JP3648275B2 - 竪型排熱ボイラ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は三重圧式の竪型排熱ボイラを示す概略図である。図に示すように、排ガス11が流れる排ガスダクトに接続されたボイラ本体12に低圧節炭器1、低圧蒸発器2、中圧節炭器3、中圧蒸発器4、低圧過熱器5、中圧過熱器6、高圧節炭器7、高圧蒸発器8、再熱器9、高圧過熱器10が設けられている。
【0003】
図5は従来の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。図に示すように、ボイラ本体12内に低圧蒸発器2の低圧蒸発水管33が水平に配置され、ボイラ本体12外に低圧ドラム34が設けられ、低圧ドラム34と低圧蒸発水管33の入口管寄35とが降水管31によって接続され、降水管31に缶水循環ポンプ46が設けられ、低圧蒸発水管33の出口管寄36と低圧ドラム34とが上昇管32によって接続され、低圧ドラム34に低圧飽和蒸気管41が接続されている。
【0004】
この竪型排熱ボイラにおいては、缶水循環ポンプ46によって低圧ドラム34から飽和温度の缶水39が降水管31を介して低圧蒸発水管33に供給され、缶水39が低圧蒸発水管33で吸熱して汽水混合物40となり、汽水混合物40は上昇管32を介して低圧ドラム34に戻り、低圧ドラム34に戻った汽水混合物40は汽水分離され、蒸気は低圧飽和蒸気管41に導かれる。なお、中圧蒸発器4等においても同様の動作が行なわれる。
【0005】
ところで、缶水39の比重は汽水混合物40の比重よりも大きいから、低圧蒸発水管33の管路抵抗が小さければ、低圧ドラム34、低圧蒸発水管33間で自然循環するので、缶水循環ポンプ46を設ける必要がない。しかし、缶水循環ポンプ46が設けられていないときには、低圧蒸発水管33の管路抵抗が大きいと、循環する流量が少なくなるから、低圧蒸発水管33の出口部での蒸気含有率が極端に増加するので、低圧蒸発水管33の温度が排ガス11の温度に近づくため、低圧蒸発水管33の材料を高温に耐えうるような材料にする必要がある。そこで、低圧蒸発水管33の管路抵抗を低減するために、低圧蒸発水管33の管径を大きくすることも考えられるが、これも好ましくない。これに対して、図5に示したように、缶水循環ポンプ46を設けたときには、低圧蒸発水管33の管路抵抗が大きくとも、循環する流量を多くすることができるから、低圧蒸発水管33の材料を高温に耐えうるような材料にする必要がなく、また低圧蒸発水管33の管径を大きくする必要がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような竪型排熱ボイラにおいては、缶水循環ポンプ46を使用しているから、運転コストが高価となり、また缶水循環ポンプ46は通常地上に設置されるから、設置面積が大きくなる。
【0007】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、運転コストが安価であり、また設置面積が小さい竪型排熱ボイラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明においては、蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の上昇管の入口部に蒸気管を接続する。
【0009】
また、蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の上昇管の入口部に飽和水管を接続する。
【0010】
また、蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の降水管の入口部に給水管を接続する。
【0011】
【作用】
これらの竪型排熱ボイラにおいては、降水管中の缶水の比重と上昇管中の汽水混合物の比重との差が大きくなるから、蒸発水管の管路抵抗が大きくとも、循環する流量が多くなるので、缶水循環ポンプを使用する必要がない。
【0012】
【実施例】
図1はこの発明に係る三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。図に示すように、上昇管32の入口部に中圧蒸発器4の中圧ドラム(図示せず)に接続された中圧飽和蒸気管37が接続され、中圧飽和蒸気管37の接続部での中圧飽和蒸気管37と上昇管32の上流側とのなす角は鋭角であり、中圧飽和蒸気管37に調節弁38が設けられている。
【0013】
この竪型排熱ボイラにおいては、中圧飽和蒸気管37により上昇管32の入口部に汽水混合物40よりも圧力が高い飽和蒸気を供給することができるから、缶水39の比重と汽水混合物40の比重との差が大きくなるので、この比重差と中圧飽和蒸気管37の接続部から低圧ドラム34の水面までの高さH1との積すなわち循環力が大きくなる。このため、低圧蒸発水管33の管路抵抗が大きくとも、循環する流量が多くなるから、缶水循環ポンプを使用する必要がないので、運転コストが安価となり、また従来の缶水循環ポンプの設置面積分だけ設置面積が小さくなる。また、同一の竪型排熱ボイラの中圧蒸発器4の中圧飽和蒸気管37を上昇管32に接続しているから、汽水混合物40に圧力が高い飽和蒸気を容易に供給することができる。また、中圧飽和蒸気管37の接続部での中圧飽和蒸気管37と上昇管32の上流側とのなす角は鋭角であるから、飽和蒸気が汽水混合物40の流れ方向に向けて注入されるので、循環する流量をより多くすることができる。
【0014】
図2はこの発明に係る他の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。図に示すように、上昇管32の入口部に中圧蒸発器4の中圧ドラム(図示せず)に接続された中圧飽和水管42が接続され、中圧飽和水管42の接続部での中圧飽和水管42と上昇管32の上流側とのなす角は鋭角であり、中圧飽和水管42に調節弁43が設けられている。
【0015】
この竪型排熱ボイラにおいては、中圧飽和水管42により上昇管32の入口部に汽水混合物40よりも圧力が高い飽和水を供給することができ、上昇管32に飽和水が供給されると、フラッシュ蒸気が発生するから、缶水39の比重と汽水混合物40の比重との差が大きくなるので、この比重差と中圧飽和水管42の接続部から低圧ドラム34の水面までの高さH2との積すなわち循環力が大きくなる。このため、低圧蒸発水管33の管路抵抗が大きくとも、循環する流量が多くなるから、缶水循環ポンプを使用する必要がないので、運転コストが安価となり、また従来の缶水循環ポンプの設置面積分だけ設置面積が小さくなる。また、同一の竪型排熱ボイラの中圧蒸発器4の中圧ドラムに接続された中圧飽和水管42を上昇管32に接続しているから、汽水混合物40に圧力が高い飽和水を容易に供給することができる。また、中圧飽和水管42の接続部での中圧飽和水管42と上昇管32の上流側とのなす角は鋭角であるから、飽和水が汽水混合物40の流れ方向に向けて注入されるので、循環する流量をより多くすることができる。
【0016】
図3はこの発明に係る他の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。図に示すように、降水管31の入口部にボイラ給水管44が接続され、ボイラ給水管44の接続部でのボイラ給水管44と降水管31の上流側とのなす角は鋭角であり、ボイラ給水管44に調節弁45が設けられている。
【0017】
この竪型排熱ボイラにおいては、ボイラ給水管44により降水管31の入口部に比重の大きいボイラ給水を供給することができ、降水管31にボイラ給水が供給されると、缶水39の比重と汽水混合物40の比重との差が大きくなるので、この比重差と入口管寄35からボイラ給水管44の接続部までの高さH3との積すなわち循環力が大きくなる。このため、低圧蒸発水管33の管路抵抗が大きくとも、循環する流量が多くなるから、缶水循環ポンプを使用する必要がないので、運転コストが安価となり、また従来の缶水循環ポンプの設置面積分だけ設置面積が小さくなる。また、ボイラ給水管44の接続部でのボイラ給水管44と降水管31の上流側とのなす角は鋭角であるから、ボイラ給水が缶水39の流れ方向に向けて注入されるので、循環する流量をより多くすることができる。
【0018】
なお、上述実施例においては、三重圧式の竪型排熱ボイラについて説明したが、他の竪型排熱ボイラにもこの発明を適用することができる。また、上述実施例においては、低圧蒸発器2について説明したが、中圧蒸発器4等にもこの発明を適用することができる。そして、中圧蒸発器4にこの発明を適用する場合には、同一の竪型排熱ボイラの高圧蒸発器8の高圧飽和蒸気管、高圧飽和水管を上昇管に接続すれば、汽水混合物に圧力が高い飽和蒸気、飽和水を容易に供給することができる。また、上述実施例においては、上昇管32に中圧蒸発器4の中圧飽和蒸気管37、中圧飽和水管42を接続したが、他のシステムの飽和蒸気管、飽和水管を上昇管32に接続してもよい。また、たとえば高圧蒸発器の降水管の入口部に給水管を接続したときには、他のシステムの飽和蒸気管、飽和水管を上昇管に接続することなく、循環する流量を多くすることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る竪型排熱ボイラにおいては、缶水循環ポンプを使用する必要がないから、運転コストが安価となり、また設置面積が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。
【図2】この発明に係る他の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。
【図3】この発明に係る他の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。
【図4】三重圧式の竪型排熱ボイラを示す概略図である。
【図5】従来の三重圧式の竪型排熱ボイラの一部を示す図である。
【符号の説明】
2…低圧蒸発器
31…降水管
32…上昇管
33…低圧蒸発水管
37…中圧飽和蒸気管
42…中圧飽和水管
44…ボイラ給水管
Claims (3)
- 蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の上昇管の入口部に蒸気管を接続したことを特徴とする竪型排熱ボイラ。
- 蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の上昇管の入口部に飽和水管を接続したことを特徴とする竪型排熱ボイラ。
- 蒸発器の蒸発水管が水平に配置された竪型排熱ボイラにおいて、上記蒸発器の降水管の入口部に給水管を接続したことを特徴とする竪型排熱ボイラ。
Priority Applications (1)
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JP31310894A JP3648275B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 竪型排熱ボイラ |
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JP31310894A JP3648275B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 竪型排熱ボイラ |
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