JP3647057B2 - 樹脂被覆膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、表面硬度が良好なポリカルボジイミドをベースとする耐熱性の皮膜の製造方法に関する。詳しくは特定の硬化剤を用いることで低温で硬化可能な耐熱性、接着性および安定性ともに良好な皮膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属などの支持体の表面の保護のため種々の樹脂を被覆することは広く行われており、耐熱性が良く、表面硬度が良好で安価な被覆膜としてはポリカルボジイミドが利用できることは先に出願した(特願平5-263426号、同5-263429号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特定の構造のカルボジイミドは安価で、耐熱性、表面硬度共に良好な皮膜であるが硬化の際に200℃以上の比較的高温が必要である。これに対しては、活性水素を有する化合物を併用することが考えられる(特開昭61-235414号公報 )が、従来用いられているような活性水素化合物では、ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液に混合するとポリカルボジイミドの溶液に完全には溶解しないとか、硬化する前に相分離するするなどの問題があり良好な皮膜とはならないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、特定の硬化剤を用いると250℃以下の比較的低温でも硬化でき、耐熱性、接着性、安定性ともに良好な被覆膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液を支持体上に塗布して乾燥加熱する方法において、硬化剤として芳香族ジアミンを用いることを特徴とする樹脂被覆膜の製造方法である。
【0005】
本発明で使用するベンゼンジイソシアネートとしては、ベンゼンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メトキシベンゼンジイソシアネート、クロロベンゼンジイソシアネートが例示でき、イソシアネートの置換位置としては、2、4−体、2、6−体またはそれらの混合物が例示される。また有機溶剤としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素化合物、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素化合物が好ましく例示でき、具体的にはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、キシレン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロレチレン、トリクロロエチレン、トリクロロレタン、テトラクロロエタン、テトラクロロレチレン、ジクロロプロパントリクロロプロパン、テトラクロロプロパン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどが例示できる。ここで使用する燐触媒としては、1-フェニル-2-ホスホレン-1- オキシド、 3-メチル-1- フェニル-2- ホスホレン-1- オキシド、 1- フェニル-2- ホスホレン-1- スルフィド、1-エチル-2- ホスホレン-1- オキシド、1-エチル-3- メチル-2- ホスホレン-1- オキシドや、これらの相当する異性体、3−ホスホレン類が好ましく例示できる。触媒量は、イソシアネート全量に対し0.01−1%の間で使用できる。
【0006】
重合に際して、モノイソシアネート、アルコールを存在させると、ポリカルボジイミド溶液の取扱い性、安定性が向上し好ましい。ここで使用するモノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、(オルソ、メタ、パラ)−トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、等を例示することができる、またアルコールとしては、炭素数1〜20のアルコールが好ましく利用される。特に芳香族モノイソシアネートが好ましく利用される。これらの化合物の使用量としては、ベンゼンジイソシアネート100モル部に対し5−50モル部使用するのが一般的である。
なお、所望に応じポリカルボジイミドに無機充填剤や強化繊維、例えば破砕シリカ、合成シリカ、アルミナ粉、マイカ、チタニア、あるいはガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などを添加することができる。さらにハロゲン化合物、酸化アンチモンなどの難燃化剤、カーボンブラックなどの着色剤もその目的に応じて添加することができる。
【0007】
本発明においては、得られる樹脂被覆膜の物性を改良する目的でエポキシ化合物、シアネート化合物を上記ポリカルボジイミド溶液に溶解して用いるこが可能であり、そのような目的で使用するエポキシ化合物としては、エピクロルヒドリン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド等の1官能性エポキシ化合物、ビスフェノールのジグルシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテル、ノボラック型フェノールのグリシジルエーテルおよびその誘導体、フタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル、N−グリシジルアニリン、p−アミノフェノールのグリシジルエーテルなどのグリシジルアミンなど種々の化合物がエポキシ化合物として市場で入手できる。またシアネート化合物としては、分子内に2個以上のシアン酸エステル基を有する芳香族化合物が好ましく用いられ、そのようなものとしては1,3-または1,4-ジシアナートベンゼン、1,3,5-トリシアナートベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、1,6-または2,7-ジシアナートナフタレン、1,3,6-トリシアナートナフタレン、2,2'- または4,4'- ジシアナートビフェニル、ビス(4- シアナートフェニル) メタン、2,2-ビス(4- シアナートフェニル) プロパン、2,2-ビス(3,5- ジクロロ-4- シアナートフェニル) プロパン、ビス(4- シアナートフェニル) エーテル、ビス(4- シアナートフェニル) チオエーテル、ビス(4- シアナートフェニル) スルホン、トリス(4- シアナートフェニル) ホスフェートなどが例示できる。
これらのエポキシ化合物、シアネート化合物はポリカルボジイミドの1/100〜2倍用いるのが一般的であり、ポリカルボジイミドの溶液に溶解して用いるのが一般的である。
【0008】
本発明において、硬化剤として用いる芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミンまたはそのベンゼン環の水素の一部または全部が炭素数1〜12のアルキル基、アリール基で置換されたもの、アミノベンゼンが2個直接、またはアルキレン基等を挟んで結合したものなどが利用できる。特に好ましくは1、3−フェニレンジアミンまたはその誘導体である。
ここで芳香族ジアミンの使用割合としては、ポリカルボジイミド100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部とするのが一般的である。
【0009】
ポリカルボジイミド溶液の使用方法としては特に制限はなく通常の溶液の塗布方法で塗布乾燥し、さらに適当な温度に加熱して溶剤を完全に除去し硬化させることで物性の良好な樹脂被覆膜とすることが可能である。加熱温度としては通常100 〜400 ℃、好ましくは150 〜300 ℃である。塗布することができる支持体についても特に制限はなく、鉄、銅、アルミニウムあるいはそれらの合金さらには、表面を他の金属( 例えば亜鉛など) でメッキしたもの、あるいは表面を酸化して酸化皮膜を形成したものなどの金属、石膏ボードガラス板などの無機化合物の板、木製の板、さらにその表面に樹脂をコートしたものなどどの様なものであっても良い。
【0010】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明の実施の態様を具体的に説明する。
実施例1
トルエン-2,4- ジイソシアネートとフェニルイソシアネート7:1モル比) をトルエン中で3-メチルル-1- フェニル-2- ホスホレン-1オキシド触媒の存在下110 ℃に加熱することにより合成したポリカルボジイミド溶液(以下PCIと略す、数平均分子量約1500、ポリマー濃度30wt%)に 2,2−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを5wt%となる様に添加し、十分混合した後、さらに、1、3−フェニレンジアミンを2wt%になるように混合しスチール板状に塗布し50℃で1時間窒素気流下で乾燥した後、150 ℃で2 時間処理して厚さ100 μm の樹脂被覆膜とした。この被覆膜の鉛筆硬度(JIS K 5400 に従い測定した。) は5Hであった。熱力学分析法で測定した軟化温度は220 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。なお1、3−フェニレンジアミンを用いないで皮膜を作った場合には150 ℃では10時間熱処理しても皮膜の鉛筆硬度は2Hであり、250 ℃で2時間処理することで鉛筆硬度が5Hとなった。
【0011】
実施例2
実施例1で得たポリカルボジイミド溶液を 2,2−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを用いることなく使用したところ被覆膜の鉛筆硬度は4Hであり、熱力学分析法で測定した軟化温度は130 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。
【0012】
実施例3
トルエン-2,4- ジイソシアネートにかえ、トルエン-2,4- ジイソシアネートとトルエン-2,6- ジイソシアネートの80/20 混合物を用い、2,2 −ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンにかえ2,2 −ビス(4−シアナートフェニル)プロパンを用い、1−メチル−2、4−フェニレンジアミンに変えた他は実施例1と同様にしたところ、被覆膜の鉛筆硬度は6Hであり、熱力学分析法で測定した軟化温度は230 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。
【0013】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることで物性の良好な樹脂被覆膜を製造することができ工業的に極めて価値がある。
【産業上の利用分野】
本発明は、表面硬度が良好なポリカルボジイミドをベースとする耐熱性の皮膜の製造方法に関する。詳しくは特定の硬化剤を用いることで低温で硬化可能な耐熱性、接着性および安定性ともに良好な皮膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属などの支持体の表面の保護のため種々の樹脂を被覆することは広く行われており、耐熱性が良く、表面硬度が良好で安価な被覆膜としてはポリカルボジイミドが利用できることは先に出願した(特願平5-263426号、同5-263429号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特定の構造のカルボジイミドは安価で、耐熱性、表面硬度共に良好な皮膜であるが硬化の際に200℃以上の比較的高温が必要である。これに対しては、活性水素を有する化合物を併用することが考えられる(特開昭61-235414号公報 )が、従来用いられているような活性水素化合物では、ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液に混合するとポリカルボジイミドの溶液に完全には溶解しないとか、硬化する前に相分離するするなどの問題があり良好な皮膜とはならないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意研究を行った結果、特定の硬化剤を用いると250℃以下の比較的低温でも硬化でき、耐熱性、接着性、安定性ともに良好な被覆膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液を支持体上に塗布して乾燥加熱する方法において、硬化剤として芳香族ジアミンを用いることを特徴とする樹脂被覆膜の製造方法である。
【0005】
本発明で使用するベンゼンジイソシアネートとしては、ベンゼンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メトキシベンゼンジイソシアネート、クロロベンゼンジイソシアネートが例示でき、イソシアネートの置換位置としては、2、4−体、2、6−体またはそれらの混合物が例示される。また有機溶剤としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素化合物、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素化合物が好ましく例示でき、具体的にはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、キシレン、ジエチルベンゼン、ジプロピルベンゼン、ジブチルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロレチレン、トリクロロエチレン、トリクロロレタン、テトラクロロエタン、テトラクロロレチレン、ジクロロプロパントリクロロプロパン、テトラクロロプロパン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどが例示できる。ここで使用する燐触媒としては、1-フェニル-2-ホスホレン-1- オキシド、 3-メチル-1- フェニル-2- ホスホレン-1- オキシド、 1- フェニル-2- ホスホレン-1- スルフィド、1-エチル-2- ホスホレン-1- オキシド、1-エチル-3- メチル-2- ホスホレン-1- オキシドや、これらの相当する異性体、3−ホスホレン類が好ましく例示できる。触媒量は、イソシアネート全量に対し0.01−1%の間で使用できる。
【0006】
重合に際して、モノイソシアネート、アルコールを存在させると、ポリカルボジイミド溶液の取扱い性、安定性が向上し好ましい。ここで使用するモノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、(オルソ、メタ、パラ)−トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネート、トリフルオロメチルフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、等を例示することができる、またアルコールとしては、炭素数1〜20のアルコールが好ましく利用される。特に芳香族モノイソシアネートが好ましく利用される。これらの化合物の使用量としては、ベンゼンジイソシアネート100モル部に対し5−50モル部使用するのが一般的である。
なお、所望に応じポリカルボジイミドに無機充填剤や強化繊維、例えば破砕シリカ、合成シリカ、アルミナ粉、マイカ、チタニア、あるいはガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などを添加することができる。さらにハロゲン化合物、酸化アンチモンなどの難燃化剤、カーボンブラックなどの着色剤もその目的に応じて添加することができる。
【0007】
本発明においては、得られる樹脂被覆膜の物性を改良する目的でエポキシ化合物、シアネート化合物を上記ポリカルボジイミド溶液に溶解して用いるこが可能であり、そのような目的で使用するエポキシ化合物としては、エピクロルヒドリン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド等の1官能性エポキシ化合物、ビスフェノールのジグルシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテル、ノボラック型フェノールのグリシジルエーテルおよびその誘導体、フタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル、N−グリシジルアニリン、p−アミノフェノールのグリシジルエーテルなどのグリシジルアミンなど種々の化合物がエポキシ化合物として市場で入手できる。またシアネート化合物としては、分子内に2個以上のシアン酸エステル基を有する芳香族化合物が好ましく用いられ、そのようなものとしては1,3-または1,4-ジシアナートベンゼン、1,3,5-トリシアナートベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、1,6-または2,7-ジシアナートナフタレン、1,3,6-トリシアナートナフタレン、2,2'- または4,4'- ジシアナートビフェニル、ビス(4- シアナートフェニル) メタン、2,2-ビス(4- シアナートフェニル) プロパン、2,2-ビス(3,5- ジクロロ-4- シアナートフェニル) プロパン、ビス(4- シアナートフェニル) エーテル、ビス(4- シアナートフェニル) チオエーテル、ビス(4- シアナートフェニル) スルホン、トリス(4- シアナートフェニル) ホスフェートなどが例示できる。
これらのエポキシ化合物、シアネート化合物はポリカルボジイミドの1/100〜2倍用いるのが一般的であり、ポリカルボジイミドの溶液に溶解して用いるのが一般的である。
【0008】
本発明において、硬化剤として用いる芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミンまたはそのベンゼン環の水素の一部または全部が炭素数1〜12のアルキル基、アリール基で置換されたもの、アミノベンゼンが2個直接、またはアルキレン基等を挟んで結合したものなどが利用できる。特に好ましくは1、3−フェニレンジアミンまたはその誘導体である。
ここで芳香族ジアミンの使用割合としては、ポリカルボジイミド100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部とするのが一般的である。
【0009】
ポリカルボジイミド溶液の使用方法としては特に制限はなく通常の溶液の塗布方法で塗布乾燥し、さらに適当な温度に加熱して溶剤を完全に除去し硬化させることで物性の良好な樹脂被覆膜とすることが可能である。加熱温度としては通常100 〜400 ℃、好ましくは150 〜300 ℃である。塗布することができる支持体についても特に制限はなく、鉄、銅、アルミニウムあるいはそれらの合金さらには、表面を他の金属( 例えば亜鉛など) でメッキしたもの、あるいは表面を酸化して酸化皮膜を形成したものなどの金属、石膏ボードガラス板などの無機化合物の板、木製の板、さらにその表面に樹脂をコートしたものなどどの様なものであっても良い。
【0010】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明の実施の態様を具体的に説明する。
実施例1
トルエン-2,4- ジイソシアネートとフェニルイソシアネート7:1モル比) をトルエン中で3-メチルル-1- フェニル-2- ホスホレン-1オキシド触媒の存在下110 ℃に加熱することにより合成したポリカルボジイミド溶液(以下PCIと略す、数平均分子量約1500、ポリマー濃度30wt%)に 2,2−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを5wt%となる様に添加し、十分混合した後、さらに、1、3−フェニレンジアミンを2wt%になるように混合しスチール板状に塗布し50℃で1時間窒素気流下で乾燥した後、150 ℃で2 時間処理して厚さ100 μm の樹脂被覆膜とした。この被覆膜の鉛筆硬度(JIS K 5400 に従い測定した。) は5Hであった。熱力学分析法で測定した軟化温度は220 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。なお1、3−フェニレンジアミンを用いないで皮膜を作った場合には150 ℃では10時間熱処理しても皮膜の鉛筆硬度は2Hであり、250 ℃で2時間処理することで鉛筆硬度が5Hとなった。
【0011】
実施例2
実施例1で得たポリカルボジイミド溶液を 2,2−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを用いることなく使用したところ被覆膜の鉛筆硬度は4Hであり、熱力学分析法で測定した軟化温度は130 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。
【0012】
実施例3
トルエン-2,4- ジイソシアネートにかえ、トルエン-2,4- ジイソシアネートとトルエン-2,6- ジイソシアネートの80/20 混合物を用い、2,2 −ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンにかえ2,2 −ビス(4−シアナートフェニル)プロパンを用い、1−メチル−2、4−フェニレンジアミンに変えた他は実施例1と同様にしたところ、被覆膜の鉛筆硬度は6Hであり、熱力学分析法で測定した軟化温度は230 ℃であった。また沸騰水で10時間処理したところ剥がれは全く見られず充分な接着性を有していた。
【0013】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることで物性の良好な樹脂被覆膜を製造することができ工業的に極めて価値がある。
Claims (1)
- ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液を支持体上に塗布し乾燥加熱して耐熱性皮膜を得る方法において、塗布液として、ベンゼンジイソシアネートを有機溶剤中で、モノイソシアネートまたはアルコールと燐触媒の存在下に加熱して得たポリカルボジイミド溶液に硬化剤として芳香族ジアミンを添加混合した溶液を用いることを特徴とする樹脂被服膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02961394A JP3647057B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 樹脂被覆膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02961394A JP3647057B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 樹脂被覆膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238257A JPH07238257A (ja) | 1995-09-12 |
JP3647057B2 true JP3647057B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=12280930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02961394A Expired - Fee Related JP3647057B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | 樹脂被覆膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3647057B2 (ja) |
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1994
- 1994-02-28 JP JP02961394A patent/JP3647057B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07238257A (ja) | 1995-09-12 |
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