JP3642176B2 - シリコン単結晶の引上げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶棒を引上げて育成するシリコン単結晶の引上げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコン単結晶棒を育成する方法としてるつぼ内のシリコン融液から半導体用の高純度シリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法(以下、CZ法という)が知られている。このCZ方法では、ミラーエッチングされた種結晶をシリコン融液に接触させ、種結晶を引上げてシリコン融液から種絞り部を作製し、その後目的とするシリコン棒の直径まで結晶を徐々に太らせて成長させることにより、必要な面方位を有する無転位の単結晶棒を得るものである。
このCZ方法における装置には、チャンバ内に設けられた石英るつぼを包囲し、そのるつぼ内の多結晶シリコンを融解しかつそのシリコン融液を加熱するカーボンヒータと、石英るつぼを回転させるるつぼ回転手段とを備えたものが知られている。このようなシリコン単結晶の引上げ装置では、石英るつぼの周囲に設けられたカーボンヒータにより石英るつぼ内の多結晶シリコンを融解し、そのシリコン融液を加熱して所定温度に維持し、シリコン単結晶棒の引上げ途中における石英るつぼをるつぼ回転手段が回転させることにより均一なシリコン単結晶棒を得ることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、石英るつぼに当初供給される多結晶シリコンは固形物であるため、固形物である多結晶シリコンの間に存在する空間がその多結晶シリコンを融解するとともに消滅し、多結晶シリコンを融解して得られるシリコン融液の液面は石英るつぼに当初供給された多結晶シリコンの上面より下降する。一方、シリコン融液を貯留する石英るつぼの上部は開口されているため、その石英るつぼの上部からカーボンヒータにより加熱されたシリコン融液の熱はチャンバ内へ放散されやすく、多結晶シリコンの融解に伴いシリコン融液の液面が低下した場合に、石英るつぼの内周面にシリコン融液の一部が固化して付着することがある。シリコン単結晶棒の引上げ途中にこの付着したシリコンが石英るつぼの内周面から剥離してシリコン融液中に落下すると、シリコン融液中に温度差に基づく熱的ストレスが発生してシリコン単結晶の有転位化率を下げることができない恐れがある。この場合、カーボンヒータによる加熱を十分に行うことも考えられるが、カーボンヒータの電力消費量が極めて増大するとともに、その加熱により石英るつぼの劣化が促進する不具合がある。
本発明の目的は、石英るつぼの内周面に付着したシリコンを有効に融解させて引上げ途中におけるシリコンの落下を防止し、有転位化率を下げることのできるシリコン単結晶の引上げ装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、チャンバ11内に設けられた石英るつぼ13と、石英るつぼ13を包囲して前記チャンバ11内に設けられ石英るつぼ13内の多結晶シリコン20を融解しかつそのシリコン融液12を加熱するカーボンヒータ18と、石英るつぼ13を回転させるるつぼ回転手段17とを備えたシリコン単結晶の引上げ装置の改良である。
その特徴ある構成は、多結晶シリコン20の融解時又はシリコン融液12の加熱時にカーボンヒータ18からの熱を石英るつぼ13の鉛直な内面に反射する熱反射体27と、石英るつぼ13の上方の第1位置と石英るつぼ13の鉛直な内面に対向する第2位置とに熱反射体27を昇降する反射体昇降手段41と、第2位置で熱反射体27を水平移動して石英るつぼ13の鉛直な内面からの熱反射体27の距離を調整する反射体水平移動手段51とを備えたところにある。
石英るつぼ13の鉛直な内面に部分的に溶け残りのシリコンが付着している場合には、るつぼ回転手段17により石英るつぼ13を回転させてシリコンが付着している石英るつぼ13の鉛直な内面の部分を熱反射体27に対向させる。これにより、熱反射体27はカーボンヒータ18からの熱を石英るつぼ13の鉛直な内面に反射して、石英るつぼ13の内面に付着したシリコンを加熱・融解する。
【0005】
多結晶シリコン20のカーボンヒータ18による加熱に際し、反射体昇降手段41は昇降ロッド42を上方に移動させて熱反射体27を石英るつぼ13の上方の第1位置に位置させることにより、熱反射体27の存在でカーボンヒータ18の加熱による多結晶シリコン20の融解が阻害されない。多結晶シリコン20が融解した後は、昇降ロッド42を下方に移動させ、熱反射体27をシリコンが付着した石英るつぼ13の鉛直な内面に対向する第2位置に位置させることにより、石英るつぼ13の内面に付着したシリコンを加熱・融解させる。
【0006】
反射体水平移動手段51は、石英るつぼ13の内面に付着したシリコンの大きさにより必要に応じて熱反射体27を第2位置で水平移動させ、石英るつぼ13の鉛直な内面と熱反射体27の距離を調整することにより、石英るつぼ13の内面に付着したシリコンを有効に加熱・融解させる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、第2位置で熱反射体27の反射面を上向き又は下向きに変更する反射体転向手段61を備えたシリコン単結晶の引上げ装置である。
反射体転向手段61は、シリコンの付着した位置又は大きさにより必要に応じて熱反射体27を第2位置で熱反射体27の反射面を上向き又は下向きに変更させることにより、熱反射板27による熱の反射方向を転向して石英るつぼ13の内面に付着したシリコンを更に有効に加熱・融解させる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、シリコン単結晶の引上げ装置10のチャンバ11内には石英るつぼ13が設けられ、この石英るつぼ13の外面は黒鉛サセプタ14により被覆される。石英るつぼ13の下面は黒鉛サセプタ14を介して支軸16の上端に固定され、この支軸16の下部はるつぼ回転手段17に接続される。るつぼ回転手段17は図示しないが石英るつぼ13を回転させる回転用モータと、石英るつぼ13を昇降させる昇降用モータとを有し、これらのモータにより石英るつぼ13が所定の方向に回転し得るとともに、上下方向に移動可能となっている。石英るつぼ13の外周面は石英るつぼ13から所定の間隔をあけてカーボンヒータ18により包囲され、このカーボンヒータ18は保温筒19により包囲される。カーボンヒータ18は、図2に示すように、石英るつぼ13に投入された高純度の多結晶シリコン20を加熱・融解することにより、図1に示すように、シリコン融液12にする。
【0009】
またチャンバ11の上端には円筒状のケーシング21が接続される。このケーシング21には引上げ手段22が設けられる。引上げ手段22はケーシング21の上端部に水平状態で旋回可能に設けられた引上げヘッド(図示せず)と、このヘッドを回転させる第2回転用モータ(図示せず)と、ヘッドから石英るつぼ13の回転中心に向って垂下されたワイヤケーブル23と、上記ヘッド内に設けられワイヤケーブル23を巻取り又は繰出す引上げ用モータ(図示せず)とを有する。ワイヤケーブル23の下端にはシリコン融液12に浸してシリコン単結晶棒を引上げるための種結晶24が取付けられる。
【0010】
一方、チャンバ11内には引上げるシリコン単結晶棒(図示せず)の外径より僅かに大きな内径を有する筒状の熱遮蔽体26が設けられる。熱遮蔽体26はシリコン融液12の熱を引上げるシリコン単結晶棒に到達しないように遮蔽するために設けられ、この熱遮蔽体26の上縁には外方に略水平方向に張り出すフランジ部26aが連設される。このフランジ部26aを保温筒19上に載置することにより熱遮蔽体26は固定され、熱遮蔽体26の下縁は石英るつぼ13に貯留されたシリコン融液12表面から所定の距離だけ上方に位置するように構成される。
【0011】
引上げ手段22における引上げ用モータの出力軸(図示せず)にはロータリエンコーダ(図示せず)が設けられ、るつぼ回転手段17には石英るつぼ13内のシリコン融液12の重量を検出する重量センサ(図示せず)と、支軸16の昇降位置を検出するリニヤエンコーダ(図示せず)とが設けられる。ロータリエンコーダ、重量センサ及びリニヤエンコーダの各検出出力はコントローラ(図示せず)の制御入力に接続され、コントローラの制御出力は引上げ手段22の引上げ用モータ及びるつぼ回転手段17の昇降用モータにそれぞれ接続される。またコントローラにはメモリ(図示せず)が設けられ、このメモリにはロータリエンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル23の巻取り長さ、即ちシリコン単結晶棒の引上げ長さが第1マップとして記憶され、重量センサの検出出力に対する石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面レベルが第2マップとして記憶される。コントローラは重量センサの検出出力に基づいて石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面を常に一定のレベルに保つように、るつぼ回転手段17の昇降用モータを制御するように構成される。
【0012】
熱遮蔽体26の外側には多結晶シリコン20(図2)の融解時又はシリコン融液12の加熱時にカーボンヒータ18からの熱を石英るつぼ13の鉛直な内面に反射する熱反射体27が設けられる。熱反射体27は反射体昇降手段41により支持され、図4に示すように、この実施の形態では、熱反射体27は円板状の断熱材27aの表面にカーボン27bをコーティングすることにより作られる。図1及び図2に戻って、反射体昇降手段41は周囲にラックギヤ(図示せず)が形成され下端に熱反射体27が設けられる昇降ロッド42と、ラックギヤに歯合する駆動ギヤが内蔵され駆動ギヤの回転により昇降ロッド42を上下動させるギヤボックス43と、チャンバ11の上部にサポート部材44を介して取付けられ回転軸46aが駆動ギヤに接続された駆動モータ46とを有する。反射体昇降手段41は、駆動モータ46による回転軸46aの回転によりギヤボックス43に内蔵された図示しない駆動ギヤが回転し、昇降ロッド42を上下動させることにより熱反射体27を上昇又は下降させ、熱反射体27を石英るつぼ13の上方の第1位置と石英るつぼ13の鉛直な内面に対向する第2位置とに維持するように構成される。
【0013】
昇降ロッド42への熱反射体27の取付けは反射体水平移動手段51及び反射体転向手段61を介して行われ、図4及び図5に示すように、反射体水平移動手段51は上面に移動用のラックギヤ52aが形成されかつ昇降ロッド42の下端に水平方向に移動可能に取付けられた支持部材52と、この支持部材52に上端が固着された支持ロッド53と、昇降ロッド42の下部に枢止され移動用のラックギヤ52aに歯合する移動ギヤ54とを有する。図5に示すように、移動ギヤ54の回転軸にはプーリ56が接続され、プーリ56には移動ギヤ54を回転させる移動ワイヤ57が張設される。一方、反射体転向手段61は支持ロッド53の下端に上端が枢止された転向ロッド62を有し、熱反射体27は転向ロッド62の下部に固着される。
【0014】
このような構成の反射体水平移動手段51は、図5に示す移動ワイヤ57を上下動させてプーリ56を介して移動ギヤ54を回転させることにより、図3に示すように、移動ギヤ54に歯合する支持部材52は昇降ロッド42に対して支持ロッド53とともに水平に移動し、図の破線矢印で示すように移動ギヤ54を回転させることにより支持部材52は破線矢印方向に移動して熱反射体27を石英るつぼ13の内面に近接させ、図の実線矢印で示すように移動ギヤ54を回転させることにより支持部材52は実線矢印方向に移動して熱反射体27を石英るつぼ13の内面から離間させ、その距離を調整可能に構成される。
【0015】
一方図4に示すように、転向ロッド62にはその回転方向であって転向ロッド62の長手方向に直交して回転レバー62aが一体的に形成され、回転レバー62aの両端には回転ワイヤ63a,63bの下端が接続される。このような構成の反射体転向手段61は、一方の回転ワイヤ63aを引上げると転向ロッド62の図の実線矢印で示すような回転により、熱反射体27の反射面は上向き、他方の回転ワイヤ63bを引上げると転向ロッド62の図の破線線矢印で示すような回転により、熱反射体27の反射面は下向きに変更可能に構成される。
【0016】
このように構成されたシリコン単結晶の引上げ装置の動作を説明する。
図2に示すように、石英るつぼ13に高純度の多結晶シリコン20を投入し、カーボンヒータ18によりこの高純度の多結晶シリコン20を加熱・融解してシリコン融液12(図1)にする。この多結晶シリコン20のカーボンヒータ18による加熱・融解に際して、反射体昇降手段41は昇降ロッド42を上方に移動させ、熱反射体27を石英るつぼ13の上方の第1位置に位置させる。
多結晶シリコン20が融解して石英るつぼ13にシリコン融液12が貯留されたならば、次に、石英るつぼ13の内周面におけるシリコンの付着の有無を確認する。付着の有無の確認はチャンバ11に設けられた図示しない観察窓から目視により行われ、石英るつぼ13の内周面におけるシリコンの付着が確認されたならば、手動により又は自動的に反射体昇降手段41は昇降ロッド42を下方に移動させ、図4に示すように、熱反射体27をシリコン12aが付着した石英るつぼ13の鉛直な内面に対向する第2位置に位置させる。この場合、第2位置の熱反射体27に対向する石英るつぼ13の内面にシリコン12aが付着していない場合には、るつぼ回転手段17により石英るつぼ13を回転させ、シリコン12aが付着した石英るつぼ13の鉛直な内面を第2位置の熱反射体27に対向させる。
【0017】
シリコン12aが付着した内面に対向した熱反射体27はカーボンヒータ18からの熱を石英るつぼ13の鉛直な内面に反射して内面に付着したシリコン12aを加熱・融解させる。この場合に、反射体水平移動手段51は、内面に付着したシリコン12aの大きさにより必要に応じて熱反射体27を第2位置で水平移動させ、石英るつぼ13の鉛直な内面からの距離を調整することにより熱反射体27と付着したシリコン12aとの間隔を適切な距離とする。また、反射体転向手段61は、シリコン12aの付着した位置又は大きさにより必要に応じて熱反射体27を第2位置で熱反射体27の反射面を上向き又は下向きに変更させ、熱反射体27による熱の反射方向を転向して内面に付着したシリコン12aを有効に加熱・融解させる。
【0018】
石英るつぼ13の内面に付着したシリコン12aを全て加熱・融解させ、石英るつぼ13にシリコン融液12が貯留されたならば、引上げ手段の引上げ用モータによりワイヤ19を繰出して種結晶24を降下させて種結晶24の先端部をシリコン融液12に接触させる。図示しないが、その後種結晶24を徐々に引上げて種絞り部の下部に育成させることにより無転位のシリコン単結晶棒を得る。
なお、上述した実施の形態では、円板状の断熱材27aの表面にカーボン27bをコーティングした熱反射体27を使用したが、熱反射体は四角板状でもよく、またその材質は熱反射率の高いモリブデンやモリブデンの表面にカーボンをコーティングしたものであってもよい。更に、板状のもののみならず、パラボラ状又は凹面鏡状に湾曲させたものであっても良い。パラボラ状又は凹面鏡状に湾曲させた熱反射体にあっては、反射した熱を石英るつぼの鉛直な内面の所定位置に集熱させることができる。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1及び図2に示すように、内径が32インチの石英るつぼ13を有するシリコン単結晶の引上げ装置10に、反射体昇降手段41を介して直径が50mm厚さが2mmの熱反射体27を石英るつぼ13の鉛直な内面に対向するように設けた。この熱輻射体27は円板状の断熱材27aの表面にカーボン27bをコーティングすることにより作られたものを使用した。このように構成された引上げ装置10を実施例1とした。
<比較例1>
図示しないが熱反射体27を設けないことを除いて、引上げ装置を上記実施例1と同一に構成した。この引上げ装置を比較例1とした。
【0020】
<比較試験及び評価>
実施例1及び比較例1の各引上げ装置にて石英るつぼにシリコン多結晶を供給して融解し、得られたシリコン融液から直径300mmのシリコン単結晶棒を引上げる場合の条件における石英るつぼ内表面の温度を輻射伝熱を考慮した熱伝導解析プログラムにてシミュレーション計算し、比較を行った。実施例1における石英るつぼ内表面の温度は、熱反射板に対向する石英るつぼの内面の温度を求め、熱反射体を水平移動して石英るつぼの鉛直な内面からの熱反射体までの距離を変化させ、その距離と石英るつぼの内面の温度との関係を求めた。比較例1における石英るつぼ内表面の温度は、実施例1における測定点に対応する位置における石英るつぼの内面の温度を求めた。この結果を図6に示す。
【0021】
図6より明らかなように、比較例1では熱反射板を備えていないことから石英るつぼ内表面の温度は一定値を示した。これに対して、実施例1では石英るつぼの内面からの熱反射体までの距離が短いほど石英るつぼの内面の温度は高く、その距離が大きくなるに従って石英るつぼ内表面の温度は低くなり、比較例1における石英るつぼ内表面の温度より僅かに高い温度まで低下することが判る。
実施例1において石英るつぼの内面の温度が変化するのは熱反射体がカーボンヒータからの熱を石英るつぼの鉛直な内面に反射していることに起因しているためと考えられ、石英るつぼの内面からの熱反射体までの距離が短いほど石英るつぼの内面の温度が高いのは、熱反射体が反射した熱が他の部分に放散されずに石英るつぼの内面に有効に反射したためと考えられる。従って、熱反射板によりカーボンヒータからの熱を反射して石英るつぼの内周面に付着したシリコンを加熱することにより、その付着したシリコンを有効に融解させることができるものと考えられる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熱反射体により多結晶シリコンの融解時又はシリコン融液の加熱時にカーボンヒータからの熱を石英るつぼの鉛直な内面に反射するようにしたので、石英るつぼの内面に付着したシリコンを加熱・融解させることができる。この結果、本発明に係る引上げ装置では、石英るつぼの内周面に付着したシリコンを有効に融解させて引上げ途中におけるシリコンの落下を防止し、シリコン単結晶の有転位化率を下げることができる。
また、装置が反射体昇降手段を備えれば、多結晶シリコンのカーボンヒータによる加熱に際し、熱反射体を石英るつぼの上方の第1位置に位置させることにより、熱反射体の存在でカーボンヒータの加熱による多結晶シリコンの融解が阻害されない。一方、多結晶シリコンが融解した後、熱反射体をシリコンが付着した石英るつぼの鉛直な内面に対向する第2位置に位置させることにより、石英るつぼの内面に付着したシリコンを加熱・融解させることができる。
【0023】
更に、装置が反射体水平移動手段を備えれば、石英るつぼの内面に付着したシリコンの大きさにより必要に応じて熱反射体を水平移動させ、石英るつぼの鉛直な内面と熱反射体の距離を調整することにより、石英るつぼの内面に付着したシリコンを有効に加熱・融解させることができる、また、装置が更に反射体転向手段を備えれば、シリコンの付着した位置又は大きさにより必要に応じて熱反射体の反射面を上向き又は下向きに変更させることにより、熱反射板による熱の反射方向を転向して石英るつぼの内面に付着したシリコンを更に有効に加熱・融解させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン単結晶の引上げ装置の断面構成図。
【図2】るつぼにシリコン多結晶が供給された状態を示す図1に対応する断面構成図。
【図3】その反射体水平移動手段により反射体が移動した状態を示す側面図。
【図4】その反射体水平移動手段と反射体転向手段の構成を示す側面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】石英るつぼの内面から反射体までの距離に対する石英るつぼ内表面の温度の変化を示す図。
【符号の説明】
10 シリコン単結晶の引上げ装置
11 チャンバ
12 シリコン融液
13 石英るつぼ
17 るつぼ回転手段
18 カーボンヒータ
20 多結晶シリコン
27 熱反射体
41 反射体昇降手段
51 反射体水平移動手段
61 反射体転向手段
Claims (2)
- チャンバ(11)内に設けられた石英るつぼ(13)と、前記石英るつぼ(13)を包囲して前記チャンバ(11)内に設けられ前記石英るつぼ(13)内の多結晶シリコン(20)を融解しかつそのシリコン融液(12)を加熱するカーボンヒータ(18)と、前記石英るつぼ(13)を回転させるるつぼ回転手段(17)とを備えたシリコン単結晶の引上げ装置において、
前記多結晶シリコン(20)の融解時又はシリコン融液(12)の加熱時に前記カーボンヒータ(18)からの熱を前記石英るつぼ(13)の鉛直な内面に反射する熱反射体(27)と、
前記石英るつぼ (13) の上方の第1位置と前記石英るつぼ (13) の鉛直な内面に対向する第2位置とに前記熱反射体 (27) を昇降する反射体昇降手段 (41) と、
第2位置で前記熱反射体 (27) を水平移動して前記石英るつぼ (13) の鉛直な内面からの前記熱反射体 (27) の距離を調整する反射体水平移動手段 (51) と
を備えたことを特徴とするシリコン単結晶の引上げ装置。 - 第2位置で熱反射体(27)の反射面を上向き又は下向きに変更する反射体転向手段(61)を備えた請求項1記載のシリコン単結晶の引上げ装置。
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