JP3643069B2 - 燃料電池の冷却方法 - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器により放熱する燃料電池の冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車等に搭載される燃料電池には、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から扶み込み、さらにその外側を一対の導電性セパレータで扶持して形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、各セルのアノードに燃料ガス(例えば、水素ガスなど)を供給し、カソードに酸化剤ガス(例えば、酸素を含む空気など)を供給して発電を行うものがある。この燃料電池においては、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動し、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電する。
【0003】
また、この種の燃料電池では発電に伴って発熱するので、燃料電池を所定の作動温度範囲に収めるように、各セルのセパレータに形成された冷却液通路に冷却液を流して燃料電池を冷却しており、さらに、この冷却液を熱交換器により放熱して冷却している。このような冷却システムを備えている場合、寒冷環境時や低出力運転時などに燃料電池を過冷却させないように放熱量を制御する必要がある。従来の放熱量制御の一手法として、温度に応じてサーモスタットバルブで冷却液回路を切り換える方法がある。この方法では、冷却液がサーモスタットバルブの作動温度(以下、サーモスタット作動温度という)以下の低温域では熱交換器を迂回させて燃料電池に冷却液を循環させ、前記サーモスタット作動温度を超える高温域では熱交換器を通して燃料電池に冷却液を循環させるように流路を切り換える。
【0004】
また、このように冷却液でセパレータを直接冷却する冷却システムを採用する場合、冷却液を通じて漏電が生じないように冷却液の導電率を低く抑えなければならず、そのため、冷却液をイオン交換器等に通し、冷却液中に存在するイオンを除去し、冷却液の導電率を低く保つようにいている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したサーモスタットバルブで冷却液回路を切り換えて放熱量制御を行うシステムの場合、低温域で熱交換器をバイパスして冷却液を循環させている時には、熱交換器およびこれに冷却液を循環せしめる流路内で冷却液が滞留しており、熱交換器等からイオンが溶出して滞留している冷却液の導電率が高まることがある。このように低温域において熱交換器などに滞留する冷却液の導電率が高まると、暖機完了で冷却液回路が切り換えられた時に、熱交換器に滞留していた導電率の高い冷却液が燃料電池に導入される虞がある。
【0006】
従来は、このような事態に陥らないように、熱交換器や冷却液の循環配管の材料にイオン溶出の極めて少ない材料を使用することで対応していたが、そのようにすると、熱交換器の形状や製造方法等に制約を受けることとなり、また、熱交換器の大型化や重量増大、コストアップなどを引き起こした。また、イオン溶出を低減するように熱交換器等の内部にコーティングを施す等で対処する方法もあるが、コーティングが劣化するとイオンが溶け出す場合もある。
そこで、この発明は、サーモスタット作動温度に近づいた時に、一部の冷却液に対して所定の処理を行うことによって、冷却液の導電率の上昇を抑制するようにした燃料電池の冷却方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池1)の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器(例えば、後述する実施の形態におけるラジエター4)により放熱する燃料電池の冷却方法において、冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器(例えば、後述する実施の形態におけるイオン交換器5)を、冷却液循環系に設け、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させてイオン濃度を下げておき、冷却液温度がサーモスタット作動温度に近づいた時は、燃料電池から排出される冷却液の一部を熱交換器へ送り、熱交換器から戻る冷却液を、前記イオン濃度を下げておいた冷却液と混合して燃料電池に戻し、冷却液温度がサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする。
このように構成することにより、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、この冷却液を予めイオン濃度を下げておいた冷却液と混合して、イオン濃度を薄めてから燃料電池に供給することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明は、燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池1)の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器(例えば、後述する実施の形態におけるラジエター4)により放熱する燃料電池の冷却方法において、冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器(例えば、後述する実施の形態におけるイオン交換器5)を、冷却液循環系に設け、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させて、冷却液中のイオンを除去し、冷却液温度がサーモスタット作動温度に近づいた時は、冷却液の一部を熱交換器とイオン交換器の間で循環させて、熱交換器の冷却液中のイオンを除去し、冷却液温度がサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする。
このように構成することにより、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、冷却液温度がサーモスタット作動温度に達するまでに、前記イオン濃度の高い冷却液中からイオンを除去してイオン濃度を低下させることができる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、冷却液の導電率を検出する導電率センサ(例えば、後述する実施の形態における導電率センサ8)を設け、導電率が所定値以下に低下した時は、熱交換器とイオン交換器の間で冷却液を循環させるイオン除去処理を停止することを特徴とする。
このように構成することにより、冷却液の導電率が所定値以下に低下した以後は、熱交換器からイオン交換器に冷却液が導入されなくなり、熱交換器を出て燃料電池に導入される冷却液流量を増やすことができる。
【0010】
請求項4に記載した発明は、燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池1)の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器(例えば、後述する実施の形態におけるラジエター4)により放熱する燃料電池の冷却方法において、冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器(例えば、後述する実施の形態におけるイオン交換器5)を、冷却液循環系に設け、冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させて、冷却液中のイオンを除去し、冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度を越え、第2のサーモスタット作動温度以下では、冷却液の一部を熱交換器とイオン交換器の間で循環させて、熱交換器の冷却液中のイオンを除去し、冷却液温度が第2のサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする。
このように構成することにより、冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、冷却液温度が第2のサーモスタット作動温度に達するまでに、前記イオン濃度の高い冷却液中からイオンを除去してイオン濃度を低下させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池の冷却方法の実施の形態を図1から図12の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施の形態における燃料電池の冷却方法は燃料電池自動車に搭載される燃料電池に実施した態様である。
【0012】
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る燃料電池の冷却方法の第1の実施の形態を図1から図5の図面を参照して説明する。
図1から図3は、燃料電池自動車に搭載された燃料電池の冷却システムの概略構成図である。
燃料電池1は、固体高分子電解質膜型の燃料電池であり、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込み、さらにその外側を一対のセパレータで扶持して形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなる。この燃料電池1では、アノードに水素ガスが供給されカソードに酸素を含む空気が供給された時に、前記アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を透過して前記カソードまで移動し、該カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。なお、図1では、水素ガスと空気の供給系および排出系の図示を省略している。
【0013】
また、この燃料電池1では、前記セパレータに冷却液通路が形成されていて、この冷却液通路に冷却液を流してセパレータを直接冷却することにより、燃料電池1の温度を所定の温度範囲(例えば、燃料電池の暖機完了後で70〜80゜C程度)に制御している。
次に、前記冷却液が流れる冷却液循環系について説明する。始めに、燃料電池1の冷却液の温度が低いため該冷却液を冷却する必要がない時、すなわち冷却液が「低温域」にある時の冷却液回路から説明する。図1に示すように、燃料電池1の冷却液通路出口1aから排出された冷却液は、冷却液配管21を介して冷却液ポンプ2に吸引され、冷却液ポンプ2で昇圧された後、冷却液配管22を介してサーモスタットバルプ3に導入され、さらに冷却液配管23を介して燃料電池1の冷却液通路入口1bに導入され、燃料電池1内の冷却液通路を流れた後、再び冷却液通路出口1aから排出され、循環する。
【0014】
次に、燃料電池1の冷却液の温度が高いため冷却する必要がある時、すなわち冷却液が「高温域」にある時の冷却液回路を説明する。図3に示すように、燃料電池1の冷却液通路出口1aから排出され、冷却液ポンプ2で昇圧された冷却液は、冷却液配管22から分岐する冷却液配管24を介してラジエター4に供給される。このラジエター4は、自然送風あるいはファンによる強制送風で冷却液から熱を奪い冷却する空冷式熱交換器である。ラジエター4により冷却された冷却液は、冷却液配管25を介してサーモスタットバルブ3に導入され、さらに前記冷却液配管23を介して燃料電池1の冷却液通路入口1bに導入され、循環する。
【0015】
また、低温域および高温域のいずれの時にも、図1および図3に示すように、冷却液配管23を流れる冷却液の一部は、冷却液配管26およびオリフィス27を介してイオン交換器5に導入される。イオン交換器5は、その内部にイオン交換樹脂が充填されていて、冷却液中に存在するイオンを除去し、冷却液の導電率を低下させる。また、オリフィス27は、イオン交換器5に流入する冷却液の流量を所定流量に制限する制限オリフィスである。イオン交換器5によってイオン除去された冷却液は冷却液配管28を介して冷却液配管21に戻され、冷却液ポンプ2に吸引されて循環する。
【0016】
このように、第1の実施の形態の冷却液循環系では、冷却液が低温域あるいは高温域のいずれにある場合にも、燃料電池1を循環する冷却液の一部が常にイオン交換器5を流通しイオン除去されるので、燃料電池1を循環する冷却液のイオン濃度を所定値以下に抑えることができ、その結果、該冷却液の導電率を所定値以下に抑えて、燃料電池1内での冷却液の絶縁性能を担保している。
【0017】
この第1の実施の形態における冷却システムでは、前述した低温域における冷却液回路と高温域における冷却液回路の切り換えをサーモスタットバルブ3によって行っている。ここで、サーモスタットバルブ3の冷却液回路切り換え動作について、図4の概念図を参照して説明する。
サーモスタットバルブ3は、ハウジング31の内部に形成されている弁室が、仕切板33によって第1弁室34と第2弁室35の2つの部屋に分けられており、さらに、第1弁室34と第2弁室35を連通する仕切板33の連通孔33aが弁体37によって連通および遮断可能にされている。また、サーモスタットバルブ3は、弁室内を流れる冷却液の温度に感応して弁体37を駆動するサーモスタット(図示せず)を内蔵しており、冷却液がサーモスタットの作動温度(以下、サーモスタット作動温度という)以下、すなわち前記低温域にある時には、弁体37が図4(A)に示すように連通孔33aを閉塞し(以下、この状態を全閉状態という)、冷却液がサーモスタット作動温度を超えた時、すなわち前記高温域にある時には、弁体37が図4(C)に示すように連通孔33aから離間する(以下、この状態を全開状態という)。なお、前記サーモスタットについては周知技術であるので、ここでの説明は省略する。
【0018】
そして、第1弁室34に冷却液配管22,23が接続され、第2弁室35に冷却液配管25が接続されている。
したがって、冷却液が低温域にあってサーモスタットバルブ3が図4(A)に示す全閉状態になっている場合には、冷却液配管22から第1弁室34に流入した冷却液が冷却液配管23へと流出する。このとき、冷却液配管25は第2弁室35において閉塞した状態となるため、冷却液配管25に冷却液が流れることはない。
【0019】
また、冷却液が高温域にあってサーモスタットバルブ3が図4(C)に示す全開状態になっている場合には、冷却液配管25から第2弁室35に流入した冷却液が冷却液配管23へと流出する。このとき、弁体37が冷却液配管22の第1弁室34への流入口22aを閉塞するようになっているので、冷却液が冷却液配管22から第1弁室34に流入することはない。すなわち、サーモスタットバルブ3は、弁体37で連通孔33aと冷却液配管22の流入口22aを連通あるいは遮断することにより、冷却液回路の切り換えを行っている。
【0020】
ところで、冷却液が低温域にある時には、前述したように冷却液はラジエター4を迂回して燃料電池1を循環するように流れており、ラジエター4および冷却液配管24,25には冷却液が流れず滞留している。したがって、その間は、ラジエター4および冷却液配管24,25からイオンが溶出し、滞留している冷却液のイオン濃度が高まり、導電率が高まる場合がある。そのため、冷却液が低温域から高温域に変化した時に、サーモスタットバルプ3が閉弁状態から開弁状態に瞬時に切り換わると、ラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していた導電率の高い冷却液が、冷却液配管23を通って大量に燃料電池1の冷却液通路に流れ込んで、燃料電池1内の冷却液の絶縁性能を低下させる虞がある。
【0021】
これに対処するために、この第1の実施の形態では、サーモスタット作動温度に達する直前の所定温度範囲を予備作動温度域とし、この予備作動温度域では、燃料電池1から排出される冷却液の一部をラジエター4へ送り、ラジエター4を出た冷却液を、ラジエター4を迂回して循環するイオン濃度の低い冷却液と混合して燃料電池に戻すことにより、燃料電池1を循環する冷却液の導電率の悪化を殆どなくし、あるいは、燃料電池1が許容可能な範囲に抑えるようにした。そして、ラジエター4および冷却液配管24,25内の冷却液が導電率の低い冷却液に入れ替わった後に、前述した高温域の冷却液回路による冷却液循環に完全に切り換えるようにした。
【0022】
そして、これを実現するための手段として、この第1の実施の形態では、図5に示すような流量特性を有するサーモスタットバルブ3を用いている。図5に示す流量特性は、冷却液温度を横軸にとり、冷却液配管22から第1弁室34に流入する冷却液流量Q1に対する、冷却液配管25から第2弁室35に流入する冷却液流量Q2の流量比(Q2/Q1)を縦軸にとっており、図4(A)に示す全閉状態(Q2=0)では流量比0%、図4(C)に示す全開状態(Q1=0)では流量比100%とした。
【0023】
このサーモスタットバルブ3の流量特性は、サーモスタット作動温度をT1に設定され、サーモスタット作動温度T1以下を低温域、サーモスタット作動温度T1を越えると高温域になっていて、サーモスタット作動温度T1よりも所定温度低い温度T0以上であってサーモスタット作動温度T1以下を予備作動温度域に設定されている。そして、冷却液温度がT0以上になるとサーモスタットバルブ3は開弁作動を開始し、予備作動温度域では流量比率の増大が極めて緩やかになっていて(例えば、T1における流量比率が10%程度)、T1を越えると流量比率が急激に増大し、温度T2に達すると全開になるように設定されている(T0<T1<T2)。
【0024】
このような流量特性を有するサーモスタットバルプ3では、予備作動温度域において、図4(B)に示すように、弁体37は連通孔33aから僅かに離れて連通孔33aを若干開かせるとともに、冷却液配管22の流入口22aから十分に離れて流入口22aを大きく開かせる。その結果、冷却液配管22から大流量で第1弁室34に流入した冷却液と、冷却液配管25から第2弁室35を介して微流量で第1弁室34に流入した冷却液が、混合された状態で冷却液配管23に流出する。
【0025】
したがって、冷却液温度T0以下の冷却液が温度上昇してきて、サーモスタット作動温度T1に近づいてくると、図2に示すように、冷却液温度がT0以下のときにラジエター4を迂回して燃料電池1に循環していたイオン濃度の低い冷却液(以下、説明の都合上、この冷却液を低温循環冷却液という)の中に、冷却液温度がT0以下のときにラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していたイオン濃度の比較的に高い冷却液(以下、説明の都合上、この冷却液を滞留冷却液という)が混ざるようになるが、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1に達するまでは滞留冷却液の流大量が微量であるので、混合後の冷却液のイオン濃度は低温循環冷却液のイオン濃度よりも僅かに高くなるだけであり、導電率の低い冷却液を冷却液配管23を介して燃料電池1に供給することができる。したがって、燃料電池1を循環する冷却液の導電率の悪化を殆どなくし、あるいは、燃料電池1が許容可能な導電率の範囲に抑えることができる。
【0026】
そして、この予備作動温度域の間も、冷却液配管23を流れる冷却液の一部が冷却液配管26を介してイオン交換器5に導入されるので、前記混合後の冷却液の一部は燃料電池1に流入する前にイオン交換器5によってイオン除去されるようになり、燃料電池1を循環する冷却液の導電率の回復(安定)を迅速に行うことができる。
【0027】
そして、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1に達した時にラジエター4および冷却液配管24,25内の冷却液が低温循環冷却液に入れ替わるようにサーモスタットバルブ3の流量特性およびシステム全体を設定しておけば、冷却液温度が低温域から高温域に移った時に、高温域に移った直後からイオン濃度が低い(すなわち導電率が低い)冷却液を燃料電池1に循環させることができる。
したがって、第1の実施の形態における燃料電池の冷却方法によれば、冷却液の全ての温度域において燃料電池1内の冷却液の絶縁性能を常に許容範囲内に保つことができる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池の冷却方法の第2の実施の形態を図6から図9の図面を参照して説明する。
図6から図8は、第2の実施の形態における燃料電池の冷却システムの概略構成図である。
第2の実施の形態における燃料電池の冷却システムの構成で、前述した第1の実施の形態のものと相違する点は以下の通りである。
【0029】
第2の実施の形態では、図9に示すような流量特性を有するサーモスタットバルブ3が使用されている。このサーモスタットバルブ3の流量特性は、サーモスタット作動温度をT1’に設定され、サーモスタット作動温度T1’以下を低温域、サーモスタット作動温度T1’を越えると高温域になっていて、予備作動温度域を有さない。したがって、このサーモスタットバルブ3の場合には、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’を越えると、殆ど瞬時に全閉状態から全開状態になる。
また、冷却液配管25におけるサーモスタットバルブ3の直ぐ上流と、冷却液配管26におけるオリフィス27とイオン交換器5との間が、途中に開閉弁6を有する冷却液配管41によって接続されている。
【0030】
さらに、冷却液配管23において燃料電池1の直ぐ上流には、燃料電池1の冷却液通路入口1bに流入する冷却液の温度を検出するための温度センサ7が設置されている。開閉弁6は、この温度センサ7で検出された冷却液温度に基づいて開閉制御される。すなわち、温度センサ7で検出された冷却液温度がT3以下のときには開閉弁6は閉状態に制御され、温度センサ7で検出された冷却液温度がT3を越えたときには開閉弁6は開状態に制御される。ここで、冷却液温度T3はサーモスタット作動温度T1’よりも所定温度だけ低く設定しておく(T3<T1’<T2)。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
次に、第2の実施の形態における燃料電池の冷却方法について説明する。
第2の実施の形態においても、冷却液が低温域にある時には、冷却液はラジエター4を迂回して燃料電池1を循環するように流れ、この時にはラジエター4および冷却液配管24,25には冷却液が流れず滞留している。したがって、その間は、ラジエター4および冷却液配管24,25からイオンが溶出し、滞留している冷却液のイオン濃度が高まり、導電率が高まる場合がある。そのため、冷却液が低温域から高温域に変化した時に、サーモスタットバルブ3が閉弁状態から開弁状態に瞬時に切り換わると、ラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していた導電率の高い冷却液が、冷却液配管23を通って大量に燃料電池1の冷却液通路に流れ込んで、燃料電池1内の冷却液の絶縁性能を低下させる虞がある。
【0032】
これに対処するために、この第2の実施の形態では、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’に近づいた時に、すなわち、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’に達する前に、冷却液の一部をラジエター4とイオン交換器5の間で循環させ、ラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していた導電率の高い冷却液中に存在するイオンをイオン交換器5で除去し、該冷却液のイオン濃度を低下させた後に、高温域の冷却液回路に切り換えるようにした。
そして、これを実現するための手段として、この第2の実施の形態では、1つのサーモスタットバルブ3と、温度センサ7により開閉制御される開閉弁6を用いている。
【0033】
以下、冷却液温度の推移に沿って冷却液の流れを図6から図9の図面を参照しながら説明する。
図6は、冷却液が低温域にあって且つ冷却液温度がT3以下の場合の冷却液の流れを示している。この時には、サーモスタットバルブ3および開閉弁6はいずれも全閉状態になっている。したがって、冷却液は、低温域における冷却液回路を循環する。低温域の冷却液回路は第1の実施の形態の場合と同じであり、冷却液は、燃料電池1の冷却液通路出口1a→冷却液配管21→冷却液ポンプ2→冷却液配管22→サーモスタットバルブ3→冷却液配管23→燃料電池1の冷却液通路入口1bを通って燃料電池1を循環するとともに、冷却液の一部は冷却液配管26,28、オリフィス27を通ってイオン交換器5を循環する。
【0034】
次に、低温域において冷却液温度がT3を越え且つサーモスタット作動温度T1’以下の場合は、サーモスタットバルブ3は全閉状態を保持し、開閉弁6だけが開状態となる。図7は、この時の冷却液の流れを示しており、冷却液は前述した低温域における冷却液回路を循環するとともに、開閉弁6の開弁により冷却液配管22を流れる冷却液の一部が冷却液配管24に流れてラジエター4に導入されるようになる。その結果、開閉弁6が開弁する前にラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していたイオン濃度の比較的に高い冷却液は、冷却液配管41、開閉弁6を通って、イオン交換器5の上流の冷却液配管26に流れ込み、冷却液配管23から冷却液配管26を介してイオン交換器5に向かうイオン濃度の低い冷却液と混合されてイオン交換器5に導入され、イオン交換器5によってイオン除去されることとなる。したがって、開閉弁6が開弁する前にラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していたイオン濃度の比較的に高い冷却液を、燃料電池1に流入させることなく、イオン濃度を低下させることができる。
【0035】
なお、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’に達する前に、ラジエター4および冷却液配管24,25内の冷却液が全量入れ替わるように、予め開閉弁6の作動温度T3を所定に設定し、冷却液配管41を流れる冷却液流量を設定し、必要に応じて冷却液配管41にオリフィス等の流量制限手段を設けるのが好ましい。
【0036】
そして、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’を越えると、サーモスタットバルブ3が開弁作動し、さらに冷却液温度がT2以上になると、サーモスタットバルブ3が全開状態になる。なお、この間、開閉弁6は開状態を維持する。図8はこの時の冷却液の流れを示しており、冷却液は高温域における冷却液回路を循環する。高温域の冷却液回路は第1の実施の形態の場合と同じであり、冷却液は、燃料電池1の冷却液通路出口1a→冷却液配管21→冷却液ポンプ2→冷却液配管22→冷却液配管24→ラジエター4→冷却液配管25→サーモスタットバルブ3→冷却液配管23→燃料電池1の冷却液通路入口1bを通って燃料電池1を循環するとともに、冷却液の一部は冷却液配管26,28、オリフィス27を通ってイオン交換器5を循環する。また、開閉弁6が開いているので、冷却液配管25を流れる冷却液の一部も冷却液配管41および開閉弁6を介してイオン交換器5へと流れる。
【0037】
このように冷却液が高温域の冷却液回路を流れ始めるときには、ラジエター4および冷却液配管24,25内は既にイオン濃度の低い冷却液に入れ替わっており、冷却液循環系内は全量がイオン濃度の低い冷却液になっているので、高温域に移った直後からイオン濃度が低い(すなわち導電率が低い)冷却液を燃料電池1に循環させることができる。
したがって、第2の実施の形態における燃料電池の冷却方法によれば、冷却液の全ての温度域において燃料電池1内の冷却液の絶縁性能を常に許容範囲内に保つことができる。
【0038】
ところで、この例では、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’を超えて高温域になっても開閉弁6は開弁状態を保持し、冷却液配管24,25内を流れる冷却液の一部をイオン交換器5に導入し続けるようにしているが、ラジエター4を通ってきた冷却液のイオン濃度(あるいは導電率)が所定値まで低下した後は、本来、冷却液配管41を介してイオン交換器5に冷却液を導入させる必要はない。
【0039】
そこで、冷却液配管41において開閉弁6の上流に、冷却液配管24,25内を流れる冷却液の導電率を検出するための導電率センサ8を設置し、導電率センサ8で検出した冷却液の導電率が所定値以下になった時に開閉弁6を閉じ、ラジエター4とイオン交換器5の間で冷却液を循環させてイオン除去するイオン除去処理を停止するようにしてもよい。このようにすると、冷却液が高温域にあるときに、ラジエター4によって冷却された冷却液のうち燃料電池1を通らずに循環する冷却液の量を減少させることができ、換言すれば、ラジエター4によって冷却された冷却液のうち燃料電池1に循環する冷却液の量を増大することができ、その結果、燃料電池1に対する冷却能力を向上させることができる。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る燃料電池の冷却方法の第3の実施の形態を図10から図12の図面を参照して説明する。第3の実施の形態における燃料電池の冷却方法の基本原理は第2の実施の形態における基本原理と同じであり、両者の相違点は、その実現手段にある。
すなわち、この第3の実施の形態の場合も、第2の実施の形態の場合と同様に、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’に近づいた時に、すなわち、冷却液温度がサーモスタット作動温度T1’に達する前に、冷却液の一部をラジエター4とイオン交換器5の間で循環させ、ラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していた導電率の高い冷却液中に存在するイオンをイオン交換器5で除去し、該冷却液のイオン濃度を低下させた後に、高温域の冷却液回路に切り換えるのであるが、これを実現するための手段として、第3の実施の形態では、サーモスタット作動温度の異なる2つのサーモスタットバルブ3A,3Bを用いている。
【0041】
第3の実施の形態における燃料電池の冷却システムの構成において、第2の実施の形態との相違点を図10から図12の図面を参照して説明する。なお、第2の実施の形態と同一態様部分には同一符号を付して説明を省略する。
第2サーモスタットバルブ3Bは、第2の実施の形態におけるサーモスタットバルブ3に相当するものであり、この第2サーモスタットバルブ3Bは、第2の実施の形態と同様、冷却液ポンプ2の下流の冷却液配管22と、ラジエター4の下流の冷却液配管25と、燃料電池1の冷却液通路入口1bに接続される冷却液配管23に接続されている。
【0042】
そして、ラジエター4の上流の冷却液配管24は冷却液配管42を介して第1サーモスタットバルブ3Aの第1弁室34に接続され、ラジエター4の下流の冷却液配管25は冷却液配管43を介して第1サーモスタットバルブ3Aの第2弁室35に接続されている。また、第1サーモスタットバルプ3Aの第1弁室34は、オリフィス27を備えた冷却液配管44を介してイオン交換器5に接続されている。この第1サーモスタットバルブ3Aにおいては、第1弁室34に接続された冷却液配管42,44のうち冷却液配管42の方が弁体37によって開閉されるようになっている。
【0043】
また、第2サーモスタットバルブ3Bのサーモスタット作動温度(第2のサーモスタット作動温度)T1b’は第2の実施の形態におけるサーモスタットバルブ3と同じであるが、第1サーモスタットバルブ3Aのサーモスタット作動温度(第1のサーモスタット作動温度)T1a’は第2サーモスタットバルブ3Bのサーモスタット作動温度T1b’よりも低い温度に設定されている(T1a’<T1b’)。
このように構成された冷却システムにおいては、第2サーモスタットバルブ3Bが低温域の冷却液回路と高温域の冷却液回路に切り換える機能を果たし、第1サーモスタットバルブ3Aが第2の実施の形態における開閉弁6と温度センサ7の機能を果たす。
【0044】
以下、冷却液温度の推移に沿って冷却液の流れを説明する。
図10は、冷却液が低温域にあって且つ冷却液温度が第1サーモスタットバルブ3Aのサーモスタット作動温度T1a’以下の場合の冷却液の流れを示している。この時には、サーモスタットバルブ3A,3Bはいずれも全閉状態になっている。したがって、冷却液は、低温域における冷却液回路を循環する。低温域の冷却液回路は第2の実施の形態の場合と同様であり、冷却液は、燃料電池1の冷却液通路出口1a→冷却液配管21→冷却液ポンプ2→冷却液配管22→第2サーモスタットバルブ3B→冷却液配管23→燃料電池1の冷却液通路入口1bを通って燃料電池1を循環する。また、これと同時に、冷却液配管22を流れる冷却液の一部が、冷却液配管24,42を通って第2サーモスタットバルブ3Bの第1弁室34に導入され、さらに、冷却液配管44、オリフィス27を通ってイオン交換器5に導入され、イオン交換器5でイオン除去された後、冷却液配管28を介して冷却液ポンプ2に吸引され、循環する。
【0045】
次に、低温域において冷却液温度が第1サーモスタットバルブ3Aのサーモスタット作動温度T1a’を越え且つ第2サーモスタットバルブ3Bのサーモスタット作動温度T1b’以下になると、第2サーモスタットバルブ3Bは全閉状態を保持し、第1サーモスタットバルブ3Aだけが全開状態となる。図11は、この時の冷却液の流れを示しており、冷却液は前述した低温域における冷却液回路を循環するとともに、第1サーモスタットバルブ3Aが全開状態になることにより、冷却液配管42から第1サーモスタットバルプ3Aには冷却液が流れなくなり、その代わりに、冷却液配管22を流れる冷却液の一部が冷却液配管24に流れてラジエター4に導入されるようになる。その結果、開閉弁6が開弁する前にラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していたイオン濃度の比較的に高い冷却液は、冷却液配管25,43、第1サーモスタットバルブ3Aの第2弁室35および第1弁室34、冷却液配管44、オリフィス27を通ってイオン交換器5に流れ込み、イオン交換器5によってイオン除去されることとなる。したがって、第2サーモスタットバルブ3Bが開弁する前にラジエター4および冷却液配管24,25に滞留していたイオン濃度の比較的に高い冷却液を、燃料電池1に流入させることなく、イオン濃度を低下させることができる。
【0046】
なお、冷却液温度が第2サーモスタットバルブ3Bのサーモスタット作動温度T1b’に達する前に、ラジエター4および冷却液配管24,25内の冷却液が全量入れ替わるように、予め第1サーモスタットバルブ3Aのサーモスタット作動温度T1a’を所定に設定し、冷却液配管44を流れる冷却液流量を設定するのが好ましい。
【0047】
そして、冷却液温度が第2サーモスタットバルブ3Bのサーモスタット作動温度T1b’を越えると、第1,第2サーモスタットバルブ3A,3Bはいずれも全開状態になる。図12はこの時の冷却液の流れを示しており、冷却液は高温域における冷却液回路を循環する。高温域の冷却液回路は第2の実施の形態の場合と同様であり、冷却液は、燃料電池1の冷却液通路出口1a→冷却液配管21→冷却液ポンプ2→冷却液配管22→冷却液配管24→ラジエター4→冷却液配管25→第2サーモスタットバルブ3B→冷却液配管23→燃料電池1の冷却液通路入口1bを通って燃料電池1を循環する。また、これと同時に、冷却液配管25を流れる冷却液の一部が、冷却液配管43、第1サーモスタットバルブ3Aの第2弁室35および第1弁室34、冷却液配管44、オリフィス27を通ってイオン交換器5に導入され、冷却液配管28を介して冷却液ポンプ2に吸引され、循環する。
【0048】
このように冷却液が高温域の冷却液回路を流れ始めるときには、ラジエター4および冷却液配管24,25内は既にイオン濃度の低い冷却液に入れ替わっており、冷却液循環系内は全量がイオン濃度の低い冷却液になっているので、高温域に移った直後からイオン濃度が低い(すなわち導電率が低い)冷却液を燃料電池1に循環させることができる。
したがって、第3の実施の形態における燃料電池の冷却方法によれば、冷却液の全ての温度域において燃料電池1内の冷却液の絶縁性能を常に許容範囲内に保つことができる。
【0049】
〔他の実施の形態〕
なお、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
前述した実施の形態では、いずれの場合もイオン交換器を燃料電池に対して並列的に接続しているが、イオン交換器を燃料電池に対して直列に接続しても、この発明は成立する。
【0050】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に記載した発明によれば、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、この冷却液を予めイオン濃度を下げておいた冷却液と混合して、イオン濃度を薄めてから燃料電池に供給することができるので、燃料電池に高イオン濃度の冷却液が導入されるのを阻止することができ、燃料電池を電気的に安定した状態に保つことができるという優れた効果が奏される。
【0051】
請求項2に記載した発明によれば、冷却液温度がサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、冷却液温度がサーモスタット作動温度に達するまでに、前記イオン濃度の高い冷却液中からイオンを除去してイオン濃度を低下させることができるので、冷却液を燃料電池と熱交換器との間で循環させた直後から燃料電池にイオン濃度の極めて低い冷却液を導入することができ、燃料電池を電気的に安定した状態に保つことができるという優れた効果が奏される。
【0052】
請求項3に記載した発明によれば、冷却液の導電率が所定値以下に低下した以後は、熱交換器からイオン交換器に冷却液が導入されなくなり、熱交換器を出て燃料電池に導入される冷却液流量を増やすことができるので、燃料電池に対する冷却性能を向上することができるという効果がある。
【0053】
請求項4に記載の発明によれば、冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度以下の時に熱交換器中の冷却液のイオン濃度が高くなっても、冷却液温度が第2のサーモスタット作動温度に達するまでに、前記イオン濃度の高い冷却液中からイオンを除去してイオン濃度を低下させることができるので、冷却液を燃料電池と熱交換器との間で循環させた直後から燃料電池にイオン濃度の極めて低い冷却液を導入することができ、燃料電池を電気的に安定した状態に保つことができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る燃料電池の冷却方法を実施可能な燃料電池システムの第1の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その1)である。
【図2】 前記第1の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その2)である。
【図3】 前記第1の実施の形態におけるシステム構成図であり、高温域における冷却液の流れを示す図である。
【図4】 前記第1の実施の形態において使用されるサーモスタットバルブの作動を説明するための図である
【図5】 前記第1の実施のサーモスタットバルブの流量特性図である。
【図6】 この発明に係る燃料電池の冷却方法を実施可能な燃料電池システムの第2の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その1)である。
【図7】 前記第2の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その2)である。
【図8】 前記第2の実施の形態におけるシステム構成図であり、高温域における冷却液の流れを示す図である。
【図9】 前記第2の実施の形態において使用されるサーモスタットバルブの流量特性図である。
【図10】 この発明に係る燃料電池の冷却方法を実施可能な燃料電池システムの第3の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その1)である。
【図11】 前記第3の実施の形態におけるシステム構成図であり、低温域における冷却液の流れを示す図(その2)である。
【図12】 前記第3の実施の形態におけるシステム構成図であり、高温域における冷却液の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
4 ラジエター(熱交換器)
5 イオン交換器
8 導電率センサ

Claims (4)

  1. 燃料電池の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器により放熱する燃料電池の冷却方法において、
    冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器を、冷却液循環系に設け、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させてイオン濃度を下げておき、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度に近づいた時は、燃料電池から排出される冷却液の一部を熱交換器へ送り、熱交換器から戻る冷却液を、前記イオン濃度を下げておいた冷却液と混合して燃料電池に戻し、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする燃料電池の冷却方法。
  2. 燃料電池の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器により放熱する燃料電池の冷却方法において、
    冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器を、冷却液循環系に設け、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させて、冷却液中のイオンを除去し、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度に近づいた時は、冷却液の一部を熱交換器とイオン交換器の間で循環させて、熱交換器の冷却液中のイオンを除去し、
    冷却液温度がサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする燃料電池の冷却方法。
  3. 冷却液の導電率を検出する導電率センサを設け、導電率が所定値以下に低下した時は、熱交換器とイオン交換器の間で冷却液を循環させるイオン除去処理を停止することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の冷却方法。
  4. 燃料電池の発電に伴う発熱を、冷却液を循環させて熱交換器により放熱する燃料電池の冷却方法において、
    冷却液中に存在するイオンを除去するイオン交換器を、冷却液循環系に設け、
    冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度以下では、冷却液を燃料電池とイオン交換器の間で循環させて、冷却液中のイオンを除去し、
    冷却液温度が第1のサーモスタット作動温度を越え、第2のサーモスタット作動温度以下では、冷却液の一部を熱交換器とイオン交換器の間で循環させて、熱交換器の冷却液中のイオンを除去し、
    冷却液温度が第2のサーモスタット作動温度に達した後は、冷却液を燃料電池と熱交換器の間で循環させて燃料電池を冷却することを特徴とする燃料電池の冷却方法。
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