JP3647093B2 - 親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 - Google Patents
親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3647093B2 JP3647093B2 JP23962395A JP23962395A JP3647093B2 JP 3647093 B2 JP3647093 B2 JP 3647093B2 JP 23962395 A JP23962395 A JP 23962395A JP 23962395 A JP23962395 A JP 23962395A JP 3647093 B2 JP3647093 B2 JP 3647093B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- hydrophilicity
- contact lens
- permeable contact
- lens
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
- G02B1/041—Lenses
- G02B1/043—Contact lenses
Description
【技術分野】
本発明は、親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法に係り、特に親水性化されても、外観が損なわれることがなく、また付与された親水性が優れた持続性を有し、以て流水洗浄等に優れた耐久性を示す親水性化酸素透過性コンタクトレンズと、その有利な製造法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より使用されている非含水性のコンタクトレンズには、メチルメタクリレートを主成分とする重合体からなるハードコンタクトレンズや、シロキサニルメタクリレート、フルオロアルキルメタクリレート等を主成分とする重合体からなる酸素透過性コンタクトレンズ、及びポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーンラバーやアクリル酸ブチルを主成分とするブチルラバー等からなる非含水性ソフトコンタクトレンズがあるが、これらのコンタクトレンズは、非含水性であるところから、その表面が疎水性を帯びている。中でも、近年注目されている酸素透過性コンタクトレンズは、特に強い疎水性を有している。何故なら、それらのレンズでは、一般に、レンズの酸素透過性を高める目的で、レンズ形成材料中のシリコーン成分やフッ素成分が増大せしめられる傾向があり、換言すれば酸素透過性の高いレンズ程、シリコーン成分やフッ素成分の含有率が高くなっており、その結果として、レンズ表面が強い疎水性を有することとなってしまうからである。
【0003】
そして、そのような酸素透過性コンタクトレンズは、通常、保存液中に浸した状態で流通せしめられるのであるが、かかる保存液中で菌類が発生したり、製造・流通の過程で液漏れが惹起せしめられたりすることが問題となっているため、最近では、そのような問題を解決するために、レンズを乾燥状態で流通させることが考えられている。しかし、レンズを乾燥させた状態で流通させると、前述したように、酸素透過性コンタクトレンズは親水性が悪いところから、装用時にレンズが乾燥しており、保存液中に入れて流通させる場合と比較して、初期装用の際にくもりや涙液のはじきが惹起され易く、視力が不安定になり易いという問題を有するのである。
【0004】
このような事情から、最近では、酸素透過性コンタクトレンズの親水性を向上させる試みが為されており、例えば特開平4−104220号公報に開示されている如く、水溶性アミノ基含有ポリマーを架橋剤で架橋して、レンズ表面にコーティングする方法等の、親水性を有する化合物をレンズ表面にコーティングする手法が検討されている。しかしながら、これらの方法では、レンズに付与された親水性が充分な耐久性を有しておらず、流水洗浄によって容易に親水性が失われるという問題を内在しているのである。また、一方、酸素透過性コンタクトレンズの表面がプラズマ処理されてなるものも検討されているのであるが、かかるプラズマ処理された酸素透過性コンタクトレンズであっても、乾燥状態で流通させた場合、そのプラズマ処理層がコンタクトレンズの構成材料内に埋入するところから、レンズ表面における親水性が充分に発揮されないことが予期されるのであり、それ故に、レンズに付与された親水性が優れた耐久性を有する酸素透過性コンタクトレンズの開発が切望されているというのが、現状である。
【0005】
また、親水性モノマーのプラズマ重合により親水性の向上を図る場合には、レンズ表面にプラズマ重合層が形成されることにより、親水性が改善されるのであるが、その重合層のコントロールが困難であるところから、充分な効果を得ようとすると、過剰にプラズマ重合する必要があるため、レンズが着色されたり、また装用時に残留モノマーによる刺激等が惹起されたりするために、医療用具としての使用には適さないものとなるのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として為されたものであって、その課題とするところは、適切なコーティング成分を用いることによって、上記の如き問題を効果的に解消し、またコーティングにより外観を損なうことなく、流水洗浄に対しての耐久性を付与することが出来、更には表面の親水性を充分に発揮させて、乾燥状態での流通を可能ならしめた酸素透過性コンタクトレンズを提供することにある。また、本発明は、かかる親水性化酸素透過性コンタクトレンズの有利な製造法を提供することも、その課題とするものである。
【0007】
【解決手段】
そして、上記の課題を解決するため、本発明にあっては、A)下記化3にて示される、20℃における粘度が5000センチポアズ以下の親水性シリコーンオイル、B)多糖類又はその誘導体、及びC)平均分子量が400〜10万の変性コラーゲンからなる群より選ばれた親水性付与材料にて、少なくとも外面がコートされてなる親水性化酸素透過性コンタクトレンズを、その要旨とする。
【0008】
【化3】
【0009】
このように、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズは、酸素透過性コンタクトレンズの少なくとも外面が、特定の親水性付与材料にてコーティングされてなるものであるが、これは、レンズを装用した際、レンズ外面が外気に晒されて乾燥してしまい、必要な水分が欠如するようになるところから、その親水性を高めて、レンズ外面での充分な親水性を確保して水分の供給を充分に行なう必要があるからである。
【0010】
なお、そのような本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズの一つの好ましい態様によれば、前記多糖類又はその誘導体には、アラビアゴム、セルロース、若しくはそれらの誘導体が用いられ、更に異なる好ましい態様によれば、前記変性コラーゲンには、コラーゲン型界面活性剤が用いられる。
【0011】
また、本発明は、上記の如き親水性化酸素透過性コンタクトレンズを有利に得るべく、(a)下記化4にて示される、20℃における粘度が5000センチポアズ以下の親水性シリコーンオイル、又は多糖類若しくはその誘導体からなる親水性付与材料を、0.05〜25重量%の濃度において含有する水溶液を調製する工程と、(b)該親水性付与材料含有水溶液を酸素透過性コンタクトレンズに接触させることにより、該酸素透過性コンタクトレンズの少なくとも外面を、前記親水性付与材料でコーティングする工程と、(c)該親水性付与材料含有水溶液によるコーティング処理の終了した、前記酸素透過性コンタクトレンズを乾燥する工程とを含むことを特徴とする親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法をも、その要旨とするものである。
【0012】
【化4】
【0013】
さらに、本発明は、(1)平均分子量が400〜10万の変性コラーゲンからなる親水性付与材料を、0.05〜25重量%の濃度において含有する水溶液を調製する工程と、(2)該親水性付与材料含有水溶液を酸素透過性コンタクトレンズに接触させることにより、該酸素透過性コンタクトレンズの少なくとも外面を、前記変性コラーゲンでコーティングする工程と、(3)該親水性付与材料含有水溶液によるコーティング処理が終了した、前記酸素透過性コンタクトレンズに紫外線光を照射する工程と、(4)かかる紫外線光を照射して得られた酸素透過性コンタクトレンズを乾燥する工程とを含むことを特徴とする親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法をも、その要旨としている。
【0014】
このような、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造方法にあっては、前記親水性付与材料を含有する水溶液が、更に、アルコール、特にエタノールを含有しても良く、これによって後の乾燥工程の時間の短縮化を有利に図り得ることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
ところで、上記の如く、特定の親水性付与材料がコーティングせしめられる酸素透過性コンタクトレンズとしては、従来から公知のものが適宜に選択されて、用いられ得るものであるが、具体的には、特公昭62−55122号公報に記載されている成分等を含有せしめた重合体材料から得られる酸素透過性コンタクトレンズがあり、例えばトリメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート等のシリコン含有モノマーを、メチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートの如き、他のモノマーと共重合させた重合体材料から形成されるシリコン含有酸素透過性コンタクトレンズが用いられる。
【0016】
一方、本発明に従って、酸素透過性コンタクトレンズに適用される親水性付与材料は、親水性シリコーンオイル、多糖類又はその誘導体、及び変性コラーゲンからなる群より選ばれる。より詳細には、親水性シリコーンオイルとしては、下記化5に示される構造を有し、且つ20℃における粘度が5000センチポアズ以下のものが用いられる。けだし、20℃における粘度が5000センチポアズより高いと、コーティング液を調製する際、取扱いが困難となり、また調製後のコーティング液自体も粘度が高くなるため、コーティング処理上での作業性が悪くなるからである。
【0017】
【化5】
【0018】
また、多糖類又はその誘導体としては、親水性のものであれば、公知の何れのものも用いられ得るのであるが、一般に、多糖類としては、デキストラン、セルロース、プルラン、デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等が用いられ、またそれらの誘導体としては、ヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキル化物、アルキル化物、酢酸エステル化物、硫酸エステル化物、アミノ化物等が用いられる。そして、好ましくは、無味無臭であり、高濃度でも水溶液の粘度が低く、コーティング処理が容易に実施できる点から、アラビアゴム、セルロース、又はそれらの誘導体が、有利に用いられるのである。
【0019】
さらに、変性コラーゲンとしては、親水性のものが用いられるのであるが、具体的には、不溶性のコラーゲンを酸で抽出した水溶性コラーゲン、テロペプチドを加水分解して除去したアテロコラーゲン、ゼラチン、加水分解ペプチドや、化学修飾したメチル化コラーゲン分解物等であって、平均分子量が400〜10万で、親水性のものが用いられる。けだし、平均分子量が400より小さいと、親水性付与の効果が得られ難く、平均分子量が10万より大きいと、粘度が高くなり過ぎて、コーティング作業の能率が悪くなるからである。また、ここでいう変性とは、種々の原因によって状態や性質が変化し、その生物的活性が失われる又は低下することを意味しており、コラーゲンは、熱、圧力等の物理的原因、酸、塩基、アセトン、アルコール、アセトアミド等の化学物質による化学的原因によって変性される。なお、本発明にあっては、より良い水濡れ性が得られる点、コーティングの作業の能率の点等から、水溶性コラーゲンや加水分解コラーゲン等の誘導体からなるコラーゲン型界面活性剤が好んで用いられる。具体的には、そのようなコラーゲン型界面活性剤には、水溶性コラーゲンの側鎖アミノ基や側鎖カルボキシル基に、カルボン酸無水物やアルコールを反応させて得られる誘導体や、加水分解コラーゲンの末端アミノ基と脂肪酸クロライドとをアルカリにて結合させて得られる誘導体(アシル化ペプタイド)等を挙げることが出来る。
【0020】
そして、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズは、上述の如き親水性付与材料を用いて、その少なくとも外面(装用時に角膜と対向しない側の面)がコートされて、優れた親水性が付与されてなるものであり、それは、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法に従い、次のようにして、有利に製造されることとなる。
【0021】
すなわち、先ず、前記の如き親水性シリコーンオイル、多糖類又はその誘導体及び変性コラーゲンからなる群より選択される親水性付与材料を用い、それを、蒸留水、軟水、純水等の水性媒体に溶解乃至は分散せしめて、かかる親水性付与材料を0.05〜25重量%の濃度において含有する水溶液を調製する。また、後の乾燥工程の時間を短縮するため、この水溶液に、メタノール、エタノール等のアルコール類を混合することが出来る。中でも、エタノールを用いた場合には、更に、その抗菌作用から、レンズの抗菌性をも期待することが出来る。なお、ここで、親水性付与材料の濃度を0.05〜25重量%とするのは、濃度がこの範囲から外れると、レンズ表面に親水性付与材料を均一にコーティングすることが困難となるからである。
【0022】
次いで、こうして調製された親水性付与材料含有水溶液を酸素透過性コンタクトレンズに接触せしめることにより、該レンズの少なくとも外面(角膜不対向面)を親水性付与材料にてコーティングするのである。ここで、親水性付与材料を含有した水溶液と酸素透過性コンタクトレンズとの接触には、それらが均一に接触せしめられるのであれば、公知の如何なる手法も採用され得るものであるが、具体的には、親水性付与材料含有水溶液の中にレンズを浸漬させる手法や、回転させられているレンズに対して、親水性付与材料含有水溶液を噴霧又は滴下せしめる手法等が用いられることとなる。
【0023】
そして、かくの如くして得られた、親水性付与材料でコートされた酸素透過性コンタクトレンズは、それに付着する余分な水分を除去するために、乾燥せしめられる。この乾燥工程の採用により、製造工程の簡素化が図られ得ると共に、親水性の均一な付与が有利に達成されるのである。また、かかる乾燥操作は、空気乾燥、流風乾燥、乾燥剤による乾燥等、公知の各種の方法によって実施され得るものであるが、中でも、工程の簡素化や親水性付与材料の均一な付与の点より、空気乾燥が有利に採用される。
【0024】
なお、親水性付与材料として、変性コラーゲンが選択される場合には、上記の乾燥工程の前に、更に紫外線光の照射が実施される。この紫外線光照射工程により、変性コラーゲンを高分子化させることが出来るのであり、目的とするコンタクトレンズ表面に、変性コラーゲンをより一層効果的に固定化乃至は吸着化せしめ得るのである。
【0025】
以上のように、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法によれば、優れた耐久性を有する親水性化酸素透過性コンタクトレンズが容易に得られるのである。
【0026】
ところで、上記した製造手法においては、酸素透過性コンタクトレンズに対して、直接に、親水性付与材料がコーティングされているが、何等これに限定されるわけではなく、かかるコーティング処理の前に、従来から採用されている各種の前処理、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、塩酸や硝酸等の強酸による処理等を施して、その後に、親水性付与材料によるコーティングを実施しても、何等差し支えない。そのような前処理との組み合わせにより、得られる親水性化酸素透過性コンタクトレンズの親水性は、より一層優れたものとなり、またその耐久性が有利に向上せしめられることとなる。
【0027】
なお、かかる組み合わされる前処理がプラズマ放電処理である場合には、一般に、雰囲気ガスとして、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム又はこれらを混合してなる混合ガスが用いられ、0.1Torr〜10Torrの条件下で、プラズマ放電処理が行なわれることとなる。これにより、親水性付与の効果がより高められ得て、付与される親水性の耐久性も向上することとなるからである。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0029】
先ず、下記の表1に示される如く、各種の親水性付与材料に対して、蒸留水をそれぞれ加えて、同表に示される濃度において、各種の親水性付与材料含有水溶液を調製した。但し、No.9の例においては、蒸留水の代わりに70%エタノール水溶液を用いた。次いで、0.45μmの細孔を有するメンブランフィルターを用いて、かかる親水性付与材料含有水溶液のそれぞれを、35℃で、約19時間かけて、吸引濾過した。また、No.9の例においては、2気圧の条件下で吸引濾過した。
【0030】
一方、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレンを酸素透過性成分として用い、これをアクリル系モノマーに共重合させて得られるポリマーからなるシリコン含有酸素透過性コンタクトレンズを、複数個準備した。
【0031】
次いで、かかる準備されたシリコン含有酸素透過性コンタクトレンズを、前記親水性付与材料含有水溶液のそれぞれに浸漬した。そして、その浸漬処理の後、得られたレンズを空気乾燥させて、目的とする親水性化酸素透過性コンタクトレンズを得た。但し、No.10のレンズについては、前記乾燥処理の前に、4ワットの紫外線殺菌灯からレンズを15cm離した状態にて、かかるレンズに紫外線を1分間照射した。また、No.11のレンズは、親水性付与材料のコーティングが施されていないもの(ブランク)である。
【0032】
なお、No.1〜5の例で用いられた親水性シリコーンオイル(A)、(B)及び(C)の構造は、それぞれ、下記化6、化7及び化8の通りである。また、それらの20℃における粘度は、(A)100センチポアズ、(B)700センチポアズ、(C)40センチポアズであった。更に、No.10の例で使用された変性コラーゲンの平均分子量は、1000であった。
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
かくの如くして得られた親水性化酸素透過性コンタクトレンズの外観を、目視により評価し、その結果を、下記表1に併せ示した。なお、外観の評価は、レンズの透明性と親水性付与材料コーティングの均一性について行ない、透明性の評価基準は、無色透明であったものを◎、比較的透明であったものを○、不透明であったものを×とした。また、均一性の評価基準は、均一であったものを◎、ほぼ均一であったものを○、不均一であったものを×とした。
【0037】
さらに、これらの親水性化酸素透過性コンタクトレンズに対して、流水洗浄を施し、それらレンズの洗浄後の水濡れ性について評価を行ない、その結果を、下記表1に併せ示した。なお、かかる水濡れ性の評価は、流水洗浄後のレンズの水濡れ性が良好であったものを◎、ほぼ良好であったものを○、不良であったものを×として、判定した。
【0038】
加えて、前記水濡れ性の評価の後、それらレンズを空気乾燥した後、液滴法により、接触角を測定し、その結果を、下記表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
一般に、得られるコンタクトレンズには、外観が透明であること及び親水性化付与材料のコーティングが均一に為されていることが必要とされるが、かかる表1に示された結果からも明らかなように、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズは、外観が損なわれていない、即ちレンズの透明性が良好で、親水性化付与材料の付与が均一に為されているものであることが理解される。しかも、流水洗浄後の水濡れ性が良好であるところから、かかるレンズに付与された親水性が耐久性に優れていること、またレンズを空気乾燥させた後に測定した接触角が小さな値となっているところから、レンズの乾燥によっても、その親水性が喪失することなく、有利に保持され得ることが容易に理解されるのである。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズは、特定の親水性化付与材料を用いて、少なくともその外面がコートされて親水性化処理されていることにより、レンズの外観が何等損なわれることなく、有効な親水性が付与されているのであり、しかもレンズ表面の親水性が、コーティング直後だけでなく、流水洗浄処理等の後にも維持され得て、その耐久性が効果的に高められていることに加えて、かかる表面の親水性が充分に発揮されることによって、乾燥状態で流通せしめられても、初期装用の際にくもりや涙液のはじきが惹起せしめられて、視力が不安定になるという従来の問題も、有利に解消され得たのである。
【0042】
また、本発明に従う親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法によれば、上記の如き優れた特徴を有する酸素透過性コンタクトレンズを、均一な品質で、しかも簡単に製造することが出来るのである。
Claims (4)
- 前記親水性付与材料含有水溶液が、更に、アルコールを含んでいる請求項2記載の親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法。
- 前記アルコールが、エタノールである請求項3記載の親水性化酸素透過性コンタクトレンズの製造法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23962395A JP3647093B2 (ja) | 1994-11-17 | 1995-09-19 | 親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 |
DE69527763T DE69527763T2 (de) | 1994-11-17 | 1995-11-17 | Sauerstoffdurchlässige Kontaktlinse mit hydrophiler Oberfläche und Verfahren zur Herstellung derselben |
DE69533460T DE69533460T2 (de) | 1994-11-17 | 1995-11-17 | Sauerstoffdurchlässige Kontaktlinse mit hydrophiler Oberfläche und Verfahren zur Herstellung derselben |
EP95308260A EP0713106B1 (en) | 1994-11-17 | 1995-11-17 | Oxygen permeable contact lens having a hydrophilic surface and method for producing the same |
EP01112562A EP1154287B1 (en) | 1994-11-17 | 1995-11-17 | Oxygen permeable contact lens having a hydrophilic surface and method for producing the same |
US08/738,578 US5708050A (en) | 1994-11-17 | 1996-10-29 | Oxygen permeable contact lens having high durable hydrophilic surface and method for producing the same |
US08/909,829 US5910518A (en) | 1994-11-17 | 1997-08-12 | Oxygen permeable contact lens having high durable hydrophilic surface and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28316994 | 1994-11-17 | ||
JP6-283169 | 1994-11-17 | ||
JP23962395A JP3647093B2 (ja) | 1994-11-17 | 1995-09-19 | 親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08194194A JPH08194194A (ja) | 1996-07-30 |
JP3647093B2 true JP3647093B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=26534345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23962395A Expired - Fee Related JP3647093B2 (ja) | 1994-11-17 | 1995-09-19 | 親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5708050A (ja) |
EP (2) | EP0713106B1 (ja) |
JP (1) | JP3647093B2 (ja) |
DE (2) | DE69533460T2 (ja) |
Families Citing this family (34)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8039026B1 (en) | 1997-07-28 | 2011-10-18 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc | Methods for treating skin pigmentation |
WO1999057177A1 (en) * | 1998-05-05 | 1999-11-11 | Bausch & Lomb Incorporated | Plasma surface treatment of silicone hydrogel contact lenses |
US6106889A (en) * | 1998-06-11 | 2000-08-22 | Biocoat Incorporated | Method of selective coating of articles |
US6500481B1 (en) | 1998-06-11 | 2002-12-31 | Johnson & Johnson Vision Care, Inc. | Biomedical devices with amid-containing coatings |
US8106094B2 (en) | 1998-07-06 | 2012-01-31 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Compositions and methods for treating skin conditions |
US8093293B2 (en) | 1998-07-06 | 2012-01-10 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Methods for treating skin conditions |
US6750229B2 (en) | 1998-07-06 | 2004-06-15 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Methods for treating skin pigmentation |
US7985404B1 (en) | 1999-07-27 | 2011-07-26 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Reducing hair growth, hair follicle and hair shaft size and hair pigmentation |
US6478423B1 (en) | 1999-10-12 | 2002-11-12 | Johnson & Johnson Vison Care, Inc. | Contact lens coating selection and manufacturing process |
US6599559B1 (en) * | 2000-04-03 | 2003-07-29 | Bausch & Lomb Incorporated | Renewable surface treatment of silicone medical devices with reactive hydrophilic polymers |
BR0114212A (pt) * | 2000-09-19 | 2003-12-23 | Bausch & Lomb Incoporated | Método para tratar a superfìcie de um dispositivo médico |
US8431550B2 (en) | 2000-10-27 | 2013-04-30 | Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. | Topical anti-cancer compositions and methods of use thereof |
US7192615B2 (en) | 2001-02-28 | 2007-03-20 | J&J Consumer Companies, Inc. | Compositions containing legume products |
US7285255B2 (en) * | 2002-12-10 | 2007-10-23 | Ecolab Inc. | Deodorizing and sanitizing employing a wicking device |
US20040120982A1 (en) * | 2002-12-19 | 2004-06-24 | Zanini Diana | Biomedical devices with coatings attached via latent reactive components |
WO2007008666A2 (en) * | 2005-07-08 | 2007-01-18 | Ocularis Pharma, Inc. | Compositions and methods for improving vision using adherent thin films |
BRPI0620059A2 (pt) * | 2005-12-20 | 2011-11-01 | Johnson & Johnson Vision Care | métodos e sistemas para processamento de dispositivos de hidrogel de formato complexo |
RU2389608C2 (ru) * | 2005-12-20 | 2010-05-20 | Джонсон Энд Джонсон Вижн Кэа, Инк. | Способы и системы для выщелачивания и извлечения офтальмологических линз на основе силиконового гидрогеля спиртовыми растворами |
BRPI0621510A2 (pt) * | 2006-03-13 | 2011-12-13 | Becker & Co Naturinwerk | pó de colágeno seco, uso e processo para preparação do mesmo, composição a base de colágeno termoplástica homogênea, uso e processo para obter a mesma, artigo em formato sólido e processo para fabricar o mesmo |
US7828432B2 (en) * | 2007-05-25 | 2010-11-09 | Synergeyes, Inc. | Hybrid contact lenses prepared with expansion controlled polymeric materials |
US8163358B2 (en) | 2009-02-18 | 2012-04-24 | Synergeyes, Inc. | Surface modification of contact lenses |
KR102411923B1 (ko) | 2010-07-30 | 2022-06-22 | 알콘 인코포레이티드 | 수분이 풍부한 표면을 갖는 실리콘 히드로겔 렌즈 |
HUE029018T2 (en) | 2011-10-12 | 2017-02-28 | Novartis Ag | A method for producing UV absorbing contact lenses by coating |
US9423528B2 (en) | 2012-06-25 | 2016-08-23 | Johnson & Johnson Vision Care, Inc. | Method of making silicone containing contact lens with reduced amount of diluents |
US20130341811A1 (en) * | 2012-06-25 | 2013-12-26 | Johnson & Johnson Vision Care, Inc. | Lens comprising low and high molecular weight polyamides |
MY172901A (en) | 2012-12-17 | 2019-12-13 | Alcon Inc | Method for making improved uv-absorbing ophthalmic lenses |
US20140268028A1 (en) * | 2013-03-15 | 2014-09-18 | Johnson & Johnson Vision Care, Inc. | Silicone-containing contact lens having clay treatment applied thereto |
EP2808707A1 (en) | 2013-05-31 | 2014-12-03 | DSM IP Assets B.V. | Macromers comprising pendant polyoxazoline groups |
MY180543A (en) | 2013-12-17 | 2020-12-01 | Novartis Ag | A silicone hydrogel lens with a crosslinked hydrophilic coating |
SG10201901379TA (en) | 2014-08-26 | 2019-03-28 | Novartis Ag | Method for applying stable coating on silicone hydrogel contact lenses |
CN104448407B (zh) * | 2014-12-12 | 2015-09-02 | 青岛中皓生物工程有限公司 | 基于海洋生物物质的高透氧性材料及其制备方法与应用 |
EP3391101B1 (en) | 2015-12-15 | 2020-07-08 | Alcon Inc. | Method for applying stable coating on silicone hydrogel contact lenses |
WO2019116139A1 (en) | 2017-12-13 | 2019-06-20 | Novartis Ag | Weekly and monthly disposable water gradient contact lenses |
DE102018127812B4 (de) * | 2018-11-07 | 2020-06-18 | Fachhochschule Kiel | Kontaktlinse mit einer Oberflächenbeschichtung und Herstellungsverfahren |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS494559B1 (ja) * | 1970-08-06 | 1974-02-01 | ||
US5002582A (en) * | 1982-09-29 | 1991-03-26 | Bio-Metric Systems, Inc. | Preparation of polymeric surfaces via covalently attaching polymers |
JPS60142324A (ja) | 1983-12-28 | 1985-07-27 | Toyo Contact Lens Co Ltd | 酸素透過性硬質コンタクトレンズ |
US5104957A (en) * | 1990-02-28 | 1992-04-14 | Autogenesis Technologies, Inc. | Biologically compatible collagenous reaction product and articles useful as medical implants produced therefrom |
JP2933999B2 (ja) | 1990-08-24 | 1999-08-16 | トーメー産業株式会社 | コンタクトレンズの親水化方法 |
CA2104113A1 (en) * | 1991-02-15 | 1992-08-16 | Linda Civerchia | Collagen hydrogel methods |
US5148311A (en) * | 1991-06-19 | 1992-09-15 | Beacon Research, Inc. | Non-fogging transparent coatings |
GB9113875D0 (en) * | 1991-06-27 | 1991-08-14 | Biointeractions Ltd | Polymer coatings |
US5409751A (en) * | 1992-03-27 | 1995-04-25 | Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated | Degradable container |
US5409731A (en) * | 1992-10-08 | 1995-04-25 | Tomei Sangyo Kabushiki Kaisha | Method for imparting a hydrophilic nature to a contact lens |
TW328535B (en) * | 1993-07-02 | 1998-03-21 | Novartis Ag | Functional photoinitiators and their manufacture |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP23962395A patent/JP3647093B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1995-11-17 DE DE69533460T patent/DE69533460T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1995-11-17 DE DE69527763T patent/DE69527763T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1995-11-17 EP EP95308260A patent/EP0713106B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-11-17 EP EP01112562A patent/EP1154287B1/en not_active Expired - Lifetime
-
1996
- 1996-10-29 US US08/738,578 patent/US5708050A/en not_active Expired - Lifetime
-
1997
- 1997-08-12 US US08/909,829 patent/US5910518A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69527763T2 (de) | 2003-03-20 |
EP0713106B1 (en) | 2002-08-14 |
EP1154287A2 (en) | 2001-11-14 |
US5910518A (en) | 1999-06-08 |
DE69533460D1 (de) | 2004-10-07 |
EP1154287A3 (en) | 2002-02-13 |
US5708050A (en) | 1998-01-13 |
DE69533460T2 (de) | 2005-09-15 |
EP1154287B1 (en) | 2004-09-01 |
DE69527763D1 (de) | 2002-09-19 |
EP0713106A1 (en) | 1996-05-22 |
JPH08194194A (ja) | 1996-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3647093B2 (ja) | 親水性化酸素透過性コンタクトレンズ及びその製造法 | |
CA2712477C (en) | Method for coating silicone hydrogels | |
US8158192B2 (en) | Process for the coating of biomedical articles | |
JP5153982B2 (ja) | 表面を被覆する方法 | |
TWI712649B (zh) | 具有耐用的潤滑塗層於其上的軟性矽酮醫療器材 | |
JP4267086B2 (ja) | 潜親水性モノマーから製造される湿潤可能な表面をもつ成形品の製造方法 | |
EP2263108B1 (en) | Coating process for ophthalmic lenses | |
WO2008095955A1 (en) | Cross-linkable polyionic coatings for contact lenses | |
US20060193894A1 (en) | Methods for providing biomedical devices with hydrophilic antimicrobial coatings | |
JPS6289926A (ja) | ソフトコンタクトレンズの表面処理法 | |
JPH11172149A (ja) | 親水性表面を有するポリマー成形品およびその製造方法 | |
JP2003215509A (ja) | 親水化表面を有するシリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズの製造方法及びソフトコンタクトレンズ | |
JP2995823B2 (ja) | コンタクトレンズの製造方法 | |
JP2005250321A (ja) | 水濡れ性に優れたコンタクトレンズ用溶液 | |
JPH06287335A (ja) | ヒドロゲルおよびその製造方法 | |
JPH0467011A (ja) | コンタクトレンズの製造方法 | |
JPH04180013A (ja) | コンタクトレンズの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040907 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041105 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050208 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110218 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |