JP3643234B2 - 軌道回路監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は軌道回路の異常を監視する装置であって、特に異常の原因箇所を特定できる機能を有するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道交通においては、レール上に存在する列車を検知して信号機などの保安装置を制御する電気信号システムが古くから用いられている。例えば図17に示す如く軌道1は適当な長さ(数100メートル〜数キロメートル)毎にレール絶縁部99により電気的に区分される。この区間100の2本のレール21、22を電気回路として、この区間100の一端(以後電源端という)に電源装置3(ここでは交流電源)の両極を、他端(以後終端という)に軌道リレー4のコイルの両極を接続する。列車(図示していない)がこの区間100に進入してその車輪によりレール21、22間が短絡されたり、この区間100から進出してレール21、22間が解放されることにより軌道リレー4を落下又は扛上(リレーがオン動作している状態)させ、列車の有無を検知するのである。ここに於いて軌道リレー4はレールの終端に到達する電源電圧(以後着電圧という)を監視しているということができる。
電源装置3とレール21、22と軌道リレー4からなる電気回路を軌道回路101と呼ぶ。又、電源装置3、レール21、22、軌道リレー4などを総称して軌道回路要素と呼ぶこともある。
【0003】
このようなシステムは列車の運行を安全に保つ上できわめて重要なものであるから、システムに異常があれば何らかの警報信号を出力する監視装置も古くから用いられている。しかし、実際の軌道においては列車の速度やその編成状態、あるいは天候の変化などによって、列車進入、進出時に着電圧が高い値から低い値へ、あるいはその逆へと変化する速さは相当程度変動する。つまり、正常とは言えない過渡的な状態が一定時間発生する。
また、列車の車輪(図示しない)は高速で回転しているので、短絡している間にもレールの継目などでは瞬間的に解放状態(あおりとも言う)になってしまうこともあり、単純にシステムの電圧、電流などを監視するだけでは、これらを故障として捕えてしまうなど、誤作動する恐れが大きい。
そこで、このような正常な範囲内での変動による監視動作の誤作動を回避して、より確実に異常を監視しようとする試みが過去種々試みられている。
【0004】
このような軌道回路101の監視装置の従来のものの一例について説明する。図18〜図23は実公平7−30451号公報に示されたものと類似の監視装置を説明する図で、図18はハードウェア構成図、図19は図18の構成を説明するブロック図、図20と図21は図18の従来の監視装置の動作を説明するためのフローチャート、図22は同じく定常時異常監視動作を説明するためのタイムチャート、図23は過渡時異常監視動作を説明するタイムチャートである。
【0005】
図18に於いて、レール21、22と軌道リレー4とを接続するケーブル5には、マイクロコンピュータなどで構成されるコントロールユニット6が接続されている。このコントロールユニット6には、電源装置3よりレール21、22を介して軌道リレー4に印加される着電圧値Vを入力してディジタル値に変換するA/Dコンバータ7、及びこのA/Dコンバータ7を介して入力される着電圧に基づいて後述する異常監視動作を行い軌道回路101の異常の有無を判定し、異常表示用のLED9などに出力するCPU8が設けられている。
【0006】
又、CPU8には下記の設定値を入力するためのキーボード10が接続されている。即ち、
1)VB:軌道リレー4の扛上状態(公知鉄道リレー専門用語、リレーON状態)における着電圧の正常と見なしうる下限設定値。
2)VD:リレー落下状態における着電圧の正常と見なしうる上限設定値。
3)VC:下限値VBと上限値VDとの間に位置し、着電圧の低下に伴って扛 上状態の軌道リレー4が落下する落下電圧値。(軌道リレー4の規格値)
4)VA:下限値VBと上限値VDとの間に位置し、かつ、落下電圧値VCよりも高く、着電圧の上昇に伴って落下状態の軌道リレー4が扛上する扛上電圧 値。(軌道リレー4の規格値)
5)VL:軌道リレー4の扛上状態における着電圧の正常と見なしうる上限設 定値。
【0007】
次に図18と図19に示す監視装置の異常判定動作を図20〜図21のフローチャートならびに図22〜図23のタイムチャートに従って説明する。
図20に於いて、ステップ(図中Sで示す、以下同じ)S1では、図21に示す定常時異常判定動作S1を実行する。なお、この動作は図19の第1計測手段と第1異常判定手段により行われる。又、対応するタイムチャートは定常時動作を説明するための図21である。即ち、S11において軌道リレー4が扛上状態にあるときは着電圧VをVBおよびVLと比較し、V>VLまたはV<VBの時に異常と判定する。また、落下状態にあるときはV>VDの時に異常と判定する。 そして、異常判定がなされたときにはS12、S13に進み時間の計測を開始する。異常と判定される状態があらかじめ設定したT2時間に達するまで続いたときには異常警報を出力する(S14)。時間がT2に達する前に前述の条件が正常に戻ったときには警報を出力しない。
即ち、軌道リレー4が扛上で且つVがVB以下になったときからT2時間経過したときに、VがVCより高い状態に維持されているときには列車進入に伴う電圧低下でないとして異常と判定する。
また、T2時間経過する前にVがVC以下になったときには軌道リレー4が落下状態へと変化し異常であるとする条件が無くなったのであるから、計測値をリセットし、列車進入による電圧低下であるとして、警報を出力せずに次の過渡時異常判定動作S3へと移行する。
【0008】
過渡時異常判定は、S3(S21〜S22)で実行する。なお、これは図19の第2計測手段と第2異常判定手段により行われる。又、対応するタイムチャートは過渡時動作を説明するための図23である。
軌道リレー4が落下状態へと変化しているときは、図23に示す如く、VがVC以下になったときからT1時間の間に、VがV≧VAとなるならば異常と判定する。またリレーが扛上状態へと変化しているときは、図23に示す如く、VがVA以上となったときからT1時間の間にVがV≦VCとなるならば異常と判定する。そして、異常と判定したときにはS22へと進み、時間を計測することなく直ちに警報出力を発生する。
【0009】
このような構成により、電圧の定常時は勿論、過渡時においても、常に異常を監視しているのである。
【0010】
このようにして、従来の軌道回路の監視装置では異常の有無をいち早く検出することができ、列車の運行を直ちに停止するなど安全確保の必要な手を打つことができる。
しかし、例えば電源装置3の出力電圧が低下して、着電圧Vが列車がないのに列車ありの状態に相当するレベルに低下するような故障が生じた場合、監視装置は列車ありと判断し異常を見つけることができない。つまり異常を発見できる故障のモードには限りがあるという問題があった。
これは電圧の変化という、1つの事象、が生じる原因は多数あるので、ただ1カ所の電圧を監視しているだけでは異常と正常の区別が付かない場合もあるということに他ならない。
【0011】
また、現実の保線作業としては軌道回路101の異常が検出されれば、これを早急に復旧させなければならないが、それには軌道回路101を構成するハードウェアのどこの部分が異常であるかが判らなければ復旧作業に取りかかることができない。
従来の装置では、結果として異常が生じていることは検出できても、異常を生じている原因までは判らない。もっとも着電圧Vを監視しているから、たとえば電圧がゼロになってしまうとか、極めて高い値になってしまう場合には、おそらく電源装置3に異常があるのではないかというようなある程度の推定は可能であるものの、この推定を元に直ちに復旧作業に取掛かり得るほどの確度の高い情報を提供できるものではない。
そのため異常を検出しても、復旧に取掛かるまでにシステムを点検し直すなど多大の時間が必要であるという問題があった。
【0012】
また、特開平2−197459号公報に示されているように電源装置3に直流電源を使用し線路終端で直流電流を検出して異常を検出しようとするものもある。また、特開平4−113941号公報に記載のように着電圧Vの位相を監視する方法(軌道リレー4として局部コイルと主コイル(いずれも後述)を有するものを用いた場合、着電圧の位相が所定角からずれると軌道リレーの電圧特性が狂ってしまうので位相を監視する)もある。これらいずれの場合も、ある種の異常の場合には異常を検出することが難しかったり、原因がある限られたものである場合しか、原因を推定することができないなどの問題がある。
また、回路技術の常識として、受動的素子のみで構成される回路の異常を発見し異常箇所を特定するには、回路要素毎の入出力電圧と電流を測定し各要素のインピーダンス(又は抵抗)を演算で求め、正常時のものと比較する方法が知られているが、このような方法ではデータ数が多くなって、設備構成とその処理が複雑化するという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の軌道回路の監視装置は以上のように構成されているので、次の問題がある。
1)軌道回路内に生じると想定し得る全ての異常を検出できるとは言えない。
2)データが異常であることはわかっても何が原因でそのようになっているのかを知ることができない。
そのため異常を検出した後にその異常の復旧に取掛かるまでに、結局人が現場(設置してある電源、レールの区間、軌道リレーの設置場所など)に出向いて全ての軌道回路要素を調べ直すなどのため、多大の時間を必要とするという問題があった。
また、軌道回路要素の全てが受動的な機能の素子なので、異常を発見する基本的な手法として、回路要素毎に入出力電圧と電流を測定し各要素のインピーダンス(又は抵抗)を演算で求め、正常時のものと比較してもよいが、このような方法ではデータ数が多くなって、それらを測定するための設備構成とその処理が複雑化するという問題があった。
【0014】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、きわめて数少ないデータを基に、軌道回路上の想定しうる全ての異常を検出できると同時に、異常の原因部位を特定する情報をも提供できる軌道回路監視装置を提供するものである。また、このような設備を出来るだけ簡素なものとすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る軌道回路監視装置は、電気的に任意の長さに絶縁された2本のレールで構成され列車が走行可能な軌道区間と、この軌道区間の一端(電源端)の前記2本のレール間にインピーダンス素子を介して交流電圧を送信する交流電源装置と、前記軌道区間の他端(終端)の前記2本のレール間に接続された軌道リレーとを含む軌道回路の異常の有無を監視する軌道回路監視装置であって、
前記交流電源装置の送信電圧と送信電流、前記終端の電圧、前記終端の電圧位相とを検出値として取込む検出手段と、
前記軌道回路が正常であって、列車が前記軌道区間内にある場合と無い場合とに対応してあらかじめ設定した前記検出値の上限値と下限値とを記憶する記憶手段と、
前記検出値と前記上限値、下限値とを比較することにより、前記軌道回路の異常の有無を判定して判定結果を出力する判定演算部と、
前記判定演算部が前記軌道回路に異常があると判定した場合に、当該異常の原因が前記交流電源装置、前記インピーダンス素子、前記軌道区間、前記軌道リレーのいずれにあるかを特定して特定結果を出力する特定演算部と、
上記判定結果と上記特定結果とを表示する表示手段とを有するものである。
【0016】
第2の発明に係る軌道回路監視装置は、記憶手段が軌道回路を構成する機器毎の環境条件の変動に応じた故障率を記憶し、判定演算部によって異常ありと判定された異常の原因となり得る確率値を、特定演算部が軌道回路を構成する機器毎に入力された環境条件に応じて演算し、前記確率の高い順に複数の機器をこの異常の原因機器としてその確率値と共に表示する原因確率演算回路を有するものである。
【0017】
第3の発明に係る軌道回路監視装置は、記憶手段があらかじめ定めた異常の程度に対応する異常の分類データを記憶し、異常があると判定されたとき、判定演算部が検出した異常を記憶している異常の程度に応じて複数レベルに分類して判定する異常レベル分類回路を含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図により説明する。図1は軌道回路と軌道回路監視装置の構成図である。
図に於いて、100はレール絶縁部99によって、適当な長さに電気的に区分された軌道の区間を示すものである。21、22はこの区間100の2本のレールを示す。3は軌道区間100の一端(以下電源端)に設けた交流電源装置(電源トランス)であり、この電源トランス3の出力はインピーダンス素子23を介して、レール21、22の電源端へ接続されている。
【0020】
4は主コイル40と局部コイル41と接点出力42とを有する軌道リレーであり、主コイル40はレール21、22の他端(以下終端)に接続されている。 軌道リレー4の局部コイル41に加えられる電源と、電源装置3に加えられる電源との位相関係は一定である(位相ずれがないことが好ましい)。電源装置3は区間100の電源端へ電圧信号を送信し、軌道リレー4は区間100の終端に達する着電圧によって動作する。
【0021】
電源装置3とインピーダンス素子23と区間100のレールと軌道リレー4並びに列車があるときには車輪がレール21、22間を短絡して生じる短絡抵抗からなる電気回路は軌道回路101を構成している。
25は電源装置3の出力端子に接続されたケーブルに挿入された電流検出器(CT)である。
26は電源装置3の出力端子、あるいは、軌道100の終端に接続された電圧検出器(PT)である。
27は軌道リレー4の主コイル40と局部コイル41に加えられている2つの電圧の位相差を検出する位相差検出器である。
ここでインピーダンス素子23は例えば電源トランス3やこれにつながるケーブルによって代用すれば、素子として特定のものを用いないことでもよい。 又、電源装置3からレール21、22に加えられる電圧及び、レール21、22から軌道リレー4に取込まれる電圧は、鉄道技術で言ういわゆるインピーダンスボンドを介しても良い。
【0022】
電源装置3から区間100へ送信される電圧を送信電圧、電流を送信電流と呼ぶ。区間100から軌道リレー4の主コイル40に入る電圧を着電圧と呼ぶ。
Iは電流検出器25から得られる送信電流信号値である。
υは電源トランス3の出力端子に接続された電圧検出器26から得られる送信電圧信号値である。
Vは軌道リレー4の主コイル40の端子(区間100の終端と同じ)に接続された電圧検出器26から得られる着電圧信号値である。
Φは軌道リレー4の主コイル40と局部コイル41に加えられている2つの電圧の位相差を検出する位相差検出器27から得られる位相差信号値である。
【0023】
35は演算装置であって、送信電流信号Iと送信電圧信号υと着電圧信号Vと位相差信号Φを入力として、軌道回路101の異常の有無出力44、異常がある場合の異常を生じる原因ケ所の特定出力45を出力するものである。これらの出力44、45は電気信号でも良いし、CRT11などへの表示を意味するものでも良い。また、軌道100区間内での列車(図示していない)の有無は本来軌道リレー4の接点出力から得られるが、演算装置35から出力することも可能である。
【0024】
演算装置35は次に記載する1)〜5)のものから構成されている。即ち、
1)送信電流信号Iと、送信電圧信号υと、着電圧信号Vと、位相差信号Φを検出する検出手段36。
2)軌道回路101が正常で、列車が区間100内にある場合及び無い場合のそれぞれに対応して、IとυとVとΦとの各種の要因による変動をも考慮した、正常な値の範囲(上下限値)を記憶する記憶手段37(これら記憶値は例えばキーボード10から入力することができる)。
3)前記検出値を前記記憶している上下限値と比較して、異常の有無を判定し、異常有無出力44を出力する判定演算部38。
4)判定演算部38によって異常があると判定された場合に、その異常が生じた原因となる機器を軌道回路101を構成する電源装置3、インピーダンス素子23、レール区間100、軌道リレー4の内のどれであるかを特定して、特定出力45を出力する特定演算部39。
5)以上の1)〜4)のインテリジェント機能を達成するため、一般的に用いられるCRT11などの表示手段、CPUやメモリーなど(図示しない)。
【0025】
図2(a)は図1のものの動作を説明するため、図1の軌道回路101をできるだけ忠実に表したものである。区間100のレール21、22は電源端と終端との間にインピーダンスRL(図では抵抗記号を用いているがリアクタンス又はコンダクタンスを含むインピーダンスである、他のものも同様)を有している。図示しない列車が区間100に侵入することはスイッチSWが閉じることを意味し列車の車輪による短絡抵抗RTがRLの途中の位置に挿入される。列車が移動すれば短絡位置も移動するのでインピーダンスRLは可変抵抗記号で表している。レール21、22間の漏れ抵抗はRXで表している。区間100の両端は絶縁99の抵抗によって図示しない隣接区間へとつながっている。
【0026】
図2(a)の等価回路図では複雑すぎて解析が困難なので、各種の前提条件を考慮に入れて更に簡略化したものを図2(b)に示す。即ち、図2(b)では絶縁99は他の抵抗に比して十分大きいので無視している。また、電源装置3の内部インピーダンスは小さいのでインピーダンス素子23に含ませてインピーダンスrとして表している。
RLはレール21と22の電源端から終端に至る間のインピーダンスである。
RXはレール21と22との間の漏洩インピーダンス、RTは車輪の短絡抵抗、Zは軌道リレー4の主コイル40の側から見たインピーダンスである。SWは列車が区間100にあればRTが、区間100に無ければRXが選択されるスイッチ(車輪)である。
以後、本発明の説明は図2(b)の等価回路図に基づいて説明する。
なお、実際の鉄道線路では、υは1ボルト程度、Iは数アンペア、RLは1Ω程度、RXは数10Ω、RTは0.1Ω前後、Zは数10Ω程度、Φは列車があれば小さく、なければ大きい値となるのが一般的で、このうちRXとRTとRLとΦが気象条件の変化により変動して異常を生じる原因となり易い要因である。
【0027】
図2で電源装置3から見た負荷抵抗は
列車があるときr+RT(RL+Z)/(RL+Z+RT)
列車がないときr+RX(RL+Z)/(RL+Z+RX)
であるから送信電流(I)は
列車があるときI=υ(RL+Z+RT)/{r(RL+Z+RT)+RT(RL+Z)}
列車がないときI=υ(RL+Z+RX)/{r(RL+Z+RX)+RX(RL+Z)}
で表される。
Iがもっとも大きくなるのは、レール21、22間が電源端に近い位置に存在する列車によって短絡されているときで、RT≒0であるから
MAX=υ/r となる。
また、Iがもっとも小さくなるのは列車が区間内にいなくて、且つ、気象が乾燥しているためにレール21、22間の抵抗RXがきわめて高いときで、RX≒∝であるから
MIN= υ/(r+RL+Z) となる。
【0028】
上記をもとにして、図3に送信電流が最大IMAX、及び最小IMINとなる条件での、送信電圧υと送信電流Iの関係を示す。
ここで、図中に送信電圧υと送信電流Iのハードウェア的上限値と下限値の範囲を示している。
送信電圧の下限値υ1と送信電流の下限値ISは、列車が軌道区間100内にいない場合に、送信電流が低下して軌道リレー4の正常な動作が期待できなくなる恐れの有無によって定める。
送信電圧上限値υ2と送信電流上限値ILは、送信電流過大による設備の焼損、例えば列車が区間100内にある場合の電源装置3やインピーダンス素子23の焼損の恐れと、列車が区間100内に無い場合の軌道リレー4の主コイル40の焼損の恐れなどから定める。
【0029】
これらの値の全ては正常時においても電源電圧の変動、気温や気象条件の変動によって変動している。図示説明の都合上図3(以下の図も同様)にはこのような変動までは記載していないので例えば図3の線は適当な幅を有する概念を表しているのである。
【0030】
次に送信電流Iと着電圧V及び位相差Φとの関係について図4に示す。
軌道回路101が正常であれば列車の有無(即ちSWの位置)に関係なく
V=(υ−r・I)Z/(RL+Z)……(1)が成立する。
列車が無くてRXがZに比して無視できない程度に小さいときには
Figure 0003643234
列車が無くて軌道回路101が正常、つまりRXがZよりも十分大きいとき
(2)’式は
V=Z・I ……(2)となる。
列車があってRTがZに比して無視できない程度の大きさであるとき
V=RT・I・Z/(RT+RL+Z) ……(3)’ が成立する。
列車があって軌道回路101が正常、つまりRTがZに比して十分小さいとき
(3)’式は
V=RT・I・Z/(RL+Z) ……(3)となる。
【0031】
(1)式と(2)式{又は(2)’式}との交点が列車なしの状態の、(1)式と(3)式{または(3)’式}との交点が列車あり状態での送信電流Iと着電圧Vの値を示している。
(2)式と(2)’式のいずれを使用すべきかは、列車なし時に計測した送信電流Iが図3の列車なしの電流線IMINに一致するか、より上になるかによっても容易に判断できる。
また、(3)式と(3)’式とのいずれを使用すべきかは、列車あり時に計測した送信電流Iが図3の列車ありの電流線IMAXに一致するか、より下になるかによって容易に判断できる。実際には(3)’式が必要となることはまれなので以下の説明では(3)’式は用いないで説明する。
【0032】
図4の着電圧Vを表す縦軸には、軌道リレー4の動作規格値に基づく着電圧しきい値を示している。
即ち、VLは列車なしの正常状態での着電圧の上限リミット値で、またυ2電圧値とIL電流値とを結ぶ線と(2)式との交点に相当する。
VBは列車なしの正常状態での下限リミット値である。
VAは落下している軌道リレー4が着電圧Vの上昇によってオンする電圧である。
VCはオン状態にあった軌道リレー4が着電圧Vの低下に伴いオフとなる電圧である。
VDは列車有りの状態での着電圧Vの上限リミット、その下限値は図に示していないが(3)式とISとの交点でほぼ0である。
【0033】
図4の位相差Φを表す縦軸には列車なしの場合の正常と見なし得る変動値Φ1〜Φ2を示している。Φの変動の許容値は80度幅程度である。
【0034】
図4の送信電流Iを表す横軸には、軌道リレー4の動作規格値に基づき送信電流Iのしきい値を示している。
即ち、IBはリレー落下状態における送信電流正常時の下限値である。
IAは着電圧の低下に伴ってオン状態の軌道リレーが落下する落下電圧値に達したときに流れる落下時送信電流である。
ICは前記落下時送信電流値IAより小さく、着電圧の上昇に伴って落下状態の軌道リレーがオンする電圧値に達したときに流れる扛上時送信電流である。
IDはリレーオン状態における送信電流正常時の上限値で、VLと(2)式との交点でもある。
【0035】
次に、図5(a)、(b)に列車が区間100内から区間外へと移動するにつれて、送信電流I並びに着電圧Vが変化する様子を示している。又、図4に示した送信電流のしきい値(IL、IA、IB、IC、ID、IS)と着電圧のしきい値(VL、VA、VB、VC、VD)も示している。
図5の(a)と(b)の時間軸は同じ時間を示している。
【0036】
図6に異常判定動作のフローチャートを、図7と図8に故障原因箇所を特定するための特定演算表及び特定条件表を示す。
図6のフローについて説明する。まず、異常判定動作をスタートするとステップ71(S71と記す、以下同様)で検出手段36が全検出値(υ、I、V、Φ)を取込む。
次にS72で、検出した送信電圧υの値が正常な範囲(υ2>υ>υ1)にあるか否かを判定演算部38が判定する。ここで正常な範囲は記憶手段37に記憶されている。正常な範囲に無ければS80で異常が発見されたことを異常有無出力44に出力し、S81で電源装置3の異常であると特定演算部39が特定する。この特定作業には特別な条件は必要ない。正常な範囲にあれば次のステップへ進む。
【0037】
以下、S73で送信電流Iの判定、S74で着電圧Vの判定、S75で位相Φの判定を判定演算部38が順次行う。全て正常な範囲にあればS76で着電圧Vの大小又は軌道リレー4のオンオフ状態を基に列車の有無を判定し出力する。
なお、ここで列車の有無の判定は必ずしも必要ではない。
【0038】
S73、S74、S75のいずれかに於いて異常状態が発見された場合、S82で所定の時間に達するまでに、繰返し、何度も、S73、S74、S75の判定を行い、同じ異常が所定時間以上継続しているかどうかを判断し、所定時間の後正常に復していれば異常はないものと判定してS83を経てS76に進む。
所定時間後にも異常状態が継続しているときはS80で異常出力し、S84へ進み図7に示す異常箇所の特定表と図8の特定条件表に従って特定演算部39が異常箇所を特定する。
【0039】
図7と図8は、送信電圧υが正常であるという前提の上で、インピーダンス要素23のインピーダンスr、レール21、22の両端間のインピーダンスRL、レール21、22間の漏洩インピーダンスRX、列車短絡抵抗RT、軌道リレー4のコイルインピーダンスZのいずれか1カ所に抵抗減少や増大(短絡や断線など)何らかの異常がある場合に検出値(I、V、Φ)に現れる値の変化、及びこれらの値の間に成立する条件について示したものである。
【0040】
図7、図8によるS84での異常箇所特定動作について説明する。
S84ではまず、図8の成立条件について特定演算部39がチエックを行う。即ち、検出値を、送信電流Iの大きさによって変ることのない成立条件式(1)に当てはめて、その成立の有無をチェックした上で、送信電流Iの大小、あるいは軌道リレー4のオンオフ状態に応じて他の条件式(2)または(2)’と(3)についてもチエックを行う。このチエックで原因要素をある程度絞ることができる。勿論これだけで特定できる場合もあるがたいていの場合は難しいので、次にこの絞り込んだ結果の範囲内で、図7に従い、(I、V、Φ)の値がどの範囲にあるかによって原因要素を特定する。図7の条件は記載している複数の条件の何か1つに範囲外のものがあれば他の条件が正常であっても
【0041】
図7、図8に記載する条件の理解を助けるため、図4のグラフ上に図7の正常条件を重ねたものを図9に示す。また、図4のグラフ上に図8の成立条件を重ねて記載したものを図10に示す。
図10の61はZが異常に低くなった場合の交点の移動する領域を示す。
62はRTが異常に大きくなった場合、63はr過大又はZ過小、64はr過小又はZ過大、65はZ過小又はRX過小、66はZ過大の場合にそれぞれ交点が移動する領域を示している。
【0042】
全ての回路要素は、式(1)(2)又は(2)’(3)のどの式かには必ず含まれているから、回路要素の内の何が故障しても図4の3本のグラフの内の少なくとも1本は必ず移動するので、必ず故障を検出することが出来、軌道回路の両端からデータを得ていることとも相まって、故障原因をほぼ特定することが出来る。
結局、図4のグラフの交点のずれの大小によって異常を判定することができると共に、この交点のずれが図4の3本のグラフ(1)(2)又は(2)’(3)のどちらの側にずれているかを見ることによって異常の原因をも特定できるのである。
【0043】
なお、実際の鉄道システムでは、レール抵抗RLに比べて軌道リレー4のインピーダンスZは十分に大きいので、式(1)と(3)のZ/(RL+Z)はほぼ1と見なしてもよく、実際の比較作業はもっと簡単になる。
【0044】
実施の形態2.
図7、図8の特定表、条件表では2つ以上の原因に対して同一の条件が示されているものがあるから、これらの表からは原因を一つに絞れない場合がある。これでは実作業を行うための情報としては不完全であるから、複数の原因が特定された場合に、単純にこの複数の原因を表示するだけでなく、同時にそれぞれの原因別に故障の起り易さを表示させることができれば、保線作業上きわめて有益である。
図11にこの発明の実施の形態2による軌道回路の監視装置の構成の一部を示す。
図11は図1の構成と異なる部分のみを示すものである。図中51は記憶手段37が記憶している各回路要素別の故障率データである。52は特定演算部39内に構成されている原因確率演算回路である。
【0045】
図2(b)に示す回路要素はそれぞれ固有の故障率を有している。また例えばインピーダンス素子23のインピーダンスrや、軌道リレー4のインピーダンスZは気象の影響を受けにくいが、レール間漏洩インピーダンスRXは雨天や積雪など気象状態の変化によって大幅に変動する。又、気温の急激な低下があったときやレールの交換作業が行われた直後にはレール抵抗RLや車輪短絡抵抗RTが変動する可能性が高い。このように異常の内の特定のものは、ある条件のときに発生する確率が高いのでこれらの気象条件などを入力することによってある程度予測することができる。
図12は図2(b)の回路要素r、RL、RX、RT、Z毎の故障率JN、KN、LN、MN、NNを入力する環境条件と共に示すものである。入力条件はこの故障率に影響が大きい条件(環境条件など)を選択してキーボード10から入力すればよいが、気温や天候が自動的に入力されるようにすることも容易である。なお、ここでJN、NNは単品の故障率であるが、KN、LN、MNは区間100のレールの長さや、設置されている地形条件などによつて変るものであることは言うまでもない。
【0046】
図12は説明の都合上簡単な表にしてあるが、例えば同じ雨天でも、小雨程度の場合とレールが冠水するような豪雨の場合では条件を変えるなどしても良いことは勿論である。各条件に対応する故障率は鉄道設備の設計段階であらかじめ判明しているはずのものであるから知ることに困難は無い。
【0047】
特定演算部39が複数の回路要素を特定したときに限り、キーボード10から現在の気象条件などの環境条件を入力すれば、特定演算部39内に設けた原因確率演算回路52が記憶手段37から故障率データ51を抽出し、表示する原因要素毎に故障の起り易さとして(故障の発生確率として)表示する。図13にこのような表示の1例を示す。
【0048】
実施の形態3.
実際の保線作業としては、列車の運行を直ちに停止させる必要のある異常(重故障)と、減速して走らせれば安全であるような異常(軽故障)がある。これらを同じ異常として列車を同じように停止させることは、乗客にとって不利益であるので、図5、図6のタイムチャート上に示したように、送信電流Iのレベル、着電圧Vのレベルによって、軽故障と重故障に(必要に応じて更に多数の段階に)分類したほうがよい。
図14はこのような分類を行うことのできる軌道回路監視装置の構成の一部を示す図で、図1の構成の内実施の形態3による変化部分のみを示している。
異常のレベルを分類するためには、記憶手段37の内部に図7の特定表、図8の条件表とは別に、検出項目別に異常レベル分類表53を記憶し、また判定演算部38の内部に異常レベル分類回路54をもって分類を行う。
分類レベルはキーボード10から入力することによって変更することができる。
【0049】
図5、図6に示す送信電流I又は着電圧Vの値が、IA>I>IC、又はVA>V>VCの範囲に所定時間以上ある場合(図中に中間レベル故障と記載)、この範囲の故障は、列車の有無と軌道リレー4のオンオフ状態とが一致しているとは言えない。従って、列車の有無を確定することができず、軌道リレーによって信号機などの制御を正常に行うこともできないのであるから、基本的に重故障である。
【0050】
実施の形態4
図1の装置を実際の鉄道システムに実施する形態について説明する。図16が本発明の実施の形態4による軌道回路の監視装置の構成図で、図15は図16の構成の特徴の理解を助けるため説明の都合上示す比較参考図である。
まず図15の構成について説明する。軌道区間100、200、300は互いに隣接する軌道の区間である。区間は更につながっていても良いが説明の都合上3区間のみとしている。135、235、335はそれぞれ区間100、200、300に対応して設けられた端末機である。
各端末機はハードウェア構成としては同じものであり、それぞれ検出手段36と双方向のデータ伝送手段55と表示部9を有している。検出手段36は検出ケーブル361によって1つの区間、例えば区間100の電源端に接続されている電源装置3、並びに同じ区間100の終端に接続されている軌道リレー4に接続されている。
105は集中監視装置であって複数の端末機に対して1台設置されている。
【0051】
集中監視装置105は各端末機と双方向にデータを伝送する伝送装置55と、判定演算部38と、特定演算部39と、全ての区間に対応する異常判定のためのデータを記憶する記憶手段37と、キーボード(入力手段)10と、CRT(表示手段)11を有している。
各端末機は伝送回線106によって互いに接続されていると共に、集中監視装置105も伝送回線106によって全ての端末機135〜335と接続されている。
このシステムでは判定演算部38と特定演算部39は集中監視装置105にのみ設けられているので、システム構成として無駄が少なくなっている。異常の判定結果と原因の特定結果とは集中監視装置のCRT11に表示されるだけでなく、端末機においても表示される。
【0052】
ところで検出ケーブル361は軌道区間100の両端から信号を端末機135に導くために設けられているので、端末機が区間のどこに設置されているかに係わらず結局その全長は軌道区間100の全長に等しくなる。また、伝送回線106も軌道に並行して設けられることになるから、結果的にこのような構成では検出ケーブル361と伝送回線106とを全軌道にわたって設けなければならないことになる。
【0053】
実施の形態4を示す図16のシステム構成について説明する。
図16では各端末機135、235、335は軌道区間の終端又は電源端のいずれか一方(全区間にわたって統一)に設置されている。今、例えば区間200の電源端に設置されている場合について説明すれば、端末機135は、この区間200の電源装置3の送信電圧信号υと送信電流信号I、並びにこの区間200の電源端に接続されている隣の区間100の終端の着電圧信号Vと位相差信号Φとを検出手段36により取込むように検出ケーブル362により接続されている。上記の区間200の電源端と区間100の終端とは当然くっついているのだからケーブル362の長さはきわめて短いものですむことになる。
そして、全ての端末機は互いに伝送回線106によってデータの交換が可能なので、端末機135では、取込んでいる区間100と200のデータは勿論、どの区間のデータをも読出すことが可能である。
もっとも、軌道の一番端(上記の例では端が終端になる側)では対応する端末機が存在しないことになるので、図15の場合に比べて端末機を1台余分に必要とすることになるが、一般にはケーブルの施設費の低減効果に比べて問題となるようなものではない。
【0054】
ここでは1台の端末機が1つの区間と対応しているものとして説明したが、複数の区間と対応していても、上記の効果は減るものの、ケーブルの減少効果が得られることは明白である。
【0055】
【発明の効果】
第1の発明による軌道回路監視装置は以上のように構成され、軌道回路の両端から得た4つのデータ(υ、I、V、Φ)間に成立する3つの式によって軌道回路内に生じると想定し得る全ての異常を検出できる。また、検出するデータが全ての回路要素に対応したデータでないにも係わらず、異常の原因を特定することができる。
そのため異常を検出した後に、その異常の復旧に取掛かるまでに多大の時間を必要としない。
【0056】
第2の発明による軌道回路監視装置は、特定された異常の原因が複数個である場合に、故障発生時の気象条件などを入力すれば、複数の原因要素毎に故障の発生確率が表示されるので、原因要素を絞り込むことができる。
【0057】
第3の発明による軌道回路監視装置は異常を検出したときにこの異常の程度に応じて必要な段階にレベル分けして表示することができるので、列車の運行上有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による軌道軌道回路の監視装置の構成図である。
【図2】 軌道回路の等価回路図である。
【図3】 送信電圧と送信電流の関係説明図である。
【図4】 送信電流と着電圧の関係説明図である。
【図5】 送信電流と着電圧のタイムチャートである。
【図6】 図1の監視装置の動作フローチャートである。
【図7】 異常箇所の特定表である。
【図8】 成立条件表である。
【図9】 送信電流と着電圧の関係における正常範囲を説明する図である。
【図10】 送信電流と着電圧の関係における成立条件を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態2による軌道回路の監視装置の一部を示す構成図である。
【図12】 故障率変動説明図である。
【図13】 図11の表示の一例図である。
【図14】 本発明の実施の形態3による軌道回路の監視装置の構成の一部を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態4による監視装置の必要性を説明するための比較参考図である。
【図16】 本発明の実施の形態4による軌道回路の監視装置の構成図である。
【図17】 軌道回路の説明図である。
【図18】 従来の軌道監視装置のハードウェァ構成図である。
【図19】 図18のブロック図である。
【図20】 図18の動作フローチャートである。
【図21】 図18の動作フローチャートである。
【図22】 図18の定常時動作を説明するための着電圧のタイムチャートである。
【図23】 図18の過渡時動作を説明するための着電圧のタイムチャートである。
【符号の説明】
3 電源装置 4 軌道リレー
11 CRT(表示手段) 21、22 レール
23 インピーダンス素子
25 CT 26 PT
27 位相差検出器
35 演算装置 36 検出手段
37 記憶手段 38 判定手段
39 特定演算部
51 故障率表 52 原因確率演算回路
53 異常レベル分類表 54 異常レベル分類回路
55 伝送装置 99 絶縁
100 軌道の区間 101 軌道回路
105 集中監視装置 106 伝送回線
135 端末機

Claims (3)

  1. 電気的に任意の長さに絶縁された2本のレールで構成され列車が走行可能な軌道区間と、この軌道区間の一端(電源端)の前記2本のレール間にインピーダンス素子を介して交流電圧を送信する交流電源装置と、前記軌道区間の他端(終端)の前記2本のレール間に接続された軌道リレーとを含む軌道回路の異常の有無を監視する軌道回路監視装置であって、
    前記交流電源装置の送信電圧と送信電流、前記終端の電圧と電圧位相とを検出値として取込む検出手段と、
    前記軌道回路が正常であって、列車が前記軌道区間内にある場合と無い場合とに対応してあらかじめ設定した前記検出値の上限値と下限値とを記憶する記憶手段と、
    前記検出値と前記上限値、下限値とを比較することにより、前記軌道回路の異常の有無を判定して判定結果を出力する判定演算部と、
    前記判定演算部が前記軌道回路に異常があると判定した場合に、当該異常の原因が前記交流電源装置、前記インピーダンス素子、前記軌道区間、前記軌道リレーのいずれにあるかを特定して特定結果を出力する特定演算部と、
    上記判定結果と上記特定結果とを表示する表示手段とを有することを特徴とする軌道回路監視装置。
  2. 記憶手段は軌道回路を構成する機器毎の環境条件の変動に応じた故障率を記憶し、特定演算部は判定演算部によって異常ありと判定された異常の原因となり得る確率値を、軌道回路を構成する機器毎に、入力された環境条件に応じて演算し、前記確率の高い順に複数の機器をこの異常の原因機器としてその確率値と共に表示する原因確率演算回路を有することを特徴とする請求項1に記載の軌道回路監視装置。
  3. 記憶手段はあらかじめ定めた異常の程度に対応する異常の分類データを記憶し、判定演算部は前記記憶データに基づき異常を複数レベルに分類して判定する異常レベル分類回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の軌道回路監視装置。
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