JP3643062B2 - 電気集塵用電源 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コロナ放電により塵埃を帯電させて、吸着補集を行う電気集塵装置に用いられる高周波インバータを用いた電気集塵用電源装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、工場の排煙ガスなどに含有される塵埃,微生物あるいは煙の粒子などの空気中浮遊物を帯電して、吸着させることにより除去することで、排煙ガスなどを清浄化する電気集塵機が使用されている。
このとき、電気集塵装置は、放電電極と集塵電極との間でコロナ放電を発生させ、このコロナ放電により上述した空気中浮遊物をイオン化し、このイオン化された空気中浮遊物を集塵電極に吸着補集させることで除去を行う。
このコロナ放電を起こさせる電圧を供給するために、高周波インバータを用いた電気集塵用電源が用いられる。
上記電気集塵用電源は、商用の交流電源を整流した直流電圧で運転される高周波インバータの高周波出力電圧を、高電圧トランスと整流器とを通すことにより、直流の高電圧に変換し、この直流の高電圧を放電電極と集塵電極とに供給する。
【0003】
従来、この種の高周波インバータを用いた電気集塵用電源の制御は、旧来のサイリスタを使用した電気集塵用電源の制御と、基本的に同一の定電流制御により行われる。
電気集塵装置は、荷電電圧が火花放電直前の電圧に制御するのが最も集塵効率が上がるが、反面、火花放電が発生し易くなる。
そして一旦、火花放電が発生すると、放電電極と集塵電極との間で短絡が起こり、コロナ放電が起こらなくなる。
したがって、電気集塵装置は、火花放電の発生直後から、放電電極と集塵電極との間の電圧(荷電電圧)がコロナ放電を起こす電圧に上昇するまで、集塵性能が大幅に低下する。
このため、集塵電源においては、集塵効率を上げるために、火花放電が発生する直前の電圧でできるだけ長く運転し、火花放電が発生したときは火花放電を速やかに消弧し、その後、できるだけ高速に荷電電圧を立ち上げる、つまり、放電電極と集塵用電源との間に形成される静電容量を高速に充電する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電気集塵用電源では、サイリスタにて昇圧変圧器の1次測電圧を制御する電源を使用した間欠荷電制御において、主回路のスイッチング時間を、商用電源の交流周波数に同期させ、すなわち、50Hzまたは60Hzとし、間欠荷電の周期が1/f(f=商用周波数)単位の時間において、荷電と休止とが繰り返されている。
このため、従来の電気集塵用電源装置においては、サイリスタの位相制御を用いた定電流制御、すなわち、点弧後に商用電源の電圧が反転するまで、ターンオフできないサイリスタのような素子を用いることでは、間欠荷電による充電電流の定電流制御が実現不可能であった。
【0005】
このため、従来の電気集塵用電源においては、間欠荷電における電流検出の時定数を、間欠荷電の周期より充分大きくして、荷電電流を荷電時間と休止時間との全区間の平均として検出して、間欠荷電を制御していた。
このため、従来の電気集塵用電源においては、長い期間における荷電電圧の検出は可能であるが、異常放電による電圧の低下後の立ち上げ制御,及び荷電開始時における突入電流の制御が、検出値が平均化されたものしか得られないためにフィードバック制御が行えず、安定して集塵効率を向上させる制御が行えないという欠点がある。
【0006】
また、この従来の電気集塵用電源においては、瞬時的な過電流、特に荷電時間になった直後の突入充電電流に対してフィードバック制御ができなくなるため、間欠荷電時にサイリスタに供給される交流波形の位相角を制限するなどの対策を行っている。
このため、従来の電気集塵用電源装置には、上述の位相角を制限するための回路が必要となり、かつこの回路による交流波形の位相角の煩雑な制御を行わなければならないという問題がある。
【0007】
さらに、従来の電気集塵用電源装置には、電気集塵機毎に特性が異なることにより、現場毎の、サイリスタに入力される点弧信号の位相角の調整が必要な場合が生じるという欠点がある。
加えて、従来の電気集塵用電源装置には、上述したように、電流検出の時間を間欠荷電の周期より充分大きくすることによる応答性の遅さから、荷電時間と休止時間とを別個に制御することが困難であり、休止期間にコロナ放電の開始程度の電圧まで荷電する動作を行わせることが行えないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような背景の下になされたもので、インバータ化された電源本来の高速制御性を生かした間欠荷電制御方式の電気集塵機電源により、間欠荷電による充電の定電流制御を実現可能とし、休止区間を完全な休止とせず、コロナ放電の開始程度の電圧まで荷電し、集塵効率を向上させることが可能な電気集塵用電源装置を提供することを特徴とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明の電気集塵用電源は、交流電源を整流した直流電圧で運転する高周波インバータ部の高周波出力電圧を、高電圧トランス(高電圧トランス9)と高電圧整流器(整流回路(全波整流ダイオード)10)とを通して直流高電圧に変換し、直流高電圧出力端子を介して、この直流高電圧を放電電極と集塵電極との間の容量に荷電する電気集塵用電源装置であって、前記直流高電圧出力端子を流れる荷電電流が定電流になるように制御する定電流制御部(第1の実施形態における定電流制御部16,第2の実施形態におけるCPU・47)と、前記直流高電圧出力端子において前記荷電電流を検出し、検出されたこの荷電電流を検出電流として出力する電流検出回路(抵抗器R1)と、前記直流高電圧出力端子において放電電極と集塵電極との間の荷電電圧を検出し、検出された荷電電圧を検出電圧VSとして出力する電圧検出回路(抵抗器R2,R3)とを具備し、前記定電流制御部が前記検出電圧VSに応じて、荷電期間における前記検出電流が第1の設定値(PEAK荷電区間における荷電電流Iの設定値)の電流値となり荷電抑制期間における前記検出電流が第1の設定値より小さい第2の設定値(BASE荷電区間における荷電電流Iの設定値)の電流値となるように、前記高周波インバータ部を定電流制御することを特徴とする。
【0010】
本願発明の電気集塵用電源は、前記直流高電圧出力端子を流れる荷電電流を検出して電流検出信号(第1の実施形態における検出電圧VI,第2の実施形態における電圧データDI)を得ると共に、荷電期間(PEAK荷電区間)と荷電抑制期間(BASE荷電区間)との間で切り替わる毎に前記第1の電流基準値(第1の実施形態における基準電圧VP,第2の実施形態における基準電圧データDP)と第2の電流基準値(第1の実施形態における基準電圧VB,第2の実施形態における基準電圧データDB)との間で切替えを行い、前記荷電期間において前記電流検出信号と前記第1の電流基準値とを比較し、前記電流検出信号が前記第1の電流基準値と等しくなるように前記荷電電流を定電流制御し、一方、前記荷電抑制期間において前記電流検出信号と前記第2の電流基準値とを比較し、前記電流検出信号が前記第2の電流基準値と等しくなるように前記荷電電流を定電流制御することを特徴とする請求項1に記載の電気集塵用電源。
【0011】
本願発明の電気集塵用電源は、電気集塵部を流れる荷電電流を検出する荷電電流検出手段と、第1の電流基準値を出力する第1の電流基準手段(第1の実施形態における基準電圧発生器7,第2の実施形態におけるROM・49)と、第1の電流基準値よりも低い第2の電流基準値を出力する第2の電流基準手段(第1の実施形態における基準電圧発生器8,第2の実施形態におけるROM・49)と、前記荷電電流検出手段からの電流検出信号を、前記第1の電流基準値または第2の電流基準値のいずれかとを比較する比較回路(第1の実施形態における比較器22,第2の実施形態におけるCPU・47)と、前記電気集塵部に印加される荷電電圧の大きさにより前記切替え信号を発生する切替え信号発生回路(第1の実施形態におけるタイマ20,21、第2の実施形態におけるCPU・47,RAM・48)と、この切替え信号を受けて、前記比較回路に電流基準値を供給する電流基準手段(第1の実施形態における比較器22,第2の実施形態におけるCPU・47)を、前記第1の電流基準手段と第2の電流基準手段とで交互に切り替える切替え手段(第1の実施形態におけるスイッチ17,第2の実施形態におけるCPU・47)とを有し、前記切替え信号が前記第1の電流基準手段を選択する期間において、前記直流高電圧出力端子を流れる出力電流が第1の電流値になるように前記高周波インバータ部を駆動し、前記切替え信号が前記第2の電流基準手段を選択する期間において、前記電気集塵部を流れる出力電流が第1の電流値よりも小さい第2の電流値になるように、前記荷電電流を定電流制御することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電気集塵用電源。
【0012】
本発明の電気集塵用電源は、前記切換手段が前記荷電期間及び前記休止期間各々の時間制御をタイマ(第1の実施形態におけるタイマ20,21、第2の実施形態におけるCPU・47,RAM・48)により行うことを特徴とする。
本発明の電気集塵用電源は、前記切替え信号発生回路が、検出電圧VSと下限値から上昇して検出電圧VSに対応した値となる基準電圧VKとを比較する比較回路と、前記荷電期間を設定する手段と、前記荷電抑制期間を設定する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の電気集塵用電源は、前記手段がタイマであることを特徴とする。
本発明の電気集塵用電源は、前記切換手段が前記荷電時間の長さを、前記切換信号に基づき調整することを特徴とする。
本発明の電気集塵用電源は、インバータ化した電気集塵用電源の高速制御性を生かした間欠荷電制御において荷電時間と抑制時間(PEAK荷電時間とBASE荷電時間とに対応)を、それぞれの電流設定レベルを設けて、この電流設定レベルを切替えて定電流制御することにより、瞬時的な過電流、特に荷電時間になった直後の突入充電電流を制御可能とし、安定したピーク電圧を確保できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態による集塵用電源装置は、間欠的に荷電電圧を供給することにより集塵効率を向上させる間欠荷電制御において、荷電期間(PEAK荷電期間)及び荷電抑制期間(BASE荷電期間)毎に、各々異なる荷電電流の設定値(第1及び第2の設定値)を設けて、この設定値を切り替えて、放電電極11と集塵電極との間へ荷電を行う定電流の制御を行う。
また、第1の実施形態による集塵用電源装置は、従来の集塵用電源装置が上記荷電抑制期間の間に荷電を行わないのに比べ、荷電抑制期間にもBASE荷電として荷電を継続させ、荷電電圧のピーク値と平均荷電電圧の値との積が大きくし、電気集塵機の集塵効率を向上させている。
【0015】
すなわち、第1の実施形態による集塵用電源装置は、大きい荷電電流(第1の設定値)を与える荷電期間を逆電離を起こさない時間として設定するPEAK荷電時間設定用タイマと、少ない荷電電流(第2の設定値)を与え、電圧が特定のレベルまで低下するのに必要な時間を計時するBASE荷電時間設定用タイマとを設け、PEAK荷電時間において第1の設定値に基づき荷電における定電流制御を行い、BASE荷電時間において第2の設定値に基づき荷電における定電流制御を行う。
ここで、上記第2の設定値は、上記第1の設定値に比較して低い荷電電流、すなわちコロナ放電が開始される電圧程度に、放電電極と集塵電極との間を荷電する電流値に設定されている。
【0016】
図1は本発明の第1の実施形態による集塵用電源の構成を示すブロック図である。この図において、整流器1は、商用電源を整流し、直流電圧を発生する。チョークコイル2及びコンデンサ3は、低周波フィルタ4を構成し、特定の周波数以上の高周波電流を阻止する。
フィルタ回路4は、生成した直流電圧を高周波インバータ部(以下、インバータという)5に供給する。
インバータ5は、4個のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)・5A〜5Dと、このIGBTを保護する4個の逆並列ダイオード6A〜6Dで構成されている。
また、インバータ5は、所定の周波数の駆動パルスにより、IGBT・5A〜5Dが駆動され、交流電流を生成し、この交流電流を共振インダクタ12を介して高電圧トランス9の1次巻線に供給する。
【0017】
ここで、高電圧トランス9の2次側の鎖線で示すコンデンサ13は、高電圧トランス9のストレイキャパシタンスを示し、このストレイキャパシタンスとコンデンサ14のキャパシタンスとが必要な共振キャパシタンスを与える。
この共振コンデンサ13と14は、高電圧トランス9の1次側の共振インダクタ12との共振作用により、インバータ回路5を並列共振モードで動作させる。
このとき、共振コンデンサ13の両端の電圧、すなわち高電圧トランス9の2次側巻線間の電圧は、インバータ回路5におけるIGBT5A〜5Dのスイッチング周波数をfとし、共振コンデンサ13と共振インダクタ12とから決まる共振周波数Fとし、「n・f≦F≦m・f」の範囲内で共振させると、等価的に整流器1の出力する電圧より高い電圧を得ることができる。ここで、「n」と「m」との数値は、出力電圧を測定しつつ、希望する電圧が得られる数値範囲に調整することにより決定される。
また、高電圧トランス9の2次巻線には、整流回路(高電圧全波整流回路)10が接続されている。
整流回路10は、高電圧トランス9の2次巻線に発生する交流高電圧を直流高電圧(以下、整流電圧とする)に変換して放電電極11へ供給する。
これにより、放電電極11と接地された集塵電極12との間には、上記整流電圧に相当するの電圧差が発生する。
ここで、放電電極11と集塵電極12とによる静電容量の容量値は、例えば、0.01μF以上であり、数kHz以上の変換周波数のインバータ5を用いれば十分なフィルタ効果が見込める。
【0018】
電流検出抵抗R1は、整流回路10及び高電圧トランス9の2次巻線に対して直列に設けられており、放電電極荷電電流測定系を構成しており、放電電極11へ供給される荷電電流に対応する測定電圧VIを出力する。
電圧検出抵抗R2,R3は、放電電極11と接地点との間において直列に設けられ、荷電電圧測定系を構成し、接続点Sから分圧した検出電圧VSを出力する。
以下、簡単のため、放電電極11における荷電電圧がピーク電圧であるときの検出電圧VSをピーク電圧とし、BASE荷電区間における検出電圧VSを、コロナ放電が開始される程度の電圧として説明する。
【0019】
制御回路31は、上記測定電圧VI及び検出電圧VSの数値に基づき、インバータ回路5を駆動し、荷電電流を2段階で定電流制御を行う。
また、制御回路31は、駆動回路19,火花追従制御回路32,定電圧制御回路33,短絡検出トリップ制御回路34、定電流制御回路16,比較器22,PEAK荷電時間設定用タイマ20,BASE荷電時間設定用タイマ21などを有している。
ここで、短絡検出トリップ制御回路34は、検出電圧VSの数値を検出して、一定時間以上に渡って短絡状態が継続した場合、トリップして接続した放電電極11と集塵電極12とを切り離す制御を行う。
【0020】
駆動回路19は、上記火花追従制御回路32,定電圧制御回路33,定電流制御回路16各々から出力される制御信号により、インバータ5のIGBT・5A〜5Dのオン時問を決定する駆動パルス幅の変調を行う。
火花追従制御回路32は、通常に運転されている場合に、火花放電が頻繁に起こることを検出すると、荷電電圧を予め決められた電圧ΔVだけ下げ、火花放電が起こらない荷電電圧となるよう、駆動回路19から出力される駆動パルス幅を制御する。
【0021】
また、定電圧制御回路33は、電気集塵機の空気の排出口に設けられた光センサにより、排出口から排出される排気の透過率を測定し、透過率の変化が飽和する荷電電圧となるよう、駆動回路19から出力される駆動パルス幅を制御する。
さらに、駆動回路19は、定電流制御回路16から入力される制御信号Cが「L」レベルの場合、駆動パルス幅を広げてインバータ5の出力を上昇させ、制御信号Cが「H」レベルの場合、駆動パルス幅を狭めてインバータ5の高電圧トランス9の一次側巻線へ出力する電圧を低下させる制御を行う。
このとき、インバータ5の各IGBTのスイッチング速度は、20kHz程度に設定されており、定電流制御の精度を高いものとしている。
【0022】
定電流制御回路16は、スイッチ(切換器)17を通して与えられる基準電圧((−)端子に入力)と、上記検出電圧VI((+)端子に入力)とを比較し、この検出電圧VIが基準電圧より高い場合、「H」レベルの制御信号Cを出力し、一方、検出電圧VIが基準電圧より低い場合、「L」レベルの制御信号Cを出力する比較回路18を備える。
スイッチ17は、タイマ20の出力する制御信号Pのレベルに応じて、基準電圧発生器7の発生する基準電圧VP,及び基準電圧発生器8の発生する基準電圧VBのいずれを、比較回路18の(−)端子へ供給するかを設定する。
例えば、スイッチ17は、タイマ20の出力が「H」レベルのとき、定電流制御回路16の(−)端子に上記基準電圧VPを供給し、タイマ20の出力が「L」レベルのとき、定電流制御回路16の(−)端子に上記基準電圧VBを供給する。
【0023】
タイマ20は、PEAK荷電時間を設定するタイマであり、カウントアップすると、制御信号Pを「H」レベルから「L」レベルに遷移させ、タイマ21の計時した時間をリセットする。
タイマ21は、BASE荷電時間を設定するタイマであり、制御信号Pが「L」レベルとなることにより計時動作をスタートさせる。
また、タイマ21は、計時動作がスタートすると、制御信号Qを「L」レベルから「H」レベルに遷移させ、タイマ20の計時した時間をリセットする。
一方、タイマ21は、カウントアップすると、制御信号Qを「H」レベルから「L」レベルへ遷移させる。
【0024】
さらに、タイマ20は、ダイオード24を介して、「L」レベルの制御信号Qが入力され、かつ、ダイオード23を介して、「L」レベルの制御信号Rが入力されると、計時動作を開始する。
したがって、PEAK荷電時間設定用タイマ20とBASE荷電時間設定用タイマ21とにおいて、PEAK荷電時間設定用タイマ20がタイムアップすると、BASE荷電時間設定用タイマ21の動作開始をセットし、このBASE荷電時間設定用タイマ21がタイムアップすると、PEAK荷電時間設定用タイマ20の動作開始をセットすることにより、PEAK荷電時間とBASE荷電時間とが、図2に示すように交互に繰り返される。
【0025】
比較器22は、コンパレータであり、PEAK荷電時間設定用タイマ20のカウント動作を停止させる、「H」レベルの制御信号Rを出力する。
ここで、比較器22は、検出電圧VS((−)端子に入力)と基準電圧VK((+)端子に入力)との比較を行い、検出電圧VSが基準電圧VKより小さくなると、制御信号Rを「H」レベルとして出力し、一方、検出電圧VSが基準電圧より大きくなると、制御信号Rを「L」レベルとして出力する。
【0026】
ピーク電圧ホールド用コンデンサ28は、検出電圧VSにおいて、正常に動作しているときの荷電電圧のピーク電圧における電荷をダイオード30を介して蓄積、すなわちピーク電圧の電圧値を記憶している。
抵抗27と可変抵抗器26とは、高抵抗値の抵抗器であって、直列に接続されており、ダイオード30のカソードと接地点との間で、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28と並列に設けられている。
また、抵抗27と可変抵抗器26とは、設上記ピーク電圧を分圧し、この分圧された電圧を基準電圧VKとして、比較器22の(+)端子へ供給する。
ここで、可変抵抗器26の抵抗値を調整して、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28に蓄積されている電圧の80〜90%の電圧値の基準電圧VKが、比較器22の(+)端子へ供給されるようにする。
【0027】
トランジスタ29は、npn型のバイポーラトランジスタであり、ダイオード30のカソードと接地点との間に、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28と並列に設けられている。
また、トランジスタ29は、制御信号Qまたは制御信号Rのいずれかでも「H」レベルとなることにより、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28に蓄積されている電荷を接地点に放電させる。
すなわち、トランジスタ29は、制御信号Qまたは制御信号Rのいずれかでも「H」レベルとなることにより、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28が記憶しているピーク電圧をリセットする。
したがって、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28の電圧は、荷電抑制期間ではトランジスタ29のオンによりゼロ電圧に近い下限値にリセットされ、荷電期間に入ると、その下限値から検出電圧VSの値に応じて充電され、基準電圧VKも当然に検出電圧VSの値に比例した値となる。
このことは重要である。負荷電圧が大きく変化したとき、例えば逆電離現象が発生した場合は、荷電電圧、つまり検出電圧VSは通常の1/3−1/4に低下する。また、電極間にスパークが発生した場合には荷電電圧はほぼゼロになる。このような場合、基準電圧VKが固定の値としたときには、検出電圧VSが基準電圧VKよりも小さくなってしまうので、荷電期間になると直ぐに荷電抑制期間となってしまい、運転を一旦停止させなくてはならなくなる。
この発明では、基準電圧VKは検出電圧VSの値に比例した値になるので、いかなる負荷変動があっても、検出電圧VSが基準電圧VKよりも低下するのは、荷電期間から荷電抑制期間に切り替わるときであり、このとき比較回路22の出力信号レベルが変化するだけであるので、前述のような問題は生じない。
【0028】
次に、第1の実施形態による集塵用電源の動作例を、図1ないし図3を用いて説明する。図2と図3は、図1の集塵用電源の動作例を示すタイミングチャートである。ここで、図3(a)は、荷電電圧、すなわち検出電圧VS(実線で示されている)及び基準電圧VK(破線で示されている)の時刻変化を示しており、横軸が時刻、縦軸が荷電電圧の電圧値を示している。また、図3(b)は、比較器22が出力する制御信号Rの電圧レベルを示しており、横軸が時刻、縦軸が電圧レベルを示している。図3(c)は、タイマ20の出力する制御信号Pの電圧レベルを示しており、横軸が時刻、縦軸が電圧レベルを示している。図3(d)は、荷電電流値に対応した検出電圧VIの電圧レベルを示しており、横軸が時刻、縦軸が電圧レベルを示している。図3(e)は、定電流制御回路16から出力される制御信号Cの電圧レベルを示しており、横軸が時刻、縦軸が電圧レベルを示している。
【0029】
以下、図3の各時刻に従い、本発明の第1の実施形態の動作例の説明を行う。
1)時刻t0〜t1(PEAK荷電時間)
PEAK荷電区間において、タイマ20は、制御信号Pを「H」レベルで出力しており、スイッチ17を通して基準電圧VPを出力させている。
これにより、定電流制御回路16は、基準電圧VPに対応して電流Iを定電流制御しているため、電流Iは放電電極11の荷電電圧をピーク電圧とする電流値となっている。
このとき、PEAK荷電区間開始時点からピーク電圧ホールド用コンデンサ28に充電される電荷が検出電圧VSによって徐々に増加し、ピーク電圧の電圧値に達する。
ここで、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28にピーク電圧が記憶された時点において、基準電圧VKの電圧値は上記ピーク電圧の80〜90%の電圧値となっている。
【0030】
そして、タイマ20は、電気集塵装置の負荷状態が正常であれば、PEAK荷電時間TPをカウントアップして、時刻t1に制御信号Pを「H」レベルから「L」レベルへ遷移させ、スイッチ17を通して出力される基準電圧を基準電圧VPからそれよりも低い基準電圧VBへ切り替える。
また、タイマ20は、タイマ21の計時動作を開始させ、荷電状態を、PEAK荷電区間からBASE荷電区間へ移行させる。
すなわち、定電流制御回路16は、入力される基準電圧が基準電圧VBとなり、低くなることにより、BASE荷電区間においてはPEAK荷電区間に比べて、放電電極11へ供給する荷電電流Iを減少させて、定電流制御を行う。
【0031】
2)時刻t1〜t2(BASE荷電区間)
次に、タイマ21は制御信号Qを「L」レベルから「H」レベルとして、タイマ20をリセットするとともに、トランジスタ29をオン状態として、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28に蓄積されている電荷を放電させる。
そして、BASE荷電区間においては、タイマ20が、制御信号Pを「L」レベルで出力しており、スイッチ17を通して基準電圧VBを出力させている。
これにより、定電流制御回路16は、基準電圧VBに応じて電流Iを定電流制御しているため、電流Iは放電電極11の荷電電圧をコロナ放電を開始する程度の電圧とする電流値となっている。
また、このとき、基準電圧VKは、検出電圧VS、すなわち、ほぼコロナ放電を開始する程度の電圧の80〜90%の電圧となっている。
【0032】
そして、タイマ20は、BASE荷電時間TBをカウントアップして、時刻t2に制御信号Pを「L」レベルから「H」レベルへ遷移させ、スイッチ17を通して出力される基準電圧を基準電圧VBから基準電圧VPへ切り替える。
また、タイマ21は、制御信号Qを「H」レベルから「L」レベルへ遷移させ(このとき制御信号Rは「L」レベル)、タイマ20の計時動作を開始させ、荷電状態を、PEAK荷電区間からBASE荷電区間へ移行させる。
すなわち、定電流制御回路16は、入力される基準電圧が基準電圧VPとなり高くなることにより、PEAK荷電区間においてBASE荷電区間に比較して、放電電極11へ供給する荷電電流Iを増加させて、定電流制御を行う。
【0033】
3)時刻t2〜t3(PEAK荷電区間)
基本的な動作は、時刻t0〜t1におけるPEAK荷電区間と同様である。
しかしながら、時刻t3において、タイマ20がタイムアップする以前に、検出電圧VSの電圧値が逆電離の発生により低下したとする。
このため、タイマ20の計時時間TPSは、PEAK時間TPに比較して短くなる。
一方、タイマ21において、計時する時間、すなわちBASE時間TBは常に一定の値である。
そして、比較器22は、検出電圧VSの電圧値が基準電圧VKより低くなると、制御信号Rを「L」レベルから「H」レベルへ遷移させ、ダイオード23を介してタイマ20へ「H」レベルの制御信号Rを出力することとなる。
これにより、タイマ20はリセットされ、計時動作を終了し、制御信号Pを「H」レベルから「L」レベルへ遷移させる。
【0034】
そして、タイマ21は、計時動作を開始し、制御信号Qを「L」レベルから「H」レベルへ遷移させる。
したがって、逆電離などによるスパークが発生すると、瞬時に荷電状態がPEAK荷電区間からBASE荷電区間へ移行する。
また、このとき、リセット用のトランジスタ29は、「H」レベルの制御信号Rによりオン状態となり、ピーク電圧ホールド用コンデンサ28に蓄積された電荷を放電させる。
これにより、比較器22は、制御信号Rを「H」レベルから「L」レベルへ遷移させる。
以下、時刻t3〜t4と時刻t5〜t6とのBASE荷電区間は、時刻t1〜t2のBASE荷電区間における説明と同様のため、再度の説明を省略する。
同様に、時刻t4〜時刻t5のPEAK荷電区間は、時刻t2〜t3のPEAK荷電区間における説明と同様のため、再度の説明を省略する。
【0035】
上述したように、本願発明の第1の実施形態による集塵用電源は、制御回路31内部にPEAK荷電時間設定用タイマ20と、BASE荷電時間設定用タイマ21が設けられ、このPEAK荷電時間設定用タイマ20がタイムアップすると、BASE荷電時間設定用タイマ21をセットさせ、このタイマ21がタイムアップするとタイマ20をセットすることにより、荷電状態がPEAK荷電区間とBASE荷電区間とが交互に繰り返されるが、PEAK荷電区間で逆電離などによるスパークが発生すると、そのPEAK荷電を終了させて、BASE荷電に移行し、荷電電圧を低下させると同時に電流を低い値に抑制すように定電流制御を行う。
これにより、荷電時間設定用タイマ20が「H」レベルのときは、この出力に接続されたスイッチ17が基準電圧VPを選択し、PEAK荷電時間設定用タイマ20が「L」レベルのときは、基準電圧VBが選択され、定電流制御回路16に入力される基準電圧は、上記基準電圧VPと上記基準電圧VBとのいずれかに繰り返し切り替えられることとなる。
したがって、本願発明の第1の実施形態による集塵用電源は、駆動回路19がインバータ5の各IGBTのスイッチングを20kHzと高速で行うため、PEAK荷電区間とBASE荷電区間との時間間隔、すなわち間欠荷電の周期を、従来のサイリスタを用いたインバータに比較して短くすることが可能となっており、スパーク又は逆電離の発生で、検出電圧VSが低下すると、瞬時にPEAK荷電をBASE荷電に切り替え、(PEAK荷電区間とBASE荷電区間とに対応して設定された基準電圧データに基づき、)荷電電圧、電流を低下させるので、スパーク又は逆電離をより速やかに消滅させることができる。
【0036】
また、本願発明の第1の実施形態による集塵用電源は、上述したように、インバータ5の各IGBTスイッチング速度を、20kHz程度に高周波化させたことにより、定電流制御特性の高速化が可能となり、間欠荷電の周期を短くすることができ、BASE荷電期間からPEAK荷電期間に移行直後の突入充電電流も、高速な定電流制御により制御可能とし、かつ、BASE荷電期間において、荷電電流設定をPEAK荷電期間の数%まで減少させることにより、コロナ始発電圧近傍に荷電電圧を維持することが可能である。
【0037】
さらに、本願発明の第1の実施形態による集塵用電源は、ダイオード30を通してピーク電圧ホールド用コンデンサ28を、検出電圧VSにより充電し、この充電電圧は可変抵抗器26と抵抗器27にて分圧され、測定電圧におけるピーク電圧に比較して10〜20%減衰させ、基準電圧VKとして比較器22の(+)端子へ出力させ、比較器22が基準電圧VKより検出電圧VSの低いことを検知すると、制御信号Rを「H」レベルとし、ダイオード23を介してPEAK荷電時間設定用タイマ20をリセットし、BASE荷電区間に移行するため、PEAK荷電区間中に逆電離現象等により荷電電圧が低下した場合、不用なコロナ電力(電流I)の注入を制限して、逆電離現象の進行を防止でき、かつ、PEAK荷電時間中に火花放電が発生した場合にも比較器22の(−)端子に接続された検出電圧VS、すなわち荷電電圧が急激に低下するので同様に、荷電状態をPEAK荷電区間からBASE荷電区間に移行させ、火花の頻発を防止することが可能となる。
【0038】
<第2の実施形態>
第2の実施形態による集塵用電源は、第1の実施形態の図1の構成において、制御回路31がCPU(中央処理装置)やマイクロコンピュータなどを用いて、ソフトウエア処理にて構成された以外、同様の構成である。
図4の第2の実施形態の構成において、図1の第1の実施形態の構成と同様なものには同一の符号を付し、再度の説明を省略する。
制御回路21は、駆動回路19,I/O回路46,CPU・47,RAM(Randum Access Memory)・48,ROM(Read Only Memory)・49,A/D・50,及び図示しないが火花追従制御,定電圧制御,短絡検出トリップ制御などのソフトウェアを記憶したROMから構成されている。
【0039】
CPU・47は、ROM・49に記憶されているプログラム及び所定のデータに基づき、制御回路21の各回路の制御を行う。
ROM・49には、上記プログラムの他に、基準電圧データDP(第1の実施形態の基準電圧VPに対応),基準電圧データDB(第1の実施形態の基準電圧VBに対応),PEAK荷電区間のPEAK時間TP,BASE荷電区間のBASE時間TB等が記憶されている。
A/D・50は、A/Dコンバータであり、荷電電圧に対応する検出電圧VS、及び出力電流に対応する検出電圧VIを、各々デジタルデータに変換して、それぞれ電圧データDS,電圧データDIとして出力する。
RAM・48は、計算結果の一時記憶のデータを格納する。
I/O回路46は、CPU・47の制御により、駆動回路19に対して制御信号C(第1の実施形態の定電流制御回路16の出力する制御信号Cと同様)を出力する。
ここで、制御信号Cの論理レベルによる駆動回路19の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0040】
また、CPU・47は、A/D・50が所定の期間毎において、A/D変換する電圧データDSに0.8〜0.9を乗算して、基準電圧データDKとして格納する。
このとき、CPU・47は、PEAK荷電区間において、電圧データDSが最も高い電圧、すなわちピーク電圧のときの電圧値に基づいた基準電圧データDSを保持する。
さらに、CPU・47は、RAM・48に設けられた計時時間を記憶させるタイマ格納部に、PEAK荷電区間及びBASE荷電区間において計時する毎に、順次、この計時した時間を時刻データとして格納する。
【0041】
また、CPU・47は、PEAK荷電区間において、上記時刻データとPEAK荷電区間のPEAK時間TPとを比較し、時刻データがPEAK時間を超えると、荷電状態をPEAK荷電区間からBASE荷電区間へ移行させ、上記タイマ格納部の時刻データをリセットする。
一方、CPU・47は、BASE荷電区間において、上記時刻データとBASE荷電区間のBASE時間TBとを比較し、時刻データがBASE時間を超えると、荷電状態をBASE荷電区間からPEAK荷電区間へ移行させ、タイマ格納部の時刻データをリセットする。
【0042】
ここで、CPU・47は、PEAK荷電区間において、電圧データDIと基準電圧VPとを比較し、電圧データDIが基準電圧データDPより大きい場合、制御信号Cを「H」レベルとして出力し、電圧データDIが基準電圧データDPより小さい場合、制御信号Cを「L」レベルとして出力する。
また、CPU・47は、BASE荷電区間において、電圧データDIと基準電圧VBとを比較し、電圧データDIが基準電圧データDBより大きい場合、制御信号Cを「H」レベルとして出力し、電圧データDIが基準電圧データDBより小さい場合、制御信号Cを「L」レベルとして出力する。
さらに、CPU・47は、PEAK荷電区間において、基準データDKと電圧データDSとを比較し、この電圧データDSが基準データDKより小さくなると、強制的に、PEAK荷電区間からBASE荷電区間へ、荷電状態を移行させる。
【0043】
次に、第2の実施形態による集塵用電源の動作例を、図4及び図5を用いて説明する。図5は、図4の集塵用電源の動作例を示すフローチャートである。
ステップS1において、CPU・47は、PEAK荷電区間の開始時点で、RAM・48の基準電圧データDKをリセット(0Vとする)し、処理をステップS2へ進める。
次に、ステップS2において、CPU・47は、計時処理を開始し、タイマ記憶部に時刻データを書き込むとともに、より高い基準電圧データDK(ピーク電圧の時点の)を、上書きして記憶させる。
また、CPU・47は、電圧データDIと比較する基準電圧データをDPに設定し、処理をステップS3へ進める。
これにより、CPU・47は、BASE荷電区間において、電圧データDIと電圧データDBとを比較し、駆動回路19を制御する駆動信号Cを、対応する論理レベル(「H」レベルまたは「L」レベル)で出力する。
【0044】
そして、ステップS3において、CPU・47は、電圧データDSと基準電圧データDKとを比較し、電圧データDSが基準電圧DKより大きいことを検出した場合、処理をステップS4へ進め、電圧データDSが基準電圧DKより小さいことを検出した場合、処理をステップS5へ進める。
次に、ステップS4において、CPU・47は、上記時刻データがPEAK時間TPに達したか否かの判定を行う。
このとき、CPU・47は、時刻データがPEAK時間に達したことを検出した場合、処理をステップS5へ進め、一方、時刻データがPEAK時間に達していないことを検出した場合、処理をステップS3へ戻す。
【0045】
次に、ステップS5において、CPU・47は、タイマ記憶部をリセットして、新たに時刻の計時処理を開始し、時刻データをタイマ記憶部に書き込む。
また、CPU・47は、電圧データDIと比較する基準電圧データをDBに設定し、処理をステップS6へ進める。
これにより、CPU・47は、BASE荷電区間において、電圧データDIと電圧データDBとを比較し、駆動回路19を制御する駆動信号Cを、対応する論理レベルで出力する。
そして、ステップS6において、CPU・47は、上記時刻データとBASE時間TBとの比較を行う。
このとき、CPU・47は、時刻データがBASE時間TBに達したことを検出した場合、処理をステップS1へ進め、時刻データがBASE時間TBに達していないことを検出した場合、ステップS6の処理を繰り返す。
【0046】
上述したように、本願発明の第2の実施形態による集塵用電源は、CPU・47がPEAK荷電区間において、時刻データと、PEAK時間TPとを比較し、時刻データがPEAK時間TPを越える(タイムアップ)すると、荷電状態をPEAK荷電区間からBASE荷電区間に移行し、BASE荷電区間において、時刻データとBASE時間TBとを比較し、時刻データがBASE時間TBを越える(タイムアップ)すると、荷電状態をBASE荷電区間からPEAL荷電区間に移行するため、荷電状態としてPEAK荷電区間とBASE荷電区間とが交互に繰り返される。
これにより、PEAK荷電区間のときは、電圧データDIと比較する基準電圧データとして基準電圧データDPが選択され、BASE荷電区間のときは、電圧データDIと比較する基準電圧データとして基準電圧データDBが選択され、荷電状態により、電圧データDIと比較する基準電圧データは、上記基準電圧データDPと上記基準電圧データDBとのいずれかに繰り返し切り替えられることとなる。
したがって、本願発明の第2の実施形態による集塵用電源は、駆動回路19がインバータ5の各IGBTのスイッチングを20kHzと高速で行うため、PEAK荷電区間とBASE荷電区間との時間間隔、すなわち間欠荷電の周期を、従来のサイリスタを用いたインバータに比較して短くすることが可能となっており、PEAK荷電区間とBASE荷電区間とに対応して設定された基準電圧データに基づき、放電電極11に供給される電流Iの定電流制御の精度を向上させ、荷電電圧の制御を高速に行うことができる。
【0047】
また、本願発明の第2の実施形態による集塵用電源は、上述したように、インバータ5の各IGBTスイッチング速度を、20kHz程度に高周波化させたことにより、定電流制御特性の高速化が可能となり、間欠荷電の周期を短くすることができ、BASE荷電期間からPEAK荷電期間に移行直後の突入充電電流も、高速な定電流制御により制御可能とし、かつ、BASE荷電期間において、荷電電流設定をPEAK荷電期間の数%まで減少させることにより、コロナ始発電圧近傍に荷電電圧を維持することが可能である。
【0048】
本願発明の第2の実施形態による集塵用電源は、CPU・47が電圧データDSに対して、0.8〜0.9を乗算して、基準電圧データDKとして、測定電圧におけるピーク電圧に比較して10〜20%減衰させ、この基準電圧データDKと電圧データDSとを比較して、基準電圧データDKより電圧データDSの低いことを検知すると、強制的にPEAK荷電区間からBASE荷電区間に移行させるため、PEAK荷電区間中に逆電離現象等により荷電電圧が低下した場合、不用なコロナ電力(電流I)の注入を制限して、逆電離現象の進行を防止でき、かつ、PEAK荷電時間中に火花放電が発生した場合にも比較器22の(−)端子に接続された検出電圧VS、すなわち荷電電圧が急激に低下するので同様に、荷電状態をPEAK荷電区間からBASE荷電区間に移行させ、火花放電の頻発を防止することが可能となる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、インバータ5の制御を駆動パルス幅制御で説明したが、インバータ5の前にIGBTなどのスイッチング素子からなる降圧チョッパ回路を接続し、その降圧チョッパ回路の出力電圧を制御して、又はインバータの周波数制御を行って荷電電圧を制御しても良い。
なお、スイッチ17は機械的な切替えスイッチとして示したが、FETのような制御可能な半導体素子を複数個並列接続したものと、これらをタイマ20からの制御信号Pに基づいて選択してオンさせる駆動回路とからなっても良い。また、基準電圧VKは、実施例では各BASE荷電期間の直ぐ前のPEAK荷電期間のピーク電圧としたが、例えばPEAK荷電期間のピーク電圧程度の電圧値とBASE荷電期間のBASE荷電電圧との中間程度の電圧値、つまり適当な固定の直流電圧であっても良い。
さらにまた、BASE荷電電圧は、一例としてコロナ放電開始電圧よりも幾分大きい電圧として説明したが、コロナ放電開始電圧よりも幾分大きい電圧からゼロVの間の任意の電圧であれば良い。
【0050】
【発明の効果】
本発明の集塵用電源装置によれば、間欠荷電のPEAK荷電区間およびBASE荷電区間の荷電電流(荷電電流I)をそれぞれ別のパラメータとして制御可能となり、PEAK荷電およびBASE荷電の安定した荷電制御が可能となる。
また、本発明の集塵用電源によれば、間欠荷電時の逆電離現象を荷電電圧の低下を捕らえて検出し、PEAK荷電区間の時間幅を制限し、無効な荷電電流による逆電離現象を防止して集塵効率を上げることができる。
本発明では高周波インバータ回路を用いているので、PEAK荷電用の電源とBASE荷電用の電源の双方を必要とせず、PEAK荷電電圧を出力し得る電源だけがあれば、高周波インバータ回路を周期的に交互に高周波でパルス幅制御することにより、PEAK荷電電圧とBASE荷電電圧の双方を出力することができ、更に一層、電気集塵用電源の小型化が可能で、経済性に優れたものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による集塵用電源の構成例を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す第1の実施形態における集塵用電源の動作例を説明するタイミングチャートである。
【図3】 図1に示す第1の実施形態における集塵用電源の動作例を説明するタイミングチャートである。
【図4】 本発明の第2の実施形態による集塵用電源の構成例を示すブロック図である。
【図5】 図4に示す第2の実施形態における集塵用電源の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 整流器
2 チョークコイル
3,11,50,56 コンデンサ
4 フィルタ回路
5 インバータ回路
5A,5B,5C,5D IGBT
6A,6B,6C,6D ダイオード
7、8 基準電圧発生手段
9 高電圧トランス
10 全波整流ダイオード(整流回路)
11 放電電極
12 共振インダクタ
13 共振コンデンサ
14 集塵電極
16 定電流制御回路
17 スイッチ
18 駆動回路
20 PEAK荷電時間設定用タイマ
21 BASE荷電時間設定用タイマ
22 比較器
26 可変抵抗器
27 抵抗器
28 ピーク電圧ホールド用コンデンサ
29 トランジスタ
30 ダイオード
31 定電流制御回路
32 火花追従制御回路
33 定電圧制御回路
34 短絡検出トリップ制御回路
46 I/O回路
47 CPU
48 RAM
49 ROM
50 A/D
R1,R2,R3 検出抵抗

Claims (6)

  1. 交流電源を整流した直流電圧で運転する高周波インバータ部の高周波出力電圧を、高電圧トランスと高電圧整流器とを通して直流高電圧に変換し、直流高電圧出力端子を介して、この直流高電圧を放電電極と集塵電極との間の容量に荷電する電気集塵用電源装置であって、
    前記直流高電圧出力端子を流れる荷電電流が定電流になるように制御する定電流制御部と、
    前記直流高電圧出力端子において前記荷電電流を検出し、検出されたこの荷電電流を検出電流として出力する電流検出回路と、
    前記直流高電圧出力端子において放電電極と集塵電極との間の荷電電圧を検出し、検出された荷電電圧を検出電圧VSとして出力する電圧検出回路とを具備し、
    前記定電流制御部が前記検出電圧VSに応じて、荷電期間における前記検出電流が第1の設定値の電流値となり荷電抑制期間における前記検出電流がこの第1の設定値より小さい第2の設定値の電流値となるように、前記高周波インバータ部を定電流制御することを特徴とする電気集塵用電源。
  2. 前記直流高電圧出力端子を流れる荷電電流を検出して電流検出信号を得ると共に、荷電期間と荷電抑制期間との間で切り替わる毎に前記第1の電流基準値と第2の電流基準値との間で切替えを行い、前記荷電期間において前記電流検出信号と前記第1の電流基準値とを比較し、前記電流検出信号が前記第1の電流基準値と等しくなるように前記荷電電流を定電流制御し、一方、前記荷電抑制期間において前記電流検出信号と前記第2の電流基準値とを比較し、前記電流検出信号が前記第2の電流基準値と等しくなるように前記荷電電流を定電流制御することを特徴とする請求項1に記載の電気集塵用電源。
  3. 電気集塵部を流れる荷電電流を検出する荷電電流検出手段と、
    第1の電流基準値を出力する第1の電流基準手段と、
    第1の電流基準値よりも低い第2の電流基準値を出力する第2の電流基準手段と、
    前記荷電電流検出手段からの電流検出信号を、前記第1の電流基準値または第2の電流基準値のいずれかとを比較する比較回路と、
    前記電気集塵部に印加される荷電電圧の大きさにより前記切替え信号を発生する切替え信号発生回路と、
    この切替え信号を受けて、前記比較回路に電流基準値を供給する電流基準手段を、前記第1の電流基準手段と第2の電流基準手段とで交互に切り替える切替え手段と
    を有し、
    前記切替え信号が前記第1の電流基準手段を選択する期間において、前記直流高電圧出力端子を流れる出力電流が第1の電流値になるように前記高周波インバータ部を駆動し、前記切替え信号が前記第2の電流基準手段を選択する期間において、前記電気集塵部を流れる出力電流が第1の電流値よりも小さい第2の電流値になるように、前記荷電電流を定電流制御することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電気集塵用電源。
  4. 前記切替え信号発生回路は、前記検出電圧VSと、下限値から上昇してこの検出電圧VSに対応した値となる基準電圧VKとを比較する比較回路と、前記荷電期間を設定する手段と、前記荷電抑制期間を設定する手段とを備えたことを特報とする請求項3に記載の電気集塵用電源。
  5. 前記手段がタイマであることを特徴とする請求項4に記載の電気集塵用電源
  6. 前記切換手段が前記荷電時間の長さを、前記切換信号に基づき調整することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電気集塵用電源。
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