JP3646866B2 - 動物の糞処理具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、犬や猫等の動物の糞処理具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、犬や猫等の動物の糞を処理する際、例えば、糞を取るためのシャベル、糞を包むための新聞紙やティッシュペーパー、およびその糞を回収するための紙袋やビニール袋といった用具を用いて処理が行われてきた。特に、犬を散歩させる際、その飼い主は、これらの用具を携帯しながら散歩させることにより、公衆衛生を害さないよう努めなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シャベル,新聞紙等は嵩張るため、散歩に携帯するのに邪魔である。また、糞を新聞紙やティッシュペーパーで包んだだけのものは、手で持ちにくいだけでなく、臭いが漏れやすいため、そのままゴミ箱に捨てるには問題がある。他方、ビニール袋にこれらを入れると持ちやすいが、ゴミ処理上、ビニール袋を紙類を分別することが要求されている地域では、これをそのままゴミ箱に捨てることができない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、携帯性に優れており、回収した糞の臭いが漏れにくく、処理もしやすい、動物の糞処理具の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の動物の糞処理具は、略筒体を扁平に潰すことにより底面と天井面が形成された収納胴部と、上記収納胴部の両端開口縁部から延設され開口縁部に沿って折り返すことにより開口をそれぞれ塞ぐことのできる蓋部と、上記収納胴部の内側に沿って軸方向に摺動自在に取り付けられ上記収納胴部からその先端側が出入りするようになっているシャベル部とを備え、上記シャベル部には、上記収納胴部の底面に沿うシャベル面と、上記シャベル面の左右両側縁部に延設され折り返されて上記収納胴部の天井面に沿うアーム部とが設けられており、上記シャベル部を内蔵した収納胴部に中空部を形成した状態で、収納胴部の一端開口を蓋部で塞ぎ、収納胴部の他端開口からシャベル部先端側を引き出して動物の糞を取り、糞ごと収納胴部内に収納してその開口を蓋部で塞ぐことにより密閉して、そのまま処分できるようになっているという構成をとる。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0007】
図1は、本発明に係る動物の糞処理具の一実施例を示している。この糞処理具1は、公衆衛生を害さないよう動物の糞を回収するためのもので、収納胴部2と、上記収納胴部2の両端開口縁部から延設された蓋部5と、上記収納胴部2に内装されたシャベル部3とで構成されている。さらに、上記シャベル部3にはつまみ部4が延設されており、このつまみ部4は、収納胴部2の天井面22に穿設されたスリット6を嵌挿して外部に突出している。なお、図に示す態様は、未使用時の態様であり、省スペースとなるよう、全体が扁平に潰されている。
【0008】
上記収納胴部2および蓋部5は、1枚の紙製シート(厚さ0.7mmの厚紙)を所定の形状に切り取ったものを折り曲げて貼り合わせることにより形成されている。より詳しく説明すると、この紙製シートからなる台紙7は、展開すると図2に示すようになっている。すなわち、この台紙7は、折り目Xを介して連結される底面21と天井面22とを有し、上記天井面22の中央に、長手方向に沿ってスリット6が穿設されている。また、上記底面21と天井面22の上下両端縁部(収納胴部2を形成した場合に両端開口縁部となる部分)が、それぞれ略半円弧状に形成されており、天井面22の上下両端縁部および底面21の下端縁部を、略半円弧状の折り目Yに沿って折り返すと、その個所が蓋部5に形成されるようになっている(図5参照)。なお、上記底面21の側縁部には、のり代8が延設されており、この部分を天井面22の向かって右側縁部と貼り合わせることにより、全体を略筒状に成形することができる。
【0009】
また、上記収納胴部2(図1参照)に内装されるシャベル部3は、1枚の紙製シート(厚さ0.7mmの厚紙)を所定の形状に切り取ったものを折り曲げることにより形成されている。より詳しく説明すると、この紙製シートからなる台紙9は、展開すると図3に示すようになっている。すなわち、この台紙9は、縦長の略長方形状のシャベル面10と、上記シャベル面10の左右両側縁部に延設されたアーム部11と、上記左右のアーム部11に延設された延設片12とにより構成されている。そして、上記左右の延設片12には、それぞれ切り起し片12’が形成されている。また、上記シャベル面10の先端縁部は、略半円弧状に形成されている。
【0010】
上記台紙7および台紙9を用い、つぎのようにして図1に示す糞処理具1を形成することができる。すなわち、まず、図2に示すように、台紙7を折り目Xに沿って山折りに折り返し、さらに、底面21の側縁部に沿って、のり代8が延設された個所を山折りに折り返し、こののり代8を、天井面22の裏面と重なり合う個所に貼り合わせることにより、略筒体を扁平に潰した形状の収納胴部2を形成する。他方、図3に示すように、台紙9のうち、左右のアーム部11を折り目Zに沿って谷折りに折り返し、左右の延設片12を突き合わせて、互いの切り起し片12’により係合させて、シャベル部3を形成する。なお、上記2つの延設片12は、一体的に係合されて一つのつまみ部4を形成する。そして、上記シャベル部3先端側が収納胴部2の上端と同一方向を向くよう、シャベル部3を収納胴部2に内装し、かつ、シャベル部3に延設されたつまみ部4を、収納胴部2の側面に穿設されたスリット6を嵌挿して外部に突出させる。このようにして、目的とする糞処理具1を形成することができる。
【0011】
なお、上記糞処理具1は、先にも述べたように、未使用時には、図1に示すように、省スペースとなるよう扁平に潰されているため、携帯性に優れている。
【0012】
そして、実際に使用する場合には、左右側縁部を片手の親指と中指で押し膨らませ、全体を略筒状にし、中空にする。そして、シャベル部3先端側と反対の開口を、その開口縁部から延設された2つの蓋部5を折り目Yに沿って折り返して塞ぐことにより、図4に示すように、全体をちり取り形状にすることができる。
【0013】
この状態では、収納胴部2内に中空部13が形成されており、収納胴部2の底面21の湾曲に沿って、シャベル部3のシャベル面10が湾曲される。そこで、上記シャベル部3に延設されたつまみ部4を、収納胴部2の天井面22に穿設されたスリット6に沿ってスライドさせることにより、上記シャベル部3を収納胴部2の内側に沿って軸方向に摺動させ、収納胴部2からシャベル部3先端側を引き出すことができる。この状態で、地面に落ちた糞をすくい取ることができる。あるいは、この状態で、排便された糞を受け止めることができる。
【0014】
つぎに、上記つまみ部4を引いて、シャベル部3を糞ごと収納胴部2内の中空部13に引き入れて収納し、シャベル部3先端側の開口を、その開口縁部から延設された蓋部5を折り目Yに沿って折り返すことにより、図5に示すような形状にする。これにより、シャベル部3が出入りした側の開口が蓋部5により塞がれ、回収された糞が、糞処理具1内に密閉されるようになる。
【0015】
このようにして密閉された上記糞処理具1は、全て紙材からなるため、糞を密封したままの状態で焼却処分しても、なんら問題がなく、そのまま、ゴミとして捨てることができる。したがって、衛生的である。また、上記糞処理具1は密閉されているため、回収した糞の臭いが漏れにくい。
【0016】
図6は、本発明の他の実施例を示している。このものは、シャベル部3先端側の開口を塞ぐ蓋部5’を、天井面22から折り返す部分と底面21から折り返す部分の2つ備えており、この構造は、先に述べた実施例における、シャベル部3先端側と反対の開口を塞ぐ蓋部5と同様のものである。すなわち、上記蓋部5’も2重に折り返されるため、回収した糞の臭いが、より漏れにくくなり、さらに、糞を取る際にシャベル部3先端が汚れた場合でも、シャベル部先端が収納胴部内に完全に収納できるため、より衛生的に糞を回収することができる。
【0017】
なお、本発明の動物の糞処理具において、上記実施例にみられるようなつまみ部4およびスリット6の形状や配置等は特に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、収納胴部2’の側面において対峙する2ヶ所に、つまみ部4’およびスリット6’を設けるようにしてもよい。また、上記実施例のように、つまみ部4やスリット6を設けて、シャベル部3を収納胴部2の内側に沿って軸方向に摺動させるのではなく、収納胴部2の所定個所に穴を穿設し、その個所から棒を差し込み、差し込まれた棒の先端にシャベル部3を接着して、この棒の抜き差しにより、シャベル部3を摺動させるようにしてもよい。あるいは、棒に代えて、紙材等からなるべろをシャベル部3から延設し、シャベル部3を引き出す時は手で引き出し、シャベル部3を収納胴部2内に引き込む時は上記べろを引っ張ることにより、シャベル部3を摺動させるようにしてもよい(図示せず)。
【0018】
なお、本発明の動物の糞処理具は、その形成材料は特に限定されるものではなく、例えば、剛性プラスチックシート等を用いてもよいが、全て紙材からなるシートにより形成されている場合、先に述べたように、糞を密封したままで容易に焼却処分することができるため、より好ましい。また、紙材からなるシートを用いることにより、原料コストが安価となり、さらに、古紙を用いてもよいため、リサイクル紙材を活用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明の動物の糞処理具は、携帯時には、省スペースとなるよう扁平に潰すことができ、糞を回収する時には、収納胴部の一端開口を蓋部で塞いで、収納胴部内に中空部を形成した状態でシャベル部の先端側を手前に引き出し、これにより動物の糞を取ることができる。そして、上記シャベル部を、糞ごと収納胴部内の中空部に収納し、シャベル部先端側の開口を蓋部で塞ぐことにより、回収した糞を密閉することができる。したがって、上記糞処理具によれば、携帯時には邪魔にならず、使用時には、手を汚さず糞を処理でき、他に別段の用具を要しない。また、回収した糞は密閉されるため、臭いが漏れにくく、取り扱いやすい。
【0020】
特に、上記糞処理具を構成する収納胴部、蓋部およびシャベル部を、全て紙材からなるシートにより形成した場合には、糞を収納したままで使い捨てにし、容易に焼却処分することができる。また、紙材からなるシートを用いることにより、原料コストが安価となり、さらに、古紙を用いてもよいため、リサイクル紙材を活用することができる。そして、使い捨てできることにより、器具の洗浄を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例に用いる台紙の展開した状態の説明図である。
【図3】上記実施例に用いる台紙の展開した状態の説明図である。
【図4】上記実施例の他の使用態様を示す斜視図である。
【図5】上記実施例のさらに他の使用態様を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 収納胴部
3 シャベル部
5 蓋部
13 中空部
Claims (2)
- 略筒体を扁平に潰すことにより底面と天井面が形成された収納胴部と、上記収納胴部の両端開口縁部から延設され開口縁部に沿って折り返すことにより開口をそれぞれ塞ぐことのできる蓋部と、上記収納胴部の内側に沿って軸方向に摺動自在に取り付けられ上記収納胴部からその先端側が出入りするようになっているシャベル部とを備え、上記シャベル部には、上記収納胴部の底面に沿うシャベル面と、上記シャベル面の左右両側縁部に延設され折り返されて上記収納胴部の天井面に沿うアーム部とが設けられており、上記シャベル部を内蔵した収納胴部に中空部を形成した状態で、収納胴部の一端開口を蓋部で塞ぎ、収納胴部の他端開口からシャベル部先端側を引き出して動物の糞を取り、糞ごと収納胴部内に収納してその開口を蓋部で塞ぐことにより密閉して、そのまま処分できるようになっていることを特徴とする動物の糞処理具。
- 上記収納胴部、蓋部およびシャベル部が、全て紙材からなるシートにより形成されている請求項1記載の動物の糞処理具。
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