JP3651271B2 - 車両速度制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前方の車両との車間距離などに応じて目標車速を設定し、自車両の速度を目標車速に一致させるようにスロットル開度やブレーキのような制駆動力制御手段を操作して車両の制駆動力を制御する車両速度制御装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の車両速度制御装置では、駆動輪がほとんどスリップしていないことを前提にして目標車速を設定し、その目標車速に一致させるよう制駆動力制御手段を操作するため、次のような問題点があった。すなわち、圧雪路や凍結路のような低μ路ではタイヤのグリップ限界が低く、大きな制駆動力(ブレーキ力やエンジントルク)を発生させるとタイヤが滑ってしまい、所望の制駆動力を得ることができなくなり、目標車速に実車速を一致させることができなくなる問題点があった。
【0004】
図17には、従来技術において、路面の摩擦係数μが0.1のとき、20sec〜30secのタイミングに車速40km/hから60km/hへ0.06Gの加速を行った場合の車速の変化特性を示している。この図17から分かるように、駆動輪の車輪速は目標車速にほぼ一致しているが、駆動輪がスリップしているために車両としての駆動力は小さくなってしまい、実際の車速(車体速)は目標車速に追従することができず、逆に低下している。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、低μ路においても効果的に車速制御ができる車両速度制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の車両速度制御装置は、運転状況に応じた第1の目標車速を設定する第1の目標車速設定手段と、非駆動輪の車輪速を検出する非駆動輪車輪速検出手段と、駆動輪の車輪速を検出する駆動輪車輪速検出手段と、車体速を推定する車体速推定手段と、スリップ率を推定するスリップ率推定手段と、前記スリップ率に基づき、車速変化率制限値を設定する変化率制限値設定手段と、前記車速変化率制限値の範囲内で前記第1の目標車速に徐々に追従するように第2の目標車速を設定する第2の目標車速設定手段と、前記第2の目標車速に前記車体速が一致するように車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え、所定の周期ごとに、現在の推定したスリップ率に基づいてスリップを発生させないような新たな車速変化率制限値を設定し、当該新たな車速変化率設定値の範囲内で第2の目標車速を徐々に第1の目標車速に追従させるように変化させ、前記車体速を徐々に前記第1の目標車速に近づけるものである。
【0007】
請求項1の発明の車両速度制御装置では、第1の目標車速設定手段によって運転状況に応じた第1の目標車速を設定し、これに応答して制駆動力制御手段が制駆動力を制御して車速がこれに一致するように車速制御する。
【0008】
この車速制御中に、非駆動輪車輪速検出手段によって非駆動輪の車輪速を検出し、駆動輪車輪速検出手段によって駆動輪の車輪速を検出し、車体速推定手段によって車体速を推定し、さらにスリップ率推定手段によってスリップ率を推定し、このスリップ率に基づき、変化率制限値設定手段が車速変化率制限値を設定する。
【0009】
そして、第2の目標車速設定手段によって車速変化率制限値の範囲内で第1の目標車速に車体速が追従するように第2の目標車速を設定し、制駆動力制御手段によってこの第2の目標車速に車体速が一致するように車両の制駆動力を制御する。
【0010】
こうして、第1の目標車速設定手段は前方車との車間距離が広がって加速が必要になった場合、あるいは逆に前方車との車間距離が縮まって減速が必要になった場合のように、運転状況に応じて第1の目標車速を設定するが、この第1の目標車速の変化率が大きいためにこれに追従しようとして制駆動力制御手段が急加速あるいは急減速することによって駆動輪にスリップが発生する恐れがあるような場合、そのようなスリップを発生させないような変化率の第2の目標車速を設定し、これに追従するように車速制御を行い、低μ路でもスリップの発生を抑え、結果的に第1の目標車速に効果的に追従する車速制御を行う。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両速度制御装置において、前記第2の目標車速設定手段は、前回の第2の目標車速と前記第1の目標車速との差が前記車速変化率制限値の範囲内である場合には、第1の目標車速を新たな第2の目標車速に設定し、前回の第2の目標車速と前記第1の目標車速との差が前記変化率制限値の範囲を超えている場合には、前回の第2の目標車速に前記車速変化率制限値を加えた値を新たな第2の目標車速に設定する。
請求項の発明は、請求項1に記載の車両速度制御装置において、前記車体速推定手段が前記非駆動輪の車輪速を前記車体速とし、前記スリップ率推定手段が前記非駆動輪の車輪速と前記駆動輪の車輪速との差に基づいて前記スリップ率を推定するものであり、非駆動輪は加速時にスリップすることがないので、この非駆動輪の車輪速を車体速とし、かつこの車体速と駆動輪の車輪速との差からスリップ率を推定することにより、現実に発生しているスリップ率を的確に推定することができ、このようなスリップを効果的に抑制する車速制御ができる。
【0012】
請求項の発明は、請求項1又はに記載の車両速度制御装置において、前記第2の目標車速設定手段が、前記スリップ率が所定値以上のときには前記非駆動輪の車輪速を前記第2の目標車速に設定するものであり、制御車速の変化率に制限を加えても一致させようとする車速が本来高すぎ、スリップ率が大きくなってしまうような状況では、非駆動輪の車輪速を第2の目標車速に設定することにより、駆動輪のスリップ量が大きくなるのを防止し、結果的に第1の目標車速に効果的に追従する車速制御を行う。
【0013】
請求項の発明は、請求項に記載の車両速度制御装置において、前記第2の目標車速設定手段が、前記制駆動力制御手段によって車両ブレーキが自動操作されているときには前記スリップ率が所定値以上になる直前に設定された前記第2の目標車速を維持するものであり、特に低μ路における急ブレーキ操作によって非駆動輪がロックしてしまうような事態では、ロックして0になっている非駆動輪の車輪速を第2の目標車速とする代わりに、所定値より低下する直前の非駆動輪の車輪速を第2の目標車速として維持することにより、第2の目標車速が急激に落ち込み、それに追従しようとする制駆動力制御によって非駆動輪がロックに近い状態になってしまうことがなく、安定した車速制御ができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、第1の目標車速設定手段は前方車との車間距離が広がって加速が必要になった場合、あるいは逆に前方車との車間距離が縮まって減速が必要になった場合のように運転状況に応じて第1の目標車速を設定するが、この第1の目標車速の変化率が大きいためにこれに追従しようとして制駆動力制御手段が急加速あるいは急減速することによって駆動輪にスリップが発生する恐れがある場合、そのようなスリップを発生させない変化率で変化する第2の目標車速を設定し、これに追従するように車速制御を行い、低μ路でもスリップの発生を抑え、結果的に第1の目標車速に効果的に追従する車速制御を行うことができる。
【0015】
請求項の発明によれば、非駆動輪の車輪速を車体速とし、かつこの車体速と駆動輪の車輪速との際からスリップ率を推定することにより、現実に発生しているスリップ率を的確に推定することができ、このようなスリップを効果的に抑制する車速制御ができる。
【0016】
請求項の発明によれば、目標車速の変化率に制限を加えても一致させようとする車速そのものが本来高すぎ、スリップ率が大きくなってしまうような状況では、非駆動輪の車輪速を第2の目標車速に設定することにより、駆動輪のスリップ量が大きくなるのを防止し、結果的に第1の目標車速に効果的に追従する車速制御を行うことができる。
【0017】
請求項の発明によれば、特に低μ路における急ブレーキ操作によって非駆動輪がロックしてしまうような事態では、ロックして0になっている非駆動輪の車輪速を第2の目標車速とする代わりに、所定値以下まで低下する前の非駆動輪の車輪速を第2の目標車速として維持することにより、第2の目標車速が急激に落ち込み、それに追従しようとする制駆動力制御によって非駆動輪がロックに近い状態になってしまうことがなく、安定した車速制御ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の構成を示している。第1の実施の形態の車両速度制御装置は、前方車との車間距離などの環境から目標車速を設定する第1の目標車速設定部101、車両の駆動輪の車輪速を検出する駆動輪車輪速検出部102−1、非駆動輪の車輪速を検出する非駆動輪車輪速検出部102−2、この非駆動輪車輪速検出部102−2の検出する非駆動輪車輪速から車体速を推定する車体速推定部103、駆動輪車輪速検出部102−1の検出した駆動輪車輪速と車体速推定部103の推定した車体速とに基づいてスリップ率を推定するスリップ率推定部104を備えている。
【0019】
車両速度制御装置はまた、スリップ率推定部104の推定したスリップ率に基づいて目標車速の変化率制限値を設定する変化率制限値設定部105、第1の目標車速設定部101の設定した第1の目標車速と変化率制限値設定部105の設定した変化率制限値とに基づいて可能な限りスリップを発生させないような変化率を示す第2の目標車速を設定する第2の目標車速設定部106を備えている。
【0020】
車両速度制御装置はさらに、この第2の目標車速設定部106の設定する第2の目標車速と車体速度を一致させるために必要な目標制駆動力を設定する目標制駆動力設定部107、この目標制駆動力設定部107の設定する目標制駆動力を内燃機関操作量とブレーキ操作量とに分配する制駆動力指令値設定部108、この制駆動力指令値設定部108の設定する内燃機関操作量指令値により内燃機関を操作する内燃機関操作部109、そしてブレーキ操作量指令値によりブレーキを操作するブレーキ操作部110を備えている。
【0021】
駆動輪車輪速検出部102−1、非駆動輪車輪速検出部102−2それぞれには、例えば、車輪の回転軸に取り付けられたホールIC型の回転センサから得られる回転角速度からタイヤの車輪速を検出する。そして、これらの車輪速検出部102−1,102−2の出力の瞬時値は変動が大きいので、平均化処理、フィルタリング処理した後の信号を用いることができる。
【0022】
目標制駆動力設定部107にはPID制御器を用いることができる。また車両の駆動力を操作するための内燃機関操作部109としては、例えば、スロットル開度を操作するものを採用することができる。また車両の制動力を操作するためのブレーキ操作部110としては、例えば、ブレーキマスタシリンダの圧力を操作するものを採用することができる。
【0023】
次に、上記の構成の車両速度制御装置の動作を説明する。まず、第1の実施の形態の車両速度制御装置の速度制御原理を説明する。図2に示すように、実際の車体速Vrlを第1の目標車速VSET1に一致させるように内燃機関とブレーキを操作する際には、最終的な目標車速である第1の目標車速VSET1とは別に、第2の目標車速VSET2を設定して、車体速Vrlがその第2の目標車速VSET2に一致するように制御する。また駆動輪のスリップ率slipを推定して、第2の目標車速VSET2の変化率αをそのスリップ率slipに応じて制限する。
【0024】
これにより、最終的な目標車速である第1の目標車速VSET1の変化率が大きく、それに追従させるために駆動力を大きくして急加速することによって駆動輪のスリップ量が大きくなり、実際の車体速Vrlを目標車速に一致させることができなくなる事態が発生するのを抑制し、βで示すようにより緩やかに変化する第2の目標車速に追従する車速制御を行うことによって、最終的に目標車速VSET1に一致させるのである。
【0025】
この車速制御原理を実現するために、第1の実施の形態の車両速度制御装置は次のように動作する。図3のフローチャートに示すように、この車両速度制御装置による車両速度制御プログラムは、運転者によるブレーキ操作又はアクセル操作があれば解除されるが(ステップS101)、運転者による介入操作がなければ継続される(ステップS102)。
【0026】
車速制御ルーチンは、図4のフローチャートにより実行される。第1の目標車速設定部101により第1の目標車速VSET1が設定されると(ステップS201)、駆動輪車輪速検出部102−1が駆動輪の車輪速Vw1を検出し、非駆動輪車輪速検出部102−2が非駆動輪の車輪速Vw2を検出する(ステップS202,S203)。そして、車体速推定部103は非駆動輪にはスリップが発生していないと見なし、非駆動輪車輪速Vw2を車体速Vrlと推定する(ステップS204)。
【0027】
これに続いて、スリップ率推定部104がスリップ率推定ルーチンを実行してスリップ率slipを推定する(ステップS205)。このスリップ率推定ルーチンは、図5のフローチャートに示す内容であり、駆動輪車輪速検出部102−1から駆動輪車輪速Vw1を読み込み(ステップS51)、非駆動輪車輪速検出部1−2−2から非駆動輪車輪速Vw2を読み込み(ステップS52)、次の数1式の演算によってスリップ率slipを算定した後にリターンする(ステップS53)。
【0028】
【数1】
Figure 0003651271
続いて、変化率制限値設定部105が図4のフローチャートにおけるステップS206の変化率制限値設定ルーチンを実行して、第2の目標車速VSET2に対する変化率制限値LIMを設定する。この変化率制限値設定ルーチンは、図6のフローチャートに示す内容であり、スリップ率推定部104の算定したスリップ率slipを読み込み(ステップS61)、この推定スリップ率slipに応じて変化率制限値LIMを設定してリターンする(ステップS62)。例えば、図7に示すテーブルデータTB1を参照して、読み込んだ推定スリップ率slipの値に対応する変化率制限変更量γを前回の変化率制限値LIMに掛けることによって新たな変化率制限値LIMを求めるのである。
【0029】
【数2】
LIM ← LIM*γ
こうして、第2の目標車速VSET2に対する変化率制限値LIMを得ると、次に、第2の目標車速設定部106が第2の目標車速設定ルーチンを実行する(ステップS207)。この第2目標車速設定ルーチンは、図8のフローチャートに示す内容である。まず、第1の目標車速設定部101によって設定された第1の目標車速VSET1を読み込み(ステップS71)、変化率制限値設定部105で設定された変化率制限値LIMを読み込む(ステップS72)。そして第1の目標車速VSET1に追従するように第2の目標車速VSET2を設定してリターンする(ステップS73)。
【0030】
この第2の目標車速VSET2の設定処理時に、次のように変化率に制限を加える。例えば、前回の第2の目標車速VSET2_oldと新たに設定された第1の目標車速VSET1_newとの間の差ΔV(=|VSET1_new−VSET2_old|)が変化率制限値LIMの範囲内であれば(ΔV≦LIM)、第2の目標車速VSET2_newとして新たに設定された第1の目標車速VSET1_newを代入し(VSET2_new ← VSET1_new)、変化率制限値LIMの範囲を超えていれば(ΔV>LIM)、第2の目標車速VSET2として前回の第2の目標車速VSET2_oldに変化率制限値LIMを加えた値を新たに第2の目標車速VSET2_newとして設定する(VSET2_new ← VSET2_old+LIM)。
【0031】
【数3】
Figure 0003651271
このようにして、第2の目標車速VSET2(上記の演算ルーチン上ではVSET2_new)を設定すれば、この第2の目標車速VSET2を最終的な目標車速にして、目標制駆動力設定部107がPID制御演算によって必要な目標制駆動力を設定し(ステップS208)、これに対して制駆動力指令値設定部108が内燃機関操作部109に対する駆動力指令値、ブレーキ操作部110に対する制動力指令値を分配し(ステップS209)、ブレーキ操作部110が制動力指令値を受けるとそれに応じて制動力を操作して車両を減速し(ステップS210)、あるいは内燃機関操作部109が駆動力指令値を受けるとそれに応じて駆動力を制御して車両を加速する(ステップS211)。以下、上記の一連の制駆動力制御を繰返すことによって、最終的には第1の目標車速VSET1に一致するように車速制御するのである。
【0032】
これによって、第1の実施の形態の車両速度制御装置では、図2のタイムチャートに示したように、第1の目標車速の設定値の変化率が大きくてスリップが発生した場合、スリップ率を低減するように最終的な目標車速である第2の目標車速VSET2としてその前回の目標車速からの変化率が制限値LIM以内になるように、緩やかに加速する制御に切り替えることにより、低μ路でも可能な限りスリップの発生を抑制しつつ目標車速に追従する制御を行うのである。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態の車両速度制御装置について説明する。第2の実施の形態の車両速度制御装置は、第2の目標車速設定部106′が図11のフローチャートに示す演算処理を実行する点に特徴を有し、その他の部分の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同じである。
【0034】
次に、この第2の実施の形態の車両速度制御装置の動作を説明する。まず動作原理について、図10のタイムチャートに基づいて説明する。図2に示した第1の実施の形態の車速制御動作時には、最終目標車速である第2の目標車速VSET2の変化率に制限値LIMを設定し、前回の目標車速VSET2_oldと新たな目標車速VSET1_newとの間の変化率に制限値LIMを設けて、急加速になるような目標車速が設定されても、緩やかに追従するように制御したが、第2の実施の形態の車速制御では、図10のタイムチャートに示すように、第1の実施の形態の車速制御によってもスリップ率が所定値slip_oを超えるような場合には、第2の目標車速VSET2にさらに制限を掛けてスリップの発生を抑制するのである。
【0035】
この第2の実施の形態の車両速度制御装置の動作は、第1の実施の形態の場合と同様に図3〜図6のフローチャートに基づく。ただし、第2の目標車速設定部106′が実行するステップS207の第2の目標車速設定ルーチンは、図11に示す第2の目標車速設定ルーチンS207′に変更される。
【0036】
第2の実施の形態における第2の目標車速設定ルーチンS207′について説明する。第1の実施の形態の場合と同様、まず第1の目標車速設定部101によって設定された第1の目標車速VSET1を読み込み(ステップS71)、変化率制限値設定部105で設定された変化率制限値LIMを読み込む(ステップS72)。続いて、スリップ率設定部104が推定したスリップ率slipを読み込み(ステップS73−1)、さらに非駆動輪車輪速検出部102−2の検出した非駆動輪車輪速Vw2を読み込む(ステップS73−2)。そしてこれらのデータに基づいて、次の数4式の判断に基づいて第2の目標車速VSET2を設定してリターンする(ステップS73−3)。
【0037】
【数4】
Figure 0003651271
つまり、推定スリップ率slipがスリップ率閾値slip_o以下であれば、数3式の判定処理と同様にして第2の目標車速VSET2(ここでは、VSET2_new)を設定し、スリップ率slipが閾値slip_oを超える場合には、第2の目標車速VSET2を非駆動輪の車輪速Vw2に設定する。この非駆動輪の車輪速Vw2は推定した車体速Vrlに一致するものである。
【0038】
こうして、第2の目標車速VSET2(上記の演算ルーチン上ではVSET2_new)を設定すれば、この第2の目標車速VSET2を目標車速にして、以下、第1の実施の形態と同様、図4におけるステップS208〜S211の処理によって、車両の制駆動力を制御して車体速Vrl(つまり、車速)を第2の目標車速VSET2に一致させる制御を繰返し、最終的に第1の目標車速VSET1に一致するように車速制御する。
【0039】
これによって、第2の実施の形態の車両速度制御装置では、図10のタイムチャートに示したように、第1の目標車速の設定値の変化率が大きくてスリップが発生した場合、スリップ率を低減するために車速変化率が制限値LIMを超えない範囲で変化する第2の目標車速VSET2によって車速制御し、それでもスリップ率slipが所定の閾値slip_oを超えた場合には、第2の目標車速VSET2をさらに低い値として非駆動輪の車輪速Vw2に一致する設定にすることにより、駆動輪のスリップ率が大きくなるのを防止しつつ、目標車速に追従する制御を行うのである。
【0040】
次に、本発明の第3の実施の形態の車両速度制御装置について説明する。第3の実施の形態の車両速度制御装置は、第2の実施の形態の車両速度制御装置をさらに改善した装置であり、図12に示すように、第2の実施の形態における第2の目標車速設定部106′に代えて、第2の目標車速設定部106″を備えており、この第2の目標車速設定部106″は後述する図15のフローチャートの演算処理を実行する点に特徴がある。なお、その他の構成部分は図1に示した第1の実施の形態、図9に示した第2の実施の形態それぞれと共通である。
【0041】
次に、この第3の実施の形態の車両速度制御装置の動作を説明する。まず動作原理について、図13及び図14のタイムチャートに基づいて説明する。第2の実施の形態の車速制御動作時には、ブレーキによる制動力が4輪に作用する車両を前提とすると、低μ路においてブレーキ操作しているときには、非駆動輪の車輪が大きくスリップすることがある。そして図13に示すように、ブレーキ力が大きければ非駆動輪がロックしてしまい、非駆動輪の車輪速Vw2=0になってしまうことがある。この場合、車体速推定部103が非駆動輪の車輪速Vw2を車体速Vrlとして設定するので、推定車体速Vrlも0になってしまう。
【0042】
第2の実施の形態の場合、スリップ率slipが閾値slip_oを超えると第2の目標車速VSET2として推定車体速Vrlである非駆動輪の車輪速Vw2に設定するようにしているので、第2の目標車速VSET2=0となってしまい、制御がぎこちなくなる恐れがある。
【0043】
そこで、これを改善するために、図14に示す制御に変更する。つまり、運転者のブレーキ操作によるものではなく、本装置側によるブレーキ操作部110の自動ブレーキ操作により大きな制動をかけ、スリップ率slipが所定の閾値slip_oを超えている場合、非駆動輪の車輪速Vw2が0(この車輪速Vw2を推定車体速Vrlとしているので車体速Vrlも0)になれば、囲みAで示した期間、そのような車輪速Vw2=0になる直前の第2の目標車速VSET2を維持することによってこの第2の目標車速が急激に落ち込むのを防止し、ブレーキ操作を解除させて非駆動輪を速やかにロックから解放し、安定した車速制御が継続できるようにするのである。
【0044】
この車速制御を実現するために、第3の実施の形態の車両速度制御装置では、第2の目標車速設定部106″に、図4のフローチャートにおけるステップS207の第2の目標車速設定ルーチンに代えて、図15のフローチャートに示す第2の目標車速設定ルーチンS207″を実行させる。
【0045】
この第3の実施の形態における第2の目標車速設定ルーチンS207″について説明する。第2の実施の形態の場合と同様、まず第1の目標車速設定部101によって設定された第1の目標車速VSET1を読み込み(ステップS71)、変化率制限値設定部105で設定された変化率制限値LIMを読み込む(ステップS72)。続いて、スリップ率設定部104が推定したスリップ率slipを読み込み(ステップS73−1)、さらに非駆動輪車輪速検出部102−2の検出した非駆動輪車輪速Vw2を読み込む(ステップS73−2)。第3の実施の形態では、これに続いてさらに、ブレーキ操作部110のブレーキ操作量Tbrakeを読み込む(ステップS73−31)。
【0046】
そしてこれらのデータに基づいて、次の数5式の判断に基づいて第2の目標車速VSET2を設定してリターンする(ステップS73−32)。
【0047】
【数5】
Figure 0003651271
つまり、ブレーキ操作部110のブレーキ操作量Tbrakeが所定値を超えていて非駆動輪にロックが発生した場合には、第2の目標車速VSET2_newとして前回の値VSET2_oldを維持する。しかしながら、ブレーキ操作量Tbrakeが所定値以下であれば非駆動輪のロックは発生していないので、第2の実施の形態と同様に、スリップ率slipの大きさに応じて設定を行う。すなわち、推定スリップ率slipがスリップ率閾値slip_o以下であれば、数3式の判定処理と同様にして第2の目標車速VSET2(ここでは、VSET2_new)を設定し、スリップ率slipが閾値slip_oを超える場合には、第2の目標車速VSET2を非駆動輪の車輪速Vw2に設定するのである。
【0048】
こうして、第2の目標車速VSET2(上記の演算ルーチン上ではVSET2_new)を設定すれば、この第2の目標車速VSET2を目標車速にして、以下、第1の実施の形態と同様、図4におけるステップS208〜S211の処理によって、車両の制駆動力を制御して車体速Vrl(つまり、車速)を第2の目標車速VSET2に一致させる制御を繰返し、最終的に第1の目標車速VSET1に一致するように車速制御する。
【0049】
これによって、第3の実施の形態の車両速度制御装置では、第2の実施の形態と同様の作用効果に加えて、図13及び図14のタイムチャートに示したように、運転者のブレーキ操作によるものではなく、本装置側によるブレーキ操作部110の自動ブレーキ操作により大きな制動をかけている場合にはそのブレーキ操作が行われる前の第2の目標車速VSET2を維持することによってこの第2の目標車速が急激に落ち込むのを防止し、大きなブレーキ操作を解除させて非駆動輪を速やかにロックから解放し、安定した車速制御が継続することができるのである。
【0050】
図16に第3の実施の形態によるシミュレーション結果のグラフを示している。このシミュレーション結果から明らかなように、図17に示した従来例のシミュレーション結果と比較してスリップの発生頻度が格段に小さくなり、ブレーキ制御、スロットル制御の頻度も少なくなり、目標車速に対して安定した追従制御が実現されていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図2】上記の実施の形態が実行する制御原理を説明するタイムチャート。
【図3】上記の実施の形態による車速制御のメインルーチンのフローチャート。
【図4】上記の実施の形態による車速制御ルーチンのフローチャート。
【図5】上記の実施の形態によるスリップ率設定ルーチンのフローチャート。
【図6】上記の実施の形態による変化率制限値設定ルーチンのフローチャート。
【図7】上記の実施の形態による変化率制限値設定処理に用いるテーブルデータの表。
【図8】上記の実施の形態による第2の目標車速設定ルーチンのフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図10】上記の実施の形態が実行する制御原理を説明するタイムチャート。
【図11】上記の実施の形態による第2の目標車速設定ルーチンのフローチャート。
【図12】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図13】上記の実施の形態が実行する制御原理を説明する第1のタイムチャート。
【図14】上記の実施の形態が実行する制御原理を説明する第2のタイムチャート。
【図15】上記の実施の形態による第2の目標車速設定ルーチンのフローチャート。
【図16】上記の実施の形態による車速制御のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図17】従来例による車速制御のシミュレーション結果を示すグラフ。
【符号の説明】
101 第1の目標車速設定部
102−1 駆動輪車輪速検出部
102−2 非駆動輪車輪速検出部
103 車体速推定部
104 スリップ率推定部
105 変化率制限値設定部
106,106′,106″ 第2の目標車速設定部
107 目標制駆動力設定部
108 制駆動力指令値設定部
109 内燃機関操作部
110 ブレーキ操作部

Claims (5)

  1. 運転状況に応じた第1の目標車速を設定する第1の目標車速設定手段と、
    非駆動輪の車輪速を検出する非駆動輪車輪速検出手段と、
    駆動輪の車輪速を検出する駆動輪車輪速検出手段と、
    車体速を推定する車体速推定手段と、
    スリップ率を推定するスリップ率推定手段と、
    前記スリップ率に基づき、車速変化率制限値を設定する変化率制限値設定手段と、
    前記車速変化率制限値の範囲内で前記第1の目標車速に徐々に追従するように第2の目標車速を設定する第2の目標車速設定手段と、
    前記第2の目標車速に前記車体速が一致するように車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備え
    所定の周期ごとに、現在の推定したスリップ率に基づいてスリップを発生させないような新たな車速変化率制限値を設定し、当該新たな車速変化率設定値の範囲内で第2の目標車速を徐々に第1の目標車速に追従させるように変化させ、前記車体速を徐々に前記第1の目標車速に近づけることを特徴とする車両速度制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両速度制御装置において、
    前記第2の目標車速設定手段は、前回の第2の目標車速と前記第1の目標車速との差が前記車速変化率制限値の範囲内である場合には、第1の目標車速を新たな第2の目標車速に設定し、前回の第2の目標車速と前記第1の目標車速との差が前記変化率制限値の範囲を超えている場合には、前回の第2の目標車速に前記車速変化率制限値を加えた値を新たな第2の目標車速に設定することを特徴とする車両速度制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両速度制御装置において、
    前記車体速推定手段は前記非駆動輪の車輪速を前記車体速とし、前記スリップ率推定手段は前記非駆動輪の車輪速と前記駆動輪の車輪速との差に基づいて前記スリップ率を推定することを特徴とする車両速度制御装置。
  4. 請求項1又はに記載の車両速度制御装置において、
    前記第2の目標車速設定手段は、前記スリップ率が所定値以上のときには前記非駆動輪の車輪速を前記第2の目標車速に設定することを特徴とする車両速度制御装置。
  5. 請求項に記載の車両速度制御装置において、
    前記第2の目標車速設定手段は、前記制駆動力制御手段によって車両ブレーキが自動操作されているときには前記スリップ率が所定値以上になる直前に設定された前記第2の目標車速を維持することを特徴とする車両速度制御装置。
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