JP3649656B2 - 半導体レーザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体レーザに関し、詳しくは、利得領域以外の活性領域に注入される電流量が少なく、発振閾値が低く、消費電力が少ない電流注入型の半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、短波長系の半導体レーザとして、窒化物半導体を用いた半導体レーザが非常に注目されている。窒化物半導体は、III族元素であるAl、Ga、Inの少なくとも一つと、窒素との化合物であり、GaN、AlGaN、InGaN、あるいは、AlInGaN等が知られている。これらの窒化物半導体は、緑色・青色から近紫外領域の短波長帯の発光材料として、近年盛んに研究および技術開発が行われている。特に、窒化物半導体を用いた半導体レーザ(以下、窒化物半導体レーザと記す)は、波長400nm前後の紫色での室温連続発振が、研究レベルで達成されている〔S.Nakamura,et al.,Appl.Phys.Lett.70,869(1997).S.Nakamura,et l.,Appl.Phys.Lett.73,832(1996).N.Naganuma,et al.,第59回応用物理学会学術講演会講演予稿集、No.1,p.328〕。
【0003】
窒化物半導体レーザのレーザミラーは、ドライエッチング〔S.Nakamura,et al.,Appl.Phys.Lett.70,869(1997)、N.Naganuma,et al.,第59回応用物理学会学術講演会講演予稿集、No.1,p.328〕や劈開〔S.Nakamura,et al.,Appl.Phys.Lett.73,832(1996)〕を用いて作製されている。
【0004】
しかし、ドライエッチングによって窒化物半導体レーザのレーザミラーを形成すると、レーザミラー表面にエッチングによるプロセスダメージを受け、また基板に対して正確に垂直な面を形成するのが困難である。
【0005】
また、劈開によってレーザミラーを形成する方法においては、サファイア上に窒化物半導体を堆積した場合、窒化物半導体層とサファイア基板の間で壁開面がずれているため、そのままでは平坦な劈開面を得るのは困難である。そのため、サファイア上に、GaNを非常に厚く(〜200μm)堆積した後、サファイアを除去して形成されたGaN基板を用いて、壁開型レーザを作製する方法が提案されている。
【0006】
一方、有機金属気相成長法(MOCVD)による選択成長法をレーザミラーの形成に用いると、成長基板面に対して完全に垂直で、原子レベルで平坦なファセット面を持った、窒化物半導体のミクロンサイズの構造体を形成することが可能である〔安藤精後、他、応用物理65、728(1996)〕。窒化物半導体のミクロンサイズの構造体としては、たとえば、底面が正六角形である六角柱構造を製造できる〔T.Akasaka, et al.,Appl.Phys.Lett.71(1997)2196]。この六角柱構造をレーザに応用した場合(以下、このような構造のレーザを六角柱ファセットレーザと記す)、レーザ光の光路は六角柱構造のファセット面に内接する六角形になり、全反射の条件でレーザ光は反射を繰り返す。通常のファブリ・ペロー型のレーザでは、レーザ光は反射鏡にほぼ垂直に入射し、反射率は0.2〜0.3程度と低い。しかし、六角柱ファセットレーザのレーザミラーは、特別な端面反射コーティングを用いなくても、原理的に反射率が極めて高い(反射率〜1)という優れた特長を有している。そのため、このようなレーザミラーを用いた六角柱ファセットレーザは、レーザ発振の閾値を低くすることができると期待される。さらに、六角柱ファセットレーザの場合、成長基板上のマスクパターンを適宜設計して用いることにより、プロセスダメージを生じることなしに、1回の成長によって、一つの基板上に、複数個のファセットレーザを同時に形成することも可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の窒化物半導体六角柱ファセットレーザの断面構造および平面構造の一例を図1に示す。このような構造のファセットレーザは、下記方法によって作製された。
【0008】
まず、図2に示したように、主表面が(000l)面であるサファイア基板1上に、MOCVDを用いて、n型GaN層2、n側クラッド層となるn型A1GaN層3、およびコンタクト層となる第二のn型GaN層4を順次エピタキシャル成長させる。次に、周知のCVD法を用いて二酸化シリコン膜を上記第二のn型GaN層4の表面上に形成した後、周知のフォトリソグラフィー法と湿式エッチング法によって、上記二酸化シリコン膜の所定部分を除去し、六角形の微小な開口部を有するマスク5を形成する。
【0009】
次に、MOCVDによる選択成長法を用いて、n側の光ガイド層となる第三のn型GaN層6、活性層となるInGaN多重量子井戸(MQW)7、p側の光ガイド層となるp型GaN層8、p側のクラッド層となるp型AlGaN層9、およびp側のコンタクト層となる第二のp型GaN層10を順次成長させる。
【0010】
このような方法によって、図2に示した窒化物半導体六角柱ファセットレーザが、上記酸化シリコンからなるマスク5が有する六角形の微小な開口部内に形成される。なお、p型GaN上へのp型A1GaNの成長は、選択性が低いため、p型A1GaN層9をp型GaN層8の上に成長させる際に、酸化シリコンマスク5の上にも多結晶のp型A1GaN13が若干析出する。
【0011】
さらに、周知の湿式エッチング法を用いて、上記酸化シリコンマスク5を、その上に被着された多結晶のAlGaN層13と共に除去した後、図1に示したように、露出された上記第二のn型GaNエピタキシャル層4の表面上に、n型GaNに対してオーミック性であるTi/Au膜を形成し、不要部分を除去してn電極であるTi/Au電極11を形成する。さらに、上記第二のp型GaN層10の表面上に、p型のGaNに対してオーミック性であるNi/Au膜を形成し、不要部分を除去して、p電極であるNi/Au電極12を形成する。以上の工程により、図1に示した電流注入型の窒化物半導体六角柱ファセットレーザが製造される。
【0012】
六角柱ファセットレーザにおいては、レーザ内部の内接六角形のレーザ光路を起点として、そこから少数キャリアの拡散長の範囲内の活性層が、レーザ発振に寄与する利得領域である。しかし、図1に示した電流注入型の従来の窒化物半導体六角柱ファセットレーザにおいては、p電極であるNi/Au電極12が、第二のp型GaN層10の表面のほとんどすべてを覆っている。そのため、利得領域以外の活性層にも電流が注入されてしまい、六角柱ファセットレーザの発振閾値や消費電力が増大してしまうという問題が存在した。
【0013】
本発明の目的は、従来の化合物半導体レーザの有する上記問題を解決し、発振閾値や消費電力が低い半導体レーザを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、利得領域以外の活性層に対する電流注入が十分少なく、発振閾値の上昇や消費電力の増大を効果的に抑制することができる電流注入型半導体ファセットレーザを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の半導体レーザは、化合物半導体の多角柱構造体の側面のファセットをレーザミラーとして用いる半導体レーザであって、上記多角柱構造体の上面には円環状の電極が設けられ、上記円環状の電極の外周および内周は、それぞれ上記多角柱構造体の上面の内接円および内接多角形の内接円であり、上記多角柱構造体中においてレーザ光が利得導波されることを特徴とする。
【0016】
すなわち、本発明の半導体レーザにおいては、たとえば図3に断面構造および平面構造の一例を示したように、上記多角柱構造体の上面上に形成されたNi/Au電極12'は、上記多角柱構造体の上面を周回する円環状(ドーナツ型)のストライプ電極(帯状電極)であり、上記多角柱構造体の上面をすべて覆うように設けられた従来の半導体レーザとは著しく異なっている。そのため、利得領域以外の活性層に注入される電流量は極めて少なく、発振閾値や消費電力は従来よりはるかに低い。上記円環状(ドーナツ型)の電極の外周および内周を、それぞれ上記多角柱構造体の上面の内接円および内接多角形の内接円とすれば、上記円環状の電極の面積を最小とすることができる。
【0017】
上記多角柱構造体としては、正六角柱構造体若しくは正三角柱構造体を用いることができ、いずれも極めて良好な結果を得ことができる。
【0021】
本発明は、上記化合物半導体として、窒化物化合物半導体を用いた場合に極めて好ましい効果が得られるが、窒化物半導体のみではなく、各種III−V族化合物半導体若しくはII−VI族化合物半導体に用いても、良好な効果を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施例1
本発明によって製造された、窒化物半導体からなり、利得導波構造を有する電流注入型六角柱ファセットレーザの、断面構造およびその平面構造の一例を図3に示した。このレーザ構造は、図1に示した電流住人型の窒化物半導体六角柱ファセットレーザとは異なり、p電極が六角柱構造体の全上面を覆う電極12ではなく、ドーナツ型(円環状)Ni/Au電極12'が、上記六角柱構造体の上面を周回するように設けられている。この六角柱ファセットレーザは、真上から見た平面構造から明らかなように、内接六角形のレーザ光路が、ドーナツ型Ni/Au電極12'内に完全に含まれている。したがって、最小面積のドーナツ型のp電極を得るためには、p電極であるドーナツ型Ni/Au電極12'の外周を正六角形である上面の内接円とし、内周が内接六角形の内接円となるようにすればよい。
【0023】
このようなドーナツ型のp電極12'を用いることにより、利得領域の活性層周辺のみに電流が注入される利得導波型の六角柱ファセットレーザを得ることができる。その結果、六角柱構造体の上面全体を覆うp電極を用いた上記従来構造の場合に比べて、閾値や消費電力を著しく低下させることができた。
【0024】
また、図3に示した構造においては、p電極としてドーナツ型のNi/Au電極12'を用いたが、ドーナツ型のみではなく、図4に示した参考例1のように、内接六角形のレーザ光路に概ね平行になるような、帯状の六角形のNi/Au電極12''を用いても、同様な閾値や消費電力の低下を実現することができた。
【0025】
実施例2
上記実施例1においては、正六角形の開口部を有するマスク材を用いて、六角柱ファセットレーザを形成したが、本実施例においては、正三角形の開口部を有するマスク材を用いてMOCVDの選択成長を行い、窒化物半導体の三角柱ファセットレーザを作製した。本実施例においても、図5に示したように、真上から見たときに、内接三角形のレーザ光路を含むようなドーナツ型のNi/Au電極12'をp電極として用いて、利得導液型の三角柱ファセットレーザを製造することができた。
【0026】
p電極であるドーナツ型のNi/Au電極12'の面積を最小にするためには、ドーナツ型のNi/Au電極12'の外周を三角柱の正三角形である上面の内接円とし、内周が内接三角形の内接円となるようにすればよい。
【0027】
さらに、図6に示した参考例2のように、真上から見たときに内接三角形のレーザ光路に概ね平行になるような、帯状の三角形のNi/Au電極12'''をp型電極として用いても、閾値や消費電力の低下を実現することができた。
【0028】
実施例3
図3および図5に示した、ドーナツ型のNi/Au電極12'を有する、利得導波型の窒化物半導体六角柱ファセットレーザの製造方法の一例を説明する。
【0029】
図7は、本実施例に使用した半導体薄膜作製装置の基本構成を示す図である。図7において、記号1は主表面の方位が(000l)であるサファイア基板、14は反応槽、15は基板支持合、16は基板を加熱するためのヒーター、17は各層を成長させる半導体薄膜の原料となるガスを供給するための原料供給管を、それぞれ表す。
【0030】
まず、反応槽14内の基板支持合15上にサファイア基板1を配置し、上記原料供給管17を通して窒素および水素を数s1m流しながら圧力を約300Torrに保ち、サファイア基板1をll00℃程度に加熱した。この状態を約10分間継続して、サファイア基板1の表面を熱的にクリーニングした。次に、サファイア基板1の温度を約450℃まで低下させて、原料供給管17よりアンモニアガスとトリメチルガリウム(TMG)を導入し、低温バッファー層として厚さ約40nmのn型GaN層(図示せず)を形成した。
【0031】
TMGの供給を止め、サファイア基板1の温度を再び1000℃程度まで上昇させ、TMGおよびシランを導入して気相エピタキシャル成長を行い、図2に示したように、l000nm厚の第一のn型のGaN層2を形成した。さらに、TMGおよびシランの供給を続けながらTMA(トリメチルアルミニウム)を導入し、500nm厚のn型Al0.1Ga0.9N層3を形成した。最後に、TMAの供給を止めて、20nm厚の第二のn型GaN層4を形成した。以上の工程により、選択成長用下地基板が作製された。
【0032】
このようにして作製された選択成長用下地基板の表面に、スパッタリング法を用いて厚さ約50nmの二酸化シリコン膜を形成した。次にフォトリソグラフィー法を用いて、この二酸化シリコン膜に六角形の開口部パターンを形成して、選択成長用下地基板の表面を一部露出させ、図8に示したように、六角形の開口部20を有する二酸化シリコンマスク19を形成した。六角形の開口部20の各辺を、サファイア基板1の[1l20]方向に平行とすることが重要である。また、六角形の一辺の長さは、10から500ミクロンの間で適宜設定することができる。なお、本明細書および添付図面において、2および1は、それぞれ−2および−1を表す。
【0033】
上記二酸化シリコンマスクを形成した後、再び上記基板支持合15上に置き、上記原料供給管17を通して窒素および水素を数slm流し、反応槽14内の圧力を約300Torrに保った。次に、温度を約1000℃に上昇させた後、原料供給管17を通して反応槽14内にアンモニアガス、TMGおよびシランを導入した。これにより、上記二酸化シリコンのマスのク19の開口部20を介して露出された部分上のみに、選択的にn型GaNがエピタキシャル成長した。その結果、垂直ファセット面に囲まれた、六角形のn型GaN層6が形成された。この六角形のn型GaN層6のの上面は(0001)面、側面は六つの等価な{1120}面で基板に対して完全に垂直であった。また、高さ(厚さ)はl00nmであった。
【0034】
水素ガス、TMGおよびシランの供給を停止した後、基板温度を830℃まで低下させた。この状態では、反応構14内には窒素とアンモニアのみが供給されている。温度が安定した後、TMG、TMI(トリメチルインジウム)およびシランを導入して、活性層であるInGaNMQW7を形成した。この時、InGaNMQWのバリア層を堆積するときは、TMIの流量を比較的少なくして、In組成がより小さいIn0.02Ga0.98Nを形成し、井戸層を堆積するときは、TMIの流量を比較的多くして、In組成がより大きいIn0.15Ga0.85Nを形成した。MQWの層数は2〜5層程度が適当である。InGaNMQW7の厚さは20〜45nmとした。
【0035】
この場合、(000l)面上および{1120}面上におけるInGaNMQW7の成長速度が同程度となるように、成長条件を調節して成長を行い、その結果、InGaNMQW7は、n型GaN層6の(000l)面からなる上面と、六つの等価な{1120}面からなる側面を、同じ厚さで覆うように成長した。なお、マスクとして用いた二酸化シリコン薄膜上には、InGaNMQWは成長しなかった。
【0036】
次に、TMG、TMIおよびシランの供給を停止して、基板温度を1050℃に上昇させた。この際、反応槽14内を流れるガスを、窒素とアンモニアのみにすることが必要であり、水素を同時に流すと、基板温度を上昇させる過程で、InGaNMQW7が分解・蒸発してしまう。基板温度が、1050℃に安定した後、水素、TMGおよびCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を供給し、p型GaN層8を成長させた。
【0037】
このとき、成長条件を適宜選択して、p型GaNの(000l)面上の成長速度と{112O}面上の成長速度を同程度とした。その結果、p型GaN層8は、(0001)面からなる上面と、六つの等価な{1120}面からなる側面上に、それぞれ100nm厚で覆うように成長した。マスクとして用いた二酸化シリコン薄膜上には、p型GaNは成長しなかった。
【0038】
次に、TMAを導入して、p型Al0.1Ga0.9N層9を形成した。このときも、適当な成長条件を選ぶことにより、p型Al0.1Ga0.9Nの(0001)面上における成長速度と{1120}面上における成長速度を同程度とした。その結果、p型Al0.1Ga0.9N層9が、上記(0001)面からなる上面と、六つの等価な{1120}面からなる側面上に、それぞれ500nm厚で覆うように形成された。なお、p型Al0.1Ga0.9Nは、選択性が比較的低いため、二酸化シリコン薄膜からなるマスク上にも多結晶AlxGa1−xN(0<x<1)が、若干堆積してしまうが、多結晶粒のファセッティングにより、その堆積量は比較的少なかった。
【0039】
TMAの導入を停止して第二のp型GaN層10を形成し、上記(000l)面からなる上面上と、六つの等価な{l120}面からなる側面上を、それぞれ20nm厚で覆った。以上の工程によって、図2に示したように、上面上が(000l)、側面が六つの等価な{l120}面である六角柱構造体を有する六角柱ファセットレーザ構造が形成された。
【0040】
次に、上記基板を冷却した後、反応槽14より取り出し、濃フッ酸溶液に10秒浸せきして、上記二酸化シリコンマスクを、その上に析出した多結晶AlxGa1−xN(0<x<1)と共にすべて除去した。さらに、電子ビーム真空蒸着装置を用いて、Ni層(厚さ40nm)とAu層(厚さl00nm)を、全面に積層して形成した。周知のフォトリソグラフィー法および湿式エッチング法によって、これらNi/Au層の不要部分を除去して、上記六角柱ファセットレーザの上面上に、ドーナツ型のNi/Au電極12'を形成した。
【0041】
さらに、電子ビーム真空蒸着装置を用いて、Ti層(厚40nm)およびAu層(厚さ100nm)を、全面に積層して形成した。このTi/Au層を、周知のフォトリソグラフィー法と湿式エッチング法によって不要部分を除去して、上記六角柱構造体の周囲に残るようにパーターンニングし、n電極であるTi/Au電極11を形成し、図3に示したような、ドーナツ状のTi/Au電極12'を有する利得導波型の窒化物半導体六角柱ファセットレーザが製造された。
【0042】
本実施例によって形成された、六角形の一辺の長さがl00μmである、ドーナツ型のp電極を有する利得導波型の窒化物半導体六角柱ファセットレーザを、電流注入によって室温パルス発振させたところ、従来の全面型p電極を有する窒化物半導体六角柱ファセットレーザと比較して、一桁程度低い発振閾値が得られ、本発明の効果が確認された。
【0043】
なお、本実施例では、六角形の開口部を有するマスクを用いて六角柱構造体を形成した場合を説明したが、三角形の開口部を有するマスクを用いて、図5および図6に示した三角柱構造体を形成することができた。同様に、p電極を形成する際に使用されるマスクの開口部の形状を変えることによって、p電極の形状をドーナツ型のみではなく、六角型若しくは三角型の帯状とすることができた。
【0044】
また、上記各実施例は、化合物半導体として窒化物半導体を使用した例を示したが、本発明は窒化物半導体に限定されるものではなく、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体など、他の化合物半導体を用いたファセットレーザにも応用可能である。さらに、上記各実施例においては、電極11、12としてNi/Au電極およびTi/Au電極をそれぞれ使用した例を示しが、本発明におけるp電極およびn電極としては、これらの膜に限定されるものではなく、下地との間で良好なオーミック接続が得られる材料の膜を広く使用できる。
【0045】
実施例4
上記実施例1、2、3では、サファイア基板1側をn型側とし、ファセットレーザの上面側をp型側とする六角柱および三角柱ファセットレーザの例を示したが、サファイア基板1側をp型側とし、ファセットレーザの上面側をn型側とすることもできる。
【0046】
すなわち、上記実施例1、2、3において、上記各化合物半導体層の導電型を上記実施例1、2、3とは逆にして、各n型層をp型層、各p型層をn型層とすれば、多角形構造体の上面上の電極ををn電極、多角形構造体の周囲に形成された電極をp電極とする、利得導波型の六角柱および三角柱ファセットレーザが形成される。この場合、p電極およびn電極としては、それぞれ下地と良好なオーミック接続が得られる材質を選択すれよく、たとえばp電極としてはNi/Au膜、n電極としてはTi/Au膜を、それぞれ用いることができる。
【0047】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば、多角柱状構造体の上面を周回するストライプ電極を用いた利得導波構造を導入することによって、発振閾値が低く、消費電力の少ない電流注入型の化合物半導体ファセットレーザを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の半導体六角柱ファセットレーザの断面および平面構造を示す図。
【図2】 半導体六角柱ファセットレーザの製造方法を説明するための図。
【図3】 本発明の第1の実施例の断面および平面構造を示す図。
【図4】 本発明の第1の参考例の断面および平面構造を示す図。
【図5】 本発明の第2の実施例の断面および平面構造を示す図。
【図6】 本発明の第2の参考例の断面および平面構造を示す図。
【図7】 半導体薄膜作製装置の基本構成の一例を示す図。
【図8】 六角柱構造を形成するためのマスクの開口部を説明するための図。
【符号の説明】
1…サファイア基板、2…n型GaN層、3…n型AlGaN層、4…n型GaN層、5…酸化シリコンマスク、6…n型GaN層、7…InGaNMQW、8…p型GaN層、9…p型AlGaN層、10…p型GaN層、11…Ti/Au電極、12…Ni/Au電極、12'…ドーナツ状のNi/Au電極、12''…六角形のNi/Au電極、12'''…三角形のNi/Au電極、13…多結晶AlGaN層、14…反応槽、15…基板支持台、.16…ヒーター、17…原料供給管、19…二酸化シリコンマスク、20…開口部。
Claims (3)
- 化合物半導体の多角柱構造体の側面のファセットをレーザミラーとして用いる半導体レーザであって、上記多角柱構造体の上面には円環状の電極が設けられ、上記円環状の電極の外周および内周は、それぞれ上記多角柱構造体の上面の内接円および内接多角形の内接円であり、上記多角柱構造体中においてレーザ光が利得導波されることを特徴とする半導体レーザ。
- 上記多角柱構造体の上面は、正六角形または正三角形であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。
- 上記化合物半導体は、窒化物半導体、 III −V族化合物半導体若しくは II −V I 族化合物半導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ。
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