JP3653920B2 - 光重合開始剤、光重合性組成物、ラジカル発生方法、平版印刷版作成用感光材料及び平版印刷版の作成方法 - Google Patents

光重合開始剤、光重合性組成物、ラジカル発生方法、平版印刷版作成用感光材料及び平版印刷版の作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な増感色素とラジカル発生剤を用いた光重合開始剤、光重合性組成物、ラジカル発生方法、新規なラジカル発生剤、平版印刷版作成用感光性材料及び平版印刷版の作成方法に関し、更に詳しくは、増感色素としてピラゾロアゾール系のメチン及びジメチン増感色素とラジカル発生剤を用い、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を可視光線の露光により短時間に重合させ、例えばインキ、感光性印刷版、フォトレジスト、ダイレクト刷版材料、製版用プルーフ材料、ホログラム材料、封止剤、接着剤、光造形材料等の分野において、良好な物性を持った硬化物を得るための光重合性組成物及び該組成物を適用した平版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体レーザ、YAGレーザは、安定性、小型、メンテナンスの容易性などの点から、画像記録用としてレーザとして用いられることが多くなってきている。これらのレーザは低波長化が進んでおり、特に、YAG(1064nm)のSHGを用いたレーザ(532nm)などが実用化されている。半導体レーザやYAGレーザ等のレーザを用いて像様露光を行うことでラジカル重合させて露光部を硬化し、未露光部との物性を変化させ現像により画像形成する方法が知られている。
【0003】
画像形成を行うためにはレーザ光源の波長に適した感光材料を選択する必要があり、ラジカル重合の開始剤として、ラジカル発生剤は数多く研究されているが、いずれも、単独では紫外部にしか吸収を持たないものが多く、通常は光源の波長に合わせた増感色素を組み合わせて用いる。
【0004】
488nmのアルゴンレーザや532nmのW−YAGレーザの光源に対応した増感色素とラジカル発生剤の組合せ(以下、開始剤系と称す)も、様々なものが知られている。例えば、米国特許2,850,445号には、或る種の光還元性染料が効果的な増感色素として記載されている。又、特公昭44−20189号には染料とアミンの複合開始剤系、特公昭45−37377号にはビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料の系、特公昭47−2528号、特開昭54−155292号にはビイミダゾールとジアルキルアミノベンジリデンケトンの系、特開昭58−15503号にはケト置換クマリン化合物と活性ハロゲン化物の系、特開昭54−15102号には置換トリアジンとメロシアニン色素の系が提案されているが、いずれも、感度が低く、保存性が悪いなどの問題があった。
【0005】
又、特開昭60−213937号には、写真用感光材料としてピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール母核を有する色素が開示されているが、該色素をラジカル発生剤と組み合わせて光重合開始剤として用いることは開示されておらず、又、本発明のピラゾロ[3,2−c][1,2,4]トリアゾール母核を持つ色素は開示されておらず、該色素がラジカル発生能を有することは予測すらできないことであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の問題点を改良すべく為されたものである。即ち、本発明の第1の目的は、488nm又は532nm付近の光で書込ができ、解像度、感度の良好な画像を形成できる光重合性組成物を提供することにある。第2の目的は、保存性の良好な光重合性組成物の提供にある。第3の目的は、488nm又は532nm付近の光により高感度にラジカルを発生するラジカル発生方法の提供にある。第4の目的は488nm又は532nm付近の波長域に高い感光性を有し、かつ保存安定性に優れた平版印刷版作成用感光材料及びそれを用いた平版印刷版の作成方法を提供することにある。第5の目的は高感度の光重合開始剤を提供することにある。第6の目的は新規なラジカル発生剤の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のピラゾロアゾールメチン系又はジメチン系色素が単独で488nm又は532nmの可視光を吸収しラジカル発生能を有することを見い出した。又、該色素を従来用いられているラジカル発生剤と組み合わせることで高感度で、かつ保存性に優れるという予期せざる結果を見い出し本発明を完成するに至った。特にチタノセン化合物と組み合わせた場合、重合禁止剤を加えなくても保存性は良好であり、又、感度も良くなることが判った。
【0008】
即ち、本発明の上記目的は、以下の如き構成により達成された。
【0009】
1.ラジカル発生剤及び下記一般式(1)又は(2)で表される色素を含有する光重合開始剤。
【0010】
【化3】
Figure 0003653920
【0011】
式中、Z1、Z2及びZ3は各々、−N=又は−C(R2)=を表し、R1及びR2は各々、水素原子又は1価の置換基を表し、L1及びL2は各々メチン基を表し、B1及びB2は各々、5〜6員の芳香族環残基又は複素環残基を表す。
【0012】
2.重合促進剤としてアミン化合物を含有する1に記載の光重合開始剤。
【0013】
3.重合促進剤として硫黄化合物を含有する1又は2に記載の光重合開始剤。
【0014】
4.エチレン性不飽和結合を有する化合物及び1〜3のいずれか1項に記載の光重合開始剤を含有する光重合性組成物。
【0015】
5.ラジカル発生剤が有機過酸化物、オニウム塩、ハロゲン化トリアジン、鉄アレーン錯体、ビスイミダゾール及びチタノセン化合物から選ばれる1〜4のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
【0016】
6.ラジカル発生剤がチタノセン化合物である5に記載の光重合性組成物。
【0017】
7.1〜3のいずれか1項に記載の光重合開始剤を488nm又は532nmの波長のレーザー光で露光するラジカル発生方法。
【0018】
8.親水性支持体上に、少なくとも感光性層及び保護層をこの順に設けて成る平版印刷版作成用感光材料において、該感光性層がエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物、バインダー成分、4、5又は6に記載の光重合性組成物を含有する平版印刷版作成用感光材料。
【0019】
9.8に記載の平版印刷版作成用感光材料の感光層に488nm又は532nmの波長のレーザ光で像様に走査露光を行った後、保護層及び感光性層の未露光部を溶出除去する平版印刷版の作成方法。
【0020】
尚、以下のa及びbも好ましい態様である。
.下記一般式(G)で表されるラジカル発生剤。
【0021】
【化4】
Figure 0003653920
【0022】
式中、R1、R2、L1、L2及びB2は、それぞれ前記一般式(2)におけるR1、R2、L1、L2及びB2と同義である。
【0023】
に記載のラジカル発生剤を該ラジカル発生剤の吸収波長域の光を照射することによりラジカルを発生させるラジカル発生方法。
【0024】
以下、本発明をより具体的に説明する。まず、一般式(1)及び一般式(2)で表される色素(増感色素)について詳述する。
【0025】
下記一般式(3)は一般式(1)及び一般式(2)の部分構造を表す。
【0026】
【化5】
Figure 0003653920
【0027】
式中、Z1、Z2、Z3及びR1は、それぞれ前記一般式(1)、一般式(2)のZ1、Z2、Z3及びR1と同義である。一般式(3)で表される部分構造の中でも、下記一般式(3−1)〜(3−6)で表されるものが更に好ましい。
【0028】
【化6】
Figure 0003653920
【0029】
式中、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は各々、水素原子又は非金属の置換基を表す。
【0030】
前記一般式(1)又は(2)中のR1、R2ならびに上記一般式(3−1)〜(3−6)中のR11〜R16で表される置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基又は複素環残基が好ましい。
【0031】
一般式(1)又は(2)中のB1及びB2で表される5〜6員の複素環残基の具体例としては、下記一般式(4)で表される基が挙げられる。
【0032】
【化7】
Figure 0003653920
【0033】
構造中、R17は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、−OR18、−SR18、−N(R19)(R20)を表し、R18、R19及びR20は各々、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、pは0〜4の整数、qは0〜3の整数、rは0〜2の整数を表す。p、q、rが、それぞれ2以上の時、複数個のR17は同じでも異なってもよく、又、互いに結合して環を形成してもよい。
【0034】
一般式(1)〜(4)及び(G)中、R1、R2、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20で表されるアルキル基は、炭素数1〜12の鎖状又は環状のアルキル基(メチル、エチル、ベンジル、フェネチル、プロピル、ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)が好ましく、置換基を有していてもよい。
【0035】
1、R2、R11〜R20で表されるアリール基は、炭素数6〜12のアリール基(フェニル、ナフチル等)が好ましく、置換基を有していてもよい。
【0036】
1、R2、R11、R12、R13、R14、R15及びR16で表される複素環基は、5〜6員の複素環(オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリジン、フラン、チオフェン、スルホラン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリン等の環)残基が好ましく、置換基を有していてもよい。
【0037】
1、R2、R11〜R16で表されるアルケニル基は、炭素数2〜12のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル等)が好ましい。
【0038】
13、R14、R15及びR16で表されるハロゲン原子としては、弗素、塩素又は臭素が好ましい。
【0039】
1、L2で表されるメチン基は、無置換でも置換されていてもよい。
【0040】
上記の各基が有してもよい置換基としては、例えばカルボキシル基、炭素数1〜12のスルホンアミド基(メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド等)、炭素数0〜12のスルファモイル基(スルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ブチルスルファモイル等)、炭素数2〜12のスルホニルカルバモイル基(メタンスルホニルカルバモイル、プロパンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイル等)、炭素数1〜12のアシルスルファモイル基(アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜12の鎖状又は環状のアルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カルボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル等)、炭素数2〜12のアルケニル(ビニル、アリル、ブテニル等)、炭素数1〜12のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、炭素数0〜12のアミノ基(アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ等)、炭素数2〜12のエステル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、炭素数l〜12のアミド基(アセチルアミノ、ペンズアミド等)、炭素数1〜12のカルバモイル基(カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、炭素数6〜12のアリール基(フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル等)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、4−メチルフェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数1〜8のアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、炭素数6〜10のアリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、炭素数1〜10のアシル基(アセチル、ベンゾイル、プロパノイル、ピバロイル等)、炭素数1〜10のスルホニル基(メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、炭素数1〜10のウレイド基(ウレイド、メチルウレイド等)、炭素数2〜10のウレタン基(メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ等)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、複素環基(5−カルボキシベンゾオキサゾール、ピリジン、スルホラン、フラン、ピロール、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリミジン等の残基)等を挙げることができる。
【0041】
11とR12、R13とR14、R14とR15あるいはR15とR16が互いに連結して形成される5又は6員環としては、ピロリジン、ピペリジン、ベンゼン、モルホリン等の各環を挙げることができる。
【0042】
これらの増感色素の中でも、前記一般式(G)で表される色素は単独でラジカル発生能を有するので好ましい。
【0043】
以下に一般式(1)又は(2)で表される色素(本発明の増感色素という)の代表化合物例を挙げる。
【0044】
【化8】
Figure 0003653920
【0045】
【化9】
Figure 0003653920
【0046】
【化10】
Figure 0003653920
【0047】
【化11】
Figure 0003653920
【0048】
【化12】
Figure 0003653920
【0049】
【化13】
Figure 0003653920
【0050】
【化14】
Figure 0003653920
【0051】
【化15】
Figure 0003653920
【0052】
【化16】
Figure 0003653920
【0053】
本発明の増感色素は、エチレン性不飽和結合を有する化合物100重量部に対し0.1〜20重量部用いられるのが好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
【0054】
本発明の増感色素は従来公知の方法により準じて合成できるが、以下に合成例を挙げる。
【0055】
合成例1(例示色素D−10の合成)
化合物(1)12.00g(11.2ミリモル)及び化合物(2)21.74g(11.2ミリモル)をトルエン25mlに懸濁し、ピペリジン0.96g(11.2ミリモル)を加えた。加熱・還流1時間の後、放冷し析出した結晶を濾取した。少量のトルエンで洗浄し、エタノールより再結晶した。目的とする色素D−10を濃赤色固体として2.22g(収率63%)得た。
【0056】
合成例2(例示色素D−28の合成)
化合物(1)11.5g(8.4ミリモル)及び化合物(3)3.80g(8.4ミリモル)をエタノール50mlに懸濁し、トリエチルアミン0.85g(8.4ミリモル)を加えた。加熱・還流2時間の後、水100mlを加え析出物を濾取した。アセトニトリルより再結晶することで目的とする色素D−28の赤色固体1.95g(収率64%)を得た。
【0057】
【化17】
Figure 0003653920
【0058】
同様にして合成した代表的色素の最大吸収波長、モル吸光係数、融点を表1に示す(吸収はアセトン溶液で測定した)。
【0059】
【表1】
Figure 0003653920
【0060】
次にラジカル発生剤について説明する。
【0061】
ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、オニウム塩、ハロゲン化トリアジン、鉄アレーン錯体、ビスイミダゾール、チタノセン化合物から選ばれる。
【0062】
過酸化物としては、特開昭59−1504号、同61−240807号に記載の有機過酸化物を用いることができる。具体的な化合物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルi−ブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、i−ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ウラロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−i−プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−i−プロピル)ベンゼン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ブチル−4,4′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシi−ブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン等のアルキルパーエステル類;ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジメトキシi−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;琥珀酸パーオキサイドに代表される水溶性パーオキサイド類などが挙げられる。
【0063】
特に好ましくは、下記構造の有機過酸化物(BTTB)を用いることができる。
【0064】
【化18】
Figure 0003653920
【0065】
本発明で用いることができる金属アレーン錯体としては、以下のようなチタノセン化合物と鉄アレーン錯体を用いることが可能である。
【0066】
好ましく用いられるチタノセン化合物としては特に限定されないが、例えば特開昭59−152396号、同61−151197号等に記載の各種チタノセン化合物から適宜選ぶことができる。更に具体的には、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ジクロライド、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ジフェニル、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ビス(η−メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ビス(η−シクロペンタジエニル)−Ti−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)〔Ti−1〕等を挙げることができる。特に好ましくはTi−1である。
【0067】
【化19】
Figure 0003653920
【0068】
鉄アレーン錯体としては下記構造のものが挙げられるが、好ましくはR−1が用いられる。
【0069】
【化20】
Figure 0003653920
【0070】
本発明では以下のオニウム塩を用いることができる。
【0071】
オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、スタンノニウム塩などが挙げられる。特公昭55−39162号、特開昭59−14023号ならびに「マクロモレキュルス(Macromolecules),10巻、1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物を用いることができる。
【0072】
ヨードニウム塩としては、好ましくはジアリールヨードニウム塩を用いることができる。例えばジフェニルヨードニウム塩、ジトリルヨードニウム塩、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム塩、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム塩、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウム塩等のクロリド、ブロミド、弗化硼素塩、六弗化硼素塩、六弗化燐塩、六弗化砒素塩、六弗化アントモン塩、過塩素酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸塩、ブチルトリフェニル硼素塩等が挙げられる。
【0073】
本発明では2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体を用いることもできる。これらは特開昭55−127550号、同60−202437号に記載されている。中でも下記の構造のものを用いることが好ましい。
【0074】
【化21】
Figure 0003653920
【0075】
ラジカル発生剤の添加量は、ラジカル発生剤の種類及び使用形態により異なるが、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
【0076】
感光性層に用いるバインダー樹脂としては公知の種々のポリマーを使用することができる。具体的なバインダーの詳細は、米国特許4,072,527号に記載されており、より好ましくは特開昭54−98613号に記載されるような芳香族性水酸基を有する単量体、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−、又はp−ヒドロキシスチレン、o−、m−、又はp−ヒドロキシフェニルメタクリレート等と他の単量体との共重合物、米国特許4,123,276号に記載されるようなヒドロキシエチルアクリレート単位又はヒドロキシエチルメタクリレートを含むポリマー、シェラック、ロジン等の天然樹脂、ポリビニルアルコール、米国特許3,751,257号に記載されるようなポリアミド樹脂、米国特許3,660,097号に記載されるような線状ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから縮合されたエポキシ樹脂、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート等のセルロース樹脂が挙げられる。
【0077】
バインダー樹脂としては前述の樹脂の中から、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。中でも塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、スチレン−アクリロニトリル、ポリビニルアセタール、ニトロセルロース、エチルセルロース等の溶剤可溶性ポリマーが好ましい。
【0078】
これらのバインダーは、1種又は2種以上を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。バインダーの使用量としては、本発明の画像形成材料の目的に応じて、又、単層構成であるか重層構成であるかにより異なるが、支持体1m2当たり1.0〜20gが好ましい。
【0079】
次にエチレン性不飽和結合を有する化合物について詳述する。
【0080】
重合可能な化合物としては公知のモノマーが特に制限なく使用することができる。具体的モノマーとしては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物;ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物;あるいはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル及びその誘導体あるいはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合物等を挙げることができる。又、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与した、所謂プレポリマーと呼ばれるものも好適に使用できる。
【0081】
この他に特開昭58−212994号、同61−6649号、同62−46688号、同62−48589号、同62−173295号、同62−187092号、同63−67189号、特開平1−244891号等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社,286〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会,11〜65頁に記載の化合物なども好適に用いることができる。
【0082】
これらの中で、分子内に2個以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。又本発明ではこれらのモノマーあるいはプレポリマーのうち1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0083】
上記エチレン性不飽和基を有する化合物は、感光層中に好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%含有される。
【0084】
本発明の感光性層には、目的を損なわない範囲で、増感剤、重合促進剤、熱重合禁止剤、熱溶融性化合物、酸素補足剤、可塑剤等の他の成分を含有せしめることは任意である。
【0085】
重合促進剤としては、アミン化合物や硫黄化合物(チオール、ジスルフィド等)に代表される重合促進剤や連鎖移動触媒等を添加することが可能である。
【0086】
本発明の光重合性組成物に添加可能な重合促進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えばN−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類;米国特許4,414,312号や特開昭64−13144号記載のチオール類;特開平2−29161号記載のジスルフィド類;米国特許3,558,322号や特開昭64−17048号記載のチオン類;特開平2−291560号記載のo−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が挙げられる。特に好ましいアミン化合物としてはN,N−ジエチルアニリンであり、硫黄化合物としては2−メルカプトベンゾチアゾールである。
【0087】
熱重合防止剤としてはキノン系、フェノール系等の化合物が好ましく用いられる。例えばハイドロキノン、ピロガロール、p−メトキシフェノール、カテコール、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物とバインダーの合計量100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部程度添加される。
【0088】
酸素クエンチャーとしてはN,N−ジアルキルアニリン誘導体が好ましく、例えば米国特許4,772,541号の第11カラム58行目〜第12カラム35行目に記載の化合物が挙げられる。
【0089】
可塑剤としては、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、枸櫞酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ステアリン酸類、正燐酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類などが挙げられる。
【0090】
熱溶融性化合物としては、常温で固体であり、加熱時に可逆的に液体となる化合物が用いられる。具体的に、テルピネオール、メントール、1,4−シクロヘキサンジオール、フェノール等のアルコール類;アセトアミド、ベンズアミド等のアミド類;クマリン、:桂皮酸ベンジル等のエステル類;ジフェニルエーテル、クラウンエーテル等のエーテル類;カンファー、p−メチルアセトフェノン等のケトン類;バニリン、ジメトキシベンズアルデヒド等のアルデヒド類;ノルボルネン、スチルベン等の炭化水素類;マルガリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等の高級アルコール、パルミチン酸セチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ベヘニルアミン等の高級アミンなどに代表される単分子化合物、蜜蝋、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタン蝋、カルナバワックス、アミドワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂等のロジン誘導体;フェノール樹脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、テルペン系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオレフィンオキサイドなどに代表される高分子化合物などを挙げることができる。
【0091】
感光性層には、更に必要に応じて酸化防止剤、フィラー、帯電防止剤などを添加してもよい。
【0092】
酸化防止剤としては、クロマン系化合物、クラマン系化合物、フェノール系化合物、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物などが挙げられ、特開昭59−182785号、同60−130735号、同61−159644号、特開平1−127387号、「11290の化学商品」(前出),862〜868頁等に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料に耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0093】
フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、酸性白土、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子としては弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子、帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子などの他、「11290の化学商品」(前出),875〜876頁などに記載の化合物なども好適に用いることができる。
【0094】
本発明において、感光性層は単層で形成されてもよいし、2層以上の複数層で構成されてもよい。又、複数層で構成する場合は、組成の異なる感光性層で構成してもよく、この場合は着色剤を含有しない感光性層を含んでいてもよい。感光性層の厚みは0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。
【0095】
感光性層は形成成分を溶媒に分散あるいは溶解して塗工液を調製し、この塗工液を後記支持体上に直接積層塗布し乾燥して形成される。
【0096】
上記塗工法に用いる溶媒としては、水、アルコール類(エタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、芳香族類(トルエン、キシレン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、塩素系溶剤(クロロホルム、トリクロルエチレン等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0097】
塗工には、従来から公知のグラビアロールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することができる。
【0098】
感光材料の支持体としては、紙、合成紙(例えばポリプロピレンを主成分とする合成紙)、樹脂のフィルム又はシート、更には樹脂を2層以上積層して成るプラスチックフィルム又はシート、あるいは各種高分子材料、金属、セラミックもしくは木材パルプやセルロースパルプ、サルファイトパルプ等で抄造された紙等に、樹脂層を積層したフィルム又はシートなどを挙げることができる。
【0099】
このような樹脂のフィルム又はシートを構成する樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリパラバン酸、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、弗素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0100】
本発明を平版印刷版作成用として用いる場合の感光性層を設ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鋼等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。これらの内、好ましいのはアルミニウム板である。
【0101】
本発明の支持体としては、砂目立て処理、陽極酸化処理及び必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板を用いることがより好ましい。これらの処理には公知の方法を用いることができる。
【0102】
砂目立て処理の方法としては、例えば機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。機械的方法としては、例えばボール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の各種方法を単独あるいは組み合わせて用いることができる。好ましいのは、電解エッチングによる方法である。
【0103】
電解エッチングは、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸等の酸の単独もしくは2種以上混合した浴で行われる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリ又は酸の水溶液によってデスマット処理を行い、中和して水洗する。
【0104】
陽極酸化処理には、電解液として、硫酸、クロム酸、蓚酸、燐酸、マロン酸等を1種又は2種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電解して行われる。形成された陽極酸化皮膜量は1〜50mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2である。陽極酸化皮膜量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液に浸積し、酸化皮膜を溶解し、板の皮膜溶解前後の重量変化測定等から求められる。
【0105】
封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ナトリウム処理、重クロム酸塩水溶液処理などが具体例として挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対して、水溶性高分子化合物や、弗化ジルコン等の金属塩水溶液による下引処理を施すこともできる。
【0106】
支持体の厚さは、通常3〜1000μmがよく、8〜300μmがより好ましい。
【0107】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、実施例中、特に断りない限り「部」は「重量部」を表す。
【0108】
実施例1〜4
(支持体の作成)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂したアルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後水洗した。
【0109】
次いで、このアルミニウム板を1.0重量%の塩酸水溶液中、温度25℃・電流密度100A/dm2の条件で交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。
【0110】
デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、40%燐酸溶液中で温度30℃・電流密度4A/dm2の条件で6分間陽極酸化処理を行い、更に硅酸ナトリウムで封孔処理を行って支持体を作成した。
【0111】
(感光層の塗設)
上記支持体上に、下記処方の感光層を付量約1.3g/m2となるように塗布した後、80℃で3分間乾燥した。
【0112】
感光層組成
色素(例示D−28) 0.20部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 4.47部
(M450:東亜合成社製)
弗素系界面活性 0.10部
(メガファックF179:大日本インキ社製)
重合禁止剤(スミライザーGS:住友化学社製) 0.02部
メチルエチルケトン 45部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45部
銅フタロシアニン系顔料(粒径0.3μm) 0.58部
(保護層の塗設)
上記感光層上に、下記処方の保護層を付量約1.3g/m2となるように塗布した後、80℃で3分間乾燥して光重合型平版印刷版試料1を作製した。
【0113】
保護層組成
ポリビニルアルコール 9.9部
(ゴーセノールGL−05:日本合成化学工業社製)
弗素系界面活性剤 0.1部
(メガファックF120:大日本インキ社製)
水 90.0部
試料1の感光層中の色素を代えて表2に示すように試料2〜4を作製した。
【0114】
実施例5〜30
試料1の感光層を下記処方に代えた以外は同様にして試料5を作製した。
【0115】
感光層組成
色素(D−28) 0.20部
ラジカル発生剤(BTTB) 0.40部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 4.47部
(M450:前出)
重合促進剤1(鉄アレーン錯体) 0.45部
重合促進剤2(メルカプトベンゾオキサゾール) 0.083部
弗素系界面活性(メガファックF179:前出) 0.10部
重合禁止剤(スミライザーGS:前出) 0.02部
メチルエチルケトン 45部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45部
銅フタロシアニン系顔料(粒径0.3μm) 0.58部
試料5の色素、ラジカル発生剤、重合促進剤1、重合促進剤2を表2及び表3のように変更した以外は同様にして、試料6〜30を作製した。
【0116】
実施例31〜35
試料5の感光層を重合禁止剤のない下記処方に代えた以外は同様にして試料31を作製した。
【0117】
感光層組成
色素(D−28) 0.20部
ラジカル発生剤(Ti−1) 0.40部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 4.47部
(M450:前出)
重合促進剤2(アミン化合物) 0.32部
弗素系界面活性(メガファックF179:前出) 0.10部
メチルエチルケトン 45部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45部
銅フタロシアニン系顔料(粒径0.3μm) 0.58部
試料31の色素、重合促進剤2を表3のように変更した以外は同様にして、試料32〜35を作製した。
【0118】
比較例1〜5
同様にして比較例試料1〜5を作製した。
【0119】
実施例1〜35及び比較例1〜5の試料内容を表2、表3に示す。
【0120】
【表2】
Figure 0003653920
【0121】
【表3】
Figure 0003653920
【0122】
DPI:(C652+・PF6 -
MBO:2−メルカプトベンゾオキサゾール
【0123】
【化22】
Figure 0003653920
【0124】
(画像の作成)
このようにして作製した各試料に、明室プリンター(大日本スクリーン社製P−627−HA)を用いて露光後、下記現像液に30℃で30秒浸漬して未露光部の感光層を溶出したものを、水洗後、乾燥して画像を作成した。
【0125】
現像液処方
A珪酸カリウム(日本化学工業社製: 400部
SiO2=26%,K2O=13.5%)
水酸化カリウム(50%水溶液) 195部
N−フェニルエタノールアミン 6部
プロピレングリコール 50部
p−t−ブチル安息香酸 150部
亜硫酸カリウム 300部
ノニオン活性剤(エマルゲン147:花王社製) 5部
グルコン酸(50%水溶液) 100部
トリエタノールアミン 25部
水 11500部
pH=12.5に調整する。
【0126】
得られた平版印刷版について以下の特性を評価した。結果を表4及び表5に示す。
【0127】
《汚れの評価》
UgraプレートコントロールウェッジPCW82(ミカ電子社製)による画像を、連続諧調ウェッジが3段となるような露光量で作成し、印刷機(ハイデルGTO)で、コート紙、印刷インキ(東洋インキ製造社製:ハイプラスM紅)及び湿し水(コニカ社製:SEU−3の2.5%水溶液)を用いて印刷を行い、印刷初期段階(1000枚程の時点)での印刷物の非画像部の汚れを目視で3段階評価した。
【0128】
○:全く汚れがなかった
△:僅かに汚れがあった
×:全面に汚れが出た
《感度評価》
作成した平版印刷用原版を、保護層側が光源側になるようにドラムに巻き付け、ドラムを回転しながら100mW高調波YAGレーザ(DPY315M,LD励起SHG,YAGレーザー(532nm):ADLAS社製)を用いて露光した。レーザー光強度はガウス分布していると考え、ドラムの回転数を一定にしてレーザー光強度の1/e2に相当する所の線幅と形成された画像の線幅が等しい所の光強度(μW/cm2)を求め、照射時間との積からエネルギー値(感度)を求めた。又、488nmはアルゴンレーザーを用いて露光した。
【0129】
《保存性評価》
露光・現像処理する前の各試料で作成した版を、55℃/20%RHでの強制劣化を3日間行った後、上記と同様に露光・現像を行い、非画線部の抜け性により保存後の現像性の評価とした。又、上記と同様に印刷評価も行った。
【0130】
得られた結果を纏めて表4、表5に示す。
【0131】
【表4】
Figure 0003653920
【0132】
【表5】
Figure 0003653920
【0133】
【発明の効果】
本発明により、488nm又は532nm付近の光で書込ができ、解像度、感度の良好な画像を形成できる光重合性組成物を提供することができ、これを用いて高感度かつ保存安定性に優れた平版印刷版作成用感光材料が作製できた。
【0134】
又、新規なラジカル発生剤により、488nm又は532nm付近の光により高感度にラジカルを発生するラジカル発生方法も提供できた。これらにより、容易に高性能の平版印刷版が作製できた。

Claims (9)

  1. ラジカル発生剤及び下記一般式(1)又は(2)で表される色素を含有することを特徴とする光重合開始剤。
    Figure 0003653920
    〔式中、Z1、Z2及びZ3は各々、−N=又は−C(R2)=を表し、R1及びR2は各々、水素原子又は1価の置換基を表し、L1及びL2は各々メチン基を表し、B1及びB2は各々、5〜6員の芳香族環残基又は複素環残基を表す。〕
  2. 重合促進剤としてアミン化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の光重合開始剤。
  3. 重合促進剤として硫黄化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光重合開始剤。
  4. エチレン性不飽和結合を有する化合物及び請求項1〜3のいずれか1項記載の光重合開始剤を含有することを特徴とする光重合性組成物。
  5. ラジカル発生剤が有機過酸化物、オニウム塩、ハロゲン化トリアジン、鉄アレーン錯体、ビスイミダゾール及びチタノセン化合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光重合性組成物。
  6. ラジカル発生剤がチタノセン化合物であることを特徴とする請求項5記載の光重合性組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項記載の光重合開始剤を488nm又は532nmの波長のレーザー光で露光することを特徴とするラジカル発生方法。
  8. 親水性支持体上に、少なくとも感光性層及び保護層をこの順に設けて成る平版印刷版作成用感光材料において、該感光性層がエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物、バインダー成分、請求項4、5又は6記載の光重合性組成物を含有することを特徴とする平版印刷版作成用感光材料。
  9. 請求項8記載の平版印刷版作成用感光材料の感光層に488nm又は532nmの波長のレーザ光で像様に走査露光を行った後、保護層及び感光性層の未露光部を溶出除去することを特徴とする平版印刷版の作成方法。
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