JP3643005B2 - 超音波探触子 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は超音波探触子に関し、特に構成部品の位置合わせに係る。
【０００２】
【従来の技術】
従来、音響レンズとハウジングを有する超音波探触子は特開平６−１０５８４４号公報に記載されたものが知られている。図４は従来の超音波探触子を示しており、機械的寸法精度に関与される部品で構成されている。この超音波探触子は、ケース１１と、このケース１１の背面に施された導電性塗装によるシールド皮膜１２と、超音波振動子１３と、この超音波振動子１３の背面に設けられたバッキング材１４と、超音波振動子１３の前面に設けられた音響整合層１５と、この音響層の前面に積層された音響レンズ１６を備えている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の音響レンズとハウジングの構成においては、その位置精度は構成部品の機械的な寸法に左右されるという問題点を有していたにもかかわらず、それらの位置精度を調整する構成にはなっていない。
【０００４】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、位置合わせを容易にできるようにし、短時間で精度良い位置合わせに優れた超音波探触子を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に係る発明は、超音波振動素子と一体化してなる弾性体の音響レンズと、音響レンズを収納するハウジングとを有し、探触子外形のあたり面が面一状態の段差のない滑らかな面となるように音響レンズと前記ハウジングの相対位置が調整ネジにより移動可能な超音波探触子である。
この構成により、音響レンズの体表接触面とそれを収納するハウジングの体表接触面との相対位置関係を容易に調整することができ、精度のよい体表接触面の面合わせを行ない、被検体に最適に接触することができる。
本発明の請求項２に係る発明は、音響レンズはつば部を有する請求項１に記載の超音波探触子である。
この構成により、弾性体の硬度を適切にしたつば部によって、音響レンズとハウジングとの位置の微調整を容易に行うことができる。
また、請求項３に係る発明は、ハウジングに接する音響レンズの当たり面が突起形状を有する請求項１または請求項２に記載の超音波探触子である。
この構成により、音響レンズとハウジングの相対位置が調整ネジにより移動可能であり、音響レンズの前後への移動調整により最適な位置関係を作り出すことができ、面一状態での段差のない滑らかな探触子外形のあたり面が得られるという作用を有する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図１ないし図３を用いて説明する。
図１は本発明の実施の形態による超音波探触子の断面図である。
図１において超音波探触子１は、弾性体の音響レンズ２、超音波素子３、バッキング４、基板５およびハウジング６とで構成されている。基板５には止めネジ９が設けられハウジング６に連結される。
【０００７】
超音波素子３はバッキング４と接着固定され、さらに、バッキング４は基板５と機械的に結合されている。超音波素子３の表面には音響レンズ２が接着等により配置される。超音波探触子１の筐体として全体を覆うハウジング６が設けられてグリップ８と結合されている。さらに超音波探触子には、超音波素子３との間で信号を送受信するケーブル７を有する。
【０００８】
音響レンズ２は段のあるつば部１０（図２または図３参照）と一体化され、この一体化された音響レンズ２は、そのつば部１０によりハウジング６に接触している。また、超音波素子３と機械的に結合された基板５はハウジング６に対して一定の間隙を設けて取付けられるようにする。そのため、基板５とハウジング６には、それぞれ対応する位置に、たとえば、基板５には２つの貫通する孔と、ハウジング６には２つのネジ孔を有する。この様な位置関係を有して音響レンズ２はハウジング６に組み込まれる。この時、音響レンズ２はハウジング６の先端に対しより窪んで配置される。
【０００９】
次に、以上のように構成された超音波探触子１について、図１を用いて音響レンズ２とハウジング６の位置関係の調整について説明する。一体化した音響レンズ２、超音波素子３、バッキング４および基板５は、基板５を貫通する孔に止めネジ９を挿入して、ハウジングに取付けられる。このような状態で、この止めネジ９を回転すれば、基板５が前後に移動するので、基板５に実質的に固定されている音響レンズ２も前後に移動し、これにより、音響レンズ２とハウジング６の位置関係を調整することができる。音響レンズ２のつばは弾性により過度の押し出しにおいて戻りを生じさせる。この様にして止めネジ９の回転で調節を行い、ハウジング６と音響レンズ２の面を含めた必要とする位置関係を得ることができる。
図２および図３に示すように、弾性体の硬度を適切にしたつば部１０、およびそのつば部に設けた突起１０１を有する音響レンズ２を配することによって、音響レンズ２とハウジング５との位置の微調整を容易に行うことができる。
【００１０】
【発明の効果】
以上の構成により、本発明は、超音波振動素子と一体化してなる弾性体の音響レンズと、音響レンズを収納するハウジングとを有し、探触子外形のあたり面が面一状態の段差のない滑らかな面となるように音響レンズと前記ハウジングの相対位置が調整ネジにより移動可能であり、音響レンズの前後への移動調整により最適な位置関係を作り出すことができ、面一状態での段差のない滑らかな探触子外形のあたり面が得られるという作用を有する。さらに、本発明は容易に調節できるため作業が複雑でなく、コストの面からも安価に提供できる効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態による超音波探触子の断面図
【図２】本発明の実施の形態による音響レンズの斜視図
【図３】本発明の実施の形態による変更した音響レンズの斜視図
【図４】従来の超音波探触子の断面図
【符号の説明】
１ 超音波探触子
２ 音響レンズ
３ 超音波素子
４ バッキング
５ 基板
６ ハウジング
７ ケーブル
８ グリップ
９ 止めネジ
１０ 音響レンズのつば部
１０１ つば部の突起

Claims (3)

1. 超音波振動素子と一体化してなる弾性体の音響レンズと、前記音響レンズを収納するハウジングを有し、探触子外形のあたり面が面一状態の段差のない滑らかな面となるように前記音響レンズと前記ハウジングの相対位置がネジにより移動可能であることを特徴とする超音波探触子。
2. 前記音響レンズはつば部を有する請求項１に記載の超音波探触子。
3. 前記ハウジングに接する音響レンズの当たり面が突起形状を有する請求項１または請求項２に記載の超音波探触子。

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