JP3645229B2 - スピードプレハブ緑化工法およびその擁壁ブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、築堤や護岸あるいは道路切り通し崖あるいは宅地造成地などの法面の土留による緑化工法および該工法に用いるプレハブ擁壁ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、わが国の国土は道路、河川、宅地造成などでは、その法面は擁壁構造で保護されており、コンクリートの現場打ちあるいは擁壁ブロックの積み上げ工法で施工されている。特に施工が短時間で可能な従来の間知ブロック積み、あるいはもたれ擁壁に代わる大型のブロック積土留工法としてスピード土留プレハブ工法を出願人は開発しており、この工法に適用できる大型のスピードプレハブ擁壁ブロック、特に、短期間で施工する工法ならびにそのために用いるプレハブ擁壁ブロックを開発してきた。すなわち、この大型のスピードプレハブ擁壁ブロックは、従来の積みブロックの額面および控長を大型化し箱状にしたブロック製品を1段ごとに積み上げ、胴込め工、裏込め工を施して所定の高さまで構築していくものである。これに使用する各擁壁ブロックは、単体で扶壁式擁壁の形態をしているので上段に積み上げた壁体の転倒を防止し、底版上に埋め戻しされた土砂がカウンターウエイトとして作用するものである。
【0003】
この従来の擁壁工法を図6を参照して説明すると、各擁壁ブロックは前壁3と前壁の背面から控え方向に延びる横壁4と図示しない底壁5からなる。この擁壁ブロックを用いて盛土や崖などの法面13の擁壁1とするとき、擁壁1を施工する盛土や崖などの法面13の前方の基盤10に基礎工として栗石または割石11を敷き、その上に基礎コンクリート12を打つ。次いで擁壁1を施工する法面13から裏込め工の場所を空けて、最下段の擁壁ブロック2を据え付ける。擁壁ブロック2には前壁下部に達する水抜き孔30を擁壁1の背部の裏込め部の割石あるいは栗石などの裏込め材15の部分から吸い出し防止材29を当てがって配設して法面13の水を排出できるようにした後、擁壁ブロック2に胴込めコンクリート28を上方から胴込めする。
【0004】
このようにして左右に擁壁ブロック2の1段目を据え付けると、上記のように胴込めコンクリート28を胴込めした1段目の上に2段目の擁壁ブロック2の全てを積む。一方、適宜高さに積むと、積んだ擁壁ブロック2の裏込め工として背面に適宜枠組みをして裏込めコンクリート27を打つ。さらにその後部と法面13との間に割石や栗石などの裏込め材15を裏込めする。
【0005】
以上のようにして順次に上段の擁壁ブロック2を積み、裏込めコンクリート27を打ち、さらにその後部と法面13との間に割石や栗石などの裏込め材15を裏込めして、最上段の擁壁ブロック2を積み、同様に裏込めして高段積みの擁壁1が形成される。このように擁壁ブロック2に胴込めコンクリート28を胴込めすることにより背面の土圧に耐える高段積みの擁壁1が形成されていた。
【0006】
ところで上記のような道路、河川、宅地造成などでの大規模開発により、自然環境が破壊され、緑が著しく減少して環境問題となり、緑の環境を取り戻す工法による開発が求められている。そこで、これらの要請に応えて、植栽可能な種々の擁壁ブロックがこれまでに開発されている。例えば、擁壁ブロックに胴込めコンクリートを胴込することなく空積みし、その各擁壁ブロックに土壌を胴込めし、この擁壁ブロックを控え方向にずらして植栽用の擁壁ブロック前部上面を開放し、あるいは下段から上段になるに連れて擁壁ブロックを小型化してそれぞれ後部を揃えて空積みし、擁壁ブロックの前部上面を開放し、この開放された部分の擁壁ブロックの土壌に植栽して緑化擁壁とするものが提案されている。
【0007】
しかし、これらの提案された擁壁ブロックによる緑化擁壁のものでは、空積みのため擁壁背面の土圧に耐えられないので高段に積むことができず、低段の空積みによる緑化擁壁しか形成されなかった。
【0008】
仮に高段の空積みをして植栽土壌を胴込するときは、従来の擁壁の工法と同様に裏込めコンクリートを十分に打って背面圧に十分に対処する必要がある。しかし、このように従来の裏込めコンクリートを裏込めしたものでは、背面の法面の土壌から水分や空気の補給が出来ず、雨水などによる水分が擁壁ブロック上面の植栽域の開放部から供給されるのみであるので、植栽された植物が生育に必要な十分な量の水分や空気の補給できなかった。このため、たとえ植栽しても低木性の植物しか植栽できない問題あった。そこでさらに擁壁ブロックの胴込めした土壌の中に吸水材を詰めて水分を貯蔵して植栽した植物に水分を補給するようにしたものも提案されている。
【0009】
そこでより高段に積むことができ、かつ、永続的に水分と空気が背面の法面から補給できる緑化擁壁のスピードプレハブ工法の開発が要請されており、さらにその工法に使用する大型の擁壁ブロックの開発が要請されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の要請に応えるもので、植栽された植物に必要な水分と空気が背面の法面から絶えず供給でき、低木性のみならず中木性などの比較的背の高い植物も植栽して緑化を図り、景観を自然状態に復元して自然環境を破壊することがなく、短期間で、安定性の高い積み上げで強固な構造物を得る高段の緑化擁壁を形成できるスピードプレハブブロックによる緑化工法および該緑化工法に使用するスピードプレハブ擁壁ブロックを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、前壁と、前壁から控え方向に延びる左右の横壁および底壁を有する擁壁ブロックの控え側の胴込めポーラスコンクリート部に胴込めポーラスコンクリートを胴込めしかつ胴込めポーラスコンクリートの前方の前壁寄りの植栽用の土壌部に土壌を胴込めして左右に積み、次いで上記の土壌を胴込めした擁壁ブロックの上に上段擁壁ブロックを控え方向にずらして上記の土壌を胴込めした擁壁ブロックの胴込めした土壌部分に植栽域の開放部に空けて積み上げ、積み上げた擁壁ブロックの背面に割石や栗石などの裏込め材を裏込めし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより高段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法である。
【0012】
請求項2の発明では、空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成している擁壁ブロックに、植栽用の土壌を胴込めして上下左右に積み上げ、積み上げた擁壁ブロックの背面に裏込めポーラスコンクリートを裏込めし、さらにその背後に割石や栗石などの裏込め材を裏込めし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより高段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法である。
【0013】
請求項3の発明では、胴込めポーラスコンクリートまたは裏込めポーラスコンクリートは、水分および空気を通すことができ、かつ、圧縮強度10N/mm2以上、空隙率15%以上および透水係数10-2cm/s以上からなるポーラスコンクリートを使用いることを特徴とする請求項1または2の手段のスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法である。
【0014】
請求項4の発明では、空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の 横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成している擁壁ブロックに、植栽用の土壌を胴込めして上下左右に積み上げ、背面に直に裏込め材を裏込めして擁壁とし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより低・中段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法である。
【0015】
請求項5の発明では、左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら前方に傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項の手段の緑化工法に用いる擁壁ブロックである。
【0016】
請求項6の発明では、横壁および底壁はそれぞれ開孔が形成されていることを特徴とする請求項5の手段の擁壁ブロックである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のスピードプレハブ緑化工法を説明する擁壁の模式的側面図である。図2は他の実施の形態のスピードプレハブ緑化工法を説明する擁壁の模式的側面図である。図3は本発明の擁壁ブロックの斜視図で(a)は正面側から、(b)は背面側から見た図である。図4は図3の擁壁ブロックを上下左右に積んだ模式的斜視図である。図5は本発明の擁壁ブロックを使用した裏込めコンクリートを用いることなく直に裏込め材により裏込めするスピードプレハブ緑化工法による擁壁の模式的側面図である。図6は従来法による緑化を行わない工法を説明する擁壁の模式的側面図である。
【0018】
本発明の一実施の形態を説明する。この実施の形態は、図1に示すように、前壁3とこの前壁3から控え方向に延びる左右の横壁4、4および底壁5からなる擁壁ブロック2を使用し、この実施の形態では、横壁4には貫通により左右が連通した開孔8がそれぞれ設けられ、また同様に底壁5には貫通により上下が連通した開孔8が設けられ、擁壁ブロック2はその開孔8の分だけ軽量になっている。
【0019】
この緑化スピードプレハブ工法では、使用する擁壁ブロック2として、控え方向の長さが種々に異なる擁壁ブロック2を用意し、最下段に積むものを最も控え方向の長さの長い擁壁ブロック2とし、高段になるに連れて順次に短い擁壁ブロック2とする。これらを積むときは下段の擁壁ブロック2の前壁3に対して上段の擁壁ブロック2の前壁3を控え方向にずらして前壁3側の場所を空けて植栽域の開放部16の胴込め土壌部31とし、その控え方向の後部を胴込めポーラスコンクリート部32とする。
【0020】
上記の擁壁ブロック2を用いる緑化工法を説明する。擁壁1を施工する盛土や崖などの法面13の前方の基盤10に基礎工として栗石または割石11を敷きその上に基礎コンクリート12を打つ。次いで擁壁1を施工する法面13から裏込め工の場所を空けて、最下段の最も長い擁壁ブロック2を据え付ける。擁壁ブロック2の前壁3の背面の開放部16に植栽用の土壌9を上方から胴込めして胴込め土壌部31を形成する。この胴込め土壌部31後面に取り外し可能の枠を組み、この枠の後部の控えに胴込めポーラスコンクリート28aを胴込めして胴込めポーラスコンクリート部32を形成して上記の枠を除去する。このようにして左右に擁壁ブロック2の1段目を据え付けると、上記のように植栽用土壌9を胴込めした胴込め土壌部31の1段目の擁壁ブロック2の前方の植栽用の開放部16を空けるように次に長い擁壁ブロック2を控え方向にずらして2段目の擁壁ブロック2を積み、同様に左右の2段目の擁壁ブロック2の全てを積む。一方、適宜高さに積むと、その積んだ擁壁ブロック2の背面と法面13との間の裏込め部分に積んだ擁壁ブロック2の裏込め工として割石や栗石などの裏込め材15を裏込めして擁壁18とする。
【0021】
上記において、適宜必要により、図示しないが、積んだ擁壁ブロック2の背面と法面13との間の裏込め部分に積んだ擁壁ブロック2の裏込め工として背面に適宜枠組みをして裏込めポーラスコンクリート14を打ち、さらにその背面と法面13との間の裏込め部分に積んだ擁壁ブロック2の裏込め工として割石や栗石などの裏込め材15を裏込めして法面からの背面圧に対する強度を一層保って擁壁18に積むこともできる。
【0022】
以上のようにして順次に短くなる上段の擁壁ブロック2を積み、裏込めポーラスコンクリート14を打ち、さらにその後部と法面13との間に割石や栗石などの裏込め材15を裏込めして、最上段の最短の擁壁ブロック2を積み、裏込めして階段状の擁壁1が形成される。この階段状の擁壁1の各擁壁ブロック2の胴込め土壌部31の前方の開放部16の土壌に低木性あるいは中木性の植物17を植生する。以上により擁壁1の全面を緑化する緑化工法は完了する。
【0023】
次いで、他の実施の形態について説明するが、この説明に先立ってこの実施の形態に使用する擁壁ブロックの実施の形態を先ず説明する。図3の(a)および(b)に見られるように、擁壁ブロック19は左右の横壁21、21と、この左右の横壁21、21の下端から上部前方になるにつれた徐々にオーバーハング状に突き出しながら前方に傾斜した前壁20と底壁22を有する。このオーバーハング状に突き出しながら前方に傾斜した前壁20の背面と横壁21の前端部より前側の領域が植栽域の開放部16になっている。さらに適宜補強のため、左右の横壁21、21の中間に横壁21、21と平行な補強用の補強板23を有し、さらに左右横壁21、21の後端の下部間を繋ぐ後壁24を有する。補強板23の後端と当接する箇所の後壁24の高さは横壁21の高さと同じ背高部25に形成されている。さらに軽量化のため横壁21および底壁22には開孔26が形成されている。この図3の擁壁ブロック19は後壁24が上部が後方へオーバーハング状に傾斜しており、擁壁18を設置する法面13と略平行になっている。
【0024】
緑化工法の他の実施の形態は、上記した擁壁ブロック19を左右上下に積み上げて擁壁18とし、その各段の擁壁ブロック19の植栽域の開放部16に植物17を植栽してなるものである。すなわち、擁壁ブロック19を空積みして擁壁18とした前壁側から見た斜視図を説明のため図4に示す。
【0025】
この実施の形態の緑化工法は、図2に見られるように、擁壁18を施工する盛土や崖などの法面13の前方の基盤10に基礎工として栗石または割石11を敷きその上に基礎コンクリート12を打つ。次いで擁壁18を施工する法面13から裏込め工の場所を空けて、最下段の基礎ブロックを据え付け、その上に上記した擁壁ブロック19の最下段を据え付ける。擁壁ブロック19の前壁20の背面の開放部16に植栽用の土壌9を上方から胴込めする。このようにして左右に擁壁ブロック19の1段目を据えつけると、上記のように植栽用土壌9を胴込めした1段目の前方の植栽用の開放部16を空け、上下の擁壁ブロック19、19の各横壁21を合致させて2段目の擁壁ブロック19を積み、同様に左右の2段目を積む。一方、適宜高さに積むと、積んだ擁壁ブロック19の裏込め工として背面に適宜枠組みをして裏込めポーラスコンクリート14を打ち、さらにその後部と法面13との間に割石や栗石などの裏込め材15を裏込めする。
【0026】
以上のようにして順次上段の擁壁ブロック19を積み、裏込めポーラスコンクリート14を打ち、さらにその後部と法面13との間に割石や栗石などの裏込め材15を裏込めして、最上段の擁壁ブロック2を積み、裏込めして階段状の擁壁1が形成される。この階段状の擁壁1の各擁壁ブロック2の前方の開放部16の土壌に低木あるいは中木の植物17を植生する。以上により擁壁1の全面を緑化する緑化工法は完了する。
【0027】
上記のそれぞれの実施の形態において、裏込めポーラスコンクリート14あるいは胴込めポーラスコンクリート28aは、セメントに混入する骨材の粒度あるいはその割合を適宜に調整してモルタル中に連続孔を導入しながら凝固することで連続的に開口した多孔を有し水分および空気を通すことのできるポーラスコンクリートとする。しかしながら、これらの裏込めポーラスコンクリート14はポーラスとすることで擁壁1や18としての必要な強度を維持する必要があり、圧縮強度10N/mm2以上とするのが好ましい。10N/mm未満では擁壁としての強度が不足する。上限は、水分や空気の補給が行われる連続の多孔が存在する範囲ならば問題がない。
【0028】
上記において、裏込めポーラスコンクリート14あるいは胴込めポーラスコンクリート28aは、圧縮強度10N/mm2以上に加えて、さらに、空隙率15%以上および透水係数10-2cm/s以上とするのが好ましい。空隙率が15%未満では、十分な水分や空気の補給が行われない。また、さらに透水係数が10-2cm/s未満では、水分の移動に時間がかかり過ぎる結果、同じく十分な水分の補給がはかられないので、上記のように各条件を満足するポーラスコンクリートとする。
【0029】
さらに、図5に示すように、この緑化工法の実施の形態では、図2に示す実施の形態と異なり、擁壁18の背部の裏込め工に裏込めポーラスコンクリート14を形成することなく、図3に示す擁壁ブロック19を使用するもので、擁壁ブロック19の背面に直に割石または栗石などの裏込め材15を裏込めして擁壁とするものである。図2に示す実施の形態と同様に植栽域の開放部16に植物を植栽して緑化した擁壁18を形成するもので、従って、擁壁ブロック19の前壁20の背面と横壁21の前端部より前方の空間を植栽域の開放部16とし、この開放部16に植栽用の土壌9を胴込めしている。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の緑化工法は、水分および空気を通すことのできるポーラスコンクリートを法面の土壌側の通水性の割石や栗石などの裏込め材と擁壁ブロックを積み上げてなる擁壁との間の裏込めコンクリートに使用することで、あるいは擁壁ブロック内の法面側にポーラスコンクリートを胴込めコンクリート部として胴込めし、擁壁ブロックの前壁側の植栽域の胴込め土壌部に接続することで、法面の土壌から擁壁ブロックの植栽域の土壌に絶えず水分と空気を補給することを可能としたので、従来の工法における擁壁ブロックに植栽された植物に必要な水分が背面の法面から供給でき無かったので低木性の植物しか植栽できなかったことに比し、本発明の緑化工法では低木性のみならず中木性などの比較的背の高い植物も植栽して緑化を図ることができる。さらに、従来の低段の緑化擁壁しか出来なかったものを裏込めポーラスコンクリートとすることで、高段の緑化擁壁が形成できるようになり、法面の景観を自然状態に復元して短期間で、安定性の高い積み上げで強固な構造物を得ることができる。
【0031】
また、さらに本発明の擁壁ブロックを採用することで、擁壁に積むとき、擁壁ブロックを後方にずらしたり、あるいは控え方向の長さの異なる多数の擁壁ブロックを準備しなくとも、一種類の擁壁ブロックで擁壁前側に植栽でき、かつ擁壁ブロックを安全性高く積み上げることができるなど、本発明は従来にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の緑化工法を説明する擁壁の模式的側面図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態の緑化工法を説明する擁壁の模式的側面図である。
【図3】 本発明の擁壁ブロックの斜視図で(a)は正面側から、(b)は背面側から見た図である。
【図4】 図3の擁壁ブロックを上下左右に積んだ模式的斜視図である。
【図5】 本発明の擁壁ブロックを使用した裏込めコンクリートを用いることなく直に裏込め材により裏込めする緑化工法による擁壁の模式的側面図である。
【図6】 従来法による緑化を行わない工法を説明する擁壁の模式的側面図である。
【符号の説明】
1 擁壁
2 擁壁ブロック
3 前壁
4 横壁
5 底壁
6 後壁
7 補強板
8 開孔
9 土壌
10 基盤
11 割石
12 基礎コンクリート
13 法面
14 裏込めポーラスコンクリート
15 裏込め材
16 開放部
17 植物
18 擁壁
19 擁壁ブロック
20 前壁
21 横壁
22 底壁
23 補強壁
24 後壁
25 背高部
26 開孔
27 裏込めコンクリート
28 胴込めコンクリート
28a 胴込めポーラスコンクリート
29 吸い出し防止材
30 水抜き孔
31 胴込め土壌部
32 胴込めポーラスコンクリート部

Claims (6)

  1. 空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、前壁と、前壁から控え方向に延びる左右の横壁および底壁を有する擁壁ブロックの控え側の胴込めポーラスコンクリート部に胴込めポーラスコンクリートを胴込めしかつ胴込めポーラスコンクリートの前方の前壁寄りの植栽用の土壌部に土壌を胴込めして左右に積み、次いで上記の土壌を胴込めした擁壁ブロックの上に上段擁壁ブロックを控え方向にずらして上記の土壌を胴込めした擁壁ブロックの胴込めした土壌部分に植栽域の開放部に空けて積み上げ、積み上げた擁壁ブロックの背面に割石や栗石などの裏込め材を裏込めし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより高段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法。
  2. 空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成している擁壁ブロックに、植栽用の土壌を胴込めして上下左右に積み上げ、積み上げた擁壁ブロックの背面に裏込めポーラスコンクリートを裏込めし、さらにその背後に割石や栗石などの裏込め材を裏込めし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより高段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法である。
  3. 胴込めポーラスコンクリートまたは裏込めポーラスコンクリートは、水分および空気を通すことができ、かつ、圧縮強度10N/mm2以上、空隙率15%以上および透水係数10-2cm/s以上からなるポーラスコンクリートを使用いることを特徴とする請求項1または2に記載のスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法。
  4. 空積みした擁壁ブロックの前部に植栽用の土壌を胴込めして緑化擁壁を形成する緑化工法において、左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成している擁壁ブロックに、植栽用の土壌を胴込めして上下左右に積み上げ、背面に直に裏込め材を裏込めして擁壁とし、植栽域の開放部に植物を植栽することにより低・中段積みの緑化擁壁を形成することを特徴とするスピードプレハブ擁壁ブロックによる緑化工法。
  5. 左右の横壁と該左右の横壁下端から上部前方に徐々に突き出しながら前方に傾斜した前壁と底壁と左右横壁の後端の下部を繋ぐ後壁とを有し、左右の横壁の中間に横壁と平行に補強板を有し、該補強板の後端と当接する箇所の該後壁の高さを横壁の高さと同じ背高部に形成し、かつ、前壁の背面と横壁の前端部より前方の空間を植栽域の開放部に形成していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の緑化工法に用いる擁壁ブロック。
  6. 横壁および底壁はそれぞれ開孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の擁壁ブロック。
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