したプラスミド(DS-2391-1)は、T7 hmwABC遺伝子およびE.coli cer遺伝子を含むpBRベースカナマイシン耐性およびテトラサイクリン感受性ベクターである。JB-2369-6(図7、実施例7)をBamH Iで消化して、pBR T7hmwABC/cer/kanRベクターの特異的BamH I部位に挿入される内在3'-hmwA/T7 5'-hmwA断片を切り離した。したがって、生成したpBR T7 hmwA/T7 hmwABC/cer/kanRプラスミド(DS-2400-13)は複数のhmwA遺伝子を含む(図 34 参考文献)。
【0133】
(開示の概要)
本開示を要約すると、本発明は、核酸分子および核酸分子が組み込まれた構築体を提供するものであり、防御的な非分類型Haemophilus influenzaeの高分子量タンパク質の組換えによる生産を可能にする。本発明の範囲内で、修正は可能である。
【0134】
【表2】
Figure 0003654512
【0135】
9匹のチンチラのグループに、アラムに吸収される上述の抗原 30 μlで、1,14,28 日目に免疫性を与えた。血液サンプルは 42 日目に集めた。抗血清の反応による滴定濃度を、常に2倍以上の吸光度の増加を示すあらかじめ採取した血清サンプルと共に得られた希釈度の逆数として定義した。2組の数字が2組の実験を示す。
【0136】
【表3】
Figure 0003654512
【0137】
9匹のチンチラのグループに、アラムに吸収される上述の抗原 30 μlで、1,14,28 日目に免疫性を与えた。血液サンプルは 42 日目に集めた。44 日目に、生き生きと培養されたステレオマイシン耐性NTHi菌株 12 による鼻腔イノキュレーションによって動物を攻撃した。バクテリア攻撃の投与量は、動物あたり1× 108 cfuであった。イノキュレーションの4日後に鼻咽喉洗浄を行い、鼻腔洗浄液 25 μlをチョコレート寒天培地上で培養した。
【0138】
鼻腔洗浄流体 25 μlから 50 cfuを超えるバクテリアが回収できない場合、動物は感染していると定義した。
【0139】
対照動物とMann-Whiteney Rank Sum Testと比較した場合、統計的な有意が見られた(P< 0.05)。
【0140】
【表4】
Figure 0003654512

【図面の簡単な説明】
【図1A】 全長 160 kDaのHMW1Aタンパク質をコードするhmw1ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1091-2を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、BsがBsm I、HがHind III、RがEcoR I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、HMW1pがhmw1プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図1B】 図1Aの構築方式に使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号1、2および3)の配列を示す図である。
【図2】 全長 155 kDaのHMW2Aタンパク質をコードするhmw2ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1094-2を創る構築方式である。制限酵素部位の各略号は、BgがBgl II、BsがBsm I、HがHind III、RがEcoR I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、HMW2pがhmw2プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図3A】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードするhmw1ABC遺伝子を発現するプラスミドDS-1046-1-1を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、RがEcoR I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、HMW1pがhmw1プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子を示す。
【図3B】 図3Aの構築方式に使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号4、5および6)の配列を示す図である。
【図4A】 成熟した 120 kDaのHMW2Aタンパク質をコードするhmw2AB遺伝子を発現するプラスミドDS-1200-3を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BgがBgl II、HがHind III、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba I、XhoがXho Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、HMW2pがhmw2プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図4B】 図4Aの構築方式に使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号7、8および9)を示す図である。
【図5】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードするhmw1A遺伝子およびhmw1B遺伝子の一部を含有するプラスミドDS-1122-2を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、RがEcoR I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子を示す。
【図6A】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードするhmw1A遺伝子を発現するプラスミドJB-2330-7を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、RがEcoR I、XhoがXho Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図6B】 図6Aの構築方式でhmw1Aの3'-末端をPCR増幅するために使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号 10、11、12、13 および 14)を示す図である。
【図7】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードするT7 hmw1A遺伝子カセットのタンデムコピーを発現するプラスミドJB-2369-6を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba I、XhoがXho Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、TcRがテトラサイクリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼ、tt1が転写終結因子1、tt2が転写終結因子2、MCSが多重クローニング部位を示す。
【図8A】 成熟 120 kDaのHMW2Aタンパク質をコードするT7 hmw2A遺伝子カセットの各々1個または2個のコピーを含有するプラスミドDS-2084-3およびDS-2084-1を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、MがMlu I、RがEcoR I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、TcRがテトラサイクリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼ、tt1が転写終結因子1、tt2が転写終結因子2、MCSが多重クローニング部位を示す。
【図8B】 図8Aの構築方式でhmw2Aの3'-末端をPCR増幅するために使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号 15、16、17、18 および 19)を示す図である。
【図9】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードし、アンピシリンまたはカナマイシンで各々選択したタンデムT7 hmw1A/T7 hmw1ABC遺伝子を含有するプラスミドJB-2507-7およびBK-86-1-1を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba I、XhoがXho Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、TcRがテトラサイクリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図10】 成熟 125 kDaのHMW1Aタンパク質をコードし、各々アンピシリンまたはカナマイシンによる選択を利用したT7 hmw1ABC/cer遺伝子を含有するプラスミドBK-35-4およびBK-76-1-1を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位の各略号は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba Iを示す。他の各略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリホスファターゼを示す。
【図11】 様々な構築体から得られる組換えHMW1タンパク質の発現のSDS-PAGE分析を示す図である。レーン1は広範囲の分子量マーカー、レーン2はDS-1046-1-1[pT7 hmw1ABC(125)]、誘導なし、レーン3はDS-1091-2[pT7 hmw1ABC(160)]、レーン4はDS-1046-1-1[pT7 hmw1ABC(125)]、レーン5はDS-1122-2[pT7 hmw1A 部分B(125)]、レーン6はJB-2330-7[pT7 hmw1A(125)]、レーン7はJB-2369-6[pBr 328 T7 hmw1A(125)/T7 hmw1A(125)]、レーン8はBK-86-1-1[pT7 hmw1A(125)/T7 hmw1ABC(125)/kanR]、レーン9はBK-76-1-1[pT7 hmw1ABC(125)/cer/kanR]、レーン 10 は広範囲の分子量マーカーである。
【図12】 HMW1およびHMW2の各組換えタンパク質に対する精製方式を示す図である。各略号は、PPTがペレット、SUPが上清液、OGがオクチルグルコシド、PEGがポリエチレングリコールを示す。
【図13】 rHMW1抽出物のSDS-PAGE分析を示す図である。レーン1は予備染色したタンパク質分子量マーカー、レーン2はE.coli全細胞溶解物、レーン3はTris-HCl/NaCl抽出液中の可溶性タンパク質、レーン4はTris-HCl/Triton X-100/EDTA抽出液中の可溶性タンパク質、レーン5はTris-HCl/オクチルグルコシド抽出液中の可溶性タンパク質、レーン6はTris-HCl/オクチルグルコシド抽出後のペレット、レーン7は2MグアニジンHCl中の不溶性タンパク質、レーン8は7% PEG沈殿の上清液、レーン9は7% PEG沈殿のペレット、レーン 10 は 50 %硫酸アンモニウム沈殿の相間ペレット、レーン 11 は下相に回収されるタンパク質、レーン 12 は上相に回収されるタンパク質を示す。
【図14】 パネルAおよびBを含み、精製したrHMW1およびrHMW2のSDS-PAGE分析を示す図である。
【図15】 構築体T7 hmwABC/cer/kanRから得られ、20 %グリセリン存在下、-20 ℃に保存されたrHMW1の安定性を示すSDS-PAGE分析を含んだ図である。
【図16】 パネルAおよびBを含み、様々な構築体から産生されたrHMW1Aタンパク質の免疫原性を示す図である。
【図17】 非分類型H.influenzaeの染色体DNA由来の、追加hmw遺伝子をPCR増幅するために使用されるオリゴヌクレオチドの配列を示す図である(配列番号 20、21、22、23 および 24)。
【図18】 NTHi菌株Joycから得られるhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 25)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 26)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 27、アミノ酸配列は配列番号 28)。
【図19】 NTHi菌株Joycから得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 29)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 30)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 31、アミノ酸配列は配列番号 32)。
【図20】 NTHi菌株K1から得られる欠陥hmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 33)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 34、35)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 36、アミノ酸配列は配列番号 37、35)。
【図21】 NTHi菌株K 21 から得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 38)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 39)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 40、アミノ酸配列は配列番号 41)。
【図22】 NTHi菌株LCDC2から得られるhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 42)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 43)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 44、アミノ酸配列は配列番号 45)。
【図23】 NTHi菌株LCDC2から得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 46)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 47)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 48、アミノ酸配列は配列番号 49)。
【図24】 NTHi菌株PMH1から得られるhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 50)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 51)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 52、アミノ酸配列は配列番号 53)。
【図25】 NTHi菌株PMH1から得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 54)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 55)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 56、アミノ酸配列は配列番号 57)。
【図26】 NTHi菌株 15 から得られるhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 58)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 59)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 60、アミノ酸配列は配列番号 61)。
【図27】 NTHi菌株 15 から得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 62)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 63)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 64、アミノ酸配列は配列番号 65)。
【図28】 NTHi菌株 12 から得られるhmw1A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 66)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 67)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 68、アミノ酸配列は配列番号 69)。
【図29】 NTHi菌株 12 から得られるhmw2A遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号 70)および推定されるアミノ酸配列(配列番号 71)を示す図である。矢印は成熟タンパク質の予想される開始部位を示す(成熟タンパク質:コード化配列は配列番号 72、アミノ酸配列は配列番号 73)。
【図30】 推定されるHMW1AおよびHMW2Aタンパク質配列(配列番号 26、30、34、35、39、43、47、51、55、59、63)を公表された菌株 12 のHMW1AおよびHMW2Aタンパク質配列(米国特許第 5603938 号)(配列番号 67、71)と一直線に並べた図である。
【図31】 PCR増幅されたhmwA遺伝子がhmw1か、またはhmw2であるかを決定するために使用されるオリゴヌクレオチド(配列番号 74、75、76、77、78、79、80、81)を示す図である。
【図32A】 任意のhmwA遺伝子を挿入することのできる属共通のT7 hmwABC発現プラスミドJB-2646-1を創る構築方式を示す図である。制限酵素部位は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba Iを示す。他の略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリフォスファターゼを示す。
【図32B】 図 32 Aの構築方式でhmw1Aの3'-末端およびhmw1Bの5'-末端をPCR増幅するために使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号 82、83、84、85、86、87、88、89、90)を示す図である。
【図33A】 LCDC2 hmw2A遺伝子およびNTHI 12 hmwBC遺伝子のキメラT7 hmwABC遺伝子を含むDS-2334-5の構築を示す図である。制限酵素部位は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、KがKpn I、NがNde I、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba I、XhoがXho Iを示す。他の略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリフォスファターゼを示す。
【図33B】 図 33 Aに示すように構築される属共通の発現ベクターに発現するために、LCDC2 hmw2A遺伝子をPCR増幅するために使用される各オリゴヌクレオチド(配列番号 91、92、93、94、95)を示す図である。
【図34】 T7 hmwA/T7 hmwABC遺伝子およびE.coli cer遺伝子を含むDS-2400-13 の構築を示す図である。制限酵素部位は、BがBamH I、BgがBgl II、HがHind III、RがEcoR I、SがSal I、XbがXba I、XhoがXho Iを示す。他の略号は、T7pがT7プロモーター、ApRがアンピシリン耐性遺伝子、KanRがカナマイシン耐性遺伝子、TetRがテトラサイクリン耐性遺伝子、CAPが子ウシアルカリフォスファターゼを示す。

Claims (13)

  1. E.coli で機能し、A遺伝子、B遺伝子、およびC遺伝子を含む非分類型Haemophilus influenzae 菌株12の修飾オペロンに作働可能に結合されたプロモーターを含む核酸分子であって、オペロンのA遺伝子が、非分類型Haemophilus influenzae 菌株の成熟高分子量タンパク質をコードする核酸配列のみ含有することを特徴とする核酸分子。
  2. 前記プロモーターがT7プロモーターであることを特徴とする請求項1に記載の核酸分子。
  3. 前記オペロンが、非分類型Haemophilus influenzae 菌株の高分子量タンパク質(HMW1)または非分類型Haemophilus influenzae 菌株の高分子量タンパク質2(HMW2)をコードすることを特徴とする請求項1または2に記載の核酸分子。
  4. 成熟高分子量タンパク質をコードする前記核酸配列が、
    配列番号68 または 72 を有する核酸配列を有すること、あるいは、
    配列番号69 または 73 を有するアミノ酸配列を有するHMW1タンパク質またはHMW2タンパク質をコードすること
    を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の核酸分子。
  5. 非分類型Haemophilus influenzae 菌株の成熟高分子量タンパク質をコードする追加の核酸配列をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の核酸分子。
  6. E.coli の cer 遺伝子をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の核酸分子。
  7. (a)図28 または 29 に示された ( それぞれ配列番号 68 または 72 である )DNA配列、または
    (b)図28 または 29 に示された ( それぞれ配列番号 69 または 73 である )アミノ酸配列を有する高分子量タンパク質をコードするDNA配列
    を有することを特徴とする、非分類型Haemophilus influenzae菌株の高分子量(HMW)タンパク質をコードする、単離され精製された核酸分子。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の核酸分子を含む宿主を形質転換するように適合されたことを特徴とするベクター。
  9. プラスミドベクターであることを特徴とする請求項に記載のベクター。
  10. 前記プラスミドが、プラスミド
    DS-2400-13 (ATCC No.:203257)
    識別形質を有することを特徴とする請求項に記載のベクター。
  11. 請求項8〜 10のいずれかに記載の発現ベクターにより形質転換され、非分類型Haemophilus influenzae 菌株12の防御高分子量タンパク質を発現させることを特徴とするE.coli菌株。
  12. 請求項8〜 11のいずれかに記載のベクターでE.coliを形質転換すること、
    E.coliを成長させて、コードした成熟高分子量(HMW)タンパク質を発現させること、および
    発現したHMWタンパク質を単離し精製すること
    を含むことを特徴とする、非分類型Haemophilus influenzae 菌株12の防御高分子量タンパク質を生産する方法。
  13. 前記単離し精製する手順が、HMWAタンパク質と、B部分およびC部分とを分離することを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
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