JP3642518B2 - ホース巻き取りリール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホースボビンに巻かれたホースを交換できるホース巻き取りリールに関する。
詳しくは、フレームに対して、外形状が円柱状の中芯と、その両側に突設された円盤状鍔部とからなるホースボビンを回転自在に支持し、このホースボビンに巻き付けるホースが、中芯に設けたホース継手を介して接続されたホース巻き取りリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のホース巻き取りリールとして、例えば実公平7−2530号公報に開示される如く、ホースボビン(巻取りドラム)の中芯(ドラム胴部)を中空状に形成し、その内部にホース継手として、略L字形に屈曲した給水連絡管が設けられると共に、その一端側を中芯の外周に開設された貫通孔から突出させて、その突出端に略V字形に屈曲したボビン側継手(ホース接続口)を着脱可能に嵌着し、このボビン側継手にホースを接続したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、このような従来のホース巻き取りリールでは、ホース継手のボビン側継手が中芯の外周から突出して配備されるため、これが邪魔になってホースの巻き取り形状が乱れると共に、ホースの巻き取り長さにも影響を及ぼして、実質的に巻き取れる長さが短くなるという問題がある。
更に、貫通孔から突出するボビン側継手の上にホースが巻かれるため、この箇所でホースが折れたり、ホースに折れ癖が付くという問題もある。
【0004】
本発明のうち請求項1記載の発明は、ホースを凹溝内で接続しながら平らな外周に沿って巻き付けると共にホース継手を容易に接続することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、中芯1の外面に凹溝1aを、円盤状鍔部2の中心を囲むように凹設し、この凹溝1a内に、ホースHが接続されるホース継手3のボビン側継手3bを着脱自在に収納配備すると共に、ホース継手3が、フレーム側継手3aとボビン側継手3bとを相互に軸方向へ嵌挿して着脱自在に連結させる構造であり、このフレーム側継手3aの先端筒部3a2及びそれに嵌挿されるボビン側継手3bの基端筒部3b1と対向する凹溝1aの表面には、ボビン側継手3bの嵌挿に伴ってフレーム側継手3aへ誘導するためのガイドリブ4aと、ボビン側継手3bの回転を規制するためのガイドリブ4bを形成したことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記凹溝1aの形状を断面略U字形にした構成を加えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
請求項1の発明は、中芯1の凹溝1a内にホース継手3のボビン側継手3bを着脱自在に収納配備することにより、ボビン側継手3aが中芯1の外周から突出しないと共に、ボビン側継手3bをガイドリブ4a及びガイドリブ4bに沿って嵌挿させることにより、フレーム側継手3aへ向けて導かれると共に正確に位置決めされる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1〜図4に示す如く、円柱状の中芯1とその左右両側に突設された円盤状鍔部2とからなるホースボビンBの左右外側中心に、円筒部B1,B2が夫々突出するように合成樹脂で一体成形し、これら円筒部B1,B2と、合成樹脂製のフレームAに一体成形された支持筒部A1,A2とを夫々遊嵌させることにより、該ホースボビンBが回転自在に支持された場合を示すものである。
【0008】
上記中芯1は、その軸方向全長に亘って凹溝1aを凹設することにより、円盤状鍔部2の中心を囲むように形成され、この凹溝1aと、円盤状鍔部2の中心に開穿された中心孔2a,2bとを連通させる。
本実施例の場合には、図3に示す如く凹溝1aの形状を断面略U字形にしている。
【0009】
一方の円盤状鍔部2の中心に開穿された中心孔2aと、それに連通するフレームAの支持筒部A1に亘って、後述するホース継手3のフレーム側継手3aを挿通し、フレームAに対して移動不能及び回転不能に取り付けると共に、このフレーム側継手3aに対して着脱自在に連結されるボビン側継手3bを、上記中芯1のU字形凹溝1a内に収納配備する。
【0010】
このホース継手3は、円筒形に成形されたフレーム側継手3a及びボビン側継手3bから構成され、このフレーム側継手3aの軸方向へボビン側継手3bを嵌挿させることにより連結されると共に、これら両者に亘ってその嵌挿方向と交差する方向へ往復動自在なロック手段3cを設け、その挿入時に係合させて両者の連結状態を保持する構造である。
【0011】
上記フレーム側継手3aは、例えば水栓などの給水源や給気源などと連通する補助ホースH′を接続するための基端筒部3a1と、前記円盤状鍔部2の中心孔2aを貫通する先端筒部3a2とから構成され、この先端筒部3a2を前記U字形凹溝1a内へ突出させる。
【0012】
ボビン側継手3bは、上記フレーム側継手3aの先端筒部3a2に嵌挿される基端筒部3b1と、前記ホースボビンBに巻き付けられるメインのホースHを接続するための先端筒部3b2とから構成される。
【0013】
図示例の場合には図1及び図2に示す如く、この基端筒部3b1の内径を上記フレーム側継手3aの先端筒部3a2の外径より大径に形成し、この先端筒部3a2の外側に環状パッキン3a3を介して水密状に嵌挿させ、上記ボビン側継手3bの先端筒部3b2の外周には、ホースHの基端部H1を嵌挿して、その外側から従来周知構造の接続ナット3b4でスリーブを介して締め付けることにより接続され、前記補助ホースH′も同様に接続されている。
尚、これと逆にボビン側継手3bの基端筒部3b1の外径をフレーム側継手3aの先端筒部3a2の内径より小径に形成して、これら両者を嵌挿するようにしても良い。
【0014】
更に、上記ボビン側継手3bの基端筒部3b1には、後述するロック手段3cが挿通される貫通孔部3b5を、前記フレーム側継手3aの先端筒部3a2との嵌挿方向と交差する方向へ開設する。
この貫通孔部3b5は、図4に示す如く上記ボビン側継手3bの軸方向へ対向する前後一対の開口面3b6,3b6と、上記フレーム側継手3aの先端筒部3a2を挟み込むように対向する左右一対の開口側面3b7,3b7とで囲まれ、その外形状を図3に示す如く、該貫通孔部3b5の貫通方向へ対称形状で、しかも貫通方向の外幅寸法D1がそれと直交する開口側面3b7,3b7の外幅寸法D2より長い小判型に形成している。
【0015】
前記ロック手段3cは、本実施例の場合、帯板状に成形されたシャツター板であり、その先端側は、上記ボビン側継手3bの基端筒部3b1に形成された貫通孔部3b5に対して上記嵌挿方向と交差する方向へ往復動自在に支持され、その先端には、上記フレーム側継手3aの先端筒部3a2に周設した環状凹溝3a4と軸方向へ移動不能に係合する係止爪3c1が形成される。
図示例では、この係止爪3c1が図3に示す如く、環状凹溝3a4の周方向へ略等間隔毎に3点で係合するような形状となっている。
【0016】
また、上記シャツター板3cの操作側は、前記中芯1のU字形凹溝1aから突出しない範囲で延長され、その基端には係止凸部3c2を突設して、作業者の指が引っ掛かり易い構造となっている。
【0017】
そして、前記中芯1のU字形凹溝1aの表面には、上記フレーム側継手3aの先端筒部3a2及びそれに挿通されるボビン側継手3bの基端筒部3b1と対向して、ボビン側継手3bの嵌挿に伴ってフレーム側継手3aへ誘導しながら位置規制するガイド手段4を形成する。
本実施例の場合には、ボビン側継手3bをフレーム側継手3aへ誘導するためのガイドリブ4aが、U字形凹溝1aの底面に突設されると共に、ボビン側継手3bの回転を規制するためのガイドリブ4b,4bが、U字形凹溝1aの両側面に突設される。
【0018】
このU字形凹溝1aの底面に突設されたガイドリブ4aは図1に示す如く、中芯1の軸方向中間位置から上記円盤状鍔部2の中心孔2aへ向かうのに従ってフレーム側継手3aの先端筒部3a2と徐々に接近するように傾斜させている。
【0019】
更に、U字形凹溝1aの両側面に突設されたガイドリブ4b,4bは、図2及び図3に示す如く、フレーム側継手3aの先端筒部3a2及びそれに嵌挿されるボビン側継手3bの基端筒部3b1を挟んで左右方向へ対向するように一対ずつ配置され、これら両者の間隔を図3に示す如く、前記貫通孔部3b5の貫通方向の外幅寸法D1より短いが、それと直交する開口側面3b7,3b7の外幅寸法D2より若干長くして、これら開口側面3b7,3b7とガイドリブ4b,4bとを回転不能に係合させている。
【0020】
なお、他方の円盤状鍔部2の中心に開穿された中心孔2bには、操作ハンドルCを嵌挿して回転不能に取り付けられている。
また本実施例の場合、この中心孔2b側の中芯1の端部には、U字形凹溝1a内から該中芯1の外周面1bへ向けて、ホースHの巻き始め部H2と係合するホース案内通路1cを断面円弧状に凹設することにより、ホース巻き始め部H2が全体的に緩やかに湾曲して、その一部分が折れ曲がらないと共に、ホースボビンBの端部位置に配置される。
【0021】
次に、斯かるホース巻き取りリールのホースの交換又は取り付け方法について説明する。
先ず、作業者は、フレーム側継手3aから分離したボビン側継手3bの先端筒部3b2に、交換又は取り付けるホースHの基端部H1を嵌挿して接続する。
【0022】
このボビン側継手3bを手に持ち、図3及び図4に示す如く、中芯1のU字形凹溝1a内に入れて、フレーム側継手3aの先端筒部3a2に対し、その軸方向延長位置から該ボビン側継手3bの基端筒部3b1を嵌挿する作業が行われる。
【0023】
その際、ボビン側継手3bの基端筒部3b1に開設した貫通孔部3b5は、図3に示す如く貫通方向へ対称な側面小判型であると共に、U字形凹溝1aの両側面に突設されたガイドリブ4b,4bの間隔が、貫通孔部3b5の貫通方向への外幅寸法D1より短くて、それと直交する開口側面3b7,3b7の外幅寸法D2より若干長いため、貫通孔部3b5の向きが規制される。
【0024】
即ち、図3に示す如く、貫通孔部3b5の開口面3b6,3b6を上下方向にした場合は、ガイドリブ4b,4bの間に挿入可能で、しかもこの状態で 180度反転させても挿入可能であるが、それ以外の方向へ貫通方向を傾けた場合には挿入不能となる。
【0025】
更に、フレーム側継手3aの先端筒部3a2へ向けてボビン側継手3bの基端筒部3b1を嵌挿すると、U字形凹溝1aの底面に突設されたガイドリブ4aに沿って上方向へ誘導され、それによりフレーム側継手3aの先端筒部3a2へスムーズに導かれると共に、基端筒部3b1の開口側面3b7,3b7がガイドリブ4b,4bと係合して、ボビン側継手3bの回転が規制され、それにより正確に位置決めされる。
その結果、ホース継手3のフレーム側継手3aの先端筒部3a2とボビン側継手3bの基端筒部3b1とを容易に接続できる。
【0026】
この接続状態で、ボビン側継手3bの基端筒部3b1に開設した貫通孔部3b5に、ロック手段3cを挿入して、その先端の係止爪3c1を、フレーム側継手3aの先端筒部3a2に周設した環状凹溝3a4に対して係合させれば、フレーム側継手3aがフレームAに固定されているので、これら両者は軸方向へ移動不能となって外れない。
【0027】
また、このロック手段3cの操作側に突設された係止凸部3c2は、中芯1のU字形凹溝1aから突出しないため、ボビン側継手3aの全体が中芯1の外周面1cから突出しない。
その結果、ホースHをU字形凹溝1a内で接続しながら平らな該中芯1の外周面1cに沿って巻き付けることができる。
【0028】
特に中芯1のU字形凹溝1aは、その対向する両側面で挟まれた狭い空間であるため、ホースHの接続作業中に、作業者の手元が狂ってボビン側継手3bを接続し損ねた場合には、ボビン側継手3bやロック手段3cを落とし易いが、もし落としてもU字形凹溝1aの底面部で支えられてホースボビンBより下方へ落下しないので、簡単に拾い上げてホース接続作業を続行でき、作業性に優れる。
【0029】
そして、ホースHの交換作業の際には、図4に示す如く、ロック手段3cの係止凸部3c2に指を引っ掛けて引き抜くだけで、フレーム側継手3aとボビン側継手3bの係合が解除されて分離可能になる。
それにより、ホースHを簡単に取り替えることができるという利点がある。
【0030】
尚、前示実施例では、ホースボビンBの左右外側中心に円筒部B1,B2を夫々突出させて一体成形し、これら円筒部B1,B2と、フレームAに開設された支持筒部A1,A2とを夫々遊嵌させることにより、該ホースボビンBが回転自在に支持したが、これに限定されず、他の構造でホースボビンBを回転自在に支持しても良い。
更に、前記中芯1に凹設した凹溝1aの形状は、断面略U字形に限定されず、ホース継手3のフレーム側継手3aとボビン側継手3bを着脱自在に収納配備できれば、断面略コの字形など、任意の形状でも良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、中芯1の凹溝1a内にホース継手3のボビン側継手3bを着脱自在に収納配備することにより、ボビン側継手3aが中芯1の外周から突出しないので、ホースを凹溝内で接続しながら平らな外周に沿って巻き付けることができる。
従って、ホース継手のボビン側継手が中芯の外周から突出して配備される従来のものに比べ、ホースをきれいに巻くことができると共に、中芯が大径にならないからホースの巻き取り長さを実質的に長くすることができ、しかも略L宇形の給水連絡管が必要なくなるから製造コストを低減できる。
更に従来のように貫通孔からボビン側継手が突出しないので、ホースが折れたり、ホースに折れ癖が付くことがない。
また、中芯1の凹溝1aは、その対向する両側面で挟まれた狭い空間であるため、ホースHの接続作業中に、作業者の手元が狂ってボビン側継手3bを接続し損ねた場合には、ボビン側継手3bを落とし易いが、もし落としても凹溝1aの底面部で支えられてホースボビンBより下方へ落下しないので、簡単に拾い上げてホース接続作業を続行でき、作業性に優れる。
そして、ボビン側継手3bをガイドリブ4a及びガイドリブ4bに沿って嵌挿させることにより、フレーム側継手3aへ向けて導かれると共に正確に位置決めされるので、ホース継手を容易に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すホース巻き取りリールの縦断正面図である。
【図2】 要部を一部切欠して示す部分的な拡大平面図である。
【図3】 図1の(3)−(3)線に沿える部分拡大した縦断側面図である。
【図4】 部分的な分解斜視図である。
【符号の説明】
A フレーム B ホースボビン
H ホース 1 中芯
1a 凹溝 2 円盤状鍔部
3 ホース継手 3a フレーム側継手
3a2 先端筒部 3b ボビン側継手
3b1 基端筒部 3c ロック手段
4 ガイド手段

Claims (2)

  1. フレーム(A)に対して、外形状が円柱状の中芯(1)と、その両側に突設された円盤状鍔部(2)とからなるホースボビン(B)を回転自在に支持し、このホースボビン(B)に巻き付けるホース(H)が、中芯(1)に設けたホース継手(3)を介して接続されたホース巻き取りリールにおいて、
    前記中芯(1)の外面に凹溝(1a)を、円盤状鍔部(2)の中心を囲むように凹設し、この凹溝(1a)内に、ホース(H)が接続されるホース継手(3)のボビン側継手(3b)を着脱自在に収納配備すると共に、前記ホース継手(3)が、フレーム側継手(3a)とボビン側継手(3b)とを相互に軸方向へ嵌挿して着脱自在に連結させる構造であり、このフレーム側継手(3a)の先端筒部(3 a2 )及びそれに嵌挿されるボビン側継手(3b)の基端筒部(3 b1 )と対向する凹溝(1a)の表面には、ボビン側継手(3b)の嵌挿に伴ってフレーム側継手(3a)へ誘導するためのガイドリブ(4a)と、ボビン側継手(3b)の回転を規制するためのガイドリブ(4b)を形成したことを特徴とするホース巻き取りリール。
  2. 前記凹溝(1a)の形状を断面略U字形にした請求項1記載のホース巻き取りリール。
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EP3820802A4 (en) * 2018-07-13 2022-05-04 Reelcraft Industries, Inc. HOSE REEL
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