JP3646014B2 - カップ形圧粉体の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカップ形圧粉体、つまり底部と、その底部と一体の筒部とよりなるカップ形圧粉体の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記カップ形圧粉体の筒部は、その全長に亘って等径に形成されている。このような圧粉体の成形に当り、凸形をなす一体型上部ポンチを用いると、成形圧力にもよるが、底部の密度に比べて筒部の密度が低くなる。
【0003】
そこで、筒部の密度向上を図るべく、分割形上部ポンチとして底部成形用の心部と、その心部外周面に摺動自在に嵌合された筒部成形用の外筒部とよりなるものが用いられている。この場合、圧粉体の底部中心部分の密度向上のため、下部ポンチは可動に構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記分割形上部ポンチによれば、その心部による第1圧縮工程にて下部ポンチとの協働下で底部を成形し、また外筒部による第2圧縮工程で筒部を成形して、底部の密度は勿論のこと筒部の密度をも高めた圧粉体を得ることができる。
【0005】
しかしながら従来法においては成形作業が二工程であることから圧粉体の生産能率が悪く、また上部ポンチを心部と外筒部といった摺動関係にある二部品より構成すると共に下部ポンチを可動に構成しなければならないので、それらのコストが高い、という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は1回の圧縮工程によって、その底部の高密度化は勿論のこと筒部の密度をも高めることができる前記カップ形圧粉体の成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するために本発明は、底部と、その底部と一体の筒部とよりなり、該筒部の内、外周面がそれぞれ開口部分から該底部に向って先細りとなる内、外周テーパ面に形成されたカップ形圧粉体を成形するようにした、カップ形圧粉体の成形方法であって、 中空支持筒と、上向きのダイス孔を有し該中空支持筒に下部が摺動可能に嵌合されるダイスと、このダイスを上方に付勢して中空支持筒の上部にフローティング支持させるばねと、ダイス孔に挿脱可能な上部ポンチと、この上部ポンチの下端に上端が対向する下部ポンチとを備えていて、ダイス孔が、ダイス上面に開口し且つ下方に向って先細りの浅い第1テーパ孔部と、その第1テーパ孔部の小径端と同一直径に形成されて該小径端に連なる第1等径孔部と、その第1等径孔部の下端に連なり且つ圧粉体における筒部の外周テーパ面に対応した第2テーパ孔部と、その第2テーパ孔部の下端に連なり且つ圧粉体における底部の等径部分に対応していて下部ポンチが下方から嵌合される第2等径孔部とを有すると共に、上部ポンチが、第1テーパ孔部に嵌合する短い第1テーパ部と、その第1テーパ部の小径端と同一直径に形成されて該小径端に連なり且つ第1等径孔部に嵌合する等径部と、筒部の端面に対応する段差面を介して等径部の下端に連なり且つ圧粉体における筒部の内周テーパ面に対応する第2テーパ部とを有してなる押型を使用し、
ダイス孔の第2等径孔部の長さが圧粉体の等径部分の長さよりも長くなるように下部ポンチを位置決め固定する工程と、
ダイス孔内に原料粉を入れる工程と、
上部ポンチを下降させて、該上部ポンチ、ダイス孔及び下部ポンチの相互間で原料粉を1次的に圧縮する工程と、
引続く上部ポンチの下降により、第1テーパ部がダイス孔の第1テーパ孔部に嵌合するのに応じて、ばねに抗して上部ポンチ及びダイスを共に所定量下降させて原料粉を2次的に圧縮する工程とを行うことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、上部ポンチの下降に基づく上記1次的な圧縮段階で、圧粉体の筒部対応部は、その形状が定められると共に圧縮力の分力(f 1 )によりその厚さ方向に強圧されるので、その筒部の高密度化が達成され、また圧粉体の底部対応部は、前記圧縮力および筒部側から底部対応部に向かう圧縮力の分力(f 2 )により縮径流入する原料粉によって強圧される。そして、引続く上部ポンチの下降により、同ポンチの第1テーパ部がダイス孔の第1テーパ孔部に嵌合すると、上部ポンチとダイスとが共に所定量下降する2次的な圧縮段階となり、この2次段階では、主として圧粉体の底部対応部に圧縮成形加工が施される。このダイスの下降による2次段階においては圧粉体の底部対応部に上、下部ポンチによる両押しと同様の圧縮効果が現出するので、底部はその厚さ方向に強圧され、その高密度化が達成される。
【0009】
また下部ポンチを固定し、上部ポンチが挿脱されるダイスをフローティング支持すると、ダイスを固定し且つ下部ポンチを可動に構成した場合に比べて低コスト化を図ることができ、そして、この押型によれば、高密度化を達成された前記カップ型圧粉体を容易に量産することが可能である。また上部ポンチは一体形であるから従来の分割形に比べて低コストである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に示すスポット溶接機の電極部1において、そのチップホルダ2は外管3と、その内部に存する内管4とよりなる。外管3先端のテーパ部5に、電極チップ6がその深い第1テーパ孔部7を嵌合させて取付けられている。内管4の内部は電極チップ用冷却水の供給路8であって、その出口から、第1テーパ孔部7よりもテーパ角度の大きな浅い第2テーパ孔部9に向けて供給された冷却水は電極チップ6を冷却した後、内、外管4,3間の戻し路10を経て図示しない冷却器に導かれる。
【0011】
電極チップ6は、肉厚の底部11と、その底部11と一体の筒部12とより略カップ形に形成される。底部11は、筒部12に連なる等径部分13と、その等径部分13に連なる半球体部分14とよりなる。筒部12の外径は、その全長に亘って等径である。
【0012】
電極チップ6の製造に当っては、先ず、図2(a)に示すカップ形圧粉体15を成形し、次いでカップ形圧粉体15に焼結処理を施して図2(b)に示すカップ形焼結体16を製造し、その後焼結体16にサイジングを施して図1に示すカップ形電極チップ6を得る、といった手段が採用される。
【0013】
圧粉体15は底部17と、その底部17と一体の筒部18とよりカップ形に形成される。底部17は、筒部18に連なる等径部分19と、その等径部分19に連なるテーパ部分20とよりなる。筒部18の内、外周面は、それぞれ開口部分21から底部17に向って先細りとなる内、外周テーパ面22,23に形成される。実施例では、外周テーパ面23は軸線方向に一連に形成されているが、内周テーパ面22は段付面であって、筒部18の内周側には、電極チップ6の第1,第2テーパ孔部7,9に対応して深い第1テーパ孔部24と、それよりもテーパ角度の大きな浅い第2テーパ孔部25とが存在する。
【0014】
図3は圧粉体15を成形するための成形装置26を示し、その装置26は次のように構成されている。即ち、装置本体27の上下方向に延びる中心孔28内に中空支持筒29が立設され、その中心孔28内において、中空支持筒29の上方にダイス30が配置される。ダイス30は、中空支持筒29と略同一外径の大径部31と、その下面に突設された小径部32とよりなり、その小径部32が中空支持筒29の孔部33に摺動自在に嵌合される。
【0015】
中空支持筒29の上部に、母線方向に延びる複数の切欠き状溝34が円周上等間隔に形成され、各溝34の底面35とダイス30の環状段面36との間にコイルばね37が圧縮状態で配設される。環状段部36に、複数のロッド38が突設され、各ロッド38はコイルばね37の伸縮をガイドすべく各コイルばね37を貫通し、その下端部が中空支持筒29に形成されて溝底面35に開口する孔部39に挿入される。また装置本体27の上面に、各コイルばね37によるダイス30の上昇量を制限する板状ストッパ41が複数のボルト401 により固定される。このように構成することによって、ダイス30はフローティング・ダイスとして機能する。
【0016】
ダイス30において、そのダイス孔42は、ダイス30上面に開口し、且つ下方に向って先細りの浅い第1テーパ孔部43と、その小径端と同一直径の第1等径孔部44と、圧粉体15における筒部18の外周テーパ面23に対応する第2テーパ孔部45と、圧粉体15における底部17の等径部分19に対応する第2等径孔部46と、圧粉体15における底部17のテーパ部分20に対応する第3テーパ孔部48とよりなる。その第3テーパ孔部48は、第2等径孔部46に下方から摺動自在に嵌合された下部ポンチ47の上端面に形成されている。板状ストッパ41に、第1テーパ孔部43と同一のテーパ角度を有する原料粉投入兼ポンチ挿入用テーパ孔49が形成されている。
【0017】
上部ポンチ50はポンチ本体51と、その一端側に設けられた加工部52とを有し、その加工部52は、ダイス孔42の第1テーパ孔部43に嵌合する短い第1テーパ部53と、ダイス孔42の第1等径孔部44に嵌合する等径部54と、筒部18の端面に対応する段差面を介して等径部54の下端に連なり且つ圧粉体15における筒部18の内周テーパ面22、即ち第1テーパ孔部24に対応する第2テーパ部55と、圧粉体15の第2テーパ孔部25に対応する第3テーパ部56とよりなる。
【0018】
前記ダイス30および上、下部ポンチ50,47は押型57を構成し、その下部ポンチ47はノックアウトピンを兼ねている。
【0019】
圧粉体15の成形に当っては、図3に示すように、ダイス30が各コイルばね37の弾発力により上昇して板状ストッパ41に当接しているので、そのダイス孔42の第2等径孔部46の長さが圧粉体15の等径部分19の長さよりも長くなるように下部ポンチ47を位置決め固定する。
【0020】
次いで、ダイス孔42内に金属粉末と潤滑剤とよりなる原料粉58を、その表面が第1等径孔部44内に位置するように入れる。この場合、金属粉末としては、98.5重量%のCu粉末、1.4重量%のCr粉末および0.1重量%のAg粉末よりなる導電性混合粉末が用いられ、また潤滑剤としては、混合粉末に対して0.03重量%のステアリン酸アンモニウムが用いられる。
【0021】
その後、上部ポンチ50を下降させると、その加工部52の第1テーパ部53がダイス孔42の第1テーパ孔部43に当接するまでの間、加工部52の等径部54、第2テーパ部55および第3テーパ部56と、ダイス孔42の第1等径孔部44、第2テーパ孔部45、第2等径孔部46および第3テーパ孔部48との協働で原料粉58に圧縮成形加工が施される。これは、1回の圧縮工程における1次段階であり、筒部18は、その形状が定められると共に圧縮力Fの分力f1 によりその厚さ方向に強圧されるので、その高密度化が達成される。また底部17の対応部は前記圧縮力Fおよび筒部18側から前記対応部に向かう圧縮力Fの分力f2 により縮径流入する原料粉によって強圧される。
【0022】
引続く上部ポンチ50の下降により、図3、鎖線示のようにその加工部52の第1テーパ部53がダイス孔42の第1テーパ孔部43に嵌合すると、図4に示すように上部ポンチ50とダイス30とが共に下降する2次段階となり、この段階では、主として底部17の対応部に圧縮成形加工が施される。そして、ダイス30が中空支持筒29に当接すると、2次段階が終了して圧粉体15の成形も完了する。このダイス30の下降による2次段階においては底部17の対応部に上、下部ポンチ50,47による両押しと同様の圧縮効果が現出するので、底部17はその厚さ方向に強圧される。
【0023】
このようにして得られた圧粉体15において、その筒部18の相対密度は65%であり、底部17のそれは75%であった。
【0024】
前記のようにダイス30をフローティング支持すると、ダイス30を固定し、且つ下部ポンチ47を可動に構成した場合に比べて低コスト化を図ることができる。また下部ポンチ47を固定すると共に、図2(a)における等径部分19と図3の第2等径孔部46を等長とし、それに応じて第1等径孔部44を長くしてダイス30を固定した場合には、前記1次段階のみが現出し、この段階のみで底部17は、その厚さ方向に前記圧縮力Fおよび筒部18側から底部17に向かう圧縮力Fの分力f2 により縮径流入する原料粉量の増加によって強圧されるので、筒部18同様に底部17の高密度化が達成される。この密度は両押しの場合と同等である。
【0025】
前記圧粉体15に対する焼結処理は真空式焼結炉を用いて行われ、その処理条件は焼結温度1073℃、処理時間2時間である。この焼結処理において圧粉体15に収縮が生じるが、図2(b)に示すように焼結体16の形態は圧粉体15のそれと略同じである。
【0026】
即ち、焼結体16は底部61と、その底部61と一体の筒部62とよりカップ形に形成される。底部61は、筒部62に連なる等径部分63と、その等径部分63に連なるテーパ部分64とよりなる。筒部62の内、外周面はそれぞれ開口部分65から底部61に向って先細りとなる内、外周テーパ面66,67に形成される。実施例では、外周テーパ面67は軸線方向に一連に形成されているが、内周テーパ面66は段付面であって、筒部62の内周側には、電極チップ6の第1,第2テーパ孔部7,9に対応して深い第1テーパ孔部68と、それよりもテーパ角度の大きな浅い第2テーパ孔部69とが存在する。
【0027】
図5は絞り−アプセット加工装置70を示し、その装置70は次のように構成されている。即ち、装置本体71の上下方向に延びる中心孔72内に中空支持筒73が立設され、その中心孔72内において、中空支持筒73にダイス74が支持される。ダイス74はその下面に円形突出部75を有し、その突出部75が中空支持筒73の上部開口に嵌合され、また突出部75回りの環状段面76がその環状上端面77に当接する。ダイス74の上端部には押え板78が被せられ、その押え板78は装置本体71に複数のボルト402 により固定される。
【0028】
ダイス74において、そのダイス孔79は、ダイス74上面に開口する開口部であると共に下方に向って先細りで、且つ焼結体16における筒部62の外周テーパ面67とテーパ角度が等しいテーパ孔部80と、その小径端と同一直径で、電極チップ6の筒部12および底部11の等径部分13に対応する等径孔部81と、その等径孔部81に連なって電極チップ6の半球体部分14に対応する半球状凹部82とよりなる。テーパ孔部80の開口縁には面取りが施されている。等径孔部81の内径は、焼結体16の等径部分63の外径よりも大に設定されており、これにより等径部分63およびテーパ部分64、したがって底部61にアプセットを施すことができる。半球状凹部82は、等径孔部81に連なる曲面83と、ノックアウトピン85先端の曲面86とより形成される。そのノックアウトピン85は、等径孔部81と同軸上に在り、且つそれよりも小径の孔部84に下方から摺動自在に嵌合され、これによりノックアウトピン85はダイス74の一部を構成する。押え板78に、テーパ孔部80に連なる焼結体装入兼ポンチ挿入用孔87が形成される。
【0029】
ポンチ88はポンチ本体89と、その一端側に設けられた加工部90とを有し、その加工部90はダイス孔79の等径孔部81に嵌合する等径部91と、その等径部91に連なって電極チップ6の第1テーパ孔部7に対応する第1テーパ部92と、電極チップ6の第2テーパ孔部9に対応する第2テーパ部93とよりなる。
【0030】
焼結体16のサイジングに当っては、図5に示すように焼結体16の底部61をダイス孔79の等径孔部81に遊嵌し、また筒部62を、その外周テーパ面67を介してダイス孔79のテーパ孔部80に係合させる。これにより焼結体16の軸線とダイス孔79の軸線とが同一直線上に位置するように両者16,79の心合せが行われる。
【0031】
ポンチ88の下降により、その加工部90の第2テーパ部93が焼結体16の第2テーパ孔部69に当接してその焼結体16を押圧すると、図6に示すように、焼結体16が等径孔部81に押込まれてその筒部62に絞り加工が施される。これにより、筒部62とポンチ88との心合わせが行われた状態で筒部62がポンチ88の第1,第2テーパ部92,93に密着するので、筒部62の内外周面が精密に、且つスムーズに成形される。
【0032】
次いで、焼結体16はダイス孔79との心合わせが行われた状態でポンチ88にガイドされ、その状態で、図7に示すように底部61にアプセット加工が施されるので、低い圧縮圧で歪の均一な電極チップ6を得ることができる。この電極チップ6は、その歪の均一化に起因して、結晶格子歪が少なく、高い電気伝導度を有する。
【0033】
因に焼結体16の筒部62を等径に形成して、その筒部62に拡径加工を、また底部にアプセット加工を施すと、その筒部62の外径と等径孔部81の内径との関係から前記心合せを正確に行うことが難しく、ダイス応力は1928N/mm2 であったが、筒部62の外周面を前記のように外周テーパ面67に形成すると、そのダイス応力は699N/mm2 で十分であった。
【0034】
ダイス孔79の開口部を前記のようにテーパ孔部80に形成すると、焼結体16とダイス孔79との心合せを一層容易、且つ正確にし、また絞り加工開始時におけるプレス機偏荷重による焼結体16のずれを防止することができる。ただし、焼結体16の心合せの実行という点からは開口部はテーパ孔部である必要はなく、所定の半径を有する円弧面でもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、1回の圧縮過程でカップ形圧粉体の底部の高密度化は勿論のこと、その筒部の密度をも高めることが可能な成形方法を提供することができる。
【0036】
即ち、上部ポンチの下降に基づく1次的な圧縮段階で、圧粉体の筒部対応部は、その形状が定められると共に圧縮力の分力(f 1 )によりその厚さ方向に強圧されるので、その筒部の高密度化が達成され、また圧粉体の底部対応部は、前記圧縮力および筒部側から底部対応部に向かう圧縮力の分力(f 2 )により縮径流入する原料粉によって強圧される。そして、引続く上部ポンチの下降により、同ポンチの第1テーパ部がダイス孔の第1テーパ孔部に嵌合すると、上部ポンチとダイスとが共に所定量下降する2次的な圧縮段階となり、この2次段階では、主として圧粉体の底部対応部に圧縮成形加工が施される。このダイスの下降による2次段階においては圧粉体の底部対応部に上、下部ポンチによる両押しと同様の圧縮効果が現出するので、底部はその厚さ方向に強圧され、その高密度化が達成される。
【0037】
また特に下部ポンチを固定する一方、上部ポンチが挿脱されるダイスを中空支持筒上にばねを介してフローティング支持しているので、ダイスを固定し且つ下部ポンチを可動に構成した場合に比べて低コスト化を図ることができ、そして、この押型によれば、高密度化を達成された前記カップ型圧粉体を容易に量産することが可能である。また上部ポンチは一体形であるから従来の分割形に比べて低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スポット溶接機における電極部の縦断面図
【図2】 (a)は圧粉体の縦断面図、(b)は焼結体の縦断面図
【図3】 圧粉体成形装置において、ダイス孔に原料粉を入れた状態を示す縦断面図
【図4】 圧粉体成形装置において、成形終了時を示す縦断面図
【図5】 絞り−アプセット加工装置において、ダイス孔に焼結体を設置した状態を示す縦断面図
【図6】 絞り−アプセット加工装置において、加工中間段階を示す縦断面図
【図7】 絞り−アプセット加工装置において、加工終了時を示す縦断面図
【符号の説明】
15……圧粉体
17……底部
18……筒部
21……開口部分
22……内周テーパ面
23……外周テーパ面
29……中空支持筒
30……ダイス
37……ばね
42……ダイス孔
43……第1テーパ孔部
44……第1等径孔部
45……第2テーパ孔部
46……第2等径孔部
47……下部ポンチ
50……上部ポンチ
53……第1テーパ部
54……等径部
55……第2テーパ部
57……押型
58……原料粉
Claims (1)
- 底部(17)と、その底部(17)と一体の筒部(18)とよりなり、該筒部(18)の内、外周面がそれぞれ開口部分(21)から該底部(17)に向って先細りとなる内、外周テーパ面(22,23)に形成されたカップ形圧粉体(15)を成形するようにした、カップ形圧粉体の成形方法であって、
中空支持筒(29)と、上向きのダイス孔(42)を有し該中空支持筒(29)に下部が摺動可能に嵌合されるダイス(30)と、このダイス(30)を上方に付勢して中空支持筒(29)の上部にフローティング支持させるばね(37)と、ダイス孔(42)に挿脱可能な上部ポンチ(50)と、この上部ポンチ(50)の下端に上端が対向する下部ポンチ(47)とを備えていて、ダイス孔(42)が、ダイス(30)上面に開口し且つ下方に向って先細りの浅い第1テーパ孔部(43)と、その第1テーパ孔部(43)の小径端と同一直径に形成されて該小径端に連なる第1等径孔部(44)と、その第1等径孔部(44)の下端に連なり且つ圧粉体(15)における筒部(18)の外周テーパ面(23)に対応した第2テーパ孔部(45)と、その第2テーパ孔部(45)の下端に連なり且つ圧粉体(15)における底部(17)の等径部分(19)に対応していて下部ポンチ(47)が下方から嵌合される第2等径孔部(46)とを有すると共に、上部ポンチ(50)が、第1テーパ孔部(43)に嵌合する短い第1テーパ部(53)と、その第1テーパ部(53)の小径端と同一直径に形成されて該小径端に連なり且つ第1等径孔部(44)に嵌合する等径部(54)と、筒部(18)の端面に対応する段差面を介して等径部(54)の下端に連なり且つ圧粉体(15)における筒部(18)の内周テーパ面(22)に対応する第2テーパ部(55)とを有してなる押型(57)を使用し、
ダイス孔(42)の第2等径孔部(46)の長さが圧粉体(15)の等径部分(19)の長さよりも長くなるように下部ポンチ(47)を位置決め固定する工程と、
ダイス孔(42)内に原料粉(58)を入れる工程と、
上部ポンチ(50)を下降させて、該上部ポンチ(50)、ダイス孔(42)及び下部ポンチ(47)の相互間で原料粉(58)を1次的に圧縮する工程と、
引続く上部ポンチ(50)の下降により、第1テーパ部(53)がダイス孔(42)の第1テーパ孔部(43)に嵌合するのに応じて、ばね(37)に抗して上部ポンチ(50)及びダイス(30)を共に所定量下降させて原料粉(58)を2次的に圧縮する工程とを行うことを特徴とする、カップ形圧粉体の成形方法。
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