JP3647592B2 - プラズマ源及びこれを用いたイオン源並びにプラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は半導体や液晶パネル、太陽電池等の薄膜形成工程、および微細なパターンを形成するためのエッチング工程、および表面洗浄工程に用いられるプラズマ源及びそれを用いたイオン源並びにプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマ処理装置は高機能化とその処理コストの低減のために、高速化、高品質化、大面積化処理を実現する取り組みが盛んに行われている。その中の1つに表面波を利用したプラズマ処理装置がある。たとえばK.コマチ、ジャーナルオブバキュームサイエンスアンドテクノロジーA,第12巻,p.769,1994年(K.Komachi, Journal of Vacuum Science & Technology A,Vol.12, p.769(1994))等には以下に述べるようにマイクロ波を導体上の誘電体板に導入する方式の表面波励起型プラズマ処理装置が提案されている。
【0003】
このような従来のプラズマ処理装置の一例としては図11に示すものがある。図11は従来のプラズマ処理装置の反応室の断面図を示すものである。図11において,1は真空排気手段を備えた真空保持可能な真空容器で放電空間を形成する。2は被処理基板、3は排気口、4はガス導入口、5はマイクロ波を伝搬する矩形導波管、6は矩形導波管と連続した導体板、7は一部導波管内部挿入され導体板に張り付けられた誘電体板、8は真空機密を保つためのガラス板であり、誘電体板とガラス板の間にはギャップ9が設けられている。
【0004】
以上のように構成された従来のプラズマ処理装置について、以下その動作について説明する。まず、ガス導入口4を通してアルゴンや酸素のようなガスを30Pa(パスカル)程度真空容器1に導入する。次に矩形導波管5を通して2.45GHz・のマイクロ波10を誘電体板7の側面から内部に供給する。そして、マイクロ波は導体板6と誘電体板7の界面および誘電体板7とギャップ9の界面で反射しながら誘電体板7の内部を平面波として伝搬する。ここで、誘電体板7とギャップ9との界面でマイクロ波が全反射をしたとき、ギャップ9側に電磁界が指数関数的に減衰し減衰方向には波の形をとらないエバネセント波を発生させる。誘電体板7の表面から離れるに従って弱くなるエバネセント波は、誘電体板7表面に沿って伝わる波となることができ、これを一般に表面波と呼んでいる。この場合、エバネセント波のギャップ9側への侵入深さは波長程度(2.45GHz・のマイクロ波では約12.4cm)となるので、ガラス板を透過して真空容器1内にも漏れ出す。このエバネセント波により真空容器1内で導入ガスの放電が起こり、プラズマが生成する。このプラズマ中に発生したイオンや活性子に被処理基板2をさらすことにより洗浄などのプラズマ処理を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、エバネセント波の強度が弱く低ガス圧でプラズマを維持することが困難であり、また、平面波の強度分布が直接プラズマ密度分布に反映するので均一性が悪く大面積の基板に対しては適用でき難いという問題点を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、低ガス圧力領域で高密度のプラズマが生成でき大面積の基板でも均一に処理することができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は、プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室に隣接し且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部分とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるように構成したものである。
また、本発明は、プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室内に少なくとも一部が配置され且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方または両方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるように構成したものである。
【0008】
この構成によって、開口から発生したエバネセント波は開口径に応じて電界強度分布と侵入深さを変えることができ、また、開口の配置を最適化することにより電磁界分布の大面積均一性をよくし、低ガス圧でも強電界により高密度で均一なプラズマを発生させることができ、大面積の基板でも高速に均一に処理することができる。
【0009】
また、本発明の別の態様では、プラズマ生成室で発生したプラズマに電圧を印加してイオンビームを生成する手段を設けたことを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室に隣接し且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部分とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるプラズマ源であり、前記開口を透過した電磁波が前記プラズマ生成室内のガスに印加されることにより前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるという作用を有する。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室内に少なくとも一部が配置され且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方または両方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるプラズマ源であり、前記開口を透過した電磁波が前記プラズマ生成室内のガスに印加されることにより前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるという作用を有する。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のプラズマ源において、第1の導体及び第2の導体は、同軸上に配置された円筒部材により構成したものである。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ源において、第1の導体及び/または第2の導体に複数の開口を有するようにしたものである。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のプラズマ源において、電磁波はマイクロ波としたものである。
【0018】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ源に対して、更にプラズマ生成室内に発生したプラズマに電圧を印加してイオンビームを生成する電極を、プラズマ生成室に隣接して設けたものである。
【0019】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ源に対して、プラズマ生成室は、真空排気手段を備えた真空容器であり、前記真空容器内は、被処理基板を設置してプラズマ処理可能とするようにしたものであり、開口から漏れ出てくる電磁波で、均一高密度にプラズマを発生させることができ、大面積の基板でも均一に処理できるという作用を有する。
【0020】
(実施の形態1)
以下本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1、図2は、それぞれ、本発明の第1の実施の形態のプラズマ源を用いたイオンビーム源(以下「イオン源」という)の断面鳥瞰図と断面図を示す。図1及び図2において、11は半同軸キャビティで、第1の導体に相当する外部導体(たとえば、内径76.9mm、長さ152.3mm・)11aと、第2の導体に相当する中心導体(たとえば、外径33.4mm、長さ132.3mm・)11bとから成っており、テフロン円板12で支持されている。半同軸キャビティ11の一方にはN型コネクタ13が付けてあり、他の一方の中心導体11bの端末には誘電体円板14が設置されている。誘電体円板14は、たとえば、径52mm、厚さ10mmのパイレックスガラスでできている。誘電体円板14の一方の平面は第2の導体である中心導体11bの端面と接しており、他の一方は第1の導体である外部導体11aと接しており、誘電体円板14と接している外部導体11aは、多孔板15(開口部)となっている。多孔板15は、例えば、径40mm、厚さ0.5mm・のステンレス板でできており、φ1.7mm・の開口16が等間隔で169・個開けてある。多孔板15の先には、たとえば、内径40mm、長さ11mmの円盤状の空間であるプラズマ生成室17が設けられている。以上の構成がプラズマ源に相当する。
【0021】
また、プラズマ生成室17で発生したプラズマからイオンを引き出すためのイオン引き出し電極18が、プラズマ生成室17の多孔板15とは反対側に設置されている。イオン引き出し電極18はシールド電極18aと加速電極18bとで構成されている。これらは、たとえば、厚さ1mmのステンレス板でできており、1mm間隔で設置されている。シールド電極18aには、たとえば、等間隔で孔径φ2mmの孔が開けてあり、透過率は63%である。加速電極18bには、たとえば、径1.5mmの孔が、シールド電極18aの孔に対向して開けてある。引き出し電極18の先にはプロセス室19になっている。プロセス室19には排気用のポンプ(図示せず)が備え付けられている。また、シールド電極18aと加速電極18bの間に、たとえば、1kVのイオン引き出し電圧を印加できる手段(図示せず)がある。
【0022】
以上のように構成されたイオン源について、イオンビーム源として動作させた場合を図3を中心に説明する。プラズマ生成室17へは、ガス導入口20から、被イオン化ガスを流すことができる。プロセス室19の測定ガス圧力が、たとえば、0.01Paのとき、プラズマ生成室の計算ガス圧力は約0.2Paとなる。マイクロ波は、マイクロ波電源(図示せず)から同軸ケーブル(図示せず)を経てN型コネクタ13に送られる。スタブ形状のチューナー21を調整することにより、たとえば、2.45GHzで150Wのマイクロ波22が半同軸キャビティ11に供給される。図3に示すように、半同軸キャビティ11を伝搬してきたマイクロ波22は、誘電体円板14の側面全周から内部に供給される。そして、マイクロ波22は誘電体円板14表面と中心導体11b端面及び多孔板15との間で反射しながら誘電体円板14内部を伝搬する。このとき、プラズマ生成室17側に多孔板15の開口16を通してエバネセント波23が発生する。エバネセント波23とは、多孔板を離れるにつれ電磁界が指数関数的に減衰し、減衰方向には波の形を取らない状態である。多孔板15の表面から離れるに従って弱くなる電磁界パターンは、表面に沿って伝わる波となることができ、これを一般に表面波と呼んでいる。
【0023】
被イオン化ガスにたとえばアルゴンを使用すると、エバネセント波により、円筒のプラズマ生成室17にディスク状のプラズマ24が生成される。これにより、半同軸キャビティ11からプラズマ生成室17までの間はプラズマ源としての機能を有する。次に、たとえば、シールド電極18aに対して-1kVの電圧を加速電極18bに印加すると、約18mm径のアルゴンイオンビーム25を引き出し、加速することができる。これにより、半同軸キャビティ11からプラズマ生成室17を含みシールド電極18aおよび加速電極18bまでの間はイオン源としての機能を有する。実際の装置を用いて、上記のような条件で、アルゴンイオンビーム電流密度6mA/cm2 を得ることができた。
【0024】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図4は本発明の第2の実施の形態のプラズマ処理装置を示す断面図である。図4において、31はプラズマ生成室を構成するとともに真空排気手段を有する真空保持可能な真空容器、32は被処理基板、33はガス導入口、34は排気口、35は真空容器の側壁の一部分として接続された第1導体板で、開口36が設けられている。ここでは径40mmの穴を開けている。37は第1導体板と空隙をもって対向し設置してある第2導体板であり、38は第1導体板と第2導体板との空隙に詰めた誘電体板である。39は誘電体板38内に電磁波を伝送させるための電磁波源である。ここでは同軸線で供給されるマイクロ波(周波数2.45GHz)を用いている。
【0025】
以上のように構成されたプラズマ処理装置について、その動作を図5を中心に説明する。まず、真空容器31を0.1Pa・以下の真空度まで真空排気し、アルゴンをガス導入口33から真空容器31内に導入して、プラズマ点火圧力である10Pa程度に調圧する。次に、電磁波源39から発振された2.45GHz・のマイクロ波40を、誘電体板38(ここでは厚さ10mmのパイレックスガラス)の内部に伝搬させ、第1導体板35と第2導体板37の間で反射させる。このとき開口36の直径がマイクロ波40の波長(12.4cm ・)よりかなり短いので、開口36を通してZ方向へマイクロ波40が伝搬することができずに、電磁界が指数関数的に減衰し減衰方向には波の形をとらないエバネセント波41を発生させる。図6には誘電体板を円板とした場合の電磁界シミュレーション結果を示す。減衰しながら開口径程度に電磁界が真空容器31側に漏れだしているのが分かる。この電磁界により、真空容器31に設置されたテスラコイル(図示せず)のトリガー放電を一時的に作用させると被処理基板32上にアルゴンプラズマ42を発生させることができる。その後、ガス圧力を調整して、プラズマ処理を行うことができる。
【0026】
マイクロ波のパワーを100Wとした場合には、アルゴンガス圧力1Paで、
3×1011 (個/cm3)のプラズマ密度を得ることができた。また、0.01Paまで安定なプラズマを維持することができた。従来の表面波プラズマ処理装置の放電維持ガス圧力が数Pa程度で、そのときのプラズマ密度が1010個/cm3台であったので、プラズマ密度、放電維持ガス圧力ともに向上している。
【0027】
この結果から明らかなように、本実施の形態によるプラズマ処理装置はプラズマ処理においても、低ガス圧力領域で高速処理が可能となる。
【0028】
(実施の形態3)
以下本発明の第3の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この第3の実施の形態では、第1導体板に複数の開口を設けた多孔板を用いることにより、更に大面積での均一性を向上させ、かつ、均一性に対する装置の制御性も向上させることができる。図7は本発明の第3の実施の形態を示す断面鳥瞰図である。図7において、51は第2の実施の形態の第1導体板37の開口36を複数個設けて多孔板にした第1導体板であり、その他のものは第2の実施の形態の構成と同様なものである。 以上のような構成によれば、電磁波源52から発振された2.45GHz・のマイクロ波(図示せず)を、誘電体板53(ここでは厚さ10mmのパイレックスガラス)の内部に伝搬させ、第1導体板51と第2導体板54の間で反射させると、第1導体板51に、たとえば径1.7mm・の開口55を複数個開け開口率45%・にすることにより、個々の孔からエバネセント波56を発生させることができる。エバネセント波56は均質な表面波を形成し、プラズマ57を発生させる。開口径と間隔を最適化することにより、大面積に均一なプラズマ処理が行えることなる。
【0029】
(実施の形態4)
以下本発明の第4の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この第4の実施の形態は、マイクロ波の伝搬路として矩形導波管を用いることにより、更に低損失で電磁波の電力をプラズマに供給することができるようにしたものである。図8は本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。図8において、61は第3の実施の形態の第1導体板51と第2導体板54を一体化した多孔矩形導波管であり、また、第3の実施の形態の電磁波源52を発振器62と矩形導波管63の組み合わせとし、その他のものは第3の実施の形態の構成と同様なものである。
【0030】
以上のような構成によれば、発振器62から発振された、たとえば2.45GHz・のマイクロ波65は、矩形導波管63(ここでは内壁寸法109.22mm×54.16mm )を経由して、一方がふたをされた多孔矩形導波管61(ここでは内壁寸法200mm・×25mm)の中に挿入された誘電体板66(ここでは厚さ25mmのパイレックスガラ・・ス)の内部に伝搬させ、多孔矩形導波管61の内部で反射させると、多孔矩形導波管61の一側面に、たとえば径1.7mm・の開口67を複数個開け開口率45%・にすることにより、個々の孔からエバネセント波68を発生させることができる。エバネセント波68は均質な表面波を形成し、プラズマ69を発生させる。多孔矩形導波管61のマイクロ波導入口70に対向する側面は短絡終端71であり、矩形導波管63の短絡終端72とでマイクロ波65の定在波を生成し、低損失のマイクロ波伝搬によりエバネセント波68を発生させることができ、効率よく大面積に均一なプラズマ処理が行えることになる。
【0031】
(実施の形態5)
以下本発明の第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この第5の実施の形態は、第1導体板と第2導体板の両方を多孔板にすることにより、更にプラズマ処理の速度を向上させることができるようにしたものである。図9は本発明の第5の実施の形態を示す断面図である。図9において、81は第3の実施の形態の第2導体板54にも開口84を設けて得られた両面多孔板型矩形導波管である。その他の部分は第3の実施の形態の構成と同様なものであり、82は電磁波源、83は誘電体、85a、85bは基板、86は真空容器、87はガス導入口である。誘電体83の上下両側に開口84が設けられているため、図9中上方へも、下方へもエバネセント波を出力させることができ、プラズマ処理をする場合に、両面多孔板型矩形導波管81の上下両側に基板85a、85bを設置して一度に加工することが出来るから、作業能率を向上させることができる。
【0032】
(実施の形態6)
以下本発明の第6の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この第6の実施の形態は、多孔を円筒の側面に設けることにより、更にプラズマ処理の速度を向上させることができるようにしたものである。図10は本発明の第6の実施の形態を示す断面鳥瞰図である。図10において、開口84を有する第1導体板93と誘電体94と第2導体板95は、第3の実施の形態の多孔板51と誘電体板53と第2導体板54を筒状にし、第1導体板93と第2導体板95との間に電磁波源96を接続したものであり、その他の部分は第3の実施の形態の構成と同様なものである。このような構成にすることにより、より密度の高いプラズマを発生させることができ、プラズマ処理をする場合の能率を上げることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、真空容器に接続され、第1の導体と空隙をもって対向し設置してある第2の導体と、その空隙に詰めた誘電体と、誘電体内に電磁波を伝送させる手段と、第1の導体に前記電磁波の波長より短い径の開口を設け、この開口から漏れ出てくる電磁波で、均一高密度にプラズマを発生させることができ、大面積の基板でも均一に処理することができる。また、均一性に対する装置の制御性も向上することができる優れたプラズマ処理装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるイオン源の断面鳥瞰図。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるイオン源の断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるイオン源の動作原理図。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置の断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置の動作原理図。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるプラズマ処理装置のシミュレーション図。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるプラズマ処理装置の断面鳥瞰図。
【図8】本発明の第4の実施の形態におけるプラズマ処理装置の断面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態におけるプラズマ処理装置の断面図。
【図10】本発明の第6の実施の形態におけるプラズマ処理装置の断面鳥瞰図。
【図11】従来例におけるプラズマ発生装置の断面図。
【符号の説明】
51 第1導体板
52 電磁波源
53 誘電体板
54 第2導体板
55 開口
56 エバネセント波
57 プラズマ
Claims (7)
- プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室に隣接し且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部分とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるプラズマ源。
- プラズマを発生させるプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室内に少なくとも一部が配置され且つ第1の導体と第2の導体とを用いて形成した導波管と、前記第1の導体の少なくとも一部とそれに対向する前記第2の導体の部分との両方に接するように前記第1の導体と前記第2の導体との間に挿入されて電磁波を伝搬させる誘電体と、を有するプラズマ源であって、前記第1の導体と前記第2の導体とのいずれか一方または両方の導体が前記プラズマ生成室との接続部を有するとともに、前記接続部は前記電磁波の波長より短い径の開口を有し、前記電磁波が前記誘電体を伝搬することで前記開口を通して前記プラズマ生成室側に発生するエバネッセント波により前記プラズマ生成室にプラズマを発生させるプラズマ源。
- 第1の導体及び第2の導体は、同軸上に配置された円筒部材により構成された請求項1または2記載のプラズマ源。
- 接続部は複数の開口を有する請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ源。
- 電磁波はマイクロ波である請求項1から4のいずれかに記載のプラズマ源。
- 請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ源に対して、更にプラズマ生成室内に発生したプラズマに電圧を印加してイオンビームを生成する電極を、プラズマ生成室に隣接して設けたイオン源。
- 請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ源に対して、プラズマ生成室は、真空排気手段を備えた真空容器であり、前記真空容器内は、被処理基板を設置可能とするプラズマ処理装置。
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