JP3652740B2 - 豆腐の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、豆腐の製造方法及び装置に関する。詳しくは、簡単な構成で豆腐の殺菌を有効に行なうことが可能な豆腐の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
豆腐は、豆乳にニガリ等の凝固剤を添加して豆乳を凝固させて製造するが、豆腐の製造方法としては、「腰掛け法」や「2度寄せ法」と称されている製造方法が知られている。
腰掛け法は、木綿豆腐の製造に使用されるもので、先ず大豆から生搾り法により抽出してオカラを何度も洗い込んで得たタンパク質濃度の低い豆乳に、薄い水ニガリを数回に分けて少量づつ添加しながら豆乳を手作業で緩やかに攪拌する。これにより、容器内のタンパク質が細かい綿状や雪状に凝固して、容器の底に柔らかなブロック状の凝固が徐々に発生する。
この場合、タンパク質の凝固状態は目視で確認される。次に、ブロック状に凝固したタンパク質を、木綿布を敷いた水切り穴付きの型箱に移し変えて、凝固したタンパク質の表面に重りを乗せて凝固したタンパク質を加圧成形する。これにより、箱型の水切り穴から水分が除去されて木綿豆腐が製造される。
【0003】
また、2度寄せ法は絹ごし豆腐の製造に使用されるもので、先ず容器内の豆乳に所定量の凝固剤をまとめて同時に添加すると共に豆乳を攪拌して容器内のタンパク質を柔らかい状態に凝固する。次に、柔らかに凝固したタンパク質を容器から、絹ごし型箱に一気に流し込んで凝固したタンパク質を豆乳中に均一に分散(2度目の撹拌)させる。この状態でタンパク質をさらに凝固させて絹ごし豆腐が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、腰掛け法などによる木綿豆腐の製造過程においては、漬大豆と挽き水ををすりつぶしてスラリー状にしたゴ液を煮沸した後から凝固熟成までは、豆乳は60℃以上であるため、一般細菌数は少なく、大腸菌群も検出されない。凝固熟成後、木綿布を敷いた型箱に適当に砕いた凝固物を盛り込み、木綿布で包み込んで蓋をして、成型工程に移る。このとき、型箱内面は凝固物自身の熱によって比較的高温になっているので、型箱内面に存在する大腸菌や熱に弱い一般細菌は死滅する。しかし、型箱外面は凝固物からの伝熱はあるものの、それ程高温にはならないため、大腸菌や一般細菌の温床になりやすい。
【0005】
型箱は、こうした雰囲気にある型箱搬送コンベヤや圧搾板に触れて、大腸菌や土壌菌の汚染を受ける。型箱や布は必要に応じて作業中に洗浄殺菌が可能であるが、こうした固定された機械部分は作業と続けるにつれて、汚れが蓄積する。さらに豆腐の圧搾形成により排出される水分である「ゆ」の湯気で適度な温度と適度な湿度が保たれ、「ゆ」の中の十分な栄養源を質化して、微生物が一層活発に繁殖できる雰囲気になっている。また、湯気のしずくが豆腐の製造に用いられる各種器具・装置に付着した雑菌を洗い込み、型箱に落ちて汚染することもある。型箱に付着した多くの雑菌は、次の水槽での冷却工程(豆腐切断、自動包装工程)で、中身の豆腐を汚染することになり、製品中の雑菌がきわめて多くなる。このように雑菌の内外での微生物の生育環境は大きく異なり、プレス工程での汚染が製品の品質を損ねている。
【0006】
また、絹ごし豆腐の製造工程においては、木綿豆腐のように圧搾による「ゆ」が出ることはないが、型箱からの熱で型箱周辺が微生物の繁殖に良好な環境になっている。さらに、木綿豆腐に比べて熟成時間が長いため、搬送装置が大きくなり、微生物に汚染される表面積が大きくなるので、型箱表面で雑菌が十分に増殖できるようになる。このようにして、型箱の外面に繁殖した雑菌は、木綿豆腐と同様に水槽で絹ごし豆腐の表面に付着する。
型箱を使わないベルト式連続木綿豆腐成型機においても、プレス中に上下面及び側面の成型板に雑菌が繁殖し、この雑菌が豆腐に付着する。
そのため、従来は豆腐の製造ライン全体を透明カバーなどで覆い、その中に殺菌手段を設けることにより、カバー内を全体的に無菌状態にして、製品の品質を良好に保持するようになっているのが普通であった。しかし、この方法では装置が大型となりコストアップになるという問題があった。
そこで、本発明の目的は上記従来技術が有する問題を解消するもので、豆腐の製造ライン中の一部で殺菌することにより、簡単な構成でしかも殺菌を有効に行なうことが可能な豆腐の製造方法及び装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、豆乳に凝固剤を添加し、圧搾成型又は凝固熟成し、所定の大きさに切断後冷却水槽へ搬送し、続けて冷却水槽に浸漬して冷却する工程を含む豆腐の製造方法において、圧搾成型又は凝固熟成工程及び/又は切断工程又はこれらの工程と冷却水槽への搬送工程の一部を覆うカバーを設け、そのカバー内で、前記冷却水槽への浸漬前に豆腐の周辺を殺菌することを特徴とする豆腐の製造方法によって達成することができる。
本発明の上記目的は、冷却水槽への浸漬前の豆腐の切断工程及び/又は冷却水槽への搬送工程中に殺菌を行なうことを特徴とする前記の豆腐の製造方法によって達成することができる。
【0008】
本発明の上記目的は、豆腐に凝固剤を添加し、圧搾成型又は凝固熟成させた後に冷却水槽に浸漬して冷却する工程を有する豆腐の製造装置において、前記冷却水槽への浸漬前に豆腐の周辺を殺菌する殺菌手段を設けたことを特徴とする豆腐の製造装置によって達成することができる。
また、本発明の上記目的は、殺菌を行う領域のみを覆うカバー手段を設け、該カバー手段で覆った領域中に殺菌手段を設けたことを特徴とする前記の豆腐の製造装置によって達成することができる。
【0009】
本発明の豆腐の製造方法及び装置においては、冷却水槽への浸漬前に、圧搾成形された又は凝固熟成された豆腐の周辺を殺菌するので、豆腐の汚染を確実に防止することができる。また、製造ライン全体を無菌状態にする必要がないので、装置の構成を簡略化でき、コストダウンが可能になる。
なお、本発明でいう豆腐とは、木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐等のほかに、油揚げや凍り豆腐の生地等も示すものである。
また、本発明でいう圧搾成型とは、木綿豆腐を作るときに行われる操作であり、豆乳に凝固剤を添加してある程度の凝固を行ったあと、凝固物を崩して木綿布を敷いた水抜き穴のある木綿型箱に移し代えてその上から圧力を加えて余分な水分の排出、砕いた豆腐の組織の再結着を行ないながら豆腐の成型を行うことである。
【0010】
また、本発明でいう凝固熟成とは、絹ごし豆腐を作るときに行われる操作であり、豆乳に凝固剤を添加して豆腐組織が完全に凝固するまで静置することである。
また、ソフト豆腐とは、豆乳に凝固剤を添加してある程度の凝固を行ったあと、凝固物を崩さずに木綿布を敷いた水抜き穴のある木綿型箱に移し代えて、または水抜き穴の無い型箱のまま、その上から圧力を加えて成型を行うものである。本発明では、ソフト豆腐の製造における上記の操作も、本発明でいう圧搾成型又は凝固熟成の範疇に入るものとする。
また、本発明でいう豆腐の周辺とは豆腐の型箱や豆腐の表面、機械生産においては豆腐搬送ベルトなどの豆腐搬送手段を意味するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる豆腐の製造方法及び装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による木綿豆腐の製造工程1を示す。この木綿豆腐の製造工程1は、豆乳製造工程11で豆乳が製造され、次に凝固工程12で豆乳に凝固剤が添加されて凝固が行なわれる。続いて、成型工程13で凝固物が成型され、切断工程14で切断される。次に、冷却工程15で冷却され、この後包装工程16で製品が包装されて、木綿豆腐が完成する。本発明では、この木綿豆腐の製造工程1において、成型工程13と切断工程14のどちらか一方、又は両方において殺菌処理が行なわれる。なお、切断工程14の前に冷却工程15を設けてもよいが、この場合は成型工程13で殺菌処理を行うことが必須であり、切断工程14でも殺菌処理を行うことが好ましい。
【0012】
図2は、絹ごし豆腐の製造工程2を示す。この絹ごし豆腐の製造工程2は、豆乳製造工程21で豆乳が製造され、次に凝固工程22で豆乳に凝固剤が添加される。続いて、熟成工程23で熟成が行なわれ、その後切断工程24で切断される。次に、冷却工程25、包装工程26が行なわれて、絹ごし豆腐が完成する。絹ごし豆腐の製造工程2では、凝固工程22と、熟成工程23と、切断工程24の何れか1〜3工程で殺菌が行なわれる。なお、切断工程24の前に冷却工程25を設けてもよいが、この場合は凝固工程22及び/又は熟成工程23で殺菌処理を行うことが必須であり、切断工程24でも殺菌処理を行うことが好ましい。
このように、本発明では、圧搾成形工程13又は凝固熟成工程22〜23、豆腐の切断工程14、24及び/又は冷却水槽による冷却工程15、25への搬送工程中に殺菌が行なわれる。
【0013】
豆乳は、図3に示すように、豆乳製造ライン3で製造される。ここでは、まず生大豆をサイロ31に貯蔵し、石取り機32で小石などを除き、研磨機33で大豆表面の石や埃を取り除く。次に、生大豆を浸漬槽34で一夜水に漬け込む。翌日、排水後豆乳製造プラント35にホッパ36で減圧吸引して吸い上げ、所定量の漬大豆と挽き水を計量し、粉砕機37でスラリー状にすり潰す。この状態のものを「生ゴ」という。
生ゴを種箱38に受け、エジェクタ(蒸気)やポンプ39によって、蒸缶40に送られ、この蒸缶40で90〜110℃に1〜120分間加熱される。この状態のものを「煮沸液」という。煮沸終了後、蒸気の圧力又はポンプによって煮沸液を絞り機41のゴ液タンク42に送り込む。煮沸液はポンプ43でミジン取りドラム(細かいスクリーン)44に送られ、濾過された豆乳は豆乳温調タンク45又はデアレータ46手前のバランスタンクに流れ落ちる。
【0014】
濾過されない煮沸液は、パンチングドラムに落ち、圧搾されたオカラと細かいミジンを含む豆乳に分かれる。細かいミジンを含む豆乳は、再度ゴ液タンク42に戻され、ミジン取りドラム44に送られる。このように循環しながら、豆乳が豆乳温調タンク45又はデアレータ46手前のバランスタンクに落とし込まれる。デアレータ46を使用する場合は、缶体47を真空ポンプ48で減圧し、そこに豆乳を吸い込ませ、脱気を行なう。脱気済み豆乳は、ポンプ49によって豆乳温調タンク45に送られる。
【0015】
木綿豆腐は、図4に示すように木綿豆腐製造ライン5で製造される。この木綿豆腐製造ライン5は、豆乳を貯める型枠に豆乳を供給する豆乳供給手段(図示せず)と、型枠内の豆乳に凝固剤を添加する凝固剤添加手段(図示せず)とが設けられたバケット凝固機51で凝固熟成を終えた豆腐が、豆腐成型機52の上の木綿豆腐用の型箱(穴あき、布敷き)53に盛り込まれる。そして、型箱53の蓋の上から凝固剤が添加された豆乳を圧搾成形する圧搾成形手段である圧搾機54で加圧されて、豆腐が成型される。このとき「ゆ」が豆腐から流れ出る。
豆腐成型機52では、カバー55に囲まれた空間内で、水蒸気(例えば直接蒸気噴霧)、熱風(例えばスチームヒーター)、紫外線ランプ、赤外線ヒーター、オゾンガス(オゾン水の噴霧)などの殺菌手段59を用いて、型箱53の外側やコンベアなど豆腐の周辺が殺菌される。圧搾機54で加圧された豆腐は、最後に搬送手段で冷却手段である冷却水槽56(一次)に入れられる。冷却水槽56に入れるのは、アク抜きが目的であり、必ずしも冷却する必要はない。型箱53から出された豆腐は、冷却水槽56に1〜30分間静置された後で切断される。
【0016】
このように、型箱53から出されて切断されるまでの工程において殺菌処理をするのが効果的で、例えば熱殺菌する場合、電気ヒーターや蒸気吹き込みで冷却水槽56の水温を60℃以上にすると、型箱53及び豆腐表面を殺菌できる。この冷却水槽56には、オゾン水を使用することができ、この場合には殺菌作用としても有効である。オゾン水としては、例えば次亜塩素水、さらし粉などの食品添加物など食品加工に認められたものを使用できる。
なお、特公平1−51988号公報には、死菌もしくは滅菌状態を維持できる80℃前後の湯槽内で、凝固された豆腐が空気に触れることなく、雑菌の付着及びその繁殖を未然に防止し、滅菌状態を保つようにする技術が開示されている。しかし、この技術は、湯槽浸漬直前では未殺菌でこの湯槽で始めて殺菌されるため、その温度は80℃前後と高く凝固された豆腐の品質に影響を与える恐れがある。これに対して、本発明の態様は、冷却水槽への浸漬直前に殺菌が行われているため、その温度は60〜70℃と比較的低く、凝固された豆腐の品質に影響を与える恐れがない。これは完全な殺菌ができなくとも、ある程度の期間の雑菌の繁殖を押さえる制菌状態にすれば充分であるためである。
冷却水槽56で冷却された豆腐は適当な大きさに切断された後製品包装手段である包装機57で包装され、次に冷却水槽(二次)58に入れられて完成する。
【0017】
絹ごし豆腐は、図5に示すように絹ごし豆腐製造ライン6で製造される。この絹ごし豆腐製造ライン6では、豆乳を貯める型枠に豆乳を供給する豆乳供給手段(図示せず)と、型枠内の豆乳に凝固剤を添加する凝固剤添加手段(図示せず)と、凝固剤が添加された豆乳を凝固熟成する凝固熟成手段(図示せず)とが設けられた絹凝固機61の豆乳計量タンク62に、豆乳が送られて計量(場合によっては冷却温調)され、次に型箱63に入れられる。凝固剤は計量器64で計量され、撹拌装置65で豆乳に混合される。その後、コンベア上を移動しながら、1〜120分間熟成される。
この時、カバー66で囲まれた空間で、水蒸気(直接蒸気噴霧)、熱風(例えばスチームヒータ)、紫外線ランプ、赤外線ヒータ、オゾンガス(オゾン水の噴霧)などの殺菌手段67を用いて、型箱63の外側やコンベアなど豆腐の周辺を殺菌する。最後に、豆腐は搬送手段でオートパック68の冷却水槽(図示せず)に送られ、冷却水槽内で型箱63から出されて移動装置69で切断装置70に送られ、ここで切断されて製品包装手段で包装される。
【0018】
前述の木綿豆腐製造ライン5と同様に、型箱63から出されて切断されるまでの工程でも殺菌するとより効果的であり、例えば熱殺菌する場合、電気ヒーターや蒸気吹き込みで冷却水槽の水温を60℃以上にすると、型箱63及び豆腐表面を殺菌できる。冷却水槽には、オゾン水を使用できる。オゾン水としては、次亜塩素水、さらし粉など食品添加物などの食品加工に認められたものを適用することができる。包装された豆腐は、クールクール槽71及びスタッカー72に送られて、製品が完成する。
【0019】
図6は、連続式木綿豆腐製造ライン8の構成を示す。この連続式木綿豆腐製造ライン8は、豆乳が連続式自動凝固成型機81の豆乳計量タンク82に送られ、計量(場合によっては冷却温調)され、バケット83に入れられる。凝固剤は計量器84で計量され、撹拌装置85で豆乳に混合される。熟成後、バケット反転装置86及び水取りドラム87で「ゆ」が除かれ、豆腐は分配機88によってベルト状の布(下側キャタピラ)(図示せず)の上に乗せられて均される。数分間自然脱水され、上布(上側キャタピラ)(図示せず)がかけられ、5〜30分間圧搾成形される。
【0020】
この時、カバー89で囲まれた空間で、水蒸気(直接蒸気噴霧)、熱風(例えばスチームヒーター)、紫外線ランプや赤外線ヒーター、オゾンガス(オゾン水の噴霧)などの殺菌手段90によって、布やキャタピラなど豆腐に接する部分が殺菌される。豆腐は、次に包装機91の冷却水槽(図示せず)に送られ、切断された後包装される。前述の木綿豆腐製造ライン5および絹ごし豆腐製造ライン6と同様に、コンベアから出てから切断までの工程でも殺菌すると効果的であり、ここで例えば熱殺菌する場合には、電気ヒータや蒸気吹き込みで冷却水槽の水温を60℃以上にすると、型箱及び豆腐表面を殺菌できる。冷却水槽には、オゾン水(次亜塩素水、さらし粉など食品添加物など食品加工に認められたもの)も有効に使用できる。包装された豆腐は、クールクール槽92を経てスタッカ93に送られて製品が完成する。
【0021】
殺菌手段59、67、90としては、特に、水蒸気、熱風、赤外線等の熱殺菌が好ましい。熱殺菌によれば、凝固熟成または圧搾成型中の豆腐の中からの放熱が少なくなる。絹ごし豆腐では、熟成中に型箱63周囲の放熱による凝固不足が解消され、その分多めにしていた凝固剤の量を減らしたり、高めにしていた凝固温度を下げることができる。このように、熱殺菌では豆腐の凝固条件を改善することができ、保水力があり、弾力があって、肌の良い、美味な豆腐を製造することもできる。
また、木綿豆腐でも、成型時に放熱して低温になると、結着が悪くなったり、布目の目詰まりが起こり易くなるが、熱殺菌をすることで放熱が避けられるので、これらの不都合を防止できる。そのため、例えば従来は凝固剤を多めにしたり、凝固温度を高めていたり、撹拌を強くしていた凝固条件を、少ない凝固剤量、低めの凝固温度、ソフトな撹拌等に改善することができる。したがって、オゾンや、紫外線などの殺菌手段に比べて、熱殺菌手段が好ましいのである。
【0022】
上述のように、木綿豆腐では、型入れから圧搾成形して切断するまでの工程で、殺菌処理が並行して組み込まれる。絹ごし豆腐では、凝固直後から熟成して切断するまでの工程で、殺菌処理が並行して組み込まれる。豆腐の中心部は、豆乳が90℃で1分以上加熱され、その後の温度が60℃未満に冷めなければ、細菌胞子以外殆どの菌は存在せず、外から混入しても繁殖することはない。
したがって、本発明では豆腐の中心部までは殺菌する必要がなく、冷却用の水槽に豆腐と共に浸かり込む型箱、コンベア、布などの表面、又は間接的にこれらの器具に触れる部分の表面を殺菌し、冷却後に豆腐に汚染する微生物を極力少なくして、豆腐の日持ちを良くするようになされている。
【0023】
なお、殺菌手段として蒸気を使用する場合は、60℃以上の水蒸気で30分以上の殺菌が必要である。望ましくは、豆腐品質に影響が少ない80〜100℃の水蒸気で、1〜30分殺菌するのが良い。熱風を使用する場合は、60℃以上で30分以上殺菌する。望ましくは、豆腐品質に影響が少ない80〜100℃の熱風で1〜30分殺菌するのが良い。
遠赤外線又は赤外線の場合は、波長2.5〜25nm、出力数kw/hr、照射時間1〜15分で殺菌する。望ましくは10kw/hr以上で、5〜10分程度殺菌するのが良い。また、紫外線の場合は、波長200〜310nm(中心250〜260nm)、ランプ電力10〜数kw、被照射物紫外線照度1〜数百mw/cm2 で殺菌する。望ましくは20〜30mw/cm2 、照射時間0.1秒〜数時間、好ましくは1秒〜1時間で殺菌するのが良い。オゾンガスの場合は、オゾン酸化力による微生物で殺菌する。なお、殺菌手段としてはマイクロ波、放射線などもあるが、設備が大型になり、保守管理も煩雑なため実用には適さない。
【0024】
包装後にボイル殺菌やレトルト殺菌を行なう場合は、上述したような殺菌処理は不要であるが、これらの殺菌方法では豆腐を加熱するため、渋くなったり、離水したり、粉っぽくなったり、ひどいときには異臭がすることもあるので好ましくない。市場では、豆腐は10℃以下の要冷蔵での流通が普通であり、また長くても製造後1〜2週間の間には消費されてしまうため、絶対的な殺菌処理は不要である。こうした品質の劣化を伴う殺菌方法に比べて、本発明では汚染が認められる工程を集中的に殺菌するので、品質の低下を防ぐことができる。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕
図4に示す木綿豆腐の製造装置を用いて木綿豆腐を製造した。殺菌手段59としてはスチームヒーターを使用し、カバー55で囲まれた空間で豆腐型箱の周辺を65℃、1.5時間の殺菌を行った。その後、冷却水槽への浸漬、切断、包装を行って仕上げた製品を10℃で0、2、4、7、11、14日間保存したものを破砕し、それぞれ豆腐破砕物1g当たりの一般細菌の生菌数を測定した。測定結果を表1及び図7に示す。なお細菌の生菌数の測定には、食品の衛生学的試験に一般に用いられる方法にしたがって行った。
〔実施例2〕
85℃、0.5時間の殺菌を行った以外は、実施例1と同様に豆腐破砕物1g当たりの一般細菌の生菌数を測定した。測定結果を表1及び図7に示す。
〔比較例〕
殺菌手段を設けることなく、未殺菌で豆腐を製造した以外は、実施例1と同様に豆腐破砕物1g当たりの一般細菌の生菌数を測定した。測定結果を表1及び図7に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003652740
【0027】
本発明の方法及び装置で殺菌を行った実施例1及び2の豆腐の0日後の生細菌数は、それぞれ1.8×103 cell/g及び4.7×103 cell/gであり、殺菌を行っていない比較例の豆腐の1.4×105 cell/gと比較して1/50〜1/100 と少なかった。また、比較例の豆腐は食品の賞味限界を示す、生細菌数107 cell/gオーダーになるまで4日間と短いが、実施例1及び2で製造した豆腐は7日間以上と長く、長期保存に適していることが判った。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による豆腐の製造方法及び装置によれば、冷却水槽への浸漬前に、圧搾成形された又は凝固熟成された豆腐の周辺を殺菌するので、豆腐の汚染を確実に防止できる。また、製造ライン全体を無菌状態にする必要がないので、装置の構成を簡略化でき、コストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる豆腐の製造方法及び装置の木綿豆腐の製造工程を示す図である。
【図2】絹ごし豆腐の製造工程を示す図である。
【図3】豆乳製造ラインを示す図である。
【図4】木綿豆腐製造ラインを示す図である。
【図5】絹ごし豆腐製造ラインを示す図である。
【図6】連続式木綿豆腐製造ラインを示す図である。
【図7】本発明の方法および装置を用いて製造した豆腐の一般細菌数を示すグラフ。
【符号の説明】
3 豆乳製造ライン
5 木綿豆腐製造ライン
6 絹ごし豆腐製造ライン
8 連続式木綿豆腐製造ライン
51 バケット凝固機
52 豆腐成型機
56 冷却水槽
57 包装機
61 絹凝固機
68 オートパック
81 自動凝固成型機
91 包装機

Claims (4)

  1. 豆乳に凝固剤を添加し、圧搾成型又は凝固熟成し、所定の大きさに切断後冷却水槽へ搬送し、冷却水槽に浸漬して冷却する工程を含む豆腐の製造方法において、
    圧搾成型又は凝固熟成工程及び/又は切断工程又はこれらの工程と冷却水槽への搬送工程の一部を覆うカバーを設け、そのカバー内で、前記冷却水槽への浸漬前に豆腐の周辺を殺菌することを特徴とする豆腐の製造方法。
  2. 冷却水槽への浸漬前の豆腐の切断工程及び/又は冷却水槽への搬送工程中に殺菌を行なうことを特徴とする請求項1記載の豆腐の製造方法。
  3. 豆乳に凝固剤を添加し、圧搾成型又は凝固熟成させた後に冷却水槽に浸漬して冷却する工程を有する豆腐の製造装置において、
    前記冷却水槽への浸漬前に豆腐の周辺を殺菌する殺菌手段を設けたことを特徴とする豆腐の製造装置。
  4. 殺菌を行う領域のみを覆うカバー手段を設け、該カバー手段で覆った領域中に殺菌手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の豆腐の製造装置。
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