JP3650496B2 - タッチ信号プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元測定機等によって被測定物の形状等を測定するために用いられるタッチ信号プローブに関するもので、より詳しくは、低測定力、高感度の加振式タッチ信号プローブに関するものである。
【0002】
【背景技術】
被測定物の形状、寸法等の測定を行う測定機としてハイトゲージ(一次元測定機)、三次元測定機、輪郭測定機等が知られているが、その場合の座標検出や位置検出を行うために、測定機には、被測定物との接触を検出するタッチ信号プローブが用いられる。
従来の加振式タッチ信号プローブの構造が特開平6-221806号に示されている。このタッチ信号プローブは、スタイラスホルダに軸方向の略中央部がピンで支持されているとともに先端に接触部を有するスタイラスを取り付け、このスタイラスを加振するとともにスタイラスの振動変化から被測定物への接触に伴う振動状態の変化を検出する加振・検出素子としての圧電素子をスタイラスに取り付けた構造である。
【0003】
横穴を有する等、種々の形状の被測定物を容易に測定するために、図1に示されるT型のスタイラス構造が考えられる。
即ち、図1において、タッチ信号プローブは、円柱状のスタイラス支持部81の先端に略箱状の圧電素子取付体82を取り付け、この圧電素子取付体82の両端部に接触部83が備えられたスタイラス84をそれぞれスタイラス支持部81の軸心に対して直角に取り付け、圧電素子取付体82の両側面に圧電素子85を取り付けた構造である。
【0004】
この構造のタッチ信号プローブを利用したものとして、図2に示される十字型のスタイラス構造が考えられる。
即ち、図2において、タッチ信号プローブは、スタイラス支持部81の先端に第1の圧電素子取付体82を取り付け、この第1の圧電素子取付体82の両端部に接触部83が備えられた第1のスタイラス84をそれぞれ取り付け、第1の圧電素子取付体82に第2の圧電素子取付体86を取り付け、この第2の圧電素子取付体86の両端部に接触部83が備えられた第2のスタイラス87をそれぞれ取り付け、これらの圧電素子取付体82,86の両側面にそれぞれ圧電素子85を取り付け、第1のスタイラス84と第2のスタイラス87との角度を直角にした構造である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図2で示されるタッチ信号プローブでは、第1及び第2の圧電素子取付体82,86がスタイラス支持部81の軸線上に並べて配置されており、これらの取付体82,86の両端部にそれぞれ取り付けられた第1のスタイラス84と第2のスタイラス87とは同一平面上に位置していない。
そのため、スタイラス支持部81の軸線方向における第1のスタイラス84と第2のスタイラス87との座標が相違するので、複雑な形状の被測定物を正確に測定できない不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、スタイラスを十字型に形成した際に、高精度の測定を行えるタッチ信号プローブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、立方体や直方体からなる略角柱状の取付体の外面にX軸及びY軸にそれぞれ延びる第1及び第2のスタイラスを固定し、この取付体のX軸及びY軸とそれぞれ平行な外面に加振・検出素子を取り付けて前記目的を達成しようとするものである。
具体的には本発明にかかるタッチ信号プローブは、先端に被測定物と接触する接触部を有する略柱状のスタイラスの軸方向固有振動の節近傍に、前記固有振動の振動数と略一致した振動数で前記スタイラスを加振するとともに前記接触部が被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する加振・検出素子を配置したタッチ信号プローブにおいて、中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点にあるとともに外面がX軸及びY軸にそれぞれ平行な略角柱状の取付体を有し、前記スタイラスは、その軸線方向がX軸と一致するとともに前記取付体の前記原点に対して対称に固定された第1のスタイラスと、その軸線方向がY軸と一致するとともに前記取付体の前記原点に対して対称に固定された第2のスタイラスとを有し、前記加振・検出素子は、前記取付体のX軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、前記第1のスタイラスを加振するとともに、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子と、前記取付体のY軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、前記第2のスタイラスを加振するとともに、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子と、を有することを特徴とする。
【0008】
測定のため、本発明のタッチ信号プローブを移動する。加振・検出素子で振動されたスタイラスの接触部が被測定物に接触すると、スタイラスの振動が拘束され、その振動状態の変化が加振・検出素子で検出される。
本発明では、被測定物が複雑な形状であっても、第1及び第2のスタイラスを組み合わせてスタイラスが十字型に形成されているため、所定のスタイラスを被測定物を接触させることにより、その位置が確実に読み取られる。
【0009】
即ち、これらのスタイラスは、取付体の原点からX軸とY軸とにそれぞれ延びて形成されており、全ての接触部が略同一平面内に位置することになるので、測定を高精度に行うことができる。
さらに、スタイラスが取付体の外面に取り付けられた構造であるため、タッチ信号プローブの構造を簡易なものにできる。
【0010】
ここで、本発明では、前記取付体を略直方体状としてもよい。
この構造では、加振・検出素子を取り付けるスペースを確保してスタイラスを加振する力を大きくすることができる。
また、本発明では、前記第1のスタイラスの固有振動数と、前記第2のスタイラスの固有振動数とが相違する構造としてもよい。ここで、固有振動数が相違するとは、第1のスタイラスと第2のスタイラスとが共振しないことをいう。
この構造では、検出素子に接続される検出回路における回路上の干渉問題を回避できる。
【0011】
さらに、本発明では、前記第1の加振・検出素子は、前記第2のスタイラスを挟んで互いに対向配置され、前記第2の加振・検出素子は、前記第1のスタイラスを挟んで互いに対向配置された構造でもよい。
この構造では、第1又は第2のスタイラスに加える加振力が第2又は第1のスタイラスを挟んで均等とされるので、精度の高い測定が行える。
【0012】
また、本発明では、前記第1の加振・検出素子と、前記第2の加振・検出素子とは、同一圧電素子の表面電極を少なくとも4分割して構成され、かつ、前記取付体のZ軸と直交する外面に配置され構造でもよい。
この構造では、スタイラスが取り付けられる取付体の外面に加振・検出素子を取る付ける必要がないから、取付体の外面面積に対するスタイラスの取付面積、換言すれば、スタイラスの太さが制限されないだけでなく、加振・検出素子の加工が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
ここで、各実施形態中、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略する。
図3には本発明の第1実施形態にかかるタッチ信号プローブの全体構成が示されている。
【0014】
図3において、タッチ信号プローブは、図示しない三次元測定機の移動軸に取り付けられた略円柱状の支持ピン1と、この支持ピン1の先端部に取り付けられた略立方体状の取付体2と、この取付体2を挟んでそれぞれ2本ずつ取り付けられた第1及び第2のスタイラス3,4と、これらのスタイラス3,4の近傍において取付体2に取り付けられた第1及び第2の加振・検出素子である圧電素子5,6とを備えて構成されている。
取付体2は中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点Oにあるとともに外面2A,2B,2CがX軸、Y軸及びZ軸と直交する平面にそれぞれ平行な略角柱状とされており、このうち互いに対向する外面2Cのうち一方の外面2Cには支持ピン1がZ軸に延びて配置されている。
【0015】
第1のスタイラス3は、その軸線がX軸に延びて配置されており、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体2の外面2Aに固定された略円柱状の本体3Aと、この本体3Aの他端部に固定され図示しない被測定物と接触する略球状の接触部3Bとを有する構造である。
第2のスタイラス4は、その軸線がY軸に延びて配置されており、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体2の外面2Bに固定された略円柱状の本体4Aと、この本体4Aの他端部に固定され図示しない被測定物と接触する略球状の接触部4Bとを有する構造である。
【0016】
これらの第1のスタイラス3と第2のスタイラス4とは、それぞれ原点Oを挟んだ対称構造である。
また、第1のスタイラス3と第2のスタイラス4とは、長さ寸法を相違させたり、あるいは、材質を相違させたりすることにより、互いに共振しないように、その固有振動数が若干相違する。
【0017】
第1の圧電素子5は、長手方向がX軸と平行である平面矩形状をしており、取付体2の外面2Bにおいて2個ずつ、計4個接着等で固定されている。
この第1の圧電素子5は、第1のスタイラス3の固有振動数の略一致した振動数で第1のスタイラス3を加振する加振用電極5Aと、接触部3Bが被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する検出用電極5Bとに分けられ、外面2Bの第2のスタイラス4を挟んで互いに対向配置されている。
【0018】
第2の圧電素子6は、長手方向がY軸と平行である平面矩形状をしており、取付体2の外面2Aにおいて2個ずつ、計4個接着等で固定されている。
この第2の圧電素子6は、第2のスタイラス4の固有振動数の略一致した振動数で第2のスタイラス4を加振する加振用電極6Aと、接触部4Bが被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する検出用電極6Bとに分けられ、外面2Aの第1のスタイラス3を挟んで互いに対向配置されている。
【0019】
これらの電極5A,5B,6A,6Bには特開平6-221806号に示される駆動回路及び検出回路が接続されており、検出回路には信号処理回路が接続されている。
なお、第1実施形態では、1枚の圧電素子5,6を加振用電極5A,6Aと検出用電極5B,6Bとに分割するのではなく、スタイラス3,4を挟んで対向配置された一方の圧電素子5,6を加振専用とし、他方の圧電素子5,6を検出専用とする構造でもよい。
【0020】
この構成の第1実施形態では、タッチ信号プローブを移動して測定を行うが、そのため、第1及び第2の圧電素子5,6に通電し、加振用電極5A,6Aで第1及び第2のスタイラス3,4を加振する。
この加振用電極5A,6Aで振動させたスタイラス3,4の接触部3B,4Bが被測定物に接触すると、スタイラス3,4の振動が拘束され、その振動状態の変化が検出素子である検出用電極5B,6Bで検出される。
【0021】
従って、第1実施形態では、▲1▼先端に接触部3B,4Bを有する略柱状のスタイラス3,4に、これらの固有振動の振動数と略一致した振動数でスタイラス3,4を加振するとともに接触部3B,4Bが被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する加振・検出素子5,6を配置したタッチ信号プローブにおいて、中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点Oにあるとともに外面2A,2B,2CがX軸及びY軸にそれぞれ平行な略角柱状の取付体2を備え、スタイラス3,4は、その軸線方向がそれぞれX軸とY軸とに一致するとともに取付体2の原点Oに対して対称に固定された第1のスタイラス3及び第2スタイラス4とを有し、加振・検出素子5,6は、取付体2のX軸と平行な外面2Aに取り付けられ、かつ、第1のスタイラス3を加振し、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子5と、取付体2のY軸と平行な外面2Bに取り付けられ、かつ、第2のスタイラス4を加振し、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子6とを有する構造であるから、第1及び第2のスタイラス3,4が取付体2の原点OからX軸とY軸とにそれぞれ延びて十字型に形成されて全ての接触部3B,4Bが略同一平面内に位置することになる。そのため、被測定物が複雑な形状であっても、所定のスタイラス3,4を被測定物を接触させることにより、その位置が確実に読み取ることができる。
さらに、スタイラス3,4が取付体2の外面2A,2Bに取り付けられた構造であるため、タッチ信号プローブの構造を簡易なものにできる。
【0022】
また、▲2▼第1実施形態では、各スタイラス3,4の軸方向固有振動の節近傍に第1及び第2の加振・検出素子5,6が配置されているから、スタイラス3,4の共振特性及び検出感度が向上し、低測定力での測定が可能となる。
さらに、▲3▼第1実施形態では、第1のスタイラス3の固有振動数と、第2のスタイラス4の固有振動数とが若干相違する構造であるから、検出用電極5B,6Bに接続される検出回路における回路上の干渉問題を回避できる。
つまり、第1及び第2のスタイラス3,4は、それぞれ取付体2の互いに直交する外面2A,2Bに取り付けられており、厳密には、加振・検出素子5,6の作動に伴う取付体2の一方向(例えば、X軸方向)の伸びは他方向(例えば、Y軸方向)の縮みを伴うので、第1及び第2のスタイラス3,4が干渉する可能性がある。しかし、第1実施形態では、これらのスタイラス3,4の固有振動数が相違するようにしてあるから、回路上で干渉することなく、正確な測定が行える。
【0023】
さらに、▲4▼2個の第1の加振・検出素子5は、第2のスタイラス4を挟んで互いに対向配置され、2個の第2の加振・検出素子6は、第1のスタイラス3を挟んで互いに対向配置された構造であるから、第1又は第2のスタイラス3,4に生じる加振力が第2又は第1のスタイラス4,3を挟んで均等とされるので、この点からも精度の高い測定が行える。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
第2実施形態は第1実施形態に比べて圧電素子5,6の取付位置が相違するもので、他の構造は第1実施形態と同じである。
図4には本発明の第2実施形態にかかるタッチ信号プローブの全体構成が示されている。
図4において、第2実施形態のタッチ信号プローブは、前記支持ピン1、前記取付体2、前記第1及び第2のスタイラス3,4及び前記第1及び第2の圧電素子5,6を備えた構成であり、これらの第1及び第2の圧電素子5,6は第1実施形態とは異なり、取付体の外面2Cに取り付けられている。
【0025】
即ち、第1の圧電素子5は、その長手方向がX軸方向と一致するように取付体2の互いに対向する外面2Cの縁部に2個ずつ配置されており、第2の圧電素子6は、その長手方向がY軸方向と一致するように外面2Cの縁部に2個ずつ配置されている。なお、外面2Cのうち支持ピン1が取り付けられる外面2Cには、圧電素子5,6が支持ピン1を囲うように配置されている。
この構成の第2実施形態では、第1実施形態の▲1▼〜▲4▼と同様の作用効果を奏する他に、第1及び第2の圧電素子5,6がスタイラス3,4が取り付けられている取付体2の外面2A,2B以外の外面2Cに取り付けられているから、取付体2の外面2A,2Bの面積に対するスタイラス3,4の取付面積、換言すれば、スタイラスの太さが制限されることがない。
【0026】
次に、本発明の第3実施形態を図5に基づいて説明する。
第3実施形態は第1実施形態に比べて取付体の形状が相違するもので、他の構造は第1実施形態と同じである。
図5には本発明の第3実施形態にかかるタッチ信号プローブの全体構成が示されている。
図5において、第3実施形態のタッチ信号プローブは、前記支持ピン1と、この支持ピン1の先端部に取り付けられた略直方体状の取付体12と、この取付体12に取り付けられた前記第1及び第2のスタイラス3,4と、これらのスタイラス3,4の近傍において取付体12に取り付けられた前記第1及び第2の圧電素子5,6とを備えた構成である。
【0027】
取付体12は中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点Oにあるとともに外面12A,12B,2CがX軸、Y軸及びZ軸と直交する平面にそれぞれ平行な略角柱状とされており、このうち互いに対向する平面平方形の外面2Cのうち一方の外面2Cには支持ピン1がZ軸に延びて配置されている。
また、互いに隣り合う外面12A,12Bは、その平面がZ軸方向の寸法がX軸方向又はY軸方向より長い長方形とされている。
【0028】
第1のスタイラス3は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体12の外面12Aに固定されており、第2のスタイラス4は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体12の外面12Bに固定されている。
第1の圧電素子5は、取付体12の外面12Bにおいて第2のスタイラス4を挟んで2個ずつ、計4個(図では2個のみ示す)接着等で固定されている。
第2の圧電素子6は、取付体12の外面12Aにおいて第1のスタイラス3を挟んで2個ずつ、計4個(図では2個のみ示す)接着等で固定されている。
【0029】
この構成の第3実施形態では、第1実施形態の▲1▼〜▲4▼と同様の作用効果を奏する他に、取付体12を略直方体状としたから、加振・検出素子である圧電素子5,6を取り付けるスペースを確保してスタイラス3,4を加振する力を大きくすることができる。
従って、スタイラスを大きな力で加振し、その振動を確実に検出することにより、測定精度を向上させることができる。
なお、第3実施形態では、取付体12の互いに隣り合う外面12A,12BのX軸方向寸法とY軸方向寸法とを相違させる構造でもよい。
この構造では、これらの外面12A,12Bに取り付けられる第1のスタイラス3と第2のスタイラス4との固有振動数を変えることができる。
【0030】
次に、本発明の第4実施形態を図6に基づいて説明する。
第4実施形態は第1実施形態に比べて取付体の形状が相違するもので、他の構造は第1実施形態と同じである。
図6には本発明の第4実施形態にかかるタッチ信号プローブの全体構成が示されている。
図6において、第4実施形態のタッチ信号プローブは、前記支持ピン1と、この支持ピン1の先端部に取り付けられた略立方体状の取付体22と、この取付体22に取り付けられた前記第1及び第2のスタイラス3,4と、これらのスタイラス3,4の近傍において取付体22に取り付けられた前記第1及び第2の圧電素子5,6とを備えた構成である。
【0031】
取付体22は、中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点Oにあるとともに外面22A,22B,22CがX軸、Y軸及びZ軸と直交する平面にそれぞれ平行な略角柱状とされており、このうち互いに対向する外面22Cのうち一方の外面22Cには支持ピン1を取り付けるための孔22Dが形成されている。
第1のスタイラス3は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体22の外面22Aに固定されており、第2のスタイラス4は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体22の外面22Bに固定されている。
互いに隣り合う外面22Aと外面22Cとの間には、第1のスタイラス3を挟んで切り込み22Eが形成され、互いに隣り合う外面22Bと外面22Cとの間には、第2のスタイラス4を挟んで切り込み22Eが形成されている。
【0032】
第1の圧電素子5は、その両端部が取付体22の外面22Bにおいて1個ずつ、計2個(図では1個のみ示す)接着等で固定されており、その中央部裏面と切り込み22Eとの間には空間が形成されている。
これらの第1の圧電素子5は原点Oを中心として対向配置されている。
第2の圧電素子6は、その両端部が取付体22の外面22Aにおいて1個ずつ、計2個接着等で固定されており、その中央部裏面と切り込み22Eとの間には空間が形成されている。
なお、第4実施形態では、取付体22に取り付けられる圧電素子5,6の数は適宜決定される。例えば、第1から第3実施形態のように、合計8個であってもよい。
【0033】
この構成の第4実施形態では、第1実施形態の▲1▼〜▲4▼と同様の作用効果を奏する他に、取付体22に切り込み22Eを形成したから、圧電素子5,6の中央部底面と取付体22との間に空間が形成されるため、圧電素子5,6の電気エネルギーを機械エネルギーに変換する効率を向上させることができる。
【0034】
次に、本発明の第5実施形態を図7から図9に基づいて説明する。
第5実施形態は第2実施形態に比べて圧電素子の構造が相違するもので、他の構造は第2実施形態と同じである。
図7には本発明の第5実施形態にかかるタッチ信号プローブの全体構成が示されている。
図7において、第5実施形態のタッチ信号プローブは、前記支持ピン1と、この支持ピン1の先端部に取り付けられた取付体32と、この取付体32に取り付けられた前記第1及び第2のスタイラス3,4と、これらのスタイラス3,4の近傍において取付体32に取り付けられた圧電素子34とを備えた構成である。
【0035】
取付体32はZ軸方向の寸法がXY軸方向の寸法より短くX軸方向の寸法とY軸方向の寸法とが等しい略直方体状であり、このうち互いに対向する外面32Cのうち一方の外面32Cには支持ピン1が取り付けられている。この外面32CはZ軸と直交するものである。外面32CはZ軸と直交するため、X軸及びY軸の双方にそれぞれ平行である。
第1のスタイラス3は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体32の外面32Aに固定されており、第2のスタイラス4は、その一端部(軸方向固有振動数の節近傍)が取付体32の外面32Bに固定されている。
圧電素子34は、支持ピン1が取り付けられた外面32Cに接着等で固定されており、その中央部に支持ピン1との干渉を避けるための孔部34Aを有する略平板状に形成されている。
【0036】
この圧電素子34は、その表面電極が少なくとも4分割されており、その裏面は共通電極とされている。
圧電素子34の分割の態様が図8及び図9に示されている。
図8において、圧電素子34は、加振用電極と検出電極とが各軸の正方向と負方向とに分けて構成されており、このうち、X軸に沿って配置された加振用電極34Aと検出用電極34Bとで第1のスタイラス3を加振するとともに、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子が構成され、Y軸に沿って配置された加振用電極34Cと検出用電極34Dとで第2のスタイラス4を加振するとともに、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子が構成される。
【0037】
図9において、加振用電極と検出電極とが各軸の正方向及び負方向のそれぞれに構成されている。
このうち、X軸に沿って配置された2個の加振用電極34Eと2個の検出用電極34Fとで第1のスタイラス3を加振するとともに、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子が構成され、Y軸に沿って配置された2個の加振用電極34Gと2個の検出用電極34Hとで第2のスタイラス4を加振するとともに、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子が構成される。
加振用電極34E,34Gは、原点Oを挟んで放射状に配置されており、検出用電極34F,34Hは、加振用電極34E,34Gより原点O側に配置されている。加振用電極34F,34Hあるいは検出用電極34F,34Hを2カ所に設ける場合には、リード線は各軸方向に並列状態に接続すればよい。
【0038】
なお、第5実施形態では、取付体32の互いに対向する外面32Cの双方に圧電素子34を取り付けてもよい。この場合、圧電素子34の形状を同じにしてもよく、あるいは、相違させてもよい。ただし、圧電素子34の形状を同じにすれば部品点数が減少するので、好ましい。
【0039】
この構成の第5実施形態では、第1実施形態の(1)(2)(4)と同様の作用効果を奏する他に、第1の加振・検出素子34E,34Fと、第2の加振・検出素子34G,34Hとを同一圧電素子の表面電極を少なくとも4分割して構成し、かつ、取付体32のZ軸と直交する外面32Cに配置したから、スタイラス3,4が取り付けられる取付体32の外面32A,32Bに加振・検出素子を取り付ける必要がないので、スタイラス3,4の太さが制限されないだけでなく、加振・検出素子を構成する圧電素子34の加工が容易となる。
【0040】
なお、本発明は前述の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲であれば次に示す変形例を含むものである。
例えば、前記各実施の形態では、加振・検出素子として圧電素子5,6,34を使用したが、本発明では、これに限らず、他のアクチュエータでもよい。
【0041】
また、特開平6-221806号で開示された超音波共振形タッチセンサを適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、公開昭64-69910号に示される圧電センサを適用するものでもよく、あるいは、特開平6-34311 号に示されるセンサ(被測定物と測定球との間の静電容量から接触を検出するセンサ)に適用してもよい。
さらに、第1のスタイラス3の固有振動数と第2のスタイラス4の固有振動数とを同じにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、先端に接触部を有する略柱状のスタイラスに、これらの固有振動の振動数と略一致した振動数でスタイラスを加振するとともに接触部が被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する加振・検出素子を配置し、中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点にあるとともに外面がX軸及びY軸にそれぞれ平行な略角柱状の取付体を備え、前記スタイラスは、その軸線方向がそれぞれX軸とY軸とに一致するとともに取付体の原点に対して対称に固定された第1のスタイラス及び第2スタイラスと、を有し、前記加振・検出素子は、取付体のX軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、第1のスタイラスを加振し、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子と、取付体のY軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、第2のスタイラスを加振し、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子と、を有する構造であるから、第1及び第2のスタイラスが取付体の原点からX軸とY軸とにそれぞれ延びて十字型に形成されて全ての接触部が略同一平面内に位置することになり、被測定物が複雑な形状であっても、所定のスタイラスを被測定物を接触させることにより、その位置が確実に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が提案される前提となったタッチ信号プローブの斜視図である。
【図2】本発明が提案される前提となった図1とは異なるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態にかかるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施形態にかかるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施形態にかかるタッチ信号プローブの斜視図である。
【図8】第5実施形態のタッチ信号プローブで用いられる加振・検出素子を示す平面図である。
【図9】第5実施形態のタッチ信号プローブで用いられる加振・検出素子であって図8とは異なる構造の加振・検出素子を示す平面図である。
【符号の説明】
2,12,22,42 取付体
3 第1のスタイラス
4 第2のスタイラス
3B,4B 接触部
5,34A,34B,34E,34F 第1の加振・検出素子
6,34C,34D,34G,34H 第2の加振・検出素子
Claims (5)
- 先端に被測定物と接触する接触部を有する略柱状のスタイラスの軸方向固有振動の節近傍に、前記固有振動の振動数と略一致した振動数で前記スタイラスを加振するとともに前記接触部が被測定物に接触する際の接触に伴う振動状態の変化を検出する加振・検出素子を配置したタッチ信号プローブにおいて、中心がX軸、Y軸及びZ軸の原点にあるとともに外面がX軸及びY軸にそれぞれ平行な略角柱状の取付体を有し、前記スタイラスは、その軸線方向がX軸と一致するとともに前記取付体の前記原点に対して対称に固定された第1のスタイラスと、その軸線方向がY軸と一致するとともに前記取付体の前記原点に対して対称に固定された第2のスタイラスとを有し、前記加振・検出素子は、前記取付体のX軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、前記第1のスタイラスを加振するとともに、その振動状態を検出する第1の加振・検出素子と、前記取付体のY軸と平行な外面に取り付けられ、かつ、前記第2のスタイラスを加振するとともに、その振動状態を検出する第2の加振・検出素子と、を有することを特徴とするタッチ信号プローブ。
- 請求項1記載のタッチ信号プローブにおいて、前記取付体は略直方体状であることを特徴とするタッチ信号プローブ。
- 請求項1又は2に記載のタッチ信号プローブにおいて、前記第1のスタイラスの固有振動数と、前記第2のスタイラスの固有振動数とが相違することを特徴とするタッチ信号プローブ。
- 請求項1から3のいずれかに記載のタッチ信号プローブにおいて、前記第1の加振・検出素子は、前記第2のスタイラスを挟んで対向配置されており、前記第2の加振・検出素子は、前記第1のスタイラスを挟んで対向配置されていることを特徴とするタッチ信号プローブ。
- 請求項1から3のいずれかに記載のタッチ信号プローブにおいて、前記第1の加振・検出素子と、前記第2の加振・検出素子とは、同一圧電素子の表面電極を少なくとも4分割して構成され、かつ、前記取付体のZ軸と直交する外面に配置されたことを特徴とするタッチ信号プローブ。
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