JP3647403B2 - 記録装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、記録手段により被記録材に記録する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録していくように構成されている。前記記録装置は、使用する記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセットした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録される。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行ない、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】
そのうち、インクジェット式(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0005】
特に、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することができ、一層のコンパクト化を図ることができる。また、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用することにより、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も容易である。
【0006】
主にファクシミリ装置に内蔵される記録装置にあっては、被記録材として、サーマルヘッドによって加熱されると発色し、発色部分で画像(文字等を含む)が記録される感熱紙が広く使用されている。ところで、上記感熱紙は長期間保存すると記録画像が褪色するという不利な点があり、これを根本的に改善するため、記録系に褪色に強いトナーを用いて記録する電子写真方式やインクジェット記録方式を採用した普通紙ファクシミリが開発され、普及しつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、主にファクシミリ装置に内蔵される記録装置においては、近年、使用する被記録材として、感熱紙でありながら非常に褪色に強く、しかも手触り等の風合いが普通紙とほとんど変わらないものが開発されてきた。この感熱紙は、従来の欠点が解消された優れた被記録材であるが、使用者に普通紙と誤認されてしまうことがある。そのため、この被記録材を例えば電子写真方式を用いたファクシミリに誤使用すると、通常内蔵されている熱定着部で加熱されてしまうため、記録面がほぼ全面にわたって黒化してしまい、正常な記録データが判読不明になってしまうという事故が起きる可能性があった。ファクシミリ装置は、使用者が装置の傍に居ない状態で通信が行なわれて記録される場合が多いので、上述のような問題が起きても長時間気付かないことがあり、情報伝達上の大きな障害となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような技術的課題を解決することを目的とし、使用者が誤って感熱紙を挿入してしまって判読不明な記録が行われる事故を効果的に防止することができ、特に無人でデータの伝送および記録が行われることの多いファクシミリ装置において顕著な効果があり、上記トラブルの防止とともに通信システム全体の信頼性向上に大きく寄与することが可能な記録装置を提供するものである。
【0009】
本発明は、被記録材を搬送する搬送ローラと、被記録材に画像を記録する記録手段と、被記録材に記録された画像を定着する熱定着部と、を備える記録装置において、被記録材搬送方向に対して前記熱定着部の上流側および下流側に被記録材の濃度を検知する濃度検知手段を配し、該両方の濃度検知手段の検出値の差分により被記録材が感熱紙であるかを判断する構成とすることにより、使用者が誤って感熱紙を挿入してしまって判読不明な記録が行われる事故を効果的に防止することができ、特に無人でデータの伝送および記録が行われることの多いファクシミリ装置において顕著な効果があり、上記トラブルの防止とともに通信システム全体の信頼性向上に大きく寄与することが可能な記録装置を提供するものである。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の参考例および実施例を説明する。図1は本発明の参考例としての記録装置の全体構成を示す模式的断面図である。なお、図1は記録装置がファクシミリ装置である場合を示す。図1において、原稿読み取り手段Lは、原稿に記載された情報を読み取り、これを電気信号に変換して所定の記録系に送信するものである。記録手段Mは、搬送される被記録材に対し、画像信号に応じて画像を記録するものである。また、被記録材搬送手段Nは、カセットに収容された被記録材あるいは手差し口から供給された被記録材を記録手段Mへ搬送し、記録後の被記録材を排出するものである。
【0011】
前記原稿読み取り手段Lにおいては、図示のように記録装置上面に原稿載置台51が形成され、この載置台51に原稿面を下にして積層されかつサイドガイド52でガイドされた原稿53のうち、最下層の原稿53を予備搬送ローラ54およびこれに圧接する圧接部材55で予備搬送するとともに、分離ローラ56およびこれに圧接する圧接部材57で一枚づつ分離し、図1中の矢印C方向(装置本体左側)へ給送するようになっている。そして、分離給送された原稿53は搬送ローラ58およびこれにバネ59で圧接されたピンチローラ60によって搬送される。
【0012】
重り用軸61により下方へ押圧された白色ポリエステルフィルムより成る押圧部材62によって、搬送されている前記原稿53の原稿面が読み取りガラス63に押圧されて該ガラス63を通過する際に、該原稿53の原稿面に記載された画像が読み取られる。この読み取りは、LED等の発光部材(発光素子)64からの光を原稿面に照射し、該原稿面からの反射光をレンズ65を介して光電変換素子66に結像させることにより、原稿53に記載された画像が電気信号に変換されることによって行なわれる。
【0013】
図1の記録装置では、上記ガラス63、上記レンズ65、上記発光素子64、上記光電変換素子66などを一括してユニット化した密着型の読み取りセンサーが使用されている。これらの光学手段により画像を読み取られた原稿53は、排出ローラ67およびこれにバネ59により圧接されたピンチローラ68によって、装置本体の図示左側側面に取り付けられた原稿排出トレイ69へ排出される。
【0014】
図1に示す記録装置の記録手段Mはレーザービーム方式の記録装置で構成されている。この記録手段Mにおいては、矢印D方向に回転する感光ドラム70の周囲に配設された帯電器71でドラム表面を帯電し、前記読み取り手段Lからの画像信号に応じてレーザービームを発振するレーザー発振器72からの光をポリゴンミラー73で反射させて、回転する感光ドラム70に露光して静電潜像を形成し、該潜像を現像部74でトナーにより可視像化する。
【0015】
そして、この可視像化されたトナー像は、感光ドラム70とこれに圧接する転写ローラ75の間へ搬送されてきた被記録材(記録紙)76に転写記録される。また、トナー転写後の感光ドラム70は、クリーニング部材77によってクリーニング(清掃)される。なお、上記感光ドラム70、上記帯電器71、上記現像部74、上記クリーニング部材77などは、記録カートリッジ78内に収納されている。この記録カートリッジ78は、装置本体に対して着脱可能に収容されている。
【0016】
次に、図1に示す記録装置(ファクシミリ装置)の前記被記録材搬送手段Nについて説明する。装置本体の下部には被記録材76を収容するためのカセット90が着脱自在に取り付けられており、このカセット90内にはカットシート状の被記録材76が積層状態で収容されている。給紙(被記録材の供給)に際しては、半月状の給送ローラ91によって、積層収容された被記録材76の最上層の一枚が分離され、矢印Eで示すように給送される。この給送される被記録材76は、相互に圧接したカセット搬送ローラ対92、93によりレジストされて搬送され、さらに、駆動ローラ94とピンチローラ95より成る搬送ローラ対によって、記録手段Mの感光ドラム70の回転に同期して搬送される。そして、この被記録材76が記録手段Mの感光ドラム70と転写ローラ75の間を通る際に画像が転写記録される。
【0017】
記録後の被記録材76は、ヒーター96を内蔵した定着ローラ97とこれに圧接する加圧ローラ98の間を通る際に熱および圧力を印加され、該被記録材76の記録面上のトナー像(記録画像)が定着される。こうして記録された被記録材76は、排出ローラ99、101によって被記録材排出トレイ102に排出される。
【0018】
図1の記録装置においては、装置本体の左側側面に、もう一つの被記録材供給部としての手差し口103が形成されている。この手差し口103には、被記録材の給紙トレイとなる手差しトレイ104が取り付けられている。この手差しトレイ104は、軸105を中心に回動可能に取り付けられ、使用時には図1に示すように手差しトレイ104を倒し、その上に被記録材を載せて手差し口103から給送する。こうして手差し給紙された被記録材は、駆動ローラ94に圧接した分離部材106で一枚づつに分離されるとともに、搬送ローラ対94、95によって前記記録手段Mの感光ドラム70と転写ローラ75との間へ搬送される。
【0019】
前記被記録材搬送手段Nの領域であって、前記記録手段Mより搬送方向下流側には、前記定着ローラ97等から成る熱定着部が設けられている。そのため、被記録材としてユーザーが誤って感熱紙を挿入した場合には、記録面が全面黒化して記録情報が判読不明になるという事故が発生するおそれがある。そこで、図1の記録装置では、このような事故を未然に防止するために、異状記録検知手段が設けられている。この異状記録検知手段は、例えば、被記録材の地色を検出するための濃度検知手段で構成することができる。
【0020】
図1において、前記定着ローラ97および加圧ローラ98の被記録材搬送方向下流側には、発光素子の光を被記録材76の記録面(紙面)に照射し、該記録面からの反射光量を受光素子で検知するように構成された濃度検知手段(濃度センサー)110が設けられている。図2は濃度検知手段110の配置を示す部分斜視図である。濃度センサー(濃度検知手段)110は、図2に示すように、被記録材76の片側の端縁余白(図1の被記録材76の手前側)の濃度を検知できるように配置されている。
【0021】
図2において、正規の被記録材が使用されている場合は、その端縁余白は当然のことながら白色であり、前記濃度センサー110によっても白色と検知される。一方、被記録材76として感熱紙が誤って使用される場合には、該被記録材が定着ローラ97に接して加熱されると、その記録面の全面が黒化してしまう。そのため、前記濃度センサー110によって該被記録材の端縁余白も黒色と検知され、該濃度センサー110の出力信号が変化する。
【0022】
前記濃度センサー110の出力信号はコントロール部によって適時監視されているので、出力信号の変化により異常記録と判断されると、アラーム音が発せられ、さらに、通常の場合には、記録が完了すると、消去すべき記録データを本体内部のメモリーに保持するとともに、記録装置全体の動作を中断する。ユーザーは、これにより異常を知ることができ、正規の被記録材を入れ直す。そこで、今度は、この正規の被記録材に対して、前記メモリーに保持された記録データが正常に記録される。以後、通常の動作に復帰させる。このような処理手順を採ることにより、気付かないうちに全面黒化した判読不明な記録物を正常受信記録物として受け付けるという事故を未然に防止することができる。
【0023】
以上説明した記録装置の構成によれば、熱定着部を有する記録装置に濃度検知手段110を設けたので、使用者が誤って感熱紙を挿入してしまうことにより判読不明な記録が行われる事故を防止することが可能となる。このことは、特に無人でデータの伝送および記録を行うことの多いファクシミリ装置において顕著な効果がある。したがって、上記のような事故を防止するとともに通信システム全体の信頼性向上を大幅に向上させることが可能な記録装置が得られる。
【0024】
図1および図2に示す記録装置の構成では濃度センサー110を熱定着部(定着ローラ97)の被記録材搬送方向下流側に設けたが、被記録材76として色付きの用紙を使用する場合などでは地色による誤検知のおそれが生じるので、本発明を適用した実施例では、前記熱定着部の被記録材搬送方向上流側にも同じ濃度センサーを配置し、両方の濃度センサーの検出値の差分で記録画像の乱れを判断するように構成される。このようにすれば、使用することが可能な被記録材76の種類を一層増やすことが可能である。
【0025】
また、前述の参考例および実施例では、濃度センサー110によって被記録材76の端縁余白の濃度を検知する構成にしたが、必要以上に余白を取りたくない場合には、濃度センサー110として例えば密着型の画像読み取りセンサーを用いて、これの読み取りデータと記録系に入力した画像信号とを比較参照することにより、全面黒化の異常を検知することも可能である。この場合は、感熱紙誤挿入による全面黒化だけでなく、記録部の何らかの故障で記録が正常に行なわれなかった場合の異常検知も同時に行うことができる。
【0026】
なお、図1および図2で説明した参考例および実施例は、感熱紙を使用すべき記録装置(ファクシミリ装置など)に普通紙を誤挿入した場合の異常検知および事故防止に適用することも可能である。普通紙を誤挿入した場合は、記録面が全面白色で全く記録されないことになるので、例えば送信先を表示するヘッダー部に一部分だけ黒を記録するようにしておき、その黒部分の存在が濃度センサー110によって検知されるか否かで異常を検知することができる。
【0027】
また、図1および図2で説明した参考例および実施例では加熱定着部を持った電子写真記録系の一つであるレーザービーム記録方式について述べたが、前述した被記録材の誤挿入検知および事故防止のための構成は、LEDアレイや液晶シャッターアレイなどを用いる他の電子写真記録系を有する記録装置の場合にも同様に適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
また、前述した被記録材の誤挿入検知および事故防止のための構成は、加熱定着部を備えた記録装置であれば、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、インクジェット式等、他の記録方式の記録装置に対しても同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。すなわち、インクを乾燥定着させる定着器を備えたインクジェット記録装置にも同様に適用することができ、図1および図2の場合と同様の作用効果が得られるものである。ただし、インクジェット記録装置の場合は、記録が低速であれば必ずしも加熱定着器を必要としないので、濃度センサーによって感熱紙を検知したら定着器による加熱を停止し、低速で被記録材を搬送しながら保存されていたデータで再記録を行うことにより、装置本体の動作を中断させることなく、被記録材の誤挿入検知および事故防止のための処置を実行することができる。
【0029】
なお、図1に示す前記記録手段Mとしては、以下に説明するようなインクジェット式の記録手段(インクジェット記録手段)など、他の記録方式の記録手段を用いることもできる。インクジェット記録手段としては、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものを使用することが好ましい。この種の記録ヘッドは、例えば、前記電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
【0030】
図3は記録手段Mとして用いられるインクジェット記録手段(インクジェット記録ヘッド)のインク吐出部の構造を模式的に示す一部破断の部分斜視図である。図3において、記録ヘッドMは、エッチング・蒸着・スパッタリング等の半導体製造プロセス工程を経て基板81上に成膜形成された電気熱変換体82および電極(不図示)並びに前記基板81上に固着される液路壁84、該液路壁84上に固着される天板85などで構成されている。インクはインクタンクから供給管等を通して記録ヘッドMの共通液室87内に供給される。この共通液室87は、複数の吐出口89とそれぞれの液路86を介して連通している。各液路86の内部には、前記電気熱変換体82が配設されている。
【0031】
前記共通液室87内に供給されたインクは所謂毛細管現象により各液路86内に供給され、各液路86の先端(吐出口89)でメニスカスを形成することにより安定に保持される。各液路86は記録ヘッド(記録手段)Mの前面(吐出口面)88に開口しており、各開口部によって前記吐出口89が形成されている。ここで電気熱変換体82に通電することにより、電気熱変換体82上のインクが急峻に加熱され、液路86中に気泡が生起され、その気泡の膨張・収縮により吐出口89からインクが吐出し、飛翔液滴が形成される。記録情報に基づいて所望の吐出口89から被記録材76へインクを吐出することにより、所望の画像が記録される。なお、フルマルチのラインヘッドの場合、前記吐出口89は、例えば、16個/ミリあるいは400個/インチの密度で記録幅全域にわたって形成されている。
【0032】
なお、前述の実施例では、被記録材の全幅または一部をカバーする長さのライン記録手段を用いて副走査のみで記録するライン記録方式の場合を例に挙げて説明したが、本発明は、記録手段を主走査方向に移動させるシリアル記録方式の場合、あるいは回転するドラムに巻き付けた被記録材に対して記録するドラムスキャン方式の場合にも同様に適用することができ、同様の作用効果が得られるものである。
また、前述の実施例では1個の記録手段で記録する単色記録の場合を例に挙げて説明したが、本発明は、異なる色で記録する複数の記録手段を用いるカラー記録の場合、あるいは同一色彩で異なる濃度で記録する複数の記録手段を用いる階調記録など、記録手段の数や記録色に関係無く広く適用可能であり、それらの場合にも同様の作用効果が得られるものである。
【0033】
さらに、本発明による記録装置は、記録手段とインクタンクを一体化したヘッドカートリッジを用いる場合、交換可能またはインク充填式(パーマネント式)のヘッドカートリッジの他、記録手段とインクタンクを別体にし、これらをインク供給チューブ等で接続したものなど、記録手段およびインクタンクの構成がどのような場合でも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0034】
なお、本発明の記録装置は、記録手段Mがインクジェット記録手段であるインクジェット記録装置の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0035】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0036】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0037】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば、記録を確実に効率よく行なうことができるようになるからである。
【0038】
さらに、前述のように、記録装置が記録できる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0039】
また、本発明に記録装置の構成として設けられる記録ヘッドに対しての回復手段や予備的な補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を行なうために有効である。
【0040】
また、前述のように、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0041】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するもの、あるいは、インクジェット方式では、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0042】
このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明によるインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、被記録材を搬送する搬送ローラと、被記録材に画像を記録する記録手段と、被記録材に記録された画像を定着する熱定着部と、を備える記録装置において、被記録材搬送方向に対して前記熱定着部の上流側および下流側に被記録材の濃度を検知する濃度検知手段を配し、該両方の濃度検知手段の検出値の差分により被記録材が感熱紙であるかを判断する構成としたので、使用者が誤って感熱紙を挿入してしまって判読不明な記録が行われる事故を効果的に防止することができ、特に無人でデータの伝送および記録が行われることの多いファクシミリ装置において顕著な効果があり、上記トラブルの防止とともに通信システム全体の信頼性向上に大きく寄与することが可能な記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例としての記録装置の構成を示す模式的縦断面図である。
【図2】 図1中の濃度検知手段の配置例を示す部分斜視図である。
【図3】 図1中の記録手段がインクジェット記録手段である場合の当該記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す一部破断部分斜視図である。
【符号の説明】
51 原稿載置台
53 原稿
58 搬送ローラ
63 読み取りガラス
64 発光部材
66 光電変換素子
67 排出ローラ
69 原稿排出トレイ
70 感光ドラム
71 帯電器
72 レーザー発振器
74 現像部
75 転写ローラ
76 被記録材
77 クリーニング部材
78 記録カートリッジ
81 基板
82 電気熱変換体
86 液路
87 共通液室
88 吐出口面
89 吐出口
90 給紙カセット
91 給紙ローラ
96 ヒーター
97 定着ローラ
98 加圧ローラ
99 排出ローラ
101 排出ローラ
102 被記録材排出トレイ
110 濃度検知手段(濃度センサー)
L 原稿読み取り手段
M 記録手段
N 被記録材搬送手段

Claims (4)

  1. 被記録材を搬送する搬送ローラと、被記録材に画像を記録する記録手段と、被記録材に記録された画像を定着する熱定着部と、を備える記録装置において、
    被記録材搬送方向に対して前記熱定着部の上流側および下流側に被記録材の濃度を検知する濃度検知手段を配し、該両方の濃度検知手段の検出値の差分により被記録材が感熱紙であるかを判断することを特徴とする記録装置。
  2. 前記濃度検知手段は、被記録材の余白の濃度を検知することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録手段は、レーザービーム方式であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録手段は、インクジェット記録手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
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