JP3645359B2 - アナログミュート回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオ装置などに用いられるアナログミュート回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、オーディオ装置などは、入力した2つのPWM信号に対してフィルタリング処理および加減算処理を行うローパスフィルタ回路を内蔵している。
図9は、従来のローパスフィルタ回路の回路図である。
図9に示すように、従来のローパスフィルタ回路は、PWM信号L1(t),L2(t)を入力し、このPWM信号L1(t),L2(t)に対してフィルタリングを行った後に、オペアンプにてフィルタリングおよび加減算を行い、その加減算結果を出力する。
【0003】
図9に示すローパスフィルタ回路では、PWM信号L1(t)が、抵抗1およびコンデンサ7で構成されるローパスフィルタによって高調波成分が除去された後に、抵抗2を介してオペアンプ11の−端子に入力される。また、PWM信号L2(t)が、抵抗3およびコンデンサ8で構成されるローパスフィルタによって高調波成分が除去された後に、抵抗4を介してオペアンプ11の+端子の入力される。ここで、抵抗2,4,5,6、コンデンサ9,10およびオペアンプ11によって加減算回路が構成されている。オペアンプ11の電源接続用ピンには、+15Vと−15Vが印加してある。コンデンサ9,10は、周波数に対して安定化し、発振を防止するために設けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した図9に示すローパスフィルタ回路では、PWM信号L1(t)とPWM信号L2(t)とが異なる位相および振幅の波形をした信号であることから、これらの信号に含まれる雑音成分の特性も異なる。その結果、オペアンプ11にて加減算が行われたときに、雑音レベルが相殺されない状態で増幅され、雑音レベルの影響が出力信号に大きく現れ、所望の波形の信号を得ることができないという問題がある。特に、SN比を測定するときや、無信号の部分を再生するときなどに、出力信号に生じる雑音レベルの影響が大きくなる。
【0005】
本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされ、SN比を測定するときなどに、出力信号に生じる雑音レベルの影響を抑えることができるアナログミュート回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明のアナログミュート回路は、第1及び第2の入力信号に含まれる高周波成分をそれぞれ除去するための第1及び第2のローパスフィルタ回路と、上記第1及び第2のローパスフィルタ回路からの出力信号を入力し、所定の演算処理を行って出力信号を供給する演算回路と、制御信号に応じて、上記第1のローパスフィルタ回路の出力点と上記第2のローパスフィルタ回路の出力点とを作動的にほぼ同電位とする制御回路とを有する。
【0007】
また、上記制御回路は、好ましくは、上記第1のローパスフィルタ回路の出力点と上記第2のローパスフィルタ回路の出力点とを接続するトランファゲートである。更に、好ましくは、上記第1及び第2のローパスフィルタ回路にそれぞれ入力される上記第1及び第2の入力信号がPWM信号である。
【0008】
本発明のアナログミュート回路では、例えば、SN比を測定するときなどに、制御信号(ミュート信号)によって制御回路を導通状態にする。これによって、第1及び第2のローパスフィルタ回路の出力点がほぼ同電位に保持される。このとき、それぞれローパスフィルタ回路の出力点に現れる信号の雑音レベルはほぼ同じになる。そのため、これらの信号を用いて演算回路にて演算処理を行うと、雑音レベルが相殺され、雑音による影響が少ない良好な演算結果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わるアナログミュート回路について説明する。
第1実施形態
図1は、本実施形態のアナログミュート回路30の回路図である。
図1に示すように、アナログミュート回路30は、図9に示すローパスフィルタ回路のA点とB点との間に、ミュート信号φに応じて導通/非導通状態となるトランスファゲート14を挿入した構成となっている。
アナログミュート回路30は、PWM信号L1(t)の高調波成分を除去する抵抗1およびコンデンサ7で構成されるローパスフィルタと、PWM信号L2(t)の高調波成分を除去する抵抗3およびコンデンサ8で構成されるローパスフィルタを有する。
ここで、PWM信号L1(t)は、図2に示すように、−11〜+11の23値で1kHzを表現するPWM信号である。また、PWM信号L2(t)は、図3に示すように、−11〜+11の23値で1kHzを表現するPWM信号である。尚、アナログミュート回路30に入力されるPWM信号L1(t)とPWM信号L2(t)とは、通常、位相および振幅が異なっている。
【0010】
抵抗1およびコンデンサ7で構成されるローパスフィルタの出力点であるA点は、抵抗2を介してオペアンプ11の−端子に接続してある。
抵抗3およびコンデンサ8で構成されるローパスフィルタの出力点であるB点は、抵抗4を介してオペアンプ11の+端子に接続してある。
抵抗2,4,5,6、コンデンサ9,10およびオペアンプ11によって加減算回路が構成されている。オペアンプ11は、電源接続用ピンに+15Vおよび−15Vを印加する対称電源方式を採用している。コンデンサ9,10は、周波数に対して安定化し、発振を防止するために設けてある。
【0011】
また、A点とB点とは、トランスファゲート14を介して作動的に接続される。トランスファゲート14は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを並列に接続し、これらのゲートにコントロール信号φ,φ ̄をそれぞれ印加する構成になっている。具体的には、ミュート信号φがアナログミュート回路30に印加され、このミュート信号φをインバータ12によって反転したコントロール信号φ ̄がトランスファゲート14のPMOSトランジスタのゲートに印加される。また、インバータ12からの出力されたコントロール信号φ ̄は、インバータ13で反転され、この反転したコントロール信号φがトランスファゲート14のNMOSトランジスタのゲートに印加される。
【0012】
トランスファゲート14は、ミュート信号φがハイレベルのときに、導通状態となり、A点とB点とを導通(ショート)させる。A点とB点とが導通状態になると、A点に現れるPWM信号の波形と、B点に現れるPWM信号の波形とが、同じになる。このミュート信号φは、例えばユーザによる設定操作に応じて、アナログミュート回路30のSN比を測定するときにハイレベルに設定される。
また、トランスファゲート14は、ミュート信号φがローレベルのときに、非導通状態となり、A点とB点とが非導通となる。
【0013】
次に、図1に示すアナログミュート回路30の動作について説明する。
先ず、SN特性を測定する時以外の動作について説明する。
ユーザによる設定操作に応じて、アナログミュート回路30にローレベルのミュート信号φが入力され、トランスファゲート14は非導通状態になる。
このとき、図1に示すA点およびB点には、それぞれ図4に示す波形40a,40bが現れる。トランスファゲート14が非導通状態であることから、図4に示すように、波形40aと波形40bとは、位相および振幅がずれている。
波形40a,40bの信号がそれぞれオペアンプ11の−端子および+端子に入力され、加減算が行われると、図1に示す出力端子OUTに現れる波形は、図4,図5に示す波形41のように位相および振幅がランダムに変化した波形になる。そのため、SN特性は悪い。
【0014】
次に、SN特性を測定する時の動作について説明する。
SN特性を測定するときには、ユーザによる設定操作に応じて、ハイレベルのミュート信号φが入力され、トランスファゲート14は導通状態になる。
このとき、トランスファゲート14が導通状態であることから、図1に示すA点およびB点はほぼ同電位になり、A点およびB点には位相および振幅がほば等しい図4に示す波形41a,41bが現れる。
波形41a,41bの信号がオペアンプ11の−端子および+端子に入力され、加減算が行われると、図1に示す出力端子OUTに現れる出力信号の波形は、図4,図5に示す波形42のように、波形41に比べて振幅が約1/3ほどの規則正しい波形になる。また、この出力信号の波形42は、波形41に比べて、低周波のノイズが除去されている。そのため、良好なSN特性が得られている。
【0015】
以上説明したように、本実施形態に係わるアナログミュート回路によれば、SN特性を測定するときに、ミュート信号φをハイレベルにすることで、PWM信号L1(t),L2(t)に含まれる雑音レベルを相殺することができ、雑音による影響が抑制された良好な信号を出力端子OUTから得ることができる。
【0016】
第2実施形態
図6は、本実施形態のアナログミュート回路31の回路図である。
図6において、図1と同じ符号を付した構成要素は、図1に示すものと同じである。
図6に示すように、アナログミュート回路31は、オペアンプ11の電源接続用ピンに+5Vおよび0Vが印加されていること、0Vと+5Vとを抵抗32,33で分圧した接続点Cに抵抗6およびコンデンサ10の一端側が接続してあることを除いて、前述した図1に示すアナログミュート回路30と同じである。
【0017】
すなわち、アナログミュート回路31は、片電源方式を採用しており、0〜+5Vの範囲内で動作する。
アナログミュート回路31の動作は、動作電圧を除いて、前述した第1実施形態のアナログミュート回路30の動作と同じである。
アナログミュート回路31によっても前述した第1実施形態のアナログミュート回路30と同様の効果を得ることができる。
【0018】
第3実施形態
図7は、本実施形態のアナログミュート回路34の回路図である。
図7において、図1および図6と同じ符号を付した構成要素は、図1および図6に示すものと同じである。
図7に示すように、アナログミュート回路34は、図6に示すアナログミュート回路31のようにA点とB点とがトランスファゲート14を介して接続されているのではなく、A点およびB点がそれぞれトランスファゲート14a,14bを介してC点と接続されている。
【0019】
アナログミュート回路34は、片電源方式を採用しており、0〜+5Vの範囲内で動作する。
アナログミュート回路34では、ミュート信号φがハイレベルのときに、C点のDCレベルがA点およびB点に印加され、A点とB点とがほぼ同電位になる。アナログミュート回路34によっても前述したアナログミュート回路30,31と同様の効果を得ることができる。
【0020】
第4実施形態
図8は、本実施形態のアナログミュート回路35の回路図である。
図8において、図1および図7と同じ符号を付した構成要素は、図1および図7に示すものと同じである。
図8に示すように、アナログミュート回路35は、基本的には、図7に示すアナログミュート回路34と同じであるが、トランスファゲート14a,14bが、オペアンプ36a,36bを介して接続点Cに接続してある点が、アナログミュート回路34と異なる。
ここで、オペアンプ36a,36bは、ボルテージフォロアを構成している。
【0021】
アナログミュート回路35は、片電源方式を採用しており、0〜+5Vの範囲内で動作する。
アナログミュート回路35の動作は、基本的に、前述した第3実施形態のアナログミュート回路34の動作と同じである。
アナログミュート回路35によっても、基本的には前述したアナログミュート回路30,34と同様の効果が得られるが、アナログミュート回路35によれば、ボルテージフォロアとなるオペアンプ36a,36bを用いたことで、トランスファゲート14a,14bが導通状態のときの入力インピーダンスをアナログミュート回路34に比べて小さくすることができる。
【0022】
本発明は上述した実施形態には限定されない。例えば、上述した実施形態では、SN特性を測定するときにミュート信号φをハイレベルにする場合について例示したが、例えば、無信号の部分を再生するときなどに、ミュート信号φがハイレベルになるように制御してもよい。このようにすれば、無信号部分の再生時に、出力信号に生じる雑音レベルの影響を抑制することができる。
また、本発明のアナログミュート回路は、ミュート信号に応じて、複数のローパスフィルタ回路の出力点を作動的に同電位に保持することができれば、上述した図1および図6〜8に示す回路構成には限定されない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアナログミュート回路によれば、SN特性を測定するときや、無信号の部分を再生するときなどに、ミュート信号φをハイレベルにすることで、入力した複数のPWM信号に含まれる雑音レベルを相殺することができ、雑音による影響が抑制された良好な信号を演算回路から出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係わるアナログミュート回路の回路図である。
【図2】図2は、図1に示すPWM信号L1(t)の波形図である。
【図3】図3は、図1に示すPWM信号L2(t)の波形図である。
【図4】図4は、図1に示すアナログミュート回路の各点に現れる信号の波形図である。
【図5】図5は、図1に示すアナログミュート回路の出力端子に現れる信号の波形図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態に係わるアナログミュート回路の回路図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態に係わるアナログミュート回路の回路図である。
【図8】図8は、本発明の第4実施形態に係わるアナログミュート回路の回路図である。
【図9】図9は、従来のローパスフィルタ回路の回路図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6…抵抗
7,8,9,10…コンデンサ
11…オペアンプ
12,13…インバータ
14…トランスファゲート

Claims (3)

  1. 第1及び第2の入力信号に含まれる高周波成分をそれぞれ除去するための第1及び第2のローパスフィルタ回路と、
    上記第1及び第2のローパスフィルタ回路からの出力信号を入力し、所定の演算処理を行って出力信号を供給する演算回路と、
    制御信号に応じて、上記第1のローパスフィルタ回路の出力点と上記第2のローパスフィルタ回路の出力点とを作動的にほぼ同電位とする制御回路と、
    を有するアナログミュート回路。
  2. 上記制御回路は、上記第1のローパスフィルタ回路の出力点と上記第2のローパスフィルタ回路の出力点とを接続するトランファゲートである請求項1に記載のアナログミュート回路。
  3. 上記第1及び第2のローパスフィルタ回路にそれぞれ入力される上記第1及び第2の入力信号がPWM信号である請求項1又は2に記載のアナログミュート回路。
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