JP3642759B2 - 鉄道信号保安装置用知的端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道信号保安装置に用いられる知的端末に関し、詳しくは、上位機器と現場機器とをネットワークで結んだときに、現場機器に組み込まれて又は付設されてその電子制御を行う知的端末に関する。
鉄道信号保安装置の現場機器には、鉄道用信号機や,踏切警報機,電気転てつ機,踏切遮断機,軌道回路装置などが挙げられる。これらは、軌道に対して又はそれに臨んで、広範囲に設けられる。
鉄道信号保安装置の上位機器には、現場機器のそれぞれに対応した制御器や,電子連動装置,駅制御装置,中央制御装置,監視装置などが挙げられる。これらは、軌道から離れたところに設置されるものであり、大抵は機器室や監視センタ等に集中して設けられる。
【0002】
【従来の技術】
図8の鉄道信号保安装置は、現場機器4の具体例として色灯式信号機を示したものであり、図8(a)はその設置状況図、同図(b)は概要ブロック図、同図(c)は要部の電気回路図である。
そのような鉄道用信号機(4)は、信号現示に対応した例えば緑G,黄Y,赤Rのランプユニット4g,4y,4r(信号電球、LED光源)を信号機の筐体内に内蔵しており、そのランプユニット4g,4y,4rが多芯の信号ケーブル3を介して連動装置等の上位機器2にて点灯制御されるようになっている。
【0003】
その鉄道信号保安装置の設置に際し(図8(a)参照)、現場機器4は軌道1(鉄道線路)に臨んで点在して設けられるのに対し、上位機器2は軌道1から離れた機器室等に集中して設けられる。ケーブル3は、現場機器4毎に設けられ、現場機器4から上位機器2まで延びている。
現在、上位機器2には(図8(b)参照)、鉄道の信号保安に要求されるフェールセーフ性を確保するために、フェールセーフコンピュータ2aや、正常リレー2c等のリレー回路が採用されている。鉄道信号に実用化されている又は適用可能なフェールセーフコンピュータとしては、密結合バス同期式や,位相差同期式,プログラム同期式,ソフトウェアダイバシティ方式のものが挙げられる。
【0004】
正常リレー2cは(図8(c)参照)、ランプユニット4g,4y,4rにLEDが採用され、その駆動回路にスイッチングトランジスタ2g,2y,2rが用いられるようになっても、依然として用いられている。駆動回路への給電もリレーの非対称性を利用してフェールセーフにするためであり、具体的には、交流AC50Hz等の一般的な商用電源に接続される給電線に対し、駆動回路のスイッチングトランジスタ2g,2y,2rより上流側・手前のところで、正常リレー2cの常閉接点が介挿接続されている。
上位機器2は、かかる正常リレー2cを公知のフェールセーフリレードライバで駆動して、それが正常に駆動されているときだけ交流の給電を行い、それ以外は交流の給電を断つようになっている。
【0005】
そして、交流の給電が行われているときには、スイッチングトランジスタ2g,2y,2rが、フェールセーフコンピュータ2aの制御ルーチン等にて生成された制御信号Cg,Cy,Crに従って、現場機器4への駆動電流の導通遮断を行う。これはケーブル3の手前で行われ、正常リレー2c及びスイッチングトランジスタ2g等が共に導通状態のときに限りケーブル3を介して現場機器4への通電が行われる。上位機器2は、その通電状態をコイル2e等の電流センサで検出するとともに、その検出信号Bg,By,Brをフェールセーフコンピュータ2aに取り込んで、監視ルーチンにて監視するようになっている。なお、ランプユニット4g等の駆動を例えば直流24Vで行う場合、現場機器4にトランス4aやダイオードスタック4bが設けられ、ケーブル3を介して受けた交流AC50Hzをトランス4aで100Vから降圧するとともにダイオードスタック4bで整流して必要な駆動電流が生成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の鉄道信号保安装置では、現場機器毎に専用の信号ケーブルを要することから、多数の現場機器を監視制御する駅構内の機器室等には何本ものケーブルが集中する。そのため、設備の保守や更新などに、多大な労力・経費・時間を費やしている。さらに、設置スペース等の問題もある。
そこで、鉄道の分野でも、LAN(Local Area Network)等のネットワークを導入して、多数の専用ケーブルをそれより本数が少なくて済む共用のネットワークで置き換えることが検討されつつある。
【0007】
その場合、一般技術によれば、鉄道信号保安装置でも、電子回路からなる知的端末を各現場機器に導入し、その知的端末に、上位機器との通信機能や、上位機器からの制御指令に応じた局所制御、信号現示状態等の動作情報の報告などの機能を持たせることとなる。また、現場機器の駆動電流についても、現場で又は現場に近いところ等から利用し易い交流の給電を受けて、局所制御に応じて局所で生成することが望まれる。
しかしながら、鉄道信号保安装置の現場機器については、専用ケーブルからネットワークへの移行に伴って各現場機器に導入される知的端末に対して課される条件が特に厳しい。知的端末設置先の現場機器に振動が伝わってくる環境下でもフェールセーフ性は確保しなければならないのである。
【0008】
具体的には、通信や局所制御を担う論理部のフェールセーフ性を確保するのはもちろん、その局所制御に従って現場機器の駆動電流を生成する駆動部についてもフェールセーフ性を確立することが必要とされるが、振動に弱いリレーは現場への設置を避けたいので、フェールセーフリレードライバや正常リレー等は使い慣れたものであってもそれを知的端末に採用することができない。
そこで、鉄道信号保安装置の現場機器に適合した知的端末の実用化を図るには、耐振動性をも具えたフェールセーフな電子回路をリレー以外のもので具現化するよう回路構成等に工夫を凝らすことが技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、振動に強いフェールセーフな鉄道信号保安装置用知的端末を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第5の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0010】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末は、出願当初の請求項1に記載の如く、鉄道信号保安装置の現場機器に組み込まれて又は付設されてその電子制御を行うために、以下の通信接続部とフューズと駆動部と論理部とを備えている。その駆動部には以下の第1開閉手段と第2開閉手段とトランスと検出手段とが具備され、論理部には以下の局所制御手段と診断手段とが具備されている。
【0011】
上記通信接続部は、前記鉄道信号保安装置の機器間を結ぶ通信回線に接続されると、上位の制御装置や監視装置などとの通信を可能にするものである。
上記フューズは、交流電源に接続される給電線に対して介挿されていて、溶断すると前記給電線の電流を遮断するようになっている。
上記第1開閉手段は、前記給電線を流れる電流の遮断導通を行うものであり、上記第2開閉手段は、前記給電線の分岐線を流れる電流の遮断導通を行うものであり、双方の遮断状態で前記フューズ経由の通電が停止されるのに対し、何れか一方の導通状態で前記フューズ経由の通電が続行されるようになっている。
【0012】
上記トランスは、一次側が前記給電線に介挿接続され、二次側が直に又は整流回路等を介して間接的に前記現場機器と接続されていて、前記現場機器に電力を供給するようになっている。
上記検出手段は、前記給電線に流れている電流すなわち前記トランスの一次側に流れている電流を検出するものである。
上記局所制御手段は、上記の監視装置などから前記通信接続部を介して受けた制御指令に基づいて前記第1開閉手段の制御を行うものである。
上記診断手段は、前記検出手段の出力に基づいて前記第1開閉手段の診断を行い且つその診断結果を前記通信接続部を介して上記の監視装置などへ送出するとともに異常を検知したときには前記第2開閉手段を制御して前記フューズを溶断させるようになっている。
【0013】
このような第1の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、局所制御や報告等が上位機器との通信にて行われるので、ネットワークの導入に適合している。また、交流から現場機器の駆動電流を生成する駆動部については、第1開閉手段にてトランスへの給電を遮断導通することで駆動状態を自在に切替制御しうるようになっているうえ、その第1開閉手段の診断が行われて、診断結果が上位の監視装置等に報告され、さらに異常検知時には第2開閉手段にてフューズを溶断させて給電・通電が確実に断たれる。
【0014】
このように、異常検知時には交流の給電を確実に断って現場機器の状態を安全側に強制するので、この知的端末を用いればフェールセーフ性の確立が容易になる。しかも、その給電停止を担う素子には、正常リレーに代えてフューズが採用されているので、振動にも強い。
したがって、この発明によれば、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を実現することができる。
【0015】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末は、出願当初の請求項2に記載の如く、上記の第1の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末であって、前記論理部に第1マイクロプロセッサと第2マイクロプロセッサとが設けられており、前記第1マイクロプロセッサには前記局所制御手段が設けられ、前記第2マイクロプロセッサには前記診断手段が設けられている、というものである。
【0016】
このような第2の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、第1マイクロプロセッサによる局所制御の実行結果等に異常が有ると、第2マイクロプロセッサによって、その異常が検知されるとともに、駆動部の給電が停止させられる。
これにより、局所制御の異常が現場機器にまで及んで現場機器が誤現示や誤動作するといった不所望な事態は回避されるので、駆動部ばかりか論理部についても、フェールセーフ性の確立が容易になる。
したがって、この発明によれば、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を容易に実現することができる。
【0017】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末は、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第2の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末であって、前記分岐線の両端が共に前記給電線に接続されていて前記第1開閉手段と前記第2開閉手段とが並列になっている、というものである。
【0018】
このような第3の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、第1開閉手段によって遮断導通を切り替えられた給電状態も、第2開閉手段によって遮断導通を切り替えられた給電状態も、合流箇所に設けた検出手段であれば何れも検出できるので、一の検出手段を第1開閉手段の診断だけでなく第2開閉手段の診断にも用いることが可能となる。
これにより、回路の素子数が少なくなって、その分だけ知的端末が小形になる。
したがって、この発明によれば、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な小形の鉄道信号保安装置用知的端末を容易に実現することができる。
【0019】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末は、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第3の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末であって、前記局所制御手段が、前記第1開閉手段を導通させるとき前記交流の第1周波数より高い第2周波数で断続させるものであり、前記診断手段が、単発のパルスにて前記第2開閉手段を導通させてその診断を行うものであり、前記トランスが、前記第1周波数の入力では飽和し前記第2周波数の入力では飽和しないようになっている、というものである。
【0020】
このような第4の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、トランスに第1周波数の入力で飽和するものを採用したので、第1周波数の入力でも飽和しないものを用いたときより、トランスが小形になる。また、第1,第2開閉手段の何れが故障したときでも、その故障状態が導通状態を継続するものの場合、論理部による診断や制御を待つまでもなく、フューズが溶断して不所望な給電が断たれる。これにより、駆動部のフェールセーフ性が確実に確立されることとなる。さらに、第2開閉手段の導通診断をパルスにて行うようにもしたことから、トランスを上述のように小形化しても、フューズ溶断を招くことなく診断が行えるので、診断機能が損なわれることもない。
したがって、この発明によれば、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な小形の鉄道信号保安装置用知的端末を確実に実現することができる。
【0021】
[第5の解決手段]
第5の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末は、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の第2〜第4の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末であって、前記通信接続部を介して送出する電文に含ませる送信データを前記第1マイクロプロセッサが生成し、その電文に含ませる誤り検出用の又は誤り訂正用の冗長データを前記第2マイクロプロセッサが生成するようになっている、というものである。
【0022】
このような第5の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、送信データの生成と冗長データの生成とが両プロセッサで分担して行われる。
両方の生成処理を同じプロセッサで行うと、誤った送信データが生成されたとき、それに基づいて生成される冗長データも、高い確率で誤ったものになるうえ、冗長データを利用した上位機器による誤り検出をすり抜けるようなものになる。
【0023】
これに対し、データ生成を別プロセッサに分担させたことにより、送信データの誤生成に対する冗長データ誤生成の依存性が弱められるので、冗長データを利用した上位機器による誤り検出能が強化されることとなる。そして、知的端末の誤報告に基づいて上位機器が不適切な監視や制御を行うという不所望な事態も起こり難くなる。
したがって、この発明によれば、振動に強いうえフェールセーフで更に信頼性も高くて現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を容易に実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の鉄道信号保安装置用知的端末について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第6実施例により説明する。
図1に示した第1実施例は、上述した第1の解決手段を具現化したものであり、図2,図3に示した第2実施例は、上述した第2〜第5の解決手段も具現化したものであり、図4に示した第3実施例や、図5に示した第4実施例は、その変形例・応用例であり、図6に示した第5実施例や、図7に示した第6実施例は、それを用いた鉄道信号保安装置のシステム構築例である。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
【0025】
【第1実施例】
本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、鉄道信号保安装置の現場機器4の具体例として従来例の図8同様に色灯式信号機を示したものであり、図1(a)はその設置状況図、同図(b)は概要ブロック図、同図(c)は知的端末の回路図である。
【0026】
この鉄道信号保安装置が従来例のものと相違するのは、多数の専用ケーブル3に代えて共用のネットワーク30が敷設されている点と(図1(a)参照)、それに伴い上位機器2が改造されてネットインターフェイス21を具えた上位機器20になっている点と(図1(b)参照)、知的端末40が現場機器4の接続箱や灯箱等に格納設置されてネットワーク30とランプユニット4g等の作動部とに介在しそれらを繋いでいる点である(図1(b)参照)。
【0027】
ネットワーク30(通信回線)は、例えば汎用のイーサネット(登録商標)等を用いたLANやWAN(Wide Area Network)が採用され、上位機器20と各現場機器4の知的端末40とに亘って敷設されていて、それらを通信可能に結んでいる。
上位機器20は、リレー回路2cやスイッチングトランジスタ2g,2y,2r等に代えて組み込まれたネットインターフェイス21と、上記のネットワーク30とを介して、任意の知的端末40に対して制御指令の電文を送出するとともに、何れの知的端末40からも報告電文を受け取って監視等を行うようになっている。
【0028】
知的端末40は(図1(c)参照)、通信接続部としてのネットインターフェイス41と、規定値以上の電流が流れると溶断するフューズ43と、交流の商用電源AC50Hz100Vからランプユニット4gの駆動電流を生成する駆動部44〜47と、フェールセーフコンピュータからなる論理部48とを備えた電子回路であり、リレーを含んでいない。駆動部44〜47には、第1開閉手段としてのスイッチングトランジスタ44と、第2開閉手段としてのスイッチングトランジスタ45と、電圧変換用の結合トランス46と、検出手段としてのコイル47(電流センサ)が実装されている。論理部48には、局所制御手段としての局所制御ルーチンと、診断手段としての診断ルーチンが、インストールされている。
【0029】
ネットインターフェイス41(通信接続部)は、ネットワーク30の通信プロトコルをサポートしていて、着脱自在なコネクタ等にてネットワーク30に接続されると、上位機器20などとの電文送受による通信を可能にするものである。そして、ネットワーク30を介して上位機器20から制御指令の電文を受信するとその指令を論理部48に引き渡し、論理部48から現示状態や診断結果などの報告電文の送出依頼を受け取るとその電文をネットワーク30経由で上位機器20等へ送信するようになっている。
【0030】
局所制御ルーチンは、上位機器20からネットインターフェイス41を介して制御指令を受けると、それに基づいて制御信号Cを生成し、これをスイッチングトランジスタ44に送出してその遮断導通状態を制御するようになっている。ランプユニット4gを点灯させるか滅灯させるかに対応して、制御信号Cをハイ/ロー変化させ、それによってスイッチングトランジスタ44が導通状態/遮断状態の何れかになる。また、その点灯は診断ルーチンの診断結果に異常が見られないときに限って行うようになっている。
【0031】
診断ルーチンは、定期的に又は不定期に、コイル47の検出信号Bやコイル47aの検出信号BBを入力し、検出信号Bに基づいてスイッチングトランジスタ44の診断を行うとともに、検出信号BBに基づいてスイッチングトランジスタ45の診断を行う。また、その診断結果を報告電文に含めて、それをネットインターフェイス41経由で上位機器20へ送出することも行う。さらに、診断結果に基づいて制御信号Dを生成し、これをスイッチングトランジスタ45に送出してその遮断導通状態を制御するようになっている。そして、スイッチングトランジスタ44等に異常が有ることを検知すると、制御信号Dにてスイッチングトランジスタ45を導通させてフューズ43を溶断させる。その手順や診断基準等については後の動作説明にて詳述する。
【0032】
フューズ43は、商用電源AC50Hzから交流の供給を受ける給電線42に対して介挿されていて、溶断すると給電線42の電流を遮断するようになっている。例えば透明な保護管に封入されていてその管と共に自在に着脱しうるものが採用されて、交換作業を容易かつ迅速に行えるようになっている。このフューズ43と直列状態で順にスイッチングトランジスタ44とトランス46の一次側巻線とコイル47が給電線42に介挿接続されるのに対し、スイッチングトランジスタ45とコイル47aは、フューズ43とスイッチングトランジスタ44との間の給電線42から分岐した分岐線42aに介挿接続されている。
【0033】
スイッチングトランジスタ44は、例えばエンハンスメント形のMOSトランジスタが用いられ、給電線42を流れる電流の遮断導通を行うために、ソース及びドレインの一方が給電線42に接続され、ソース及びドレインの他方がトランス46の一次巻線の両端子のうち一方に接続され、ゲートが制御信号Cを受けるようになっている。
トランス46は、商用電源AC50Hzで飽和しないものが用いられ、一次巻線の両端子のうち他方が給電線42のリターン側に接続され、二次巻線の両端子に整流用ダイオードスタック46aが接続されていて、通電時にはランプユニット4gに直流の駆動電流を供給するようになっている。
コイル47は、給電線42のリターン側に巻かれており、給電線42に流れている電流を検出して検出信号Bを生成し、それを論理部48に送出するようになっている。
【0034】
スイッチングトランジスタ45は、例えばエンハンスメント形のMOSトランジスタが用いられ、分岐線42aを流れる電流の遮断導通を行うために、ソース及びドレインが分岐線42aに介挿接続され、ゲートが制御信号Dを受けるようになっている。
コイル47aは、分岐線42aに巻かれており、分岐線42aに流れている電流を検出して検出信号BBを生成し、それを論理部48に送出するようになっている。
【0035】
それらのうちスイッチングトランジスタ44とトランス46とダイオードスタック46aとコイル47は、素子単体で見ればそれぞれ従来例のスイッチングトランジスタ2gとトランス4aとダイオードスタック4bとコイル2eと同じものでも良いが、トランス46やダイオードスタック46aだけでなくスイッチングトランジスタ44やコイル47までも、上位機器20側でなく、知的端末40に組み込まれて、現場機器4側に設けられている。
【0036】
この第1実施例の鉄道信号保安装置用知的端末について、その使用態様及び動作を説明する。
【0037】
軌道1上の列車走行状態等に応じて、ランプユニット4gを点灯させるときには、その旨の制御指令が、上位機器20にて生成され、所定の電文形式でネットワーク30を介して該当現場機器4の知的端末40に送信される。その受信先の知的端末40では、その制御指令がネットインターフェイス41から論理部48に引き渡され、局所制御ルーチンのプログラム処理によって、正常状態であれば、制御信号Cがハイにされ、スイッチングトランジスタ44がオンして、給電線42が導通状態になり、フューズ43,スイッチングトランジスタ44,トランス46,及びコイル47に交流の電流が流れる。
【0038】
トランス46に通電されると、ダイオードスタック46aから駆動電流が供給されて、ランプユニット4gが点灯する。また、コイル47によって検出信号Bが電流に対応した値にされる又は有意にされる。そして、その検出信号Bと制御信号Cとが診断ルーチンによって比較され、検出信号Bが制御信号Cに対応していれば正常と診断され、制御信号Cが変化しても検出信号Bがそれに対応した変化を示さないとき等には異常と診断される。その診断結果は、ネットワーク30を介して上位機器20に報告されるとともに、制御信号Dの生成にも供され、正常時には制御信号Dはローに維持されるので、スイッチングトランジスタ45がオフ状態・遮断状態を保ち、分岐線42aには電流が流れない。
【0039】
点灯状態のランプユニット4gを滅灯させるときにも、その旨の制御指令が上位機器20からネットワーク30を介して該当する知的端末40に送信される。そして、その知的端末40では、その制御指令に従って、制御信号Cがハイからローにされる。これによって、スイッチングトランジスタ44がオフし、給電線42が遮断され、トランス46の通電が停止して、ランプユニット4gの駆動電流が無くなり、ランプユニット4gが滅灯する。正常時には、このようにして、ランプユニット4gの点滅制御が上位機器20の指令に従って行われる。
【0040】
これに対し、診断ルーチンが異常を検知したときには、制御信号Dがハイにされるので、スイッチングトランジスタ45が導通して、分岐線42aに電流が流れる。この交流電流は、フューズ43を通るが、トランス46のようなインダクタンス成分・抵抗成分を通らないので、フューズ43を溶断させるのに十分な大電流となる。そして、その電流をコイル47aで検出した検出信号BBに基づいて、フューズ43の溶断が診断ルーチンによって検知されると、制御信号Dがロー状態に戻されるとともに、スイッチングトランジスタ44の修理やフューズ43の交換を促すために、知的端末40から上位機器20へ異常発生の報告が送信される。異常時には、制御信号Cもロー状態に強制される。
【0041】
こうして、スイッチングトランジスタ44の故障時には、スイッチングトランジスタ45まで同時に故障しなければ、フューズ43の溶断にてランプユニット4gの誤点灯が確実に防止されるので、この鉄道信号保安装置はフェールセーフなものとなる。また、現場機器4や知的端末40にはリレーが含まれておらず、その電子回路は振動に比較的強いヒューズ等で構成されているので、列車走行等によって軌道1が振動しても現場機器4が誤動作するおそれはない。
【0042】
【第2実施例】
図2に回路図を示した本発明の鉄道信号保安装置用知的端末50が上述した第1実施例の知的端末40と相違するのは、論理部48に代わる論理部58がプログラム同期式に似たフェールセーフコンピュータになっている点と、給電線42を介して駆動部に供給される交流電源が50Hzから400Hz(第1周波数)になった点と、トランス46に代わるトランス56が小形になりAC50Hzはもとより交流AC100V400Hzの通電でも飽和するようになっている点と、フューズ43とトランジスタ44との接続点で給電線42から分かれた分岐線42aがトランジスタ44とトランス56との接続点で再び給電線42に接続されている点である。
【0043】
また、図2の回路では、フューズ43より上流側の給電線42に対して、保安用の真空避雷管51と、論理部58やネットインターフェイス41の作動に必要な直流の電力を生成する電源回路52と、それら外部側からサージが駆動部に侵入するのを阻止するとともに駆動部から外へスイッチングノイズ等が出ないようにするためのローパスフィルタ53が設けられている。また、論理部と駆動部との絶縁性を高めてサージ耐力を強化する等のために、制御信号Cのラインにはフォトカップラ44aが介挿され、制御信号Dのラインにはフォトカップラ45aが介挿されている。これらにより、この知的端末50は、より実用的なものとなっている。
【0044】
さらに、上記相違点・改良点について詳述すると、論理部58については、ワンチップマイコン等からなるマスターCPU58a(第1マイクロプロセッサ)とスレーブCPU58b(第2マイクロプロセッサ)とが設けられ、マスターCPU58aが局所制御を遂行するとともに、その正当性をスレーブCPU58bがチェックするようになっている。具体的には、マスターCPU58aには、送受信ルーチンや、局所制御ルーチンの他、診断ルーチンの一部と、新たなチョッパルーチンがインストールされている。スレーブCPU58bには、受信ルーチンや、診断ルーチンの他と、新たな比較判定ルーチンと、パルス発生ルーチンがインストールされている。
【0045】
マスターCPU58aの送受信ルーチンは、ネットインターフェイス41を介して制御指令等の制御情報の受け取りに加えて動作状態や診断情報の送出も仲介するようになっている。チョッパルーチンは、局所制御ルーチンが制御信号Cを生成する際にその下請けルーチンとして働き、局所制御ルーチンが制御信号Cをハイにしておこうとしているときに、制御信号Cを10kHz(第2周波数)でハイ/ロー変化させるようになっている。また、マスターCPU58aの診断ルーチンは、コイル47の検出信号Bを入力して駆動部の診断は行うが、制御信号Dの生成までは行わないようになっている。さらに、マスターCPU58aの処理内容を示すデータとして上位機器20への送信データや駆動部への出力内容およびその制御タイミングなどが挙げられるが、それらのデータGがスレーブCPU58bへ比較のため随時送出されるようになっている。
【0046】
スレーブCPU58bの受信ルーチンは、制御情報の受け取り仲介だけ行うようになっている。比較判定ルーチンは、局所制御ルーチンの処理のうち演算部分だけ行ってそれをデータGとを突き合わせたり、自機の診断ルーチンから診断結果を受け取ってそれをデータGとを突き合わせたりして、マスターCPU58aが正常か異常かを判別するようになっている。スレーブCPU58bの診断ルーチンは、検出信号Bや制御信号C等に基づくトランジスタ44の診断および制御信号Dの生成を既述の内容にて行うのに加えて、パルス発生ルーチンを起動して診断用の単発パルスを発生させるとともに、これを制御信号Dに送出した時の検出信号Bを監視することで、トランジスタ45の診断も行うようになっている。そのパルスの幅は、フューズ43を溶断させないよう狭くしなければならないが、検出対象が交流でも検出信号Bが確実に得られるよう、限度内で広くされる。具体的には、400Hzの第1周波数と10kHzの第2周波数との間の第3周波数の半波に対応した1msになっている。
【0047】
また、スレーブCPU58bは、データGに電文送出予定の送信データが含まれているときには、それに基づいてCRC(サイクリックリダンダンシーチェック、冗長データ)を算出し、これを送信データに付加した電文データFをマスターCPU58aに返送する。その際、比較判定ルーチンや診断ルーチンによる異常検知がなされて未だリセットされていなければ、CRCの値を不使用値たとえば“0”に強制することも行う。このように、論理部58は、ネットインターフェイス41を介して送出する電文に含ませる送信データの生成はマスターCPU58aが行う一方、その電文に含ませるCRCの生成はスレーブCPU58bが行うことで、両プロセッサの役割が分担され、上位機器20による伝送誤り機能を利用して知的端末50の故障も検出しうるものとなっている。
【0048】
駆動部の相違点・改良点についても詳述すると、交流電源の周波数が50Hzから400Hzに上がったことと、その通電でトランス56が飽和するようにしたこととの相乗効果により、トランス56はトランス46よりも各段に小形なものとなっている。もっとも、トランス56には、交流AC100V400Hz(第1周波数)の入力では飽和してもそれより高い10kHz(第2周波数)の入力では飽和しないものが採用されている。
【0049】
また、上述したように分岐線42aの両端が共に給電線42に接続されたことによって、トランジスタ44とトランジスタ45とが並列になっている。具体的には、両トランジスタ44,45のドレイン同士が接続されるとともにソース同士も接続されていて、フューズ43及びトランス56の通電がトランジスタ44,45の何れでも行えるようになっている。
【0050】
この第2実施例の知的端末50について、その使用態様及び動作を説明する。図3(a)〜(f)は、各信号の波形例であり、図3(g)は、電文構造図である。
【0051】
この場合、上位機器20からの制御指令等に基づいてマスターCPU58aが局所制御を行って制御信号Cが生成され、その制御状態を示すデータGや検出信号Bに基づいてスレーブCPU58bが診断を行って制御信号Dが生成されるが、診断によって異常が検知されないときには即ち正常時には、制御信号Dはランプユニット4gの点灯/滅灯に拘わらず原則としてロー状態を維持する。これに対し、制御信号Cは、滅灯時にはロー状態を維持するが(図3(a)参照)、点灯時には10kHzでハイロー切り替わる(図3(b)参照)。
【0052】
その制御信号Cに従ってトランジスタ44の遮断導通状態も10kHzで断続させられるので、トランス56の一次巻線に印可される入力電圧Eは、400Hzの正弦波を10kHzでチョッピングした波形のものとなる(図3(c)参照)。そして、トランス56には、10kHz及びその高調波からなる電流が流れるので(図3(d)参照)、トランス56が飽和しない状態で、ランプユニット4gへの駆動電流の生成がなされる。この状態では、給電線42を介してトランス56及びフューズ43を流れる電流が、トランスのインダクタンス及び抵抗によって抑えられるので、フューズ43が溶断することは無くて、ランプユニット4gの点灯が適切に制御される。
【0053】
また、正常時には、その制御の合間を縫って、あるいはその制御と並行して定期的に又は不定期に、スレーブCPU58bによるトランジスタ45の診断も行われる。その診断時には、制御信号Dによって1msの短期間だけトランジスタ45がオンして(図3(e)参照)、トランス56やコイル47に通電がなされる。その通電は、400Hzの交流波形の一部を切り出したものとなり、単発では、ランプユニット4gを視認可能なまで点灯させるほど大きな駆動電流を生成することができない。また、その電圧波形Eには、交流波形とパルス波形とのずれ具合によって種々の波形が発現するが(一例として図3(f)参照)、その波形変化は、検出信号Bを監視することで確認される。そして、異常が検知されると、スレーブCPU58bの診断ルーチンによって、制御信号Dがハイに維持され、トランジスタ45が導通状態を継続するので、トランス56が飽和して大きな電流が流れ、フューズ43が溶断する。
【0054】
さらに、トランジスタ44,45の何れか一方または双方が故障して、制御信号C,Dに従わなくなり、導通状態に固定されたような場合も、トランス56を飽和させる大電流が流れてフューズ43が溶断する。特にトランジスタ44が導通状態に固定されると同時にトランジスタ45が遮断状態に固定される同時故障が発生したときでも、この実施例の回路であれば、フューズ43が溶断する。トランジスタ44,45のオン故障は、鉄道信号の分野では安全側で無いとされるランプユニット4gの点灯を引き起こすのに対し、この知的端末50では、トランジスタ44,45の何れか一方の故障はもちろん同時故障についても、フューズ溶断にて迅速かつ確実に安全側の滅灯状態への強制がなされるので、フェールセーフ性が高い。
【0055】
また、報告電文など知的端末50から上位機器20へ送信する電文については(図3(g)参照)、送信データやヘッダーはマスターCPU58aによって作成され、CRCはスレーブCPU58bによって作成され、それらがマスターCPU58aによって組み合わせられたうえでネットワーク30に送出される。これを受信した上位機器20では、CRCチェックが行われて、誤りが見つかれば、伝送エラーが発生したものとして、その電文のデータは採用されない。
【0056】
そして、そのことを前提として、データGに基づく比較判定でマスターCPU58aの誤作動が判明したときには、スレーブCPU58bによってCRCが“0”に強制されるので、例えマスターCPU58aがその電文を不所望に送信してしまった場合でも、その送信データは上位機器20によって採用されないので、安全である。しかも、上位機器20は、CRCの値を調べて、知的端末50の故障を伝送エラーから切り分けることもできる。また、データGに基づく比較判定では見いだせないような誤作動や故障が発生したような場合でも、それがスレーブCPU58bのCRC算出に及ぶものであれば、そのときの送信データも上位機器20によって採用されないので、安全性が高い。
【0057】
【第3実施例】
図4にブロック図を示した本発明の鉄道信号保安装置用知的端末は、3現示の色灯式信号機に適合させたものである。これが、上述した第2実施例のものと相違するのは、緑G,黄Y,赤Rのランプユニット4g,4y,4rそれぞれに対応してフューズ43及び点灯回路44+45+56+47(駆動部)が3組設けられている点である。何れも論理部58によって制御されるようになっている。また、論理部58にはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリも搭載されていて、ネットワーク上のアドレス等が外部から設定できるようにもなっている。
【0058】
この場合、現場機器4が3個のランプユニットを持つ信号機であっても、一台の現場機器4に一台の知的端末50を設ければ足りるので、安価なうえ、取付作業も楽である。
なお、現場機器4が4現示や5現示の信号機などの場合、駆動部をその個数だけ具えた知的端末50が便利である。
【0059】
【第4実施例】
図5にブロック図を示した本発明の鉄道信号保安装置用知的端末は、電気転てつ機に適合させたものである。これが上述した第2実施例のものと相違するのは、駆動電流の供給先がランプユニット4gからモータユニット4zになった点と、それに伴ってダイオードスタック46a以降がモータユニット4zに適合するよう改造されている点である。モータの動作確認のためにセンサ出力に基づいて状態検出を行う回路は付加されているが、トランジスタ44とトランジスタ45とトランス56とコイル47など駆動部の要部構成は引き継がれている。フューズ43も同じく引き継がれている。
【0060】
このように、知的端末50の要部、少なくとも論理部は、ランプユニットを持つ信号機に限らず、モータ(電動機)を持つ電気転てつ機にも、共通仕様のものを用いることができる。
踏切警報機や踏切遮断機など他の現場機器についても同様である。
【0061】
【第5実施例】
図6にブロック図を示した本発明の鉄道信号保安装置は、複数の色灯式信号機それぞれに上述の知的端末40や知的端末50を敷設し、それらのうち幾つかをスイッチングハブ等で纏めてからLANに接続したものである。
この場合、知的端末40,50への給電もハブを介して行われるので、配線作業等が一層楽になる。
また、LANを二重化することで、電文伝送の信頼性を高めている。
【0062】
【第6実施例】
図7にブロック図を示した鉄道信号保安装置は、上述した各実施例のものを組み合わせるとともに、LANやWANさらにはルータも組み合わせて、複数駅の広範囲に亘る大規模なシステムを構築したものである。
【0063】
【その他】
なお、上記の各実施例では第1,第2開閉手段がMOSトランジスタであったが、開閉手段は、これに限られるものでなく、バイポーラトランジスタや、SCR、それらの組み合わせ回路であっても良い。
また、ネットワークの物理層は、同軸ケーブルやツイストペアケーブル等の電気良導体でも良いが、光ケーブル等を採用すれば、雷サージや電車電流からのノイズに対する対策が軽減される。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、給電制御用の開閉手段を診断するとともに異常検知時の給電停止をフューズの溶断にて行うようにしたことにより、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を実現することができたという有利な効果が有る。
【0065】
また、本発明の第2の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、局所制御の実行とその制御先の駆動部の診断とを別のマイクロプロセッサで分担するようにしたことにより、振動に強いうえ駆動部ばかりか論理部もフェールセーフで現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を実現することができたという有利な効果を奏する。
【0066】
さらに、本発明の第3の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、開閉手段を並列にして検出手段を共用しうるようにしたことにより、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を小形にすることができたという有利な効果が有る。
【0067】
また、本発明の第4の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、トランスの小形化を図りつつ、且つ診断機能を維持しつつ、開閉手段の開状態故障時には診断を待たずにフューズが溶断するようにしたことにより、振動に強いうえフェールセーフで現場機器に好適な小形の鉄道信号保安装置用知的端末を確実に実現することができたという有利な効果を奏する。
【0068】
また、本発明の第5の解決手段の鉄道信号保安装置用知的端末にあっては、送信データと冗長データの生成が別プロセッサにて分担されるようにしたことにより、振動に強いうえフェールセーフで更に信頼性も高くて現場機器に好適な鉄道信号保安装置用知的端末を容易に実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第1実施例について、(a)が鉄道信号保安装置の設置状況図、(b)が鉄道信号保安装置の概要ブロック図、(c)が知的端末の回路図である。
【図2】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第2実施例について、その回路図である。
【図3】 その信号の波形例および電文の構成図である。
【図4】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第3実施例について、色灯式信号機への応用例を示すブロック図である。
【図5】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第4実施例について、電気転てつ機への応用例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第5実施例について、複数の色灯式信号機への応用例を示すブロック図である。
【図7】 本発明の鉄道信号保安装置用知的端末の第6実施例について、大規模システムへの応用例を示すブロック図である。
【図8】 従来の鉄道信号保安装置について、(a)がその設置状況図、(b)が概要ブロック図、(c)が要部の回路図である。
【符号の説明】
1 軌道(鉄道線路)
2 上位機器(制御装置、監視装置、監視制御装置)
2a フェールセーフコンピュータ(FS−CPU)
2c 正常リレー(リレー回路)
2e コイル(電流センサ、電流検出手段)
2g,2y,2r スイッチングトランジスタ
4 現場機器(信号機、踏切警報機・遮断機、電気転てつ機、軌道回路)
4a トランス
4b ダイオードスタック
4g,4y,4r ランプユニット(信号電球、光源、作動部)
4z モータユニット(アクチュエータ、作動部)
20 上位機器(制御装置、監視装置、監視制御装置)
21 ネットインターフェイス(Net−I/F、通信接続部)
30 ネットワーク(通信回線)
40 知的端末
41 ネットインターフェイス(Net−I/F、通信接続部)
42 給電線
42a 分岐線
43 フューズ
44 スイッチングトランジスタ(第1開閉手段、駆動部)
45 スイッチングトランジスタ(第2開閉手段、駆動部)
46 トランス(駆動部)
46a ダイオードスタック(整流回路、駆動部)
47 コイル(電流センサ、第1電流検出手段、駆動部)
47a コイル(電流センサ、第2電流検出手段、駆動部)
48 論理部(FS−MPU、フェールセーフコンピュータ)
50 知的端末
51 真空避雷管(保安器)
52 電源回路(AC/DC、論理部用DC電源)
53 ローパスフィルタ(LPF)
56 トランス(駆動部)
58 論理部(FS−MPU、フェールセーフコンピュータ)
58a マスターCPU(局所制御手段、第1マイクロプロセッサ)
58b スレーブCPU(診断手段、第2マイクロプロセッサ)

Claims (2)

  1. 鉄道信号保安装置の現場機器に組み込まれて又は付設されてその電子制御を行う鉄道信号保安装置用知的端末であって、前記鉄道信号保安装置の機器間を結ぶ通信回線に接続される通信接続部と、交流の給電線に介挿されたフューズと、前記給電線の遮断導通を行う第1開閉手段と、前記給電線の分岐線の遮断導通を行う第2開閉手段と、前記給電線に一次側が接続され二次側から前記現場機器へ電力を供給するトランスと、前記給電線の電流を検出する検出手段と、前記通信接続部を介して受けた制御指令に基づいて前記第1開閉手段の制御を行うとともに前記検出手段の出力に基づいて前記第1開閉手段の診断を行い且つその診断結果を前記通信接続部を介して送出するとともに異常を検知したとき前記第2開閉手段を制御して前記フューズを溶断させる論理部とを備えており、第1マイクロプロセッサと第2マイクロプロセッサとが前記論理部に設けられ、前記第1開閉手段の制御を担う局所制御手段が前記第1マイクロプロセッサに設けられ、前記第1開閉手段の診断および前記第2開閉手段の制御を担う診断手段が前記第2マイクロプロセッサに設けられており、前記分岐線の両端が共に前記給電線に接続されていて前記第1開閉手段と前記第2開閉手段とが並列になっており、前記局所制御手段が、前記第1開閉手段を導通させるとき前記交流の第1周波数より高い第2周波数で断続させるものであり、前記診断手段が、単発のパルスにて前記第2開閉手段を導通させてその診断を行うものであり、前記トランスが、前記第1周波数の入力では飽和し前記第2周波数の入力では飽和しないものであることを特徴とする鉄道信号保安装置用知的端末。
  2. 前記通信接続部を介して送出する電文に含ませる送信データを前記第1マイクロプロセッサが生成し、その電文に含ませる誤り検出用の又は誤り訂正用の冗長データを前記第2マイクロプロセッサが生成することを特徴とする請求項1記載の鉄道信号保安装置用知的端末。
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