JP3650531B2 - GaN-based crystal substrate and method for producing the same - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＧａＮ系結晶を用いた半導体発光素子（ＧａＮ系発光素子）などに用いられるＧａＮ系結晶基材を得るための技術分野に属し、特に、Ａｌ組成を有するＧａＮ系結晶に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＧａＮ系発光素子は、近年、高輝度の発光ダイオード（ＬＥＤ）が実現されたのを機会に研究が活発に行われており、半導体レーザーの室温連続発振の報告も聞かれる様になっている。例えば、高輝度ＬＥＤでは緑色・青色が、半導体レーザー（ＬＤ）では紫色が実現されている。
【０００３】
従来、ＧａＮ系発光素子の発光部の材料としては、ＩｎＧａＮが多く用いられている。発光部とは、例えば、ＬＥＤではｐｎ接合の空乏層部分やダブルヘテロ接合構造の活性層などであり、ＬＤではストライプ構造のストライプ部分などである。ＩｎＧａＮは、緑色〜青色の短い波長の発光が得られ、しかも高い発光効率が得られる材料である。
【０００４】
しかし、情報信号の伝達・記録の高密度化などに伴い、ＧａＮ系発光素子には、青色光から紫外線へと、より短い波長光を発することが求められている。そのためには、発光部の材料として、ＩｎＧａＮからＩｎ組成を減らしてＧａＮに近づけて行く必要がある。それに伴い、クラッド層など周囲の層は、キャリアの閉じこめ、光の透過（ＬＥＤの場合）、光の閉じこめ（ＬＤの場合）、などの役割を果たすことが必要となる。従って、該周囲の層は、発光部よりもバンドギャップの大きな材料、即ち、ＡｌＧａＮなどＡｌ組成を増やした材料（ＡｌＧａＮ系材料と呼ぶ）によって形成されねばならない。
【０００５】
一方、ＧａＮ系発光素子を作製する一般的な方法は、結晶基板にサファイアの単結晶を用い、その上にバッファ層を介して種々のＧａＮ系結晶層を成長させ、所望のＧａＮ系結晶層を発光部として用いるというものである。しかし、このような方法によって成長させたＧａＮ系結晶層内には、結晶基板との格子不整合などに起因する転位が高密度に存在する。転位は、ＧａＮ系結晶が成長して厚みが増しても上方に継承され、転位線（貫通転位）と呼ばれる連続した欠陥部分となって素子の特性を損なう。
【０００６】
これに対して、マスク層を用いて低転位なＧａＮ系結晶を得る方法が報告されている。以下、この方法を、「マスク法」と呼んで説明する。
マスク法は、図２（ａ）に示すように、先ず、ベース基板（結晶基板）１０上に、ＧａＮ系結晶が成長し得ない材料（ＳｉＯ2 など）からなるマスク層２０を、特定のパターンを描いて形成する。そして、ベース基板上においてマスク層２０が形成されていない領域（非マスク領域）１０ａを出発面としてＧａＮ系結晶を成長させる。結晶がマスク層２０の高さまで成長した後も結晶成長を継続すると、ＧａＮ系結晶は厚さ方向に成長するだけでなく、マスク層２０の上面に沿って横方向にも成長し、図２（ｂ）に示すように、マスク層２０を埋め込んで覆うＧａＮ系結晶層３０となる。このとき、ＧａＮ系結晶層３０中には、例えばマスク層の上方の部分３０ａなど特定の部分に、転位線の伝搬の少ない低転位な部分が形成されているのである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、マスク法によって、ＡｌＧａＮ系材料を結晶成長させようとすると、本来ＧａＮ系結晶が成長し得ないことを前提としているマスク層上面から、ＡｌＧａＮ系材料が多結晶的に成長し、マスク法のプロセスが達成されず、結晶品質が低下するという問題がある。
【０００８】
これはＡｌが非常に活性であって、Ａｌ反応種のマスク層上での拡散長が短いために、マスク材料のＳｉＯ2 と反応しやすく、また、マスク層上で他の反応種と反応し堆積し易く、マスク層上に結晶成長の核となる部分が発生し易いことが原因と考えられる。
【０００９】
また従来のマスク法では、ＡｌＧａＮ系結晶を成長させる場合、結晶性向上のために、サファイア基板上にバッファ層を介して先ずＧａＮの表層を数μｍ成長させてベース基板とし、そのベース基板上にＡｌＧａＮ系結晶層を成長させるのが通常である。しかし、このような方法では、結晶性は向上しても、ＧａＮ結晶とＡｌＧａＮ系結晶との互いの熱膨張係数の差、および素子全体を完成させるまでに繰り返される温度の上昇と降下によって、これらの層のいずれかまたは両方にクラックが発生するという問題がある。
【００１０】
本発明の目的は、上記問題を解決し、低転位でクラックの少ない状態として形成された、ＡｌＧａＮ系結晶層を有するＧａＮ系結晶基材を提供し、その製造方法を提供することである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明のＧａＮ系結晶基材とその製造方法は次の特徴を有するものである。
（１）ＧａＮ系結晶が成長可能なベース基板面に、マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層が設けられ、マスク層はそれ自身の表面からは実質的にＧａＮ系結晶が成長し得ない材料からなり、非マスク領域を結晶成長の出発点としてマスク層上を覆うまで成長した第一のＧａＮ系結晶層と、その上に成長した第二のＧａＮ系結晶層とを有し、第一のＧａＮ系結晶層は、Ａｌ組成が実質的に０であり、該第一のＧａＮ系結晶層がマスク層を覆った瞬間においてＡｌ組成の増加が開始しており、それによって第一のＧａＮ系結晶層は第二のＧａＮ系結晶層へと切り換わっており、第二のＧａＮ系結晶層には、第一のＧａＮ系結晶層との境界から層の厚さが増すにつれてＡｌ組成が増加するＡｌＧａＮ結晶層部分が含まれていることを特徴とするＧａＮ系結晶基材。
（２）第二のＧａＮ系結晶層のＡｌ組成が増加する部分における、Ａｌ組成の初期値が０．０１以下である上記（１）記載のＧａＮ系結晶基材。
（３）マスク層の形成パターンが、帯状のマスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパターンであって、前記帯状のマスク層の長手方向が第一のＧａＮ系結晶層に対して〈１−１００〉方向に伸びるものである上記（１）記載のＧａＮ系結晶基材。
（４）第一のＧａＮ系結晶層がＧａＮ結晶層であり、第二のＧａＮ系結晶層がＡｌＧａＮ結晶層である上記（１）記載のＧａＮ系結晶基材。
（５）ベース基板の上面を基準とする、非マスク領域での第一のＧａＮ系結晶層の厚さが、０．１μｍ〜３μｍ以下である上記（１）記載のＧａＮ系結晶基材。
（６）上記（１）〜（５）のいずれかに記載のＧａＮ系結晶基材を製造するための方法であって、ＧａＮ系結晶が成長可能なベース基板面に、マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層を設け、マスク層の材料をそれ自身の表面からは実質的にＧａＮ系結晶が成長し得ない材料とし、非マスク領域を結晶成長の出発点として、第一のＧａＮ系結晶層としてのＧａＮ系結晶を成長させ、第一のＧａＮ系結晶層がマスク層上を覆うまではＧａＮ系結晶のＡｌ組成を実質的に０とし、第一のＧａＮ系結晶層がマスク層上を覆った瞬間においてＡｌ組成の増加を開始することによって第二のＧａＮ系結晶層へと切り換え、該第二のＧａＮ系結晶層の厚さが増すにつれてＡｌ組成が増加する部分を形成する工程を含むことを特徴とするＧａＮ系結晶基材の製造方法。
（７）Ａｌ組成が増加する部分を形成するに際し、Ａｌ組成の初期値を０．０１以下としてＡｌ組成を増加させるものである上記（６）記載の製造方法。
（８）ベース基板の上面を基準とする、非マスク領域での第一のＧａＮ系結晶層の厚さが、０．１μｍ〜３μｍ以下である上記（６）記載のＧａＮ系結晶基材。
【００１７】
本発明でいう「ＧａＮ系」とは、ＩｎX ＧａY ＡｌZ Ｎ（０≦Ｘ≦１、０≦Ｙ≦１、０≦Ｚ≦１、Ｘ＋Ｙ＋Ｚ＝１）で示される化合物半導体のグループに属することを意味する。従って、「ＡｌＧａＮ系」とは、前記式において、０＜Ｚ≦１である。
【００１８】
本明細書では、ＧａＮ系結晶やサファイア基板などの六方格子結晶の格子面を４つのミラー指数（ｈｋｉｌ）によって指定する場合があれば、記載の便宜上、指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号を付けて表記するものとし、この負の指数に関する表記方法以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。従って、ＧａＮ系結晶の場合では、Ｃ軸に平行なプリズム面（特異面）は６面あるが、例えば、その１つの面は（１−１００）と表記し、６面を等価な面としてまとめる場合には｛１−１００｝と表記する。また、前記｛１−１００｝面に垂直でかつＣ軸に平行な面を等価的にまとめて｛１１−２０｝と表記する。また、（１−１００）面に垂直な方向は〔１−１００〕、それと等価な方向の集合を〈１−１００〉とし、（１１−２０）面に垂直な方向は〔１１−２０〕、それと等価な方向の集合を〈１１−２０〉と表記する。但し、図面にミラー指数を記入する場合があれば、指数が負のときには、その指数の上にマイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一般的な表記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位は、全て、ベース基板上に成長したＧａＮ系結晶を基準とする方位である。
【００１９】
「マスク領域」（即ち、マスクされた領域）と「非マスク領域」（即ち、マスクされていない領域）は、ともにベース基板面内の領域である。マスク層の上面の領域は、マスク領域に等しいものとみなし、同義として説明に用いる。
【００２０】
【作用】
マスク法を用いてＧａＮ系結晶を成長させるに際し、第一のＧａＮ系結晶層がマスク層を覆うまではＡｌ組成を実質的に０とすることによって、マスク層上における該結晶のポリクリスタル成長が抑制され、マスク法の良好なプロセスが達成され、低転位な結晶部分が得られる。
また、該結晶がマスク層を覆った後は、層の厚さが増すにつれて、Ａｌ組成を０．０１以下の小さい値、好ましくは実質的に０から増加させる部分を設けることによって、クラックの発生が抑えられた、好ましい品質のＡｌＧａＮ系結晶層が得られる。以下、Ａｌ組成が実質的に０の材料をＧａＮとし、Ａｌ組成を増加させた材料をＡｌＧａＮとして説明するが、それらの説明の材料に、適当なＩｎ組成を加えてもよい。
【００２１】
また、クラックの発生を軽減するためには、マスク層を覆うＧａＮ結晶の厚さをできる限り薄くするのが好ましい。従って、本発明ではＧａＮ結晶がマスク層を覆った時点で、Ａｌ組成の増加を開始するのが好ましい態様となる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明によるＧａＮ系結晶基材を示すと同時にその製造方法を説明する。
本発明によるＧａＮ系結晶基材は、図１に示すように、ベース基板Ｂ、マスク層３、第一のＧａＮ系結晶層（以下「第一層」）１、第二のＧａＮ系結晶層（以下「第二層」）２とを有する。マスク層３は、ベース基板Ｂの基板面上に、マスク領域と非マスク領域４とを形成するよう設けられる。第一層１は、非マスク領域４を結晶成長の出発点としてマスク層上を覆うまで成長した層であり、Ａｌ組成は実質的に０である。第二層２は、第一層１の上に成長した層である。第二層２には、第一層１との境界から所定の厚さとなる部分まで、層の厚さが増すにつれてＡｌ組成が増加する部分が形成された構造となっている。
【００２３】
ベース基板は、ＧａＮ系結晶がＣ軸を厚み方向として成長可能なものであればよく、例えば、サファイア、水晶、ＳｉＣなどが挙げられる。なかでも、サファイアのＣ面、Ａ面、６Ｈ−ＳｉＣ基板、特にＣ面サファイア基板が好ましい。
【００２４】
また、上記基板を基礎の結晶基板として、その表面に、バッファ層を設けた状態のものをベース基板としても良い。バッファ層の材料は、公知の材料を用いてよいが、第一層、第二層との熱膨張係数差をより小さくしてクラック発生を抑制し、また、発光素子を構成したとき光吸収を抑制する意図から、ＡｌX Ｇａ1-X Ｎ（０＜ｘ≦１）が好ましい。
【００２５】
さらに、ベース基板の少なくとも表層をＧａＮ系結晶層としてもよい。例えば、図１に示すように、サファイアなどの基礎の結晶基板Ｂ１の表面に、バッファ層Ｂ２を介して、ＧａＮ系結晶層Ｂ３を表層として成長させ、これをベース基板Ｂとして用いる態様である。
【００２６】
マスク層には、それ自身の表面からは実質的にＧａＮ系結晶が成長し得ない材料を用いる。このような材料としては、ＳｉＯ2 、ＳｉＮｘ、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ2 などが例示される。またこれら材料の積層構造とすることも可能である。
【００２７】
マスク層の形成パターンは、丸・楕円・星・六角形などの開口部があるものや、帯状になったものなど任意の形状でよいが、ＧａＮ系結晶の成長のしかたや、転位線の伝搬のしかたに大きな影響を与える重要なものである。特に、マスク領域と非マスク領域との境界線の方向が重要である。この境界線の方向について次に説明する。
【００２８】
（ａ）マスク領域と非マスク領域との境界線を〈１−１００〉方向の直線とする場合、この境界線を越えてマスク層の上面に沿って横方向に成長するＧａＮ系結晶の面は｛１１−２０｝面となる。｛１１−２０｝面はオフファセットであるため、ファセットな｛１−１００｝面に比べて、ＧａＮ系結晶は横方向に高速に成長する。横方向成長速度が速くなると、｛１−１０１｝面などの斜めファセットは形成され難い。その結果、マスク層を平坦に埋め込んだときのＧａＮ系結晶層の厚さは、下記（ｂ）の場合に比べ薄くて済む。
この場合、貫通転位はＣ軸方向にそのまま伝播し、マスク層の上方が低転位となる。
【００２９】
（ｂ）マスク領域と非マスク領域との境界線を〈１１−２０〉方向の直線とする場合、ファセットな｛１−１００｝面がこの境界線を越えて横方向に成長する面となり、横方向への成長速度は遅くなる。横方向成長速度に対しＣ軸方向の成長速度が速いため、｛１−１０１｝面などの斜めファセットが形成され易く、ピラミッド状の形状が先ず形成されてから平坦化する。その結果、マスク層を平坦に埋め込むには、ＧａＮ系結晶層はある程度の厚さが必要となる。
この場合、貫通転位はマスク層の上方側に向かって伝播し、非マスク領域の上方が低転位となる。
【００３０】
マスク層の形成パターンの効果を顕著に現すパターンの一例として、ストライプ状のパターンが挙げられる。ストライプ状のパターンは、帯状のマスク層を縞状に配置したパターンであって、帯状のマスク領域と帯状の非マスク領域とが交互に並ぶ。この帯の長手方向が、上記したマスク領域と非マスク領域との境界線の方向である。以下、マスク層の形成パターンをストライプ状のパターンとする場合について説明する。
【００３１】
マスク層の厚さは、通常５０ｎｍ〜５００ｎｍ程度が好ましい。マスク層の形成パターンをストライプ状のパターンとする場合、個々の帯状のマスク層の幅は、０．１μｍ〜１０μｍ程度が好ましく、帯状のマスク層の幅と、帯状の非マスク領域の幅との比などは、従来のマスク法を参考としてもよい。
【００３２】
マスク法を適用し、第一層（Ａｌ組成≒０）、第二層を成長させる場合の結晶成長法は、ＨＶＰＥ、ＭＯＣＶＤ、ＭＢＥ法などがよい。厚膜を作製する場合はＨＶＰＥ法が好ましいが、薄膜を形成する場合はＭＯＣＶＤ法が好ましい。
【００３３】
また、マスク法を適用する時の成長雰囲気ガスは水素・窒素・アルゴン・ヘリウム等が上げられるが、下記のように、成長速度の方向性や成長時に現れる結晶の形状などを顕著に制御する上で水素・窒素が望ましい。
【００３４】
水素雰囲気で成長を行った場合、Ｃ軸方向の成長速度が速くなる。ストライプ状のパターンとの組み合わせにおいて、マスク層の長手方向を〈１１−２０〉方向とした場合、平坦に埋め込むには、より顕著に厚みが必要となる。一方、マスクの長手方向を〈１１−２０〉方向とした場合、平坦に埋め込むには、前記〈１１−２０〉方向の場合に比べれば薄くて済む。
【００３５】
窒素雰囲気で成長を行った場合、水素雰囲気の場合に比べＣ軸方向の成長速度が遅くなるため、相対的に横方向成長速度が速くなり、第一層はマスク層上をより薄い段階で覆うことになる。マスク層の長手方向を〈１−１００〉方向とした場合、この効果は顕著になる。
【００３６】
この様に成長条件を変化させる事で埋め込み厚さ・低転位領域形成部を制御できるためにデバイス設計の自由度が上がる。
本発明においては第一層と第二層との熱膨張係数差を小さくし、クラックの発生を抑制する方がよいので、第一層はできるだけ薄い方が好ましい。従って、マスク法を適用する場合の条件としては、▲１▼マスクの長手方向を〈１−１００〉方向とし、▲２▼ＭＯＣＶＤ法を用い、▲３▼結晶成長時の雰囲気として窒素リッチなガスとする条件が最適である。
【００３７】
第一層は、マスク層の上面に沿って横方向に成長する間に、厚さ方向にも成長を続けているから、マスク層の上面を覆った瞬間における第一層の厚さＴ（ベース基板Ｂの上面を基準とする、非マスク領域での厚さ）は、第一層の横方向の成長速度、および、マスク層の幅Ｗによって左右される。従って、マスク層の幅Ｗを小さくすることで、厚さＴの数値自体は小さくなるが、上記▲１▼〜▲３▼の条件によって、マスク層の幅Ｗに対する第一層の厚さＴの比を、より小さくすることも可能となるのである。
【００３８】
第一層の材料は、ＧａＮ系材料ＩｎX ＧａY ＡｌZ Ｎのうち、Ａｌ組成が実質的に０のものであればよい。後述のとおり第二層はＡｌＧａＮとするのが好ましく、その場合、第二層の最下部はＧａＮになっている。従って、第二層との熱膨張係数差を小さくする点からは、第一層の材料もＧａＮとするのが好ましい。
【００３９】
第一層はできる限り薄い層であることが好ましいことから、第一層がマスク層を覆った瞬間から第二層とするのがよい。第一層の厚さ（図１において、ベース基板の上面を基準とする、非マスク領域での厚さＴ）は、マスク層の幅や上記▲１▼〜▲３▼の結晶成長条件を選択して決定すればよく、クラックが入らず光吸収が無いなどの点から、０．１μｍ〜３μｍ以下とするのが好ましい。
【００４０】
第二層は、ＡｌＧａＮ系材料であればよいが、光吸収の抑制や熱膨張係数差を小さくする点から、ＡｌX Ｇａ1-X Ｎ（０＜ｘ≦１）が最も好ましい。
第二層におけるＡｌ組成が増加する部分は、第二層において、少なくとも第一層との境界面側に確保されていればよい。例えば、▲１▼第一層との境界面から、所定の厚さまではＡｌ組成が増加し、その部分から上はＡｌ組成が一定あるいは減少・変動するような態様、▲２▼第二層の厚さ全体にわたってＡｌ組成が増加するような態様、などであってもよい。
【００４１】
第二層におけるＡｌ組成の増加は、目的の組成比となるまで連続的かつ無段階的な増加や、また、第二層をさらに任意の層数に分けた層毎の段階的なＡｌ組成の増加などであってよい。いずれの場合であっても、Ａｌ組成の増加の程度は、直線的、曲線的など任意に選択してよい。
第二層のＡｌ組成を連続的かつ無段階的に増加させながら結晶成長させる方法としては、ＭＯＣＶＤ、ＭＢＥなどが挙げられる。
【００４２】
第二層のＡｌ組成が増加する部分におけるＡｌ組成の初期値、即ち、第二層が第一層上に成長を開始した時点における最初のＡｌ組成は、第一層との熱膨張係数差をより小さくする点から、組成比０．０１以下、特に実質的に０とするのが好ましい。従って、第一層としてＧａＮ結晶を成長させ、第二層はＧａＮ結晶から成長を開始して、層厚の増加と共に、所望のＡｌＧａＮ組成となるまでＡｌ組成を増加させる組み合わせが最も好ましい。
【００４３】
第一層と第二層とは、同じ結晶成長装置内で、その場で原料供給を切り換えて行き、明確な界面を設けない態様としてもよい。また、第一層と第二層の結晶成長方法を目的に応じて変えてもよい。
【００４４】
【実施例】
実施例１
本実施例では、第一層をＧａＮ、第二層をＡｌＧａＮとするＧａＮ系結晶基材を製作した。
〔ベース基板の形成〕
図１に示すように、サファイアＣ面基板Ｂ１上に、ＡｌＧａＮ低温バッファ層Ｂ２を成長させ、次にｎ型Ａｌ0.1 Ｇａ0.9 Ｎ層Ｂ３を２μｍ成長させて、ベース基板Ｂとした。
【００４５】
〔マスク層の形成〕
スパッタリング装置にてベース基板Ｂの基板面にＳｉＯ2 マスク層ｍを形成した。ＳｉＯ2 マスク層の形成パターンは、ストライプ状であって、個々の帯状のマスク層の長手方向を、ベース基板表層Ｂ３の結晶における〈１−１００〉方向になるように形成した。マスク層の厚さは０．１μｍ、マスク層の幅は４μｍ、非マスク領域の幅は４μｍである。
【００４６】
〔第一層の形成〕
この試料をＭＯＣＶＤ装置内に配置し、窒素雰囲気下で、１０００℃まで昇温しＴＭＧ、アンモニア、シランを３０分間流し、非マスク領域を結晶成長の出発点として、ｎ−ＧａＮ層を第一層１として成長させた。マスク層がＧａＮで覆われる時点まで成長を続けたところ、非マスク領域におけるベース基板上面からの第一層の厚さは１．８μｍであった。
【００４７】
〔第二層の形成〕
次に、ＴＭＧ、アンモニア、シランに加え、ＴＭＡの流量を初期値を０とし、全層厚にわたってＡｌ組成が０から０．２まで変化するように、従って第二層の表層付近がＡｌ0.2 Ｇａ0.8 Ｎとなるように、ＴＭＡの流量を増加させて流し、全層厚３μｍとなるまで成長させて第二層とし、本発明のＧａＮ系結晶基材を得た。
【００４８】
第二層のＡｌＧａＮ結晶は、マスク層の上方に低転位な領域を有するものであった。また、２インチウエハー面内でクラックの発生は観られなかった。
【００４９】
実施例２
本実施例では、上記実施例１で得られたＧａＮ系結晶基材上に、さらに発光部を形成し、紫外線（３７０ｎｍ）発光素子を製作した。
〔ＤＨ構造の形成〕
上記実施例１で得られたＧａＮ系結晶基材の第二層をｎ型クラッド層として用い、その表面に、活性層としてＩｎＧａＮ層を５０ｎｍ形成した。
続いてｐ型クラッド層としてＡｌ0.2 Ｇａ0.8 Ｎ層を０．１μｍ形成した。
【００５０】
〔電極等の形成〕
ｐ型クラッド層上に、コンタクト層として、ｐ型Ａｌ0.05Ｇａ0.95Ｎ層を０．２μｍ成長させた。コンタクト層上にｐ型電極を形成し、また、ドライエッチングによりｎ型クラッド層（ＧａＮ系結晶基材の第二層）を部分的に露出させてｎ型電極を形成し、ＬＥＤを完成させた。
【００５１】
〔評価〕
このＬＥＤをＴｏ−１８ステム台にマウントし、出力の測定を行ったところ、波長３７０ｎｍ、２０ｍＡで１ｍＷのものが得られた。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によって、低転位でクラックの少ないＡｌＧａＮ系結晶層（第二層）が得られる。従って、当該基材を用いて紫外域の波長光を発する発光素子を構成すれば、第二層は、光の透過（ＬＥＤの場合）、光の閉じこめ（ＬＤの場合）、などの役割を果たすクラッド層として好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明によるＧａＮ系結晶基材を模式的に示す断面図である。同図は、当該結晶基材を部分的に拡大したものであり、マスク層だけにハッチングを施している。
【図２】マスク法によってＧａＮ系結晶が成長するようすを模式的に示す図である。
【符号の説明】
１ 第一層
２ 第二層
３ マスク層
４ 非マスク領域
Ｂ ベース基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention belongs to a technical field for obtaining a GaN-based crystal substrate used for a semiconductor light-emitting device (GaN-based light-emitting device) using a GaN-based crystal, and particularly relates to a GaN-based crystal having an Al composition.
[0002]
[Prior art]
In recent years, research on GaN-based light-emitting elements has been actively conducted on the occasion that high-intensity light-emitting diodes (LEDs) have been realized, and reports on continuous oscillation of a semiconductor laser at room temperature have been heard. For example, green and blue are realized with a high-intensity LED, and purple is realized with a semiconductor laser (LD).
[0003]
Conventionally, InGaN has often been used as a material for the light emitting part of a GaN-based light emitting device. The light emitting portion is, for example, a depletion layer portion having a pn junction or an active layer having a double heterojunction structure in an LED, and a stripe portion having a stripe structure in an LD. InGaN is a material that can emit light having a short wavelength from green to blue and that has high luminous efficiency.
[0004]
However, as information signals are transmitted and recording density is increased, GaN-based light emitting elements are required to emit light having a shorter wavelength from blue light to ultraviolet light. For this purpose, it is necessary to reduce the In composition from InGaN and bring it closer to GaN as the material of the light emitting part. Accordingly, surrounding layers such as a clad layer need to play a role of carrier confinement, light transmission (in the case of LED), light confinement (in the case of LD), and the like. Therefore, the surrounding layer must be formed of a material having a larger band gap than the light emitting portion, that is, a material having an increased Al composition such as AlGaN (referred to as an AlGaN-based material).
[0005]
On the other hand, a general method for fabricating a GaN-based light emitting device is to use a single crystal of sapphire as a crystal substrate, grow various GaN-based crystal layers on the buffer layer, and form a desired GaN-based crystal layer. It is used as a light emitting part. However, in the GaN-based crystal layer grown by such a method, dislocations due to lattice mismatch with the crystal substrate exist at high density. Dislocations are inherited upwards even when the GaN-based crystal grows and increases in thickness, and become discontinuous defect portions called dislocation lines (threading dislocations), thereby deteriorating device characteristics.
[0006]
On the other hand, a method for obtaining a low dislocation GaN-based crystal using a mask layer has been reported. Hereinafter, this method is referred to as “mask method” and will be described.
In the mask method, as shown in FIG. 2A, a
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when an AlGaN-based material is grown by the mask method, the AlGaN-based material grows in a polycrystalline manner from the upper surface of the mask layer on the premise that the GaN-based crystal cannot grow. There is a problem that the process is not achieved and the crystal quality is deteriorated.
[0008]
This is because Al is very active, and the diffusion length of Al reactive species on the mask layer is short, so it reacts easily with SiO 2 of the mask material, and reacts with other reactive species on the mask layer. This is considered to be caused by the fact that it is easy to deposit and a portion that becomes the nucleus of crystal growth is likely to occur on the mask layer.
[0009]
In the conventional mask method, when an AlGaN-based crystal is grown, in order to improve crystallinity, a surface layer of GaN is first grown on a sapphire substrate through a buffer layer by a few μm to form a base substrate, and the base substrate is then grown. Usually, an AlGaN-based crystal layer is grown. However, in such a method, although the crystallinity is improved, the difference between the thermal expansion coefficients of the GaN crystal and the AlGaN-based crystal, and the temperature rise and fall repeated until the entire device is completed, There is a problem that cracks occur in either or both of the layers.
[0010]
An object of the present invention is to provide a GaN-based crystal base material having an AlGaN-based crystal layer, which is formed as a state of low dislocations and few cracks, and to provide a method for manufacturing the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The GaN-based crystal substrate of the present invention and the manufacturing method thereof have the following characteristics.
(1) A mask layer is provided on the base substrate surface on which a GaN-based crystal can be grown so as to form a mask region and a non-mask region, and the GaN-based crystal grows substantially from its own surface. A first GaN-based crystal layer that is made of a material that cannot be grown and that has grown up to cover the mask layer using the non-mask region as a starting point for crystal growth, and a second GaN-based crystal layer that has grown on the first GaN-based crystal layer The first GaN-based crystal layer has an Al composition substantially zero, and at the moment when the first GaN-based crystal layer covers the mask layer, the Al composition starts to increase. The GaN-based crystal layer is switched to the second GaN-based crystal layer, and the second GaN-based crystal layer has an Al composition as the layer thickness increases from the boundary with the first GaN-based crystal layer. it There contain AlGaN crystal layer portion to increase GaN group crystal base member, wherein.
(2) The GaN-based crystal substrate according to the above (1), wherein the initial value of the Al composition in the portion where the Al composition of the second GaN-based crystal layer increases is 0.01 or less.
(3) The formation pattern of the mask layer is a striped mask pattern in which strip-shaped mask layers are arranged in a striped pattern, and the longitudinal direction of the strip-shaped mask layer is relative to the first GaN-based crystal layer The GaN-based crystal substrate according to the above (1), which extends in the <1-100> direction.
(4) The GaN-based crystal substrate according to (1), wherein the first GaN-based crystal layer is a GaN crystal layer, and the second GaN-based crystal layer is an AlGaN crystal layer.
(5) The GaN-based crystal base material according to (1), wherein the thickness of the first GaN-based crystal layer in the non-mask region is 0.1 μm to 3 μm or less with reference to the upper surface of the base substrate.
(6) A method for manufacturing the GaN-based crystal substrate according to any one of (1) to (5) above, wherein a mask region and a non-mask region are formed on a base substrate surface on which a GaN-based crystal can be grown. The mask layer is formed so that the material of the mask layer is a material from which a GaN-based crystal cannot substantially grow from its own surface, and the non-mask region is used as a starting point for crystal growth. A GaN crystal is grown as a GaN crystal layer, and the Al composition of the GaN crystal is substantially zero until the first GaN crystal layer covers the mask layer, and the first GaN crystal layer is the mask. By switching to the second GaN-based crystal layer by starting to increase the Al composition at the moment of covering the layer, a portion where the Al composition increases as the thickness of the second GaN-based crystal layer increases is formed. Ga characterized by including a process Method for producing a system crystal substrate.
(7) The method according to (6), wherein the Al composition is increased by setting the initial value of the Al composition to 0.01 or less when forming a portion where the Al composition increases.
(8) The GaN-based crystal base material according to (6), wherein the thickness of the first GaN-based crystal layer in the non-mask region is 0.1 μm to 3 μm or less with reference to the upper surface of the base substrate.
[0017]
The “GaN-based” in the present invention belongs to a group of compound semiconductors represented by In X Ga Y Al Z N (0 ≦ X ≦ 1, 0 ≦ Y ≦ 1, 0 ≦ Z ≦ 1, X + Y + Z = 1). Means that. Therefore, “AlGaN-based” is 0 <Z ≦ 1 in the above formula.
[0018]
In this specification, if a lattice plane of a hexagonal lattice crystal such as a GaN-based crystal or a sapphire substrate is designated by four Miller indices (hkil), when the index is negative for convenience of description, It shall be expressed with a minus sign, and other than the notation related to the negative index, it follows the general Miller index notation. Therefore, in the case of a GaN-based crystal, there are six prism surfaces (singular surfaces) parallel to the C axis. For example, one surface is represented as (1-100), and the six surfaces are grouped as equivalent surfaces. In this case, {1-100} is used. A plane perpendicular to the {1-100} plane and parallel to the C-axis is collectively expressed as {11-20}. The direction perpendicular to the (1-100) plane is [1-100], the set of equivalent directions is <1-100>, and the direction perpendicular to the (11-20) plane is [11-20]. A set in the equivalent direction is denoted as <11-20>. However, if there is a case where the Miller index is written in the drawing, when the index is negative, a minus sign is added on the index and expressed in accordance with the general notation method of the Miller index. The crystal orientations referred to in the present invention are all orientations based on GaN-based crystals grown on the base substrate.
[0019]
A “mask region” (ie, a masked region) and a “non-mask region” (ie, an unmasked region) are both regions in the base substrate surface. The region on the upper surface of the mask layer is regarded as being equal to the mask region, and is used as an explanation in the description.
[0020]
[Action]
When growing a GaN-based crystal using the mask method, the Al composition is made substantially zero until the first GaN-based crystal layer covers the mask layer, so that the polycrystal growth of the crystal on the mask layer is increased. It is suppressed, a good process of the mask method is achieved, and a low dislocation crystal part is obtained.
Further, after the crystal covers the mask layer, as the thickness of the layer increases, a crack is generated by providing a portion where the Al composition is increased to a small value of 0.01 or less, preferably substantially from 0. Thus, an AlGaN-based crystal layer having a preferable quality can be obtained. Hereinafter, the material having substantially zero Al composition will be described as GaN, and the material having an increased Al composition will be described as AlGaN. However, an appropriate In composition may be added to these materials.
[0021]
In order to reduce the occurrence of cracks, it is preferable to reduce the thickness of the GaN crystal covering the mask layer as much as possible. Therefore, in the present invention, it is preferable that the increase of the Al composition starts when the GaN crystal covers the mask layer.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, the GaN-based crystal substrate according to the present invention is shown and the manufacturing method thereof is described.
As shown in FIG. 1, a GaN-based crystal substrate according to the present invention includes a base substrate B, a
[0023]
The base substrate may be any substrate as long as the GaN-based crystal can be grown with the C axis as the thickness direction, and examples thereof include sapphire, crystal, and SiC. Among them, sapphire C-plane, A-plane, 6H—SiC substrate, particularly C-plane sapphire substrate are preferable.
[0024]
Further, the above substrate may be a basic crystal substrate, and a substrate having a buffer layer on the surface may be used as a base substrate. A known material may be used as the material of the buffer layer, but the difference in thermal expansion coefficient between the first layer and the second layer is made smaller to suppress the generation of cracks, and light absorption is achieved when a light emitting device is configured. Al x Ga 1-x N (0 <x ≦ 1) is preferable from the intention of suppressing.
[0025]
Furthermore, at least the surface layer of the base substrate may be a GaN-based crystal layer. For example, as shown in FIG. 1, a GaN-based crystal layer B3 is grown as a surface layer on a surface of a basic crystal substrate B1 such as sapphire via a buffer layer B2, and this is used as a base substrate B.
[0026]
The mask layer is made of a material that cannot substantially grow a GaN-based crystal from its own surface. Examples of such a material include SiO 2 , SiNx, TiO 2 , ZrO 2 and the like. A stacked structure of these materials can also be used.
[0027]
The formation pattern of the mask layer may be any shape such as a circle, ellipse, star, hexagon, or other openings, or a band shape. However, the growth method of GaN crystals and the propagation of dislocation lines It is an important thing that has a big influence on how it is done. In particular, the direction of the boundary line between the mask area and the non-mask area is important. Next, the direction of the boundary line will be described.
[0028]
(A) When the boundary line between the mask region and the non-mask region is a straight line in the <1-100> direction, the plane of the GaN-based crystal that grows laterally along the upper surface of the mask layer beyond the boundary line is The {11-20} plane. Since the {11-20} plane is off-faceted, the GaN-based crystal grows faster in the lateral direction than the faceted {1-100} plane. When the lateral growth rate is increased, oblique facets such as {1-101} planes are difficult to form. As a result, the thickness of the GaN-based crystal layer when the mask layer is embedded flat may be thinner than in the case of (b) below.
In this case, threading dislocations propagate as they are in the C-axis direction, and low dislocations above the mask layer.
[0029]
(B) When the boundary line between the mask area and the non-mask area is a straight line in the <11-20> direction, the faceted {1-100} plane becomes a plane that grows in the lateral direction beyond the boundary line. The growth rate in the direction is slow. Since the growth rate in the C-axis direction is higher than the lateral growth rate, oblique facets such as {1-101} planes are easily formed, and the pyramid shape is first formed and then flattened. As a result, in order to embed the mask layer flatly, the GaN-based crystal layer needs to have a certain thickness.
In this case, threading dislocations propagate toward the upper side of the mask layer, and low dislocations above the non-mask region.
[0030]
As an example of a pattern that remarkably shows the effect of the formation pattern of the mask layer, a stripe pattern can be cited. The striped pattern is a pattern in which strip-shaped mask layers are arranged in a striped pattern, and strip-shaped mask regions and strip-shaped non-mask regions are alternately arranged. The longitudinal direction of the band is the direction of the boundary line between the mask area and the non-mask area. Hereinafter, a case where the formation pattern of the mask layer is a stripe pattern will be described.
[0031]
The thickness of the mask layer is usually preferably about 50 nm to 500 nm. When the formation pattern of the mask layer is a stripe pattern, the width of each band-shaped mask layer is preferably about 0.1 μm to 10 μm. The width of the band-shaped mask layer and the width of the band-shaped non-mask region For the ratio and the like, a conventional mask method may be referred to.
[0032]
As a crystal growth method in the case of growing the first layer (Al composition≈0) and the second layer by applying the mask method, HVPE, MOCVD, MBE method or the like is preferable. The HVPE method is preferable when forming a thick film, but the MOCVD method is preferable when forming a thin film.
[0033]
In addition, hydrogen, nitrogen, argon, helium, etc. can be used as the growth atmosphere gas when the mask method is applied. However, as described below, the direction of the growth rate and the shape of the crystal appearing during growth are significantly controlled. Hydrogen and nitrogen are desirable.
[0034]
When growth is performed in a hydrogen atmosphere, the growth rate in the C-axis direction is increased. In combination with the stripe pattern, when the longitudinal direction of the mask layer is the <11-20> direction, a more remarkable thickness is required to bury the mask layer flat. On the other hand, in the case where the longitudinal direction of the mask is the <11-20> direction, it is thinner than the case of the <11-20> direction in order to embed it flatly.
[0035]
When growing in a nitrogen atmosphere, the growth rate in the C-axis direction is slower than in a hydrogen atmosphere, so the lateral growth rate is relatively high, and the first layer covers the mask layer in a thinner stage. It will be. This effect becomes remarkable when the longitudinal direction of the mask layer is the <1-100> direction.
[0036]
By changing the growth conditions in this way, the buried thickness / low dislocation region forming portion can be controlled, so that the degree of freedom in device design increases.
In the present invention, it is better to reduce the difference in thermal expansion coefficient between the first layer and the second layer and suppress the occurrence of cracks, so the first layer is preferably as thin as possible. Therefore, the conditions for applying the mask method are as follows: (1) The longitudinal direction of the mask is the <1-100> direction, (2) MOCVD method is used, and (3) Nitrogen-rich gas is used as the atmosphere during crystal growth. The conditions are optimal.
[0037]
Since the first layer continues to grow in the thickness direction while growing laterally along the upper surface of the mask layer, the thickness T (base of the first layer at the moment when the upper surface of the mask layer is covered) (The thickness in the non-mask region with respect to the upper surface of the substrate B) depends on the lateral growth rate of the first layer and the width W of the mask layer. Accordingly, the numerical value of the thickness T itself is reduced by reducing the width W of the mask layer. However, the thickness T of the first layer with respect to the width W of the mask layer depends on the above conditions (1) to (3). It is also possible to make the ratio smaller.
[0038]
The material of the first layer may be any material of which the Al composition is substantially 0 out of the GaN-based material In X Ga Y Al Z N. As will be described later, the second layer is preferably AlGaN, and in this case, the lowermost layer of the second layer is GaN. Therefore, from the viewpoint of reducing the difference in thermal expansion coefficient from the second layer, the material of the first layer is preferably GaN.
[0039]
Since it is preferable that the first layer is as thin as possible, it is preferable that the first layer be the second layer from the moment when the first layer covers the mask layer. The thickness of the first layer (in FIG. 1, the thickness T in the non-mask region with respect to the upper surface of the base substrate) is selected from the width of the mask layer and the crystal growth conditions (1) to (3) above. It is preferable that the thickness be 0.1 μm to 3 μm or less from the viewpoint of no cracks and no light absorption.
[0040]
The second layer may be any AlGaN-based material, but Al x Ga 1-x N (0 <x ≦ 1) is most preferable from the viewpoint of suppressing light absorption and reducing the difference in thermal expansion coefficient.
The portion where the Al composition in the second layer increases may be ensured at least on the boundary surface side with the first layer in the second layer. For example, (1) an aspect in which the Al composition increases at a predetermined thickness from the interface with the first layer, and the Al composition is constant or decreases / fluctuates from that portion, (2) the second layer For example, the Al composition may increase over the entire thickness.
[0041]
The increase in the Al composition in the second layer is a continuous and stepless increase until the desired composition ratio is reached, or the stepwise Al composition for each layer obtained by dividing the second layer into an arbitrary number of layers. It may be an increase. In any case, the degree of increase in the Al composition may be arbitrarily selected such as linear or curved.
Examples of a method for crystal growth while continuously increasing the Al composition of the second layer steplessly include MOCVD and MBE.
[0042]
The initial value of the Al composition in the portion where the Al composition of the second layer increases, i.e., the first Al composition at the time when the second layer starts growing on the first layer is the difference in thermal expansion coefficient from the first layer. From the viewpoint of making it smaller, it is preferable that the composition ratio is 0.01 or less, particularly substantially 0. Therefore, the combination of growing a GaN crystal as the first layer and starting the growth of the second layer from the GaN crystal, and increasing the Al composition until the desired AlGaN composition is achieved as the layer thickness increases is most preferable.
[0043]
The first layer and the second layer may be configured so that the raw material supply is switched on the spot in the same crystal growth apparatus and no clear interface is provided. Further, the crystal growth method of the first layer and the second layer may be changed according to the purpose.
[0044]
【Example】
Example 1
In this example, a GaN-based crystal base material in which the first layer is GaN and the second layer is AlGaN was manufactured.
[Formation of base substrate]
As shown in FIG. 1, an AlGaN low-temperature buffer layer B2 is grown on a sapphire C-plane substrate B1, and then an n-type Al 0.1 Ga 0.9 N layer B3 is grown by 2 μm to form a base substrate B.
[0045]
(Formation of mask layer)
A SiO 2 mask layer m was formed on the substrate surface of the base substrate B with a sputtering apparatus. The formation pattern of the SiO 2 mask layer was striped, and the longitudinal direction of each band-shaped mask layer was formed so as to be the <1-100> direction in the crystal of the base substrate surface layer B3. The thickness of the mask layer is 0.1 μm, the width of the mask layer is 4 μm, and the width of the non-mask region is 4 μm.
[0046]
[Formation of the first layer]
This sample was placed in an MOCVD apparatus, heated to 1000 ° C. in a nitrogen atmosphere, TMG, ammonia, and silane were allowed to flow for 30 minutes, and the n-GaN layer was the first layer using the non-masked region as the starting point for crystal growth. Grown as 1. When the growth was continued until the mask layer was covered with GaN, the thickness of the first layer from the upper surface of the base substrate in the non-mask region was 1.8 μm.
[0047]
(Formation of second layer)
Next, in addition to TMG, ammonia and silane, the initial flow rate of TMA is set to 0, and the Al composition changes from 0 to 0.2 over the entire thickness, so that the surface layer of the second layer is Al 0.2 Ga. The flow rate of TMA was increased to 0.8 N, and the film was grown to a total layer thickness of 3 μm to form a second layer, thereby obtaining a GaN-based crystal substrate of the present invention.
[0048]
The AlGaN crystal of the second layer had a low dislocation region above the mask layer. Also, no cracks were observed in the 2 inch wafer plane.
[0049]
Example 2
In this example, a light emitting part was further formed on the GaN-based crystal substrate obtained in Example 1 to produce an ultraviolet (370 nm) light emitting device.
[Formation of DH structure]
The second layer of the GaN-based crystal substrate obtained in Example 1 was used as an n-type cladding layer, and an InGaN layer was formed as an active layer on the surface thereof at a thickness of 50 nm.
Subsequently, an Al 0.2 Ga 0.8 N layer having a thickness of 0.1 μm was formed as a p-type cladding layer.
[0050]
[Formation of electrodes, etc.]
A p-type Al 0.05 Ga 0.95 N layer was grown as a contact layer on the p-type cladding layer by 0.2 μm. A p-type electrode was formed on the contact layer, and the n-type electrode was formed by partially exposing the n-type cladding layer (second layer of the GaN-based crystal base material) by dry etching, thereby completing the LED. .
[0051]
[Evaluation]
When this LED was mounted on a To-18 stem stand and the output was measured, a 1 mW one was obtained at a wavelength of 370 nm and 20 mA.
[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, an AlGaN-based crystal layer (second layer) with low dislocations and few cracks can be obtained. Therefore, if a light-emitting element that emits light in the ultraviolet region is configured using the base material, the second layer plays a role of light transmission (in the case of LED), light confinement (in the case of LD), and the like. It can be preferably used as a cladding layer.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing a GaN-based crystal substrate according to the present invention. In the figure, the crystal base material is partially enlarged, and only the mask layer is hatched.
FIG. 2 is a diagram schematically showing how a GaN-based crystal grows by a mask method.
[Explanation of symbols]
1
Claims (8)
非マスク領域を結晶成長の出発点としてマスク層上を覆うまで成長した第一のＧａＮ系結晶層と、その上に成長した第二のＧａＮ系結晶層とを有し、
第一のＧａＮ系結晶層は、Ａｌ組成が実質的に０であり、該第一のＧａＮ系結晶層がマスク層を覆った瞬間においてＡｌ組成の増加が開始しており、それによって第一のＧａＮ系結晶層は第二のＧａＮ系結晶層へと切り換わっており、
第二のＧａＮ系結晶層には、第一のＧａＮ系結晶層との境界から層の厚さが増すにつれてＡｌ組成が増加するＡｌＧａＮ結晶層部分が含まれていることを特徴とするＧａＮ系結晶基材。A mask layer is provided on the base substrate surface on which the GaN-based crystal can be grown so as to form a mask region and a non-mask region, and the GaN-based crystal cannot substantially grow from its own surface. Made of materials,
Having a first GaN-based crystal layer grown to cover the mask layer using the non-mask region as a starting point for crystal growth, and a second GaN-based crystal layer grown thereon,
The first GaN-based crystal layer has an Al composition substantially zero, and the Al composition starts increasing at the moment when the first GaN-based crystal layer covers the mask layer. The GaN-based crystal layer has been switched to the second GaN-based crystal layer,
The GaN-based crystal is characterized in that the second GaN-based crystal layer includes an AlGaN crystal layer portion in which the Al composition increases as the thickness of the layer increases from the boundary with the first GaN-based crystal layer. Base material.
ＧａＮ系結晶が成長可能なベース基板面に、マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層を設け、マスク層の材料をそれ自身の表面からは実質的にＧａＮ系結晶が成長し得ない材料とし、非マスク領域を結晶成長の出発点として、第一のＧａＮ系結晶層としてのＧａＮ系結晶を成長させ、
第一のＧａＮ系結晶層がマスク層上を覆うまではＧａＮ系結晶のＡｌ組成を実質的に０とし、第一のＧａＮ系結晶層がマスク層上を覆った瞬間においてＡｌ組成の増加を開始することによって第二のＧａＮ系結晶層へと切り換え、該第二のＧａＮ系結晶層の厚さが増すにつれてＡｌ組成が増加する部分を形成する工程を含むことを特徴とするＧａＮ系結晶基材の製造方法。A method for producing the GaN-based crystal substrate according to any one of claims 1 to 5 ,
A mask layer is provided on the base substrate surface on which a GaN-based crystal can be grown so as to form a mask region and a non-mask region, and the material of the mask layer can grow substantially from its own surface. A non-masked region as a starting point for crystal growth, and grow a GaN-based crystal as the first GaN-based crystal layer ,
Until the first GaN-based crystal layer covers the mask layer, the Al composition of the GaN-based crystal is substantially zero, and at the moment when the first GaN-based crystal layer covers the mask layer , the Al composition starts to increase. second switched to GaN-based crystal layer, the GaN crystal substrate which comprises a step of forming a portion where the Al composition is increased as the thickness of the second GaN-based crystal layer is increased by Manufacturing method.
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