JP3653387B2 - アクチュエータの制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アクチュエータの制御システムに関し、特に、アクチュエータの動作量と目標値との偏差に基づき、アクチュエータの動作量を目標値に追従させるようにフィードバック制御を行う制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現代制御理論を用いた制御は複雑なマトリックス演算を伴うため、従来は限られた分野でしか利用されてこなかったが、近年における電子デバイスの低価格化、高性能化に加え、制御システムの設計支援ツール等の充実により、自動車や工作機械などの制御にも現代制御理論が利用されている。例えば、特願平8-246386号では、図2に示す航空機の舵面操作システムに現代制御理論を利用している。
【0003】
図6は、その舵面操作システムを設計するための拡大標準系を示し、図中のP(s)は図2に示した舵面操作システムにおける制御入力vrからシリンダストロークxpまでの動特性を、K(s)はコントローラ8に実装される制御器を、Pp(s)は制御入力vrから油圧シリンダ3のシリンダ差圧pbまでの動特性をそれぞれ表している。
【0004】
ここで評価信号として、シリンダストロークの目標値rと検出値xpの偏差eの積分es、 動特性モデルPp(s)により計算される疑似的なシリンダ差圧pb’が取り出され、制御器K(s)は評価式、
【0005】
【数3】
Figure 0003653387
【0006】
が最小になるように最適制御理論により求められる。 Q、Rは設計パラメータである。
【0007】
偏差の積分esを小さくすることは目標信号rへの追従性を良くすることから舵面アクチュエータの高応答化に、疑似的なシリンダ差圧pb’を小さくすることは低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動の共振の抑制にそれぞれつながる。
【0008】
したがって、図6に示した設計手法では、偏差の積分esと疑似的なシリンダ差圧pb’を評価信号とする最適制御理論により、低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動を抑制しつつ舵面アクチュエータの高応答化を実現することができる。
【0009】
具体的な設計手順は、設計パラメータQ、Rを試行錯誤的に調整して、図2に示した舵面操作システムにとって最も適切な制御器K(s)を捜し求めることである。なお、設計パラメータQを大きく設定すると偏差の積分esが小さくなり、高応答な制御器K(s)を求めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、図2に示した舵面操作システムにおいて、モータ駆動回路7、スプール駆動モータ6の軽量化、低コスト化を図るためには、偏差の積分esと疑似的なシリンダ差圧pb’の他に、制御入力vr(コントローラ出力)も同時に小さくする必要がある。特に、航空機においてはこれらの部位の重量増が致命的な問題となる場合がある。
【0011】
そのためには、図6に示した拡大標準系を図7に示すように拡大し、偏差の積分es、疑似的なシリンダ差圧pb’に加え、制御入力vrも評価信号として取り出し、偏差の積分es、疑似的なシリンダ差圧pb’及び制御入力vrからなる評価式、
【0012】
【数4】
Figure 0003653387
【0013】
が最小となるように最適制御理論により制御器K(s)を設計する必要がある。ただし、設計パラメータRは、
【0014】
【数5】
Figure 0003653387
【0015】
で与えられる定数行列である。
【0016】
しかしながら、このような設計を行うと以下のような問題が生じる。
【0017】
まず、評価式(4)の評価信号の数が評価式(3)と比較して2個(es、pb’)から3個(es、pb’、vr)に増加しているため、設計パラメータQ、Rの設定可能範囲が制約されてしまう。特に、高応答化に寄与するQの値を大きく設定できなくなるので、高応答な制御器K(s)が求められないという問題が生じる。
【0018】
次に、設計パラメータの数が2個(Q、R)から3個(Q、r11、r22)に増加してしまうため、3次元的にパラメータ調整の試行錯誤を繰り返す必要があり、適切な制御器K(s)を捜し求めるのに多くの労力を要するという問題が生じる。
【0019】
本発明は、かかる従来の設計手法の問題点を鑑みてなされたもので、制御入力vrも同時に小さくする場合であっても高応答なK(s)を実現でき、しかも少ない労力で適切な制御器K(s)を捜し求めることができるようにすることである。
【0020】
【問題点を解決するための手段】
第1の発明は、アクチュエータと、アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動部と、アクチュエータの動作量と目標値との偏差eに基づき、アクチュエータの動作量が目標値に追従するようにアクチュエータ駆動部に制御入力vrを出力するコントローラとから構成され、コントローラが、前記偏差eの積分esと、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られるwを評価信号とする評価式を最小化するように最適制御理論により求められる制御器K(s)を備えたアクチュエータの制御システムにおいて、振動を抑制したい少なくとも1つの部位又は系の共振周波数をfnとしたときに、前記重み関数W(s)に、周波数fnにおいて逆ノッチ特性を持たせるとともに、周波数fn以外においてゲイン一定の特性を持たせたことを特徴とするものである。
【0021】
第2の発明は、第1の発明において、前記重み関数W(s)を次式、
【0022】
【数6】
Figure 0003653387
【0023】
ただし、fn:振動を抑制したい部位又は系の共振周波数、
ζn:同減衰比、
で与えたことを特徴とするものである。
【0024】
第3の発明は、アクチュエータと、アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動部と、アクチュエータの動作量と目標値との偏差eに基づき、アクチュエータの動作量が目標値に追従するようにアクチュエータ駆動部に制御入力vrを出力するコントローラとから構成され、前記コントローラが、前記偏差eの積分esと、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られるwを評価信号とする評価式を最小化するように最適制御理論により求められる制御器K(s)を備えたアクチュエータの制御システムにおいて、振動を抑制したい少なくとも1つの部位又は系の共振周波数をfnとしたときに、前記重み関数W(s)に、周波数fnにおいて逆ノッチ特性を持たせるとともに、周波数fn以外において低周波域でゲイン小、高周波域でゲイン大の特性を持たせたことを特徴とするものである。
【0025】
第4の発明は、第3の発明において、前記重み関数W(s)を次式、
【0026】
【数7】
Figure 0003653387
【0027】
ただし、fn:振動を抑制したい部位又は系の共振周波数
ζn:同減衰比
m:想定する制御帯域の上限周波数
で与えたことを特徴とするものである。
【0028】
第5の発明は、第1から第4の発明において、前記アクチュエータに低剛性負荷が連結されているときに、前記周波数fnに、アクチュエータと低剛性負荷からなる系の連成振動の共振周波数f1を設定したことを特徴とするものである。
【0029】
第6の発明は、第1から第4の発明において、前記アクチュエータに低剛性負荷が連結されているときに、前記周波数fnに、アクチュエータと低剛性負荷からなる系の連成振動の共振周波数f1と、アクチュエータ駆動部の共振周波数f2とをそれぞれ設定したことを特徴とするものである。
【0030】
【作用及び効果】
したがって、第1、第2の発明によると、評価信号wが、振動を抑制したい部位又は系の共振周波数fn付近でその部位又は系と、共振周波数fn以外において制御入力vrとそれぞれ動的に等価となるので、制御入力vrを抑制しつつ振動を抑制したい部位又は系の共振も抑制することができる。
【0031】
また、評価信号wに2つ以上の動特性を持たせたことにより、評価式に用いる評価信号の数が少なくなるので、設計パラメータの設定可能範囲が広がり、高応答な制御器K(s)を求めることができる。また、設計パラメータの数が少なくなるのでパラメータ調整が容易になり、適切な制御器K(s)を容易に捜し求めることができる。
【0032】
第3、第4の発明によると、評価信号wが振動を抑制したい部位又は系の共振周波数fn付近でその部位又は系と動的に等価になるので、振動を抑制したい部位又は系の共振を抑えることができる。また、重み関数W(s)が低周波域でゲイン小、高周波域でゲイン大となるように設定されるので、低周波域では制御入力が大きくなることを許容して性能を重視し、高周波域では制御入力を小さく抑えて安定性を重視するという効果が得られる。
【0033】
また、評価信号wに2つ以上の動特性を持たせたことにより、評価式に用いる評価信号の数が少なくなり、高応答な制御器K(s)を求めることができる。また、設計パラメータの数も少なくなるので、適切な制御器K(s)を容易に捜し求めることができる。
【0034】
また、第5の発明によると、アクチュエータと低剛性負荷からなる系の連成振動の共振周波数f1付近で、評価信号wがアクチュエータと低剛性負荷からなる系と動的に等価になるので、評価式に用いる評価信号の数を増やすことなく連成振動の共振を抑えることができる。
【0035】
第6の発明によると、アクチュエータ駆動部の共振周波数f2付近で、評価信号wがアクチュエータ駆動部と動的に等価になるので、評価式に用いる評価信号の数を増やすことなくアクチュエータ駆動部の共振も抑えることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
図1は本発明の第1の実施形態を示し、図2に示す舵面操作システムを設計するための拡大標準系である。
【0038】
ここでまず、図2に示した舵面操作システムについて簡単に説明すると、舵面操作システムは、低剛性の舵面1と、舵面1が連結されるとともに機体2の所定位置に固定される油圧シリンダ3と、油圧シリンダ3へ油圧を供給する油圧源4と、油圧源4から油圧シリンダ3への油圧の供給を制御するサーボ弁5と、サーボ弁5のスプール5aを駆動するスプール駆動モータ6と、スプール駆動モータ6へモータ入力を出力するモータ駆動回路7と、モータ駆動回路7へ制御入力vrを出力するコントローラ8とから構成される。
【0039】
油圧シリンダ3は、摺動自由なピストンにより画成された2つの油室3a、3bを備え、これら2つの油室の圧力p1、p2の差圧pbにより駆動される。また、油圧シリンダ3には、そのシリンダストロークxpを検出するストローク検出器9が備えられており、ストローク検出器9により検出されたシリンダストロークxpはコントローラ8に入力される。
【0040】
サーボ弁5には、スプール5aの変位xsを検出するスプール変位検出器10が備えられており、スプール変位検出器10により検出されたスプール変位xsはコントローラ8に入力される。
【0041】
コントローラ8は、シリンダストロークの目標値rと検出値xpの偏差e(e=r−xp)に基づき、シリンダストロークxpが目標値rに追従するようにモータ駆動回路7へ制御入力vrを出力する。
【0042】
次に、この舵面操作システムの設計手法について説明する。
【0043】
図1において、P(s)は図2に示した舵面操作システムにおける制御入力vrからシリンダストロークxpまでの動特性、K(s)はコントローラ8に実装される制御器である。評価信号として、シリンダストロークの目標値rと検出値xpの偏差eに積分要素1/sをかけて得られる偏差の積分esと、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られるwが取り出される。
【0044】
ここで、重み関数W(s)は次式で与えられ、低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動の共振を抑制するため周波数f1においてゲインピークを持つ逆ノッチ特性を有する。
【0045】
【数8】
Figure 0003653387
【0046】
評価信号wが、低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動の共振周波数付近でシリンダ差圧pbと、それ以外の周波数で制御入力vrとそれぞれ動的に等価になることをねらいに、式(8)のf1には連成振動の共振周波数を、ζ1には同減衰比を設定する。
【0047】
図3はこのときの重み関数W(s)のゲイン特性を示し、横軸は周波数(Hz)、縦軸はゲイン(dB)である。図3に示すように、重み関数W(s)は、周波数f1(ここでは25Hz)で連成振動と同じゲインピークを、それ以外の周波数でゲイン1の特性を持つ。したがって、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られる評価信号wは、連成振動の共振周波数f1付近でシリンダ差圧pbの動特性を、それ以外の周波数で制御入力vrの動特性を備える。
【0048】
制御器K(s)は、偏差の積分esと評価信号wとからなる評価式、
【0049】
【数9】
Figure 0003653387
【0050】
を最小化するように最適制御理論により求められる。Q、Rは設計パラメータである。
【0051】
次に作用について説明する。
【0052】
重み関数W(s)を式(8)のように与え、さらに式(8)のf1を連成振動の共振周波数、ζ1を同減衰比に設定したことにより、評価信号wはシリンダ差圧pbの動特性と制御入力vrの動特性とを同時に兼ね備えることになる。
【0053】
制御器K(s)は、偏差の積分esと評価信号wからなる評価式(9) を最小化するように最適制御理論により求められるので、連成振動の共振と制御入力vrを抑制しつつ舵面アクチュエータを高応答化することができる。なお、この場合、連成振動の共振周波数域以外での抑制効果は薄れるが、もともと共振域を除く周波数域での振動は小さく、共振さえ抑制できれば実用上の効果は十分に高い。
【0054】
そして、このとき評価信号の数が、図7に示した従来手法の3個(es、pb’、vr)から2個(es、w)に減少しているので、設計パラメータQ、Rの設定可能範囲が広くなる。特に、高応答化に寄与するQの値を大きく設定することができるので、高応答な制御器K(s)を求めることができる。
【0055】
また、設計パラメータの数が、図7に示した従来手法の3個(Q、r11、r22)から2個(Q、R)に減少しているので、2次元的なパラメータ調整で済み、最適な制御器K(s)を容易に捜し求めることができる。
【0056】
続いて本発明の第2の実施形態について説明する。
【0057】
第1の実施形態とは重み関数W(s)の与え方が異なり、前記した連成振動の共振周波数に加えてサーボ弁5の共振周波数においてもゲインピークをもつ逆ノッチ特性を付与したもので、第1の実施形態と同様に、図2に示した舵面操作システムを図1に示した拡大標準系を用いて設計する。
【0058】
このとき、重み関数W(s)は次式で与えられる。
【0059】
【数10】
Figure 0003653387
【0060】
制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られる評価信号wが、低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動の共振周波数(ここでは25Hz)付近で油圧シリンダ3のシリンダ差圧pbと、サーボ弁5の共振周波数(ここでは64Hz)付近でサーボ弁スプール5aの変位xsと、それ以外の周波数で制御入力vrとそれぞれ動的に等価になることをねらいに、式(10)のf1には連成振動の共振周波数を、ζ1には同減衰比を、f2にはサーボ弁5の共振周波数を、ζ2には同減衰比をそれぞれ設定する。
【0061】
図4はそのときの重み関数W(s)のゲイン特性を示し、重み関数W(s)は連成振動の共振周波数f1とサーボ弁5の共振周波数f2において逆ノッチ特性を有し、それ以外の周波数ではゲイン1の特性を持っている。
【0062】
この実施形態によると、評価信号wがシリンダ差圧pb、制御入力vrの動特性の他にサーボ弁スプール5aの変位xsの動特性も同時に兼ね備えるので、連成振動の共振の抑制と制御入力vrの抑制の他に、サーボ弁5の共振も抑制することができる。
【0063】
また、この場合でも、評価式に用いる評価信号の数が減るので、高応答な制御器K(s)を求めることができ、かつ、設計パラメータの数も少ないため、適切な制御器K(s)を容易に捜し求めることができる。
【0064】
続いて本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0065】
この実施の形態は制御入力に関して低周波域でゲインを小さく、高周波域でゲインを大きくすることで、制御性能と制御安定性を向上させるようにしたもので、第1の実施形態と同様に、図2に示した舵面操作システムを図1に示した拡大標準系を用いて設計する。
【0066】
このとき、重み関数W(s)は次式で与えられる。
【0067】
【数11】
Figure 0003653387
【0068】
制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られる評価信号wが、低剛性舵面1と油圧シリンダ3からなる系の連成振動の共振周波数付近でシリンダ差圧pbと、制御帯域で制御入力vrの微分vr’とそれぞれ動的に等価になることをねらいに、式(11)のf1には連成振動の共振周波数を、ζ1には同減衰比を、f3には想定する制御帯域の上限周波数をそれぞれ設定する。
【0069】
図5はそのときの重み関数W(s)のゲイン特性を示し、重み関数W(s)は低周波域でゲイン小、高周波域でゲイン大の特性を有するとともに、連成振動の共振周波数f1において逆ノッチ特性を有する。
【0070】
この実施形態によると、評価信号wが連成振動の共振周波数f1付近でシリンダ差圧pbの動特性を、それ以外の周波数で制御入力の微分vr’の動特性を備えるので、連成振動の共振の抑制効果に加え、低周波域ではゲインを小さくして制御入力が大きくなることを許容して制御性能を高め、高周波域ではゲインを大きくして制御入力を小さくして安定性を重視できるという効果が得られる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を舵面操作システムを用いて説明したが、舵面操作システムは本発明が適用可能な制御システムの一例であり、本発明の適用対象は舵面操作システムに限定されるものではない。また、ここでは低剛性舵面と油圧シリンダからなる系の連成振動の共振、サーボ弁の共振を抑える重み関数W(s)を設定したが、他の部位又は系の振動を抑制するような重み関数W(s)を設定するようにしても構わない。換言すると、重み関数W(s)には振動を抑制したい動特性の数だけ逆ノッチ特性を与えればよいのであり、これにより各動特性に対して実質的な抑制効果を保ちつつ、高応答で簡易な制御手法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図。
【図2】本発明が適用される舵面操作システムの概略構成図。
【図3】本発明の第1の実施形態の重み関数W(s)のゲイン特性を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態の重み関数W(s)のゲイン特性を示す図。
【図5】本発明の第3の実施形態の重み関数W(s)のゲイン特性を示す図。
【図6】従来の設計手法を示す図。
【図7】別の従来の設計手法を示す図。
【符号の説明】
1 舵面
2 機体
3 油圧シリンダ
4 油圧源
5 サーボ弁
5aスプール
6 スプール駆動モータ
7 モータ駆動回路
8 コントローラ
9 ストローク検出器
10 スプール変位検出器

Claims (6)

  1. アクチュエータと、アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動部と、アクチュエータの動作量と目標値との偏差eに基づき、アクチュエータの動作量が目標値に追従するようにアクチュエータ駆動部に制御入力vrを出力するコントローラとから構成され、
    コントローラが、前記偏差eの積分esと、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られるwを評価信号とする評価式を最小化するように最適制御理論により求められる制御器K(s)を備えたアクチュエータの制御システムにおいて、
    振動を抑制したい少なくとも1つの部位又は系の共振周波数をfnとしたときに、前記重み関数W(s)に、周波数fnにおいて逆ノッチ特性を持たせるとともに、周波数fn以外においてゲイン一定の特性を持たせたことを特徴とするアクチュエータの制御システム。
  2. 前記重み関数W(s)を次式、
    Figure 0003653387
    ただし、fn:振動を抑制したい部位又は系の共振周波数、
    ζn:同減衰比、
    で与えたことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータの制御システム。
  3. アクチュエータと、アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動部と、アクチュエータの動作量と目標値との偏差eに基づき、アクチュエータの動作量が目標値に追従するようにアクチュエータ駆動部に制御入力vrを出力するコントローラとから構成され、
    前記コントローラが、前記偏差eの積分esと、制御入力vrに重み関数W(s)をかけて得られるwを評価信号とする評価式を最小化するように最適制御理論により求められる制御器K(s)を備えたアクチュエータの制御システムにおいて、
    振動を抑制したい少なくとも1つの部位又は系の共振周波数をfnとしたときに、前記重み関数W(s)に、周波数fnにおいて逆ノッチ特性を持たせるとともに、周波数fn以外において低周波域でゲイン小、高周波域でゲイン大の特性を持たせたことを特徴とするアクチュエータの制御システム。
  4. 前記重み関数W(s)を次式、
    Figure 0003653387
    ただし、fn:振動を抑制したい部位又は系の共振周波数、
    ζn:同減衰比、
    m:想定する制御帯域の上限周波数、
    で与えたことを特徴とする請求項3記載のアクチュエータの制御システム。
  5. 前記アクチュエータには低剛性負荷が連結されており、前記周波数fnに、アクチュエータと低剛性負荷からなる系の連成振動の共振周波数f1を設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のアクチュエータの制御システム。
  6. 前記アクチュエータには低剛性負荷が連結されており、前記周波数fnに、アクチュエータと低剛性負荷からなる系の連成振動の共振周波数f1と、アクチュエータ駆動部の共振周波数f2とをそれぞれ設定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のアクチュエータの制御システム。
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