JP3645130B2 - 吐水器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はシャワーヘッド等の吐水器具に関し、特に本体と吐水端部部材とを嵌合せ状態に組み付けて成る吐水器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の吐水器具の一例として、殺菌剤を含有した水道水である原水のシャワー吐水と、殺菌剤を除いた浄水のシャワー吐水とを切替可能なシャワーヘッドを示している。
同図において200はシャワーヘッドの本体で、その内部に殺菌剤を含有した水道水である原水を先端側に導く通水路202を備えている。
【0003】
204は吐水端部部材(散水部材)であって底付きの円筒形状をなしており、その内部の中心部と外周部とに通水路202Aと202Bとが区画形成されているとともに、その底部には通水路202Aに連通する複数の原水用のシャワー吐水孔208Aと、通水路202Bに連通する複数の浄水用のシャワー吐水孔208Bとが形成されている。
この吐水端部部材204の内部且つ通水路202B上には浄化室が形成されていて、そこに水道水中の殺菌剤(塩素)を除去する浄化カートリッジ210が収容されている。
【0004】
この吐水端部部材204は上端部に外嵌合部214を有している。
一方本体200は内嵌合部212を有しており、それら外嵌合部214と内嵌合部212とが、外嵌合部214の内周面の雌ねじ部と内嵌合部212の外周面の雄ねじ部とによってねじ嵌合されている。
【0005】
この例のシャワーヘッドの場合、通水路202と202Aとを連通させるための開口218と、通水路202と通水路202Bとを連通させるための開口220が内部に設けられていて、それらの開口218,220が弁体216の移動によって択一的に開放又は閉鎖されるようになっている。
【0006】
而して開口220が閉鎖され、開口218が開放された状態の下では、本体200側の通水路202を通じて送られて来た水道水(原水)が吐水端部部材204の通水路202Aを通じて下端のシャワー吐水孔208Aからシャワー吐水される。
【0007】
また一方、弁体216の切替動作により開口218を閉鎖し、開口220を開放した状態の下では、通水路202からの水道水が吐水端部部材204の通水路202B側に流れ込み、そこで水道水中の塩素分が除去されて、即ち浄水化された上でシャワー吐水孔208Bからシャワー吐水される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのシャワーヘッドにあっては、吐水端部部材204における外嵌合部214と本体200における内嵌合部212とのねじ嵌合せ面が殺菌剤の除去された浄水と接触することとなり、しかも同面には通水が行われないために、そのねじ嵌合せ面に水垢や黴等が発生する恐れがあった。
【0009】
以上シャワーヘッドを例として説明したが、嵌合せ面が浄水と接触するような形態の浄水器やアルカリイオン整水器等においても共通の問題が生ずる。
またこの問題は嵌合せ面が殺菌剤の除去された浄水と接触する場合において顕著であるが、ただ単に水道水(原水)と接するような形態で嵌合せ面が設けられている通常の吐水器具においても大なり小なり生ずる問題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の吐水器具はこのような課題を解決するために案出されたものである。而して請求項1のものは、殺菌剤を含有した水道水である原水を先端側に導く通水路を内部に備えた本体に対して、該本体の通水路に連絡した通水路と該通水路の先端に吐水孔を備えた吐水端部部材を、それら本体及び吐水端部部材の一方に設けた内嵌合部と他方に設けた外嵌合部との嵌合せにより取り付けて成り、該本体の通水路からの水道水を該吐水端部部材の吐水孔より吐水する吐水器具において、前記内嵌合部を半径方向に貫通して前記内嵌合部及び外嵌合部の嵌合せ面と前記通水路の前記原水を流通させる部分とを連通させる連通孔を有し、該通水路の原水を該連通孔を通じて該嵌合せ面に流出させた後、再び該通水路に流入させる原水のバイパス流路を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1に記載の吐水器具において、前記吐水端部部材側の通水路上には浄化室が設けられていて、該浄化室内に水道水中の殺菌剤を除去する浄化カートリッジが収容されており、前記連通孔が前記通水路における該浄化室の上流部と前記嵌合せ面とを連通させるように設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかに記載の吐水器具において、前記内嵌合部と外嵌合部とは、該内嵌合部の外周面の雄ねじ部と該外嵌合部の内周面の雌ねじ部とにおいてねじ嵌合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかに記載の吐水器具において、前記吐水孔はシャワー吐水孔であることを特徴とする。
【0014】
【作用及び発明の効果】
上記のように請求項1の吐水器具は、内嵌合部を半径方向に貫通して通水路と嵌合せ面とを連通させる連通孔を通じて通水路の原水を嵌合せ面に流出させ、更に再び通水路へと戻す原水のバイパス流路を設けたもので、この吐水器具においては、通水の際に嵌合せ面に殺菌剤を含有した原水が連続的に供給されるため、嵌合せ面に滞留した原水或いは浄水等によって嵌合せ面に水垢や黴等が発生するのを効果的に防止することができる。
【0015】
本発明は、吐水端部部材側の通水路上に浄化室が設けられていて、そこで殺菌剤を含んだ水道水が浄水化される形態の吐水器具に適用して効果が大である(請求項2)。
【0016】
この形態の吐水器具においては、嵌合せ面が殺菌剤を含有していない浄水と接することとなり、その嵌合せ面に水垢や黴等が特に発生し易い。
しかるに本発明によればその嵌合せ面での水垢や黴の発生を有効に防止できる。
【0017】
本発明は、上記内嵌合部と外嵌合部とが雄ねじ部と雌ねじ部とにおいてねじ嵌合されている場合に好適に適用でき(請求項3)、また吐水器具としてのシャワーヘッドに好適に適用可能である(請求項4)。
【0018】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は吐水器具の一例としてのシャワーヘッドを示したもので、同図中10はその本体であり、内部に殺菌剤(塩素)を含有した水道水である原水を先端側に導く通水路12を備えている。
14は吐水端部部材(散水部材)であって底付きの円筒形状をなしており、その内部に通水路12Aと12Bとを有するとともに、底部には通水路12Aに連通した複数の原水用のシャワー吐水孔14Aと、通水路12Bに連通した複数の浄水用のシャワー吐水孔14Bとが形成されている。
【0019】
ここで通水路12Aと12Bとは、吐水端部部材14の底部から立ち上がるように設けられた中心部の円筒部16によって区画されている。
また一方の通水路12B上には浄化室が形成されていて、そこに殺菌剤の除去作用を行う浄化カートリッジ18が収容されている。
【0020】
20は逆皿状をなす弁プレートであって、通水路12Aに連通する開口22と、通水路12Bに連通する開口24(図2参照)とを有している。
この弁プレート20には、中心部に下向きの円筒形状の突出部32が形成されており、その突出部32の端面がリング状のシール部材34を介して吐水端部部材14の上記円筒部16の上端面に水密に当接している。
【0021】
この弁プレート20の上部には弁体26が回動摺動可能に配設されている。
弁体26は、弁プレート20に形成された上記一対の開口22,24の内の一方を閉鎖して他方を開放し、或いはその他方を閉鎖、一方を開放することによって吐水端部部材14側の通水路12A又は12Bの何れか一方を択一的に本体10側の通水路12に連通させる働きをなす。
【0022】
この弁体26には軸部28が設けられており、その軸部28が本体10の外面に突き出す形態で設けられた操作部30に一体回転状態に連結されている。即ちこの例では、図3に示しているように操作部30の操作によって弁体26が弁プレート20上面を回動摺動し、開口22,24を択一的に閉鎖又は開放する。
【0023】
本体10には円筒形状の内嵌合部36が設けられている。
また吐水端部部材14には対応する円筒形状の外嵌合部38が設けられており、それら内嵌合部36と外嵌合部38とが、内嵌合部36の外周面の雄ねじ部と外嵌合部38の内周面の雌ねじ部とにおいてねじ嵌合されている。即ち吐水端部部材14が、内嵌合部36と外嵌合部38とにおいてねじ結合され、本体10に組み付けられている。
尚この内嵌合部36はまた、上記弁プレート20の円筒形状の外周壁部40に対しても水密に嵌合している。
【0024】
本例においては、上記内嵌合部36及び弁プレート20の外周壁部40を半径方向に貫通して内嵌合部36と外嵌合部38とのねじ嵌合せ面と通水路12、詳しくは通水路12の浄化室の上流部とを連通させる連通孔42が設けられている。
【0025】
そして図4に示しているようにこの連通孔42と上記雄ねじ部及び雌ねじ部の間の隙間によって、殺菌剤を含有した水道水(原水)をねじ嵌合せ面に流出させた上、通水路12Bに流入させる原水のバイパス流路44が形成されている。
【0026】
次に本例のシャワーヘッドの作用を説明する。
本例のシャワーヘッドにおいては、弁体26を図2(A)及び図3(I)に示す状態、即ち弁プレート20の開口22を閉鎖して他方の開口24を開放した状態とし、その状態で通水路12を通じて水道水を供給すると、その水道水は開口24を通じて通水路12B側に流れ込み、そして浄化カートリッジ18を通過して浄水化された上で、即ち水道水中の殺菌剤が除去された上でシャワー吐水孔14Bからシャワー吐水される。
【0027】
また一方、操作部30の操作によって弁体26を図2(B)及び図3(III)に示す状態、即ち開口24を閉鎖し、開口22を開放した状態の下で通水路12を通じて水道水を供給すると、その水道水(原水)は開口22を通じて通水路12A内に流れ込み、そのまま原水用のシャワー吐水孔14Aからシャワー吐水される。
【0028】
さて本例のシャワーヘッドにおいて、通水停止状態の下では浄化カートリッジ18により殺菌剤の除去された浄水が図4(B)に示しているように内嵌合部36と外嵌合部38とのねじ嵌合せ面に接触した状態となる。
従ってこれをそのまま長時間放置するとそのねじ嵌合せ面に黴等が発生して汚れを生じる恐れが生ずる。
【0029】
しかるに本例のシャワーヘッドにおいては、次回に通水開始すると即ちシャワー吐水すると、図4(A)に示しているように殺菌剤を含有した水道水(原水)がバイパス流路44を通じて流通し、内嵌合部36と外嵌合部38とのねじ嵌合せ面に連続的に供給される。従ってそのねじ嵌合せ面での黴等の発生が有効に防止される。
【0030】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明は浄水器やアルカリイオン整水器その他吐水器具に適用することも可能である。
また上記例は原水のシャワー吐水機能と浄水のシャワー吐水機能とを備えたシャワーヘッドに対して本発明を適用した場合の例であるが、本発明はただ単に浄水のみをシャワー吐水するシャワーヘッド或いは原水のみをシャワー吐水するシャワーヘッド等に適用することも可能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシャワーヘッドを示す図である。
【図2】図1のシャワーヘッドの作用状態を示す側面断面図である。
【図3】図1のシャワーヘッドの作用状態を示す平面断面図である。
【図4】図1のシャワーヘッドの要部の作用説明図である。
【図5】従来の吐水器具の一例としてのシャワーヘッドの要部を示す図である。
【符号の説明】
10 本体
12,12A,12B 通水路
14 吐水端部部材
14A,14B シャワー吐水孔
18 浄化カートリッジ
36 内嵌合部
38 外嵌合部
42 連通孔
44 バイパス流路

Claims (4)

  1. 殺菌剤を含有した水道水である原水を先端側に導く通水路を内部に備えた本体に対して、該本体の通水路に連絡した通水路と該通水路の先端に吐水孔を備えた吐水端部部材を、それら本体及び吐水端部部材の一方に設けた内嵌合部と他方に設けた外嵌合部との嵌合せにより取り付けて成り、該本体の通水路からの水道水を該吐水端部部材の吐水孔より吐水する吐水器具において、
    前記内嵌合部を半径方向に貫通して前記内嵌合部及び外嵌合部の嵌合せ面と前記通水路の前記原水を流通させる部分とを連通させる連通孔を有し、該通水路の原水を該連通孔を通じて該嵌合せ面に流出させた後、再び該通水路に流入させる原水のバイパス流路を設けたことを特徴とする吐水器具。
  2. 請求項1に記載の吐水器具において、前記吐水端部部材側の通水路上には浄化室が設けられていて、該浄化室内に水道水中の殺菌剤を除去する浄化カートリッジが収容されており、前記連通孔が前記通水路における該浄化室の上流部と前記嵌合せ面とを連通させるように設けられていることを特徴とする吐水器具。
  3. 請求項1,2の何れかに記載の吐水器具において、前記内嵌合部と外嵌合部とは、該内嵌合部の外周面の雄ねじ部と該外嵌合部の内周面の雌ねじ部とにおいてねじ嵌合されていることを特徴とする吐水器具。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の吐水器具において、前記吐水孔はシャワー吐水孔であることを特徴とする吐水器具。
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