JP3648932B2

JP3648932B2 - 電圧形インバータ装置

Info

Publication number: JP3648932B2
Application number: JP21145297A
Authority: JP
Inventors: 善久奥田
Original assignee: Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
Current assignee: Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
Priority date: 1997-08-06
Filing date: 1997-08-06
Publication date: 2005-05-18
Anticipated expiration: 2017-08-06
Also published as: JPH1169828A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流電動機を可変速駆動する電圧形インバータ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、この種の電圧形インバータ装置の従来例を示す回路構成図である。
図３において、１は商用電源などの交流電源、２は交流電動機、３は交流電動機２を動力源とする産業機械などの負荷、１０は電圧形インバータ装置を示す。この電圧形インバータ装置１０には、例えば複数個のダイオードをブリッジ接続してなる整流回路１１と、電解コンデンサなどの平滑用コンデンサ１２と、複数個の半導体スイッチをブリッジ接続してなる逆変換回路１３と、逆変換回路１３を構成する半導体スイッチをオン・オフさせることにより逆変換回路１３から所望の周波数，電圧の交流電圧を出力するように制御する制御回路１４と、平滑用コンデンサ１２の一端に接続される制動抵抗１５と、平滑用コンデンサ１２の他端と制動抵抗１５の他端との間に接続されるスイッチとしてのトランジスタ１６と、平滑用コンデンサ１２の両端の電圧が所定の値を越えたときにトランジスタ１６をオンさせる電圧検出回路１７と、操作パネル１８とを備えている。
【０００３】
図３に示した操作パネル１８は電圧形インバータ装置１０の運転，停止などの操作と、電圧形インバータ装置１０が出力する周波数などの設定と、電圧形インバータ装置１０の動作状態などの表示とを行わせる機能を備えている。
なお、図３に示した電圧形インバータ装置１０は周知の技術により構成されているので、ここではその詳細動作の説明を省略する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
図３に示した電圧形インバータ装置１０において、制動抵抗１５の抵抗値は、逆変換回路１３を構成する半導体スイッチの定格電圧，定格電流と、平滑用コンデンサ１２の定格電圧，容量と、整流回路１１と平滑用コンデンサ１２とを介した定格直流電圧とから設定されるが、制動抵抗１５の定格消費電力値は負荷３の要求動作に基づいて交流電動機２が減速中に、交流電動機２から逆変換回路１３を介して平滑用コンデンサ１２に回生される時間の所定の期間内の集計値に基づいて決定される。
【０００５】
従来は電圧形インバータ装置１０を小型化する目的などから、電圧形インバータ装置１０の内部に備える制動抵抗１５の定格消費電力値は最小限の値の抵抗器とし、前記集計値に基づく値が内部に備える制動抵抗１５の定格消費電力値を越える場合には、内部に備える制動抵抗１５が焼損する恐れがあるので、この制動抵抗１５の接続を除去し、前記集計値に基づく値に耐えうる定格消費電力値の制動抵抗を外部に設置し、新たな制動抵抗１５とするような方策を講じていた。
【０００６】
しかしながら外部に設置する制動抵抗１５の定格消費電力値を決定するためには、この電圧形インバータ装置１０により交流電動機２を介した負荷３が動作中に、派遣された技術員がオシロスコープなどの計測器を用いて制動抵抗１５に電流が流れる期間、すなわち制動抵抗の前記使用率を計測する必要があった。
この発明の目的は上記問題点を解決し、自動的に前記制動抵抗の使用率を計測する機能を備えた電圧形インバータ装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この発明は、交流電源の電圧を整流回路と平滑用コンデンサとにより平滑された直流電圧に変換し、この直流電圧を逆変換回路により所望の周波数，電圧の交流に変換して交流電動機を可変速駆動する電圧形インバータ装置において、
前記平滑用コンデンサの両端に接続される制動抵抗とスイッチの直列回路と、前記平滑用コンデンサの両端の電圧が所定の値を越えたときに前記スイッチを閉路させる電圧検出回路と、外部からの開始指令に基づいて、所定期間（Ｔ）内の前記スイッチが閉路している時間を集計し、この集計時間（Σｔ）を出力する集計回路と、前記期間（Ｔ）と集計時間（Σｔ）とから前記制動抵抗の使用率（ｘ％：ｘ＝（Σｔ／Ｔ）・１００）を演算する使用率演算回路と、前記使用率（ｘ％）を前記期間（Ｔ）が終了時に外部へ表示する表示回路とを備える。
【０００８】
この発明によれば、前記制動抵抗の使用率の表示を電圧形インバータ装置自体が行うことにより、この表示値に基づいて該制動抵抗の定格消費電力値を容易に決定することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図１は、この発明の実施例を示す電圧形インバータ装置の回路構成図であり、図３に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付している。
図１に示した電圧形インバータ装置２０には整流回路１１，平滑用コンデンサ１２，逆変換回路１３，制御回路１４，制動抵抗１５，トランジスタ１６，電圧検出回路１７の他に、集計回路２１と、使用率演算回路２２と、操作パネル２３とを備えている。
【００１０】
図１に示した操作パネル２３は、図３に示した操作パネル１８と同一機能の電圧形インバータ装置２０の運転，停止などの操作、電圧形インバータ装置２０が出力する周波数などの設定、電圧形インバータ装置２０の動作状態などの表示の他に、制動抵抗１５の使用率を求めるための計測時間（Ｔ）を設定する機能と、集計回路２１と使用率演算回路２２の動作を開始させる指令を送出する機能と、使用率演算回路２２から出力される制動抵抗１５の使用率を表示する機能とが追加装備されている。
【００１１】
この電圧形インバータ装置２０に備える集計回路２１と使用率演算回路２２とによる制動抵抗１５の使用率を演算する動作を、図２に示す動作波形図を参照しつつ、以下に説明する。
図２（イ）は交流電動機２と負荷３とを駆動する電圧形インバータ装置２０の出力の周波数のタイムチャートを示し、図示の如く交流電動機２に対して起動−加速−一定速−減速−停止を繰り返す動作を行っている。
【００１２】
この動作中で交流電動機２が減速状態のときには、図２（ロ）に示す如く平滑用コンデンサ１２の両端電圧が交流電動機２からの回生電力により上昇し、この両端電圧が電圧検出回路１７の判定レベルを越えると、電圧検出回路１７からの出力により、図２（ハ）に示す如くトランジスタ１６をオンさせて制動抵抗１５によりこの回生電力の一部を消費させ、平滑用コンデンサ１２の両端電圧の上昇を抑えている。
【００１３】
図２（イ）に示したタイムチャート中の時刻Ｔ₀で操作パネル２３から発せられた開始指令に基づいて、予め操作パネル２３の操作により設定された期間（Ｔ）内のトランジスタ１６がオンしている時間をクロックパルス回路，カウンタ，ゲート回路などで構成される集計回路２１により、該期間（Ｔ）が終了する時刻Ｔ₁までの間、トランジスタ１６がオンしている期間中に該カウンタで計測された該クロックパルスの積算値（ΣＣ_LK）を求める。
【００１４】
この積算値（ΣＣ_LK）は、図２（ハ）に示すΣｔ₁とΣｔ₂の和に比例するので、トランジスタ１６がオンしている期間の集計時間（Σｔ：Σｔ＝（Σｔ₁＋Σｔ₂）∝ΣＣ_LK）と前記期間（Ｔ）とから除算器などで構成される使用率演算回路２２により、制動抵抗１５の使用率（ｘ％：ｘ＝（Σｔ／Ｔ）・１００）を演算し、この使用率（ｘ％）を前記期間（Ｔ）が終了時に操作パネル２３に送出し、操作パネル２３の表示素子に表示させる。
【００１５】
なお、上述の動作説明では操作パネル２３の操作により期間（Ｔ）を設定したが、この電圧形インバータ装置２０が運転中に、交流電動機２と交流電動機２を動力源とする産業機械などの負荷３の動作を目視して、操作パネル２３の操作により開始指令と終了指令とを与える方法でも、この発明の目的は達せられる。
【００１６】
【発明の効果】
この発明によれば、前記制動抵抗の使用率の表示を電圧形インバータ装置自体が行うことにより、この表示値に基づいて該制動抵抗の定格消費電力値を容易に決定することができ、特に電圧形インバータ装置で可変速駆動される交流電動機を動力源とする産業機械に対して、該機械が実稼働状態での制動抵抗の容量選定が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例を示す電圧形インバータ装置の回路構成図
【図２】図１の動作を説明する波形図
【図３】従来例を示す電圧形インバータ装置の回路構成図
【符号の説明】
１…交流電源、２…交流電動機、３…負荷、１０…電圧形インバータ装置、１１…整流回路、１２…平滑用コンデンサ、１３…逆変換回路、１４…制御回路、１５…制動抵抗、１６…トランジスタ、１７…電圧検出回路、１８…操作パネル、２０…電圧形インバータ装置、２１…集計回路、２２…使用率演算回路、２３…操作パネル。

Claims

交流電源の電圧を整流回路と平滑用コンデンサとにより平滑された直流電圧に変換し、この直流電圧を逆変換回路により所望の周波数，電圧の交流に変換して交流電動機を可変速駆動する電圧形インバータ装置において、
前記平滑用コンデンサの両端に接続される制動抵抗とスイッチの直列回路と、前記平滑用コンデンサの両端の電圧が所定の値を越えたときに前記スイッチを閉路させる電圧検出回路と、
外部からの開始指令に基づいて、所定期間（Ｔ）内の前記スイッチが閉路している時間を集計し、この集計時間（Σｔ）を出力する集計回路と、
前記期間（Ｔ）と集計時間（Σｔ）とから前記制動抵抗の使用率（ｘ％：ｘ＝（Σｔ／Ｔ）・１００）を演算する使用率演算回路と、
前記使用率（ｘ％）を前記期間（Ｔ）が終了時に外部へ表示する表示回路とを備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置。
請求項１記載の電圧形インバータ装置において、前記所定期間（Ｔ）は、予め設定された期間、あるいは外部からの開始指令入力時点から終了指令入力時点までの期間とすることを特徴とする電圧形インバータ装置。