JP2933999B2 - コンタクトレンズの親水化方法 - Google Patents

コンタクトレンズの親水化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、コンタクトレンズの親水化処理方法に係
り、更に詳しくは、硬質コンタクトレンズや非含水性ソ
フトコンタクトレンズ等の、強い疎水性を有するコンタ
クトレンズの表面を有利に親水化処理する方法に関する
ものである。
(背景技術) 現在、実用化されているコンタクトレンズは、大別す
ると、含水性の材料と非含水性の材料とに区分され、か
かる含水性コンタクトレンズとしては、ポリヒドロキシ
メタクリレートやポリビニルピロリドンを主成分とする
もの等があり、また非含水性のコンタクトレンズとして
は、ポリメチルメタクリレートやシリコンラバーを主成
分とするものや、酸素透過性を有するポリシロキサニル
メタクリレートとメチルメタクリレート等との共重合体
からなるもの等がある。そして、それら含水性コンタク
トレンズは、装用感が良い反面、細菌などに汚染され易
く、また角膜を傷つけた場合でも刺激が少ないために、
重大な疾患に至る場合があり、危険性が高く、一方、非
含水性コンタクトレンズは、細菌による汚染は比較的少
ないが、その表面が疎水性を帯びており、中でも、高酸
素透過性コンタクトレンズは、特に強い疎水性を有して
いる。
これに対して、コラーゲンなどの生体成分で成型され
た生体親和性コンタクトレンズも提案されている。コラ
ーゲンは、脊椎動物において、全身の蛋白質の約20〜30
%を構成する繊維質の蛋白質であり、主として支持組織
及び細胞の骨格として機能する。このようなコラーゲン
は、抗原性も非常に弱く、親水性のアミノ酸から構成さ
れており、透明性などの、レンズ素材として好適な条件
を備えているが、レンズに成型される場合は、物理的な
強度、細菌に対する汚染性、加工が困難等の問題点を内
在している。
一方、前記の疎水性が強い非含水性のコンタクトレン
ズの表面を改質して親水化する方法も、数多く提案され
ている。表面の親水性、換言すれば涙液との水濡れ性に
乏しいコンタクトレンズには、装用時に視力矯正上の問
題が生じたり、角膜上でのレンズの動きが悪いため、フ
ィッティング上の問題や装用者に異物感を与えるという
問題等が生じているからであり、また、このようなコン
タクトレンズを装用した場合には、眼脂等に由来する脂
質がレンズ表面に付着して、汚れとなり、レンズに曇り
の症状が現れて、視界が良好でなくなってしまうという
問題を内在しているからである。
そこで、疎水性が強い非含水性のコンタクトレンズの
表面を親水化する方法として、プラズマ処理による方法
や、酸,アルカリによる化学処理による方法等が考えら
れているが、これらの方法では、親水性の耐久性に問題
があり、また再び親水化処理を施すには、かなりの手間
と高価な装置が必要となるのである。
また、特開昭63−271410号公報には、親水性モノマー
と、芳香族ケトン類またはキノン類から選択される光増
感剤とを含む溶液に、コンタクトレンズを接触せしめ、
紫外線を照射するコンタクトレンズの親水化方法が提案
されている。しかしながら、この方法では、親水性モノ
マーや紫外線が生体にとって安全なものではなく、コン
タクトレンズ自体が、紫外線によって、着色、変形等の
劣化を起こすといった問題があった。
さらに、米国特許第4801474号明細書では、ムコ多糖
の水溶液をコンタクトレンズ等のプラスチックに被覆
し、それを水と混和する溶媒で脱水し、次にポリイソシ
アネートで、架橋、固定化し、乾燥するという工程で、
親水化を行なう方法が提案されているが、このような方
法では、工程が煩雑であるだけでなく、ムコ多糖をコン
タクトレンズに均一に被覆することが困難で、また脱水
に用られる溶媒が、レンズ規格に悪影響を与える等の問
題を内在しているのである。
これに対して、比較的簡便に、親水化処理を行なう方
法として、新水性のポリマーを含有する溶液中にコンタ
クトレンズを浸漬し、該ポリマーをコンタクトレンズの
表面に付着せしめることにより、コンタクトレンズの表
面改質を行なう方法も考えられている。
そのような親水性のポリマーを含有する溶液として
は、例えば、特公昭48−37910号公報に、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン等の水溶性ポリマーを含有するコンタクトレン
ズ用溶液が明らかにされている。しかしながら、このよ
うな処理液は、ポリマーのコンタクトレンズ表面への吸
着力が弱く、特にシリコーン成分やフッ素成分を多く含
有する非含水性コンタクトレンズ等の、強い疎水性を有
する素材に対しては、効果がないという欠点を有してい
るのである。
また、特開昭63−246718号公報には、イオン電荷を有
する重合体物質からなるコンタクトレンズの表面処理用
レンズ溶液が明らかにされているが、かかる溶液では、
コンタクトレンズの電荷密度が或る程度の大きさを有し
ていることが必要であることから、親水化処理に先立っ
て、コンタクトレンズ表面の電荷密度を高めるための処
理を行なう必要があり、そのために工程が煩雑になると
いう欠点があった。更に、これらのイオン性基を含有す
る重合体溶液でコンタクトレンズを処理しても、耐久性
が極めて悪く、そのような溶液で処理したコンタクトレ
ンズを装用のために指で触ったり、また目に装用した後
も、僅か数回の瞬きで水濡れ性が悪くなってしまうとい
う欠点をも有しているのである。
さらに、米国特許第4786436号明細書には、コラーゲ
ンの親水性、生体適合性という性質を利用したコンタク
トレンズの親水化液が、また特開昭64−50014号公報に
は、キトサン等の多糖類のカチオン性誘導体等のカチオ
ン性ポリマーを含有するコンタクトレンズ用溶液が、そ
れぞれ提案されており、これらの溶液にコンタクトレン
ズを浸漬することによって、疎水性のコンタクトレンズ
表面を親水性化することは可能であるが、何れの場合
も、親水状態の耐久性が極めて悪く、そのような溶液で
処理したコンタクトレンズを装用のために指で触った
り、また目に装用した後も、僅か数回の瞬きで水濡れ性
が悪くなってしまうという欠点があった。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にし
て為されたものであって、その解決すべき課題とすると
ころは、コンタクトレンズに対する脂質などの汚れを抑
制乃至は低減して、かかるコンタクトレンズを長時間快
適に装用し得るようにするために、該レンズの表面を親
水化する方法において、より安全に且つ簡単に行なうこ
とが出来、しかも処理後の親水性状態の耐久性に優れて
いるコンタクトレンズの親水化処理方法を提供すること
にある。
(解決手段) そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するた
めに、コンタクトレンズを親水化するのに有効量の水溶
性のアミノ基含有ポリマーと、かかるアミノ基含有ポリ
マーを互いに架橋させるのに有効量の架橋剤とを含有
し、且つ該架橋剤が、ジアルデヒド、イソシアナート誘
導体、ビスジアゾべンジジン、N,N′−ポリメチレンビ
スヨードアセトアミド、N,N′−エチレンビスマレイミ
ド、ハロゲンアセチル誘導体、ポリエポキシ化合物、及
びトランスグルタミナーゼからなる群より選ばれた、ア
ミノ基含有ポリマーの2ヶ所以上のアミノ基と結合する
化合物である溶液中に、コンタクトレンズを浸漬して、
該コンタクトレンズの表面に前記アミノ基含有ポリマー
の架橋物からなる親水化層を形成することを特徴とする
コンタクトレンズの親水化方法を、その要旨とするもの
である。
また、本発明にあっては、コンタクトレンズを親水化
するのに有効量の水溶性のアミノ基含有ポリマーを含有
する溶液にコンタクトレンズを接触せしめ、該コンタク
トレンズの表面に該アミノ基含有ポリマーを吸着させた
後、かかるアミノ基含有ポリマーを互いに架橋させるの
に有効量の架橋剤を含有し、且つ該架橋剤が、ジアルデ
ヒド、イソシアナート誘導体、ビスジアゾベンジジン、
N,N′−ポリメチレンビスヨードアセトアミド、N,N′−
エチレンビスマレイミド、ハロゲンアセチル誘導体、ポ
リエポキシ化合物、及びトランスグルタミナーゼからな
る群より選ばれた、アミノ基含有ポリマーの2ヶ所以上
のアミノ基と結合する化合物である溶液と接触せしめ
て、該コンタクトレンズ表面のアミノ基含有ポリマーを
互いに架橋させ、該コンタクトレンズの親水化を行なう
ことを特徴とするコンタクトレンズの親水化方法をも、
その要旨とするものである。
(具体的構成・作用) ところで、かかる本発明において用いられる水溶性の
アミノ基含有ポリマーは、親水性が高く、コンタクトレ
ンズに吸着し易く、且つ安全なものであって、例えば、
蛋白質、多糖類、またはそれらの誘導体や、親水性の合
成ポリマー等が挙げられる。
より具体的には、蛋白質としては、アルブミン、グロ
ブリン、カゼイン等の球状蛋白質、コラーゲン、ケラチ
ン、絹等の繊維蛋白質またはそれらの誘導体があり、ま
たかかる誘導体としては、平均分子量が400以上の部分
加水分解物、アシル化物等が挙げられ、その由来は、
人,牛,豚等の動物、大豆等の植物等、何れを用いても
良い。中でも、水溶性のコラーゲン誘導体は、透明性も
良く、生体適合性も高く、またコンタクトレンズへの吸
着性も良いことから、本発明に好適に用いられるもので
ある。
なお、このように、本発明において有用な水溶性のコ
ラーゲン誘導体としては、具体的には、不溶性のコラー
ゲンを酸で抽出した水溶性コラーゲン、テロペプチドを
加水分解し除去したアテロコラーゲン、ゼラチン、加水
分解コラーゲンペプチドや、化学修飾したメチル化コラ
ーゲン分解物等が挙げられる。
そして、これらのコラーゲンの水溶性誘導体は、牛,
豚,人等の哺乳類の皮膚真皮、骨,腱,レンズ包等の組
織から、公知の方法により調製することが出来る。例え
ば、アテロコラーゲンは、不溶性のコラーゲンをペプシ
ンによって可溶化し、酸性溶液や塩化ナトリウムによっ
て分離,精製して、調製される。分子量が約10万の蛋白
質である。ゼラチンは、日本薬局方第11版、解読書に記
載されているように、不溶性のコラーゲンを酸性の熱水
またはアルカリで前処理した後、酸性の熱水で抽出,精
製して調製される、分子量が10〜25万の蛋白質である。
加水分解コラーゲンは、アテロコラーゲンまたはゼラチ
ンを蛋白質分解酵素等で加水分解して得られるペプチド
であり、その分解条件によって分子量が異なるが、本発
明に用いられる加水分解コラーゲンは、平均分子量が約
400以上のものである。なお、このコラーゲンの水溶性
誘導体の分子量が400より小さくなると、コンタクトレ
ンズと接触させたときの親水化効果が非常に小さなもの
となる。
さらに、本発明にあっては、多糖類のアミノ基含有誘
導体も、アミノ基含有ポリマーとして好適に用いられる
が、かかる多糖類のアミノ基含有誘導体としては、水溶
性でアミノ基を有するものであれば、何れを用いても良
い。具体的には、アミノ多糖の脱アセチル化物、脱スル
ホン化物やアミノ基を科学的に付与した誘導体があり、
更に具体的には、デキストラン、セルロース、プルラ
ン、デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等
のアミノ誘導体、例えばジエチルアミノエチルデキスト
ラン等や、アミノ多糖の誘導体として、キチン、ヒアル
ロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、ケラタ
ン硫酸、テイクロン酸、コロミン酸等の脱アセチル化
物、ヘパリンの脱スルホン化物が挙げられる。中でも、
キチンを脱アセチル化したものは、一般にキトサンと称
され、入手も容易で、生体適合性も良好であり、本発明
においても好適に用いられる。また、その誘導体、例え
ばカルボキシルメチルキトサン、グリコールキトサン、
N,N−ジメチルアミノキトサン、N,N−ジエチルアミノキ
トサン等も同様に用いられる。
また、親水性の合成ポリマーとしては、リジン、アル
ギニン、グリシン等のアミノ酸の重合体や、2−ヒドロ
キシメタクリレート、アルキルアミド等の親水性モノマ
ーとアミノエチルアクリレート、アミノプロピルアクリ
ルアミド等のアミノ基含有モノマーとの共重合体等が挙
げられる。
而して、本発明においては、これらのアミノ基含有ポ
リマーの中から1種を用いても、または2種以上を混合
して用いても、何等差支えない。
次いで、本発明において使用される架橋剤としては、
アミノ基とアミノ基を架橋させる多官能性化合物や、ト
ランスグルタミナーゼ、アミノ基とカルボキシル基を架
橋させる縮合試薬などが挙げられ、本発明にあっては、
その何れかが適宜に選択されることとなる。
具体的には、多官能性化合物としては、室温付近でア
ミノ基含有ポリマーの2ヶ所以上のアミノ基と結合する
化合物で、ジアルデヒド、イソシアナート誘導体、ビス
ジアゾベンジジン、N,N′−ポリメチレンビスヨードア
セトアミド、N,N′−エチレンビスマレイミド、ハロゲ
ンアセチル誘導体、ポリエポキシ化合物等が挙げられ、
更に具体的には、グルタルアルデヒド、o−フタルアル
デヒド、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジチオシアナート、N,
N−ビス(2−カルボキシイミドエチル)酒石酸イミド
ジメチルエステル、N−(γ−マレイミドブチリルオキ
シ)スクシンイミド、N,N′−(1,2−フェニレン)ビス
マレイミド、N,N′−(1,4−フェニレン)ビスマレイミ
ド、クロロトリアジン、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明において、アミノ基含有ポリマーが、アミノ基
の他に、カルボキシル基を有する場合は、それらアミノ
基とカルボキシル基との間を架橋する縮合試薬が用いら
れ得、例えば、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−
3−(2−モルホリル−4−エチル)−カルボジイミド
・メト−p−トルエンスルホネート、N−エチル−5−
フェニルイソキザゾリウム−3′−スルホネート等が挙
げられる。
また、本発明において、アミノ基含有ポリマーとし
て、水溶性コラーゲン等の蛋白質誘導体が用いられる場
合は、トランスグルタミナーゼを用いて架橋させること
も出来る。トランスグルタミナーゼは、蛋白質のグルタ
ミン残基のγ−カルボキシアミドと1級アミンとの間の
アシル転移反応を触媒する酵素で、アシル受容体として
蛋白質中のリジン残基のε−アミノ基が作用すると架橋
結合が形成される。この酵素の起源としては、哺乳類の
肝臓、水晶体、表皮等の各種臓器、細菌、放線菌等の微
生物、遺伝子操作で作られたもの等があるが、本発明に
用いられるトランスグルミタナーゼとしては、何れの起
源のものをも用いることが出来る。
さらに、本発明においては、アミノ基含有ポリマー或
いは架橋剤を含む溶液中に、必要に応じて、緩衝剤、官
能基の中和剤、金属キレート剤、防腐剤、増粘剤等が適
宜に添加されることも可能である。
かかる緩衝剤は、本発明に用いられる溶液を所定のpH
に維持するために用いられ、例えば、リン酸系、ホウ酸
系、有機酸系、炭酸系、アミノ酸系、エタノールアミン
系、トリス緩衝液、ベロナール緩衝液等、眼科生理学的
に許容し得る緩衝液が用いられ得る。特に、アミノ酸系
緩衝液、トリス緩衝液等、アミノ基を有するものは、過
剰の架橋剤の官能基と反応するため、官能基の中和剤と
しても有効である。使用される緩衝液は、pH2〜12の範
囲から目的とするpHに応じて適宜に選択されるが、例え
ばアミノ基含有ポリマーとしてアテロコラーゲン、ゼラ
チン等が用いられる場合には、pH4〜9の範囲から、ま
た酸抽出コラーゲン、キトサン等が用いられる場合に
は、pH2〜6の範囲から、それぞれ選定されるのであ
る。そして、その使用量は、約0.01〜0.5mol/の濃度
となるように選定される。
また、金属キレート剤は、目の中から取り出されたコ
ンタクトレンズに付着している涙液中のカルシウム等
が、コンタクトレンズに沈着するのを防止するために添
加され、具体的にはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ
三酢酸及びそれらの塩等が、好適に用いられる。かかる
キレート剤は、少な過ぎては効果が充分でなく、また多
過ぎても、それ以上の効果が得られないところから、そ
の使用量は、約0.001〜0.1mol/の量で含有されるよう
に調整されることが望ましい。
さらに、防腐剤は、本発明に用いられる溶液が細菌に
汚染されるのを防止するもので、具体的には、塩化ベン
ザルコニウム、クロロヘキシジン等の四級アンモニウム
塩系防腐剤、クロロブタノール等のアルコール系防腐
剤、メチルパラベン、ソルビン酸塩、安息香酸のメチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステル等が挙げ
られ、通常、0.001〜1%(W/V)の範囲で添加されるこ
ととなる。
更にまた、増粘剤は、本発明に係る方法によりコンタ
クトレンズの親水化処理を施す際に、最後にコンタクト
レンズの表面に付着している余分な溶液を手指等で洗浄
する時に、洗浄し易くするために添加されるもので、具
体例としては、メチルセルロース、カルボキシルメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビア
ゴム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アルギン酸ナト
リウム、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物、ポ
リビニルアルコール等が挙げられ、通常、0.1〜2%(W
/V)の範囲で添加される。
そして、本発明にあっては、上記の如きアミノ基含有
ポリマーをコンタクトレンズ表面に吸着させ、所定の架
橋剤によって該コンタクトレンズ表面に吸着したアミノ
基含有ポリマー同士を架橋して、架橋化アミノ基含有ポ
リマーからなる親水化層を形成せしめることにより、か
かるコンタクトレンズの親水化が行なわれるのである
が、本発明においては、親水化処理を行なう直前に、該
アミノ基含有ポリマーと該架橋剤を一液中に混合して、
親水化処理を図る方法(A法)と、先ず、該アミノ基含
有ポリマーを含有する溶液とコンタクトレンズを接触せ
しめ、該アミノ基含有ポリマーをコンタクトレンズ表面
に吸着させた後、該架橋剤を含有する溶液とそのコンタ
クトレンズを接触せしめて、コンタクトレンズ表面のア
ミノ基含有ポリマーを架橋させ、該コンタクトレンズの
親水化を図る方法(B法)とが採用される。なお、かか
るA法では、一つの容器中で、一度に吸着と架橋反応が
行なわれるところから、親水化の処理を極めて簡便に行
なうことが出来るという利点があり、またB法において
は、アミノ基含有ポリマーを含有する溶液を、コンタク
トレンズの保存液として使用することも可能となる。
更に詳細には、A法においては、先ず、アミノ基含有
ポリマーを含有する溶液と架橋剤を含有する溶液とが混
合される。このときの混合容量の比率に限定はないが、
混合後の濃度としては、アミノ基含有ポリマーは、約0.
0001〜5%(W/V)、好ましくは約0.1〜2%(W/V)の
範囲で、また架橋剤は、約0.001〜1%(W/V)、好まし
くは約0.01〜0.5%(W/V)の範囲で選ばれる。なお、両
者の濃度の比率は限定されるものではない。そして、両
者が、かかる範囲より少ない濃度のときは、親水性が良
好に行なわれず、一方上記の範囲より多い濃度の場合に
は、架橋剤が溶液中のアミノ基含有ポリマーと反応し、
該溶液がゲル化してしまう場合がある。また、混合後の
溶液のpHとしては、約3〜12の範囲で使用される。
次いで、かかる混合の後、直ちに、親水化処理が施さ
れるべきコンタクトレンズが該溶液中に浸漬せしめら
れ、親水化が行なわれることとなる。この親水化の条件
としては、約5〜40℃の温度範囲で、約5分〜48時間に
おいて行なわれる。このようにして、溶液中にコンタク
トレンズが浸漬されることにより、アミノ基含有ポリマ
ーがコンタクトレンズ表面に吸着し、次いでアミノ基含
有ポリマー同士が架橋剤によって架橋され、親水化が成
されるのである。この時、架橋反応は、アミノ基含有ポ
リマーと架橋剤を混合した直後から進行するが、アミノ
基含有ポリマーのコンタクトレンズへの吸着が、架橋反
応に比べて著しく速いため、親水化が良好に成されると
考えられる。
そして、最後に、親水化処理が行なわれたコンタクト
レンズは洗浄されて、表面に付着している余分な溶液が
取り除かれる。このとき用いられる洗浄剤としては、水
道水、精製水の他、市販のコンタクトレンズ用洗浄剤、
保存剤等が使用され得る。洗浄方法としては、流水で濯
いだり、手指で擦り洗いする等、何れの方法を採用する
ことも可能であり、これらの方法によりコンタクトレン
ズの親水性が変化することはない。
一方、B法においては、先ず、アミノ基含有ポリマー
を含有する溶液と親水化処理が施されるべきコンタクト
レンズとが接触せしめられる。ここで、該アミノ基含有
ポリマーの使用量としては、コンタクトレンズと接触せ
しめられた時に、該アミノ基含有ポリマーがコンタクト
レンズに吸着して、レンズ表面の水濡れ性が良好になる
量であれば良く、具体的には、約0.0001〜20(W/V)
%、好ましくは0.01〜2(W/V)%の範囲で選ばれる。
なお、該アミノ基含有ポリマーの使用量が約0.0001%よ
り少ないと、コンタクトレンズと接触したときの親水化
効果が非常に小さなものとなり、約20%より多くてもそ
の親水化効果が向上することはない。
また、アミノ基含有ポリマーを含有する溶液のpHとし
ては、ポリマーの性質に応じて、約pH3〜12の広い範囲
で適宜に選択され得る。
さらに、前記アミノ基含有ポリマーを含有する溶液と
コンタクトレンズとの接触条件としては、5〜40℃の温
度範囲で約5秒以上であれば良い。そして、該アミノ基
含有ポリマーを含有する溶液とコンタクトレンズとが接
触せしめられる具体的な方法としては、コンタクトレン
ズをホルダーなどで固定し、アミノ基含有ポリマーを含
有する溶液で満たされた容器中に浸漬する方法や、スポ
イト等で該アミノ基含有ポリマーを含有する溶液をコン
タクトレンズ表面に滴下する方法等、何れの方法も採用
され得る。
次いで、コンタクトレンズ表面に付着している余分な
アミノ基含有ポリマーが、水性媒体で洗い流される。か
かる水性媒体としては、アミノ基含有ポリマーとコンタ
クトレンズの吸着を疎外するものを含んでいてはなら
ず、具体的には、水道水、精製水等の水、食塩水、コン
タクトレンズの保存液等があげられるが、通常は、手軽
に多量に使用出来る水道水で行なわれる。そして、この
洗い流す操作としては、水を満たした容器中に、前記の
処理を行なったコンタクトレンズを数秒以上浸漬する
か、流体中に、前記の処理を行なったコンタクトレンズ
を晒して、余分なアミノ基含有ポリマーを洗い流すこと
により、行なうことが出来る。これによって、表面が疎
水性のコンタクトレンズにアミノ基含有ポリマーが吸着
し、水濡れ性が良好となるが、このままでは、手指、レ
ンズホルダー等がレンズ表面に触れた場合は、アミノ基
含有ポリマーが取れてしまい、レンズ表面の水濡れ性が
低下することになる。
そこで、次に、吸着しているアミノ基含有ポリマーを
架橋し、手指洗浄等の物理的な力で取れることのない被
覆を形成せしめるために、該アミノ基含有ポリマーを含
有する溶液と前記処理を施したコンタクトレンズとが接
触せしめられる。この接触の条件としては、約5〜40℃
の温度で、5分〜48時間、好ましくは20分〜18時間にお
いて行なわれ、接触方法としては、コンタクトレンズを
ホルダー等で固定し、架橋剤を含有する溶液で満たされ
た容器中に、浸漬する方法や、スポイド等で架橋剤を含
有する溶液をコンタクトレンズ表面に滴下する方法等、
何れの方法も採用され得る。
かかる架橋剤の使用量としては、約0.001〜5%(W/
V)、好ましくは約0.01〜1%(W/V)の範囲で選定され
る。なお、この使用量が約0.001%よりも少ないと、ア
ミノ基含有ポリマーが充分に架橋せず、また、約5%よ
り多くても、親水化の効果が向上することはない。
また、該架橋剤を含有する溶液のpHとしては、架橋剤
の種類に応じて、約3〜12の範囲で適宜に選定される。
例えば、グルタルアルデヒドを架橋剤として使用する場
合に、pH約6〜12、好ましくはpH約7〜9において使用
され、またカルボジイミドを架橋剤として使用する場合
は、pH約3〜7、好ましくはpH約4〜6の範囲において
使用される。
そして、最後に、親水化処理が行なわれたコンタクト
レンズが洗浄されて、表面に付着している余分な架橋剤
が取り除かれる。このとき使用される洗浄剤としては、
水道水、精製水の他、市販のコンタクトレンズ用洗浄剤
や保存液等が使用され得る。洗浄方法としては、流水で
濯いだり、手指で擦り洗いする等、何れの方法でも行な
うことが出来、このような方法によって、コンタクトレ
ンズの親水性が変化することはない。
さらに、上記の洗浄によっても、架橋剤の官能基が残
存している可能性がある場合は、必要に応じて、アミノ
基を含有する溶液に浸漬することも出来る。この場合、
アミノ基を含有する溶液としては、アミノ酸、トリス
(ヒドロキシ)アミノメタン、アミン酸等の溶液は、何
れも使用され得るが、本発明に用いられるアミノ基含有
ポリマーを含有する溶液に浸漬しても良い。
以上の如き、本発明に従う親水化処理方法(A法及び
B法)を用いることにより、手指洗浄等の物理的な衝撃
にも強い親水化が、安全で極めて手軽に行なわれ得、そ
して、そのような親水化が施されたコンタクトレンズ
は、長時間の装用にあっても、脂質などの汚れが付着乃
至は固着することなく、快適に装用されるのである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載、更には上述の具体的記述によっ
て、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまで
もないところである。
実施例 1 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタク
リレートと1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピ
ルメタクリレートを主成分とする共重合体からなる非含
水性のコンタクトレンズを準備し、このレンズの接触角
を、液滴法に従って、接触角計(エルマ光学(株)製、
ゴニオメータ式接触角計G−1型)を用いて測定したと
ころ、99,6度であった。
次いで、このコンタクトレンズを、0.1%ゼラチン(D
ifco Laboratories社製)及び0.5%グルタルアルデヒド
を含む20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に、室温下にて、2
時間浸漬し、その後、コンタクトレンズ用洗浄液
〔(株)メニコン製、商品名:オーツーケア〕を用いて
手指にて洗浄し、更に水道水にてよく濯ぐことにより、
親水化処理を施した。かくして得られた親水化処理コン
タクトレンズについて、前記と同様にして、接触角を測
定したところ、43.8度であった。
比較例 1 実施例1と同様なコンタクトレンズを用い、これを、
0.1%ゼラチンを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に、室
温下にて、2時間浸漬処理した。更にその後、コンタク
トレンズ用洗浄液〔(株)メニコン製、商品名:オーツ
ーケア〕を用いて手指にて洗浄し、そして水道水にてよ
く濯ぐことにより、親水化処理を完了した。このように
して得られたレンズについて、前記と同様にして、接触
角を測定したところ、93.8度であった。
上記実施例1及び比較例1の結果より、本発明に従え
ば、極めて高い親水化結果が得られることが認められ
る。
実施例 2 実施例1のコンタクトレンズの代わりに、メチルジ
(トリメチルシロキシ)シリル(プロピルグリセロー
ル)モノメタクリレートとメチルメタクリレートの共重
合体からなる非含水性のコンタクトレンズを用い、実施
例1と同様な操作を行なった。その結果、親水化処理前
の接触角が101.6度であるのに対して、親水化処理後の
接触角は52.0度であった。
実施例 3 実施例1の親水化溶液の代わりに、0.1%ゼラチン及
び0.2%塩酸1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドを含む20mMリン酸緩衝液(pH6.5)
を用い、実施例1と同様な操作を行なったところ、レン
ズの親水化処理後の接触角は54.9度となった。
実施例 4 実施例1の親水化溶液の代わりに、1%牛血清アルブ
ミン〔和光純薬(株)製〕及び0.1%グルタルアルデヒ
ドを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.0)を用い、実施例1
と同様な操作を行なったところ、レンズの親水化処理後
の接触角は61.8度となった。
実施例 5 実施例1の親水化溶液の代わりに、0.1%キトサン
〔甲陽ケミカル(株)製〕及び0.2%塩酸1−エチル−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを含む
希塩酸溶液(pH4.0)を用いて、実施例1と同様にして
親水化処理を行ない、更に10回、コンタクトレンズ用洗
浄液〔(株)メニコン製、商品名:オーツーケア〕を用
いて、手指にて洗浄し、そして水道水でよく濯いだ後、
前記と同様にして接触角を測定したところ、63.8度とな
った。
比較例 2 実施例1の親水化溶液の代わりに、0.1%キトサン
〔甲陽ケミカル(株)製〕を含む希塩酸溶液(pH4.0)
を用い、実施例1と同様にして親水化処理を行ない、更
に10回、コンタクトレンズ用洗浄液〔(株)メニコン
製、商品名:オーツーケア〕を用いて、手指にて洗浄
し、そして水道水でよく濯いだ後、前記と同様にして接
触角を測定したところ、102.2度であった。
これら実施例5及び比較例2の結果より、本発明にお
ける親水化効果が極めて高いことが、明らかである。
実施例 6 実施例1の親水化溶液の代わりに、0.1%ゼラチン、
0.05%グルタルアルデヒド、0.02%エチレンジアミン四
酢酸三ナトリウム、0.15%ソルビン酸カリウム、0.2%
カルボキシメチルセルロース〔和光純薬(株)〕を含む
20mMトリス緩衝液(pH6.8)を用い、実施例1と同様な
操作を行なったところ、親水化処理後のレンズの接触角
は56.9度となった。
実施例 7 実施例1と同様なコンタクトレンズを用意し、このコ
ンタクトレンズを、1%ゼラチン、0.02%エチレンジア
ミン四酢酸三ナトリウム、0.15%ソルビン酸カリウム、
0.2%カルボキシメチルセルロースを含む20mMトリス緩
衝液(pH6.8)に30秒間浸漬した。次いで、このコンタ
クトレンズを水道水で軽く濯いだ後、0.1%グルタルア
ルデヒドを含む50mM炭酸水素ナトリウム(pH8.0)に30
分間浸漬した。その後、このコンタクトレンズをコンタ
クトレンズ用洗浄液〔(株)メニコン製、商品名:オー
ツーケア〕を用いて、手指にて洗浄し、そして水道水で
よく濯いだ後、実施例1と同様にして接触角を測定した
ところ、55.1度であった。
実施例 8 実施例7の親水化溶液(緩衝液)の代わりに、0.1%
コラーゲン〔一丸ファルコス(株)製、商品名:コアプ
ラ〕を含む20mMクエン酸緩衝液(pH4.0)を用い、実施
例7と同様な操作を行なったところ、親水化処理後のレ
ンズの接触角は、56.8度となった。
実施例 9 実施例7のグルタルアルデヒドの代わりに、トリメチ
ロールプロパントリグリシジエーテル〔共栄社油脂化学
工業(株)製、商品名:エポライト100MF〕を用い、18
時間、室温下にて浸漬処理すること以外は、実施例7と
同様にして親水化処理を実施したところ、親水化処理後
のレンズの接触角は66.5度となった。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従って、水
溶性のアミノ基含有ポリマーを、親水性化されるべきコ
ンタクトレンズの表面に吸着せしめる一方、所定の架橋
剤によって、かかるアミノ基含有ポリマー同士を架橋し
て、コンタクトレンズ表面に架橋した該アミノ基含有ポ
リマーからなる親水化層を形成し、その親水化を行なう
ことにより、高価な装置を必要とすることなく、簡単な
操作で、手指による擦り洗いのような物理的衝撃に対す
る耐久性にも優れたコンタクトレンズの親水化が達成さ
れ得るのである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンタクトレンズを親水化するのに有効量
    の水溶性のアミノ基含有ポリマーと、かかるアミノ基含
    有ポリマーを互いに架橋させるのに有効量の架橋剤とを
    含有し、且つ該架橋剤が、ジアルデヒド、イソシアナー
    ト誘導体、ビスジアゾべンジジン、N,N′−ポリメチレ
    ンビスヨードアセトアミド、N,N′−エチレンビスマレ
    イミド、ハロゲンアセチル誘導体、ポリエポキシ化合
    物、及びトランスグルタミナーゼからなる群より選ばれ
    た、アミノ基含有ポリマーの2ヶ所以上のアミノ基と結
    合する化合物である溶液中に、コンタクトレンズを浸漬
    して、該コンタクトレンズの表面に前記アミノ基含有ポ
    リマーの架橋物からなる親水化層を形成することを特徴
    とするコンタクトレンズの親水化方法。
  2. 【請求項2】コンタクトレンズを親水化するのに有効量
    の水溶性のアミノ基含有ポリマーを含有する溶液にコン
    タクトレンズを接触せしめ、該コンタクトレンズの表面
    に該アミノ基含有ポリマーを吸着させた後、かかるアミ
    ノ基含有ポリマーを互いに架橋させるのに有効量の架橋
    剤を含有し、且つ該架橋剤が、ジアルデヒド、イソシア
    ナート誘導体、ビスジアゾベンジジン、N,N′−ポリメ
    チレンビスヨードアセトアミド、N,N′−エチレンビス
    マレイミド、ハロゲンアセチル誘導体、ポリエポキシ化
    合物、及びトランスグルタミナーゼからなる群より選ば
    れた、アミノ基含有ポリマーの2ヶ所以上のアミノ基と
    結合する化合物である溶液と接触せしめて、該コンタク
    トレンズ表面のアミノ基含有ポリマーを互いに架橋さ
    せ、該コンタクトレンズの親水化を行なうことを特徴と
    するコンタクトレンズの親水化方法。
  3. 【請求項3】前記アミノ基含有ポリマーが、水溶性コラ
    ーゲンまたはその誘導体である請求項(1)または
    (2)に記載のコンタクトレンズの親水化方法。
  4. 【請求項4】前記アミノ基含有ポリマーが、多糖類の誘
    導体である請求項(1)または(2)に記載のコンタク
    トレンズの親水化方法。
  5. 【請求項5】コンタクトレンズを親水化するのに有効量
    の水溶性のアミノ基及びカルボキシル基含有ポリマー
    と、かかるアミノ基及びカルボキシル基含有ポリマーを
    互いに架橋させるのに有効量の架橋剤とを含有し、且つ
    該架橋剤が、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
    ノプロピル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3
    −(2−モルホリル−4−エチル)−カルボジイミド・
    メト−p−トルエンスルホネート、及びN−エチル−5
    −フェニルイソキザゾリウム−3′−スルホネートから
    なる群より選ばれた、アミノ基とカルボキシル基との間
    を架橋する縮合試薬である溶液中に、コンタクトレンズ
    を浸漬して、該コンタクトレンズの表面に前記アミノ基
    及びカルボキシル基含有ポリマーの架橋物からなる親水
    化層を形成することを特徴とするコンタクトレンズの親
    水化方法。
  6. 【請求項6】コンタクトレンズを親水化するのに有効量
    の水溶性のアミノ基及びカルボキシル基含有ポリマーを
    含有する溶液にコンタクトレンズを接触せしめ、該コン
    タクトレンズの表面に該アミノ基及びカルボキシル基含
    有ポリマーを吸着させた後、かかるアミノ基及びカルボ
    キシル基含有ポリマーを互いに架橋させるのに有効量の
    架橋剤を含有し、且つ該架橋剤が、塩酸1−エチル−3
    −(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1
    −シクロヘキシル−3−(2−モルホリル−4−エチ
    ル)−カルボジイミド・メト−p−トルエンスルホネー
    ト、及びN−エチル−5−フェニルイソキザゾリウム−
    3′−スルホネートからなる群より選ばれた、アミノ基
    とカルボキシル基との間を架橋する縮合試薬である溶液
    と接触せしめて、該コンタクトレンズ表面のアミノ基及
    びカルボキシル基含有ポリマーを互いに架橋させ、該コ
    ンタクトレンズの親水化を行なうことを特徴とするコン
    タクトレンズの親水化方法。
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