JP3650502B2 - 空気調和機のセンサ止め具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機のセンサ止め具に関し、特に、室外側の熱交換器の外気吸込側に設けられて外気の温度を検出する温度センサのセンサ止め具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の温度センサは、空気調和機の室外機の外気吸込口の直ぐ内側に設けられ、外部から手などで触れられやすい位置にある。このため、図3に示すように温度センサaには金属製のケースbを被せて、不用意に働く外力から守るようにしている。この温度センサaを図4の(a)、(b)に示す室外側の熱交換器cの外気吸込側dに位置させて保持するのに、図4の(a)、(b)に示すようなセンサ止め具gが利用されている。このセンサ止め具gは熱交換器cのフィンc1の間から挿入して熱交換器cの熱交換パイプc2と嵌め合わせる装着部dと、この装着部dから外気吸込側に延びる腕eの先端に設けられたセンサホルダfとを持っている。
【0003】
温度センサaは金属製のケースbが被さっていてもこれの熱伝導性がよいので外気温度を検出しやすい。しかし、同時に熱交換器cの熱の影響も受けやすいので外気温度を正確に検出しにくい。これに対処するのに従来、腕eに温度センサaと熱交換器cとの間を遮蔽する板hを設けているが、これでも十分ではなく、前記腕eの長さを長くして温度センサaを熱交換器cからの熱影響がない位置まで大きく離すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の構造では、温度センサaの設置位置が熱交換器cから大きく離れるので、熱交換器cと外気吸込口との間の距離が大きくなり、熱交換器cを収容している室外機のキャビネットが大型化する。キャビネットの大型化はコストの上昇、重量の増大による取扱い性の低下、運搬費用の増大、設置スペースの増大といった種々の問題を招く。
【0005】
本発明の目的は、温度センサが熱交換器の近くにてこの熱交換器からの熱影響なく、吸い込まれてくる外気の温度を正確に検出するように設置できる空気調和機のセンサ止め具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気調和のセンサ止め具は、上記のような目的を達成するため、空気調和機の室外側熱交換器に装着されてこの室外側の熱交換器の外気吸込側に外気の温度を検出する温度センサを保持するのに、熱交換器への装着部と、この装着部に連結されてセンサをそのまわりを覆うように収容して保持するケースをなした保護カバーとを備え、この保護カバーが装着部によって熱交換器に装着されたとき、この保護カバーの熱交換器と対向する熱交換器側の壁に対し前記収容したセンサが所定の間隔以上近づくのを阻止するストッパを、前記熱交換側の壁から離して設けたことを特徴とするものである。
【0007】
このような構成では、装着部を室外側の熱交換器に装着して、保護カバーにより熱交換器の外気吸込側で温度センサを収容し保持するのに、温度センサのまわりを保護カバーが覆っていることにより、温度センサを不用意な外力から保護することができるし、保護カバーはそれの前記熱交換器側の壁と温度センサとの間に設けた空間によって、前記熱交換機の熱が温度センサに影響するのを抑えるので、前記熱交換器の近くに温度センサが位置するようにしても、前記熱交換器に吸い込まれる外気の温度を正確に検出することができ、室外側の熱交換器を収容する空気調和機のキャビネットを従来よりも小型にすることができる。
【0008】
保護カバーに収容し保持した温度センサが前記熱交換器側の壁に所定の間隔以上近づくのを阻止するストッパを、前記熱交換器側の壁から離して設けてあると、保護カバーの前記熱交換器側の壁と温度センサとの間の前記空間をストッパにより常に確保し、ストッパは前記壁から離れていて前記熱交換器の熱を温度センサに伝えにくいので、温度センサが前記熱交換器からの熱影響なく外気の温度を正確に検出するのを保証することができる。
【0009】
保護カバーが温度センサをこれのまわりに空間を設けて収容し、前記熱交換器に向く吸込外気と対向する対向面に外気流入口を有し、対向面および前記熱交換器側の面を除く面の適所に外気流出口を有していると、保護カバーは温度センサのまわりとの間にある空間により、前記熱交換器の熱が保護カバーを介して温度センサに及ぶのをさらに抑制することと、前記熱交換器に向く吸込外気がこれと対向する保護カバーの対向面に有する外気流入口から保護カバー内に自然に流入した後、保護カバーの前記対向面および前記熱交換器側の面を除く面に有する外気流出口へと達して保護カバー外にスムーズに流出し保護カバー内に収容し保持されている温度センサの位置を外気が常時通り抜ける状態になって、温度センサは温度センサのまわりと保護カバーとの間の空間を利用して外気と接触しその温度を直接検出することと、前記の外気流入口および外気流出口が保護カバーの前記熱交換器側の面になく、しかも外気流出口は前記熱交換器にやや近いものの常に外気が流出し熱交換器側に流れて、熱交換器の熱が外気流出口を通じて保護カバー内に移動するのを防止することとによって、温度センサの外気温度検出精度がさらに向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の幾つかの実施の形態について図1〜図2を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
本実施の形態1は図1の(a)、(b)に示すように、空気調和機の室外側の熱交換器1と、この熱交換器1に向け外気を吸い込む吸込口2を備えた室外機3において、この吸込口2から吸い込まれる外気の温度を検出する温度センサ4のセンサ止め具5の一例を示している。しかし、これに限られることはなく、室外側の熱交換器に向け外気を吸い込む吸込口が室外に臨むようにした一体型の空気調和機において、前記吸込口から吸い込まれる外気の温度を検出する温度センサの場合にも本発明は同様に適用される。
【0012】
温度センサ4が検出する外気の温度情報は、例えば、空気調和機が室内温度を設定温度に制御したり、異常気温に対応する制御をしたりするのに用いられ、外気の温度を正確に検出することが望まれる。
【0013】
これを満足するのに本実施の形態1のセンサ止め具5は、図1の(a)、(b)に示すように、熱交換器1への装着部8と、この装着部8が熱交換器1に装着されたとき熱交換器1の外気吸込側に位置するように装着部8と連結された保護カバー7とを備え、この保護カバー7は温度センサ4を少なくとも熱交換器1側の壁7aとの間に空間9を設けて収容し保持する。
【0014】
したがって、装着部8が図1の(a)、(b)に示すように室外側の熱交換器1に装着されれば、保護カバー7は熱交換器1の外気吸込側にて温度センサ4を収容し保持することができ、温度センサ4は吸込口2に近くフィルタ11を介して、あるいはこれを外して手などによる外力を受けやすいが、保護カバー7は温度センサ4のまわりを覆っていることにより、その温度センサ4を不用意な外力から保護し、また、位置ずれさせられるようなことを防止することができる。
【0015】
保護カバー7はまた、これの熱交換器1側の壁7aと温度センサ4との間に設けた空間9によって、熱交換機1の熱が温度センサ4に影響するのを抑えるので、熱交換器1の近くに温度センサ4が位置するようにしても、熱交換器1に吸い込まれる外気の温度を正確に検出することができ、室外側の熱交換器1を収容する空気調和機の本実施の形態1における室外機3のキャビネット3a等を従来よりも小型にすることができる。
【0016】
保護カバー7は前記のような機能を安定して発揮することができれば、どのような材料で形成されてもよい。本実施の形態1では合成樹脂製とし、必要な各種形状および構造が簡単な型成形と複数部品の組み立てによって簡易に得られるようにしている。
【0017】
保護カバー7は例えば、後端が開口した本体ケース71と、この本体ケース71の後端の開口を後方から閉じる蓋体73とで構成され、これら本体ケース71および蓋体73を接着や無理嵌め、あるいは弾性嵌合等の各種適宜な結合構造によって一体化し、蓋体73に図1の(c)に示すようなシールブッシュ74やその他適当なシール処理をしてリード線6の部分を保持された温度センサ4が、前記一体化によって本体ケース71内の所定位置に位置されるようにしている。なお、リード線6の被覆材と蓋体73とを一体成形物として双方間のシールを満足するようにしてもよい。
【0018】
保護カバー7の装着部8は熱交換器1が複数の熱交換パイプ1aに無数のフィン1bをその長手方向に嵌め付けた構造であるのに対応して、図1の(c)に示すように、フィン1bの間に挿入して2本の熱交換パイプ1aにC型凹部75が弾性係合する後付け可能な突片状のものとしてあり、本体ケース71および蓋体73のいずれか一方か、本実施の形態1のように双方に一体成形するかすればよい。
【0019】
しかし、保護カバー7の具体的な形状や構成は本実施の形態1で示した形態に限られることなく、種々に設計することができるし、熱交換器1への装着形式や装着構造も自由に設計でき、場合によっては後付けできない装着構造としてもよい。もっとも、この場合保護カバー7は必要に応じて温度センサ4を交換できる開閉構造または分解構造を持っているのが好適である。
【0020】
本実施の形態1の保護カバー7はさらに、図1の(a)、(b)に示すように、温度センサ4のまわり全域に空間9を設けて収容し、熱交換器1に向く吸込外気と対向する対向面7bに外気流入口76を有し、対向面7bおよび熱交換器1側の面7cを除く面7dの適所に、本実施の形態1では上下の面7d、7dに外気流出口77を有している。
【0021】
したがって保護カバー7は、温度センサ4のまわり全域にある空間9により、熱交換器1の熱が保護カバー7を介して温度センサ4に及ぶのをさらに抑制することができる。また、熱交換器1に向く吸込外気がこれと対向する保護カバー7の対向面7bに有する外気流入口76から保護カバー7内に自然に流入した後、保護カバー7の前記対向面7bおよび熱交換器1側の面7cを除く面7dに有する外気流出口77へと達して外気が保護カバー7外にスムーズに流出するので、保護カバー7内に収容し保持されている温度センサ4の位置を外気が常時通り抜ける状態となり、温度センサ4は温度センサ4のまわりと保護カバー7との間の空間9を利用して外気と接触しその温度を直接検出することができる。さらに、前記の外気流入口76および外気流出口77が保護カバー7の熱交換器1側の面7cになく、しかも外気流出口77は熱交換器1にやや近いものの常に外気が流出して熱交換器1側に流れていて、熱交換器1の熱が外気流出口77を通じて保護カバー7内に移動するのを防止することができる。したがって、これらの機能を発揮する本実施の形態1の保護カバー7によると、温度センサ4の外気温度検出精度はさらに向上する。
【0022】
また、本実施の形態1では、保護カバー7の前記対向面7bの外気流入口76を設けた部分を面取り形状部7b1として、吸い込まれてくる外気をやや後方へ逃がしながらその一部が保護カバー7内を自然に無理なく通過するようにしてある。これにより、温度センサ4による外気の温度検出が外気の通過抵抗少なく、風切り音を発生するようなことなく達成されるようにしてある。
【0023】
(実施の形態2)
本実施の形態2は図2に示すように、保護カバー7が収容し保持した温度センサ4を、保護カバー7の熱交換器1側の壁7aに所定の間隔以上近づくのを阻止するストッパ78が、前記壁7aから離れて設けられている。これによると、保護カバー7の熱交換器1側の壁7aと温度センサ4との間の空間9を前記ストッパ78が常に確保し、しかも、ストッパ78は前記壁7aから離れていて熱交換器1の熱を温度センサ4に伝えにくいので、温度センサ4が熱交換器1からの熱影響なく外気の温度を正確に検出するのを保証することができる。
【0024】
本実施の形態2ではストッパ78は蓋体73に一体成形してあるが、本体ケース71の側に一体成形してもよいし、本体ケース71および蓋体73の双方に一体成形することもできる。また、それらと別体のものを取り付けた構造にすることもできる。さらにストッパ78は前記壁7aとの間に断熱のための独立空間を形成する仕切り壁とすると、熱交換器1の熱が温度センサ4にさらに及び難くなる。
【0025】
他の構造および作用効果は実施の形態1の場合と変わらないので、同一の部材および部分には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
【発明の効果】
本発明の空気調和のセンサ止め具によれば、温度センサを不用意な外力から保護することができるし、熱交換器からの熱影響による吸込外気の温度検出の精度低下なしに熱交換器の近くに温度センサを位置させて、室外側の熱交換器を収容する空気調和機のキャビネットを従来よりも小型にすることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば特に、温度センサが前記のように外気の温度を正確に検出するのを保証することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば特に、温度センサによる外気の温度検出が、熱交換器からの熱影響を防止する空間を利用して直接高精度に達成されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の空気調和機の室外機を示し、その(a)は温度センサ取付け部の横断平面図、その(b)は熱交換器の温度センサ設置部の正面図、その(c)は温度センサの取付け状態を示す熱交換器の断面図。
【図2】本発明の実施の形態2の空気調和機の室外機を示し、その(a)は温度センサ取付け部の熱交換器の平面図、その(b)は温度センサの横断面図、その(c)は温度センサの取付け部の熱交換器の正面図。
【図3】従来用いられている温度センサの断面図。
【図4】図3の温度センサを用いた従来の室外機を示し、その(a)は温度センサ取付け部の熱交換器の平面図、その(b)は温度センサ取付け部の熱交換器の正面図。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 吸込口
3 室外機
4 温度センサ
5 センサ止め具
7 保護カバー
7a 熱交換器側の壁
7b 対向面
7c 熱交換器側の面
7d 対向面および熱交換器側の面を除く面
8 装着部
9 空間
76 外気流入口
77 外気流出口
78 ストッパ

Claims (3)

  1. 熱交換器への装着部と、この装着部に連結されてセンサをそのまわりを覆うように収容して保持するケースをなした保護カバーとを備え、この保護カバーが装着部によって熱交換器に装着されたとき、この保護カバーの熱交換器と対向する熱交換器側の壁に対し前記収容したセンサが所定の間隔以上近づくのを阻止するストッパを、前記熱交換側の壁から離して設けことを特徴とする、空気調和機のセンサ止め具。
  2. 保護カバーは温度センサのまわりとの間に空間を有し、前記熱交換器への吸込外気と対向する反熱交換器側の面に複数のスリット状の穴部よりなる外気流入口を有し、熱交換器側および反熱交換記側の面を除く面の適所に複数のスリット状の穴部よりなる外気流出口を有している請求項1に記載の空気調和機のセンサ止め具。
  3. 護カバーの反熱交換器側壁の面は少なくともその一の面を面取り形状としたことを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の空気調和機のセンサ止め具。
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