JP3652288B2 - 地盤改良工法及び掘削装置 - Google Patents

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地盤改良工法に関し、特に既設構造物直下地盤における地盤改良に好適な工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から地下の地盤状況、即ち地層構造、既設構造物直下の人工改変、残存異物、空洞等を改善するために薬液を注入することが行われている。また、最近では工場等の直下地盤における土壌汚染を回復するために、例えば汚染物質を資化物とする微生物が含まれた液体を地盤中に浸透させることも行われるようになってきている。なお、本明細書では、こうした地盤を改良するために使用する各種の液剤を地盤改良液と総称するものとする。
【0003】
こうした地盤改良液を地盤に散布する地盤改良工法としては、例えば薬液注入工法で広く行われている事例のように、地盤を削孔して薬液注入用のストレーナ管(ストレーナ工法)やロッド(ロッド工法)を敷設し、これに薬液を圧送して地盤に噴出させる、といったような幾つかの工法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の地盤改良工法では、図11で示すように、剛体であるストレーナ管P,P,Pを真下か斜め下方へ真っ直ぐにしか敷設することができない。そのため、ストレーナ管P,P,Pの周囲については、地盤改良液Fを浸透させることができるが、目的とする地盤改良域Gのうち建物である既設構造物B中央付近の直下については、そのほとんどが地盤改良液を浸透させることができない改良不能領域となってしまう。したがって、この従来工法では、ストレーナ管P,P,Pの敷設に制約があるために既設構造物B直下の地盤を万遍なく改良することができなかった。
【0005】
また、建物である既設構造物Bの脇に塀のような既設構造物Bが建っており間隔Dが狭いと、ストレーナ管P,P,Pの敷設作業を行うことすら不可能である。そこで、余すことなく既設構造物B直下の地盤を改良するには、既設構造物Bの外側に立坑Hを削坑してから水平方向に横孔Hを削孔し、その横孔H内に地盤改良液圧送用の管材(図示せず)を敷設して地盤改良液Fを注入することも考えられる。ところがこれだと、横孔Hを掘削する掘削装置を設置して作業するための作業スペースを取れるような非常に大きな立坑Hを削坑しなければならないため、大規模な工事が必要となり労力だけでなく経済的な負担増も大きく実際的でない。そして仮に、労力や経済的な負担増の問題をクリアーできたとしても、そのような大きな立坑Hを削坑できる程度の広い敷地を既設構造物B,Bの周辺に確保する必要があるが、建築物や構築物等が過密している都市部では、実際にそのような広い敷地を確保することができないのが実際であり、立坑Hを削坑すること自体が困難である。
【0006】
さらに、従来の工法では、例えば図12で示すように、ストレーナ管等の敷設経路上に、上下水道管や送電管などの埋設物Bや柱の基礎などの埋設物Bが存在する場合には、それらを回避してストレーナ管等の敷設用の横孔を敷設することができない。即ち、図12の例では、地盤改良域Gの全域に満遍なく地盤改良液Fを浸透させるには、上2本、下2本で計4本の横孔を形成するのが好ましいが、上2本については埋設物Bが邪魔となるため横孔を削孔できないし、下2本のうちの1本については埋設物Bが邪魔となるため横孔を削孔できず、結局図示した横孔Hしか削孔することができない。そのため従来の工法では、こうした埋設物B,Bがストレーナ管等の敷設経路上に存在するような場合には、地盤改良域Gに地盤改良液Fを十分に浸透させることができなかった。そして、この場合には、例えば横孔Hと交差する方向から別の横孔(図示せず)を形成すれば良いが、そうすると地盤改良域Gの四方(水平方向)に更なる広い敷地が必要となり、特に都市部での実施が制限されていた。
【0007】
また、以上のような図11,図12に示す従来工法では、ストレーナ管等を敷設するために多数の横孔を地盤に形成するが、その分地盤の強度が弱くなるといった地盤破壊の問題や、多数の横孔を地下水が逆流することで汚染物質を含む地下水が拡散してしまうといった環境破壊の問題等をも誘発する原因にもなってしまう。特に、図11の例では、各横孔Hのうち地盤改良域G,Gにアプローチするまでの孔部分は無駄掘り部分であって、そのような地盤破壊や環境破壊等の問題の観点からはむしろ無い方が好ましいのである。
【0008】
そして、従来工法では、図11や図12の例のように複数の横孔を形成する場合に、削孔工程と地盤改良液の注入工程とを連続して行って1つの横孔についての作業を完結してから隣の横孔の削孔工程と注入工程を行う、といった具合に隣接する横孔ごとに時間差を持って作業が行われる。そのため、ある横孔から浸透させた地盤改良液、例えば地盤強化用薬液の作用によって固結しつつある地盤が、次の横孔の削孔時に破壊されるおそれがあって薬液による十分な改良効果を期待できない。
【0009】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明であり、本発明は、次に掲げるうちの少なくとも一つをその目的としている。
【0010】
即ち、本発明の第1の目的は地盤改良液注入用管材の敷設自由度を拡大でき、既設構造物直下の地盤であっても満遍なく地盤改良液を注入することのできる地盤改良工法を提供することにある。
【0011】
第2の目的は、既設構造物の周囲に僅かな作業スペースしかなくても実施することのできる地盤改良工法を提供することにある。
【0012】
第3の目的は、多数の地盤改良液注入用管材を敷設するための敷設孔を形成しても、地盤破壊や環境破壊等の問題を誘発する可能性のある無駄掘り部分を少なくできる地盤改良工法の提供にある。
【0013】
第4の目的は、隣接する地盤改良液、特に地盤の強化に作用する薬液の固結作用を損なうことのない地盤改良工法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、掘削液又は地盤改良液を搬送する少なくとも独立した二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの一の管路とだけ連通する一の流路と、該ロッドの他の管路とだけ連通する他の流路と、該一の流路とだけ連通して掘削時には掘削液を掘進方向前方にのみ噴出する噴出孔と、該他の流路とだけ連通して注入時には地盤改良液を噴出する噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一の管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ前記噴出孔から噴出させる地盤改良工法を提供する。
【0015】
この地盤改良工法では、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一の管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成するので、掘削液の噴出方向に応じて掘進方向を変更することが可能で、直線状や曲線状、あるいはこれらを組み合わせた任意の敷設孔を形成することができる。そのため、敷設経路の自由度が拡大されて地盤改良域に万遍なく地盤改良液を注入することが可能となる。そして、掘削ヘッドの掘進方向の変更は、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら遠隔操作で行うことができるため、例えば既設構造物を撤去しなくてもその直下地盤に正確に任意の敷設孔を形成することができる。こうした遠隔操作の具体的方法としては、例えば掘削ヘッドに水平に対する傾斜角や掘進方位や掘進深度等を検知するセンサ等を内蔵しておき、検知された位置情報を有線または無線で地上の操作機器へ出力させて、その位置情報をもとに該操作機器で操作してもよい。但し、掘削ヘッドに内蔵する機器類が多くなると掘削ヘッドやロッドが大径化してしまい、特に曲線状の敷設孔の曲率半径を小さくできない点で不利である。したがって、曲線状とする敷設孔の曲率半径を小さくして小回りを利かせる為には、例えば掘削ヘッドに電磁誘導による操作を可能にするための小型発信器を備えるようにし、掘削ヘッドを地上から電磁誘導で操作するのが好ましい。また、前記地盤改良工法では、掘削液の流路(ロッドの一の管路、掘削ヘッドの一の流路及び噴出孔)と、地盤改良液の流路(ロッドの他の管路、掘削ヘッドの他の流路及び噴出孔)とが独立した流路となっているため、掘り進みながら任意の位置で地盤改良液を噴出することが可能であり、また掘削液と地盤改良液とが混合することもない。
【0016】
また、本発明は、掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの各管路と連通する少なくとも二つの流路と、各流路に連通して掘削液又は地盤改良液を噴出する複数の噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一つの管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ前記噴出孔から噴出する工程と、地盤改良液の噴出後に、敷設孔の所定位置まで掘削ヘッドを後退させると共に掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して、敷設孔の途中から他の地盤改良域に至る枝孔を分岐形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を噴出する工程と、を行う地盤改良工法を提供する
【0017】
これによれば、地盤改良液の噴出後に、敷設孔の所定位置まで掘削ヘッドを後退させると共に掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して、敷設孔の途中から枝孔を分岐形成し、目的の地盤改良域にて地盤改良液を噴出するので、多数の敷設孔を形成する必要のある場合であっても枝孔の分岐点までを共用することができるから、地盤破壊や環境破壊等の問題を誘発する可能性のある無駄掘り部分を少なくできる。そして、敷設孔を枝孔として形成する場合には、地面の異なる場所から敷設孔を掘進する必要がないので、地上における作業スペースが少ない場合でも対応でき、既設構造物が密集する都市部においても実施できる。
【0018】
さらに、本発明は、掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの各管路と連通する少なくとも二つの流路と、各流路に連通して掘削液又は地盤改良液を噴出する複数の噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的とする複数の地盤改良域ま で前記ロッドの一つの管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を複数形成し、各敷設孔にそれぞれロッドと掘削ヘッドとを残置しておき、地盤改良液を各ロッドの地上側後端部から各ロッドの他の管路と各掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ各噴出孔から同時注入するようにした地盤改良工法を提供する
【0019】
これによれば、複数の敷設孔について同時に地盤改良液を注入するので、地盤改良液にもとづく所定の作用が他の敷設孔の削孔時に破壊されることが無く地盤改良液による十分な改良効果を期待できる。
【0020】
そして、以上の各地盤改良工法については、掘削ヘッドが、掘削液の噴出時には掘削液が流通する一の流路を開放すると共に地盤改良液が流通する他の流路を閉塞する一方で、地盤改良液噴出時には前記一の流路を閉塞すると共に前記他の流路を開放する開閉手段を更に備えており、目的の地盤改良域にて、前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に地盤改良液を流通させることで、前記開閉手段により掘削液が流通する前記一の流路を閉塞させると共に前記他の流路を開放して、噴出孔から地盤改良液を注入するものとして構成することができる。
【0021】
これによれば、開閉手段が掘削液と地盤改良液の流通に応じて開閉されるので、掘削液と地盤改良液の流勢を巧みに利用した装置構造とすることができる。
【0022】
さらに、本発明は、掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも独立した二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの一の管路とだけ連通する一の流路と、該ロッドの他の管路とだけ連通する他の流路と、該一の流路とだけ連通して掘削時には掘削液を掘進方向前方にのみ噴出する噴出孔と、該他の流路とだけ連通して注入時には地盤改良液を噴出する噴出孔と、掘削時に自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッド、を連結した掘削装置を提供する。
【0023】
これによれば、掘削液の流路(ロッドの一の管路、掘削ヘッドの一の流路及び噴出孔)と、地盤改良液の流路(ロッドの他の管路、掘削ヘッドの他の流路及び噴出孔)とが独立した流路となっているため、掘り進みながら任意の位置で地盤改良液を噴出することが可能であり、また掘削液と地盤改良液とが混合することもない。
【0024】
以上の本発明における地盤改良工法は、具体的には地盤改良液として薬液を地盤に注入する薬液注入工法や、地盤汚染物質(土壌汚染源)を資化物とする微生物が含まれた液体を地盤中に浸透させる地盤汚染回復工法等としても実施できるものであり、また本発明の掘削装置は、具体的にはそれらの薬液注入工法や地盤汚染回復工法等に使用することができるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では薬液注入工法を一例として説明する。
【0026】
本形態の薬液注入工法では、図1で示すような薬液注入装置を使用する。即ち、この薬液注入装置は、ヘッド部1とロッド部2とを備えるもので、ロッド部2の地上側端末は、作業工程に応じて、ヘッド部1の掘削方向等を制御する操作機器(図示せず)と、ヘッド部1に掘進力を付与する掘進用油圧機器M(図6参照)と、掘削液や薬液を圧送する液送ポンプ(図示せず)に接続される。
【0027】
ヘッド部1の構成: 「掘削ヘッド」としてのヘッド部1は金属製であり、掘削側先端から順番に、先端が掘削に適した尖頭形状の掘削ヘッド3、掘削ヘッド3に締結した発信ロッド4、発信ロッド4に締結され薬液を噴出する噴出ロッド5にて構成されている。
【0028】
掘削ヘッド3には、掘削液Wを図1(a)で示すように上向きに斜め前方へ噴出する2つのノズル孔6が形成されている(図2)。各ノズル孔6から噴出される掘削液Wは、地上の液送ポンプによりロッド部2を通じて圧送されてくる。
【0029】
発信ロッド4の内部は、掘削ヘッド3に掘削液Wを流通させるための流路となっているが、掘削ヘッド1の水平に対する傾斜角や掘削深度、掘削方向等を検知するためのセンサーを有し、検知された位置情報を無線で送出する発信機ユニット7も内蔵されている。
【0030】
噴出ロッド5の概略構成は、図3に示すとおりで、発信ロッド4の後端に連結される接続部8と、掘削液Wおよび薬液F(F1,F2)の流通部9と、流通部9の後端に連結した噴出部10とを備えている。
【0031】
接続部8は円筒形状で、その内部における長手方向の中央部分に形成された隔壁11には流通孔12が複数形成されており、ここを通じて掘削液Wが掘削ヘッド3に流れ込む。隔壁11の一方側壁面には、円筒形状の突出部13が凸形成されており、そこにはゴム状弾性体からなるボール弁14を先端側に固定した作動バネ15の基端側が保持されている。
【0032】
流通部9の内部には、大径の前側流室16、小径の中間流室17、大径の後側流室18が形成されている。
【0033】
さらに、噴出部10には、その軸心方向に沿って、可動ピストン19を保持してその進退動をガイドするガイド室20が形成されており、ガイド室20の後端側には連結部材21を取付けてある。22,23は地盤に薬液F(F1,F2)を注入する噴出孔で、本形態では2つ設けてある。これらの噴出孔22,23からは、後述のようにして別々の薬液F1,F2を噴出できるようになっている。そして、これらの噴出孔22,23の形成部位を除くガイド室20の外側には、円環状に配置した掘削液Wの流通孔24が複数形成されている。
【0034】
ここで可動ピストン19の構成を説明すると、可動ピストン19には、その軸心方向に沿って伸長する中央孔25と、この中央孔25と直交する2つの貫通孔26,27を形成してある。中央孔25の前端にはゴム状弾性体からなる円錐弁28が取付けてある。そして、この可動ピストン19の前側は作動バネ29に挿入されおり、この作動バネ29の弾性力によって可動ピストン19はガイド室20に向けて常時付勢されている。
【0035】
ロッド部2の構成: ロッド部2は金属製で、以上のような構成のヘッド部1(噴出ロッド5)の後端(噴出部10)に接続されるものである。ロッド部2は、継ぎ手30と鞘管31と内管32とで構成され、噴出部10と鞘管31とは継ぎ手30を介して接続され、一の鞘管31と他の鞘管31も同じく継ぎ手30を介して接続される。このようにして薬液注入領域にヘッド部1を到達させるのに必要な長さ分の鞘管31を継ぎ手30で次々と継ぎ足していくことになる。
【0036】
継ぎ手30は、円筒形状となっていて、その両端部の外周面にはテーパーねじ30aが雄ねじとして形成されている(図5参照)。また、鞘管31も円筒形状であり、その両端部の内周面には継ぎ手30のテーパーねじ30aと螺合するテーパーねじ31aが雌ねじとして形成されている(図5参照)。そして、継ぎ手30と鞘管31とがテーパーねじ30a,31aどうしの螺合により接合されるため、水密性を保持することができる。また、継ぎ手30のテーパーねじ30aと鞘管31のテーパーねじ31aの各々の両側には水平面30b,31bが形成されている。つまり、後述するようにロッド部2を弧状に湾曲させた際に、テーパーねじ30a,31aに集中する曲げモーメントをそれらの水平面30b,31bにもたせることにより、テーパーねじ30a,31aに曲げモーメントをもたせない形状となっている。このため、テーパーねじ30a,31aの水密性を保持できると同時に曲げによるテーパーねじ30a,31aへの応力集中を回避してこれを保護することができる。また、継ぎ手30にはOリング30cを設けてあるので、このOリング30cとテーパーねじ30a,31aの両者の水密性によって継ぎ手30と鞘管31との高い水密性を確保している。
【0037】
以上のように締結される継ぎ手30と鞘管31の中には内管32が挿通される。内管32は、図4で示す小径部33の外周面に図示せぬ雄ねじが形成されており、その反対側の内周面にその雄ねじと螺合する雌ねじが形成されている。したがって、内管32どうしを接続する際には、継ぎ手30のような部材が不要であり、直結できるようになっている。内管32の外周面には、鞘管31の内周面形状に対応する外形とした鍔部材34が固定されている。この鍔部材34には、環状に配置した複数の流通孔35が形成されている。したがって、継ぎ手30と鞘管31とを“外管”とすると、ロッド部2には、この“外管”と内管32との間に一つの流路Toが形成されており、内管32内部に他の流路Tiが形成されており、内外二重の流路To,Tiが全体として形成されることになる。
【0038】
動作説明: 次に、上記構成の薬液注入装置の動作を説明する。まず、ヘッド部1とロッド部2とを連結し、ロッド部2の地上側末端を、掘進用油圧機器Mと掘削液Wの液送ポンプ(図示せず)に接続する。削孔の開始時には、“外管”である継ぎ手30および鞘管31の各内周面と、内管32の外周面との間に形成される流路Toを通って掘削液Wが送出される。そして、ヘッド部1の噴出ロッド5に至ると、掘削液Wは、図3(a)で示すように、噴出部10の流通孔24 → 流通部9の後側流室18および可動ピストン19の貫通孔26と中央孔25 → 流通部9の中間流室17 → 流通部9の前側流室16 → 接続部8の流通孔12を通じて発信ロッド4へ流入し、そして掘削ヘッド3内の流路を通じて図1(a)で示すように斜め前方へ噴出される。
【0039】
このとき可動ピストン19は、常に作動バネ29によってガイド室20に向けて付勢されている。そのため、後側流室18と中間流室17との境界部分に対して円錐弁28が離間しており、掘削液Wが流通できるようになっている。また、掘削液Wは、可動ピストン19の中央孔25にも入り込んでくるが、二つの貫通孔26,27がいずれの噴出孔22,23とも重なり合わないために、該噴出孔22,23を通じて掘削液Wが噴出しないようになっている。さらに、掘削液Wは、その流勢によって、作動バネ15により中間流室17に向けて常時付勢されているボール弁14を押圧する。したがって、中間流室17と前側流室16との境界部分が、このボール弁14によって閉塞されないため、掘削液Wは掘削ヘッド3へ流入することが出来る。なお、掘削液Wの供給を停止すれば、ボール弁14は作動バネ15に付勢されて、該境界部分を液密に閉塞することになる。従って、掘削液Wの供給停止後に掘削ヘッド3に残存している掘削液Wが逆流することもない。
【0040】
このようにして掘削液Wを噴出すると、掘削方向に位置する地盤は掘削液Wに浸って軟弱化するため、掘削ヘッド3が地上にある掘進用油圧機器Mの推進力を受けて削孔し続けていくことになる。そして、この削孔時には、任意の方向へ掘削ヘッド3を推進させることができる。即ち、掘削ヘッド3からは掘削液Wが斜め前方へ噴出しているので、図2で示すように、掘削ヘッド3をその軸周り方向Rに回転させれば、全方向へ掘削液Wを噴出することが可能であり、任意方向へ地盤を掘り進むことができる。例えば、より掘削深度をさらに深くする場合には、図2で示す掘削ヘッド3を上下逆さになるまで回転させる。こうすれば、掘削液Wが斜め下方に向けて噴き出すので、より深い地盤を軟弱化させることができる。同様に、掘進方向に対して右方向へ掘り進むには、掘削ヘッド3が右に横倒しとなるように回転させ、左方向へ掘り進むには、掘削ヘッド3が左に横倒しとなるように回転させるようにする。このように掘削ヘッド3を軸周りに回転させるには、地上の掘進用油圧機器Mによりロッド部2を回転させればよく、ヘッド部1(掘削ヘッド3)は、ロッド部2の回転と連動して軸周り方向Rに回転することになる。なお、このような方法ではなく、例えば発信ロッド4の内部に、掘削ヘッド3を軸周り方向Rに回転させるアクチュエータを内蔵しておくようにしてもよい。
【0041】
そして、ヘッド部1の発信ロッド4からは、発信機ユニット7によって、ヘッド部1の水平に対する傾斜角や掘削深度、掘削方向等に関する位置情報がリアルタイムで送出されてくる。この位置情報は、図示しない地上の操作機器で受信され、受信した位置情報に基づいて掘削ヘッド3を前述の要領で軸周り方向Rに回転させて方向転換を行うようにする。
【0042】
以上のようにして薬液注入領域の所定位置まで削孔しつつヘッド部1とロッド部2を敷設すると、次に薬液F(F1,F2)の液送ポンプを、敷設したロッド部2の地上側端末に接続して薬液注入を行う。この薬液注入を行うに当たっては、本形態のヘッド部1とロッド部2によれば、異なる2種類の薬液を同時に注入することが可能である。即ち、液送ポンプを利用して一の薬液F1を鞘管31と内管32との間の流路Toに供給し、他の薬液F2を内管32内の流路Tiに供給する。すると、図3(b)で示すように、内管32に供給した薬液F2が連結部材21を通じて可動ピストン19の後端面19aを押圧し、円錐弁28が後側流室18と中間流室17との間の境界部分を閉塞するまで可動ピストン19が前方へ移動する。ここまで移動すると、薬液F2は、ガイド室20から噴出孔23を通じて勢いよく噴き出される。一方、薬液F1は、噴出部10の流通孔24を通じて流通部9の後側流室18に流れ込んでから、貫通孔26を通って可動ピストン19の中央孔25に流れ込み、そしてもう一方の貫通孔27を通じて噴出孔22から勢いよく噴き出される。
【0043】
この薬液注入を行っている間は、薬液F2の流圧によって可動ピストン19を継続的に押圧した状態となっている。そのため、円錐弁28による閉塞が確実で薬液F1の前側流室16への流れ込みがなく、噴出孔22から噴出される薬液F1の噴出の勢いは強いまま維持され、広く地盤中に薬液F1を拡散することができる。
【0044】
また、掘削時と薬液注入時の切替えは、内管32へ送出する薬液F2の流勢を駆動源とする可動ピストン19により行うため、特別な電気系の駆動源が不要で、故障の少ない簡略で小さな装置構成で行うことができる。そのため、耐久性や信頼性も高い。
【0045】
工法の説明: 図6に示すのは本形態による薬液注入工法の一例である。この図6では、薬液Fを注入した後の状態を示してあり、敷設孔Ha(Ha1〜Ha3)〜Hhが地盤改良域Gに残った状態となっている。その作業工程を説明すると、上述のヘッド部1とロッド部2と地上の掘進用油圧機器Mとを利用して、地盤改良域Gを掘進していく。これによって図7(a)で示す敷設孔Ha1が形成されることになり、今度は薬液注入を行いながらヘッド部1を分岐点D1まで後退させる。次に、分岐点D1で、掘削ヘッド3の回転により掘削液Wの噴出方向を変化させて掘進方向を変更し、再び削孔していく。これによって図7(b)で示す「枝孔」としての敷設孔Ha2が形成され、同様に薬液注入を行いながらヘッド部1を分岐点D2まで後退させる。そして、再び分岐点D2で掘進方向を変更して再び削孔していくと、図6(a)で示すような「枝孔」としての敷設孔Ha3が形成される。そして、後退時に薬液Fを注入しながらヘッド部1を地上へ戻す。これで敷設孔Haに沿った薬液注入は終了する。
【0046】
次に、敷設孔Hb〜Hhに沿った薬液注入を行うが、これらの作業も敷設孔Haと同じ要領で行えばよい。なお、図示は省略してあるが、敷設孔Hb〜Hdに沿った薬液注入も敷設孔Haと同様に複数の敷設孔(枝孔)を形成して行われる。そして、敷設孔Hdに沿った薬液注入を終えると、今度は図8(b)で示す分岐点D3までヘッド部1を後退させてから、分岐点D3で掘進方向を変更して再び掘進していき、図9(a)で示すように枝孔としての敷設孔Heを形成して薬液注入を行う。これと同じ要領で分岐点D4から枝孔としての敷設孔Hfを、次いで分岐点D5から枝孔としての敷設孔Hgを、最後に敷設孔Hhを順に形成しつつ薬液注入を行っていく(図9(b),図6(b))。
【0047】
このような薬液注入工法によれば、敷設孔Ha2,Ha3,He,Hf,Hgを形成するためにそれぞれ地面の異なる場所から掘進し始める必要がなく、地上側の開孔端から分岐点D1〜D5までを共用できるので、地盤破壊や環境破壊等の問題を誘発する可能性のある無駄掘り部分を大幅に減らすことができる。また、地面の異なる場所から掘進し始める必要がないため、地上において広い作業スペースを必要とせず、既設構造物が密集する都市部においても若干のスペースがあれば実施することができる。
【0048】
図10に他の工法の一例を示す。従来工法では、図12で示すように、このような場面では既設構造物B3,B4が存在するために、大きな立坑を掘削しても地盤改良域Gの全体をカバーするように敷設孔を形成することができなかったが、本工法によれば、既設構造物B3,B4を迂回して4つの敷設孔Hi,Hj,Hk(残余の1本は図に表れない。)を形成することができるため、万遍なく地盤改良域Gに対して薬液Fを注入することができる。
【0049】
最後に以上の実施形態の変形例について説明する。以上の実施形態では、敷設孔Ha〜Hkごとに薬液注入を行うようにしたが、複数形成した敷設孔にそれぞれヘッド部1とロッド部2を残置しておき、各ロッド部2に対して各々の地上側後端部から同時に薬液を注入するようにしてもよい。これによれば、複数の敷設孔について同時に薬液を注入するので、地盤の強化に作用する薬液の固結作用が隣接する敷設孔の削孔時に損なわれることがない。
【0050】
上記実施形態では、敷設孔Ha〜Hkを形成してヘッド部1を後退させる際に薬液Fを注入したが、削孔しながら薬液Fを注入してもよい。この場合であっても掘削液Wと薬液Fとの切り替えが確実で容易であるため、作業性が著しく低下したり、掘削液Wと薬液Fとが混合してしまうこともない。
【0051】
さらに、以上の実施形態では、ロッド部2に内外二重で同心状の管路を形成しているが、鞘管31の内部に二つの管路を平行に設けてもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明の地盤改良工法によれば、前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一の管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成する。したがって、掘削液の噴出方向に応じて掘進方向を変更することが可能で、直線状や曲線状およびこれらを組み合わせた任意の敷設孔を形成することができる。そのため、敷設経路の自由度が拡大されて地盤改良域に万遍なく地盤改良液を注入することが可能となる。また、前記地盤改良工法では、掘削液の流路(ロッドの一の管路、掘削ヘッドの一の流路及び噴出孔)と、地盤改良液の流路(ロッドの他の管路、掘削ヘッドの他の流路及び噴出孔)とが独立した流路となっているため、掘り進みながら任意の位置で地盤改良液を噴出することが可能であり、また掘削液と地盤改良液とが混合することもない。
【0053】
また、本発明の地盤改良工法では、地盤改良液の噴出後に、敷設孔の所定位置まで掘削ヘッドを後退させると共に掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して、敷設孔の途中から枝孔を分岐形成し、目的の地盤改良域にて地盤改良液を噴出する。したがって、多数の敷設孔を形成する必要のある場合であっても枝孔の分岐点までを共用することができるから、地盤破壊や環境破壊等の問題を誘発することのある無駄掘り部分を少なくできる。そして、敷設孔を枝孔として形成する場合には、地面の異なる場所から敷設孔を掘進する必要がないので、地上における作業スペースが少ない場合でも対応でき、既設構造物が密集して作業スペースを確保しにくい都市部であっても実施できる。
【0054】
さらに、以上の各地盤改良工法について複数の敷設孔について同時に地盤改良液を注入する本発明によれば、地盤改良液にもとづく所定の作用が他の敷設孔の削孔作業により損なわれることがない。
【0055】
本発明の掘削装置によれば、掘削液の流路(ロッドの一の管路、掘削ヘッドの一の流路及び噴出孔)と、地盤改良液の流路(ロッドの他の管路、掘削ヘッドの他の流路及び噴出孔)とが独立した流路となっているため、掘り進みながら任意の位置で地盤改良液を噴出することが可能であり、また掘削液と地盤改良液とが混合することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態によるヘッド部とロッド部とを備える薬液注入装置の外観図で、分図(a)は正面図、分図(b)は平面図。
【図2】 図1の矢示SD線方向から見た拡大動作説明図。
【図3】 図1のヘッド部の噴出ロッドの内部構造を示す説明図で、分図(a)は掘削時の動作説明図、分図(b)は薬液注入時の動作説明図。
【図4】 図1のロッド部の内部構造を示す断面図。
【図5】 図4の矢示SE線拡大断面図。
【図6】 一実施形態による薬液注入工法の説明図で、分図(a)は分図(b)の矢示SG−SG線に沿う部分断面図、分図(b)は分図(a)の矢示SF−SF線断面図。
【図7】 図6で示す薬液注入工法の工程説明図。
【図8】 図6で示す薬液注入工法の工程説明図。
【図9】 図6で示す薬液注入工法の工程説明図。
【図10】 他の実施形態による薬液注入工法の説明図で、分図(a)は分図(b)の矢示SI−SI線断面図、分図(b)は分図(a)の矢示SH−SH線断面図。
【図11】 一従来例による地盤改良工法の実施概要説明図で、分図(a)は地盤部分を断面した説明図、分図(b)は分図(a)の矢示SA−SA線に沿う平面断面図。
【図12】 他の従来例による地盤改良工法の実施概要説明図で、分図(a)は分図(b)の矢示SC−SC線で地盤のみを部分断面した説明図、分図(b)は分図(a)の矢示SB−SB線に沿う平面断面図。
【符号の説明】
1 ヘッド部
2 ロッド部
3 掘削ヘッド
4 発信ロッド
5 噴出ロッド
6 ノズル孔
7 発信機ユニット
8 接続部
9 流通部
10 噴出部
11 隔壁
12 流通孔
13 突出部
14 ボール弁
15 作動バネ
16 前側流室
17 中間流室
18 後側流室
19 可動ピストン
20 ガイド室
21 連結部材
22,23 噴出孔
24 流通孔
25 中央孔
26,27 貫通孔
28 円錐弁
29 作動バネ
30 継ぎ手
31 鞘管
32 内管
33 小径部
34 鍔部材
35 流通孔
,G 地盤改良域
Ha〜Hk 敷設孔

Claims (5)

  1. 掘削液又は地盤改良液を搬送する少なくとも独立した二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの一の管路とだけ連通する一の流路と、該ロッドの他の管路とだけ連通する他の流路と、該一の流路とだけ連通して掘削時には掘削液を掘進方向前方にのみ噴出する噴出孔と、該他の流路とだけ連通して注入時には地盤改良液を噴出する噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、
    前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一つの管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ前記噴出孔から噴出させる地盤改良工法。
  2. 掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの各管路と連通する少なくとも二つの流路と、各流路に連通して掘削液又は地盤改良液を噴出する複数の噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、
    前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的の地盤改良域まで前記ロッドの一つの管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ前記噴出孔から噴出する工程と、
    地盤改良液の噴出後に、敷設孔の所定位置まで掘削ヘッドを後退させると共に掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して、敷設孔の途中から他の地盤改良域に至る枝孔を分岐形成し、該地盤改良域にて地盤改良液を噴出する工程と、を行う地盤改良工法。
  3. 掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの各管路と連通する少なくとも二つの流路と、各流路に連通して掘削液又は地盤改良液を噴出する複数の噴出孔と、自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッドを連結した掘削装置を用いて行う地盤改良工法であって、
    前記発信手段からの位置情報をモニタリングしながら掘削ヘッドの回転により掘削液の噴出方向を変更して掘進方向を変化させ、目的とする複数の地盤改良域まで前記ロッドの一つの管路と前記掘削ヘッドの一の流路に掘削液を流通させつつ前記噴出孔から噴出させて前記ロッドの敷設孔を複数形成し、
    各敷設孔にそれぞれロッドと掘削ヘッドとを残置しておき、地盤改良液を各ロッドの地上側後端部から各ロッドの他の管路と各掘削ヘッドの他の流路に流通させつつ各噴出孔から同時注入するようにした地盤改良工法。
  4. 掘削ヘッドが、掘削液の噴出時には掘削液が流通する一の流路を開放すると共に地盤改良液が流通する他の流路を閉塞する一方で、地盤改良液噴出時には前記一の流路を閉塞すると共に前記他の流路を開放する開閉手段を更に備えており、目的の地盤改良域にて、前記ロッドの他の管路と前記掘削ヘッドの他の流路に地盤改良液を流通させることで、前記開閉手段により掘削液が流通する前記一の流路を閉塞させると共に前記他の流路を開放して、噴出孔から地盤改良液を注入するようにした請求項1〜請求項3いずれか1項記載の地盤改良工法。
  5. 掘削液と地盤改良液を搬送する少なくとも独立した二管路を有するロッドを複数本長手方向に沿って連結した前端に、該ロッドの一の管路とだけ連通する一の流路と、該ロッドの他の管路とだけ連通する他の流路と、該一の流路とだけ連通して掘削時には掘削液を掘進方向前方にのみ噴出する噴出孔と、該他の流路とだけ連通して注入時には地盤改良液を噴出する噴出孔と、掘削時に自身の位置情報を送出する発信手段と、を有する掘削ヘッド、を連結した掘削装置。
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