JP3651438B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、下面中央部に吸込口を、該吸込口の周囲にこれを囲繞するようにして長矩形形態をもつ複数の吹出口を、それぞれ設け、天井側に埋込状態あるいは吊下げ状態で設置される空気調和機に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来より、例えば店舗とか飲食店とか事務所等の比較的広い空調空間をもつ建屋において該空調空間の空調を行う場合、該空調空間の天井側に天井埋込型あるいは天井吊下型の室内機を配置するのが一般的である。
【0004】
ところで、このような広い空調空間を天井埋込型あるいは天井吊下型の室内機によって空調を行う場合、従来は空調空間内の熱負荷分布とか人分布等の空調要求度を考慮することなく、室内機の各吹出口からそれぞれ均等に気流を吹き出すようにしていたことから、例えば空調空間内の温度ムラが生じ、ドラフト感を伴う快適性に劣る領域が存在するとか、人の居ない領域を人の居る領域と同じように空調するとか、空調空間の熱負荷分布は例えば季節、時間帯、在室人数等の条件によって経時的に変化するにも拘わらず常時所定条件の下で運転が行われる場合等の不必要且つ無駄な空調の実行によって省エネ性が損なわれる、等の問題があった。
【0005】
このような従来の問題点を改善するものとして、例えば空調空間の熱負荷分布とか人分布等を検出し、この検出情報に基づいて室内機の吹出口からの吹出気流の特性、例えば吹出風量、吹出温度、吹出速度あるいは吹出方向等を適宜制御し、常時快適で且つ省エネ性に優れた空調を行う技術(例えば、特開平5−203244号公報、特開平5−306829号公報参照)とか、熱負荷分布等の検知手段として赤外線センサを用いる技術(例えば、特公平5−20659号公報参照)等が提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上掲公知例の如き従来の提案技術は、机上では所要の機能を成し当初予定の作用効果を奏し得るものと考えられるものの、その技術内容が具体的あるいは現実的ではなく、従って未だ実用するに至っていないというのが実情であり、かかる技術の早期の確立とその具体化が強く要請されているところである。
【0007】
そこで本願発明は、快適性と省エネ性の両立を図るべく熱負荷等の検知手段と吹出気流の特性を変更する気流変更手段とその制御手段とを備えた空気調和機において、これら各手段をより具体的且つ現実的な形で提案してその実用化の促進を図ることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0009】
本願の第1の発明では、天井50の下面側に配置される室内パネル2に設けられた吸込 口3と該吸込口3の外側を矩形状に囲繞する複数の吹出口4,4,・・との間の通風路17中にファン6を配置するとともに、室内の熱負荷分布を検知する検知手段51と、上記各吹出口4,4,・・からの吹出気流の特性を変更する気流変更手段52と、上記検知手段51により検知される検知情報と空気調和機の運転に関する運転情報とに基づいて上記気流変更手段52の作動を制御する制御手段52とを備えてなる空気調和機において、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成し、該温度センサ又は温湿度センサ16を上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置する一方、上記ファン6の停止時における上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・の検出値に基づいて上記吸込口3部分における平均空気温度を算出するとともに、該平均空気温度と上記各検出値との偏差に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・個々の検出誤差を補正することを特徴としている。
【0010】
本願の第2の発明では、天井50の下面側に配置される室内パネル2に設けられた吸込口3と該吸込口3の外側を矩形状に囲繞する複数の吹出口4,4,・・との間の通風路17中にファン6を配置するとともに、室内の熱負荷分布を検知する検知手段51と、上記各吹出口4,4,・・からの吹出気流の特性を変更する気流変更手段52と、上記検知手段51により検知される検知情報と空気調和機の運転に関する運転情報とに基づいて上記気流変更手段52の作動を制御する制御手段52とを備えてなる空気調和機において、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成し、該温度センサ又は温湿度センサ16を上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置する一方、上記ファン6を遠心ファンで構成し、該ファン6の回転速度に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・それぞれの検出値を補正することを特徴としている。
【0011】
本願の第3の発明では、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和機において、上記気流変更手段52を、上記各吹出口4,4,・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構10と、上記吹出口4からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ12と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ13とを備えて構成するとともに、上記風量分配機構10と第1フラップ12と第2フラップ13とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能としたことを特徴としている。
【0012】
本願の第4の発明では、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和機において、上記気流変更手段52を、上記各吹出口4,4,・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構10と、上記吹出口4からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ12と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ13とを備えるとともに、上記風量分配機構10と第1フラップ12とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成する一方、上記第2フラップ13を上記各吹出口4,4,・・相互間において連動して作動させることを特徴としている。
【0013】
本願の第5の発明では、上記第1、第2、第3又は第4の発明にかかる空気調和機において、上記吹出口4に連続する吹出流路14の上流部位に上記風量分配機構10と上記第1フラップ12とをそれぞれ配置するとともに、上記吹出流路14の長辺方向の両端部に上記風量分配機構10の駆動機構29と上記第1フラップ12の駆動機構30とをそれぞれ配置したことを特徴としている。
【0014】
本願の第6の発明では、上記第5の発明にかかる空気調和機において、上記風量分配機構10を、上記吹出流路14の長辺側に位置し且つ該吹出流路14の内部側へ向けて傾倒可能に取り付けられた分配シャッター11を備えて構成し、該分配シャッター11を上記吹出流路14の開口面積の拡大動作時には該吹出流路14の長辺側に位置させ、該開口面積の縮小動作時には上記吹出流路14の上流側に位置させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0016】
(ア) 本願の第1の発明にかかる空気調和機では、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成し、該温度センサ又は温湿度センサ16を上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置しているので、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置した上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・によって、該各吹出口4,4,・・の吹出方向に対応する部位からの吸込空気の温度をそれぞれ検出することで、室内の全域における熱負荷分布を検知することができる。従って、この検知情報に基づいて上記制御手段53により上記気流変更手段52の作動を制御することで、室内の熱負荷分布に対応した空調を行うことができ、その結果、空調の快適性の確保、及び無駄な空調の排除による省エネ性の向上が図れるものである。
【0017】
また、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成しているので、例えばこの検知手段51を赤外線センサによって構成するような場合に比して、該検知手段51の構造の簡略化あるいは制御の容易化が図れ、延いては空気調和機の低コスト化に寄与し得るものである。
【0018】
さらに、上記ファン6の停止時、即ち、上記吸込口3部分に空気の流れがなくその近傍の空気温度が均一となっている状態において、上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・の検出値に基づいて上記吸込口3部分における平均空気温度を算出し、該平均空気温度と上記各検出値との偏差に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・個々の検出誤差を補正するようにしているので、上記ファン6の起動後、即ち、空気調和機の運転開始後において上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・のそれぞれの検知情報に基づいて上記気流変更手段52の作動を制御する場合における高い制御精度が確保され、その結果、上記気流変更手段52の適正な作動が実現され、空調の快適性及び無駄な空調の排除による省エネ性の更なる向上が図れるものである。
【0019】
(イ)本願の第2の発明にかかる空気調和機によれば、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成し、該温度センサ又は温湿度センサ16を上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置しているので、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置した上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・によって、該各吹出口4,4,・・の吹出方向に対応する部位からの吸込空気の温度をそれぞれ検出することで、室内の全域における熱負荷分布を検知することができる。従って、この検知情報に基づいて上記制御手段53により上記気流変更手段52の作動を制御することで、室内の熱負荷分布に対応した空調を行うことができ、その結果、空調の快適性の確保、及び無駄な空調の排除による省エネ性の向上が図れるものである。
【0020】
また、上記検知手段51を温度センサ又は温湿度センサ16で構成しているので、例えばこの検知手段51を赤外線センサによって構成するような場合に比して、該検知手段51の構造の簡略化あるいは制御の容易化が図れ、延いては空気調和機の低コスト化に寄与し得るものである。
【0021】
さらに、上記ファン6を遠心ファンで構成し、該ファン6の回転速度に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・それぞれの検出値を補正するようにしているので、該ファン6が遠心ファンであることに起因する上記各吹出口4,4,・・からの吹出気流の到達領域のファン回転方向における位相差に基づく上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・の検出誤差が解消され、上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・の検知情報に基づく上記気流変更手段52の作動制御が適正化され、その結果、空調の快適性及び省エネ性が促進されるものである。
【0022】
(ウ) 本願の第3の発明にかかる空気調和機によれば、上記(ア)又は(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和機において、上記気流変更手段52を、上記各吹出口4,4,・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構10と、上記吹出口4からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ12と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ13とを備えて構成し、上記風量分配機構10と第1フラップ12と第2フラップ13とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成しているので、上記各吹出口4,4,・・毎に吹出気流の特性を細かく制御することができ、それだけ空調の快適性及び省エネ性がさらに向上することになる。
【0023】
(エ) 本願の第4の発明にかかる空気調和機によれば、上記(ア)又は(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1又は第2の発明にかかる空気調和機において、上記気流変更手段52を、上記各吹出口4,4,・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構10と、上記吹出口4からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ12と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ13とを備えて構成し、上記風量分配機構10と第1フラップ12とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成する一方、上記第2フラップ13を上記各吹出口4,4,・・相互間において連動して作動するように構成している。
【0024】
従って、この発明の空気調和機によれば、上記各吹出口4,4,・・毎に上記風量分配機構10と第1フラップ12とによって吹出気流の特性を細かく制御することができることから、例えば上記風量分配機構10と第1フラップ12とを上記各吹出口4,4,・・相互間において連動して作動させる構成の場合に比して、空調の快適性及び省エネ性の向上が図れるとともに、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに設けられた上記各第2フラップ13,13,・・を単一の駆動源によって駆動することができることから、例えば該各第2フラップ13,13,・・をそれぞれ個別の駆動源によって駆動する場合に比して、該駆動源の設置数が減少する分だけ低コスト化と構造の簡略化が図れるなど、空調の快適性及び省エネ性の向上と空気調和機の低コスト化の促進との両立が可能となるものである。
【0025】
(オ) 本願の第5の発明にかかる空気調和機によれば、上記(ア),(イ),(ウ)又は(エ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第1,第2,第3又は第4の発明にかかる空気調和機において、上記吹出口4に連続する吹出流路14の上流部位に上記風量分配機構10と上記第1フラップ12とをそれぞれ配置するとともに、上記吹出流路14の長辺方向の両端部に上記風量分配機構10の駆動機構29と上記第1フラップ12の駆動機構30とをそれぞれ配置しているので、スペース的に制約される上記吹出流路14部分に上記風量分配機構10と第1フラップ12、及びこれらの駆動機構29,30をコンパクトに配置することができ、その結果、上記室内パネル2の薄型・小型化を図ることができる。
【0026】
(カ) 本願の第6の発明にかかる空気調和機によれば、上記(オ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第5の発明にかかる空気調和機において、上記風量分配機構10が、上記吹出流路14の長辺側に位置し且つ該吹出流路14の内部側へ向けて傾倒可能に取り付けられた分配シャッター11を備えるとともに、該分配シャッター11は上記吹出流路14の開口面積の拡大動作時には該吹出流路14の長辺側にそれぞれ位置し、該開口面積の縮小動作時には上記吹出流路14の上流側に位置するように構成しているので、上記吹出流路14の開口面積の拡大動作時、即ち、吹出風量の増大時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の流速の遅い部位に位置することで該分配シャッター11による通風抵抗が低減され、風量の確保が確実となるとともに送風音の低減が図られる一方、上記吹出流路14の開口面積の縮小動作時、即ち、吹出風量の減少時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の上流側に位置することで該吹出流路14の下流端に位置する上記吹出口4部分における気流の乱れが可及的に抑制され、それだけ該吹出口4近傍における結露が防止されるとともに乱れた吹出気流の衝突による天井面の汚れの発生が防止される。
【発明の実施の形態】
【0027】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0028】
図1及び図2には、本願発明の実施形態にかかるセパレート型空気調和機の室内機Zを示している。この室内機Zは、室内の天井50に埋設配置される天井埋込型室内機であって、その基本構造は従来周知の構造とされる。即ち、上記室内機Zは、天井50の上側に埋設配置される矩形箱状のケーング1と該ケーング1の下端開口側に室内側から装着される矩形平板状の室内パネル2とを備える。上記室内パネル2には、その中央部に位置するようにして矩形開口状の吸込口3が設けられるとともに、該吸込口3の外側には該吸込口3を矩形状に囲繞するようにして長矩形開口でなる四つの吹出口4,4,・・がそれぞれ室内パネル2の周縁に略平行に延出するようにして設けられている。
【0029】
また、上記ケーング1内の上記吸込口3から上記各吹出口4,4,・・に至る通風路17には、上記吸込口3と同軸上に位置するようにして遠心式のファン6が配置されるとともに、該ファン6の外周側にはこれを囲繞するようにして熱交換器5が配置されている。さらに、上記ファン6の吸込側にはベルマウス7が配置されるとともに、上記吸込口3にはフィルタ9と吸込グリル8とがそれぞれ装着されている。
【0030】
一方、上記吹出口4の上流側には、該吹出口4に連続して上方へ延びて上記通風路17の下流側部位を構成する長矩形断面をもつ吹出流路14が設けられるとともに、該吹出流路14内には次述の風量分配機構10と第1フラップ12及び第2フラップ13が配置されている。尚、上記風量分配機構10と第1フラップ12と第2フラップ13とによって特許請求の範囲中の「気流変更手段52」が構成される。
【0031】
さらに、上記吸込グリル8側には、特許請求の範囲中の「検知手段51」に該当する温湿度センサ16が配置されるとともに、上記吹出流路14の近傍には上記温湿度センサ16からの検知情報を受けて上記風量分配機構10と第1フラップ12及び第2フラップ13等の作動制御を行う制御部18(特許請求の範囲中の「制御手段53」に該当する)が配置されている。
【0032】
以下、これら各構成要素の構成等をそれぞれ具体的に説明する。
【0033】
(I−a) 風量分配機構10の構成
上記風量分配機構10は、上記吹出口4から吹き出される風量を増減調整することで上記吹出口4,4,・・相互間における風量分配比率を調整するためのものであって、図2〜図4に示すように、上記吹出流路14をその短辺方向に挟んでその長辺側の両側壁寄りにそれぞれ配置された左右一対の分配シャッター11,11を備えている。この一対の分配シャッター11,11の具体的構造は、図3に示す通りである。即ち、上記一対の分配シャッター11,11は、その一端を上記吹出流路14の側壁に沿って上下方向に形成されたガイド溝25に係入させることで該ガイド溝25に沿って上下方向へ移動自在としている。一方、該一対の分配シャッター11,11の他端は、図3及び図4に示すように、モータ29(特許請求の範囲中の「駆動機構29」に該当する)により回転駆動されるギヤ28に、その軸心を挟んでその径方向両側からそれぞれ噛合された一対のラック杆27,27の端部に連結されている。
【0034】
従って、上記風量分配機構10は、モータ29によって上記ギヤ28が正逆両方向に選択的に回転されると、これに噛合した上記一対のラック杆27,27が相互に逆方向へ移動し、この一対のラック杆27,27の相反方向への移動に伴って上記一対の分配シャッター11,11はそれぞれその傾動角度を変化させながら上下方向へ移動し、上記吹出流路14の中央側への延出量が増減変化されることで該吹出流路14の開口面積を増減させる如く作用する。
【0035】
即ち、上記風量分配機構10においては、上記吹出流路14の開口面積を拡大させた状態(大風量設定時)では、上記一対の分配シャッター11,11が共に直立に近い姿勢で該吹出流路14の側壁寄りに収納される状態となり、上記吹出流路14の中央側への延出量が小さくなる一方、上記吹出流路14の開口面積を縮小させた状態(小風量設定時)では、上記一対の分配シャッター11,11が共に水平に近い姿勢となり、該吹出流路14の中央寄りへの延出量が大きくなるとともに、全体として上記吹出流路14の上流寄りに位置されるものである。
【0036】
尚、上記風量分配機構10は、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応して設けられるものであって、これら各風量分配機構10,10,・・はそれぞれ独立して個別に作動制御される。また、この風量分配機構10の作動制御は、図2に示すように、上記吹出流路14の近傍に配置された制御部18(特許請求の範囲中の「制御手段53」に該当するものであって、その内容については後述する)によって、後述する温湿度センサ16からの検知情報に基づいて行われる。
【0037】
ところで、上記風量分配機構10は、上述のように、上記吹出流路14の流路方向へ移動しつつ該吹出流路14の側壁寄りに位置する一端を支点として傾動する分配シャッター11を備え、且つ上記開口面積の拡大時には該分配シャッター11が上記吹出流路14の側壁寄りに位置して流速の早い流路中央寄りを大きく開口させる(換言すれば、上記分配シャッター11を吹出流路14の側壁寄りへ退避させる)一方、上記開口面積の縮小時には上記分配シャッター11が該吹出流路14の上流側に位置されることに構成上及び機能上の特徴をもつものであって、これによって後述の如き特有の作用効果を奏するものである。即ち、上記風量分配機構10は、上記の如き構成上及び機能上の特徴をもつものであれば、上記実施形態の如き構造のものに限定される必要はなく、従って上記実施形態の外に、例えば図5に示す構造、あるいは図6に示す構造等を適宜採用し得るものである。これを簡単に説明すると以下の通りである。
【0038】
図5に示す風量分配機構10は、上記一対の分配シャッター11,11を上記吹出流路14の上流部位において、それぞれその短辺方向へ進退自在に構成したものであり、該分配シャッター11,11をラック杆27とこれに噛合するギヤ28を介して上記モータ29によって駆動する構成は上述の図3に示す風量分配機構10の場合と同様である。そして、この図5に示す風量分配機構10においても、上記開口面積の拡大時には上記分配シャッター11,11が共に上記吹出流路14の側壁寄りに位置して流速の早い流路中央寄りを大きく開口させる一方、上記開口面積の縮小時には上記各分配シャッター11が共に該吹出流路14の上流側に位置されるものである。
【0039】
図6に示す風量分配機構10は、一個の分配シャッター11を備え、この分配シャッター11の一端を上記吹出流路14の一方の側壁寄りの上流側部位に傾動自在に枢支するとともに、該分配シャッター11を相互に噛合するギヤ33とギヤ34を介してモータ35によって回転駆動するようにしたものであって、同図に実線図示する開口面積拡大姿勢と鎖線図示する開口面積縮小姿勢とを選択的に採り得るようにしたものである。そして、この図6に示す風量分配機構10においても、上記開口面積の拡大時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の側壁寄りに位置して流速の早い流路中央寄りを大きく開口させる一方、上記開口面積の縮小時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の上流側に位置されるものである。
【0040】
(I−b) 第1フラップ12の構成
上記第1フラップ12は、上記吹出流路14を通り上記吹出口4から室内側に吹き出される吹出気流の横方向における吹出方向を変更調整するためのものであって、図2に示すように上記吹出流路14から上記吹出流路14に至る流路断面形状に沿うような外形形状をもつプレート体で構成され、且つ支軸23によって上記吹出流路14の長辺側の側壁に対して揺動自在に支持されている。そして、この第1フラップ12は、図4に示すように、上記吹出流路14内にその長辺方向に所定間隔で複数枚配置されるとともに、これらを相互に連結するリンクバー24を介してモータ30(特許請求の範囲中の「駆動機構30」に該当する)により揺動方向に駆動されることでその傾斜角が変更されるものであって、この傾斜角の変更によって上記吹出口4からの吹出気流の横方向における吹出方向が変更調整される。また、上記各第1フラップ12,12,・・は、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに配置されるが、その作動制御は、上記制御部18によって、これら各別に独立して行われる。
【0041】
尚、上記各第1フラップ12,12,・・は上記吹出流路14内に配置されるが、上記モータ30は上記吹出流路14の短辺側の端部に配置されており、該モータ30の配置によって上記吹出流路14の通路面積が狭められることがないようになっている。
【0042】
(I−c) 第2フラップ13
上記第2フラップ13は、図2に示すように、湾曲した断面形状をもつ帯板材で構成されるものであって、上記吹出流路14の下流側部位で且つ上記吹出口4に近接した部位に配置され、これがその上端縁側を中心として傾動することで吹出気流の縦方向における吹出方向が変更調整されるものである。
【0043】
この第2フラップ13は、上記吹出口4,4,・・のそれぞれに配置されるが、これら各第2フラップ13,13,・・の駆動方式としては、連動方式と個別方式とが考えられる。連動方式とは、図7に示すように、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応して設けられた上記各第2フラップ13,13,・・相互を連動部材32,32,・・で連結し、これら各第2フラップ13,13,・・を単一のモータ31によって駆動する方式である。これに対して、個別方式とは、図8に示すように、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応して設けられた上記各第2フラップ13,13,・・を、それぞれ専用のモータ31,31,・・によって個別に駆動させる方式である。これら両方式のうち、前者の連動方式は単一のモータ31で駆動できることから、駆動部の構造が簡単であり、且つ低コスト化が図れるという利点がある。これに対して、後者の個別方式では、上記各吹出口4,4,・・毎に吹出気流の縦方向における吹出方向をそれぞれ個別に且つ細かく調整できるという利点がある。
【0044】
(I−d) 温湿度センサ16の構成
上記温湿度センサ16は、特許請求の範囲中の「検知手段51」に該当するものであって、上記室内機Zを天井50側へ設置した状態において上記吸込口3からの吸込空気の温度を検知することで該温湿度センサ16が対応する室内の検知対象範囲の熱負荷を間接的に検知し、これを現在の室内温度に関する検知情報として上記制御部18側に出力するものである。そして、この実施形態では、上記温湿度センサ16を、図1及び図2に示すように、上記吸込口3の口縁部に設けられた吸込グリル8の各外辺部の近傍に、且つ各外辺に沿ってそれぞれ所定間隔で3個づつ、合計12個配置しており、従って、上記各温湿度センサ16,16,・・は上記各吹出口4,4,・・との関係では、該各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応し、且つその長辺方向に所定間隔で並ぶことになる。
【0045】
ところで、特定の吹出口4から吹き出された空気がその吹出方向にある空調領域から再び上記吸込口3側に吸い込まれる場合、該吸込口3の開口範囲のうち、上記特定の吹出口4寄り部位を通って吸い込まれるのが自然である。そして、この吸込空気の温度は上記特定の吹出口4に対応して設けられた3個の温湿度センサ16,16,・・によって検知されるが、その場合においても、該3個の温湿度センサ16,16・・はこれらの配置位置に対応して上記吸込空気のそれぞれ異なる部分の温度を検知することになる。
【0046】
このようなことから、この実施形態のものにおいては、図1に示すように、室内空間、即ち、上記各温湿度センサ16,16,・・の検知対象範囲を、平面視において、上記室内機Zを中心として上記各吹出口4,4,・・に対応させて四つの大エリア(1)〜(4)に仮想区画するとともに、さらに、これら各大エリア(1)〜(4)のそれぞれを、当該各大エリア(1)〜(4)のそれぞれに属する3個の温湿度センサ16,16,・・毎に三つの小エリア(A)〜(C)に仮想区画している。従って、上記吹出口4毎に一群をなす3個の温湿度センサ16,16,・・は、それぞれこれらが対応する特定の大エリア(1)〜(4)の、しかもこれに属する小エリア(A)〜(C)のうちの対応する各小エリアのみを検知対象範囲とすることになる。これによって、上記各温湿度センサ16,16,・・のそれぞれの検知情報が上記制御部18に入力された場合、当該検知情報がどの大エリアの中のどの小エリアの情報であるのか、換言すれば、全検知対象範囲の中のどの部位の情報であるのかが容易に特定できることになる。尚、上記温湿度センサ16によって検知される吸込空気温度に関する検知情報は、上記制御部18に入力され、該制御部18による上記気流変更手段52の制御ファクタとして用いられる。
【0047】
一方、上述のように、上記温湿度センサ16を複数個並設してこれら各温湿度センサ16,16,・・で同時に検知を行い、且つそれらの検知情報に基づいて上記気流変更手段52の作動制御を行う構成の場合にあっては、検知情報の精度という点において、上記各温湿度センサ16,16,・・個々の個体差による検出値の偏差(即ち、検出誤差)が問題となる。このため、この実施形態のものにおいては、上記各温湿度センサ16,16,・・個々の個体差を補正し、該各温湿度センサ16,16,・・の全てにおいて高精度の検知を実現できるようにしている。
【0048】
即ち、先ず、温湿度センサ16の個体差の補正の基本思想は次の通りである。例えば、上記ファン6が回転しているとき(即ち、室内機Zの運転状態)には上記吸込口3から室内空気が吸い込まれるため、該吸込口3部分における吸込空気温度は室内各領域間の熱負荷分布によって一定ではないが(かかる熱負荷分布による上記吸込口3部分における吸込空気温度の相違を上記温湿度センサ16で検知して気流変更手段52の作動制御を行うのが本願発明の基本思想である)、上記ファン6が停止している状態においては上記吸込口3部分に空気の流れがなくその近傍の空気温度が均一状態となっている。従って、この均一温度状態の下で上記各温湿度センサ16,16,・・によってそれぞれ温度検知を行えば、もし上記各温湿度センサ16,16,・・の個々に個体差が無ければ、上記各温湿度センサ16,16,・・それぞれの検出値はほぼ同一値となるはずである。これに対して、もし上記各温湿度センサ16,16,・・個々に個体差があれば、それぞれの検出値に差異が生じるので、何らかの基準値を設定してこの基準値と各検出値との偏差に基づいて該検出値を補正することで上記個体差を排除することが可能となる。
【0049】
かかる基本思想の下に、この実施形態では、図9に示すフローチャートに従って個体差の補正制御を行うようにしている。即ち、制御開始後、先ず、上記ファン6を停止させた状態で、上記各温湿度センサ16,16,・・によって上記吸込口3近傍の空気温度をそれぞれ検知する(ステップS1)。次に、上記各温湿度センサ16,16,・・の検出値に基づいて平均空気温度を求めるとともに、該平均空気温度と上記各検出値との偏差をそれぞれ求める(ステップS2)。
【0050】
そして、上記各温湿度センサ16,16,・・による所定時間(例えば、数十秒)の検知作業が終了した時点で、上記ファン6を起動させ(ステップS3)、上記各温湿度センサ16,16,・・による本来の検知作業、即ち、上記吸込口3からの吸込空気の温度の検知作業を行うことで室内機Zの運転を開始する(ステップS4)とともに、ここで上記各温湿度センサ16,16,・・によってそれぞれ検知される検出値を上記平均空気温度との偏差に基づいてそれぞれ補正する(ステップS5)。
【0051】
かかる補正によって、上記制御手段53には補正後の個体差の影響が排除された各検出値が入力され、上記気流変更手段52の作動制御が室内の熱負荷分布に可及的に適合した状態で行われることになる。尚、実際には、この個体差補正は、室内機Zの運転開始時点、即ち、運転開始スイッチが操作された時、所定時間、上記ファン6の起動を遅延させることで行われる。
【0052】
他方、上記温湿度センサ16それ自体に起因するものではないが、該温湿度センサ16の検出値の信頼性の確保という点では、上記ファン6の回転に基づく検出値の補正が必要となる。
【0053】
即ち、この実施形態のものにおいては、上記ファン6を遠心ファンで構成しているので、該ファン6の回転に伴って上記各吹出口4,4,・・から吹き出される吹出気流はファン回転方向への旋回成分をもつことになる。このため、上記各吹出口4,4,・・からそれぞれ吹き出される各吹出気流の実際の到達領域は、該各吹出口4,4,・・の通路形状から規定される本来的な到達領域(即ち、平面視においてファン6の中心と吹出口4とを結ぶ直線の延長上の領域)よりもファン回転方向前方寄りに位置ズレして、本来的な到達領域と実際の到達領域との間に回転方向への位相差を生じることになる。
【0054】
これをより具体的に説明すると、図11に示すように、室内機Zの各吹出口4のうち、第1の吹出口4Aは室内の検知対象範囲のうちのエリア1に対応し、第2の吹出口4Bはエリア2に対応し、第3の吹出口4Cはエリア3に対応し、第4の吹出口4Dはエリア4に対応している。そして、第1の吹出口4Aからの吹出気流はエリア1側に向けて吹き出され、これが該エリア1を循環後、再度上記吸込口3に吸い込まれる場合には、該吸込口3のうち、上記第1の吹出口4A寄り部位を通って吸い込まれ、該第1の吹出口4Aに対応して配置された各温湿度センサ16,16,・・によってその空気温度「T1」が検知されるはずである。ところが、上記ファン6の回転に伴う吹出気流の旋回成分の影響で、上記エリア1に存在する空気、従って上記吸込口3に対して上記第1の吹出口4A寄り部位から吸い込まれる空気は、例えば位相差を90°と想定した場合には、実は第1の吹出口4Aからの吹出空気ではなく、該第1の吹出口4A9LMファン回転方向後方側に位置する第2の吹出口4Bからの吹出空気であり、従って、上記第1の吹出口4Aに対応して配置された各温湿度センサ16,16,・・は本来エリア4に吹き出された後、上記吸込口3の上記第1の吹出口4A寄り部位を通って吸い込まれる空気の温度「T4」を検知していることになる。即ち、上記各温度センサ又は温湿度センサ16,16,・・による室内の熱負荷分布の実測値に位相差を生じるものである。
【0055】
このため、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応して配置された上記各温湿度センサ16,16,・・の検出値を、それぞれ対応する吹出口4からの吹出空気の吸込側での温度であるとしてこれを上記制御手段53における制御に用いたのでは到底空調の最適化は望み得ないことになる。
【0056】
一方、このような吹出空気のファン回転方向における位相差は、上記ファン6の回転速度、即ち、回転数に対応して変化し、ファン回転数が大きいほど位相差も大きくなる。
【0057】
このような現象を考慮して、この実施形態においては、位相差補正を行うようにしている。即ち、図10のフローチャートに示すように、制御開始後、先ず、上記各温湿度センサ16,16,・・で温度検知をした後(ステップS11)、ファン回転数に基づき(ステップS12)、上記各温湿度センサ16,16,・・の検出値をそれぞれ補正するようにしている。これによって、上記制御手段53における制御に、位相差の影響が排除された補正後の各検出値が用いられ、上記気流変更手段52の作動制御が室内の熱負荷分布に可及的に適合した状態で行われる。
【0058】
尚、上記実施形態においては、上記温湿度センサ16を上記吹出口4毎にそれぞれ3個づつ設けるようにしているが、これは該温湿度センサ16の配置個数が多いほど検知対象範囲をより小さく細分することで検知精度を高めるためである。従って、上記温湿度センサ16の配置数は、要求する検知精度に応じて適宜増減設定すれば良く、例えば上記各吹出口4,4,・・毎にそれぞれ温湿度センサ16を一個づつ設ける構成も、最小限、上記各大エリア(1)〜(4)毎の検知情報を確認できることから、可能である。
【0059】
また、上記温湿度センサ16を上記吸込グリル8側(即ち、上記フィルタ9よりも上流側)に設けたのは、吸込空気が上記フィルタ9を通過することによって温度が均平化され、上記温湿度センサ16による検知情報と室内の検知対象範囲との関係の特定が難しくなるのを回避するためである。従って、例えば上記フィルタ9の通風抵抗が小さく吸込空気温度の均平化作用が低いものである場合には、図2に符号16′で指示するように、上記フィルタ9の下流側の、例えば上記ベルマウス7の内面に配置することも可能である。
【0060】
さらに、この実施形態では、上記検知手段51を上記温湿度センサ16で構成しているが、これは吸込空気の温度及び湿度を検知しこれによって熱負荷を算出する方が、単に吸込空気の温度のみを検知しこれによって熱負荷を算出する場合に比して、熱負荷をより精度良く検知することができることによる。従って、要求される検知精度によっては、上記温湿度センサ16に代えて温度センサを設けることも可能である。
【0061】
(I−e) 制御部18
上記制御部18は、上述のように、上記温湿度センサ16によって検知される検知情報に基づいて上記気流変更手段52を構成する上記風量分配機構10と第1フラップ12と第2フラップ13との作動制御を相互に関連させつつ行うとともに、空調能力とか温度制御を同時に行うことで空調を最適化し、これによって空調の快適性あるいは省エネ性の向上を図るものである。例えば、上記室内機Zの各吹出口4,4,・・のそれぞれから吹き出される吹出気流の特性を該各吹出口4,4,・・間において常時同一に設定するのではなく、室内の温度分布(熱負荷分布)に対応して、例えば冷房時においては温度が高い部位に対しては吹出風量を増大させる一方、温度が低い部位に対しては吹出風量を減少させる風量制御等を行うものである。
【0062】
(I−f) 室内機Zの作動説明等
ここで、上記室内機Zの作動及び作用効果等について説明する。この実施形態の室内機Zは、上述のように空調の最適化を実現してその快適性あるいは省エネ性を高めることを目的とするものであるが、かかる目的を達成するためには上記制御部18による上記気流変更手段52等に対する制御精度が十分に確保されること、延いては上記制御部18の制御の基礎となる上記温湿度センサ16の検知精度を高めてその検知情報の信頼性を確保することが重要である。かかる観点に基づく技術思想を室内機の各構成要素について具体化したものがこの実施形態の室内機Zである。従って、この実施形態の室内機Zでは、上記各構成要素がそれぞれその特有の構成に基づきそれぞれ所期の機能を発揮することで、究極的課題である空調の最適化による快適性あるいは省エネ性の向上が実現されるものである。以下、これを具体的に説明する。
【0063】
この実施形態の室内機Zにおいては、上記熱交換器5を貫流して熱交換された後の空調空気は、上記各吹出口4,4,・・から室内へ吹き出されるが、その場合、吹出気流が上記吹出流路14部分を流れるとき、上記各吹出口4,4,・・毎に上記風量分配機構10による該各吹出口4,4,・・相互間における吹出風量の分配作用が為されるとともに、上記第1フラップ12による横方向における吹出方向調整作用と上記第2フラップ13による縦方向における吹出方向調整作用とが同時に行われるとともに、空調能力制御とか温度制御等の他の制御も行われ、これらの相乗効果として空調の最適化が実現されるものである。
【0064】
ここで、かかる空調の最適化は、上記温湿度センサ16からの高精度の検知情報が上記制御部18に入力されることによって実現されることは既述の通りである。そして、この実施形態の室内機Zにおいては、上記温湿度センサ16に関して下記の如き構成を採用することで高精度の検知情報を得るようにしたものである。
【0065】
第1に、この実施形態では、上記温湿度センサ16を上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口3側に配置している。かかる構成とすることで、上記各温湿度センサ16,16,・・によって、上記各吹出口4,4,・・の吹出方向に対応する検知対象範囲から吸い込まれる空気温度をそれぞれ検出することで、室内の全域における熱負荷分布を容易に検知することができ、その結果、この熱負荷分布に基づいて上記制御手段53によって上記気流変更手段52の作動を制御することで、室内の熱負荷分布に的確に対応した空調を行うことができ、延いては空調の快適性の確保、及び無駄な空調の排除による省エネ性の向上が図れるものである。
【0066】
また、上記検知手段51として上記温湿度センサ16を採用しているので、例えばこの検知手段51を赤外線センサによって構成するような場合に比して、該検知手段51の構造の簡略化あるいは制御の容易化が図れ、延いては室内機Zの低コスト化にも寄与し得るものである。
【0067】
第2に、この実施形態では、上記各温湿度センサ16,16,・・の検出値に基づいて上記吸込口3部分における平均空気温度を算出し、且つ該平均空気温度と上記各検出値との偏差に基づいて上記各温湿度センサ16,16,・・個々の個体差による検出誤差を補正するようにしている。かかる補正によって、上記各温湿度センサ16,16,・・の検知精度の信頼性が確保され、該各温湿度センサ16,16,・・のそれぞれの検知情報に基づいて上記気流変更手段52の作動を制御する場合における高い制御精度が向上し、その結果、上記気流変更手段52の適正な作動が実現され、延いては、空調の快適性及び無駄な空調の排除による省エネ性の更なる向上が図れるものである。
【0068】
第3に、この実施形態では、上記ファン6が遠心ファンで構成されていることを考慮して、該ファン6の回転速度に基づいて上記各温湿度センサ16,16,・・それぞれの検出値を補正するようにしている。かかる構成とすることで、上記ファン6が遠心ファンであることに起因する上記各吹出口4,4,・・からの吹出気流の到達領域のファン回転方向における位相差に基づく上記各温湿度センサ16,16,・・の検出誤差が解消され、該各温湿度センサ16,16,・・の検知情報に基づく上記気流変更手段52の作動制御が適正化され、その結果、空調の快適性及び省エネ性が促進されるものである。
【0069】
さらに、この実施形態のものにおいては、上述の如き上記温湿度センサ16の検知精度の確保によって空調の快適性及び省エネ性の向上を図るのに加えて、風量分配機構10と第1フラップ12と第2フラップ13の作動制御の最適化によって空調の快適性及び省エネ性の向上を図るようにしている。
【0070】
即ち、第1に、この実施形態のものでは、上記風量分配機構10と上記第1フラップ12及び上記第2フラップ13とを、上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成している。かかる構成とすることで、上記各吹出口4,4,・・毎に吹出気流の特性を細かく制御することができ、それだけ空調の快適性及び省エネ性がさらに向上することになる。
【0071】
第2に、この実施形態のものでは、上述のように、上記風量分配機構10と上記第1フラップ12及び上記第2フラップ13とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成する外に、上記風量分配機構10と上記第1フラップ12と上記第2フラップ13のうち、上記風量分配機構10と上記第1フラップ12とを上記各吹出口4,4,・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成する一方、上記第2フラップ13はこれを上記各吹出口4,4,・・相互間において連動して作動させる構成をも提案している。
【0072】
かかる構成とすることで、上記各吹出口4,4,・・毎に上記風量分配機構10と第1フラップ12とによって吹出気流の特性を細かく制御することができることから、例えば上記風量分配機構10と第1フラップ12とを上記各吹出口4,4,・・相互間において連動して作動させる構成の場合に比して、空調の快適性及び省エネ性の向上が図れるとともに、上記各吹出口4,4,・・のそれぞれに設けられた上記各第2フラップ13,13,・・を単一の駆動源によって駆動することができることから、例えば該各第2フラップ13,13,・・をそれぞれ個別の駆動源によって駆動する場合に比して、該駆動源の設置数が減少する分だけ低コスト化と構造の簡略化が図れるなど、空調の快適性及び省エネ性の向上と空気調和機の低コスト化の促進との両立が可能となるものである。
【0073】
また、この実施形態のものにおいては、上記風量分配機構10等の構成に関して以下のような付随的効果も期待できるものである。
【0074】
即ち、第1に、この実施形態のものでは、上記吹出口4に連続する吹出流路14の上流部位に上記風量分配機構10と上記第1フラップ12とをそれぞれ配置するとともに、上記吹出流路14の長辺方向の両端部に上記風量分配機構10の駆動機構29と上記第1フラップ12の駆動機構30とをそれぞれ配置しているので、スペース的に制約される上記吹出流路14部分に上記風量分配機構10と第1フラップ12、及びこれらの駆動機構29,30をコンパクトに配置することができ、その結果、上記室内パネル2の薄型・小型化を図ることができる。
【0075】
第2に、この実施形態のものでは、上記風量分配機構10を、上記吹出流路14の長辺側に位置し且つ該吹出流路14の内部側へ向けて傾倒可能に取り付けられた分配シャッター11を備えて構成し、且つ該分配シャッター11はこれを上記吹出流路14の開口面積の拡大動作時には該吹出流路14の長辺側にそれぞれ位置させ、該開口面積の縮小動作時にはこれを上記吹出流路14の上流側に位置させるように構成している。
【0076】
かかる構成とすることで、上記吹出流路14の開口面積の拡大動作時、即ち、吹出風量の増大時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の流速の遅い部位に位置することで該分配シャッター11による通風抵抗が低減され、風量の確保が確実となるとともに送風音の低減が図られる一方、上記吹出流路14の開口面積の縮小動作時、即ち、吹出風量の減少時には上記分配シャッター11が上記吹出流路14の上流側に位置することで該吹出流路14の下流端に位置する上記吹出口4部分における気流の乱れが可及的に抑制され、それだけ該吹出口4近傍における結露が防止されるとともに乱れた吹出気流の衝突による天井面の汚れの発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】 本願発明の実施形態にかかる室内機の室内側からの斜視図である。
【図2】 図1に示した室内機の要部拡大断面図である。
【図3】 室内機の吹出口に備えられる風量分配機構の第1の構造例を示す断面図である。
【図4】 図3のIV−IV矢視図である。
【図5】 室内機の吹出口に備えられる風量分配機構の第2の構造例を示す断面図である。
【図6】 室内機の吹出口に備えられる風量分配機構の第3の構造例を示す断面図である。
【図7】 室内機の吹出口に備えられる第2フラップの第1の駆動方式説明図である。
【図8】 室内機の吹出口に備えられる第2フラップの第2の駆動方式説明図である。
【図9】 室内機におけるセンサ個体差補正の制御フローチャートである。
【図10】 室内機におけるセンサ実測値の位相差補正の制御フローチャートである。
【図11】 室内機におけるセンサ実測値の位相差補正の説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1はケーング、2は室内パネル、3は吸込口、4は吹出口、5は熱交換器、6はファン、7はベルマウス、8は吸込グリル、9はフィルタ、10は風量分配機構、11は分配シャッター、12は第1フラップ、13は第2フラップ、14は吹出流路、16は温湿度センサ、17は通風路、18は制御部、23は支軸、24はリンクバー、25及び26はガイド溝、27はラック杆、28はギヤ、29〜31はモータ、32は連動部材、33及び34はギヤ、35はモータ、50は天井、51は検知手段、52は気流変更手段、53は制御手段、Zは室内機である。
Claims (6)
- 天井(50)の下面側に配置される室内パネル(2)に設けられた吸込口(3)と該吸込口(3)の外側を矩形状に囲繞する複数の吹出口(4),(4),・・との間の通風路(17)中にファン(6)を配置するとともに、室内の熱負荷分布を検知する検知手段(51)と、上記各吹出口(4),(4),・・からの吹出気流の特性を変更する気流変更手段(52)と、上記検知手段(51)により検知される検知情報と空気調和機の運転に関する運転情報とに基づいて上記気流変更手段(52)の作動を制御する制御手段(52)を備えてなる空気調和機において、
上記検知手段(51)を温度センサ又は温湿度センサ(16)で構成し、該温度センサ又は温湿度センサ(16)を上記各吹出口(4),(4),・・のそれぞれに対応するようにして上記吸込口(3)側に配置
する一方、
上記ファン(6)の停止時における上記各温度センサ又は温湿度センサ(16),(16),・・の検出値に基づいて上記吸込口(3)部分における平均空気温度を算出するとともに、該平均空気温度と上記各検出値との偏差に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ(16),(16),・・個々の検出誤差を補正することを特徴とする空気調和機。 - 天井(50)の下面側に配置される室内パネル(2)に設けられた吸込口(3)と該吸込口(3)の外側を矩形状に囲繞する複数の吹出口(4),(4),・・との間の通風路(17)中にファン(6)を配置するとともに、室内の熱負荷分布を検知する検知手段(51)と、上記各吹出口(4),(4),・・からの吹出気流の特性を変更する気流変更手段(52)と、上記検知手段(51)により検知される検知情報と空気調和機の運転に関する運転情報とに基づいて上記気流変更手段(52)の作動を制御する制御手段(52)を備えてなる空気調和機において、
上記ファン(6)が遠心ファンであって、該ファン(6)の回転速度に基づいて上記各温度センサ又は温湿度センサ(16),(16),・・それぞれの検出値を補正することを特徴とする空気調和機。 - 請求項1又は2において、
上記気流変更手段(52)が、上記各吹出口(4),(4),・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構(10)と、上記吹出口(4)からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ(12)と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ(13)とを備えるとともに、上記風量分配機構(10)と第1フラップ(12)と第2フラップ(13)とを上記各吹出口(4),(4),・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成したことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1又は2において、
上記気流変更手段(52)が、上記各吹出口(4),(4),・・相互間における吹出風量の分配比率を変更する風量分配機構(10)と、上記吹出口(4)からの吹出気流の横方向における吹出方向を変更する第1フラップ(12)と縦方向における吹出方向を変更する第2フラップ(13)とを備えるとともに、上記風量分配機構(10)と第1フラップ(12)とを上記各吹出口(4),(4),・・相互間においてそれぞれ独立して個別に作動可能に構成する一方、上記第2フラップ(13)を上記各吹出口(4),(4),・・相互間において連動して作動するように構成したことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1,2,3又は4において、
上記吹出口(4)に連続する吹出流路(14)の上流部位に上記風量分配機構(10)と上記第1フラップ(12)とをそれぞれ配置するとともに、上記吹出流路(14)の長辺方向の両端部に上記風量分配機構(10)の駆動機構(29)と上記第1フラップ(12)の駆動機構(30)とをそれぞれ配置したことを特徴とする空気調和機。 - 請求項5において、
上記風量分配機構(10)が、上記吹出流路(14)の長辺側に位置し且つ該吹出流路(14)の内部側へ向けて傾倒可能に取り付けられた分配シャッター(11)を備えるとともに、該分配シャッター(11)は上記吹出流路(14)の開口面積の拡大動作時には該吹出流路(14)の長辺側に位置し、該開口面積の縮小動作時には上記吹出流路(14)の上流側に位置するように構成されていることを特徴とする空気調和機。
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