JP3645689B2 - 画像圧縮装置および量子化テーブル作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー静止画像をJPEGアルゴリズムに準拠して情報圧縮する画像圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高解像度画像を符号化(圧縮)して、情報の授受を通信伝送路を介して行なう標準化アルゴリズムがJPEG(Joint Photographic Expert Group )から勧告されている。このJPEGアルゴリズムのプロセスでは、原画像データを2次元離散コサイン変換(以下、2次元DCTという)によって空間周波数軸上の成分に分解し、この空間周波数軸上で表された各データを量子化し、量子化した各データを符号化することにより、大幅な情報圧縮を行なっている。また、圧縮された画像データを復号化、逆量子化することにより伸張している。
【0003】
JPEGでは、量子化あるいは逆量子化のために、所定の量子化テーブルを推奨している。このDCTと量子化による画像圧縮は、広範な被写体において効率の良い画像圧縮であるが、原画像データと伸張された再生画像データとの間に誤差を伴う非可逆方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像圧縮の量子化あるいは逆量子化において、被写体の多様性にも関わらず、単一の量子化テーブルを使用するため、被写体によっては再生画像データの劣化が大きくなることが問題である。
【0005】
本発明は、この様な問題点に鑑み、量子化誤差を予測し、量子化と逆量子化による画像劣化が少ない画像圧縮を容易にする画像圧縮装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像圧縮装置は、撮影光学系から得られた複数枚の原画像データに対応した直交変換係数を量子化テーブルを用いて量子化し、量子化直交変換係数を求める量子化手段と、
量子化直交変換係数を量子化テーブルを用いて逆量子化して求められる逆量子化直交変換係数と、直交変換係数との誤差を、直交変換係数に基づいて予測する量子化誤差予測手段と、
量子化誤差予測手段から得られた予測誤差値に基づいて量子化テーブルを作成する量子化テーブル作成手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
画像圧縮装置において、好ましくは、予測誤差値が直交変換係数に対応してそれぞれ求められ、対応する各直交変換係数と各逆量子化直交変換係数とが取り得る係数値誤差の二乗平均の平方根(rms値)で表わされる。
【0008】
画像圧縮装置において、好ましくは、量子化テーブル作成手段によって作成される量子化テーブルが直交変換係数に対応する量子化係数から成り、各量子化係数が、対応するrms値によって各量子化係数の初期値が補正されることにより求められる。
【0009】
画像圧縮装置において、好ましくは、量子化誤差予測手段が、直交変換係数の直流成分に対応するrms値から予測誤差合計値を求め、直流成分の予測誤差合計値に基づいて、交流成分に対応したrms値をそれぞれ求める。
【0010】
画像圧縮装置において、好ましくは、直流成分において、予測誤差合計値が、量子化係数の初期値から予測される係数値誤差のrms値と、絶対値が2よりも大きい直交変換係数の数との乗算により求められる。
さらに好ましくは、交流成分に対応する係数値誤差のrms値が、予測誤差合計値を、絶対値が2よりも大きい各空間周波数成分における直交変換係数の数で除算することにより求められ、算出されたrms値によって、各交流成分に対応する各量子化係数初期値が補正されることにより、各量子化係数がそれぞれ求められる。
【0011】
また、本発明による量子化テーブル作成装置は、撮影光学系から得られた複数枚の原画像データに対応した直交変換係数と、この直交変換係数に量子化テーブルを用いて量子化と逆量子化とを施すことにより求められる逆量子化直交変換係数との誤差を、直交変換係数に基づいて予測する量子化誤差予測手段と、
量子化誤差予測手段から得られた予測誤差値に基づいて、量子化テールを作成する量子化テーブル作成手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
量子化テーブル作成装置において、好ましくは、予測誤差値が直交変換係数に対応してそれぞれ求められ、対応する各直交変換係数と各逆量子化直交変換係数とが取り得る係数値誤差の二乗平均の平方根(rms値)で表わされる。
【0013】
量子化テーブル作成装置において、好ましくは、量子化テーブル作成手段によって作成される量子化テーブルが直交変換係数に対応する量子化係数から成り、各量子化係数が対応するrms値によって各量子化係数の初期値が補正されることにより求められる。
【0014】
量子化テーブル作成装置において、好ましくは、量子化誤差予測手段が、直交変換係数の直流成分に対応するrms値から予測誤差合計値を求め、直流成分の予測誤差合計値に基づいて、交流成分に対応したrms値をそれぞれ求める。
【0015】
量子化テーブル作成装置において、好ましくは、直流成分において、予測誤差合計値が、量子化係数初期値から予測される係数値誤差のrms値と、絶対値が2よりも大きい直交変換係数の数との乗算により求められる。
さらに好ましくは、交流成分に対応する係数値誤差のrms値が、予測誤差合計値を、絶対値が2よりも大きい各空間周波数成分における直交変換係数の数で除算することにより求められ、算出されたrms値によって、各交流成分に対応する各量子化係数初期値が補正されることにより、各量子化係数がそれぞれ求められる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による画像圧縮装置の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1には実施形態である画像圧縮装置の概略構成が示される。
被写体Sの撮影光学系11を介して得られる被写体像(静止画)は、色分解光学系13によってレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の画像に分解され、例えばCCDから成る3枚の撮像素子15上に結像される。即ち、各撮像素子にはそれぞれR、G、Bの画像が形成される。これらR、G、Bの画像信号は信号処理回路17において所定の処理を施され、輝度データY、色差データCb、Crに変換されて、画像メモリ19に入力される。画像メモリ19は輝度データYおよび色差データCb、Crをそれぞれ格納するために、相互に独立したメモリ領域に分割されており、各メモリ領域は1画像分の記憶容量を有している。輝度データY、色差データCb、Crは、画像圧縮装置10に対する入力データ(原画像データ)である。
【0018】
輝度データY、あるいは色差データCb、Crは、DCT処理回路12において2次元DCTを施され、空間周波数毎にDCT係数に変換される。輝度データYのDCT係数は量子化処理回路14において、量子化テーブルQyを用いて量子化され、量子化DCT係数に変換される。同様に、色差データCb、CrのDCT係数は量子化処理回路14において、量子化テーブルQcを用いて量子化され、量子化DCT係数に変換される。輝度データY、あるいは色差データCb、Crの量子化DCT係数は符号化処理回路16において、JPEGアルゴリズムに従って符号化(圧縮)され、圧縮画像データとして記録媒体Mの圧縮画像データ記録領域M1に記録される。量子化処理回路14において用いられた量子化テーブルQy、Qcは、記録媒体Mのテーブル記録領域M2に記録される。
【0019】
図2は、JPEGの推奨する従来の量子化テーブルを示す。図2(a)は輝度値Y用の量子化テーブルQyであり、図2(b)は色差Cb、Cr用の量子化テーブルQcである。
【0020】
図3を参照して、量子化と逆量子化について説明する。図3には、一例として、8×8画素の原画像データ、すなわち輝度データYのDCT係数Fvuと、量子化DCT係数Rvuと、逆量子化DCT係数F’vu、および量子化テーブルQyが示される。添字v,uは、64個のDCT係数を8×8のマトリクスの形式で表示したときの縦および横方向の位置をそれぞれ示し、添字vは上から0,1,2,...7であり、添字uは左から0,1,2,...7である。
【0021】
原画像データは、DCT処理回路12における2次元DCTによって、8×8=64個のDCT係数Fvuに変換される。2次元DCTは公知であるため、ここでは詳述しない。
【0022】
64個のDCT係数のうち、位置(0,0)にあるDCT係数F00はDC(直流)成分であり、残り63個のDCT係数FvuはAC(交流)成分である。AC成分は、係数F01もしくは係数F10から係数F77に向かって、より高い空間周波数成分が8×8画素ブロックの原画像データ中にどのくらいあるかを示している。DC成分は8×8画素のブロック全体の画素値の平均値(直流成分)を表している。すなわち、各DCT係数Fvuはそれぞれ所定の空間周波数に対応している。
【0023】
量子化テーブルQyを用いてDCT係数Fvuを量子化する式は(1)式により定義される。この式におけるround は、最も近い整数への近似を意味する。すなわち、DCT係数Fvuおよび量子化テーブルQyの各要素同士の割算と、四捨五入とによって、量子化DCT係数Rvuが求められる。
【0024】
【0025】
このように、量子化処理回路14において求められた量子化DCT係数Rvuは、例えばJPEGに準拠したハフマン符号化を用いて、符号化処理回路16においてDC成分、AC成分毎に符号化され、記録媒体Mに記録される。ハフマン符号化については、従来公知のため詳細な説明は省略する。
【0026】
符号化された圧縮画像信号を伸張して、画面に表示するためには、復号化、逆量子化、2次元DCTの逆変換(以下、2次元IDCTという)の処理が必要である。この復号化は、ハフマン符号化とは逆の作用であり、従来公知であるため詳述しない。復号化によって得られた量子化DCT係数は、量子化に用いた量子化テーブルQy、Qcを用いてそれぞれ逆量子化され、逆量子化DCT係数に変換される。これらの逆量子化DCT係数は2次元DCTの逆変換である2次元IDCTを施され、それぞれ輝度データY’、色差データCb’、Cr’に変換される。2次元IDCTについても公知であるのでここでは詳述しない。
【0027】
例えば、図3に示すDCT係数F00(=261)を、量子化係数q00(=16)を用いて(1)式により求めると、量子化係数R00は16になり、この量子化係数R00(=16)にq00(=16)を掛け合わせると、逆量子化係数F’00(=16 ×16=256)が求められる。なお、DCT係数F00(=261)と、逆量子化係数F’00(=256)との差分値i00(256-261=-5)を係数値誤差とする。このように量子化では除算の余りを丸めるため、圧縮画像データの伸張(逆量子化) において係数値誤差iを生じる。これが量子化誤差の原因である。
【0028】
図4は、DCT係数Fvuと、量子化および逆量子化した後の逆量子化DCT係数F’vuとの各係数毎の係数値誤差ivuを示す図である。本実施形態は、このように量子化、あるいは逆量子化によって生じる係数値誤差ivuを予測し、各量子化係数qvuを算出して量子化テーブルQy、Qcを作成することにより、量子化誤差を小さくする構成を備えている。
【0029】
図5は画像圧縮装置10を詳細に示すブロック図である。
画像圧縮装置10には、DCT処理回路12、量子化処理回路14、符号化処理回路16と、さらに量子化テーブル作成装置25とメモリ26とが設けられる。量子化テーブル作成装置25には、量子化誤差予測部22と、量子化テーブル作成部24とが設けられる。例えば1枚当たりmブロック数であるn枚の画像データが画像1から順に画像単位毎に入力されると、まず輝度データYと色差データCb、Crに変換され、画像メモリ19に1画像分が記録される。画像メモリ19から読み出された1枚分の画像データは、DCT処理回路12においてDCTが施され、DCT係数に変換される。画像単位で処理された画像データのDCT係数の統計量は、量子化誤差予測部22に一時的に全画像(n枚)分が記憶され、全ブロック(m×nブロック数)のDCT係数の統計量から量子化誤差予測が行なわれる。その後、量子化誤差予測部22による量子化誤差予測結果に基づいて、量子化テーブル作成部24において量子化テーブルQya、Qcaが算出され、メモリ26に記録される。量子化処理回路14はメモリ26から量子化テーブルQya、Qcaを読み取り、これらを量子化テーブルQy、Qcとして用い、量子化を行う。
【0030】
量子化誤差予測部22における量子化誤差予測について詳述する。
量子化テーブルQyにおける量子化係数をqvuとすると、DCT係数Fvuと逆量子化DCT係数F’vuとの係数値誤差ivuの範囲は、次の(2)式により表される。
【0031】
−qvu/2≦ivu≦qvu/2 ・・・(2)
【0032】
例えば量子化係数qvu=6であれば、係数値誤差ivuは−3、−2、−1、0、1、2、3の何れかに相当する。係数値誤差ivuの範囲は、量子化係数qvuが大きくなるにつれ拡大する。
【0033】
次にm×nブロックの係数値誤差ivuが、(2)式に示した範囲内で平均的に分布すると予測し、(3)式によって係数値誤差ivuの予測値rmsvuを求める。なお(3)式において、iは係数値誤差ivu、qは量子化係数qvu、rmsは各空間周波数における係数値誤差ivuの二乗平均値の平方根、即ちrms値を示す。例えばq=6であれば、rms=約1.7795である。
【0034】
【数1】
【0035】
図6に、量子化係数qとrms値との対応表を示す。
本実施形態では、輝度データYは8ビット(256段階)で表され、量子化係数qは1から255まで変化することとする。この表によく示されるように、量子化係数qが大きくなると、係数値誤差iの範囲も大きくなるため、rms値は拡大する。
【0036】
本実施形態では、m×n個の全ブロックにおいて所定の条件を満たす、例えば各空間周波数におけるDCT係数Fvuの絶対値が2より大きいDCT係数の数を、標本数Evuとする(0≦Evu≦m×n)。本実施形態ではDCT係数Fvuの絶対値が2より大きい場合、量子化係数qvuの値が大きくなるにつれ係数値誤差ivuが大きくなる、また標本数Evuが多くなるにつれ、画像全体の量子化誤差が拡大することに注目して、予測誤差合計値Gvuを次の(4)式で表している。
【0037】
Gvu=rmsvu×Evu ・・・(4)
【0038】
予測誤差合計値Gvuが各空間周波数について均一であれば、画像全体の量子化誤差は減少し、画像伸張時において復元性の高い再生画像データが得られる。従って本実施形態では、空間周波数の低い方、特にDC成分に画像情報が集中する性質を利用して、まずDC成分であるDCT係数F00の予測誤差合計値G00が、所定の量子化係数q00から(3)式および(4)式により求められる。他のDCT係数Fvu(v,u≠0)、即ち63個のAC成分の予測誤差合計値Gvuは、DC成分の予測誤差合計値G00と同じ値として、(5)式により対応する予測誤差rms’vuが算出され、量子化テーブル作成部24に出力される。
【0039】
【0040】
次に、量子化テーブル作成部24における、量子化テーブル作成処理を説明する。前述の量子化誤差予測により得られた予測誤差rms’vuは、(6)式に代入され、(6)式を満たすq’に最も近い整数である予測量子化係数q’vu(v,u≠0)が求められる。
【0041】
【数2】
【0042】
例えば、480 ×720 画素の画像を2枚処理する場合、1枚の画像データ当たりのブロック数mは5400なので、総ブロック数m×nは5400×2=10800 である。このときのDC成分に対応する量子化係数q00を6とし、DCT係数F00の絶対値が2より大きい標本数E00を10788とすると、(3)式および(4)式により予測誤差合計値G00=1.7795×10788=19197.246が求められる。AC成分、例えばDCT係数F77の絶対値が2より大きい標本数E77を6304とすると、(5)式により予測量子化係数rms’77=19197.246÷6304=約3.0452が求められ、(6)式を満たす予測量子化係数q’77=11が求められる。
【0043】
以上のように求められた各予測量子化係数q’vuは、所定の圧縮比に応じてスケーリングされ、8×8のマトリクスQyaの形で量子化処理回路14に出力される。画像圧縮では、量子化係数qを大きくすると高圧縮ができるが、画質は劣化する。逆に量子化係数qを小さくすると画質は向上するが、圧縮後のデータ量が大きくなる。画質は、量子化係数qに所定の圧縮比をかけることによりコントロールされる。
【0044】
図7は作成された量子化テーブルを示す。図7(a)は輝度値Y用の量子化テーブルQyaであり、図7(b)は色差Cb、Cr用の量子化テーブルQcaである。図2と比較すると、特にAC成分に対応する量子化係数に違いが見られる。
【0045】
図8、図9のフローチャートを参照して、量子化テーブル作成処理を説明する。図8および図9において、BLOCKSはブロック数を示す変数であり、BAは処理する総ブロック数(m×n)である。FvuはDCT係数を示し、添字v、uは、それぞれ0から7まで変化する。Evuは標本数を示す変数である。
【0046】
まず図8を参照する。ステップS102では、変数BLOCKSと変数Evuとの初期値がそれぞれ0に設定される。ステップS104では変数vの初期値が0、ステップS106では変数uの初期値が0に設定される。ステップS108ではDCT係数Fvuの絶対値が2よりも大きいか否かが判定される。DCT係数Fvuの絶対値が2よりも大きければ、ステップS110において標本数Evuが1インクリメントされステップS112に進む。DCT係数Fvuの絶対値が2より大きくなければ、ステップS112に進み、変数uが1インクリメントされる。
【0047】
ステップS114では変数uが8であるか否かが判定され、uが8でない、即ち7以下であれば、ステップS108から再実行される。u=8であればステップS116に進み、変数vが1インクリメントされる。同様に、ステップS118では変数vが8であるか否かが判定され、vが8でない、即ち7以下であれば、ステップS106から再実行される。v=8であればステップS120に進む。
【0048】
ステップS120では、変数BLOCKSが1インクリメントされ、ステップS122において変数BLOCKSが総ブロック数BAであるか否かが判定される。BLOCKSがBAでなければ、ステップS104から再実行され、BLOCKS=BAであればステップS124に進む。
【0049】
このように、8×8のDCT係数のマトリクスFvuにおいて、まず一番上の横一列の標本数Evuが左から順にカウントされ、順に次の横一列の標本数Evuがカウントされる。即ち図8の処理では、64個の各周波数成分において、DCT係数Fvuの絶対値が2より大きい標本数Evuがそれぞれカウントされる。
【0050】
次に図9を参照する。ステップS124では変数vの初期値が0、ステップS126では変数uの初期値が0に設定される。ステップS128では変数v、uが共に0であるか否かが判定される。変数v、uが共に0であればステップS130に進み、変数v、uが共に0でなければ、ステップS132に進む。
【0051】
ステップS130では、所定の量子化係数q00に基づいて、(3)式を用いてq00のrms値、即ちrms00が求められる。このrms00と標本数E00との乗算により、予測誤差合計値G00が求められ、ステップS134に進む。
【0052】
ステップS132では、予測誤差合計値G00と標本数Evuを(5)式に代入して、rms値であるrms’vuが求められる。その後、rms’vuを(6)式に代入することにより予測量子化係数q’vuが求められ、ステップS134に進む。
【0053】
ステップS134では、変数uが1インクリメントされ、ステップS136では変数uが8であるか否かが判定される。uが8でない、即ち7以下であれば、ステップS128から再実行される。u=8であればステップS138に進み、変数vが1インクリメントされる。同様に、ステップS140では変数vが8であるか否かが判定され、vが8でない、即ち7以下であれば、ステップS126から再実行される。v=8であれば処理は終了する。
【0054】
このように、まず量子化係数q00によりDC成分の予測誤差合計値G00を求め、DC成分のrms00を決定する(ステップS130)。そして、AC成分の各rms値rms’vuを、各標本数Evuと予測誤差合計値G00とから求め、予測量子化係数q’vu(v,u≠0)を算出する(ステップS132)。即ち図9の処理では、DC成分の予測誤差合計値G00を基に、AC成分の各周波数成分に対応した63個の予測量子化係数q’vuが決定される。
【0055】
再び図5を参照する。量子化テーブル作成部24では、前述のように64個の予測量子化係数q’vuが決定され、量子化テーブルQyaとして出力される。また輝度Y用の量子化テーブルQyaと同様に、色差Cr、Cb用量子化テーブルQcaが作成され、出力される。このように量子化テーブル作成装置25における量子化テーブル作成処理が終了する。
【0056】
量子化テーブル作成部24から出力された量子化テーブルQya、Qcaは、メモリ26に記録される。量子化処理回路14はこのメモリ26から量子化テーブルQya、Qcaを読み出して、量子化テーブルQy、Qcとして量子化を行う(図1参照)。なお、メモリ26は複数組の量子化テーブルQy、Qcが記録可能であり、図示しないスイッチにより、何れかの量子化テーブルが選択される。
【0057】
図10は画像と量子化テーブルとの関係を示すブロック図である。
例えば風景画像a、b、c、..を入力すれば、この風景画像に適した風景用量子化テーブルQya、Qcaが作成される。同様に、風景画像a、b、c、..と異なる画像、即ち人物画像1、2、3、..を入力画像とすると、この人物画像に最適な人物用量子化テーブルQyb、Qcbが作成される。また、同様にスポーツ画像イ、ロ、ハ、..に適したスポーツ用量子化テーブルQyc、Qccを作成することができる。
【0058】
これら3組の量子化テーブル(Qya,Qca)、(Qyb,Qcb)、(Qyc,Qcc)は、メモリ26に記録され、例えば人物画像を被写体とする場合は量子化テーブルQyb、Qcbが量子化処理回路14により読み出される。このように画風に対応した量子化テーブルQy、Qcをスイッチを切り替えて選択することにより、量子化誤差のより少ない画像圧縮が可能になる。なお本実施形態では、画像の種類を風景、人物、スポーツの3種類に定めているが、特に種類や数に限定されず、例えば撮影者毎に量子化テーブルを変えるように構成してもよい。
【0059】
本実施形態では、入力された総ブロックのDCT係数から量子化誤差を予測する量子化誤差予測部を設けているので、入力された全ての画像に最適な単一の量子化テーブルを作成できる。従って広範な画像ファイルに対して、同じ圧縮画像データ量で量子化誤差の少ない再生画像データを得ることができる。また、本実施形態では、量子化誤差をDCT係数から予測処理することにより求めているので、一度逆量子化した値から量子化誤差を求める従来の方法に比べ、量子化テーブル作成処理が迅速に行われる。さらに、複数組の量子化テーブルをメモリに記録させることにより、複数の画風に適した再生画像データが得られる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によると、量子化誤差を予測し、量子化と逆量子化による画像劣化が少ない画像圧縮を容易にする画像圧縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像圧縮装置の実施形態を、カメラとともに示すブロック図である。
【図2】従来の量子化テーブルを示す図である。
【図3】輝度データYのDCT係数Fvuと、量子化DCT係数Rvuと、逆量子化DCT係数F’vu、および量子化テーブルQyを示す図である。
【図4】DCT係数Fvuと、逆量子化DCT係数F’vuとの各係数毎の係数値誤差ivuを示す図である。
【図5】画像圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図6】量子化係数qとrms値との対応を示す表である。
【図7】作成された量子化テーブルQya、Qcaを示す図である。
【図8】量子化テーブル作成処理のフローチャートの前半部分を示す図である。
【図9】量子化テーブル作成処理のフローチャートの後半部分を示す図である。
【図10】画像と量子化テーブルの関係を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 画像圧縮装置
11 撮影光学系
13 色分解光学系
15 撮像素子
17 信号処理回路
19 画像メモリ
12 DCT処理回路
14 量子化処理回路
16 符号化処理回路
22 量子化誤差予測部
24 量子化テーブル作成部
25 量子化テーブル作成装置
26 メモリ
Claims (6)
- 撮影光学系から得られた複数枚の原画像データに対応した直交変換係数を量子化テーブルを用いて量子化し、量子化直交変換係数を求める量子化手段と、
前記量子化直交変換係数を、前記量子化テーブルを用いて逆量子化して求められる逆量子化直交変換係数と、前記直交変換係数との誤差である画像全体の量子化誤差を、所定の条件を満たす第1の前記直交変換係数と対応する逆量子化直交変換係数とが取り得る係数値誤差の二乗平均の平方根(rms値)を算出し、前記rms値と前記第1の直交変換係数の標本数との乗算により予測誤差合計値を求め、前記予測誤差合計値を前記所定の条件を満たす第2の直交変換係数の標本数で除算して、前記第2の直交変換係数に対応したrms値として表わされる予測誤差値を算出することにより、予測する量子化誤差予測手段と、
前記直交変換係数に対応する量子化係数のうち、前記量子化誤差予測手段から得られた前記予測誤差値が前記係数値誤差の二乗平均の平方根となる場合の前記量子化係数を、前記画像全体の量子化誤差を小さくする予測量子化係数として算出し、前記予測量子化係数に基づいて前記量子化テーブルを作成する量子化テーブル作成手段とを備えることを特徴とする画像圧縮装置。 - 前記量子化誤差予測手段が、前記第1の直交変換係数に対応する前記rms値と、絶対値が所定の値よりも大きい前記第1の直交変換係数の標本数との乗算により予測誤差合計値を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮装置。
- 前記第2の直交変換係数に対応する前記係数値誤差のrms値が、前記予測誤差合計値を、絶対値が前記所定の値よりも大きい前記第2の直交変換係数の標本数で除算することにより求められ、
算出された前記rms値によって、前記各予測量子化係数がそれぞれ求められることを特徴とする請求項2に記載の画像圧縮装置。 - 撮影光学系から得られた複数枚の原画像データに対応した直交変換係数と、この直交変換係数に量子化テーブルを用いて量子化と逆量子化とを施すことにより求められる逆量子化直交変換係数との誤差である画像全体の量子化誤差を、所定の条件を満たす第1の前記直交変換係数と対応する逆量子化直交変換係数とが取り得る係数値誤差の二乗平均の平方根(rms値)を算出し、前記rms値と前記第1の直交変換係数の標本数との乗算により予測誤差合計値を求め、前記予測誤差合計値を前記所定の条件を満たす第2の直交変換係数の標本数で除算して、前記第2の直交変換係数に対応したrms値として表わされる予測誤差値を算出することにより、予測する量子化誤差予測手段と、
前記直交変換係数に対応する量子化係数のうち、前記量子化誤差予測手段から得られた前記予測誤差値が前記係数値誤差の二乗平均の平方根となる場合の前記量子化係数を、前記画像全体の量子化誤差を小さくする予測量子化係数として算出し、前記予測量子化係数に基づいて前記量子化テーブルを作成する量子化テーブル作成手段とを備えることを特徴とする量子化テーブル作成装置。 - 前記量子化誤差予測手段が、前記第1の直交変換係数に対応する前記rms値と、絶対値が所定の値よりも大きい前記第1の直交変換係数の標本数との乗算により予測誤差合計値を求めることを特徴とする請求項4に記載の量子化テーブル作成装置。
- 前記第2の直交変換係数に対応する前記係数値誤差のrms値が、前記予測誤差合計値を、絶対値が前記所定の値よりも大きい前記第2の直交変換係数の標本数で除算することにより求められ、
算出された前記rms値によって、前記各予測量子化係数がそれぞれ求められることを特徴とする請求項5に記載の量子化テーブル作成装置。
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