JP3644526B2 - スタッドボルトの植込み方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソケットを用いてスタッドボルトをワークに植込む方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
スタッドボルトをワークの所要個所に植込むためにナットランナの先端に設けたソケットには、スタットボルトのねじ山と等しい基準ねじ山、つまりねじ山角が６０°の三角ねじ山を有する雌ねじが設けられていて、この雌ねじ部にスタッドボルトを仮締めした上、ワークのねじ孔に螺合するようにしている。
【０００３】
ところが、このようにソケットの雌ねじのねじ山が基準通りであるため、この雌ねじがワークのねじ孔とともにスタッドボルトの雄ねじに面で接触する関係上、ワークのねじ孔に植込んだあとでソケットをスタッドボルトから分離する際、スタッドボルトが弛んでしまうばかりでなく、必要以上に締付けたような場合には、スタッドボルトのメッキ面を剥がして焼付けを起こしたり、あるいはスタッドボルトの山形面を傷付けてしまうといった不都合が生じる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スタッドボルトを傷付けることなく、しかもこれと容易に分離させることのできる新たなスタットボルトの植込み方法を提案することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はこのような課題を達成するために、スタッドボルトの植込み用ソケットを用いてスタッドボルトをワークに植込む方法において、上記ソケットに設けられた雌ねじのピッチが、前記スタッドボルトのピッチに等しく、かつ上記雌ねじのねじ山角が上記スタッドボルトのねじ山角よりも小さいスタッドボルトの植込み用ソケットを用いて行うようにした。
【０００６】
【作用】
このように構成したことにより、スタッドボルトに螺合させた状態での両者の面接触を断って、スタッドボルトとの分離を容易にするとともに、強く締付けた場合でもスタッドボルトのねじ山を傷付けないようにする。
【０００７】
【発明の実施の形態】
そこで以下に本発明の実施例について説明する。
図面はいずれも本発明の一実施例を示したものである。
【０００８】
図において符号１は、図示しないナットランナの先端に取付けたソケットで、このソケットには、先端部軸心にスタットボルトＢと螺合する雌ねじ部２が設けられている。
【０００９】
この雌ねじ部２は、図２に示したように、植込むべきスタッドボルトＢの基準ねじ山ｂに対してその三角ねじ３のピッチｐを等しくするとともに、スタッドボルトＢのねじ山角αに対してそのねじ山角θを若干小さく形成して、両者を螺合させた状態のもとで、ソケット１のねじ山３の頂部４、４と、スタッドボルトＢの谷部ｃ，ｃとが線接触して、それ以外の部分では、両者間に隙間δが形成されるように構成されている。。
【００１０】
したがって、ソケット１に設けた雌ねじ部２のねじ山角θを例えば５６°にすることにより、メートルねじを採用するスタッドボルトＢの基準山形をなすねじ山角６０°よりも４°狭くなして、両者を螺合させた際に、これらのねじ山ｂ、３との間で僅かに谷部ｃと頂部４とが線接触するのみ、つまり、最少の摩擦力で接触するのみとなして、スタッドボルトＢとワークＷのねじ孔ｈとの間の摩擦力に対しその摩擦力を著しく少なくすることによって、植込み後の両者の分離を業にするとともに、スタッドボルトＢのねじ山ｂに生じるダメージを可及的に少なくするようにしたものである。
【００１１】
なお本発明は、メートルねじに限らず、他にウィットウォースねじを用いるスタッドボルトにも適用することができることは言うまでもない。
【００１２】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、螺合させた状態でソケットのねじ山の頂部をスタッドボルトの谷部にのみ線接触させ、これらの間での摩擦力を最少にして、ワークのねじ孔に植え込んだ後でスタッドボルトを弛ませることなく、ソケットを楽に分離させることを可能にするとともに、強く締付けた場合でも、スタッドボルトのねじ山に傷を付けるといった不都合を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】スタッドボルトとソケットの螺合状態を示した断面図である。
【図２】両者のねじ山の関係を示した図である。
【符号の説明】
１ ソケット
３ ねじ山
４ 谷部
Ｂ スタッドボルト
ｂ ねじ山
ｃ 頂部
ｈ ねじ孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソケットを用いてスタッドボルトをワークに植込む方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
スタッドボルトをワークの所要個所に植込むためにナットランナの先端に設けたソケットには、スタットボルトのねじ山と等しい基準ねじ山、つまりねじ山角が６０°の三角ねじ山を有する雌ねじが設けられていて、この雌ねじ部にスタッドボルトを仮締めした上、ワークのねじ孔に螺合するようにしている。
【０００３】
ところが、このようにソケットの雌ねじのねじ山が基準通りであるため、この雌ねじがワークのねじ孔とともにスタッドボルトの雄ねじに面で接触する関係上、ワークのねじ孔に植込んだあとでソケットをスタッドボルトから分離する際、スタッドボルトが弛んでしまうばかりでなく、必要以上に締付けたような場合には、スタッドボルトのメッキ面を剥がして焼付けを起こしたり、あるいはスタッドボルトの山形面を傷付けてしまうといった不都合が生じる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スタッドボルトを傷付けることなく、しかもこれと容易に分離させることのできる新たなスタットボルトの植込み方法を提案することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はこのような課題を達成するために、スタッドボルトの植込み用ソケットを用いてスタッドボルトをワークに植込む方法において、上記ソケットに設けられた雌ねじのピッチが、前記スタッドボルトのピッチに等しく、かつ上記雌ねじのねじ山角が上記スタッドボルトのねじ山角よりも小さいスタッドボルトの植込み用ソケットを用いて行うようにした。
【０００６】
【作用】
このように構成したことにより、スタッドボルトに螺合させた状態での両者の面接触を断って、スタッドボルトとの分離を容易にするとともに、強く締付けた場合でもスタッドボルトのねじ山を傷付けないようにする。
【０００７】
【発明の実施の形態】
そこで以下に本発明の実施例について説明する。
図面はいずれも本発明の一実施例を示したものである。
【０００８】
図において符号１は、図示しないナットランナの先端に取付けたソケットで、このソケットには、先端部軸心にスタットボルトＢと螺合する雌ねじ部２が設けられている。
【０００９】
この雌ねじ部２は、図２に示したように、植込むべきスタッドボルトＢの基準ねじ山ｂに対してその三角ねじ３のピッチｐを等しくするとともに、スタッドボルトＢのねじ山角αに対してそのねじ山角θを若干小さく形成して、両者を螺合させた状態のもとで、ソケット１のねじ山３の頂部４、４と、スタッドボルトＢの谷部ｃ，ｃとが線接触して、それ以外の部分では、両者間に隙間δが形成されるように構成されている。。
【００１０】
したがって、ソケット１に設けた雌ねじ部２のねじ山角θを例えば５６°にすることにより、メートルねじを採用するスタッドボルトＢの基準山形をなすねじ山角６０°よりも４°狭くなして、両者を螺合させた際に、これらのねじ山ｂ、３との間で僅かに谷部ｃと頂部４とが線接触するのみ、つまり、最少の摩擦力で接触するのみとなして、スタッドボルトＢとワークＷのねじ孔ｈとの間の摩擦力に対しその摩擦力を著しく少なくすることによって、植込み後の両者の分離を業にするとともに、スタッドボルトＢのねじ山ｂに生じるダメージを可及的に少なくするようにしたものである。
【００１１】
なお本発明は、メートルねじに限らず、他にウィットウォースねじを用いるスタッドボルトにも適用することができることは言うまでもない。
【００１２】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、螺合させた状態でソケットのねじ山の頂部をスタッドボルトの谷部にのみ線接触させ、これらの間での摩擦力を最少にして、ワークのねじ孔に植え込んだ後でスタッドボルトを弛ませることなく、ソケットを楽に分離させることを可能にするとともに、強く締付けた場合でも、スタッドボルトのねじ山に傷を付けるといった不都合を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】スタッドボルトとソケットの螺合状態を示した断面図である。
【図２】両者のねじ山の関係を示した図である。
【符号の説明】
１ ソケット
３ ねじ山
４ 谷部
Ｂ スタッドボルト
ｂ ねじ山
ｃ 頂部
ｈ ねじ孔
Claims (1)
- スタッドボルトの植込み用ソケットを用いてスタッドボルトをワークに植込む方法において、
上記ソケットに設けられた雌ねじのピッチが、前記スタッドボルトのピッチに等しく、かつ上記雌ねじのねじ山角が上記スタッドボルトのねじ山角よりも小さいスタッドボルトの植込み用ソケットを用いて行うスタッドボルトの植込み方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20949298A JP3644526B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | スタッドボルトの植込み方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20949298A JP3644526B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | スタッドボルトの植込み方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000042943A JP2000042943A (ja) | 2000-02-15 |
| JP3644526B2 true JP3644526B2 (ja) | 2005-04-27 |
Family
ID=16573717
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20949298A Expired - Fee Related JP3644526B2 (ja) | 1998-07-24 | 1998-07-24 | スタッドボルトの植込み方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3644526B2 (ja) |
-
1998
- 1998-07-24 JP JP20949298A patent/JP3644526B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000042943A (ja) | 2000-02-15 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041111 |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041208 |
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| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041224 |
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| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050126 |
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| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050126 |
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