JP2004187417A - 交流/直流変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変圧器やインダクタンスが不要で、小型軽量、高効率な直流定電圧を出力可能な交流/直流変換装置を得る事を課題とする。
【解決手段】交流入力を整流して脈流を作り、脈流の電圧降下時の適当な時間に脈流の出力側に接続されたスイッチ素子5を導通させて、充放電用のコンデンサ4に充電を行うように回路を構成し、充放電用のコンデンサの両端から直流を出力すると共に、脈流のゼロ電位を検出する極小電圧レベル検出回路6と、当該検出回路の出力によりリセットされる鋸歯状波発生回路7を有し、鋸歯状波の電圧Vsが一定の値になった事を検出して、前記のスイッチ素子5を導通させる。
【選択図】 図1
【解決手段】交流入力を整流して脈流を作り、脈流の電圧降下時の適当な時間に脈流の出力側に接続されたスイッチ素子5を導通させて、充放電用のコンデンサ4に充電を行うように回路を構成し、充放電用のコンデンサの両端から直流を出力すると共に、脈流のゼロ電位を検出する極小電圧レベル検出回路6と、当該検出回路の出力によりリセットされる鋸歯状波発生回路7を有し、鋸歯状波の電圧Vsが一定の値になった事を検出して、前記のスイッチ素子5を導通させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流電力を入力し出力端子間に、直流電力を出力する交流/直流変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の交流/直流変換装置は、通常交流電圧を変圧器で変圧後、整流器で直流化し、トランジスタ等を可変抵抗素子として、これを通して直流出力を供給し、出力電圧と基準電圧の差を増幅して可変抵抗素子に負帰還を行うもので、変圧器のような、重量、体積の大きい物を必要とする他、可変抵抗素子による熱損失が大きく、効率を上げるのに限界が有った。
この対策として、サイリスタ等の制御整流素子により、位相制御を行う方式が提案されている。この方式はパルスを発生するダイアックのような素子が使用され、回路が簡単という利点はあるものの、パルス到来後の状態の復帰処置が必要な上、雑音による誤動作等も有り、安定に動作させることが困難で、電圧の急上昇が発生することもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題点を解決するため、本発明は交流入力を直接整流し、位相制御を行うことにより、所望の電圧の直流出力を得る電源装置、特に、入力交流電圧よりも低い電圧の直流出力を得ることに好適な電源装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明の交流/直流変換装置は、交流入力を整流して脈流を作り、脈流の電圧降下時の適当な時間に脈流の出力側に接続されたスイッチ素子を導通させて、充放電用のコンデンサに充電を行うように回路を構成し、充放電用のコンデンサの両端から直流を出力すると共に、脈流のゼロ電位を検出する検出回路と、当該検出回路の出力によりリセットされる鋸歯状波発生回路を有し、鋸歯状波の電圧が一定の値になった事を検出して、前記のスイッチ素子を導通させるものである。
【0005】
本発明の交流/直流変換装置は、さらに、平滑手段の出力電圧をモニターし当該出力電圧の変動に応じた信号を発生する電圧検出回路と、電圧検出回路が発生した信号に応じてスイッチの導通時点を変化させる導通時点変更手段からなる帰還回路を付加して、入出力電圧、電流の変動に対処するものである。
【0006】
【作用】
本発明の交流/直流変換装置では、脈流出力電圧の降下時の比較的短時間にスイッチ素子を導通させて、出力を行うと共に、コンデンサに充電し、残りの時間はコンデンサの充電電荷のみが出力される。
スイッチ素子の導通のタイミングは、基準電圧を設定する回路より出力される一定値又は可変の電圧値と、周期的タイマー回路から発生される鋸歯状波の電圧を比較して決定される。このスイッチ素子の断続動作は、整流回路の導通角を変化させることと等価であり、一定電圧又は可変電圧値の直流出力を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、整流回路は、半波整流回路、全波整流回路を用いることができる。また、倍圧整流回路を用いることができる。入力交流の周波数が低くても安定した出力電圧を得ることができる観点から、好ましいものは全波整流回路である。
本発明において、平滑手段は、整流回路に並列にコンデンサを入れる、いわゆるコンデンサインプット整流、または、整流回路と直列にコイルを入れ、さらに並列にコンデンサを入れる、いわゆるチョークインプット整流のいずれも用いることができる。装置を小型、軽量化する観点から、好ましいものはコンデンサインプット整流である。
本発明は入力交流最大電圧よりも低い電圧の直流、高い電圧の直流を出力する交流/直流変換装置のいずれにも適用することができる。好ましいものは、入力交流実効電圧よりも低い電圧の直流を出力する交流/直流変換装置である。
【0008】
帰還回路に用いる導通時点変更手段は、出力電圧が低くなった場合には、鋸歯状波の1サイクル中でスイッチ素子の導通時点を早くし、出力電圧が高くなった場合には、スイッチ素子の導通時点を遅くする。この帰還信号を発生する電圧検出回路は、信号として電圧値を発生するもの、信号として電流値を発生するものどちらも使用することができる。
導通時点変更手段は、例えば、信号値に応じて鋸歯状波の傾斜を変更する回路や、信号値に応じた電圧を鋸歯状波電圧Vsに加除する回路を使用することができる。
周期的タイマー回路と、帰還回路を大部分共用できる観点から、出力電圧の変動に比例する電流を発生する電圧検出回路を採用し、かつ、当該電流値に応じて鋸歯状波発生回路が発生する鋸歯状波の傾斜を変更させる導通時点変更手段を採用することが好ましい。
【0009】
【実施例】
以下に実施例により、本発明にかかる交流/直流変換装置をさらに説明する。この発明の実施例に記載されている回路名、デバイスなどは、とくに特定的な記載のない限りはこの発明をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の説明図である。図中1は交流電源、例えば100Vの商用単相交流電源(周波数が50Hz又は60Hz)であり、入力端子2A、2Bに接続されている。3はその入力側が入力端子2A、2Bに接続された整流回路であり、例えばダイオードブリッジ回路により構成される。4は平滑手段であるコンデンサであり、整流回路3からの出力電圧を直流の電荷として貯える。5は整流回路3とコンデンサ4との間に設けられ、後述のコンパレータ9により制御されるスイッチ素子である。スイッチ素子5は、整流回路3からコンデンサ4への入力を断続するもので、整流回路3から出力される脈流電圧が、一定値になった時、スイッチ素子5が閉じて、コンデンサ4に直流の電荷を誘導する。スイッチ素子5は例えばMOS−FETなどが使用される。
【0010】
6〜10は周期的タイマー回路であり、スイッチ素子5を閉じるタイミングを決定する回路である。周期的タイマー回路には、後に説明する鋸歯状波発生回路7が含まれる。
6は極小電圧レベル検出回路であり、整流回路3の出力側に接続され、整流回路3の脈流電圧が極小(通常は零)になった時点を検出する毎に、周期的に検出出力を発生する。7は鋸歯状波発生回路であり、極小電圧レベル検出回路6の検出出力により制御され、整流回路3からの脈流電圧が零になった瞬間毎に検出回路6の出力によりリセットされるように構成されており、脈流波形と同期した鋸歯状波を発生する。8は鋸歯状波傾斜コントローラであり、鋸歯状波発生回路7から発生する鋸歯状波の傾斜を制御するものである。鋸歯状波の1サイクルは、通常ゼロボルトから開始し、整流波形の最大電圧値以下の電圧で終了する。
【0011】
9はコンパレータ、10は基準電圧設定回路である。コンパレータ9は、鋸歯状波発生回路7からの鋸歯状波の出力電圧Vsと基準電圧設定回路10で生じた基準電圧Voとを常時比較し、両者が一致したとき検出出力を発生して、スイッチ素子5を閉じるように制御する。基準電圧Voを可変可能にするように、基準電圧設定回路10を構成することができる。Voを可変にすることにより、交流/直流変換装置の直流出力電圧を可変にすることができる。周期的タイマー回路6〜10は一般的なトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等で構成することができる。
【0012】
図2は、図1の各部の、電圧、電流の時間波形を示した、タイミングチャートである。
(a)は整流回路3から送りだされる、脈流電圧である。全波整流の脈流を例示している。
(b)は極小電圧レベル検出回路6の検出出力信号である。
(c)は鋸歯状波発生回路7の出力Vsであり、鋸歯状波傾斜コントローラ8への入力に応じて、コントローラ8が鋸歯状波の傾斜を変化させる。
【0013】
(d)はコンパレータ9の出力であり、鋸歯状波発生回路7の出力Vsが、10の基準電圧Voに一致したことを検出したときに出力され、この検出出力により、スイッチ5が閉じられ、整流回路3から送りだされる脈流電圧が、コンデンサ4の出力電圧と等しくなる迄、コンデンサ4に電荷が送り込まれる。
(e)はコンデンサ4の両端の出力電圧である。
【0014】
11は、コンデンサ両端の電圧検出回路である。鋸歯状波の傾斜コントローラ8は、導通時点変更手段としても作用する。よって、コンデンサ両端の電圧検出回路11と鋸歯状波の傾斜コントローラ8が帰還回路を構成する。
すなわち、コンデンサ両端の電圧検出回路11が、コンデンサの両端の電圧を検出して電圧が上昇した時には、鋸歯状波傾斜コントローラ8に発生鋸歯状波の傾斜を小さく(図2中c−1)し、逆に上記電圧が下降したときには、発生鋸歯状波の傾斜を大きく(図2中c−2)するための電流信号を送る。この電圧検出回路は、例えば、トランジスタ、定電圧ダイオード、ホトカップラ等の組み合わせで作ることができる。
【0015】
コンデンサ4の電圧が上昇した時、帰還回路の信号によって、スイッチ5を閉じる時間が遅れ(図2中d−1)、ダイオードブリッジ3から送りだされる脈流電圧値が小さくなってからスイッチ5を閉じるようになって、コンデンサ4の電圧が一定値に近付く。逆に、コンデンサ4の電圧が下降した時、スイッチ5を閉じる時間が早まり(図2中d−2)、ダイオードブリッジ3から送りだされる脈流電圧値がより大きいときにスイッチ5を閉じるようになって、コンデンサ4の電圧が一定値に近付く。
【0016】
電圧検出回路11を含む帰還回路を設けることにより、負荷に流れる電流や、入力電圧や周波数の変動に起因する、コンデンサ4の両端の電圧変化を抑制することができる。
【0017】
図2中、(e)に示したようにコンデンサ4の両端の出力電圧は、脈動が残るので、必要な場合は、コンデンサ4の出力端に公知の電圧安定用の回路12を付加することにより、さらに電圧安定度の高い電源を構成することが出来る。
6〜11の各回路の動作電源は、ダイオードブリッジ3から供給されており、図示を省略してあるが、別に動作用の電源を設ける事も可能である。また、スイッチ素子5もMOS−FETでなく、一般的なサイリスタを使用することも可能である。サイリスタを使用する場合には、コンパレータ9の出力をパルス状に整形して駆動することになる。
【0018】
図3は、本発明の交流/直流変換装置の構成図である。図3中の部分回路や部品で、図1の説明図の部分回路や部品に対応するものには同一の番号を付している。
図3中、2A、2Bは交流電源からの入力端子、3はダイオードブリッジ回路よりなる整流回路、4は平滑手段であるコンデンサである。51はスイッチ素子であり、整流回路からコンデンサ4への導通を制御する。極小電圧レベル検出回路6は、雑音による悪影響を避ける為、極小電圧値Vzを定める電圧設定回路62と比較回路61からなる。比較回路61は、整流回路3の出力電圧値とVzを常時比較し、出力電圧値がVzより低くなった時に出力信号を発生する。鋸歯状波発生回路7は、電流減算器81を中心として構成される鋸歯状波傾斜コントローラ8からの電流をコンデンサ72に貯える事により鋸歯状波の一定傾斜を作り出す。
【0019】
スイッチ素子71は、コンデンサ72の電荷を放電させて鋸歯状波のリセットを行う。スイッチ素子71は比較回路61からの出力信号で駆動される。コンパレータ9は、ツェナーダイオードを中心として構成された基準電圧設定回路10の出力である基準電圧Voと、鋸歯状波の電圧Vsを比較する。鋸歯状波の電圧VsがVoを越えた時、コンパレータ9から出力信号が出て、スイッチ素子51を導通する。これにより整流回路3の出力である脈流電圧がコンデンサ4の両端の電圧に等しくなる迄、コンデンサ4に電荷が送り込まれる。
112は電圧/電流変換器であり、トランジスタ、ホトカプラ等で構成される。コンデンサ4の両端の電圧が111の定電圧素子の電圧Vrを超えると、定電流回路73からコンデンサ72へ流れる電流を、電圧/電流変換器112からの帰還信号により制御される電流減算器81により減少させ、鋸歯状波の傾斜を制御する。
12は電圧安定用回路であり、公知の三端子集積回路を使用している。
【0020】
【発明の効果】
本発明の交流/直流変換装置は、変圧器や、インダクタンスのような、重量物や、体積の大きな物がなく、小型軽量の交流/直流変換装置が提供される。
また、回路の構成要素として、一般的なダイオード、トランジスタ等の素子のみで構成する事が出来、スイッチ素子やその制御回路に、たとえばサイリスタやダイアックのようなパルス入出力を行うラッチ動作の素子が不要で、雑音等による誤動作が無く、安定で安価な、交流/直流変換装置が提供される。
【0021】
さらに、帰還回路を設けることにより、より安定した電圧の直流出力を得ることができる。
また、帰還回路の導通時点変更を、鋸歯状波の傾斜変更により行うことにより、構成部品数の少ない安価な装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流/直流変換装置の説明図である。
【図2】本発明の交流/直流変換装置の各部の電圧、電流波形である。
【図3】本発明の交流/直流変換装置の構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源
3 整流回路
4 コンデンサ(平滑手段)
5 スイッチ素子
6 極小電圧レベル検出回路
7 鋸歯状波発生回路
8 鋸歯状波傾斜コントローラ
9 コンパレータ
10 基準電圧設定回路
11 電圧検出回路
a 整流回路3の出力電圧
b 極小電圧レベル検出回路6の出力信号
c 鋸歯状波電圧(Vs)
d コンパレータ9の出力電圧
e コンデンサ4の出力電圧
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流電力を入力し出力端子間に、直流電力を出力する交流/直流変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の交流/直流変換装置は、通常交流電圧を変圧器で変圧後、整流器で直流化し、トランジスタ等を可変抵抗素子として、これを通して直流出力を供給し、出力電圧と基準電圧の差を増幅して可変抵抗素子に負帰還を行うもので、変圧器のような、重量、体積の大きい物を必要とする他、可変抵抗素子による熱損失が大きく、効率を上げるのに限界が有った。
この対策として、サイリスタ等の制御整流素子により、位相制御を行う方式が提案されている。この方式はパルスを発生するダイアックのような素子が使用され、回路が簡単という利点はあるものの、パルス到来後の状態の復帰処置が必要な上、雑音による誤動作等も有り、安定に動作させることが困難で、電圧の急上昇が発生することもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題点を解決するため、本発明は交流入力を直接整流し、位相制御を行うことにより、所望の電圧の直流出力を得る電源装置、特に、入力交流電圧よりも低い電圧の直流出力を得ることに好適な電源装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明の交流/直流変換装置は、交流入力を整流して脈流を作り、脈流の電圧降下時の適当な時間に脈流の出力側に接続されたスイッチ素子を導通させて、充放電用のコンデンサに充電を行うように回路を構成し、充放電用のコンデンサの両端から直流を出力すると共に、脈流のゼロ電位を検出する検出回路と、当該検出回路の出力によりリセットされる鋸歯状波発生回路を有し、鋸歯状波の電圧が一定の値になった事を検出して、前記のスイッチ素子を導通させるものである。
【0005】
本発明の交流/直流変換装置は、さらに、平滑手段の出力電圧をモニターし当該出力電圧の変動に応じた信号を発生する電圧検出回路と、電圧検出回路が発生した信号に応じてスイッチの導通時点を変化させる導通時点変更手段からなる帰還回路を付加して、入出力電圧、電流の変動に対処するものである。
【0006】
【作用】
本発明の交流/直流変換装置では、脈流出力電圧の降下時の比較的短時間にスイッチ素子を導通させて、出力を行うと共に、コンデンサに充電し、残りの時間はコンデンサの充電電荷のみが出力される。
スイッチ素子の導通のタイミングは、基準電圧を設定する回路より出力される一定値又は可変の電圧値と、周期的タイマー回路から発生される鋸歯状波の電圧を比較して決定される。このスイッチ素子の断続動作は、整流回路の導通角を変化させることと等価であり、一定電圧又は可変電圧値の直流出力を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、整流回路は、半波整流回路、全波整流回路を用いることができる。また、倍圧整流回路を用いることができる。入力交流の周波数が低くても安定した出力電圧を得ることができる観点から、好ましいものは全波整流回路である。
本発明において、平滑手段は、整流回路に並列にコンデンサを入れる、いわゆるコンデンサインプット整流、または、整流回路と直列にコイルを入れ、さらに並列にコンデンサを入れる、いわゆるチョークインプット整流のいずれも用いることができる。装置を小型、軽量化する観点から、好ましいものはコンデンサインプット整流である。
本発明は入力交流最大電圧よりも低い電圧の直流、高い電圧の直流を出力する交流/直流変換装置のいずれにも適用することができる。好ましいものは、入力交流実効電圧よりも低い電圧の直流を出力する交流/直流変換装置である。
【0008】
帰還回路に用いる導通時点変更手段は、出力電圧が低くなった場合には、鋸歯状波の1サイクル中でスイッチ素子の導通時点を早くし、出力電圧が高くなった場合には、スイッチ素子の導通時点を遅くする。この帰還信号を発生する電圧検出回路は、信号として電圧値を発生するもの、信号として電流値を発生するものどちらも使用することができる。
導通時点変更手段は、例えば、信号値に応じて鋸歯状波の傾斜を変更する回路や、信号値に応じた電圧を鋸歯状波電圧Vsに加除する回路を使用することができる。
周期的タイマー回路と、帰還回路を大部分共用できる観点から、出力電圧の変動に比例する電流を発生する電圧検出回路を採用し、かつ、当該電流値に応じて鋸歯状波発生回路が発生する鋸歯状波の傾斜を変更させる導通時点変更手段を採用することが好ましい。
【0009】
【実施例】
以下に実施例により、本発明にかかる交流/直流変換装置をさらに説明する。この発明の実施例に記載されている回路名、デバイスなどは、とくに特定的な記載のない限りはこの発明をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の説明図である。図中1は交流電源、例えば100Vの商用単相交流電源(周波数が50Hz又は60Hz)であり、入力端子2A、2Bに接続されている。3はその入力側が入力端子2A、2Bに接続された整流回路であり、例えばダイオードブリッジ回路により構成される。4は平滑手段であるコンデンサであり、整流回路3からの出力電圧を直流の電荷として貯える。5は整流回路3とコンデンサ4との間に設けられ、後述のコンパレータ9により制御されるスイッチ素子である。スイッチ素子5は、整流回路3からコンデンサ4への入力を断続するもので、整流回路3から出力される脈流電圧が、一定値になった時、スイッチ素子5が閉じて、コンデンサ4に直流の電荷を誘導する。スイッチ素子5は例えばMOS−FETなどが使用される。
【0010】
6〜10は周期的タイマー回路であり、スイッチ素子5を閉じるタイミングを決定する回路である。周期的タイマー回路には、後に説明する鋸歯状波発生回路7が含まれる。
6は極小電圧レベル検出回路であり、整流回路3の出力側に接続され、整流回路3の脈流電圧が極小(通常は零)になった時点を検出する毎に、周期的に検出出力を発生する。7は鋸歯状波発生回路であり、極小電圧レベル検出回路6の検出出力により制御され、整流回路3からの脈流電圧が零になった瞬間毎に検出回路6の出力によりリセットされるように構成されており、脈流波形と同期した鋸歯状波を発生する。8は鋸歯状波傾斜コントローラであり、鋸歯状波発生回路7から発生する鋸歯状波の傾斜を制御するものである。鋸歯状波の1サイクルは、通常ゼロボルトから開始し、整流波形の最大電圧値以下の電圧で終了する。
【0011】
9はコンパレータ、10は基準電圧設定回路である。コンパレータ9は、鋸歯状波発生回路7からの鋸歯状波の出力電圧Vsと基準電圧設定回路10で生じた基準電圧Voとを常時比較し、両者が一致したとき検出出力を発生して、スイッチ素子5を閉じるように制御する。基準電圧Voを可変可能にするように、基準電圧設定回路10を構成することができる。Voを可変にすることにより、交流/直流変換装置の直流出力電圧を可変にすることができる。周期的タイマー回路6〜10は一般的なトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサ等で構成することができる。
【0012】
図2は、図1の各部の、電圧、電流の時間波形を示した、タイミングチャートである。
(a)は整流回路3から送りだされる、脈流電圧である。全波整流の脈流を例示している。
(b)は極小電圧レベル検出回路6の検出出力信号である。
(c)は鋸歯状波発生回路7の出力Vsであり、鋸歯状波傾斜コントローラ8への入力に応じて、コントローラ8が鋸歯状波の傾斜を変化させる。
【0013】
(d)はコンパレータ9の出力であり、鋸歯状波発生回路7の出力Vsが、10の基準電圧Voに一致したことを検出したときに出力され、この検出出力により、スイッチ5が閉じられ、整流回路3から送りだされる脈流電圧が、コンデンサ4の出力電圧と等しくなる迄、コンデンサ4に電荷が送り込まれる。
(e)はコンデンサ4の両端の出力電圧である。
【0014】
11は、コンデンサ両端の電圧検出回路である。鋸歯状波の傾斜コントローラ8は、導通時点変更手段としても作用する。よって、コンデンサ両端の電圧検出回路11と鋸歯状波の傾斜コントローラ8が帰還回路を構成する。
すなわち、コンデンサ両端の電圧検出回路11が、コンデンサの両端の電圧を検出して電圧が上昇した時には、鋸歯状波傾斜コントローラ8に発生鋸歯状波の傾斜を小さく(図2中c−1)し、逆に上記電圧が下降したときには、発生鋸歯状波の傾斜を大きく(図2中c−2)するための電流信号を送る。この電圧検出回路は、例えば、トランジスタ、定電圧ダイオード、ホトカップラ等の組み合わせで作ることができる。
【0015】
コンデンサ4の電圧が上昇した時、帰還回路の信号によって、スイッチ5を閉じる時間が遅れ(図2中d−1)、ダイオードブリッジ3から送りだされる脈流電圧値が小さくなってからスイッチ5を閉じるようになって、コンデンサ4の電圧が一定値に近付く。逆に、コンデンサ4の電圧が下降した時、スイッチ5を閉じる時間が早まり(図2中d−2)、ダイオードブリッジ3から送りだされる脈流電圧値がより大きいときにスイッチ5を閉じるようになって、コンデンサ4の電圧が一定値に近付く。
【0016】
電圧検出回路11を含む帰還回路を設けることにより、負荷に流れる電流や、入力電圧や周波数の変動に起因する、コンデンサ4の両端の電圧変化を抑制することができる。
【0017】
図2中、(e)に示したようにコンデンサ4の両端の出力電圧は、脈動が残るので、必要な場合は、コンデンサ4の出力端に公知の電圧安定用の回路12を付加することにより、さらに電圧安定度の高い電源を構成することが出来る。
6〜11の各回路の動作電源は、ダイオードブリッジ3から供給されており、図示を省略してあるが、別に動作用の電源を設ける事も可能である。また、スイッチ素子5もMOS−FETでなく、一般的なサイリスタを使用することも可能である。サイリスタを使用する場合には、コンパレータ9の出力をパルス状に整形して駆動することになる。
【0018】
図3は、本発明の交流/直流変換装置の構成図である。図3中の部分回路や部品で、図1の説明図の部分回路や部品に対応するものには同一の番号を付している。
図3中、2A、2Bは交流電源からの入力端子、3はダイオードブリッジ回路よりなる整流回路、4は平滑手段であるコンデンサである。51はスイッチ素子であり、整流回路からコンデンサ4への導通を制御する。極小電圧レベル検出回路6は、雑音による悪影響を避ける為、極小電圧値Vzを定める電圧設定回路62と比較回路61からなる。比較回路61は、整流回路3の出力電圧値とVzを常時比較し、出力電圧値がVzより低くなった時に出力信号を発生する。鋸歯状波発生回路7は、電流減算器81を中心として構成される鋸歯状波傾斜コントローラ8からの電流をコンデンサ72に貯える事により鋸歯状波の一定傾斜を作り出す。
【0019】
スイッチ素子71は、コンデンサ72の電荷を放電させて鋸歯状波のリセットを行う。スイッチ素子71は比較回路61からの出力信号で駆動される。コンパレータ9は、ツェナーダイオードを中心として構成された基準電圧設定回路10の出力である基準電圧Voと、鋸歯状波の電圧Vsを比較する。鋸歯状波の電圧VsがVoを越えた時、コンパレータ9から出力信号が出て、スイッチ素子51を導通する。これにより整流回路3の出力である脈流電圧がコンデンサ4の両端の電圧に等しくなる迄、コンデンサ4に電荷が送り込まれる。
112は電圧/電流変換器であり、トランジスタ、ホトカプラ等で構成される。コンデンサ4の両端の電圧が111の定電圧素子の電圧Vrを超えると、定電流回路73からコンデンサ72へ流れる電流を、電圧/電流変換器112からの帰還信号により制御される電流減算器81により減少させ、鋸歯状波の傾斜を制御する。
12は電圧安定用回路であり、公知の三端子集積回路を使用している。
【0020】
【発明の効果】
本発明の交流/直流変換装置は、変圧器や、インダクタンスのような、重量物や、体積の大きな物がなく、小型軽量の交流/直流変換装置が提供される。
また、回路の構成要素として、一般的なダイオード、トランジスタ等の素子のみで構成する事が出来、スイッチ素子やその制御回路に、たとえばサイリスタやダイアックのようなパルス入出力を行うラッチ動作の素子が不要で、雑音等による誤動作が無く、安定で安価な、交流/直流変換装置が提供される。
【0021】
さらに、帰還回路を設けることにより、より安定した電圧の直流出力を得ることができる。
また、帰還回路の導通時点変更を、鋸歯状波の傾斜変更により行うことにより、構成部品数の少ない安価な装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流/直流変換装置の説明図である。
【図2】本発明の交流/直流変換装置の各部の電圧、電流波形である。
【図3】本発明の交流/直流変換装置の構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源
3 整流回路
4 コンデンサ(平滑手段)
5 スイッチ素子
6 極小電圧レベル検出回路
7 鋸歯状波発生回路
8 鋸歯状波傾斜コントローラ
9 コンパレータ
10 基準電圧設定回路
11 電圧検出回路
a 整流回路3の出力電圧
b 極小電圧レベル検出回路6の出力信号
c 鋸歯状波電圧(Vs)
d コンパレータ9の出力電圧
e コンデンサ4の出力電圧
Claims (5)
- 交流入力を整流し整流波形の電流を得る整流回路を有し、当該電流を、スイッチを介して断続的に平滑手段に入力し、当該平滑手段から直流出力をとりだす交流/直流変換装置において、
当該整流波形と同期した鋸歯状波を発生する鋸歯状波発生回路を含む周期的タイマー回路により、当該スイッチの断続動作を制御することを特徴とする交流/直流変換装置。 - 当該周期的タイマー回路は、当該整流波形の極小電圧レベルを検出する検出回路と、当該検出回路の出力によりリセットされる当該鋸歯状波発生回路を含むものであって、
当該鋸歯状波の電圧が所定の値になったことを検出して、当該スイッチを導通させることを特徴とする請求項1記載の交流/直流変換装置。 - 当該整流回路が全波整流回路であり、当該平滑手段がコンデンサであり、可変基準電圧設定回路を有し、
当該鋸歯状波の電圧が、当該可変基準電圧設定回路より出力される電圧値と等しい値になったことを検出して、当該スイッチを導通させることにより出力電圧を可変としたことを特徴とする請求項1乃至2いずれか記載の交流/直流変換装置。 - 当該平滑手段の出力電圧をモニターし当該出力電圧の変動に応じた信号を発生する電圧検出回路と、当該電圧検出回路が発生した信号に応じて当該スイッチの導通時点を変化させる導通時点変更手段からなる帰還回路を付加したことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の交流/直流変換装置。
- 当該電圧検出回路は、出力電圧の変動に比例する電流を発生し、当該導通時点変更手段は、当該電流値に応じて当該鋸歯状波発生回路が発生する当該鋸歯状波の傾斜を変更させることを特徴とする請求項4記載の交流/直流変換装置。
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JP2009506481A (ja) * | 2005-06-30 | 2009-02-12 | ルートロン エレクトロニクス カンパニー インコーポレイテッド | マイクロプロセッサで制御された電源を有する調光器 |
CN101882881A (zh) * | 2009-05-08 | 2010-11-10 | 理察·蓝德立·葛瑞 | 一种降低电容值使用量的方法及其装置 |
KR101127373B1 (ko) | 2010-08-06 | 2012-03-29 | 리엔 창 일렉트로닉 엔터프라이즈 컴퍼니 리미티드 | 제로-전압 시동 메카니즘을 갖는 전력 변환 시스템 및 제로-전압 시동 장치 |
JP2015503899A (ja) * | 2012-03-06 | 2015-02-02 | ▲広▼州金▲昇▼▲陽▼科技有限公司 | 交流を直流に変換する電気回路 |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002351949A patent/JP2004187417A/ja active Pending
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