JP3650161B2 - 圧力制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、密閉した油タンク内部を常時一定の圧力範囲内に維持するのに好適な圧力制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の圧力制御弁を適用するものとして、本出願人の出願に係る特願平6−106036号の如き図5に示すものがある。このものは、塵埃が多い環境下に設置して良好に使用し得るよう作動油を貯蔵する油タンク25内部を密閉して設け、密閉した内部の貯蔵作動油上の空間C1に圧縮空気が流通する流路29を連通して内部を常時圧縮空気により予圧を付与して設け、内部の予圧を圧力検出センサ30で検出し、制御器31で設定した一定範囲の設定圧力と比較して設け、流路29に配設した電磁方向切換弁32を制御器31からの通電信号により切換操作し、予圧が設定圧力の下限より低い場合には油タンク25の内部に圧縮空気を導入したり予圧が設定圧力の上限より高い場合には内部の圧縮空気を排気したり予圧が設定圧力の範囲内にある場合には内部を遮断したりして、油圧ポンプ33の吸入吐出や外部負荷より戻り流路34を流れての作動油の還流による貯蔵作動油量の急激な増減にかかわりなく油タンク25内部を常時一定の圧力範囲内に維持して設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる構成では、油タンク25内部に高圧力を付与することによる油タンク25の破損を阻止するよう油タンク25内部を微圧な圧力範囲(0.0003MPaから0.002MPa)内に維持しているため、微圧な油タンク25内部と大気圧である外気との圧力差が少なく、外部負荷より戻り流路34を流れての作動油の還流による貯蔵作動油量の急激な増加に伴い油タンク25内部の圧縮空気を電磁方向切換弁32の負荷ポートAより排気ポートEを流して外気に排気する際に、負荷ポートA、排気ポートEの有効断面積を大きく設けないと、大流量の圧縮空気が排気できずに油タンク25内部の圧力が微圧な圧力範囲を超えて上昇してしまい、特に大容量の油タンクでこの傾向が顕著であり、電磁方向切換弁32は負荷ポートA、排気ポートEの有効断面積を満足させる各ポートP、A、Eの有効断面積が大きい大型のものを必要とする問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するもので、大型化を抑制して大流量の圧縮空気を排気可能にし、大容量の油タンクに好適に使用し得るようにした圧力制御弁を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、弁本体の嵌合孔へ軸方向に間隙を有して供給ポートと第1負荷ポートと第2負荷ポートと第1排気ポートと第2排気ポートとを開口して設け、供給ポートは圧縮空気源に接続し、第1負荷ポートと第2負荷ポートは作動油を貯蔵する内部を密閉して貯蔵作動油を油圧ポンプで吸入吐出して外部負荷に供給したり外部負荷より作動油が還流したりして貯蔵作動油量が変動する油タンクの貯蔵作動油上の空間に接続し、第1排気ポートと第2排気ポートは外気に開放して設け、弁本体の嵌合孔には弁体を軸方向へ摺動自在に嵌合して設け、弁体にはその軸方向に自重に基づき設定した設定圧力に負荷ポート側の圧力を対向作用して設け、負荷ポート側の圧力が設定圧力より低い場合には弁体が第1負荷ポートを供給ポートに連通して第2負荷ポートを遮断する第1位置と、負荷ポート側の圧力が設定圧力より高い場合には弁体が第1負荷ポートを第1排気ポートに連通して第2負荷ポートを第2排気ポートに連通する第2位置と、負荷ポート側の圧力と設定圧力とが圧力平衡する場合には弁体が各ポート間を遮断する中立位置とを有して成る。
また、弁本体の嵌合孔に軸方向へ摺動自在に嵌合した弁体にはその軸方向にばね力を対向作用して設け、このばね力差に基づき設定した設定圧力に負荷ポート側の圧力を対向作用して設けても良い。
【0005】
【作用】
かかる本発明の構成において、設定圧力を維持したい一定の圧力範囲の上限より低く下限より高く弁体の自重若しくはばね力差により設定し、圧縮空気を供給していない状態では弁体が自重若しくはばね力差に基づく設定圧力で第1位置に位置しており、この状態で圧縮空気源より圧縮空気を供給すると、圧縮空気は供給ポートより第1負荷ポートを流れて油タンク内部の貯蔵作動油上の空間に導入されて内部に予圧を付与し、圧縮空気を供給し続けることで内部に予圧を付与する負荷ポート側の圧力が上昇して設定圧力と圧力平衡すると、弁体が第1位置から中立位置に切換操作されて各ポート間を遮断し、内部に付与する予圧は設定圧力に制御される。そして、油タンクの内部に貯蔵した作動油が油圧ポンプにより吸入吐出され貯蔵作動油量が減少して内部の予圧が低下し負荷ポート側の圧力が設定圧力より低くなると、弁体が中立位置から第1位置に切換操作されて圧縮空気が供給ポートより第1負荷ポートを流れて油タンク内部の空間に導入して予圧を上昇し、予圧の上昇により負荷ポート側の圧力が上昇して設定圧力と圧力平衡すると、弁体が第1位置から中立位置に切換操作されて各ポート間を遮断する。また、外部負荷より作動油が油タンクの内部に還流され貯蔵作動油量が増加して内部の予圧が上昇し負荷ポート側の圧力が設定圧力より高くなると、弁体が中立位置から第2位置に切換操作されて油タンク内部の貯蔵作動油上の空間にある圧縮空気が第1負荷ポートより第1排気ポートを流れると共に、第2負荷ポートより第2排気ポートを流れて外気に排気して予圧を下降し、予圧の下降により負荷ポート側の圧力が下降して設定圧力と圧力平衡すると、弁体が第2位置から中立位置に切換操作されて各ポート間を遮断する。
【0006】
このようにして、油タンク内部を設定圧力より下限が低く上限が高い微圧な圧力範囲内に維持する。そして、圧縮空気源に接続する供給ポート側の圧力は微圧な圧力範囲内に維持する油タンク内部との圧力差が大きく、弁体の第1位置で圧縮空気を供給ポートから第1負荷ポートを流して油タンク内部に導入する際に、供給ポート側と油タンク内部との大きな圧力差により大流量の圧縮空気を導入することができて供給ポート及び第1負荷ポートの有効断面積を大きく設けなくて良く、弁体の第2位置で油タンク内部の貯蔵作動油上の空間にある圧縮空気を外気に排気する際に、圧縮空気を第1負荷ポートより第1排気ポートを流して排気するのに加え、第2負荷ポートより第2排気ポートを流して外気に排気するから、微圧な油タンク内部と大気圧である外気との小さな圧力差でも大流量の圧縮空気を排気することができる。このため、従来の如き、供給ポートと負荷ポートと排気ポートの各ポートの有効断面積を大きく設けた弁に比し、弁全体の大型化を抑制することができて大流量の圧縮空気を排気可能にでき、大容量の油タンクに好適に使用することができる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1(A)において、1は油タンクで、内部に作動油を貯蔵して貯蔵作動油上に空間Cを設け、この内部を密閉して設けている。2は油圧ポンプで、電動機3により回転駆動されて油タンク1内部に貯蔵の作動油を一端にストレーナ4を有した吸入流路5を介して吸入し吐出流路6へ吐出して図示しない外部負荷に供給するよう設けている。7は戻り流路で、外部負荷より排出された作動油を油タンク1内部に還流するよう設けている。8は圧力制御弁で、供給ポートPと第1負荷ポートA1と第2負荷ポートA2と第1排気ポートE1と第2排気ポートE2とを有し、供給ポートPは供給流路9により圧縮空気源P1に接続し、第1負荷ポートA1と第2負荷ポートA2は負荷流路10に並列接続して油タンク1の貯蔵作動油上の空間Cに接続し、第1排気ポートE1と第2排気ポートE2は一端にサイレンサ11を有した排気流路12に並列接続して外気に開放して設けている。13は供給流路9に配設したドレン排出器付きエアフイルタ、14は供給流路9にドレン排出器付きエアフイルタ13の後側に配設したリリーフ付き減圧弁で、二次側圧力を0.05MPa(メガパスカル)に減圧制御するよう設定圧力を設定して設けている。15は吸気弁15Aと排気弁15Bとを備えた吸排気安全弁で、負荷流路10に分岐接続した分岐流路10Aに配設し、吸気弁15Aの設定圧力を油タンク1内部の維持したい一定の圧力範囲の下限(0.0005MPa)より低い−0.002MPaに設定すると共に、排気弁15Bの設定圧力を維持したい一定の圧力範囲の上限(0.0025MPa)より高い0.003MPaに設定して設けている。
【0008】
以下、圧力制御弁8の構成を図1(B)において説明する。
16は弁本体で、図1(B)の縦方向に配置し、内部に嵌合孔17を貫設したスリーブ部材18を装着して有している。19、20は弁本体16の軸方向両端に固定して設けた蓋部材で、嵌合孔17の両端開口を閉塞している。弁本体16の嵌合孔17にはその下方より順次軸方向に間隙を有して供給ポートPと第1負荷ポートA1と第1排気ポートE1と第2排気ポートE2と第2負荷ポートA2とを開口して設けている。16Aは弁本体16を着脱自在に固定して設けたマニホールド部材で、供給ポートPが接続する供給流路9と、第1負荷ポートA1と第2負荷ポートA2が並列接続する負荷流路10と、第1排気ポートE1と第2排気ポートE2が並列接続する排気流路12とを有している。21は嵌合孔17に軸方向へ摺動自在に嵌合した弁体で、ランド部21A、21B、21Cを軸方向に間隙を有して設けている。そして、弁本体21はその自重に基づき設定圧力(0.0015MPa)を設定して設けると共に、その下方端に第1負荷ポートA1と第2負荷ポートA2の少なくともどちらか一方が含まれる負荷ポート側の圧力を第1負荷ポートA1より流路22を介して導入し設定圧力に対向作用して設けている。また、弁体21の上方端は流路23を介して第2排気ポートE2に接続している。圧力制御弁8は負荷ポート側の圧力が設定圧力より低い場合には弁体21が第1負荷ポートA1を供給ポートPに連通して第2負荷ポートA2を遮断する第1位置X(図1(A)に示す。)と、負荷ポート側の圧力が設定圧力より高い場合には弁体21が第1負荷ポートA1を第1排気ポートE1に連通して第2負荷ポートA2を第2排気ポートE2に連通する第2位置Y(図1(A)に示す。)と、負荷ポート側の圧力と設定圧力とが圧力平衡する場合には弁体21が各ポートP、A1、A2、E1、E2間を遮断する中立位置Z(図1に(A)に示す。)とを有している。
【0009】
次にかかる構成の作動を説明する。
図1(A)、(B)は圧縮空気源P1より圧縮空気を供給していない状態を示し、圧力制御弁8は弁体21の自重に基づく設定圧力で第1位置Xに位置し、弁体21のランド部21Aが供給ポートPの嵌合孔17への開口個所より下方にあり、ランド部21Bが第1負荷ポートA1の開口個所と第1排気ポートE1の開口個所間にあり、ランド部21Cが第2負荷ポートA2の開口個所を閉塞し、第1負荷ポートA1を供給ポートPに連通して第2負荷ポートA2を遮断している。
【0010】
この状態で、圧縮空気源P1より圧縮空気を供給すると、圧縮空気は供給ポートPより第1負荷ポートA1を流れて油タンク1内部の貯蔵作動油上の空間Cに導入されて内部に予圧を付与する。そして、圧縮空気を供給し続けることで内部に予圧を付与する負荷ポート側の圧力が上昇して設定圧力(0.0015MPa)と圧力平衡すると、圧力制御弁8は弁体21が第1位置Xから中立位置Zに切換操作されて上昇した負荷ポート側の圧力に基づく作用力で上方向へ摺動して図2に示す如きに成り、ランド部21Aが供給ポートPの開口個所を閉塞し、ランド部21Bが第1排気ポートE1の開口個所を閉塞し、ランド部21Cが第2負荷ポートA2の開口個所を閉塞し、各ポートP、A1、A2、E1、E2間を遮断する。これにより、油タンク1の内部に付与する予圧は設定圧力に制御される。
【0011】
この油タンク1内部の予圧が設定圧力に制御された状態で、電動機3により油圧ポンプ2を回転駆動して油タンク1内部の貯蔵作動油を吸入吐出して外部負荷に供給すると、貯蔵作動油量が急激に減少して内部の予圧が低下する。そして、予圧の低下により負荷ポート側の圧力が設定圧力より低くなると、圧力制御弁8は弁体21が中立位置Zから第1位置Xに切換操作されて図1の状態に復帰し、圧縮空気が供給ポートPより第1負荷ポートA1を流れて油タンク1内部の空間Cに導入して予圧を上昇し、予圧の上昇により負荷ポート側の圧力が上昇して設定圧力と圧力平衡すると、弁体21が第1位置Xから中立位置Zに切換操作されて図2に示す如きに成り、各ポートP、A1、A2、E1、E2間を遮断する。
【0012】
また、油タンク1内部の予圧が設定圧力に制御された状態で、外部負荷より排出した作動油が戻り流路7を流れて油タンク1内部に還流すると、貯蔵作動油量が急激に増加して内部の予圧が上昇する。そして、予圧の上昇により負荷ポート側の圧力が設定圧力より高くなると、圧力制御弁8は弁体21が中立位置Zから第2位置Yに切換操作されて上昇した負荷ポート側の圧力に基づく作用力で上方向へ摺動して図3に示す如きに成り、ランド部21Aが供給ポートPの開口個所を閉塞し、ランド部21Bが第1排気ポートE1の開口個所と第2排気ポートE2の開口個所間に摺動し、ランド部21Cが第2負荷ポートA2の開口個所より上方に摺動し、第1負荷ポートA1を第1排気ポートE1に連通して態2負荷ポートA2を第2負荷ポートA2を第2排気ポートE2に連通する。そして、油タンク1内部の空間Cにある圧縮空気が負荷流路10より第1負荷ポートA1、第1排気ポートE1を流れると共に、第2負荷ポートA2、第2排気ポートE2を流れて外気に排気して予圧を下降し、予圧の下降により負荷ポート側の圧力が下降して設定圧力と圧力平衡すると、圧力制御弁8は弁体21が第2位置Yから中立位置Zに切換操作されて設定圧力を設定する自重で下方向へ摺動して図2に示す如きに成り、各ポートP、A1、A2、E1、E2間を遮断する。このようにして、油タンク1内部を、弁体21の自重に基づき設定した0.0015MPaの設定圧力より下限が低く上限が高い0.0005MPaから0.0025MPaの微圧な圧力範囲内に維持する。
【0013】
かかる作動で、供給ポートPに接続する供給流路9の圧力はリリーフ付き減圧弁14で0.05MPaに設定して0.0005MPaから0.0025MPaの微圧な圧力範囲内に維持する油タンク1内部との圧力差が大きく、弁体21の第1位置Xで圧縮空気を供給ポートPから第1負荷ポートA1を流して油タンク1内部の空間Cに導入する際に、供給ポートP側と油タンク1内部の大きな圧力差により大流量の圧縮空気を導入することができて供給ポートP、第1負荷ポートA1の有効断面積を大きく設けなくて良く、弁体21の第2位置Yで油タンク1内部の空間Cにある圧縮空気を外気に排気する際に、圧縮空気を第1負荷ポートA1より第1排気ポートE1を流して排気するのに加え、第2負荷ポートA2より第2排気ポートE2を流して外気に排気するから、微圧な油タンク1内部と大気圧である外気との小さな圧力差でも大流量の圧縮空気を排気することができる。このため、従来の如き、供給ポートと負荷ポートと排気ポートの各ポートの有効断面積を大きく設けた弁に比し、圧力制御弁8は弁全体の大型化を抑制することができて大流量の圧縮空気を排気可能にでき、大容量の油タンクに好適に使用することができる。
【0014】
また、圧力制御弁8は、油タンク1内部の貯蔵作動油量の増減に伴う予圧の上昇下降に応じる負荷ポート側の圧力で弁体21を中立位置Zから各位置X、Yに切換操作して、油圧ポンプ2による貯蔵作動油の吸入吐出や外部負荷より戻り流路7を流れての作動油の還流による貯蔵作動油量の急激な変動にかかわりなく油タンク1内部を常時一定の圧力範囲(0.0005MPaから0.0025MPa)内に維持することができるから、従来の如き、圧力検出センサ、制御器を不要にできて低コストにすることができる。さらにまた、設定圧力を弁体21の自重に基づいて設定しているため、設定圧力をばね力、パイロツト圧力、電磁力等により設定するものに比べ、格別の部材を必要とせず部品点数を削減でき、より低コストにすることができる。
【0015】
図4は本発明の他実施例を示し、一実施例と同一個所については同符号を付して説明を省略し、異なる個所についてのみ説明する。
圧力制御弁8Aは弁本体16を図4の横方向に配置し、弁体21Dの軸方向両端に大きなばね力のばね24Aと小さなばね力のばね24Bとを収装し、弁体21Dにばね24A、24B力を対向作用して設け、このばね24A、24B力差に基づき設定圧力(0.0015MPa)を設定して設けている。
【0016】
作動は、図4は圧縮空気を供給していない状態を示し、弁体21はばね24A、24B力差に基づく設定圧力で左方端にあり第1負荷ポートA1を供給ポートPに連通して第2負荷ポートA2を遮断する第1位置X(図1(A)に示す。)に位置している。そして、圧縮空気の供給で油タンク内部に予圧を付与する負荷ポート側の圧力が上昇して設定圧力と圧力平衡すると、弁体21Dが図4の右方向へ摺動して第1位置Xから中立位置Zに切換操作され、一実施例と同様に、油タンク内部の貯蔵作動油量の増減に伴う予圧の上昇下降に応じる負荷ポート側の圧力で弁体21Dが中立位置Zと各位置X、Y間を切換操作される。
【0017】
そして、圧力制御弁8Aは、弁全体の大型化を抑制できて大流量の圧縮空気を排気可能にでき、大容量の油タンクに好適に使用することができ、また、従来の如き圧力検出センサ、制御器を不要にできて低コストにすることができると言った一実施例と同様の作用効果を得ることができる。さらにまた、設定圧力を弁体21Dの軸方向に対向作用したばね24A、24B力差に基づいて設定しているため、弁体に負荷ポート側の圧力に軸方向へ対向作用するばね力に基づいて設定圧力を設定して設ける場合と比べ、0.0015MPaと言う非常に微圧な設定圧力を設定するのに各ばね24A、24B自体はばね力を低くすることなく線径を十分なものにでき、長期間にわたる弁体21Dの軸方向への摺動で各ばね24A、24Bに繰り返し作用するせん断力に対応できて耐久性を向上することができる。さらにまた、ばね24A、24B力差に基づいて設定圧力を設定しているため、弁体21Dを摺動自在に嵌合した弁本体16の配置方向にとらわれることなくできる。
【0018】
【発明の効果】
このように本発明は、弁本体の嵌合孔へ軸方向に間隙を有して供給ポートと第1負荷ポートと第2負荷ポートと第1排気ポートと第2排気ポートとを開口して設け、供給ポートは圧縮空気源に接続し、第1負荷ポートと第2負荷ポートは作動油を貯蔵する内部を密閉して貯蔵作動油を油圧ポンプで吸入吐出して外部負荷に供給したり外部負荷より作動油が還流したりして貯蔵作動油量が変動する油タンクの貯蔵作動油上の空間に接続し、第1排気ポートと第2排気ポートは外気に開放して設け、弁本体の嵌合孔には弁体を軸方向へ摺動自在に嵌合して設け、弁体にはその軸方向に自重若しくはばね力差に基づき設定した設定圧力に負荷ポート側の圧力を対向作用して設け、負荷ポート側の圧力が設定圧力より低い場合には弁体が第1負荷ポートを供給ポートに連通して第2負荷ポートを遮断する第1位置と、負荷ポート側の圧力が設定圧力より高い場合には弁体が第1負荷ポートを第1排気ポートに連通して第2負荷ポートを第2排気ポートに連通する第2位置と、負荷ポート側の圧力と設定圧力とが圧力平衡する場合には弁体が各ポート間を遮断する中立位置とを有しているため、大型化を抑制できて大流量の圧縮空気を排気可能にでき、大容量の油タンクに好適に使用することができる。また、圧力制御弁は、油タンク内部の貯蔵作動油量の増減に伴う予圧の上昇下降に応じる負荷ポート側の圧力で弁体を中立位置から第1位置と第2位置とに切換操作して、貯蔵作動油量の急激な変動にかかわりなく油タンク内部を常時一定の圧力範囲内に維持することができるから、従来の如き、圧力検出センサ、制御器を不要にできて低コストにすることができる効果を有する。
また、請求項1のものでは、設定圧力を弁体の自重に基づいて設定しているため、設定圧力を設定する格別の部材を必要とせず部品点数を削減でき、より低コストにすることができる効果を有する。
また、請求項2のものでは、設定圧力を弁体の軸方向に対向作用したばね力差に基づいて設定しているため、微圧な設定圧力を設定する場合であっても各ばね自体はばね力を低くすることなく線径を十分なものにでき、長期間にわたる弁体の軸方向への摺動で各ばねに繰り返し作用するせん断力に対応できて耐久性を向上することができる。さらにまた、弁体を摺動自在に嵌合した弁本体の配置方向にとらわれることなくできる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(A)は回路図、(B)は圧力制御弁の縦断面図である。
【図2】図1(B)の圧力制御弁の作動状態を示す縦断面図である。
【図3】図2とは異なる作動状態を示す圧力制御弁の縦断面図である。
【図4】本発明の他実施例を示した圧力制御弁の縦断面図である。
【図5】従来例を示した回路図である。
【符号の説明】
1油タンク
2油圧ポンプ
8、8A圧力制御弁
16、弁本体
17嵌合孔
21、21D弁体
24A、24Bばね
C空間
P供給ポート
A1第1負荷ポート
A2第2負荷ポート
E1第1排気ポート
E2第2排気ポート
X第1位置
Y第2位置
Z中立位置

Claims (2)

  1. 弁本体の嵌合孔へ軸方向に間隙を有して供給ポートと第1負荷ポートと第2負荷ポートと第1排気ポートと第2排気ポートとを開口して設け、供給ポートは圧縮空気源に接続し、第1負荷ポートと第2負荷ポートは作動油を貯蔵する内部を密閉して貯蔵作動油を油圧ポンプで吸入吐出して外部負荷に供給したり外部負荷より作動油が還流したりして貯蔵作動油量が変動する油タンクの貯蔵作動油上の空間に接続し、第1排気ポートと第2排気ポートは外気に開放して設け、弁本体の嵌合孔には弁体を軸方向へ摺動自在に嵌合して設け、弁体にはその軸方向に自重に基づき設定した設定圧力に負荷ポート側の圧力を対向作用して設け、負荷ポート側の圧力が設定圧力より低い場合には弁体が第1負荷ポートを供給ポートに連通して第2負荷ポートを遮断する第1位置と、負荷ポート側の圧力が設定圧力より高い場合には弁体が第1負荷ポートを第1排気ポートに連通して第2負荷ポートを第2排気ポートに連通する第2位置と、負荷ポート側の圧力と設定圧力とが圧力平衡する場合には弁体が各ポート間を遮断する中立位置とを有して成る圧力制御弁。
  2. 弁本体の嵌合孔へ軸方向に間隙を有して供給ポートと第1負荷ポートと第2負荷ポートと第1排気ポートと第2排気ポートとを開口して設け、供給ポートは圧縮空気源に接続し、第1負荷ポートと第2負荷ポートは作動油を貯蔵する内部を密閉して貯蔵作動油を油圧ポンプで吸入吐出して外部負荷に供給したり外部負荷より作動油が還流したりして貯蔵作動油量が変動する油タンクの貯蔵作動油上の空間に接続し、第1排気ポートと第2排気ポートは外気に開放して設け、弁本体の嵌合孔には弁体を軸方向へ摺動自在に嵌合して設け、弁体にはその軸方向にばね力を対向作用して設け、このばね力差に基づき設定した設定圧力に負荷ポート側の圧力を対向作用して設け、負荷ポート側の圧力が設定圧力より低い場合には弁体が第1負荷ポートを供給ポートに連通して第2負荷ポートを遮断する第1位置と、負荷ポート側の圧力が設定圧力より高い場合には弁体が第1負荷ポートを第1排気ポートに連通して第2負荷ポートを第2排気ポートに連通する第2位置と、負荷ポート側の圧力と設定圧力とが圧力平衡する場合には弁体が各ポート間を遮断する中立位置とを有して成る圧力制御弁。
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