JP3645147B2 - 収納家具類 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、洋服ダンス、シューズボックスなどの家具単体若しくは造り付けの収納家具類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の収納家具類は、健常者を対象として設計されているので、車椅子などを使用する障害者には、使用し難いものである。特に、最近のシューズボックスには、かなりの収容量を必要とする関係で棚数を増やし、収納空間を上方に延ばしている構造が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、車椅子使用の身体障害者にとって、上方の棚にある履物の取り出しや収納の操作ができないという事情がある。また、健常者でも、老人や小柄な人物にとっては、高所へのアクセスが困難であり、背を伸ばす際の支えが必要になる場合が多い。さらに、玄関又は室内において独力で立ち上がることが困難である場合が多い。
【0004】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、障害者や、足腰の弱い老人や、小柄な人物でも、収納部へのアクセスが容易で、あるいは、独力で立ち上がる時の助けとなる構造の収納家具類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、図示の実施の形態にて明らかにしたように、収納家具類本体1の正面に位置して、横方向に支持棒2を装備しており、支持棒2は、その両端を、収納家具類本体1の両側板若しくは側板と中仕切板の対向する不動板部に固定して取り付けられている。
【0006】
上記の支持棒2は、収納家具類本体1の上記対向する不動板部に互いに対向して設けた複数対の取付穴3、3に、その何れかの対を選択して着脱可能に嵌挿し、収納家具類本体1に取り付け固定されている。
【0007】
この場合、本発明の実施の形態として、取付穴3、3は、両側板1d、1dの内縁に、左右に対向して設けられていて、これらの対の何れかに、前記支持棒2の両端が嵌挿されている構成が有効である。また、この実施の形態において、支持棒2は、その端部において、ボードネジにより、収納家具類本体1に固定されるのがよい。
【0008】
更に、この収納家具類の参考例において、収納家具類本体1には、中間仕切台板1cと台板1bとの間に、抽出式収納部4が構成されていること、あるいは、収納家具類本体1の片側には、支持棒2の取付位置から外れて、前方に開放される抽出式収納部5が構成されていることは、使用者の便宜の上で、有効である。
【0009】
このような構成では、使用者は、玄関先や室内で支持棒2に縋って、起立し、あるいは、背伸びして、高所の棚などにある収納物の取り出しや、収納の操作ができるので、障害者の補助となり、また、老人や小柄な人物にも、使用上の便宜となる。しかも、取付穴が複数対、用意されているので、各利用者の要望に合わせて、支持棒の位置を上下に選択し、取り付け替えができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の収納家具類は、以下に示す実施の形態において、具体的に説明される。即ち、この実施の形態における基本構成は、図面に示すように、収納家具類本体1の正面に位置して、縦(以下に参考例として示す第1、第3および第4の実施の形態を参照)あるいは横(以下に示す第2の実施の形態を参照)に支持棒2を装備しており、支持棒2は、その両端を、収納家具類本体1の対向する不動板部に互いに対向して設けた複数対の取付穴3、3に、その何れかの対を選択して着脱可能に嵌挿し、例えば、ボードネジ(図示せず)によって、収納家具類本体1に固定することで、取り付けられている。
【0011】
(第1の実施の形態、参考例
図1に示す参考例としての第1の実施の形態では、収納家具類としてシューズボックスが例示されている。特に、複数対の取付穴3、3は、天板1aの前縁部の下面および台板1bの前縁部の上面に、上下に対向して設けられていて、これらの対の何れかに、支持棒2の両端が嵌挿されている。このようにして、支持棒2は縦方向に取り付け固定されている。上下一対の取付穴3、3が、左右方向に間隔をおいて複数対形成されている。取付穴3、3は、凹穴でも貫通孔でも良い。支持棒2は、丸棒でも、図1(b)に示す楕円等円形以外の異形の棒でも良い。なお、図中、符号7、7は、支持棒2よりも後退した位置で、収納家具類本体1に設けられた2枚組の引戸であり、それらに設けられた引手8は、使用者の上下の差を配慮した縦長の構成になってる。また、この実施の形態では、前側引戸7には、便宜上、左右に引手を設けている。この実施の形態では、収納家具類本体1内の棚は、図示していない。
【0012】
図1(b)の実施の形態では、支持棒2の端部には一段小径の断面が楕円等円形以外の異形の係合部2aが形成され、この係合部2aが、これと同一形状の断面が楕円等円形以外の異形の取付穴3に落とし込み状に嵌挿されるとともに回り止めされている。
【0013】
(第2の実施の形態)
図2に示す第2の実施の形態では、収納家具類としてシューズボックスが例示されている。特に、複数対の取付穴3、3は、両側板1d、1dの内縁部に、左右に対向して、上下に複数対設けられていて、これらの対の何れかに、支持棒2の両端が嵌挿されている。このようにして、支持棒2は横方向に取り付け固定されている。なお、第1の実施の形態と同様に、引手8付きの引戸7、7が装備されている。
【0014】
(第3の実施の形態、参考例
図3に示す参考例としての第3の実施の形態では、収納家具類として洋服ダンスが例示されている。特に、複数対の取付穴3、3は、天板1aの前縁部の下面および中間仕切台板1cの前縁部の上面に、上下に対向して設けられていて、これらの対の何れかに、支持棒2の両端が嵌挿されている。なお、天板1aと中間仕切台板1cとの間の収容空間に対応して、第1の実施の形態と同様に、引手8付きの引戸7、7が装備されている。
【0015】
また、この第3の実施の形態では、収納家具類本体1において、中間仕切台板1cと台板1bとの間に、抽出式収納部4が構成されている。具体的には、台板1b上で前後に抽出される抽出板9があり、その上に、収納籠10などが置かれるようになっている。なお、抽出板7の前縁には把手11が設けられている。これは、収納物を、収納家具類の前方に引き出せる点で、利用者にとって便利である。
【0016】
(第4の実施の形態、参考例
図4に示す参考例としての第4の実施の形態では、収納家具類として洋服ダンスが例示されている。特に、複数対の取付穴3、3は、天板1aの前縁部の下面および台板1bの前縁部の上面に、上下に対向して設けられていて、これらの対の何れかに、支持棒2の両端が嵌挿されている。なお、収納家具類本体1の片側には、支持棒2の取付位置から外れて、前方に開放される抽出式収納部5が構成されている。具体的には、正面が開放されたハンガー掛け付きの抽出部材12が収納家具類1の片側空間に出し入れ可能に収納してある。これは、収納物を、収納家具類の前方に引き出せる点で、利用者にとって便利である。
【0017】
このような上述の実施の形態では、使用者は、支持棒2に縋って、起立し、あるいは、背伸びして、高所の棚などにある収納物の取り出しや、収納の操作ができ、また、障害者が車椅子から身を乗り出す際の支えとなり、また、老人や小柄な人物にも、使用上の便宜となる。しかも、取付穴3、3が、本発明では上下に複数対、用意されているので、各利用者の要望に合わせて、支持棒2の位置を選択し、取り付け替えができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる収納家具類によれば、使用者は、横方向の支持棒2に体重をかけるようにして縋って、起立し、あるいは、背伸びして、高所の棚などにある収納物の取り出しや、収納の操作ができるので、障害者の補助となり、また、老人のような握力の弱った人や小柄な人物にも、使用上の便宜となる。
【0019】
しかも、取付穴が複数対、上下に用意されているので、各利用者の要望や体格などに合わせて、支持棒の位置を上下に選択し、取り付け替えができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例である第1の実施の形態としての収納家具類の全体斜視図(a)(c)及び支持棒の端部の取り付け状態を示す拡大斜視図(b)である。
【図2】 本発明に係わる第2の実施の形態としての収納家具類の全体斜視図(a)及び支持棒の端部の取り付け状態を示す拡大斜視図(b)である。
【図3】 参考例である第3の実施の形態としての収納家具類の全体斜視図である。
【図4】 参考例である第4の実施の形態としての収納家具類の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 収納家具類本体
1a 天板
1b 台板
1c 中間仕切台板
1d 側板
2 支持棒
2a 係合部
3 取付穴
4、5 抽出式収納部
7 引戸
8 引手
9 抽出板
10 収納籠
11 把手
12 抽出部材

Claims (2)

  1. 収納家具類本体の正面に位置して、横方向に支持棒を装備しており、該支持棒は、その両端を、前記収納家具類本体の対向する不動板部に互いに対向して設けた複数対の取付穴に、その何れかの対を選択して着脱可能に嵌挿して取り付けられていることを特徴とする収納家具類。
  2. 請求項に記載の収納家具類において、前記取付穴は、両側板若しくは側板と中仕切板の前縁に、左右に対向して設けられていて、これらの対の何れかに、前記支持棒の両端が嵌挿されて固定されていることを特徴とする収納家具類。
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