JP3651999B2 - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びカール或いはコックリングの抑制方法 - Google Patents
インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びカール或いはコックリングの抑制方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種被記録媒体上に高速に高品位画像を得ることが出来るインクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びカール或いはコックリングの抑制方法に関する。本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用シート、金属等の被記録媒体を用いる機器すべてに適用可能であり、具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用の各種生産機器等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方法は、低騒音、低ランニングコスト、高速記録が可能、装置が小型化し易い、カラー化が容易等の利点からプリンタや複写機等に広く利用されている。しかしながら、インクジェット記録方法を応用したこれらの記録装置により、いわゆる普通紙と呼ばれる被記録媒体上に画像を形成する場合、得られる画像の耐水性が不十分であったり、又、カラー画像を得る場合には、特にフェザリングの生じない高濃度の画像と、異色間の滲みの生じない画像とを両立させることが困難であり、良好な画像堅牢性を有し、且つ良好な品位のカラー画像が得られないという問題があった。
【0003】
これに対し、画像の耐水性を向上させる方法として、近年では、インク中に含有させる色材に耐水性を持たせたインクが実用化されてきている。しかしながら、その耐水性は未だ不十分であると共に、これらのインクは、原理的に、乾燥後に水に溶解しにくくなるタイプのインクである為、記録ヘッドのノズル詰まりが生じ易く、これを防止する為に装置構成が複雑になってしまうという欠点があった。
又、従来より、得られる記録物の堅牢性を向上させる技術も多数開示されている。例えば、特開昭53−24486号公報には、染色物の湿潤堅牢度を増進させる為に、染色物を後処理することで染料をレーキ化して固着させる技術が開示されている。
【0004】
又、特開昭54−43733号公報には、インクジェット記録方式を用いた、相互に接触すると常温又は加熱時に被膜形成能が増大する2つ以上の成分を用いて記録する方法が開示されており、被記録媒体上で各成分を接触させることで強固に密着された被膜が形成された印刷物を得ている。特開昭55−150396号公報では、水性染料インクをインクジェット記録した後に、染料とレーキを形成し得る耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0005】
又、特開昭58−128862号公報には、記録すべき画像位置を予め識別し、記録用インクと処理インクとを重ねて記録するインクジェット記録方法が開示されており、記録用インクに先立って処理インクで描いたり、先に描かれた記録用インク上に処理インクを重ねたり、先に描かれた処理インク上に記録用インクを重ね、更に処理インクを重ねて描いたりする方法が開示されている。更に、特開昭63−60783号公報及び特開昭64−69381号公報等にも同様の記録方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの方法では、記録された画像が、処理インクの使用によってブロンズ現象と呼ばれる、染料が結晶化した様な金属光沢を持った色に変色してしまうことが生じて問題となる場合がある。又、ベタ記録時の均一性に問題がある場合もある。又、上記した文献には、処理インクと記録用インクの最適な吐出量の比率については開示されていないし、インクジェット記録装置に特有な記録ヘッドの構成、記録画像の品位向上の為の印字モード等についても何ら開示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主たる目的は、上記従来技術における課題を解決し、耐水性に優れた高品位画像を形成し得るインクジェット記録方法、インクジェット記録装置、画像形成物、カール或いはコックリングの抑制方法及びカールの抑制方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた高品位画像を形成し得るインクジェット記録方法、インクジェット記録装置、画像形成物、カール或いはコックリングの抑制方法及びカールの抑制方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、被記録媒体にカールやコックリング(波うち)の発生が少なく、且つ耐水性のある高品位画像を形成し得るインクジェット記録方法、インクジェット記録装置、画像形成物、カール或いはコックリングの抑制方法及びカールの抑制方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の一実施態様は、(i)インクジェット記録方式によって少なくとも色材としてのアニオン性基を有する染料と液媒体とを含むインクを被記録媒体の画像形成領域に付与する工程、及び(ii)インクジェット記録方式によって前記インクと異なり、少なくとも1種のカチオン性物質を含む液体組成物を前記画像形成領域に付与する工程、を有するインクジェット記録方法において、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上45体積%以下にして画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法である。
本発明の他の実施態様は、少なくとも色材としてのアニオン性基を有する染料を含むインクをインク用の記録ヘッドから吐出させて被記録媒体の画像形成領域に付与し、前記インクとは異なり、少なくとも1種のカチオン性物質を含む液体組成物を液体組成物用の記録ヘッドから吐出させて前記画像形成領域に付与して画像を形成するインクジェット記録装置において、前記インク用の記録ヘッドからのインクの吐出量と前記液体組成物用の記録ヘッドからの液体組成物の吐出量とを制御する吐出量制御手段を有し、該吐出量制御手段によって前記画像形成領域に付与される液体組成物の付与量がインクの付与量の10体積%以上45体積%以下になる様に制御されることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明の更に他の実施態様は、色材としてのアニオン性基を有する染料及び液媒体を含むインクと少なくとも1種のカチオン性物質を含み、画像の耐水性を向上させる液体組成物とを用いるインクジェット記録において被記録媒体のカールを抑制する方法であって、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上45体積%以下にすることを特徴とするカールの抑制方法である。
本発明の更に他の実施態様は、色材としてのアニオン性基を有する染料及び液媒体を含むインクと少なくとも1種のカチオン性物質を含み、画像の耐水性を向上させる液体組成物とを用いるインクジェット記録において被記録媒体のコックリングを抑制する方法であって、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上35体積%以下にすることを特徴とするコックリングの抑制方法である。
【0009】
上記構成を有する本発明によれば、とりわけ、黒色画像部に生じるブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた高品位画像を形成することが出来る。加えて、液体組成物の付与量を最適に制御することによって、液体組成物の使用量の節減と共に、ブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた耐水性のある高品位画像を形成することが出来、更に、画像形成後の被記録媒体に発生する恐れのあるカールやコックリング現象を低減することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、(i)インクジェット記録方式によって少なくとも色材としてのアニオン性基を有する染料と液媒体とを含むインクを被記録媒体の画像形成領域に付与する工程、及び(ii)インクジェット記録方式によって前記インクと異なり、少なくとも1種のカチオン性物質を含む液体組成物を前記画像形成領域に付与する工程、を有するインクジェット記録方法において、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上45体積%以下にして画像を形成することを特徴とする。
【0011】
上記本発明において、より好ましい第一の態様では、画像形成領域に付与される液体組成物の付与量を画像形成領域に付与されるインクの付与量の50体積%未満の量とする。かかる態様においては、液体組成物の付与により生じるブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた高品位画像が形成される。加えて、液体組成物の使用量の節減が図れると共に、画像形成後の被記録媒体に発生するカールやコックリングを低減することが可能になる。
【0012】
又、より好ましい第二の態様では、画像形成領域に付与される液体組成物の付与量を画像形成領域に付与されるインクの付与量の25体積%以上50体積%未満の量とする。かかる態様においては、よりよくブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた耐水性のある高品位画像を形成される。更に、上記第一の態様と同様に、液体組成物の使用量の節減が図れると共に、画像形成後の被記録媒体に発生するカールやコックリングを低減することが可能になる。
【0013】
更に好ましい第三の態様では、画像形成領域に付与される液体組成物の付与量を画像形成領域に付与されるインクの付与量の25体積%以上45体積%以下の量とする。かかる態様においても、上記第二の態様と同様の効果を得ることが出来るが、特に、この場合には、画像形成後の被記録媒体に発生するカールやコックリングを確実に低減することが可能になる。
【0014】
次に、本発明で使用する液体組成物について説明する。
本発明で使用される液体組成物は、通常の画像記録においては、以下の機能を有し、
▲1▼ 記録画像の耐水性を向上させる。
▲2▼ 記録画像の印字品位を向上させる。
更に、カラー記録においては、上記の2点に加えて、下記の機能を有するものであればいずれのものでもよい。
▲3▼ 記録画像の異なる色間の異色境界滲みを低減させる。
従って、本発明で使用される液体組成物の構成材料としては、上記の機能が発揮されるものであれば従来公知のものをいずれも使用することが出来るが、上記の効果を発揮させる上では、少なくとも1種のカチオン性物質が含有された液体組成物を用いることが特に好ましい。
【0015】
この際に含有させるカチオン性物質としては、分子中にカチオン性基を持つものであればよく、特に制限されないが、例えば、カチオン性の界面活性剤、カチオン性のオリゴマー及びポリマー等が好ましいものとして挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第1級〜第3級アミンの塩の化合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩;第4級アンモニウム塩型の化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;特定のpH領域においてカチオン性を示す両性界面活性剤、例えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物等を等電点以下のpHの水溶液にしたもの等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。これらの化合物の中でも特に第4級アンモニウム塩型化合物が好適である。
【0016】
カチオン性のオリゴマー及びポリマーとしては、例えば、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、エチレンイミン、2−オキサゾリン等のカチオン性モノマーのオリゴマー、ホモポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらのモノマーを使用したものに限定されるものではなく、上記したカチオン性のモノマーと他のモノマー、例えば、非イオン性モノマー等とのコポリマーも使用することが出来る。更に、非イオン性のオリゴマー及びポリマーの一部をカチオン化したものも使用することが出来る。
【0017】
そして、カチオン性物質としてこれらの中で特に好ましいのは、アリルアミンを構成成分とするオリゴマー及びポリマーである。更に、低分子カチオン性界面活性剤とポリアリルアミンとを併用すると、カラー記録時にブリーディングと称する異色境界滲みを低減することが出来る為、以上述べた中で特にカラー記録時において好適な組み合わせである。
本発明で使用する液体組成物は、上記した様なカチオン性物質に、水、該物質に不活性な水溶性有機溶剤と、更に必要に応じその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、酸化防止剤等とを添加して構成される。尚、カチオン性物質の含有量は、通常の場合は、液体組成物全量に対して0.05〜20重量%とし、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0018】
本発明においては、少なくとも液媒体と色材とを有する従来と同様のインクが使用されるが、色材としては、水溶性染料、特に好ましくは、可溶化基としてアニオン性基を有する染料が用いられ、液媒体としては、水、及び各種の水溶性有機溶媒が用いられる。更に、インク中には、必要に応じその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防かび剤、中性、アニオン性の界面活性剤、酸化防止剤等を適宜添加することが出来る。
【0019】
本発明で用いられるインクに使用されるアニオン性基を有する水溶性染料としては、カラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定されない。又、カラーインデックスに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えば、スルホン基及びカルボキシル基等を有するものも使用できる。これらの水溶性染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含まれる。これらの染料はインク中に1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で用いられる。
又、本発明においては、色材は上記の様な染料に限定されず、色材として顔料が含有されているインクも使用することが可能である。
【0020】
次に、上記した様な構成のインク及び液体組成物を、被記録媒体に付与する方法について説明する。本発明においては、インク及び液体組成物の被記録媒体上への付与量を適宜に制御することが出来るインクジェット記録方法及び記録装置が必要となるが、インクジェット記録方式としては、記録ヘッドに設けられている発熱体からの熱エネルギーをインク及び液体組成物に作用させ、記録ヘッドのノズルからこれらの液滴を吐出させて、被記録媒体上にインク及び液体組成物を付与して画像を形成する方式が好ましい。インクジェット記録装置としては、インク用の記録ヘッド及び液体組成物用の記録ヘッドを夫々有し、これらの記録ヘッドに設けられている発熱体からの熱エネルギーをインク及び液体組成物に作用させ、各記録ヘッドのノズルからこれらの液滴を吐出させて被記録媒体上にインク及び液体組成物を付与して画像を形成する装置であって、インク用の記録ヘッドからのインクの吐出量と前記液体組成物用の記録ヘッドからの液体組成物の吐出量とを制御する吐出量制御手段が設けられている本発明のインクジェット記録装置を用いるのが好ましい。
【0021】
本発明のインクジェット記録装置の吐出量制御手段としては、画像形成領域におけるインク及び液体組成物の夫々の付与量を制御し得るものであればいずれのものでもよいが、記録ヘッドに設けられている発熱体からの発熱量を制御可能に構成することによって、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量をインクの付与量よりも少なくするのが好ましい。
発熱体の発熱量を制御するには、具体的には、例えば、インクジェット記録装置における記録ヘッドを構成する記録ヘッドの発熱体に与えるパルス幅を変化させる、又は発熱体の面積を適宜に変えた物を複数用意し、インク用または液体組成物用として使用すればよい。更に別の方法としては、図2に示した様に、記録ヘッドの全てのノズルに対し夫々独立に発熱させることが可能な発熱体を2個以上(図2では2個)設けておき、記録過程に応じてエネルギーを与えて発熱させる発熱体の数を適宜に選択し得る構成とすれば、夫々のノズルからの吐出量を自在に変化させることが可能となる。又、発熱体をこの様に構成すれば、面積の異なる発熱体を種々用意して使用する場合と異なり、インク用と液体組成物用とで同様の構成の記録ヘッドを使い吐出量を変化させることが可能となり、ヘッドの共通化が可能となる為、特に好適である。
【0022】
図1は、上記した様な構成の本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッドの電気・熱変換体付近の拡大断面図である。
図中、30で示したものは発熱体であるが、該発熱体30は、記録ヘッドの電気・熱変換体であり、全てのノズルに対して夫々独立に発熱可能な構成で設けられている。この様な発熱体30の発熱により急速に加熱されたノズル内のインクは、膜沸騰により気泡を形成し、この気泡生成の圧力により図1に示す様に、インク滴35が被記録媒体31に向かって吐出し、被記録媒体上に付着して文字や画像が形成される。このとき吐出されるインク滴の体積は通常10〜100plである。
【0023】
吐出口23の各々には、吐出口に連通されたインク液路37が設けられており、インク液路37が配設された部位の後方には、これら液路37にインクを供給する為の共通液室32が設けられている。吐出口23の各々に対応するインク液路には、これら吐出口からインク滴を吐出する為に利用される熱エネルギーを発生する電気・熱変換体である発熱体30や、該発熱体30に電力を供給する為の電極配線が設けられている。これら発熱体30や電極配線は、シリコン等からなる基板33上に成膜技術によって形成される。発熱体30の上にはインクと発熱体が直接接触しない様に保護膜36が形成されている。更に、この基板33上に樹脂やガラス材よりなる隔壁34が積層されて、上記吐出口23、インク液路37、共通液室32等が構成される。
【0024】
尚、この様に、上記した様な電気・熱変換体を使用したインクジェット記録方式は、インク滴35の吐出時に熱エネルギー印加により形成される気泡を使用している為、通称、バブルジェット記録方式と呼ばれている。
図2に、インク又は液体組成物の吐出量を変化させ得るバブルジェット記録ヘッドの電気・熱変換体付近の拡大正面図を示す。記録ヘッドの電気・熱変換体である発熱体30は、この図では全てのノズルに対して夫々独立に発熱可能な構成の2個の発熱体、H1とH2が設けられている。
【0025】
この様に構成された記録ヘッドでは、高吐出量で記録する場合には、各ノズル吐出口に対応したH1とH2とが同時に発熱される。又、低吐出量で記録する場合には、各ノズルのH1又はH2だけが発熱する様に制御される。この場合に吐出される各色のインク滴の量は、高吐出量の記録時よりも少なくなる。この様な吐出量を記録工程に応じて変更させる記録ヘッドシステムは、実施例で後述する様に、本発明の効果が一層顕著に発揮されるものとなる。尚、図2では発熱体を2個設けた例を示したが、本発明はこれに限定されず、夫々独立に発熱可能な発熱体を3個以上設けておき、発熱させる発熱体の個数を適宜に制御して、液滴の吐出量を制御してもよい。
【0026】
被記録媒体上に、液体組成物を付与する工程(ii)及びインクを付与させる工程(i)の順序は特に制限されない。又、例えば、液体組成物を被記録媒体に先に付着させた場合、その後に被記録媒体にインクを付着せしめる時間間隔は特に制限されるものではないが、ほぼ同時、あるいは数秒以内にインクを被記録媒体上に付着させることが好ましい。
【0027】
本発明においてインクの付与は、1つのノズルによって一度に行ってもよいが、インクの1画素を、複数のノズル列に分けて複数の記録に分けてインクを付与することによって行ってもよい。即ち、先ず被記録媒体上にインクの一部を付与した後に該画像形成領域に液体組成物を付与し、その後に残りのインクを付与させてインクの複数の記録を行う記録方法は、インクの定着性、或いは印字品位向上等の観点から好ましい。従ってこの場合には、先ず工程(i)を行った後に工程(ii)を行い、更にその後に工程(i)を行うインクジェット記録方法が用いられる。
【0028】
上記したインクジェット記録方法に使用される被記録媒体としては、特に限定されるものではなく、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用される。もちろん、インクジェット記録用に特別に作成されたコート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用される。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用することが出来る。
又、本発明のインクジェット記録方法は、単色だけでなく、カラーの画像形成にも用いることが出来ることは勿論である。
【0029】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中に部、及び%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。尚、カチオン性物質の分子量分布のピークは、ポリエチレンオキシド標準でGPC法で測定した。
【0030】
<参考例1〜3、8〜10、15〜17及び実施例4〜7、11〜14、18〜21>
下記に示す黒色インク及び液体組成物の各成分を混合し、十分に撹拌した後、これらを、孔径0.22μmのフロロポアフィルター(住友電気工業(株):商品名)で加圧ろ過し、本発明の使用に供した。尚、用いたポリアリルアミンは、機能材料、第5巻、29頁(1985年発行)に記載の方法で合成したものを用いた。即ち、アリルアミンを出発原料とし、これを濃塩酸で中和したアリルアミン塩酸塩を、2,2’−アゾ−ビス−(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩を重合開始剤として、ラジカル重合して合成した。
【0031】
[ブラック(Bk)インク]
・グリセリン 5.0%
・チオジグリコール 5.0%
・尿素 5.0%
・イソプロピルアルコール 4.0%
・染料フードブラック2 2.0%
・水 79.0%
【0032】
[液体組成物A]
・ポリアリルアミン塩酸塩(自社合成、分子量分布の
ピーク=800) 5.0%
・塩化ベンザルコニウム(カチオンG50:三洋化成
社製) 1.0%
・ジエチレングリコール 10.0%
・水 84.0%
【0033】
【0034】
[液体組成物C]
・ポリアミンスルホン塩酸塩(PAS−A−5:日紡
績社製、分子量分布のピーク=3,500)5.0%
・塩化ベンザルコニウム(カチオンG50:三洋化成
社製) 1.0%
・ジエチレングリコール 10.0%
・水 84.0%
【0035】
尚、ここではBkインクの色材として染料を使用した例を示したが、本発明はこれに限定されることはなく、色材として、例えば、顔料を単独であるいは染料と組合せて使用したもの等を用いてもよい。
【0036】
以上で得られたBkインク及び液体組成物A〜Cを用い、表1の吐出条件で画像を形成し、得られた画像について評価を行った。尚、参考例1〜3、実施例4〜7では液体組成物Aを、参考例8〜10、実施例11〜14では液体組成物Bを、参考例15〜17、実施例18〜21では液体組成物Cを夫々使用した。
画像の形成は、インク及び液体組成物を、記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させて記録を行うインクジェットプリンタ(解像度は360dpi)に充填し、市販の、コピー用紙、ボンド紙及び再生紙に夫々記録を行った。
【0037】
この際に使用した記録装置の記録ヘッドのユニットの構成は図3に示す様に、S(液体組成物)チップ2301とBkチップ2302とからなり、各チップがフレーム2304に、ピッチ1/2インチで駆動のタイミングだけ補正して傾けて配置されている。夫々のチップ内のノズル数は夫々64であり、各チップのノズル列は、矢印X方向に対してほぼ直交する様に配置されている。この様なヘッドを使用することによって、各ノズルのピッチは約70μmであり、360dpiの解像度で、一度の主走査で64ノズル分のバンドを記録することが出来る。 上記例で用いた各チップは、液体組成物及びBkインクの夫々の吐出量に合わせた発熱量を有する発熱体を持つものを用意し夫々組み合わせて用いた。又、細かい吐出量の調整は、印加パルス幅を変えることによって行った。
【0038】
【表1】
【0039】
<評価>
上記で得られた画像について、下記の各評価項目を下記の評価方法、及び評価基準で評価した。評価結果は、表2に示す。
(1)画像濃度
ベタ画像を印字して、室内で12時間自然乾燥させた後の反射濃度をマクベスRD915(マクベス社製)にて測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:全ての種類の紙の反射濃度が1.35以上
○:一部の紙の反射濃度が1.3以上1.35未満
△:一部の紙の反射濃度が1.2以上1.3未満
×:一部の紙の反射濃度が1.2未満
【0040】
(2)印字品位
英数文字を印字して、室内で12時間自然乾燥させた後の印字品位を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
A:すべての種類の紙でフェザリングなし
B:評価Aに比べると小さいフェザリングがあるが、殆ど問題はない
C:一部の紙でフェザリングがややあるが、実用上は問題ない
D:一部の紙でフェザリングが目立ち、実用上問題がある
E:いずれの種類の紙でもフェザリングが目立ち、実用上問題がある
【0041】
(3)耐水性
ベタ画像、及び英数文字を印字して、1時間放置した後、水温20℃の水道水中へ10秒間浸漬した。その後、水中から取り出してそのまま風乾し、目視にて耐水性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:余白部への記録剤の流れ出しがなく、地汚れは殆ど見られない。又、英数文字の滲みも殆ど発生していない。
○:余白部への記録剤の流れ出し、地汚れは殆ど見られない。又、英数文字の滲みが若干発生しているが、実用上問題のないレベルである。
×:余白部への記録剤の流れ出し、地汚れはほとんど見られないが、英数文字の滲みが発生し、実用上問題がある
【0042】
(4)ブロンズ
ベタ画像を印字して、室内で12時間自然乾燥させた後の色調を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:ブロンズなし。
○:ややブロンズしている様に見えるが、実用上問題はない。
×:ブロンズが目立ち、実用上問題がある。
【0043】
(5)ベタ均一性
ベタ画像を印字して、室内で12時間自然乾燥させた後のベタ画像の均一性を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:ベタ画像が均一であり、問題はない
○:ややベタムラがある様に見えるが、実用上問題はない
×:ベタムラが目立ち、実用上問題がある
【0044】
(6)コックリング
各記録紙に100%(Bkのフルベタ)デューティーの画像を印字して目視にて観察した。印字直後から波打ちが大きく、12時間経過した後にも波打ちが消えていないものを×、印字直後には多少の波打ちを発生したが、12時間経過した後には波打ちが消えて認められず実用上問題ないものを○、印字直後から殆ど波打ちのないものを◎で示した。
【0045】
(7)記録後のカール
コックリングと同様のパターンを印字し、12時間経過した後に印字物を確認した際に、カールの発生が大きく両端を内側に巻き込んでいるものを×、カールが小さく実用上問題ないものを○、殆どカールがないものを◎とした。
【0046】
【表2】
【0047】
<参考例22〜24、29〜31、36〜38及び実施例25〜28、32〜35、39〜42>
本実施例及び参考例で使用したインクジェット記録装置の記録ヘッドのユニット構成は、図4に示す様に、Bk1チップ2001、Sチップ2002及びBk2チップ2003から構成され、各チップがフレーム2004に、ピッチ1/2インチで駆動のタイミングだけ補正して傾けて配置されている。各チップのノズル数は64であり、各チップのノズル列は矢印X方向に対してほぼ直交する様に配置されている。各ノズルのピッチは約70μmであり、360dpiの解像度で、一度の主走査で64ノズル分のバンドを記録することが出来る。本実施例及び参考例では、Bkインクの付与を、Bk1チップ2001及びBk2チップ2003の2つのノズルを使用して、40plずつに分けて行った。
本実施例及び参考例においては、各チップとして、Bkインク、液体組成物の夫々の吐出量に合わせた発熱体をもつものを組み合わせて使用した。尚、本実施例及び参考例では、Bkインク及び液体組成物として実施例1等で使用したと同様のものを用いた。本実施例及び参考例で使用したBkインク及び液体組成物の吐出条件を表3に示し、実施例1等の場合と同様にして行った記録画像の評価結果を表4に示した。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
<実施例43>
本実施例では、図2で示した様な2個の発熱体H1及びH2を有する記録ヘッドを用いた。
ヘッドのユニットの構成は図3に示す様に、Sチップ2301とBkチップ2302とからなり、各チップがフレーム2304にピッチ1/2インチで駆動のタイミングだけ補正して傾けて配置されている。夫々のノズル数は64であり、各チップのノズル列は、図中の矢印X方向に対してほぼ直交する様に配置されている。各ノズルのピッチは約70μmであり、360dpiの解像度で、一度の主走査で64ノズル分のバンドを記録することが出来る。尚、本実施例で用いたチップは、Bk及びS共に同一の構造のものを使用した。
【0051】
本実施例で用いた記録ヘッドによる吐出量は、発熱体H1にのみにエネルギーを印加した場合は約25plであり、発熱体H2のみにエネルギーを印加した場合は約40plであり、発熱体H1及びH2の両方にエネルギーを印加した場合は約70plである。微細な吐出量の制御は、更に発熱体H1及びH2に与えるパルス幅を変化させて、発熱体に与えるエネルギーを調整して行った。本実施例では、この様な構成の記録ヘッドを用いて、Bkインク及び液体組成物の吐出量が参考例1〜3及び実施例4〜6の吐出量に対応する様に、発熱体H1及びH2に与えるエネルギーを制御しながら記録を行った。
即ち、BkインクはH1とH2とを両方加熱して、H1とH2とによる吐出量の合計が約80plとなる様に、液体組成物は、H1又はH2のみを夫々加熱して、或いはH1とH2の両方を加熱して、72、60、40、36、28及び20plとなる様に吐出量を制御した。この結果得られた画像は、参考例1〜3及び実施例4〜6と同様の、画像濃度、印字品位、耐水性、ブロンズ、ベタ均一性、コックリング及びカールの評価結果となった。
【0052】
<実施例44>
本実施例においても、図2で示した様なノズルに発熱体H1及びH2の2つ持つ記録ヘッドを用いた。
ヘッドのユニットの構成は図4に示す様に、Bk1チップ2001とSチップ2002とBk2チップ2003とからなり、各チップがフレーム2004に、ピッチ1/2インチで駆動のタイミングだけ補正して傾けて配置されている。本実施例では、チップはBk1/S/Bk2ともに同一のものを使用した。
吐出量は実施例43で用いたヘッドと同様に、H1にのみエネルギーを印加した場合は約25pl、H2のみの場合は約40pl、両方にエネルギーを印加した場合は約70plである。微細な吐出量の制御は、更に発熱体H1及びH2に与えるパルス幅を変化させて、発熱体に与えるエネルギーを調整して行った。
このヘッドを用いて、参考例22〜24及び実施例25〜27の吐出量に対応する様に発熱体にエネルギーを与えて記録を行った。即ち、BkインクはH2のみを加熱して約40plとなる様に、液体組成物は、H1又はH2、或いはH1とH2を加熱して72、60、40、36、28及び20plの夫々の吐出量となる様に制御した。この結果得られた画像は、参考例22〜24及び実施例25〜27と同様に、画像濃度、印字品位、耐水性、ブロンズ及びベタ均一性共に良好であった。
【0053】
以上の実施例43及び44で使用した様に記録ヘッドを使用した場合は、エネルギーを与える発熱体を適宜に選択することによって、液体組成物とインクの被記録媒体への付与について、「液体組成物→インク」と、或いは「インク→液体組成物→インク」等と選択することが可能となる。例えば、通常の印字モードでは「液体組成物→インク」とし、高品位モードでは「インク→液体組成物→インク」とする等のことが可能となる。
更に、本実施例の場合は、インク用及び液体組成物用にかかわらず、全てのチップが共通でありながら吐出量を変化させることが可能となる為、全色のチップを共通化することでコスト的にも有利となる。
【0054】
<実施例45〜52>
本実施例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のインクと液体組成物によって、カラー記録を行った。
Bkインクは実施例1等で使用したと同様のインクを使用し、Y、M、Cインクは夫々以下の組成のものを使用した。尚、各色インクは、Bkインクと同様の方法で作製した。
[イエロー(Y)インク]
・グリセリン 5.0%
・チオジグリコール 5.0%
・尿素 5.0%
・イソプロピルアルコール 4.0%
・染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0%
・水 79.0%
【0055】
[マゼンタ(M)インク]
・グリセリン 5.0%
・チオジグリコール 5.0%
・尿素 5.0%
・イソプロピルアルコール 4.0%
・染料C.I.アシッドレッド289 2.5%
・水 78.5%
【0056】
[シアン(C)インク]
・グリセリン 5.0%
・チオジグリコール 5.0%
・尿素 5.0%
・イソプロピルアルコール 4.0%
・染料C.I.ダイレクトブルー199 2.5%
・水 78.5%
【0057】
液体組成物としては、先に述べた液体組成物A〜Cに加えて下記の組成の液体組成物Dを用いた。
[液体組成物D]
・ポリアリルアミン塩酸塩(自社合成、分子量分布の
ピーク=800) 5.0%
・ジエチレングリコール 10.0%
・水 85.0%
尚、実施例45及び46では液体組成物Aを、実施例47及び48では液体組成物Bを、実施例49及び50では液体組成物Cを、実施例51及び52では液体組成物Dを夫々使用した。
【0058】
本実施例で使用した記録ヘッドのユニットの構成は図5に示す様に、Sチップ2201とBkチップ2202、C(シアン)チップ2203、M(マゼンタ)チップ2204及びY(イエロー)チップ2205とからなり、各チップがフレーム2206にピッチ1/2インチで駆動のタイミングだけ補正して傾けて配置されている。夫々のノズル数は64であり、各チップのノズル列は矢印X方向に対してほぼ直交する様に配置されている。
各ノズルのピッチは約70μmであり、360dpiの解像度で一度の主走査で64ノズル分のバンドを記録することが出来る。
液体組成物の吐出量が夫々表に示した各吐出量、Bkインクの吐出量が80pl、Cインク、Mインク及びYインクの吐出量が夫々45plとなる様な発熱体を有するヘッドを夫々使用した。吐出条件は表5に示す通りである。
【0059】
<評価>
上記の様な条件でインクジェット記録を行い、得られたカラー画像について以下の評価方法及び評価基準に従って、ブリーディングの評価を行った。評価結果を表5に示す。
(8)異色境界での混色にじみ(ブリーディング)
異なる色が隣接する様なカラーサンプルを印字し、ブリーディングの様子を目視で観察し、以下の基準で評価した。尚、使用した色はブラック、イエロー、シアン、マゼンタ及び、イエロー、シアン、マゼンタの内の2色を重ね打ちして混合することで作ったレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の7色である。
◎:全ての色の境界でブリーディングが認められない。
○:若干ブリーディングが認められるが、実用上問題のないレベルである。
△:インクの付着量の多いレッド、グリーン、ブルーの境界でブリーディングが目立つ。
×:殆ど全ての色の境界でブリーディングの発生がひどい。
【0060】
【表5】
【0061】
<実施例53>
図2で示した、発熱体を2つ持つ記録ヘッドを用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のインクと液体組成物によってカラー記録を行った。
各色インクは実施例45で用いたものと同様にし、液体組成物は実施例45と同様に、液体組成物Aを使用し、記録ヘッドのユニット構成は、実施例45と同じものを用いてカラー記録を行った。本実施例で用いた記録ヘッドによる吐出量は、発熱体H1にのみにエネルギーを印加した場合は約25pl、発熱体H2のみにエネルギーを印加した場合は約40pl、H1及びH2の両方にエネルギーを印加した場合は約70plである。微細な吐出量の制御は、更に発熱体H1及びH2に与えるパルス幅を変化させて、発熱体に与えるエネルギーを調整して行った。
【0062】
この様なヘッドを用いて、実施例45の吐出量に対応する様に発熱体にエネルギーを与えて記録を行った。即ち、Bkインクの吐出はH1とH2を加熱して、H1+H2=約80plとし、Y、M、Cインクの吐出はH2のみを加熱して、H2=約45plとし、液体組成物の吐出にはH1を加熱して、H1=約20plとして行った。この記録ヘッドを用いて、実施例45と同様の評価を行い、実施例45と同様の結果を得た。以上の様に、本実施例では、全てのチップが共通でありながら吐出量を変化させることが可能であり、全色のチップを共通化することでコスト的にも有利となる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、画像のブロンズ現象が抑制され、且つベタ画像部の均一性にも優れた耐水性のある高品位画像を形成することが出来る。加えて、液体組成物の使用量の節減が図れると共に、画像形成後の被記録媒体に発生するカールやコックリングを低減することが出来る。
又、本発明によれば、とりわけカラー画像を形成する場合に、上記の効果に加えてブリーディングの発生が抑制された高品位カラー画像の形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録ヘッドの拡大断面図である。
【図2】記録ヘッドの拡大正面図である。
【図3】記録ヘッドのユニット図である。
【図4】別の記録ヘッドのユニット図である。
【図5】別の記録ヘッドのユニット図である。
【符号の説明】
23:吐出口
30:発熱体H1、H2
31:被記録媒体
32:共通液室
33:基板
34:隔壁
35:インク滴
36:保護膜
37:インク液路
102:記録ヘッド
2001:Bk1チップ
2002:液体組成物チップ
2003:Bk2チップ
2004:フレーム
2301:液体組成物チップ
2302:Bkチップ
2304:フレーム
2201:液体組成物チップ
2202:Bkチップ
2203:Cチップ
2204:Mチップ
2205 Yチップ
2206 フレーム
Claims (20)
- (i)インクジェット記録方式によって少なくとも色材としてのアニオン性基を有する染料と液媒体とを含むインクを被記録媒体の画像形成領域に付与する工程、及び
(ii)インクジェット記録方式によって前記インクと異なり、少なくとも1種のカチオン性物質を含む液体組成物を前記画像形成領域に付与する工程、を有するインクジェット記録方法において、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上45体積%以下にして画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 画像が耐水性画像である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記カチオン性物質がアリルアミンを構成成分とするオリゴマー又はポリマーである請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 更に、低分子カチオン性界面活性剤を含む請求項3に記載のインクジェット記録方法。
- 工程(ii)を工程(i)に先立って行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 工程(ii)を工程(i)の後に行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 工程(i)、工程(ii)、工程(i)の順に実施する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- インクの1画素の記録を複数のノズル列に分けて複数の記録で行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 複数のインクによって画像を形成する請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- インク用の記録ヘッド及び液体組成物用の記録ヘッドを用い、夫々の記録ヘッドに設けられている発熱体からの熱エネルギーをインク及び液体組成物に作用させ、記録ヘッドのノズルからこれらを吐出させて、被記録媒体上にインク及び液体組成物を付与して画像を形成する請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 記録ヘッドに設けられている発熱体からの発熱量を制御することによってインク及び液体組成物に作用させる熱エネルギーの制御を行い、画像形成領域に付与させる液体組成物の付与量をインクの付与量よりも少なくする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 発熱体からの発熱量の制御を、発熱体の面積を変えることにより行う請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 発熱体からの発熱量の制御が、インク用の記録ヘッド及び液体組成物用の記録ヘッドに夫々2個以上設けられている独立に発熱させることが可能な発熱体の数を変えることにより行われる請求項11に記載のインクジェット記録方法。
- 画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の35体積%以下にする請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 少なくとも色材としてのアニオン性基を有する染料を含むインクをインク用の記録ヘッドから吐出させて被記録媒体の画像形成領域に付与し、前記インクとは異なり、少なくとも1種のカチオン性物質を含む液体組成物を液体組成物用の記録ヘッドから吐出させて前記画像形成領域に付与して画像を形成するインクジェット記録装置において、前記インク用の記録ヘッドからのインクの吐出量と前記液体組成物用の記録ヘッドからの液体組成物の吐出量とを制御する吐出量制御手段を有し、該吐出量制御手段によって前記画像形成領域に付与される液体組成物の付与量がインクの付与量の10体積%以上45体積%以下になる様に制御されることを特徴とするインクジェット記録装置。
- インク用の記録ヘッド及び液体組成物用の記録ヘッドが、熱エネルギーを発生させる発熱体を備えている請求項15に記載のインクジェット記録装置。
- 吐出量制御手段が、発熱体からの発熱量の制御によって行われる請求項16に記載のインクジェット記録装置。
- 画像形成領域に付与される液体組成物の付与量が前記領域に付与するインク付与量の35体積%以下になる様に制御される請求項15〜17のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 色材としてのアニオン性基を有する染料及び液媒体を含むインクと少なくとも1種のカチオン性物質を含み、画像の耐水性を向上させる液体組成物とを用いるインクジェット記録において被記録媒体のカールを抑制する方法であって、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上45体積%以下にすることを特徴とするカールの抑制方法。
- 色材としてのアニオン性基を有する染料及び液媒体を含むインクと少なくとも1種のカチオン性物質を含み、画像の耐水性を向上させる液体組成物とを用いるインクジェット記録において被記録媒体のコックリングを抑制する方法であって、画像形成領域に付与する液体組成物の付与量を前記領域に付与するインク付与量の10体積%以上35体積%以下にすることを特徴とするコックリングの抑制方法。
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