JP3644059B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子制御ディーゼルエンジンにおいては燃料噴射時期制御に際して、エンジンの所定のクランク角毎に発生するパルス信号と実際に燃料を噴射したタイミングを示す噴射時期信号(例えばノズルリフト信号)より実噴射時期を検出し、エンジン運転状態より算出される目標噴射時期との偏差に応じてタイマ制御弁を制御し、目標噴射時期と実噴射時期を一致させる、いわゆるノズルリフトフィードバック制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなノズルリフトフィードバック制御が行われている噴射時期制御装置において、コスト・搭載性の制約により多気筒(例えば4気筒)中の任意の一気筒での燃料噴射弁のみリフトセンサを搭載しているため、気筒間の噴射時期の差は検出できず初期の調整のみに頼っているのが実状である。このため、燃料噴射弁の劣化時における気筒間の噴射時期のバラツキによりスモーク・エミッション・ドラビリ性能が損なわれるという問題が生じている。
【0004】
そこで、この発明の目的は、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期を精度よく制御することができるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
燃料噴射量を制御するシステム、特に、多気筒ディーゼルエンジンの気筒毎に、バネのセット圧以上の高圧燃料の供給にて燃料噴射を行う燃料噴射弁(インジェクタ)を備えたシステムにおいて、ディーゼルエンジンの運転を続けていると経時的に燃料噴射弁の劣化が進み、その開弁圧(バネのセット圧)が低下し、図11に示すように噴射量が増加する。この際、気筒毎に開弁圧低下の度合いが異なると、増加する噴射量Δqも気筒毎に異なるため気筒毎の回転変動も変化する。この気筒毎の回転変動の度合いにより気筒毎の噴射量の差を推定し、噴射量指令値を気筒毎に補正するものがある。
【0006】
ここで、図11に示すように気筒毎に開弁圧低下の度合いが異なると、気筒毎の噴射時期の進角量も異なる。つまり、図12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期進角量(噴射時期の差)は相関がある。
【0007】
このことに着目し、以下の構成を採用した。
請求項1に記載の発明は、図13に示すように、多気筒ディーゼルエンジンの気筒毎に設けられ、バネのセット圧以上の高圧燃料の供給にて開弁して燃料を噴射する燃料噴射弁M1と、燃料を加圧して高圧燃料として前記気筒毎の燃料噴射弁M1にそれぞれ供給する噴射ポンプM2と、ディーゼルエンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段M3と、前記運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射量を演算する噴射量演算手段M4と、エンジンの安定運転状態における気筒毎のエンジン回転数の偏差を検出する気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5と、前記気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5による気筒毎のエンジン回転数の偏差に基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量を算出する気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6と、前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6による気筒毎の燃料噴射量の補正量にて、前記噴射量演算手段M4による燃料噴射量を補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量となるように噴射量制御用アクチュエータを制御する噴射量制御手段M7と、前記気筒毎の燃料噴射弁M1のうちのいずれかに設けられ、実際の燃料噴射時期を検出する実噴射時期検出手段M8と、前記運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を演算する噴射時期演算手段M9と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射に際し、前記実噴射時期検出手段M8による実際の燃料噴射時期が前記噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期となるように噴射時期制御用アクチュエータを制御する第1の噴射時期制御手段M10と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6における前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射量の補正量と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒での燃料噴射量の補正量との偏差を算出する燃料噴射量補正量偏差算出手段M11と、前記燃料噴射量補正量偏差算出手段M11による偏差と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での当該実噴射時期検出手段M8による実燃料噴射時期とから燃料噴射時期を推定し、この推定された燃料噴射時期で前記噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期を補正し、この補正した値に基づいて噴射時期制御用アクチュエータを制御する第2の噴射時期制御手段M12とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置をその要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における前記第2の噴射時期制御手段M12は、偏差が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定するものであるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置をその要旨とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、運転状態検出手段M3は、ディーゼルエンジンの運転状態を検出する。噴射量演算手段M4は、運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射量を演算する。気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5は、エンジンの安定運転状態における気筒毎のエンジン回転数の偏差を検出する。気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6は、気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5による気筒毎のエンジン回転数の偏差に基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量を算出する。噴射量制御手段M7は、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6による気筒毎の燃料噴射量の補正量にて、噴射量演算手段M4による燃料噴射量を補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量となるように噴射量制御用アクチュエータを制御する。
【0010】
実噴射時期検出手段M8は、実際の燃料噴射時期を検出する。噴射時期演算手段M9は、運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を演算する。第1の噴射時期制御手段M10は、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射に際し、実噴射時期検出手段M8による実際の燃料噴射時期が噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期となるように噴射時期制御用アクチュエータを制御する。燃料噴射量補正量偏差算出手段M11は、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6における実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射量の補正量と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒での燃料噴射量の補正量との偏差を算出する。第2の噴射時期制御手段M12は、燃料噴射量補正量偏差算出手段M11による偏差と、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での実噴射時期検出手段M8による実燃料噴射時期とから燃料噴射時期を推定し、この推定された燃料噴射時期で噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期を補正し、この補正した値に基づいて噴射時期制御用アクチュエータを制御する。
【0011】
この第2の噴射時期制御手段M12により、図11,12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関関係を利用して、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期が高精度に制御される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、第2の噴射時期制御手段M12は、偏差が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定する。
【0013】
つまり、図12に示す気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関が噴射時期制御に正確に反映される。
【0014】
【実施例】
以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って説明する。
図1には、多気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の全体構成を示す。
【0015】
ここで、多気筒ディーゼルエンジン36は4気筒ディーゼルエンジンであり、気筒毎に設けられた燃料噴射弁37に対し燃料噴射ポンプ1からの高圧燃料が供給され、燃料噴射弁37から燃料が所定時期に所定量だけ噴射されるようになっている。
【0016】
以下、詳細に説明していく。はじめに、同図1を参照して、これらディーゼルエンジン36及び燃料噴射ポンプ1の概要を説明する。
まず、噴射ポンプ1としては、スピル時期を電気的に調整して燃料噴射量を制御するタイプの噴射ポンプ、特にここでは電磁スピル式分配型の燃料噴射ポンプを想定している。この電磁スピル式分配型燃料噴射ポンプ1は、シリンダ内壁面とプランジャ先端面とで形成される高圧室10とポンプ室(低圧室)7とを連通させる連通路19に電磁弁20を設け、この電磁弁20をオン/オフ制御することにより該連通路19を遮断/連通(スピル)させて、その燃料噴射量を制御するものである。
【0017】
さて、この噴射ポンプ1において、ドライブシャフト(駆動軸)2はディーゼルエンジン36の出力軸(クランクシャフト)と駆動連結されている。そして、図示しないフィルタにより濾過された燃料は、ドライブシャフト2で駆動されるベーン式フィードポンプ(図1では90°展開して図示)3によって給油口4からプレッシャレギュレーティングバルブ5に導かれる。このプレッシャレギュレーティングバルブ5により圧力が調整された後、ポンプハウジング6内の低圧室であるポンプ室7内に充填される。
【0018】
ポンプ室7内に充填された燃料は、ポンプ室7内で作動部分の潤滑を行うとともに、吸入ポート8を介して、プランジャ9の先端部に形成される高圧室10に送られる。又、同ポンプ室7内に充填された燃料の一部は、過剰燃料の排出と作動部分の冷却のために、オーバフローバルブ11から燃料タンクに戻され循環される。
【0019】
上記プランジャ9の先端部には、エンジンの気筒数(この例では4)と同数の吸入グルーブ12が穿設され、また後端部には、カムプレート13が固定されている。このカムプレート13には、ローラリング14に嵌合された、これも気筒数と同数のローラ15が接触されている。
【0020】
又、プランジャ9は、先端側からシリンダ16に挿入され、その先端面とシリンダ16の内壁面とによって高圧室10を形成している。このシリンダ16には、上記吸入ポート8が穿設されるとともに、シリンダ内面からデリバリバルブ17に連通する、気筒数と同数の分配通路18が穿設されている。
【0021】
一方、上記ポンプハウンジ6には、連通路19を連通/遮断するスピル制御用の電磁弁20が取り付けられている。この連通路19は高圧室10とポンプ室7とを連通させるものである。
【0022】
噴射量制御用アクチュエータとしての電磁弁20は、ソレノイド21がオンされることにより、弁体22を突出して連通路19を遮断し、ソレノイド21がオフされることにより、弁体22を吸引して連通路19を連通する。こうして連通路19が連通されることにより、高圧室10にある燃料がポンプ室7にスピルされ、その噴射供給が終了される。
【0023】
又、上記ドライブシャフト2はカップリングを介してカムプレート13に連結されている。このカムプレート13は、上述の如くプランジャ9の後端部に固定されており、またスプリング23によってローラ15に押圧されている。したがって、回転するカムプレート13のカム山にローラ15が乗り上げる都度プランジャ9は図中右方向に移動するようになり、結局このプランジャ9は、カムプレート13の1回転中に、エンジンの気筒数と等しい回数だけ往復動されることとなる。
【0024】
また一方、同噴射ポンプ1の下部には、燃料送油圧力を利用してドライブシャフト2とプランジャ9を駆動するカムプレート13との位相を変化させることにより燃料噴射時期を調整する油圧式タイマ(図1では90°展開して図示)24が設けられている。
【0025】
このタイマ24において、ポンプハウジング6内の摺動孔25にはタイマピストン26が配置され、タイマピストン26により摺動孔25が低圧室27と高圧室28とに区画されている。又、このタイマピストン26はドライブシャフト2と直角になるよう組み込まれている。低圧室27は給油口(フィードポンプ吸入側)4と連通するとともに、低圧室27にはタイマスプリング29が配置されている。高圧室28はポンプ室7と連通している。そして、タイマピストン26は低圧室27のフィードポンプ吸入側燃料圧およびタイマスプリング29の付勢力と、高圧室28の燃料圧とのバランスにより摺動孔25を摺動するように構成されている。このタイマピストン26の動きは、ロッド30を介して、円筒状のローラリング14を回転させる動きに変換される。
【0026】
ここで、タイマスプリング29は、上記タイマピストン26を噴射遅れの方向に押している。しかし、エンジン回転数が上昇して、ポンプ室7の燃料圧が上昇すると、タイマピストン26は、タイマスプリング29の付勢力に抗する方向に押されるようになる。そして、こうしたタイマピストン26の動きにより、ローラリング14はドライブシャフト2の回転方向と反対の方向に回転されるようになり、噴射時期が進められる。又、低圧室27と高圧室28とは噴射時期制御用アクチュエータとしてのタイマ制御弁31を介して接続され、このタイマ制御弁31の駆動によりタイマピストン26に作用する燃料圧が調整され、噴射時期が変更できるようになっている。
【0027】
又、ドライブシャフト2の先端部には、シグナルロータ32がドライブシャフト2と同軸に固定され、ローラリング14には該シグナルロータ32の周面に対向するようにピックアップ(電磁ピックアップセンサ)33が取り付けられている。
【0028】
磁性体からなるシグナルロータ32には、所定角(例えば、5.625°)毎に凸状歯が複数個配設されるとともに、エンジン気筒数と同数だけ、等間隔に、該凸状歯が切欠かれた欠歯部が形成されている。
【0029】
因みに、ここで対象とする4気筒ディーゼルエンジンの場合には、図2に示されるように、5.625°(11.25°CA(クランク角)に相当する)毎に凸状歯32a、32b、…が複数個配設されるとともに、90°(180°CAに相当する)毎に欠歯部34a〜34dが形成されることとなる。
【0030】
このため、ドライブシャフト2とともに該シグナルロータ32が回転すると、上記凸状歯がピックアップ33に対して接近離反し、電磁誘導によって、ピックアップ33からは、図3に示されるようなパルス信号が出力されるようになる。このパルス信号の幅広の谷部は基準位置信号として作用し、その他の部分は回転角信号として作用する。なお、このパルス信号の発生周期が当該噴射ポンプ1の回転数に対応する。
【0031】
又、図1のポンプハウジング6には更に、上記吸入ポート8を遮断することによって燃料噴射を停止させる燃料噴射カットバルブ35が取り付けられている。この燃料噴射カットバルブ35を通じて上記吸入ポート8を遮断することで、以下に説明するディーゼルエンジン36の運転を停止することができるようになる。
【0032】
次に、ディーゼルエンジン36の概要について説明する。
ディーゼルエンジン36の各気筒(第1気筒#1,第2気筒#2,第3気筒#3,第4気筒#4)には副燃焼室が設けられ、この各副燃焼室には燃料噴射弁37がそれぞれ取り付けられている。各燃料噴射弁37が噴射ポンプ1の上記デリバリバルブ17と接続されている。
【0033】
燃料噴射弁37の詳細を図4を用いて説明する。
燃料噴射弁37のハウジング38内にはニードル弁摺動孔39が設けられ、摺動孔39にはニードル弁40が摺動可能に支持されている。又、摺動孔39の下側には燃料室41が設けられ、燃料室41には連通孔42を介して噴射ポンプ1からの高圧燃料が供給される。ニードル弁40はバネ43により噴射口を塞ぐ方向に付勢されている。そして、このバネ43のセット圧以上の高圧燃料が供給されると、バネ43の付勢力に抗してニードル弁40が上動して噴射口から燃料が噴射される。
【0034】
又、本実施例では、第1気筒における燃料噴射弁37にのみ図5に示すように、実噴射時期検出手段としてのノズルリフトセンサ44が取り付けられている。つまり、ニードル弁40の上端には連結部材45(バネ43の受け部材)が設けられ、この連結部材45の外周面の一部に凹部46が形成されている。又、ハウジング38には電磁ピックアップ47が取り付けられ、ニードル弁40の上動に伴う凹部46の変位を検出し、燃料噴射が行われているとオン信号を出力する。このように、ノズルリフトセンサ44にて実際の燃料噴射時期が検出されるようになっている。
【0035】
図1において、ディーゼルエンジン36における各気筒の副燃焼室にはグロープラグ48が取り付けられている。
又、エンジン36の吸気通路には、スロットル弁49が配設され、このスロットル弁49を含んでベンチュリ50が構成されている。スロットル弁49はアクセルペダル51とリンクにて駆動連結されている。
【0036】
そして、同エンジン36の周辺には、アクセルペダル51の開度(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ52、吸気管圧力を検出する圧力センサ53、及びエンジン冷却水温を検出する水温センサ54が配設されている。
【0037】
又、同エンジン36の出力軸であるクランクシャフト55には、各気筒の上死点に対応する位置に突起が設けられたシグナルロータ56が固定され、更にこのシグナルロータ56の近傍には、上記突起の回転通過に伴って上死点信号(TDCパルス)を出力する上死点センサ(電磁ピックアップセンサ)57が設けられている。
【0038】
上記アクセルセンサ52、圧力センサ53、水温センサ54、上死点センサ57、ピックアップ33、およびノズルリフトセンサ44の各出力は、制御装置(以下、ECUという)58に入力される。
【0039】
ECU58はマイクロコンピュータ、入力回路、出力回路等から構成されている。ECU58は、上記エンジン36の始動に際し、グローリレー59を介してグロープラグ48を駆動するとともに、これら入力される各種センサ出力に基づいて、上記電磁弁20のソレノイド21や上記燃料噴射カットバルブ35のソレノイドやタイマ制御弁31を制御する。又、ECU58はピックアップ33からのNeパルスによりその時のエンジン回転数Neを算出するとともに、各気筒毎のエンジン回転数を算出する。
【0040】
尚、本エンジンの爆発気筒順序は1−2−4−3となっている。
本実施例では、ピックアップ33およびアクセルセンサ52によりエンジン運転状態検出手段が構成されている。又、ECU58により運転状態検出手段、噴射量演算手段、気筒毎エンジン回転偏差検出手段、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段、噴射量制御手段、噴射時期演算手段、第1の噴射時期制御手段、燃料噴射量補正量偏差算出手段、第2の噴射時期制御手段が構成されている。
【0041】
次に、このように構成したディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の作用を説明する。
図6には、ECU58が実行する燃料噴射量の演算処理ルーチンを示す。この処理は所定のクランク角(燃料量演算タイミング)にて起動されるものである。又、図7にはタイミングチャートを示す。図7においては、TDCパルスと,ノズルリフトセンサ44の出力信号(LNパルス)と,ノズルリフトと,エンジン回転数Neの推移を示す。図7において、エンジン回転数Neは各気筒での爆発行程において山なりに変化する。つまり、燃料噴射により燃焼室にて爆発が起こり大きな回転トルクが発生し回転数は上昇し、その後低下していく。
【0042】
ECU58は図6のステップ100でエンジン運転状態を示すパラメータ信号(アクセル開度信号,ノズルリフト信号、TDCパルス,Neパルス等)を取り込む。そして、ECU58は図7に示す各気筒のエンジン回転数Ne#1,Ne#2,Ne#4,Ne#3を算出する。即ち、山なりに変化するエンジン回転数数における各山毎の平均回転数を各気筒のエンジン回転数Ne#1,Ne#2,Ne#4,Ne#3として算出する。さらに、ECU58はステップ101で取り込んだノズルリフト信号およびNeパルスにより気筒判別を行う。
【0043】
引き続き、ECU58はステップ102でエンジン回転数Neおよびアクセル開度ACCPより基本噴射量qBASEを算出する。つまり、ディーゼルエンジの運転状態に応じた燃料噴射量qBASEを演算する。そして、ECU58はステップ103でアクセルセンサ52からの信号によりエンジンがアイドル状態か否か判定し、アクセル開度ACCPが所定値以下でありアイドル状態であると判定すると、ステップ104に移行して第1気筒のエンジン回転数Ne#1から第2気筒のエンジン回転数Ne#2を減算して第2気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#2を求める。同様に、第2気筒のエンジン回転数Ne#2から第4気筒のエンジン回転数Ne#4を減算して第4気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#4を、第4気筒のエンジン回転数Ne#4から第3気筒のエンジン回転数Ne#3を減算して第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3を、第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3から第1気筒のエンジン回転数Ne#1を減算して第1気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#1を、それぞれ求める。
【0044】
そして、ECU58はステップ105で第1気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#1から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#1−ΔNeAVE )に応じた第1気筒の噴射量補正量Δq#1を算出する。尚、各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE とは、(ΔNe#1+ΔNe#2+ΔNe#4+ΔNe#3)/4にて求めたものである。同様に、第2気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#2から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#2−ΔNeAVE )に応じた第2気筒の噴射量補正量Δq#2を、第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#3−ΔNeAVE )に応じた第3気筒の噴射量補正量Δq#3を、第4気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#4から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#4−ΔNeAVE )に応じた第4気筒の噴射量補正量Δq#4を、それぞれ算出する。
【0045】
この噴射量補正量Δq#1,Δq#2,Δq#3,Δq#4は、噴射時期演算の際にも使われるので、同データはメモリに格納される。
そして、ECU58はステップ106で図8に示す第1気筒の学習値ΔQ#1に噴射量補正量Δq#1を加減算して学習値ΔQ#1を更新する。ここで、図8に示す学習値ΔQ#1,ΔQ#2,ΔQ#3,ΔQ#4はバックアップメモリあるいは不揮発性メモリに記憶され、エンジン運転停止のためにキースイッチをオフしてもその記憶内容が保持されるようになっている。同様に、図8に示す第2気筒の学習値ΔQ#2に噴射量補正量Δq#2を加減算して学習値ΔQ#2を、第3気筒の学習値ΔQ#3に噴射量補正量Δq#3を加減算して学習値ΔQ#3を、第4気筒の学習値ΔQ#4に噴射量補正量Δq#4を加減算して学習値ΔQ#4を、それぞれ更新する。
【0046】
このように、ステップ104〜106の処理により、アイドル時において燃料噴射量の補正量ΔQの学習が行われる。
ECU58はステップ107で、基本噴射量qBASEに気筒毎の学習値ΔQ#1,ΔQ#2,ΔQ#3,ΔQ#4をそれぞれ加算した各気筒毎の最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN を算出する。一方、ECU58はステップ103においてアイドルでない時は、ステップ107に移行して学習処理を行うことなく最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN を算出する。そして、ECU58はこの最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN となるようにスピル電磁弁20を制御する。
【0047】
図9には、ECU58が実行する燃料噴射時期の演算処理ルーチンを示す。この処理は気筒毎の所定のクランク角(燃料時期演算タイミング)にて起動されるものである。
【0048】
ECU58はステップ200でエンジン運転状態を示すパラメータ信号(アクセル開度信号,ノズルリフト信号、TDCパルス,Neパルス等)を取り込む。ECU58はステップ201で取り込んだノズルリフト信号およびNeパルスにより気筒判別を行う。
【0049】
ECU58はステップ202でエンジン回転数Neおよびアクセル開度ACCPより目標噴射時期TT を算出する。つまり、ディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期TT を演算する。そして、ECU58はステップ203でNeパルス,TDCパルス,ノズルリフト信号より実噴射時期TR を算出する。
【0050】
この実噴射時期TR は、第1気筒での噴射時期のフィードバック制御の際に使われるとともに、第2,3,4気筒での噴射時期の制御の際にも使われるものである。
【0051】
引き続き、ECU58はステップ204に移行して前記図6のステップ104にて求めた回転数偏差ΔNe#1,ΔNe#2,ΔNe#3,ΔNe#4が全て所定値a以下の時(|ΔNe#1|<aかつ|ΔNe#2|<aかつ|ΔNe#3|<aかつ|ΔNe#4|<a)、気筒毎の噴射量補正量の学習が終了したと判定し次ステップに進む。
【0052】
ECU58はステップ205で今回の処理がノズルリフトセンサ44を設置した第1気筒の噴射時期演算処理であるか否か判定し、第1気筒のための処理であるとステップ206で目標噴射時期TT から実噴射時期TR を減算し、その値(=TT −TR )に応じた最終噴射時期指令値D#1を設定し、ステップ207でタイマ制御弁31を制御する。
【0053】
このように第1気筒での燃料噴射時期制御として、目標噴射時期TT とノズルリフトセンサ44による実際の噴射時期TR とを一致させるフィードバック制御(閉ループ制御)が行われる。
【0054】
又、ECU58はステップ205において第1気筒でないと、ステップ208に移行して図6のステップ105にて求めた第1気筒の噴射量補正量Δq#1から第2気筒の噴射量補正量Δq#2を減算して、この値(=Δq#1−Δq#2)に応じた第2気筒の噴射時期補正量ΔTR#2 を算出する。同様に、第1気筒での噴射量補正量Δq#1から第3気筒での噴射量補正量Δq#3を減算して、この値(=Δq#1−Δq#3)に応じた第3気筒での噴射時期補正量ΔTR#3 を、第1気筒での噴射量補正量Δq#1から第4気筒での噴射量補正量Δq#4を減算して、この値(=Δq#1−Δq#4)に応じた第4気筒での噴射時期補正量ΔTR#4 を、それぞれ算出する。このとき、図10に示すマップが用いられる。つまり、第1気筒での噴射量補正量Δq#1とその他の気筒での噴射量補正量Δq#i(i=2,3,4) との差(=Δq#1−Δq#i)に対応する噴射時期補正量ΔTが求められる。図10においては、偏差(Δq#1−Δq#i)が大きいほど、噴射時期ΔTが進角側であると推定して、遅角側への補正値が設定される。
【0055】
ECU58はステップ209において第1気筒でのノズルリフトセンサ44による実噴射時期TR と第2気筒の噴射時期補正量ΔTR#2 とを加算して第2気筒の推定噴射時期TR#2 を求める。同様に、実噴射時期TR と第3気筒の噴射時期補正量ΔTR#3 とを加算して第3気筒の推定噴射時期TR#3 を、実噴射時期TR と第4気筒の噴射時期補正量ΔTR#4 とを加算して第4気筒の推定噴射時期TR#4 を、それぞれ求める。
【0056】
ECU58はステップ210で目標噴射時期TT から第2気筒の推定噴射時期TR#2 を減算し、その値(=TT −TR#2 )に応じた第2気筒の最終噴射時期指令値D#2を設定する。同様に、目標噴射時期TT から第3気筒の推定噴射時期TR#3 を減算し、その値(=TT −TR#3 )に応じた第3気筒の最終噴射時期指令値D#3を、目標噴射時期TT から第4気筒の推定噴射時期TR#4 を減算し、その値(=TT −TR#4 )に応じた第4気筒の最終噴射時期指令値D#4を、それぞれ求める。そして、ECU58はステップ207でタイマ制御弁31を制御する。
【0057】
このように第2,3,4気筒での燃料噴射時期として、目標噴射時期TT に推定噴射時期TR#2 ,TR#3 ,TR#4 による補正を行い、この値によりタイマ制御弁31への指令値を設定するオープンループ制御が行われる。
【0058】
尚、ステップ204において回転数偏差ΔNe#1,ΔNe#2,ΔNe#3,ΔNe#4が一つでも所定値a以下の場合には第1気筒での噴射時期制御として前述のステップ206と同様に目標噴射時期TT とノズルリフトセンサ44による実際の噴射時期TR とを一致させるフィードバック制御が行われ、他の気筒(第2,3,4気筒)での噴射時期制御として前述のステップ210と同様に目標噴射時期TT に第1気筒での実噴射時期TR による補正(TT −TR )を行い、この値(=TT −TR )によりタイマ制御弁31への指令値Dを設定するオープンループ制御が行われる。
【0059】
このように本実施例では、ECU58は図6のステップ104での処理によりエンジンアイドル時(エンジンの安定運転状態)における気筒毎のエンジン回転数の偏差ΔNeを検出し、図6のステップ105,106での処理により気筒毎のエンジン回転数の偏差ΔNeに基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量ΔQを算出し、ステップ107での処理により気筒毎の燃料噴射量の補正量ΔQにて燃料噴射量qBASEを補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量QFIN となるように電磁弁20を制御する。又、ECU58は図9のステップ206での処理によりノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒での燃料噴射に際しノズルリフトセンサ44による実際の燃料噴射時期TR が目標噴射時期TT となるようにタイマ制御弁31を制御し、ノズルリフトセンサ44を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、図9のステップ208での処理によりノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒の燃料噴射量の補正量Δq#1と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒の燃料噴射量の補正量Δq#i(i=2,3,4) との偏差(Δq#1−Δq#i)を算出し、図9のステップ209,210での処理によりその偏差(Δq#1−Δq#i)と、ノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒のノズルリフトセンサ44による実燃料噴射時期TR とから燃料噴射時期TR#2 ,TR#3 TR#4 を推定し、この推定された燃料噴射時期TR#2 ,TR#3 TR#4 で目標噴射時期TT を補正し、この補正した値に基づいてタイマ制御弁31を制御する。よって、図11,12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関関係を利用して、気筒毎に設けた燃料噴射弁37が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期が高精度に制御できる。
【0060】
又、図9のステップ208において図10に示すマップを用いて偏差(Δq#1−Δq#i)が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定して遅角側への補正値が決定される。よって、図12に示す気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関を噴射時期制御に正確に反映させることができる。
【0061】
尚、この発明の他の態様としては、4気筒以外の多気筒エンジンに具体化してもよい。又、実噴射時期検出手段は、図5に示す構造のノズルリフトセンサに限ることはなく、他の構造のノズルリフトセンサを用いたり、他の方式のセンサにて実噴射時期を検出するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期を精度よく制御することができる優れた効果を発揮する。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関を噴射時期制御に正確に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の全体構成図。
【図2】シグナルロータの正面図。
【図3】回転数パルスの波形図。
【図4】燃料噴射弁の断面図。
【図5】ノズルリフトセンサの断面図。
【図6】燃料噴射量の算出するためのフローチャート。
【図7】タイミングチャート。
【図8】学習値を示す説明図。
【図9】燃料噴射時期の算出するためのフローチャート。
【図10】マップを示す説明図。
【図11】ノズルリフトと噴射弁への印加燃圧との関係を示す説明図。
【図12】気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差の関係を示す説明図。
【図13】クレームの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…噴射ポンプ、20…噴射量制御用アクチュエータとしての電磁弁、31…噴射時期制御用アクチュエータとしてのタイマ制御弁、33…運転状態検出手段としてのピックアップ、36…ディーゼルエンジン、37…燃料噴射弁、43…バネ、44…実噴射時期検出手段としてのノズルリフトセンサ、52…運転状態検出手段としてのアクセルセンサ、58…噴射量演算手段、気筒毎エンジン回転偏差検出手段、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段、噴射量制御手段、噴射時期演算手段、第1の噴射時期制御手段、燃料噴射量補正量偏差算出手段、第2の噴射時期制御手段としてのECU。
【産業上の利用分野】
この発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子制御ディーゼルエンジンにおいては燃料噴射時期制御に際して、エンジンの所定のクランク角毎に発生するパルス信号と実際に燃料を噴射したタイミングを示す噴射時期信号(例えばノズルリフト信号)より実噴射時期を検出し、エンジン運転状態より算出される目標噴射時期との偏差に応じてタイマ制御弁を制御し、目標噴射時期と実噴射時期を一致させる、いわゆるノズルリフトフィードバック制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなノズルリフトフィードバック制御が行われている噴射時期制御装置において、コスト・搭載性の制約により多気筒(例えば4気筒)中の任意の一気筒での燃料噴射弁のみリフトセンサを搭載しているため、気筒間の噴射時期の差は検出できず初期の調整のみに頼っているのが実状である。このため、燃料噴射弁の劣化時における気筒間の噴射時期のバラツキによりスモーク・エミッション・ドラビリ性能が損なわれるという問題が生じている。
【0004】
そこで、この発明の目的は、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期を精度よく制御することができるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
燃料噴射量を制御するシステム、特に、多気筒ディーゼルエンジンの気筒毎に、バネのセット圧以上の高圧燃料の供給にて燃料噴射を行う燃料噴射弁(インジェクタ)を備えたシステムにおいて、ディーゼルエンジンの運転を続けていると経時的に燃料噴射弁の劣化が進み、その開弁圧(バネのセット圧)が低下し、図11に示すように噴射量が増加する。この際、気筒毎に開弁圧低下の度合いが異なると、増加する噴射量Δqも気筒毎に異なるため気筒毎の回転変動も変化する。この気筒毎の回転変動の度合いにより気筒毎の噴射量の差を推定し、噴射量指令値を気筒毎に補正するものがある。
【0006】
ここで、図11に示すように気筒毎に開弁圧低下の度合いが異なると、気筒毎の噴射時期の進角量も異なる。つまり、図12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期進角量(噴射時期の差)は相関がある。
【0007】
このことに着目し、以下の構成を採用した。
請求項1に記載の発明は、図13に示すように、多気筒ディーゼルエンジンの気筒毎に設けられ、バネのセット圧以上の高圧燃料の供給にて開弁して燃料を噴射する燃料噴射弁M1と、燃料を加圧して高圧燃料として前記気筒毎の燃料噴射弁M1にそれぞれ供給する噴射ポンプM2と、ディーゼルエンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段M3と、前記運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射量を演算する噴射量演算手段M4と、エンジンの安定運転状態における気筒毎のエンジン回転数の偏差を検出する気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5と、前記気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5による気筒毎のエンジン回転数の偏差に基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量を算出する気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6と、前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6による気筒毎の燃料噴射量の補正量にて、前記噴射量演算手段M4による燃料噴射量を補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量となるように噴射量制御用アクチュエータを制御する噴射量制御手段M7と、前記気筒毎の燃料噴射弁M1のうちのいずれかに設けられ、実際の燃料噴射時期を検出する実噴射時期検出手段M8と、前記運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を演算する噴射時期演算手段M9と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射に際し、前記実噴射時期検出手段M8による実際の燃料噴射時期が前記噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期となるように噴射時期制御用アクチュエータを制御する第1の噴射時期制御手段M10と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6における前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射量の補正量と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒での燃料噴射量の補正量との偏差を算出する燃料噴射量補正量偏差算出手段M11と、前記燃料噴射量補正量偏差算出手段M11による偏差と、前記実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での当該実噴射時期検出手段M8による実燃料噴射時期とから燃料噴射時期を推定し、この推定された燃料噴射時期で前記噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期を補正し、この補正した値に基づいて噴射時期制御用アクチュエータを制御する第2の噴射時期制御手段M12とを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置をその要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明における前記第2の噴射時期制御手段M12は、偏差が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定するものであるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置をその要旨とする。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、運転状態検出手段M3は、ディーゼルエンジンの運転状態を検出する。噴射量演算手段M4は、運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射量を演算する。気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5は、エンジンの安定運転状態における気筒毎のエンジン回転数の偏差を検出する。気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6は、気筒毎エンジン回転偏差検出手段M5による気筒毎のエンジン回転数の偏差に基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量を算出する。噴射量制御手段M7は、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6による気筒毎の燃料噴射量の補正量にて、噴射量演算手段M4による燃料噴射量を補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量となるように噴射量制御用アクチュエータを制御する。
【0010】
実噴射時期検出手段M8は、実際の燃料噴射時期を検出する。噴射時期演算手段M9は、運転状態検出手段M3によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を演算する。第1の噴射時期制御手段M10は、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射に際し、実噴射時期検出手段M8による実際の燃料噴射時期が噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期となるように噴射時期制御用アクチュエータを制御する。燃料噴射量補正量偏差算出手段M11は、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段M6における実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での燃料噴射量の補正量と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒での燃料噴射量の補正量との偏差を算出する。第2の噴射時期制御手段M12は、燃料噴射量補正量偏差算出手段M11による偏差と、実噴射時期検出手段M8を設けた気筒での実噴射時期検出手段M8による実燃料噴射時期とから燃料噴射時期を推定し、この推定された燃料噴射時期で噴射時期演算手段M9による燃料噴射時期を補正し、この補正した値に基づいて噴射時期制御用アクチュエータを制御する。
【0011】
この第2の噴射時期制御手段M12により、図11,12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関関係を利用して、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期が高精度に制御される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、第2の噴射時期制御手段M12は、偏差が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定する。
【0013】
つまり、図12に示す気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関が噴射時期制御に正確に反映される。
【0014】
【実施例】
以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って説明する。
図1には、多気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の全体構成を示す。
【0015】
ここで、多気筒ディーゼルエンジン36は4気筒ディーゼルエンジンであり、気筒毎に設けられた燃料噴射弁37に対し燃料噴射ポンプ1からの高圧燃料が供給され、燃料噴射弁37から燃料が所定時期に所定量だけ噴射されるようになっている。
【0016】
以下、詳細に説明していく。はじめに、同図1を参照して、これらディーゼルエンジン36及び燃料噴射ポンプ1の概要を説明する。
まず、噴射ポンプ1としては、スピル時期を電気的に調整して燃料噴射量を制御するタイプの噴射ポンプ、特にここでは電磁スピル式分配型の燃料噴射ポンプを想定している。この電磁スピル式分配型燃料噴射ポンプ1は、シリンダ内壁面とプランジャ先端面とで形成される高圧室10とポンプ室(低圧室)7とを連通させる連通路19に電磁弁20を設け、この電磁弁20をオン/オフ制御することにより該連通路19を遮断/連通(スピル)させて、その燃料噴射量を制御するものである。
【0017】
さて、この噴射ポンプ1において、ドライブシャフト(駆動軸)2はディーゼルエンジン36の出力軸(クランクシャフト)と駆動連結されている。そして、図示しないフィルタにより濾過された燃料は、ドライブシャフト2で駆動されるベーン式フィードポンプ(図1では90°展開して図示)3によって給油口4からプレッシャレギュレーティングバルブ5に導かれる。このプレッシャレギュレーティングバルブ5により圧力が調整された後、ポンプハウジング6内の低圧室であるポンプ室7内に充填される。
【0018】
ポンプ室7内に充填された燃料は、ポンプ室7内で作動部分の潤滑を行うとともに、吸入ポート8を介して、プランジャ9の先端部に形成される高圧室10に送られる。又、同ポンプ室7内に充填された燃料の一部は、過剰燃料の排出と作動部分の冷却のために、オーバフローバルブ11から燃料タンクに戻され循環される。
【0019】
上記プランジャ9の先端部には、エンジンの気筒数(この例では4)と同数の吸入グルーブ12が穿設され、また後端部には、カムプレート13が固定されている。このカムプレート13には、ローラリング14に嵌合された、これも気筒数と同数のローラ15が接触されている。
【0020】
又、プランジャ9は、先端側からシリンダ16に挿入され、その先端面とシリンダ16の内壁面とによって高圧室10を形成している。このシリンダ16には、上記吸入ポート8が穿設されるとともに、シリンダ内面からデリバリバルブ17に連通する、気筒数と同数の分配通路18が穿設されている。
【0021】
一方、上記ポンプハウンジ6には、連通路19を連通/遮断するスピル制御用の電磁弁20が取り付けられている。この連通路19は高圧室10とポンプ室7とを連通させるものである。
【0022】
噴射量制御用アクチュエータとしての電磁弁20は、ソレノイド21がオンされることにより、弁体22を突出して連通路19を遮断し、ソレノイド21がオフされることにより、弁体22を吸引して連通路19を連通する。こうして連通路19が連通されることにより、高圧室10にある燃料がポンプ室7にスピルされ、その噴射供給が終了される。
【0023】
又、上記ドライブシャフト2はカップリングを介してカムプレート13に連結されている。このカムプレート13は、上述の如くプランジャ9の後端部に固定されており、またスプリング23によってローラ15に押圧されている。したがって、回転するカムプレート13のカム山にローラ15が乗り上げる都度プランジャ9は図中右方向に移動するようになり、結局このプランジャ9は、カムプレート13の1回転中に、エンジンの気筒数と等しい回数だけ往復動されることとなる。
【0024】
また一方、同噴射ポンプ1の下部には、燃料送油圧力を利用してドライブシャフト2とプランジャ9を駆動するカムプレート13との位相を変化させることにより燃料噴射時期を調整する油圧式タイマ(図1では90°展開して図示)24が設けられている。
【0025】
このタイマ24において、ポンプハウジング6内の摺動孔25にはタイマピストン26が配置され、タイマピストン26により摺動孔25が低圧室27と高圧室28とに区画されている。又、このタイマピストン26はドライブシャフト2と直角になるよう組み込まれている。低圧室27は給油口(フィードポンプ吸入側)4と連通するとともに、低圧室27にはタイマスプリング29が配置されている。高圧室28はポンプ室7と連通している。そして、タイマピストン26は低圧室27のフィードポンプ吸入側燃料圧およびタイマスプリング29の付勢力と、高圧室28の燃料圧とのバランスにより摺動孔25を摺動するように構成されている。このタイマピストン26の動きは、ロッド30を介して、円筒状のローラリング14を回転させる動きに変換される。
【0026】
ここで、タイマスプリング29は、上記タイマピストン26を噴射遅れの方向に押している。しかし、エンジン回転数が上昇して、ポンプ室7の燃料圧が上昇すると、タイマピストン26は、タイマスプリング29の付勢力に抗する方向に押されるようになる。そして、こうしたタイマピストン26の動きにより、ローラリング14はドライブシャフト2の回転方向と反対の方向に回転されるようになり、噴射時期が進められる。又、低圧室27と高圧室28とは噴射時期制御用アクチュエータとしてのタイマ制御弁31を介して接続され、このタイマ制御弁31の駆動によりタイマピストン26に作用する燃料圧が調整され、噴射時期が変更できるようになっている。
【0027】
又、ドライブシャフト2の先端部には、シグナルロータ32がドライブシャフト2と同軸に固定され、ローラリング14には該シグナルロータ32の周面に対向するようにピックアップ(電磁ピックアップセンサ)33が取り付けられている。
【0028】
磁性体からなるシグナルロータ32には、所定角(例えば、5.625°)毎に凸状歯が複数個配設されるとともに、エンジン気筒数と同数だけ、等間隔に、該凸状歯が切欠かれた欠歯部が形成されている。
【0029】
因みに、ここで対象とする4気筒ディーゼルエンジンの場合には、図2に示されるように、5.625°(11.25°CA(クランク角)に相当する)毎に凸状歯32a、32b、…が複数個配設されるとともに、90°(180°CAに相当する)毎に欠歯部34a〜34dが形成されることとなる。
【0030】
このため、ドライブシャフト2とともに該シグナルロータ32が回転すると、上記凸状歯がピックアップ33に対して接近離反し、電磁誘導によって、ピックアップ33からは、図3に示されるようなパルス信号が出力されるようになる。このパルス信号の幅広の谷部は基準位置信号として作用し、その他の部分は回転角信号として作用する。なお、このパルス信号の発生周期が当該噴射ポンプ1の回転数に対応する。
【0031】
又、図1のポンプハウジング6には更に、上記吸入ポート8を遮断することによって燃料噴射を停止させる燃料噴射カットバルブ35が取り付けられている。この燃料噴射カットバルブ35を通じて上記吸入ポート8を遮断することで、以下に説明するディーゼルエンジン36の運転を停止することができるようになる。
【0032】
次に、ディーゼルエンジン36の概要について説明する。
ディーゼルエンジン36の各気筒(第1気筒#1,第2気筒#2,第3気筒#3,第4気筒#4)には副燃焼室が設けられ、この各副燃焼室には燃料噴射弁37がそれぞれ取り付けられている。各燃料噴射弁37が噴射ポンプ1の上記デリバリバルブ17と接続されている。
【0033】
燃料噴射弁37の詳細を図4を用いて説明する。
燃料噴射弁37のハウジング38内にはニードル弁摺動孔39が設けられ、摺動孔39にはニードル弁40が摺動可能に支持されている。又、摺動孔39の下側には燃料室41が設けられ、燃料室41には連通孔42を介して噴射ポンプ1からの高圧燃料が供給される。ニードル弁40はバネ43により噴射口を塞ぐ方向に付勢されている。そして、このバネ43のセット圧以上の高圧燃料が供給されると、バネ43の付勢力に抗してニードル弁40が上動して噴射口から燃料が噴射される。
【0034】
又、本実施例では、第1気筒における燃料噴射弁37にのみ図5に示すように、実噴射時期検出手段としてのノズルリフトセンサ44が取り付けられている。つまり、ニードル弁40の上端には連結部材45(バネ43の受け部材)が設けられ、この連結部材45の外周面の一部に凹部46が形成されている。又、ハウジング38には電磁ピックアップ47が取り付けられ、ニードル弁40の上動に伴う凹部46の変位を検出し、燃料噴射が行われているとオン信号を出力する。このように、ノズルリフトセンサ44にて実際の燃料噴射時期が検出されるようになっている。
【0035】
図1において、ディーゼルエンジン36における各気筒の副燃焼室にはグロープラグ48が取り付けられている。
又、エンジン36の吸気通路には、スロットル弁49が配設され、このスロットル弁49を含んでベンチュリ50が構成されている。スロットル弁49はアクセルペダル51とリンクにて駆動連結されている。
【0036】
そして、同エンジン36の周辺には、アクセルペダル51の開度(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ52、吸気管圧力を検出する圧力センサ53、及びエンジン冷却水温を検出する水温センサ54が配設されている。
【0037】
又、同エンジン36の出力軸であるクランクシャフト55には、各気筒の上死点に対応する位置に突起が設けられたシグナルロータ56が固定され、更にこのシグナルロータ56の近傍には、上記突起の回転通過に伴って上死点信号(TDCパルス)を出力する上死点センサ(電磁ピックアップセンサ)57が設けられている。
【0038】
上記アクセルセンサ52、圧力センサ53、水温センサ54、上死点センサ57、ピックアップ33、およびノズルリフトセンサ44の各出力は、制御装置(以下、ECUという)58に入力される。
【0039】
ECU58はマイクロコンピュータ、入力回路、出力回路等から構成されている。ECU58は、上記エンジン36の始動に際し、グローリレー59を介してグロープラグ48を駆動するとともに、これら入力される各種センサ出力に基づいて、上記電磁弁20のソレノイド21や上記燃料噴射カットバルブ35のソレノイドやタイマ制御弁31を制御する。又、ECU58はピックアップ33からのNeパルスによりその時のエンジン回転数Neを算出するとともに、各気筒毎のエンジン回転数を算出する。
【0040】
尚、本エンジンの爆発気筒順序は1−2−4−3となっている。
本実施例では、ピックアップ33およびアクセルセンサ52によりエンジン運転状態検出手段が構成されている。又、ECU58により運転状態検出手段、噴射量演算手段、気筒毎エンジン回転偏差検出手段、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段、噴射量制御手段、噴射時期演算手段、第1の噴射時期制御手段、燃料噴射量補正量偏差算出手段、第2の噴射時期制御手段が構成されている。
【0041】
次に、このように構成したディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の作用を説明する。
図6には、ECU58が実行する燃料噴射量の演算処理ルーチンを示す。この処理は所定のクランク角(燃料量演算タイミング)にて起動されるものである。又、図7にはタイミングチャートを示す。図7においては、TDCパルスと,ノズルリフトセンサ44の出力信号(LNパルス)と,ノズルリフトと,エンジン回転数Neの推移を示す。図7において、エンジン回転数Neは各気筒での爆発行程において山なりに変化する。つまり、燃料噴射により燃焼室にて爆発が起こり大きな回転トルクが発生し回転数は上昇し、その後低下していく。
【0042】
ECU58は図6のステップ100でエンジン運転状態を示すパラメータ信号(アクセル開度信号,ノズルリフト信号、TDCパルス,Neパルス等)を取り込む。そして、ECU58は図7に示す各気筒のエンジン回転数Ne#1,Ne#2,Ne#4,Ne#3を算出する。即ち、山なりに変化するエンジン回転数数における各山毎の平均回転数を各気筒のエンジン回転数Ne#1,Ne#2,Ne#4,Ne#3として算出する。さらに、ECU58はステップ101で取り込んだノズルリフト信号およびNeパルスにより気筒判別を行う。
【0043】
引き続き、ECU58はステップ102でエンジン回転数Neおよびアクセル開度ACCPより基本噴射量qBASEを算出する。つまり、ディーゼルエンジの運転状態に応じた燃料噴射量qBASEを演算する。そして、ECU58はステップ103でアクセルセンサ52からの信号によりエンジンがアイドル状態か否か判定し、アクセル開度ACCPが所定値以下でありアイドル状態であると判定すると、ステップ104に移行して第1気筒のエンジン回転数Ne#1から第2気筒のエンジン回転数Ne#2を減算して第2気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#2を求める。同様に、第2気筒のエンジン回転数Ne#2から第4気筒のエンジン回転数Ne#4を減算して第4気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#4を、第4気筒のエンジン回転数Ne#4から第3気筒のエンジン回転数Ne#3を減算して第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3を、第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3から第1気筒のエンジン回転数Ne#1を減算して第1気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#1を、それぞれ求める。
【0044】
そして、ECU58はステップ105で第1気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#1から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#1−ΔNeAVE )に応じた第1気筒の噴射量補正量Δq#1を算出する。尚、各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE とは、(ΔNe#1+ΔNe#2+ΔNe#4+ΔNe#3)/4にて求めたものである。同様に、第2気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#2から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#2−ΔNeAVE )に応じた第2気筒の噴射量補正量Δq#2を、第3気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#3から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#3−ΔNeAVE )に応じた第3気筒の噴射量補正量Δq#3を、第4気筒のエンジン回転数偏差ΔNe#4から各気筒の回転数偏差の平均値ΔNeAVE を減算し、その値(=ΔNe#4−ΔNeAVE )に応じた第4気筒の噴射量補正量Δq#4を、それぞれ算出する。
【0045】
この噴射量補正量Δq#1,Δq#2,Δq#3,Δq#4は、噴射時期演算の際にも使われるので、同データはメモリに格納される。
そして、ECU58はステップ106で図8に示す第1気筒の学習値ΔQ#1に噴射量補正量Δq#1を加減算して学習値ΔQ#1を更新する。ここで、図8に示す学習値ΔQ#1,ΔQ#2,ΔQ#3,ΔQ#4はバックアップメモリあるいは不揮発性メモリに記憶され、エンジン運転停止のためにキースイッチをオフしてもその記憶内容が保持されるようになっている。同様に、図8に示す第2気筒の学習値ΔQ#2に噴射量補正量Δq#2を加減算して学習値ΔQ#2を、第3気筒の学習値ΔQ#3に噴射量補正量Δq#3を加減算して学習値ΔQ#3を、第4気筒の学習値ΔQ#4に噴射量補正量Δq#4を加減算して学習値ΔQ#4を、それぞれ更新する。
【0046】
このように、ステップ104〜106の処理により、アイドル時において燃料噴射量の補正量ΔQの学習が行われる。
ECU58はステップ107で、基本噴射量qBASEに気筒毎の学習値ΔQ#1,ΔQ#2,ΔQ#3,ΔQ#4をそれぞれ加算した各気筒毎の最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN を算出する。一方、ECU58はステップ103においてアイドルでない時は、ステップ107に移行して学習処理を行うことなく最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN を算出する。そして、ECU58はこの最終噴射量Q#1FIN ,Q#2FIN ,Q#3FIN ,Q#4FIN となるようにスピル電磁弁20を制御する。
【0047】
図9には、ECU58が実行する燃料噴射時期の演算処理ルーチンを示す。この処理は気筒毎の所定のクランク角(燃料時期演算タイミング)にて起動されるものである。
【0048】
ECU58はステップ200でエンジン運転状態を示すパラメータ信号(アクセル開度信号,ノズルリフト信号、TDCパルス,Neパルス等)を取り込む。ECU58はステップ201で取り込んだノズルリフト信号およびNeパルスにより気筒判別を行う。
【0049】
ECU58はステップ202でエンジン回転数Neおよびアクセル開度ACCPより目標噴射時期TT を算出する。つまり、ディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期TT を演算する。そして、ECU58はステップ203でNeパルス,TDCパルス,ノズルリフト信号より実噴射時期TR を算出する。
【0050】
この実噴射時期TR は、第1気筒での噴射時期のフィードバック制御の際に使われるとともに、第2,3,4気筒での噴射時期の制御の際にも使われるものである。
【0051】
引き続き、ECU58はステップ204に移行して前記図6のステップ104にて求めた回転数偏差ΔNe#1,ΔNe#2,ΔNe#3,ΔNe#4が全て所定値a以下の時(|ΔNe#1|<aかつ|ΔNe#2|<aかつ|ΔNe#3|<aかつ|ΔNe#4|<a)、気筒毎の噴射量補正量の学習が終了したと判定し次ステップに進む。
【0052】
ECU58はステップ205で今回の処理がノズルリフトセンサ44を設置した第1気筒の噴射時期演算処理であるか否か判定し、第1気筒のための処理であるとステップ206で目標噴射時期TT から実噴射時期TR を減算し、その値(=TT −TR )に応じた最終噴射時期指令値D#1を設定し、ステップ207でタイマ制御弁31を制御する。
【0053】
このように第1気筒での燃料噴射時期制御として、目標噴射時期TT とノズルリフトセンサ44による実際の噴射時期TR とを一致させるフィードバック制御(閉ループ制御)が行われる。
【0054】
又、ECU58はステップ205において第1気筒でないと、ステップ208に移行して図6のステップ105にて求めた第1気筒の噴射量補正量Δq#1から第2気筒の噴射量補正量Δq#2を減算して、この値(=Δq#1−Δq#2)に応じた第2気筒の噴射時期補正量ΔTR#2 を算出する。同様に、第1気筒での噴射量補正量Δq#1から第3気筒での噴射量補正量Δq#3を減算して、この値(=Δq#1−Δq#3)に応じた第3気筒での噴射時期補正量ΔTR#3 を、第1気筒での噴射量補正量Δq#1から第4気筒での噴射量補正量Δq#4を減算して、この値(=Δq#1−Δq#4)に応じた第4気筒での噴射時期補正量ΔTR#4 を、それぞれ算出する。このとき、図10に示すマップが用いられる。つまり、第1気筒での噴射量補正量Δq#1とその他の気筒での噴射量補正量Δq#i(i=2,3,4) との差(=Δq#1−Δq#i)に対応する噴射時期補正量ΔTが求められる。図10においては、偏差(Δq#1−Δq#i)が大きいほど、噴射時期ΔTが進角側であると推定して、遅角側への補正値が設定される。
【0055】
ECU58はステップ209において第1気筒でのノズルリフトセンサ44による実噴射時期TR と第2気筒の噴射時期補正量ΔTR#2 とを加算して第2気筒の推定噴射時期TR#2 を求める。同様に、実噴射時期TR と第3気筒の噴射時期補正量ΔTR#3 とを加算して第3気筒の推定噴射時期TR#3 を、実噴射時期TR と第4気筒の噴射時期補正量ΔTR#4 とを加算して第4気筒の推定噴射時期TR#4 を、それぞれ求める。
【0056】
ECU58はステップ210で目標噴射時期TT から第2気筒の推定噴射時期TR#2 を減算し、その値(=TT −TR#2 )に応じた第2気筒の最終噴射時期指令値D#2を設定する。同様に、目標噴射時期TT から第3気筒の推定噴射時期TR#3 を減算し、その値(=TT −TR#3 )に応じた第3気筒の最終噴射時期指令値D#3を、目標噴射時期TT から第4気筒の推定噴射時期TR#4 を減算し、その値(=TT −TR#4 )に応じた第4気筒の最終噴射時期指令値D#4を、それぞれ求める。そして、ECU58はステップ207でタイマ制御弁31を制御する。
【0057】
このように第2,3,4気筒での燃料噴射時期として、目標噴射時期TT に推定噴射時期TR#2 ,TR#3 ,TR#4 による補正を行い、この値によりタイマ制御弁31への指令値を設定するオープンループ制御が行われる。
【0058】
尚、ステップ204において回転数偏差ΔNe#1,ΔNe#2,ΔNe#3,ΔNe#4が一つでも所定値a以下の場合には第1気筒での噴射時期制御として前述のステップ206と同様に目標噴射時期TT とノズルリフトセンサ44による実際の噴射時期TR とを一致させるフィードバック制御が行われ、他の気筒(第2,3,4気筒)での噴射時期制御として前述のステップ210と同様に目標噴射時期TT に第1気筒での実噴射時期TR による補正(TT −TR )を行い、この値(=TT −TR )によりタイマ制御弁31への指令値Dを設定するオープンループ制御が行われる。
【0059】
このように本実施例では、ECU58は図6のステップ104での処理によりエンジンアイドル時(エンジンの安定運転状態)における気筒毎のエンジン回転数の偏差ΔNeを検出し、図6のステップ105,106での処理により気筒毎のエンジン回転数の偏差ΔNeに基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量ΔQを算出し、ステップ107での処理により気筒毎の燃料噴射量の補正量ΔQにて燃料噴射量qBASEを補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量QFIN となるように電磁弁20を制御する。又、ECU58は図9のステップ206での処理によりノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒での燃料噴射に際しノズルリフトセンサ44による実際の燃料噴射時期TR が目標噴射時期TT となるようにタイマ制御弁31を制御し、ノズルリフトセンサ44を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、図9のステップ208での処理によりノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒の燃料噴射量の補正量Δq#1と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒の燃料噴射量の補正量Δq#i(i=2,3,4) との偏差(Δq#1−Δq#i)を算出し、図9のステップ209,210での処理によりその偏差(Δq#1−Δq#i)と、ノズルリフトセンサ44を設けた第1気筒のノズルリフトセンサ44による実燃料噴射時期TR とから燃料噴射時期TR#2 ,TR#3 TR#4 を推定し、この推定された燃料噴射時期TR#2 ,TR#3 TR#4 で目標噴射時期TT を補正し、この補正した値に基づいてタイマ制御弁31を制御する。よって、図11,12に示すように、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関関係を利用して、気筒毎に設けた燃料噴射弁37が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期が高精度に制御できる。
【0060】
又、図9のステップ208において図10に示すマップを用いて偏差(Δq#1−Δq#i)が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定して遅角側への補正値が決定される。よって、図12に示す気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関を噴射時期制御に正確に反映させることができる。
【0061】
尚、この発明の他の態様としては、4気筒以外の多気筒エンジンに具体化してもよい。又、実噴射時期検出手段は、図5に示す構造のノズルリフトセンサに限ることはなく、他の構造のノズルリフトセンサを用いたり、他の方式のセンサにて実噴射時期を検出するようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、気筒毎に設けた燃料噴射弁が劣化により噴射特性にバラツキが発生した場合にも噴射時期を精度よく制御することができる優れた効果を発揮する。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差との相関を噴射時期制御に正確に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置の全体構成図。
【図2】シグナルロータの正面図。
【図3】回転数パルスの波形図。
【図4】燃料噴射弁の断面図。
【図5】ノズルリフトセンサの断面図。
【図6】燃料噴射量の算出するためのフローチャート。
【図7】タイミングチャート。
【図8】学習値を示す説明図。
【図9】燃料噴射時期の算出するためのフローチャート。
【図10】マップを示す説明図。
【図11】ノズルリフトと噴射弁への印加燃圧との関係を示す説明図。
【図12】気筒毎の噴射量の差と噴射時期の差の関係を示す説明図。
【図13】クレームの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…噴射ポンプ、20…噴射量制御用アクチュエータとしての電磁弁、31…噴射時期制御用アクチュエータとしてのタイマ制御弁、33…運転状態検出手段としてのピックアップ、36…ディーゼルエンジン、37…燃料噴射弁、43…バネ、44…実噴射時期検出手段としてのノズルリフトセンサ、52…運転状態検出手段としてのアクセルセンサ、58…噴射量演算手段、気筒毎エンジン回転偏差検出手段、気筒毎燃料噴射量補正量算出手段、噴射量制御手段、噴射時期演算手段、第1の噴射時期制御手段、燃料噴射量補正量偏差算出手段、第2の噴射時期制御手段としてのECU。
Claims (2)
- 多気筒ディーゼルエンジンの気筒毎に設けられ、バネのセット圧以上の高圧燃料の供給にて開弁して燃料を噴射する燃料噴射弁と、
燃料を加圧して高圧燃料として前記気筒毎の燃料噴射弁にそれぞれ供給する噴射ポンプと、
ディーゼルエンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記運転状態検出手段によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射量を演算する噴射量演算手段と、
エンジンの安定運転状態における気筒毎のエンジン回転数の偏差を検出する気筒毎エンジン回転偏差検出手段と、
前記気筒毎エンジン回転偏差検出手段による気筒毎のエンジン回転数の偏差に基づいて気筒毎の燃料噴射量の補正量を算出する気筒毎燃料噴射量補正量算出手段と、
前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段による気筒毎の燃料噴射量の補正量にて、前記噴射量演算手段による燃料噴射量を補正し、この補正後の気筒毎の燃料噴射量となるように噴射量制御用アクチュエータを制御する噴射量制御手段と、
前記気筒毎の燃料噴射弁のうちのいずれかに設けられ、実際の燃料噴射時期を検出する実噴射時期検出手段と、
前記運転状態検出手段によるディーゼルエンジンの運転状態に応じた燃料噴射時期を演算する噴射時期演算手段と、
前記実噴射時期検出手段を設けた気筒での燃料噴射に際し、前記実噴射時期検出手段による実際の燃料噴射時期が前記噴射時期演算手段による燃料噴射時期となるように噴射時期制御用アクチュエータを制御する第1の噴射時期制御手段と、
前記実噴射時期検出手段を設けた気筒以外での燃料噴射に際し、前記気筒毎燃料噴射量補正量算出手段における前記実噴射時期検出手段を設けた気筒での燃料噴射量の補正量と、今回燃料噴射を行わせようとする気筒での燃料噴射量の補正値との偏差を算出する燃料噴射量補正量偏差算出手段と、
前記燃料噴射量補正量偏差算出手段による偏差と、前記実噴射時期検出手段を設けた気筒での当該実噴射時期検出手段による実燃料噴射時期とから燃料噴射時期を推定し、この推定された燃料噴射時期で前記噴射時期演算手段による燃料噴射時期を補正し、この補正した値に基づいて噴射時期制御用アクチュエータを制御する第2の噴射時期制御手段と
を備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。 - 前記第2の噴射時期制御手段は、偏差が大きいほど、噴射時期が進角側であると推定するものである請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
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