JP3641267B2 - ライブラリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、磁気テープカートリッジ、光ディスクカートリッジ等を記憶媒体とするライブラリ装置に関し、特に複数のセルドラムを走行レールに沿って配置し、2台のアクセッサによりセルドラムとデッキユニットの間で媒体を搬送するライブラリ装置に関する。
【0002】
近年のコンピュータシステムでは外部記憶装置であるMTU装置や光ディスク装置等で用いる媒体数の増加に伴い、運用の効率化や保守の容易性あるいは装置の信頼性等が要求されている。このため媒体の保管や装置への運搬の自動運用を行うライブラリ装置が提供されている。
【0003】
図40は従来のライブラリ装置の概略を透視図で示す。ライブラリ装置は複数のフレームに分けられており、これらのフレームを組み合わせることで装置を構成することができる。ライブラリ装置には媒体を保管する多数のセルを備えたセルブロック300が設けられ、例えば磁気テープを収めた媒体カートリッジが多数収納されている。セルブロック300のセル位置は、セルアドレスとして定義される。
【0004】
フレーム内の左右にはレール14が敷設され、レール14上をロボットであるアクセッサ12−1,12−2が移動する。セルブロック300に対し、レール12を挟んだ反対側にはデッキユニット16−1,16−2及びコントロールユニット18−1,18−2が設置される。
【0005】
デッキユニット16−1,16−2には複数の記録再生装置が設けられ、アクセッサ12−1,12−2によりセルブロック300から運搬したカートリッジをローディングしてデータの読み書きを行う。更にライブラリ装置のフレーム前面には媒体投入排出口15が設けられ、カートリッジの出し入れを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のライブラリ装置は、セルブロックに媒体カートリッジを収納しており、収納できるカートリッジ数を増加するためにはレールに沿った方向にセルブロックを並べることになるが、設置スペースには限りがあるため、収納数の増加に十分対応できない問題があった。またセルブロックを並べてカートリッジ収納数を増した場合には、アクセッサの走行距離が長くなって運搬に時間がかかり、高速化が妨げられる問題があった。
【0007】
このためには、セルブロックの代わりにセルドラムを使用することで、設置スペースを有効に活用し且つアクセッサ走行距離を拡大することなく多数の媒体カートリッジを収納すればよい。
【0008】
またライブラリ装置にあっては、2台のアクセッサを使用して媒体運搬を行う場合、両方の移動範囲に重複した部分があると、一方のアクセッサを退避させて待たせた状態で他方のアクセッサの運搬制御を行わなければならず、その分だけ処理に時間がかかる。
【0009】
この問題は、従来のセルブロックの代わりにセルドラムを設置した場合、指定されたセルがアクセッサの取出し位置に向くように、セルドラムを回転する際に、アクセッサが待たされる場合があり、アクセッサの回転待ちを最小限に抑える必要がある。
【0010】
このためには、アクセッサ待ち時間を最小限に抑えて効率良く運搬制御すればよい。
【0011】
更に近年のライブラリ装置にあっては、媒体収納量の増加に伴ってセルの高密度化が高まり、アクセッサのロボットハンドでセルに対し媒体を出し入れする際の位置決め精度の向上が必要になる。このためには、ロボットハンドに設けているセル位置を検出するためのセンサの検出精度の向上が望まれる。
【0012】
このセル位置の検出には発光部の光をセル側に照射し、その反射光を検出する光検出器が使用されている。しかし、散乱による微弱な光を検知しているため、センサの感度をかなり上げなければならず、S/Nが劣化して検出精度が十分に得られない問題があった。
【0013】
またアクセッサを一方向に移動しながら光センサによりセルエッジを検出してセル位置を検出するが、定常的な誤差を生ずる問題があった。更に、ロボットハンドに設けたセンサの感度を調整する際には、アクセッサをセルの前に移動した状態で行わなければならず、非常に手間がかかっていた。更に、セルブロックの代わりにセルドラムを使用する場合には、ドラム円筒面のセル配置位置の角度分のドラム回転を行なうが、設計上の回転角と実際にアクセッサの前にセルが位置する回転角との間にずれがあり、ロボットハンドによる媒体カートリッジの出し入れがうまくできない恐れがあった。
【0014】
このためには、アクセッサに対するセルの位置決め精度を向上してセルの高密度化に適切に対応できるようにすればよい。
【0015】
アクセッサのコントローラは、上位からのムーブコマンドで指示されたセルアドレスをアクセッサのX,Y座標に変換するテーブルをもつ。この変換テーブルの値は、アクセッサの測定処理動作により実測され、ROMに格納され、同時にバックアップデータとしてフロッピディスク等に格納されている。
【0016】
そして装置をパワーオンスタートした際には、基準データとなるフロッピディスクの値とROMの値を比較し、不一致の場合はデータ異常として、そのセルアドレスの値をアクセッサの測定処理により再度取り直す必要がある。このため装置立ち上げに時間がかかる問題がある。
【0017】
このためには、パワーオンスタート時の変換テーブルの値に異常があったときの処理を実測によらず適切に対応できるようにすればよい。
【0018】
従来のライブラリ装置で使用しているアクセッサは、レール走行部に1台しか走行モータを搭載しておらず、運搬速度を高速化するには限界に来ている。また走行モータに障害が起きると、アクセッサは全く動かず、ライブラリ装置は運用できない状態に陥ってしまう問題がある。
【0019】
このためには、運搬速度の高速化により記憶媒体のマウント効率をアップし、更に走行モータの障害を起こしても連続運転できるようにすればよい。
【0020】
また、アドレス変換テーブル82に格納するセルドラムの回転角θをライブラリ装置の設置が完了した運用開始前の段階で測定するのに、人為的な回転角の測定処理を行っていたのでは工数が膨大となるため、これを自動化できるライブラリ装置のアクセッサを提供する。
【0021】
また、アドレス変換テーブル82に格納するセルドラムの回転角θをライブラリ装置の設置が完了した運用開始前の段階で測定するのに、人為的な回転角の測定処理を行っていたのでは工数が膨大になっていたが、これを自動化する構成としたので、効率が向上した。
【0022】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。
【0023】
まず本発明は、持ち運び可能な記憶媒体の読み書きを行う記憶再生ユニット16と、記憶媒体の投入と排出を装置外部との間で行う投入排出ユニット15と、記憶媒体を格納するセルを円筒面に複数備え、回転駆動自在な複数のセルドラム10と、記憶媒体をロボットハンドでピックアップしてセルドラム10と記憶再生ユニット16の間、又は投入排出ユニット15とセルドラム10との間で運搬する少なくとも2台のアクセッサ12−1,12−2とを備える。
【0024】
更に、コントロール用に、上位ユニットからのムーブコマンドにより受領した移動元アドレス及び移動先アドレスを含む媒体運搬情報を格納するキューイングテーブル80と、キューイングテーブル80から取り出したムーブコマンドの移動元アドレス及び移動先アドレスに基づいてセルドラム10に回転を指示すると共に、アクセッサ12−1,12−2に媒体の運搬を指示するアクセッサ・コントローラ28と、アクセッサ・コントローラ28からの回転指示に基づいてセルドラム10の指定アドレス位置のセルをアクセッサ取出し位置に回転させるドラム・コントローラ35と、アクセッサ・コントローラ28からの運搬指示に基づく座標位置にロボットハンドを移動させるマシン・コントローラ32を備える。
【0025】
そして、本発明は、記録再生ユニット16の設置場所を中心に左右に分けてセルドラム10を配置する。セルドラム10及び記録再生ユニット16の配列方向に沿っては、2台のアクセッサが走行するレール14を設置する。左側に配置したセルドラム10−1の媒体運搬は、左側に位置するアクセッサ12−1に割り当てる。同時に、右側に配置したセルドラム10−2の媒体運搬は、右側に位置するアクセッサ12−2に割り当てる。
【0026】
アクセッサ12−1,12−2の待ち時間を短縮するため、アクセッサ・コントローラ30は、キューイングテーブル80上の複数のムーブコマンドについて、実行の優先順位をスケジューリングし、現在実行中のムーブコマンドに並行して次に実行するムーブコマンドに基づくセルドラム10の回転をドラム・コントローラ35に指示する。
【0027】
具体的には、現在実行中のムーブコマンドによりアクセッサ12がセルドラム10から媒体のピックアップを完了した際に、ドラム・コントローラ35に次に実行するムーブコマンドに基づくセルドラム10の回転を指示する。
【0028】
またアクセッサの退避待ちを解消するため、アクセッサ・コントローラ30は、キューイングテーブル80上の複数のムーブコマンドについて、一方のアクセッサ12−1で実行するコマンドに対し他方のアクセッサ12−2で実行可能なムーブコマンドが複数存在する場合、2台のプロセッサ12−1,12−2の同時動作で運搬する各媒体の移動軌跡が重複しないコマンドを選択する。
【0029】
更に、アクセッサ・コントローラ30は、キューイングテーブル80上に2台のアクセッサ12−1,12−2で同時に実行可能なコマンドが存在するが、各媒体の移動軌跡が一部で重複している場合、重複しない移動軌跡の範囲で2台のアクセッサを同時に動作させる。
【0030】
具体的には、2台のアクセッサ12−1,12−2で同時に実行可能なコマンドが、それぞれに割り当られたセルドラム10−1,10−2から中央の記録再生ユニット16への媒体運搬の指示であり、記録再生ユニット16の配置位置で各媒体の移動軌跡が重複している場合、2台のアクセッサ12−1,12−2を各々に割り当られているセルドラム10−1,10−2の媒体取出し位置まで同時に動作させる。
【0031】
一方、セルドラム10の円筒面に形成された複数のセルの位置を、隣接するセルを仕切る壁のエッジにより検出する発光部と受光部を前面に並べた光検出器について、発光部の光軸をセルのエッジに対する検出方向に対し微小な角度を持たせてロボットハンドに取り付け、十分な反射光が得られるようにして検出感度を高める。
【0032】
また光検出に用いたエッジ位置の測定として、アクセッサ・コントローラ30は、ロボットハンドを指定されたセルに位置決めする際に、エッジに対し光検出器を左方向から通過させてエッジ位置を測定すると共に、エッジに対し逆に光検出器を右方向から通過させてエッジ位置を測定し、測定された2つのエッジ位置の平均値を実際の測定値とし、誤差を除去する。
【0033】
更に、アクセッサ12のロボットハンド単独で光検出器の感度調整を可能とするため、記憶媒体と同一のカートリッジ形状でもつ治具に、ロボットハンドにピックアップ状態で光検出器の前面に反射面を位置させる反射部材を設け、この治具を用いてロボットハンドの光検出器を調整可能とする。
【0034】
またセルドラム10の各セルをアクセッサ12による規定の媒体取出し位置に回転させるための回転角を計測するセルドラム測定部をアクセッサ・コントローラ30に設け、また測定対象となるセルに装着されてドラム回転中心とセル開口部の中心を結ぶ光軸の光を照射する発光部と、ロボットハンドの中央にセルドラム10を向けて配置され、円筒部材の内部に受光部を有する測定用の光検出器を備える。
【0035】
この場合にセルドラム位置の測定は、所定のセル回転角θの位置を中心に、セルドラム10を反時計回りに微小角度δθずつ回転すると同時にセルドラムの回転に同期してアクセッサを微小距離δLずつ追従移動させて前記光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ1を測定する。
【0036】
またセルドラム10を時計回りに微小角度δθずつ回転すると同時にセルドラムの回転に同期してアクセッサを微小距離δLずつ追従移動させて光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ2を測定する。最終的に、ドラム回転角Δθ1,Δθ2に基づいてセル回転角θを修正してセルをアクセッサ12のロボットハンドの正面に向ける回転角を測定する。
【0037】
このセルドラム測定部で測定された各セル毎の回転角θは、アクセッサ・コントローラ30のセルアドレスをエントリとした変換テーブル82に格納される。アクセッサ・コントローラの変換テーブル82は、セルアドレスをエントリしてセルドラム10の回転角及びアクセッサの移動位置を示す2次元座標値を格納している。変換テーブル82には、アクセッサ12の測定処理動作によって実測した値が格納される。この変換テーブル82は、アクセッサ・コントローラ30のROMに記憶され、パワーオンスタートでRAMに展開される。
【0038】
一方、実測された変換テーブル82はバックアップ用のオリジナルとしてフロッピディスクに格納されている。フロッピディスクの変換テーブルの値は、電源投入時に、ROMの変換テーブルの値とセルアドレス毎に照合され、不一致の場合は、アクセッサの測定処理動作を行って実測値を再度求めなければならない。
【0039】
そこで本発明は、両者が不一致の場合は、不一致を外部に表示し、外部からの選択指示に従ってフロッピディスクのテーブル値を使用可能とする。例えば、テーブル値の不一致を保守パネルに表示し、保守パネルに設けた選択スイッチの操作による選択指示に従ってフロッピディスクのテーブル値を使用させる。このためアクセッサによる実測処理が不要になり、立ち上げを短縮できる。
【0040】
一方、本発明は、ライブラリ装置のアクセッサとして、レール上を走行する走行部に、最高速度の異なる2台の走行モータを設け、マシン・コントローラ32により、2台のモータのいずれか一方を選択して走行制御する。
【0041】
ここで、2台の走行モータは同一の性能をもったモータであり、レール上に形成されたラックギアに対する噛み合い回転で走行部を走行させるピニオンギアを各々有し、各ピニオンギアはラックギアに対するギア比が異なる。
【0042】
またマシン・コントローラ32は、2台のモータの速度テーブルを持ち、速度テーブルに基づいて各モータを必要に応じ切り換えて最適な制御を行う。
【0043】
例えば、2台のモータのうち、第1モータはトルクが高く最高走行速度の低い高トルク低速モータであり、第2のモータはトルクが低く最高速度の高い低トルク高速モータとした場合、マシン・コントローラ32は、起動時は第1モータを選択して加速制御し、第1モータによる加速中に第1規定速度Vref1に達したら第2モータを選択して加速制御し、第2規定速度Vref2に到達したら定速制御し、目標位置の手前の減速開始位置に達したら第1モータを選択して減速制御する。
【0044】
この場合、第1規定速度Vref1として第1モータの最高走行速度を設定し、第2規定速度Vref2として第2モータの最高走行速度を設定することで、最も短時間で目標位置に移動できる。
【0045】
また現在位置から目標位置までの移動距離が短い場合には、加減速に十分な時間がとれないので、移動距離に応じて第1規定速度と第2規定速度を設定する。
【0046】
更に、マシン・コントローラ32は、2台のモータの片側の障害時には、残された正常側のモータを選択して制御する。
【0047】
【作用】
このような本発明のライブラリ装置によれば、次の作用が得られる。
【0048】
まずセルブロックに代えてセルドラムを配置したことで、単位面積当りの媒体収納数を大幅に拡大でき、しかもアクセッサの移動距離も増加することがない。
【0049】
また中央に記録再生ユニットを配置し、その両側に分けてセルドラムを配置して2台のアクセッサに左右のセルドラムを割り当てることで、2台のアクセッサの同時動作による媒体運搬が効率良くできる。
【0050】
また実行中のコマンドでセルドラムからの媒体取出しが完了した待ち状態で、次に実行するコマンドに従ったドラム回転を先行して行うことで、アクセッサのドラム回転の待ち時間を短縮又は除去できる。更に、2台のアクセッサでコマンド実行を同時に行う際に、相手方の動きを妨げるようなコマンド選択を回避することで、可能な限り2台のアクセッサを同時動作させる。これによって、媒体のマウント効率が大幅にアップする。
【0051】
一方、ロボットハンドの光検出器を傾けて取り付けることで、セルエッジからの反射光を確実にセンサで受光し、検出感度を高める。またセルエッジに対し左右両方向から光検出器の移動走査を行って平均値を取ることで、検出誤差をなくす。カートリッジ型の治具を作成し、アクセッサのロボットハンドに持たせることで、光検出器の感度調整が簡単にできる。
【0052】
更に、アクセッサにセルドラムの各セルを正しく位置決めするための回転角の測定処理を、測定セルに発光部を設け、アクセッサのロボットハンドに円筒部材に受光部を収めた光検出器を設け、セルドラムとアクセッサを微小駆動しながら光検出できなくなる角度を両側で求めて誤差を実測し、この実測誤差で規定の回転角を補正することで、正確なセル毎の回転角を得てセルドラムの回転による位置決め精度を向上できる。
【0053】
またセルアドレスをドラム回転角及びアクセッサの移動座標値に変換する変換テーブルの値は、装置の設置段階でアクセッサの測定動作によって実測した値が使用され、フロッピディスクに格納されていることから、パワーオンスタート時にROMの値と一致しなかった場合は、フロッピディスクのオリジナル値を選択することで、値が違う度にアクセッサによる実測動作を行う手間が省ける。
【0054】
さらに、アクセッサに最高走行速度の異なるモータを2台設けて選択的に使用した速度制御を行うことで、移動時間を短縮し、またモータの障害発生による装置の運用停止を防止できる。
【0055】
また、アドレス変換テーブル82に格納するセルドラムの回転角θをライブラリ装置の設置が完了した運用開始前の段階で測定するのに、人為的な回転角の測定処理を行っていたのでは工数が膨大になっていたが、これを自動化する構成としたので、効率が向上した。
【0056】
【発明の実施の形態】
<目 次>
1.システム構成と機構構造
2.ライブラリ装置のハードウェアと機能
3.アクセッサ・コントローラの構成と機能
4.ドラム回転先行制御
5.アクセッサの最適制御
6.光検出器によるセルドラムとアクセッサの位置決め
7.ドラム回転角の測定
8.パワーオンスタート時のセルアドレス変換テーブルの展開
9.2モータ・アクセッサ
【0057】
1.システム構成と機構
図2は本発明のライブラリ装置のフレーム構成を透視図で示す。ライブラリ装置は複数のフレームに分けられており、これらのフレームを組み合わせることで装置を構成することができる。ライブラリ装置には媒体保管庫としての複数のセルドラム10−1〜10−12が設けられる。セルドラム10−1〜10−12には例えば磁気テープを収めた媒体カートリッジが多数収納されている。
【0058】
この実施例において、セルドラム10−1〜10−12は、左側の4台のセルドラム10−1〜10−4と、右側の8台のセルドラム10−5〜10−12に分離され、それぞれ2列に配置される。セルドラム10のカートリッジ収納位置はセルと呼ばれ、各セル位置はセルアドレスで定義される。
【0059】
フレーム内の左右に亘った方向にはレール14が敷設され、レール14上に運搬ロボットとして機能する2台のアクセッサ12−1,12−2を走行自在に搭載している。レール14は、左右に分離配置して2列に並べたセルドラム10−1〜10−12の間に配置されている。このためアクセッサ12−1,12−2は、レール14を走行して任意のセルドラム10−1〜10−12の位置に移動することができる。
【0060】
本発明にあっては、左側に位置するアクセッサ12−1に、左側に配置したセルドラム10−1〜10−4からの運搬を割り当てる。また右側に位置するアクセッサ12−2に、右側に配置したセルドラム10−5〜10−12からの運搬を割り当てる。
【0061】
中央に配置されたフレーム内には、コントロールユニット18−1,18−2と、デッキユニット16−1〜16−4が配置される。デッキユニット16−1〜16−4には、複数の記録再生装置が設けられ、アクセッサ12−1,12−2によりセルドラム10−1〜10−12から運搬したカートリッジをローディングしてデータの読み書きを行う。更に右端のフレーム前面には媒体投入排出ユニット15が設けられ、カートリッジの出し入れを行うようにしている。
【0062】
図3は図2のアクセッサを取り出して示す。アクセッサ12−1,12−2は2条のレール14上を走行部40に設けたモータ44によって走行する。即ち、モータ44の下部の回転軸にはピニオンギア45が設けられ、レール14の側面に形成したラックギア(図示せず)に噛み合って走行する。走行部40の上には支柱42が起立され、支柱42に沿って上下に移動可能なリフト部46にロボットハンド48を設けている。
【0063】
図4はロボットハンド48の詳細である。ロボットハンド48はリフト部46に搭載され、リフト部46の支柱42に対する昇降動作はネジシャフト50の回転により行われる。リフト部46には旋回プーリ56が設けられ、旋回用モータ52の回転をワイヤベルト54で伝えてロボットハンド48を水平回りに回転する。
【0064】
ロボットハンド48の旋回部分には媒体保持用のピッカ部62が設けられる。ピッカ部62はスライド用モータ58によるワイヤベルト60の駆動で、図4の位置から前方位置に水平移動することができる。このようにピッカ部62を水平方向に送り出した状態で、ピッカ部62の上下のプレート間にセルドラムのカートリッジを挟み、出し入れができる。
【0065】
図5は本発明のセルドラムの詳細である。セルドラム10は、フレームに対しドラム回転軸130によってトラム本体66をモータ(図示せず)により回転自在に装着している。ドラム本体66には、この実施例では、縦方向に27個のセル64が配置され、ドラム本体の周囲には12箇所(30°間隔)に分割されてセル64が位置するため、セル64の総数は、324個となる。このようなセルドラムが図2の実施例では12台設置しているため、3888個のセルが確保されている。
【0066】
2.ライブラリ装置のハードウェアと機能
図6は本発明のライブラリ装置のハードウェア構成の一例を示す。図6において、ライブラリ装置24に対しては、この実施例にあっては上位ユニットとして4台のホストコンピュータ20−1〜20−4を設けている。ホストコンピュータ20−1〜20−4のそれぞれはチャネル・インタフェースバス22−1〜22−4によりライブラリ装置24に接続される。
【0067】
このチャネル・インタフェースバス22−1〜22−4としては、例えばブロック・マルチプレクサ・チャネル・インタフェースやSCSIが用いられる。ライブラリ装置24には例えば4台のディレクタ26−1〜26−4が設置される。ディレクタ26−1、26−3はチャネルA,B,C,Dをもち、ディレクタ26−2、26−4はチャネルE,F,G,Hをもっている。尚、ディレクタ26−1〜26−4のチャネル数は、最大で6チャネルとすることができる。
【0068】
ディレクタ26−1,26−3のチャネルAにはホストコンピュータ20−1からのチャネル・インタフェースバス22−1が接続され、チャネルBにはホストコンピュータ20−2からのチャネル・インタフェースバス22−2が接続される。また、ディレクタ26−2,26−4のチャネルEにはホストコンピュータ20−3からのチャネル・インタフェースバス22−3が接続され、チャネルFにはホストコンピュータ20−4からのチャネル・インタフェースバス22−4が接続される。尚、ディレクタ26−1,26−3のチャネルC,D及びディレクタ26−2,26−4のチャネルG,Hは、この実施例では使用されていない。
【0069】
ディレクタ26−1〜26−4の端末側には2つのチャネルa,bが設けられる。チャネルaは記録再生装置用であり、またチャネルbはアクセッサ制御用である。ディレクタ26−1,26−2は、左側に設けた6台の記録再生装置34−1〜34−6を共用するもので、チャネルaからデバイス・バス36−1,36−2を接続している。従ってディレクタ26−1,26−2はチャネルaより左側の記録再生装置34−1〜34−6に対しライトあるいはリードできる。
【0070】
またディレクタ26−3,26−4は、右側に設けた同じく6台の記録再生装置36−7〜36−12を共用し、チャネルaからデバイス・バス36−3,36−4を接続している。従ってディレクタ26−3,26−4は右側の記録再生装置34−1〜34−12に対しライトあるいはリードできる。尚、記録再生装置は片側に最大16台を実装することができる。
【0071】
ディレクタ26−1,26−2のチャネルbから引き出されたデバイス・インタフェース・バス38−1は、アクセッサ・コントローラ28のチャネルaに接続される。またディレクタ26−3,26−4のチャネルbから引き出されたデバイス・インタフェース・バス38−2はアクセッサ・コントローラ28のチャネルbに接続される。
【0072】
アクセッサ・コントローラ30は予備機であり、ディレクタ26−1,26−2のチャネルbからのデバイス・インタフェース・バス38−1をチャネルaに接続し、ディレクタ26−3,26−4のチャネルbからのデバイス・インタフェース・バス38−2をチャネルbに接続している。
【0073】
アクセッサ・コントローラ28,30はディレクタ26−1〜26−4のいずれかからの命令を受領して処理を実行する。アクセッサ・コントローラ28の配下にはアクセッサ12−1,12−1を制御するマシン・コントローラ32−1,32−2と、セルドラム12−1,12−2を制御するドラム・コントローラ35−1,35−2を設けている。尚、説明を簡単にするためセルドセラムは2台としている。
【0074】
マシン・コントローラ32−1,32−2及びドラム・コントローラ35−1,35−2は、予備としてのアクセッサ・コントローラ30に対しても接続される。通常時はアクセッサ・コントローラ28からの指示を受けている。
【0075】
ホストコンピュータ20−1〜20−4のそれぞれは、ジョブの実行に伴うライブラリ装置24に対する入出力要求の発生に基づき、論理機番アドレスを指定して、ディレクタ26−1,26−2に対し自己の割当チャネルから入出力起動命令として機能するムーブコマンドを発行する。このムーブコマンドに対しディレクタ側より正常受領応答が得られると、次にホストコンピュータは媒体運搬情報としてのデータバイト(コマンドパラメータ)を転送する。
【0076】
このデータバイトは、移動元アドレスと移動先アドレスを含み、アクセッサ・コントローラ28のキューイングテーブルに格納される。アクセッサ・コントローラ28は、アクセッサ12−1,12−2の空きを認識すると、キューイングテーブルからムーブコマンドの移動元アドレス及び移動先アドレスを取り出し、マシン・コントローラ32−1,32−2に対しアクセッサ12−1,12−2の移動を指示する。また必要ならば、ドラム・コントローラ35−1,35−2にセルドラム10−1,10−2の回転を指示する。
【0077】
この場合、アクセッサ・コントローラ28はキューイングテーブルから取り出した移動元と移動先の各セルアドレスで変換テーブルを参照し、セルドラム回転角θ、アクセッサ座標位置(X,Y)に変換し、回転角θのセルドラム回転を指示し、また座標位置(X,Y)へのアクセッサ移動を指示する。
【0078】
3.アクセッサ・コントローラの構成と機能
図7はアクセッサ・コントローラ28の実施例であり、CPU70のバス75に、ROM76,DRAM78、上位インタフェース制御部84、マシン・コントローラ・インタフェース制御部88、ドラムインタフェース制御部92、デバイスインタフェース94,102を接続している。
【0079】
CPU70には、プログラム制御により実現される運搬制御部72と測定処理部74が設けられる。DRAM78には、キューイングテーブル80とセルアドレス変換テーブル82が設けられる。キューイングテーブル80には、ディレクタを経由してホストコンピュータから受領したムーブコマンドが格納される。セルアドレス変換テーブル82は、セルアドレスをエントリとして、ドラム回転角θ、アクセッサの移動範囲を決める水平方向をX軸、垂直方向をY軸として座標値(X,Y)が格納される。
【0080】
ここで、セルアドレスは、例えば16進で4桁となり、図2において、アクセッサ12−1,12−2のロボットハンドにセルアドレスA000,A001が割り当てられ、媒体投入排出口15にセルアドレスB000が割り当てられ、セルドラム10−1〜10−12の各セルにセルアドレスC000〜CFFFが割り当てられ、図6の記録再生装置34−1〜34−12にはセルアドレスD000〜D00Dが割り当てられる。
【0081】
セルアドレス変換テーブル82のテーブル値は、セルドラムのセルアドレスC000〜CFFFについては、回転角θと座標値X,Yを格納しているが、媒体投入排出口のセルアドレスB000及び記録再生装置のセルアドレスD000〜D00Dについては、座標値X,Yのみ格納している。更に、ロボットハンドにセルアドレスA000,A001も座標値X,Yのみであるが、常に現在位置の座標値に更新されている。
【0082】
またセルアドレス変換テーブル82のテーブル値は、CPU70の測定処理部74によるアクセッサ及びセルドラムの回転で実際に測定された値が使用される。この実測された変換テーブルは、ROM76に格納されて、パワーオンスタートの際にDRAMにセルアドレス変換テーブル82としてロードされる。また実測された変換テーブルは、フロッピディスク装置104を使用してフロッピディスクにバックアップ用として格納されている。
【0083】
測定処理部74によるテーブル値の実測は、ライブラリ装置の設置が完了段階で、CEパネル96を使用して行われる。CEパネル96は表示部98を有し、更に、パワオンスタートの際のROMテーブル値とフロッピ・テーブル値の不一致の際に、フロッピ・テーブル値の選択を指示するFD選択スイッチ100を設けている。
【0084】
CPU70の運搬制御部70は、キューイングテーブル80からムーブコマンドのバイトデータである移動元と移動先のセルアドレスを取り出し、セルアドレス変換テーブル82でドラム回転角θ、座標値X,Yを求め、ドラム・コントローラ35−1,35−2および又はマシン・コントローラ32−1,32−2に駆動を指示する。
【0085】
図8は、運搬制御部70によるセルアドレスの変換機能である。レジスタ212にキューイングテーブル80から取り出したセルアドレスをセットし、これをエントリとしてセルアドレス変化テーブル82を参照し、対応するテーブル値をレジスタ214に読み出す。レジスタ214には、セルドラムの任意のセル位置のセルアドレスから得られた回転角θ、座標値X,Yが格納される。
【0086】
デコーダ216は、レジスタ214の座標値Xからセルドラムの水平方向での配置位置が判るので、これを解読して対応するセルドラムの機番#00〜#12のいずれかのデコード出力を生成する。ここで、セルドラム毎にドラム・コントローラ35−1〜35−12を設けていたとすると、デコーダ216の出力で指定された機番のセルドラムのドラム・コントローラに対し、回転角θによるドラム回転が指示される。
【0087】
同時にレジスタ214の座標値X,Yはマシン・コントローラ32−1,32−2のいずれかに対するアクセッサ12−1,12−2の移動指示として与えられる。
【0088】
図9のフローチャートは、アクセッサ・コントローラ30による運搬制御処理である。まずステップS1でキューイングテーブル80からコマンド・パラメータとしての移動元アドレスと移動先アドレスを取り出す。次のステップS2〜S7で移動元アドレスの処理を行う。ステップS2でセルアドレス変換テーブル82を参照し、ドラム回転角θ、座標値X,YをステップS3で取得する。
【0089】
次にステップS4で移動元はセルドラムか否かチェックし、セルドラムであれば、ステップS5でドラム・コントローラにθ回転を指示する。次にステップS6でマシン・コントローラに座標値X,Yを与えてアクセッサの移動元アドレスへの移動を指示する。
【0090】
これによって、例えばセルドラムは移動元アドレスのセルをアクセッサ取出し位置に回転して位置決めし、同時に、アクセッサがセルドラムの取出し位置に移動し、ロボットハンドで媒体をピックアップすると、終了通知を出す。
【0091】
このアクセッサからの終了通知がステップS7で判別されるとステップS8〜S13の移動先アドレスの処理に移行する。まずステップS8で移動先アドレスによりセルアドレス変換テーブル82を参照し、ドラム回転角θ、座標値X,YをステップS9で取得する。
【0092】
次にステップS10で移動元はセルドラムか否かチェックし、セルドラムであれば、ステップS11でドラム・コントローラにθ回転を指示する。次にステップS12でマシン・コントローラに座標値X,Yを与えてアクセッサの移動元アドレスへの移動を指示する。
【0093】
これによって、例えば媒体をピックアップしたアクセッサは、移動先アドレスとなる磁気テーブ装置の位置に移動し、ロボットハンドで媒体をローディングすると、終了通知を出す。このアクセッサからの終了通知がステップS13で判別されると、1つのムーブコマンドの実行終了となり、ホストコンピュータからのステータスコマンドに対応してデバイスエンドを応答し、再びステップS1に戻って次のコマンドの実行に移行する。
【0094】
図10は、図6のマシン・コントローラ32によるアクセッサの駆動制御のフローチャートである。ステップS1でアクセッサ・コントローラ30から座標値X,Yをパラメータとした移動指示を受信すると、ステップS1でレール走行のためのX走行制御を開始し、またステップS3でロボットハンドを昇降させるY走行制御を開始する。X,Y走行制御は、加速、定速、減速パターンに従ったモータの速度制御により目標位置へ移動し、目標位置に達すると位置決め制御に入る。
【0095】
ステップS4でアクセッサの走行終了が得られると、ステップS5でロボットハンドのピッカ部に設けている光検出器により、セルドラムのエッジが検出できたか否か判定する。セルエッジが検出されると、指定されたセルはアクセッサに対し正しく位置決めされている。セルエッジが検出されない場合は、ステップS6で位置の微調整を行ないセルエッジの検出位置を得る。
【0096】
セルエッジが正常に検出できたならば、ステップS7でロボットハンドによるセルからの媒体取り出し、又は運搬してきた媒体のセルへの挿入を行なう。そしてステップS8でアクセッサ・コントローラ30に終了応答を行ってステップS1で次の指示を待つ。
【0097】
4.ドラム回転先行制御
図11は、図7のアクセッサ・コントローラ30のCPU70に設けた運搬制御部72より行われるドラム回転の先行制御の説明図であり、アクセッサ12−1によりセルドラム10−1と磁気テープ装置34−1の間で記憶媒体を運搬する場合を例にとっている。
【0098】
まず図12のようにムーブコマンドがキューイングテーブル80に格納されていたとする。ムーブコマンドはコマンド番号#1,#2,#3,#4,・・・で示され、それぞれ移動元アドレスと移動先アドレスをパラメータとしてもっている。このようなムーブコマンドについて、キューイングテーブル80上でコマンドの実行順を決める優先度を図示のように付けるスケジューリングを予め行っている。
【0099】
図11(A)は、図12の優先度1のムーブコマンド#1の実行であり、セルドラム10−1の移動元アドレスF1から記憶媒体を取り出して移動先アドレスT1となる磁気テープ装置30−1に運搬するコマンドである。このムーブコマンド#1の実行において、まず移動元アドレスF1に基づいたセルドラム10−1のドラム回転とアクセッサ12−1のセルドラム10−1への移動が、図11(A)のように行われる。
【0100】
セルドラム10−1上の移動元アドレスで指定されたセルがアクセッサ取出位置に回転し、アクセッサ12−1がセルドラム10−1の取出位置に移動し、ロボットハンド48を移動元アドレスF1のセルに図11(B)のように位置決めすると、ロボットハンド48によるセルドラム10−1からの記憶媒体のピックアップが行われる。
【0101】
セルドラム10−1から記憶媒体がピックアップされると、図11(C)のように、移動先アドレスT1に従ってアクセッサ12−1は、ロボットハンド48でピックアップした記憶媒体106を磁気テープ装置34−1に運搬して投入する。
【0102】
図11(B)でアクセッサ12−1がセルドラム10−1から記憶媒体をピックアップすれば、その後、現在実行中のコマンドによるセルドラム10−1の制御はないことから、セルドラム10−1は次のムーブコマンド#2の実行待ちとなる。このとき本発明にあっては、図11(C)のように、アクセッサ12−1によるムーブコマンド#1の実行に並行して、次に実行するムーブコマンド#2の移動元アドレスF2のセル位置をアクセッサ12−1の取出位置に対し回転させるドラム回転を先行して行う。
【0103】
この結果、アクセッサ12−1が記憶媒体106を移動先アドレスT1の磁気テープ装置34−1に投入して、現在実行中のムーブコマンド#1を完了し、次のムーブコマンド#2の移動元アドレスF2に従ってセルドラム10−1に戻ってきたときには、既にセルドラム10−1のドラム回転は完了し、移動元アドレスF2のセルがアクセッサ取出位置に回転している。したがって、直ちにアクセッサ12−1は次のコマンド#2の移動元アドレスF2のセルから記憶媒体を取り出して移動先アドレスT2に運搬することができる。
【0104】
図13は、図11のドラム回転の先行制御のフローチャートである。まずステップS1で、図12のようにスケジューリングが済んだキューイングテーブル80から実行コマンドを取り出し、ステップS2で、次の実行コマンドがあることを判別すると、ステップS3で、次の実行コマンドのドラム移動元アドレスを取り出す。
【0105】
続いてステップS4で、アクセッサの空きをチェックし、アクセッサに空きがあればステップS5に進んで、ステップS1でキューイングテーブルから取り出した実行コマンドの移動元アドレスへの移動を指示する。
【0106】
続いてステップS6で、ドラム回転完了をチェックする。最初のコマンド実行にあっては、ドラム回転はアクセッサの移動と同時に行われるため、ドラム回転は完了しておらず、したがってステップS7で、移動元アドレスへのドラム回転を指示する。ステップS6で、ドラム回転完了をチェックすると、ステップS8で、アクセッサのドラム取出位置への移動終了を待って媒体ピックアップを指示する。
【0107】
ステップS8でセルドラムからの媒体ピックアップが完了すると、ステップS9で、アクセッサに移動先アドレスへの移動を指示し、続いてステップS10で、次の実行コマンドの移動先アドレスへのドラム回転を指示し、これによってドラム回転の先行制御が行われる。
【0108】
5.アクセッサの最適制御
図14は、図7のアクセッサ・コントローラ30のCPU70に設けた運搬制御部72により行われる2台のアクセッサ12−1,12−2の同時駆動による最適制御を示す。
【0109】
今、図15のキューイングテーブル80用に3つのムーブコマンド#1〜#3が存在したとする。そして、ムーブコマンド#1はアクセッサ12−1に割り当てられ、ムーブコマンド#2,#3はアクセッサ12−2に割り当てられるスケジューリングが行われていたとする。この3つのムーブコマンド#1〜#3による記憶媒体の移動軌跡は、図14のようになる。
【0110】
まずムーブコマンド#1は、セルドラム10−1の移動元アドレスF11からデッキユニット16の中の移動先アドレスT11の磁気テープ装置34−4への運搬命令である。またムーブコマンド#2は、セルドラム10−2の移動元アドレスF12からデッキユニット16の中の移動先アドレスT12の磁気テープ装置34−2への媒体運搬の命令である。更にムーブコマンド#3は、セルドラム10−2の移動元アドレスF13からデッキユニット16の移動先アドレスT13の磁気テープ装置34−7へ媒体を運搬する命令である。
【0111】
ここで、アクセッサ12−1が実行するムーブコマンド#1に対し、アクセッサ12−2が実行するムーブコマンド#2,#3の内、ムーブコマンド#2はムーブコマンド#1に対し移動軌跡が重複しており、同時に実行することはできない。これに対し、ムーブコマンド#3はムーブコマンド#1に対し移動軌跡が重複していないため、同時に実行できる。
【0112】
このような場合、本発明の運搬制御にあっては、アクセッサ12−2で実行する2つのムーブコマンド#2,#3の内、アクセッサ12−1で実行するムーブコマンド#1に重複しないムーブコマンド#3を選択する。このようなムーブコマンドの選択により、アクセッサ12−1,12−2による同時制御を可能な限り可能とする。
【0113】
図16は、図18のように、キューイングテーブル上にアクセッサ12−1,12−2に割り当てられたムーブコマンドが1つずつ存在し、ムーブコマンド#1,#2は図16のように移動範囲が重複している場合の処理である。このような場合には、例えばアクセッサ12−1がムーブコマンド#1を実行する際には、アクセッサ12−2はムーブコマンド#2を実行せずに、ムーブコマンド#1の移動を妨げることのない位置に退避していなければならない。
【0114】
このため、アクセッサ12−1,12−2の同時制御ができず、効率が低下する。そこで本発明にあっては、図17のように、アクセッサ12−1,12−2がムーブコマンド#1,#2の移動元アドレスF21,F22に移動する場合については問題がないことから、アクセッサ12−1,12−2の移動元アドレスF21,F22への移動を同時に行わせる。
【0115】
次の移動先アドレスT21,T22については、キューイングテーブル80上でのスケジューリングによる優先度の高い方のコマンド例えばムーブコマンド#1をアクセッサ12−1により実行させ、ムーブコマンド#1の実行終了を待って、アクセッサ12−2による移動先アドレスT22への移動によるムーブコマンド#2を実行する。
【0116】
このようにアクセッサ12−1,12−2のムーブコマンドが移動先で重複していても、移動元への移動を同時に行うことで、その分だけ運搬効率を高めることができる。
【0117】
図19のフローチャートは、図14および図16,17の制御処理である。まずステップS1で、キューイングテーブルから実行コマンドを取り出す。続いてステップS2で、他のアクセッサの実行コマンドを取り込み、ステップS3で移動軌跡が重複するか否かチェックする。移動軌跡が重複していなければ、ステップS4で、アクセッサに移動元アドレスから移動先アドレスの媒体移動を指示し、ステップS5の移動終了を待って、再びステップS1に戻る。
【0118】
移動軌跡が重複していた場合にはステップS6に進み、次の実行コマンドの有無をチェックする。次の実行コマンドがあればステップS7に進み、キューイングテーブルから次の実行コマンドを取り出し、ステップS3で、移動軌跡が重複するか否かチェックする。
【0119】
このとき図14のアクセッサ12−2のムーブコマンド#3のように次の実行コマンドの移動軌跡が他のアクセッサの移動軌跡に重複していなかったときには、ステップS4,S5の処理により、そのコマンドによる媒体移動を指示する。
【0120】
そして、媒体移動を終了すると、ステップS13で、キューイングテーブルから取り出した未処理コマンドの有無をチェックし、この場合には未処理コマンドがあることからステップS2に戻り、現時点における他のアクセッサの実行コマンドを取り込み、ステップS3で、移動軌跡の重複をチェックする。
【0121】
この間に他のアクセッサは、前回重複した実行コマンドを既に終了していることから、未処理コマンドについて移動軌跡は重複せず、ステップS4に進んで、アクセッサに移動元アドレスから移動先アドレスへの媒体移動を指示することが可能となる。なお、キューイングテーブルから取り出して未処理となっているコマンドについては、タイマにより待ち時間を監視し、オーバタイムとなったときには強制的に未処理コマンドを実行させる。
【0122】
一方、ステップS6で、次の実行コマンドがなかった場合には、ステップS8〜S12で、図17に示した処理を行う。即ち、ステップS8で、アクセッサに移動元アドレスへの移動を指示し、ステップS9で、移動終了をチェックすると、ステップS10で、他のアクセッサの実行完了を待つ。他のアクセッサの実行完了で移動先アドレスへの運搬が可能となることから、ステップS11で、アクセッサに移動先アドレスへの移動を指示し、ステップS12で、アクセッサからの移動終了を待って、再びステップS1に戻る。
【0123】
6.光検出器によるセルドラムとアクセッサの位置決め
図20は、本発明におけるアクセッサに設けたロボットハンド48のセルドラムのセルに対する光検出器を用いた位置決めの様子である。アクセッサのロボットハンド48にはピッカ部62が設けられており、ピッカ部62の例えば上から見て左側に、図示のように光検出器110を設置している。光検出器110は、検出方向に面して発光部112と受光部114を横に配置している。セルドラムに対しアクセッサを位置決めした状態で、ロボットハンド48の正面にはセル64が位置し、光検出器110の前にはセル64の隣接するセルとを仕切る仕切壁107のエッジ108が位置する。この仕切壁107は、実際には図5のセルドラム10のセル64の境界部分に示す構造となる。
【0124】
ピッカ部62の左側に設けた光検出器110の発光部112からは、矢印のように光ビーム115が出力され、エッジ108に当たって散乱する。この散乱光の一部が受光部114に入射して、エッジ108の存在を示す受光信号が得られる。しかしながら、光検出器110の発光部112の光軸をエッジ108に直交するように設置した場合には、微弱な散乱光の受光となるため、光検出器110の検出感度をかなり高くしなければならず、検出感度を高めるとノイズが目立ち、エッジ108の検出性能が低下する。
【0125】
そこで本発明にあっては、図21のように、光検出器110の発光部112からの光軸をセル64のエッジ108に対し僅かに傾けて設置する。例えば、光軸の傾き分のテーパ面をもった傾斜取付部材120によって光検出器110をロボットハンド48のピッカ部62の横に設置する。
【0126】
このように光検出器110を僅かに傾けて設置することで、発光部112からの光ビーム115は、エッジ108に対し直交する方向に対し僅かな傾きをもって入射し、これによって反対側に同じ傾きをもって反射し、十分な光量を受光部114に入射することができ、光学的に検出感度を大幅に高めることができる。この結果、光検出器110によるセル64のエッジ108の検出感度を大幅に高めることができる。
【0127】
図22(A)は、アクセッサのロボットハンド48の側面に設けた光検出器110によるセル64のエッジ108の検出処理の様子である。図10のアクセッサ走行制御で説明したように、アクセッサのセルドラムに対する位置決めが終了すると、光検出器110によるセルエッジの検出処理が行われる。このセルエッジ検出処理の際に本発明にあっては、図22のように、エッジ108に対し光検出器110を左右から移動走査するようにアクセッサを微小範囲で往復移動する。
【0128】
図22(B)は、光検出器110を右から左に移動したときのエッジ108の検出波形であり、光検出器110は感度がよいことから、エッジ108におけるコーナ108−1の手前で検出波形116が立ち上がり、その後、反対側のコーナ108−2を過ぎても直ちに検出波形116は立ち下がらず、ある遅れをもって立ち下がる。このときの検出波形116における基準位置からの立上がり位置までの距離をD2、立下がり位置までの距離をD1とする。
【0129】
図22(C)は、光検出器110をエッジ108に対し左から右に移動したときの検出波形118である。この場合には、逆に、コーナ108−2の手前で検出波形118が立ち上がり、コーナ部108−1を過ぎた後、ある遅れをもって検出波形118が立ち下がる。このときの基準位置から検出波形118の立上がりまでの距離をD3、立下がりまでの距離をD4とする。
【0130】
このように検出波形116,118の立上がり,立下がりについて、距離D1,D2,D3,D4が検出できれば、本来のエッジ108の中心までの距離Dは、
D=(D1+D2+D3+D4)/4
による平均値として正確に算出することができる。そして、このようにして算出された距離D1にアクセッサを位置決めすることで、セル64に対するロボットハンド48のセンタリングが高精度で実現できる。
【0131】
図23のフローチャートは、図22(A)〜(C)のエッジ検出処理である。まずステップS1で、アクセッサにエッジに対する一定方向の走行を指示する。ステップS2で、エッジ立上がり部分を検出すると、ステップS3で、アクセッサに設けている距離カウンタの値をD1にセットする。続いてステップS4で、立下がりエッジを検出すると、ステップS5で、距離カウンタの値をD2にセットする。
【0132】
次にステップS6で、アクセッサ走行方向を逆転して走行する。ステップS7で、エッジ立上がりを検出すると、ステップS8で、距離カウンタの値をS3にセットし、続いてステップS9で、エッジ立下がりを検出すると、ステップS10で、距離カウンタの値をD4にセットし、これにより一連の検出処理が終了することから、最終的にステップS11で、D1〜D4にセットした距離カウンタの値の平均値を求めて、その位置にアクセッサを移動するセンタリングを行う。
【0133】
図24は、アクセッサのロボットハンドに設けている光検出器の調整を示す。アクセッサのロボットハンド48に設けたピッカ部62の側面には光検出器110が設置されており、光検出器110の感度調整は、通常、図20のように、アクセッサをセルドラムに位置決めした状態で行わなければならない。しかしながら、ライブラリ装置の設置工事の段階にあっては、アクセッサ単独で光検出器110の調整が必要となる。
【0134】
そこで本発明にあっては、図24のように、運搬対象となる記憶媒体のカートリッジ形状と同じことによってピッカ部62に保持可能な治具122を準備し、治具122に反射部材124を設ける。反射部材124はL字型に曲がった部材であり、反射面126がピッカ部62の光検出器110の前面に位置するように取り付けられている。
【0135】
このため、光検出器110の感度調整を行いたい場合には、図示のように治具122をピッカ部62に装着するだけで、光検出器110の前方に反射部材124の反射面126を位置させることができ、発光部112からの光の反射光を受光部114に入射することで感度調整がアクセッサ単独で実現できる。
【0136】
なお図24は、図20の取付状態をもつ光検出器110の感度調整を例にとっているが、図21に示すピッカ部62に対し、ある傾きをもって取り付けた光検出器110についても全く同様に、治具122を使用してアクセッサ単独での感度調整ができる。
【0137】
7.ドラム回転角の測定
本発明のライブラリ装置で使用するアクセッサ・コントローラにあっては、図8のように、セルアドレス変換テーブル82に格納するセルドラムの回転角θを、ライブラリ装置の設置が完了した運用開始前の段階で測定する必要がある。セルドラムの各セル位置に対する回転角は、例えば図5のセルドラム10にあっては、回転ドラム66の円周を12分割してセル64を配置していることから、セル1つ当たりの回転角は30°となり、セルドラムの基準位置に対する各セルの回転角は一義的に0°,30°,60°,90°,・・・330°,360°と決まっている。
【0138】
したがって、各回転角の位置で縦方向に並んだセルのセルドラムについて、設計的に決まった回転角を使用すればよいが、設計上の回転角と設置が済んだセルドラム10のアクセッサ取出位置に対するセルセンタリング位置との間には必ず誤差が生ずる。
【0139】
そこで従来は、ライブラリ装置の据付けが完了した段階でセルドラムの前にアクセッサを位置決め制御し、ロボットハンドの上下方向のセル取出位置即ちY軸方向で位置決めしながら各セルごとにアクセッサのロボットハンドに対するセンタリングを人為的に調整し、そのときの回転角をセルアドレス変換テーブル82に格納して使用している。しかしながら、人為的な回転角の測定処理であっては手間が大変であることから、本発明にあっては、この回転角の測定処理を自動的に行う。
【0140】
図25は、ドラム回転角の測定に使用する機器の取付状態の説明図である。まずセルドラム10の測定対象とするセル64には、発光器136を設置する。発光器136は、ドラム回転軸130の回転中心135とセル64の開口部側の中心137を通る中心線を光軸とするように設置する。一方、アクセッサのロボットハンド48には光検出器140を設置する。光検出器140は、図26(A)のように、一方に開口した円筒部材142の中に受光部144を収納している。この光検出器140は、図26(B)のように、円筒部材142の中心軸からの入射光146に対し入射角を左右に広げていくと、円筒部142の開口端を通る光148以上の傾きで入射する光は受光部144に入射せず、中心光軸146に対し左右Δθの範囲の入射光のみを検出することができる。このような光検出器140の入射角度に対する検出機能を利用して、図27および図28のようにしてセルドラム10の回転角を検出する。
【0141】
まず図25のように、セルドラム10上の基準位置132を固定側の基準位置133に位置合せし、この状態で設計上の回転角θ=0°となって、測定対象となるセル64がアクセッサの正面に位置した状態とする。このような設計上の回転角θ=0°の回転位置決め状態から、図27のように、セル64に設けた発光器136より光を出しながらセルドラム10を反時計回りに微小角度δθずつ回転する。
【0142】
即ち、初期位置Q0からまず微小角度δθによりQ1位置に回転する。このセルドラム10の微小角度δθの回転に同期して、アクセッサのロボットハンド48も微小距離δLずつ移動し、最初は初期位置P0からP1への移動となる。セルドラム10を微小角度δθ回転し、且つアクセッサを微小距離δL移動したならば、このときのロボットハンド48に設けている光検出器140で受光出力が得られるか否かチェックする。受光出力が得られたならば、再びセルドラム10の微小回転とアクセッサの微小移動を行い、これを光検出器140で検出出力が得られなくなるまで繰り返す。
【0143】
アクセッサのロボットハンド48を図示のP8の位置に移動するまでは光検出器140で検出信号が得られるが、更にもう1ステップ移動した場合には、図26(B)の光軸148−2を越える入射角となることで、光検出器140の検出出力が得られなくなる。そこで、光検出器140の検出出力が得られなくなる直前のP8におけるセルドラム10の回転位置Q8における回転角Δθを求める。この回転角Δθは、Q8までのステップ回転数Nに微小回転角δθを掛け合わせた(N×δθ)となる。
【0144】
次に図28のように、アクセッサおよびセルドラム10を図25の初期位置に戻し、今度はセルドラム10を時計回りに微小角度δθずつ回転しながら、これに同期してアクセッサを微小距離δLずつ左方向に移動する。同様にして、光検出器140の受光出力が得られたとすると、1つ前の回転位置Q8の回転角ΔθをΔθ=(N×δθ)として求める。
【0145】
ここで、セルドラム10の反時計回りの回転角をマイナス、時計回りの回転角をプラスとすると、図27の測定で得られた回転角は−Δθとなり、図28の測定で得られた回転角は+Δθとなる。
【0146】
図29は、測定結果を図25の初期位置について示しており、アクセッサのロボットハンド48に対しセル64が正面に位置するセンタリング位置は、左右の測定角度の絶対値の和の半分となる。これを固定側基準位置133に対するセルドラム10上の基準位置132の設計上の回転角θについて補正すると、
θ=θ+(Δθ2−Δθ1)/2
となる。このように、測定結果から算出された補正後の角度θをアクセッサ・コントローラ30のセルアドレス変換テーブル82の回転角θに使用する。
【0147】
図30のフローチャートは、ドラム回転角測定処理を示している。まずステップS1で、任意のセルをアクセッサのピックアップ位置にセットし、カウンタNを0にリセットする。ステップS2で、アクセッサを右方向に微小距離δL移動し、ステップS3で、セルドラムを反時計回りに微小角度δθ回転する。これにより、ステップS4で、光検出の出力があれば、ステップS5で、カウンタNを1つインクリメントし、ステップS2,S3の処理を繰り返す。
【0148】
ステップS4でセンサ出力が断たれたならば、ステップS6で、カウンタNの値即ち生成出力が断たれる1つ前のステップ数を微小角度δθに掛け合わせて、Δθ1を算出する。続いてステップS7で、セルをピックアップ位置に戻し、カウンタNを0にリセットし、ステップS8〜S12で、アクセッサの左方向への移動とセルドラムの時計回りの回転による測定処理を行4.。
【0149】
ステップS12で、同様にして測定角Δθ2を算出し、ステップS14で、アクセッサの正面にセルが位置するセンタリング状態の回転角θを求めてセルドラム変換テーブル82に格納する。続いてステップS14で、全セルの終了の有無をチェックし、ステップS1〜S13の処理をセルドラムの全セルについて繰り返す。
【0150】
8.パワーオンスタート時のセルアドレス変換テーブルの展開
図8に示したセルアドレス変換テーブル82は、ライブラリ装置の運用開始前の測定処理を通じて、セルドラムについては各セルアドレスごとに回転角θおよびアクセッサ移動範囲となる2次元座標上の座標値X,Yが求められ、それ以外のセルアドレスについては座標値X,Yが求められ、これらの回転角θおよび座標値X,Yを格納したセルアドレス変換テーブルは、図7のアクセッサ・コントローラ30のROM76に予め格納される。同時に、フロッピディスク装置104を使用してバックアップのためにセルアドレス変換テーブル82のオリジナルデータがフロッピディスクに格納される。
【0151】
ライブラリ装置の運用開始のためにパワーオンスタートした際には、装置運用にセルアドレス変換テーブル82は極めて重要なマッピング機能をもつことから、DRAM78にセルアドレス変換テーブル82を展開する際に、ROM76のテーブルデータとフロッピディスク装置194より読み込んだフロッピディスクのオリジナルテーブル値とをセルアドレスごとに照合し、一致した場合にROMテーブル値をセルアドレス変換テーブル82に展開して使用する。
【0152】
もしROMテーブル値とフロッピテーブル値が一致しなかった場合には、そのセルアドレスについてのテーブル値は異常と見做し、例えば図30に示したようなセルドラムの回転角の測定処理およびアクセッサのセルドラムへの位置付けによる座標値X,Yの測定を改めて行い、正常なテーブル値をセルアドレス変換テーブル82に展開する。
【0153】
しかしながら、ROMテーブル値とフロッピテーブル値が不一致となる度にアクセッサおよびセルドラムの実駆動による測定処理を行っていたのでは、立上げ上げに時間がかかり過ぎる。もともと、フロッピディスクに格納されているテーブル値は立上げ前の調整段階で測定された正しいテーブル値であり、改めて測定処理を行う必要はない筈である。
【0154】
そこで本発明にあっては、図7に示したように、アクセッサ・コントローラ30に対し外部接続しているCEパネル96の表示部98に対し、ROM76とフロッピディスクのテーブル値の照合における不一致を表示し、FD選択スイッチ100の操作によるフロッピテーブル値の選択を可能とする。
【0155】
これによってROMテーブル値とフロッピテーブル値が不一致となっても、オリジナルデータであるフロッピテーブル値を選択することで、セルドラムやアクセッサの実駆動による測定処理を行うことなく有効なテーブル値をDRAM78のセルアドレス変換テーブル82として展開することができる。
【0156】
図31のフローチャートは、パワーオンスタート時におけるROMテーブル値とフロッピテーブル値の照合によるセルアドレス変換テーブル82の展開処理である。
【0157】
パワーオンスタートに伴って、アクセッサ・コントローラはフロッピディスクのセルアドレス変換テーブルを読み込み、ROM76のセルアドレス変換テーブルのテーブル値を所定のセルアドレス変換テーブルから順番に照合する。ステップS2で両者が不一致でなければ、ステップS8で、ROMテーブル値をRAMにロードして使用させる。
【0158】
不一致であった場合には、ステップS3でCEパネル96に不一致を表示し、ステップS4でCEパネル96のスイッチ選択を行わせる。もしオペレータがFD選択スイッチ100を操作すれば、ステップS5からS6に進み、フロッピテーブル値をDRAMにロードする。
【0159】
また、セルアドレスによっては実際に測定処理によりテーブル値を求めなければならない場合もあることから、CEパネル96で測定処理を指示すると、ステップS7に進み、アクセッサの測定処理による実測処理を行う。
【0160】
以上の処理は、ステップS9で全セルアドレスの終了を判別するまで繰り返され、全セルアドレスの処理を終了すると、ステップS10で、セットアップ処理に移行する。
【0161】
9.2モータ・アクセッサ
図32は、本発明のライブラリ装置で使用するアクセッサの走行部の実施例であり、この実施例にあっては、走行用のモータを2台設けたことを特徴とする。図32において、アクセッサの走行部42は、走行用に2台のモータ44−1,44−2が設けられている。走行部40は、レール14を上下に設けたローラにより移動し、レール14の側面にはラックギア150が形成されている。このラックギア150に、モータ44−1,44−2の回転軸に設けているピニオンギアが噛み合って走行部40をレール14に対し走行させる。
【0162】
図33は、レール14に対する走行部44に設けたモータ44−1,44−2のギア噛合い状態である。モータ44−1の回転軸には、ギア数の少ないピニオンギア152が装着されている。モータ44−2の回転軸には、ギア数の多いピニオンギア154が装着されている。モータ44−1,44−2としては、同一性能のものを使用している。
【0163】
このため、モータ44−1,44−2の回転速度は同一であり、モータ44−1の1回転による走行距離はピニオンギア152の歯数Z1で決まり、またモータ44−2の1回転の走行距離もピニオンギア154の歯数Z2で決まる。ここで歯数Z1はZ2より小さいことから、モータ44−1の1回転による走行距離は短く、モータ44−2の1回転による走行距離は長くなる。
【0164】
これを速度についてみると、モータ44−1,44−2を同一速度で回転したときの走行速度は、モータ44−1は低速で、モータ44−2は高速となる。また、発生トルクについては、歯数Z1が少ないモータ44−1の方が大きく、歯数Z2の多いモータ44−2が小さいといえる。
【0165】
即ち、モータ44−1は低速,高トルクモータであり、一方、モータ44−2は高速,低トルクモータである。なお、ラックギア150,ピニオンギア152,154としては、バックラッシュによる誤差をなくすため、ヘリカルギアを採用している。
【0166】
図34は、図6のマシン・コントローラ32−1,32−2に設けられるアクセッサ走行部に2台のモータ44−1,44−2を設けたときのモータ制御回路である。図34において、各種の制御機能はDSP156のプログラム制御により実現される。DSP156には、アクセッサのレール走行で得られるロータリエンコーダからの距離パルスをカウントする距離カウンタ158が設けられる。
【0167】
距離カウンタ158は、予め定めたレール上の絶対位置を通過した際の絶対位置信号で予め定めた初期値にプリセットされる。これによって距離カウンタ158の累積誤差が除去される。更に、速度制御部160、位置付け制御部162が設けられ、またモータ44−1,44−2ごとに速度テーブル164,166が設けられている。速度テーブル164,166には、モータの速度制御および位置付け制御に必要な目標速度、加速情報、減速情報が格納されている。
【0168】
DSP156で作り出されたモータ制御データは、DAコンバータ168,172でアナログ制御電圧に変換され、モータドライバ170,174に供給され、モータ44−1,44−2を駆動する。本発明にあっては、速度制御の際にはモータ44−1,44−2のいずれか一方が駆動される。このモータ44−1,44−2の駆動を選択するため、DSP156はリレー176,180を制御する。
【0169】
モータ44−1の回路には、直列にリレー176のリレー接点178が接続され、またモータ44−2の回路には、直列にリレー180のリレー接点182が接続されている。したがって、リレー176,180をオンオフ制御することで、モータ44−1,44−2のいずれか一方を選択的に駆動することができる。
【0170】
図35は、図34のモータドライバ170の回路構成である。DAコンバータ168からの制御電圧は入力端子184に与えられ、抵抗186を介してオペアンプ188に入力する。オペアンプ188の出力は、+24ボルトと−24ボルトの電源間に直列接続したトランジスタ190,192のベースに共通接続される。
【0171】
トランジスタ190のエミッタとトランジスタ192のコレクタは、抵抗194,196を介して接続され、抵抗194と抵抗196の接続間からリレー接点178を介してモータ44−1に信号線を接続している。モータ44−1の他端は電流検出抵抗198を介して接地され、電流検出抵抗198の検出電圧は抵抗200を介してオペアンプ188の入力に帰還接続されている。
【0172】
入力端子184に対するDAコンバータ168からの制御電圧は、正負の範囲の電圧となる。制御電圧がマイナスのとき、オペアンプ188による反転でプラス電圧となってトランジスタ190がオンし、+24ボルトからトランジスタ190、抵抗194、リレー接点178、モータ44−1、電流検出抵抗198となる経路で駆動電流が流れ、モータ44−1は例えば正回転する。
【0173】
これに対し、入力端子にプラス電圧が入力すると、オペアンプ188による反転でマイナスの制御電圧となってトランジスタ192がオンし、電流検出抵抗198、モータ44−1、リレー接点178、抵抗196、トランジスタ92、−24ボルトとなる経路でモータ44−1に逆向きの駆動電流が流れ、モータ44−1が逆回転する。
【0174】
図36(A)は、モータ44−1の正回転による速度制御の際の制御電圧であり、図36(B)は、モータ44−1の逆回転による速度制御の際の制御電圧である。図36(A)の場合、まずマイナスの一定電圧となる加速電圧220が加わり、加速終了で一定の目標速度を与えるための目標電圧222が加わり、最後にプラスの減速電圧224が加わる。
【0175】
また図36(B)の逆方向の速度制御については、最初、一定のプラスの加速電圧226が加わり、加速終了で所定の目標速度を与える目標電圧228となり、最後に−の減速電圧230が加わる。なお図36(A)(B)は、一般的な速度制御における速度電圧を例にとっている。
【0176】
図37は、モータ44−1,44−2を単独で速度制御したときの速度線図である。速度線図202は低速,高トルクのモータ44−1の速度線図であり、発生トルクは大きいことから、走行開始時の加速度および停止直前の減速度は共に大きい。しかしながら、目標速度Vref1はギアの歯数が小さいことから低めになっている。
【0177】
速度線図204は高速,低トルクのモータ44−2であり、起動時の加速度と停止直前の減速度はトルクが小さいことからモータ44−1の速度線図202に比べて傾きが小さく、これに対し目標速度Vref2はギアの歯数が多いことから高めになっている。本発明にあっては、図37のモータ44−1,44−2の速度線図202,204を有効に活用し、例えば図38に示すような速度制御を行う。
【0178】
図38において、まずスタート開始時のA点では低速,高トルクのモータ44−1を選択し、図37の速度線図202の加速度をもつ加速補正206によって走行速度を急速に立ち上げる。続いて、走行速度がモータ44−1の目標速度Vref1に達したならば、高速,低トルクのモータ44−2の選択に切り替え、図37のモータ44−2の速度線図204の加速特性208により目標速度Vref2となるC点まで加速する。
【0179】
C点に達したら、Vref2により定速特性210となる一定速度制御を行う。そして、目標位置に対し予め定めた減速開始位置に達した時刻となるD点で低速,高トルクのモータ44−1を選択し、図37のモータ44−1の速度線図202の大きな減速度に従った減速特性212による減速を行う。このような図38の低速,高トルクのモータ44−1と高速,低トルクのモータ44−2のそれぞれの利点を生かした選択的な駆動により、図37の場合の各モータ44−1,44−2における同一距離の移動時間に対し、より短い時間でアクセッサの移動を終了することができる。
【0180】
図39のフローチャートは、図38のモータ44−1,44−2の選択切替えによるアクセッサ走行制御である。まずアクセッサの停止状態にあっては、ステップS1で、設定された位置に対する位置付け制御が行われている。この状態で、上位のアクセッサ・コントローラ30よりマシン・コントローラ32にセルアドレスに基づいた移動先の座標値X0,Y0を指定した移動指示を認識すると、ステップS3で、目標位置X0を読み込み、ステップS4で、現在位置との距離差ΔX即ち移動距離を(X0−X)として算出する。
【0181】
続いてステップS5で、速度テーブルを参照し、目標速度Vref2,切替速度Vref1,減速開始距離Xdを算出する。ここで、モータ44−1,44−2の目標速度ref1,ref2は、目標位置までの移動距離ΔXに応じて決められる。即ち、移動距離ΔXがモータの加減速特性による最高目標速度到達時間を越えている場合には、目標速度Vref1,Vref2は規定の最高目標速度に設定する。
【0182】
これに対し移動距離ΔXが短い場合には、移動距離に例えば比例して変化する目標速度Vref1,Vref2を設定する。更に減速開始距離についても、移動距離ΔXから設定された目標移動速度からの減速特性から算出された距離を使用する。これらのパラメータは通常、テーブルデータとして準備されており、ステップS4で得られた距離差ΔXによる検索で一義的に求められる。
【0183】
次にステップS6で、低速,高トルクモータ44−1を選択し、ステップS7で加速制御を行う。続いてステップS8で、モータ切替点となる速度Vcに達したか否かチェックし、切替速度Vref2に達したら、ステップS9で、高速,低トルクモータ44−2を選択し、ステップS10で加速制御を行う。そしてステップS11で、目標速度Vref2に達したら、ステップS12で定速制御に入る。
【0184】
定速制御中にあっては、ステップS13で、目標位置までの残り距離ΔXを算出し、ステップS14で、減速開始距離Xdに達したか否かチェックする。減速開始距離Xdに達したら、ステップS15で、低速モータ44−1を選択して減速制御を行う。減速中はステップS16で目標位置までの残り距離ΔXが位置付け制御の許容範囲であるδXdに達したか否かチェックし、この範囲に入ると、ステップS1の位置付け制御に切り替えて目標位置にアクセッサを位置付ける。
【0185】
更に、モータ44−1,44−2の2台を用いたアクセッサの走行制御にあっては、運用中にいずれか一方のモータに障害が起きた場合には、図39の選択切替えによる走行制御から正常な側のモータの単独制御に切り替える。このため、1台のモータが障害で故障しても、残っている正常なモータでアクセッサの走行制御ができ、走行性能自体はそれほど低下しないことから、ライブラリ装置の運用を停止することなく対応でき、夜間などの運用が休止できる時間帯に、修理交換などの対応をとればよい。
【0186】
また上記の実施例は、モータ44−1,44−2として同一性能のものを使用し、ピニオンギアの歯数を変えることで高速と低速に使い分けているが、同一駆動電流に対し回転速度が異なる性能の違うモータを使用してもよい。この場合には、モータ性能が違うことから、ピニオンギアは同じ歯数のものを使用する。
【0187】
また上記の実施例では、選択されなかったモータは走行に伴ってレール側により発電機として回転駆動されることから、モータに電磁クラッチなどを設け、選択されなかったモータの電磁クラッチを作動してピニオンギアを切り離し、選択されない場合の走行に伴うモータの発電機としての駆動ロスをなくしてもよい。
【0188】
更に、制動性能を高めるために、選択されずに発電器として駆動しているモータ側を、回正制動回路を形成して回正ブレーキが他方のモータによる減速制御と同時に掛かるようにしてもよい。
【0189】
なお本発明は、実施例による数値に示した限定は受けない。
【0190】
ここで本発明の特徴をまとめて列挙すると次の付記のようになる。
(付記)
(付記1)
持ち運び可能な記憶媒体の読み書きを行う記憶再生ユニットと、
前記記憶媒体の投入と排出を装置外部との間で行う投入排出ユニットと、
前記記憶媒体を格納するセルを円筒面に複数備え、回転駆動自在な複数のセルドラムと、
前記記憶媒体をロボットハンドでピックアップして前記セルドラムと前記記憶再生ユニットの間、又は投入排出ユニットと前記セルドラムの間で運搬する少なくとも2台のアクセッサと、
上位ユニットからのムーブコマンドにより受領した移動元アドレス及び移動先アドレスを含む媒体運搬情報を格納するキューイングテーブルと、
前記キューイングテーブルから取り出したムーブコマンドの移動元アドレス及び移動先アドレスに基づいて、前記セルドラムに回転を指示すると共に前記アクセッサに媒体の運搬を指示するアクセッサ・コントローラと、
前記アクセッサ・コントローラからの回転指示に基づいて、前記セルドラムの指定アドレス位置のセルをアクセッサ取出し位置に回転させるドラム・コントローラと、
前記アクセッサ・コントローラからの運搬指示に基づく座標位置にロボットハンドを移動させるマシン・コントローラと、
を備え、前記記録再生ユニットの設置場所の中心に左右に分けて前記セルドラムを配置すると共に、前記セルドラム及び記録再生ユニットの配列方向に沿って前記2台のアクセッサが走行するレールを設置し、前記左側に配置したセルドラムの媒体運搬を左側に位置するアクセッサに割り当て、前記右側に配置したセルドラムの媒体運搬を右側に位置するアクセッサに割り当てたライブラリ装置に於いて、
前記アクセッサ・コントローラに設けられ、前記セルドラムの各セルを前記アクセッサによる規定の媒体取出し位置に回転させるための回転角を計測するセルドラム測定部と、
測定対象とするセルに装着されてドラム回転中心とセル開口部の中心を結ぶ光軸方向の光を照射する発光部と、
前記ロボットハンドの中央にセルドラムを向けて配置され、円筒部材の内部に受光部を備えた光検出器と、
を備え、前記セルドラム測定部は、所定のセル回転角θの位置を中心に、前記セルドラムを反時計回りに微小角度δθずつ回転すると同時に前記セルドラムの回転に同期して前記アクセッサを微小距離δLずつ追従移動させて前記光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ1を測定し、また前記セルドラムを時計回りに前記微小角度δθずつ回転すると同時に前記セルドラムの回転に同期して前記アクセッサを前記微小距離δLずつ追従移動させて前記光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ2を測定し、測定された前記ドラム回転角Δθ1,Δθ2に基づいて前記セル回転角θを修正して前記セルを前記アクセッサの正面に向ける回転角を測定することを特徴とするライブラリ装置。(1)
【0191】
(付記2)
付記1記載のライブラリ装置に於いて、前記セルドラム測定部で測定された各セル毎の回転角θを、前記アクセッサ・コントローラのセルアドレスをエントリとした変換テーブルに格納したことを特徴とするライブラリ装置。(2)
【0192】
(付記3)
付記1記載のライブラリ装置に於いて、前記アクセッサ・コントローラは、 セルアドレスをエントリとして前記セルドラムの回転角及びアクセッサの移動位置を示す2次元座標値を格納した変換テーブルを記憶したROMと、
測定処理で得られた実測値の変換テーブルを格納したフロッピディスクと、
電源投入時に、前記ROMと前記フロッピディスクの変換テーブルの値をセルアドレス毎に照合し、一致する場合は前記ROMのテーブル値をRAMに展開して使用させ、不一致の場合は外部に表示し、外部からの選択指示に従って前記フロッピディスクのテーブル値をRAMに展開して使用可能とするテーブル値選択部と、を備えたことを特徴とするライブラリ装置。
【0193】
(付記4)
請求項3記載のライブラリ装置に於いて、前記テーブル値選択部は、前記ROMと前記フロッピディスクのテーブル値の不一致を保守パネルに表示し、前記保守パネルに設けた選択スイッチの操作による選択指示に従って前記フロッピディスクのテーブル値をRAMに展開して使用可能とすることを特徴とするライブラリ装置。
【0194】
(付記5)
記憶媒体をロボットハンドでピックアップし、少なくとも媒体収納部と記録再生ユニットの間で運搬するライブラリ装置のアクセッサに於いて、レール上を走行する走行部と、
前記走行部に設けられ、最高速度の異なる2台の走行モータと、前記2台のモータのいずれか一方を選択して走行制御するマシン・コントローラと、を備えたことを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0195】
(付記6)
請求項5記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、前記2台の走行モータは、同一の性能をもったモータであり、前記レール上に形成されたラックギアに対する噛み合い回転で前記走行部を走行させるピニオンギアを各々有し、前記各ピニオンギアは前記ラックギアに対するギア比が異なることを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0196】
(付記7)
請求項5記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、前記マシン・コントローラは、前記2台のモータの速度テーブルを持ち、前記速度テーブルに基づいて前記各モータを必要に応じ切り換えて最適な制御を行うことを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0197】
(付記8)
請求項7記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、
前記2台のモータのうち、第1モータはトルクが高く最高走行速度の低い高トルク低速モータであり、第2のモータはトルクが低く最高速度の高い低トルク高速モータであり、
前記マシン・コントローラは、起動時は前記第1モータを選択して加速制御し、前記第1モータによる加速中に第1規定速度に達したら前記第2モータを選択して加速制御し、第2規定速度に到達したら定速制御し、目標位置の手前の減速開始位置に達したら前記第1モータを選択して減速制御することを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0198】
(付記9)
請求項7記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、前記マシン・コントローラは、前記第1規定速度として前記第1モータの最高走行速度を設定し、前記第2規定速度として第2モータの最高走行速度を設定することを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0199】
(付記10)
請求項7記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、前記マンシコントローラは、現在位置から目標位置までの移動距離に応じて前記第1規定速度と第2規定速度を設定することを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0200】
(付記11)
請求項7記載のライブラリ装置のアクセッサに於いて、前記マシン・コントローラは、前記2台のモータの片側の障害時には、残された正常側のモータを選択して制御することを特徴とするライブラリ装置のアクセッサ。
【0201】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のライブラリ装置によれば、次の効果が得られる。
【0202】
まずセルブロックに代えてセルドラムを配置したことで、単位面積当りの媒体収納数を大幅に拡大でき、しかもアクセッサの移動距離も増加することがない。
【0203】
また中央に記録再生ユニットを配置し、その両側に分けてセルドラムを配置して2台のアクセッサに左右のセルドラムを割り当てることで、2台のアクセッサの同時動作による媒体運搬が効率良くできる。
【0204】
また実行中のコマンドでセルドラムからの媒体取出しが完了した待ち状態で、次に実行するコマンドに従ったドラム回転を先行して行うことで、アクセッサのドラム回転の待ち時間を短縮又は除去できる。更に、2台のアクセッサでコマンド実行を同時に行う際に、相手方の動きを妨げるようなコマンド選択を回避することで、可能な限り2台のアクセッサを同時動作させる。これによって、媒体のマウント効率が大幅にアップする。
【0205】
一方、ロボットハンドの光検出器を傾けて取り付けることで、セルエッジからの反射光を確実にセンサで受光し、検出感度を高める。またセルエッジに対し左右両方向から光検出器の移動走査を行って平均値を取ることで、検出誤差をなくす。またカートリッジ型の治具を作成し、アクセッサのロボットハンドに持たせることで、光検出器の感度調整が簡単にできる。
【0206】
更に、アクセッサにセルドラムの各セルを正しく位置決めするための回転角の測定処理を、測定セルに発光部を設け、アクセッサのロボットハンドに円筒円筒部材に受光部を収めた光検出器を設け、セルドラムとアクセッサを微小駆動しながら光検出できなくなる角度を両側で求めて誤差を実測し、この実測誤差で規定の回転角を補正することで、正確なセル毎の回転角を得てセルドラムの回転による位置決め精度を向上できる。
【0207】
またセルアドレスをドラム回転角及びアクセッサの移動座標値に変換する変換テーブルの値は、装置の設置段階でアクセッサの測定動作によって実測した値が使用され、フロッピディスクに格納されていることから、パワーオンスタート時にROMの値と一致しなかった場合は、フロッピディスクのオリジナル値を選択することで、値が違う度にアクセッサによる実測動作を行う手間が省ける。
【0208】
更に、アクセッサに最高走行速度の異なるモータを2台設けて選択的に使用した速度制御を行うことで、移動時間を短縮し、またモータの障害発生による装置の運用停止を防止できる。
【0209】
また、発光器は、ドラム回転軸の回転中心とセルの開口部側の中心を通る中心線を光軸とするように設置し、アクセッサのロボットハンドには光検出器を設置し、光検出器は一方に開口した円筒部材の中に受光部を収納している。この光検出器は、円筒部材の中心軸からの入射光に対し入射角を左右に広げていくと、円筒部の開口端を通る光よりおおきな傾きで入射する光は受光部に入射せず、中心光軸に対し左右Δθの範囲の入射光のみを検出することができるので、光検出器の入射角度に対する検出機能を利用して、セルドラムの回転角を自動的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明のフレーム構成の説明図
【図3】図2のアクセッサの説明図
【図4】図3のロボットハンドの説明図
【図5】図2のセルドラムの説明図
【図6】本発明のハードウェア構成を示したブロック図
【図7】図6のアクセッサ・コントローラのブロック図
【図8】アクセッサ・コントローラによるセルアドレス変換の説明図
【図9】アクセッサ・コントローラの媒体運搬処理のフローチャート
【図10】マシン・コントローラのアクセッサ駆動制御のフローチャート
【図11】本発明によるドラム回転先行制御の説明図
【図12】ドラム回転先行制御に使用するキューイングテーブルの説明図
【図13】本発明のドラム回転先行制御のフローチャート
【図14】本発明によるアクセッサ同時制御の説明図
【図15】図14の移動軌跡となるコマンドを格納したキューイングテーブルの説明図
【図16】退避を必要とするアクセッサ同時制御の説明図
【図17】図16の移動軌跡で部分的に行うアクセッサ同時制御の説明図
【図18】図16の移動軌跡となるコマンドを格納したキューイングテーブルの説明図
【図19】図14及び図16の同時制御を実現するアクセッサ運搬制御のフローチャート
【図20】散乱によるセルエッジ検出の説明図
【図21】本発明によるセルエッジ検出の説明図
【図22】本発明によるセルエッジの位置測定処理の説明図
【図23】図22のエッジ位置測定処理のフローチャート
【図24】本発明の光検出器の感度調整用治具の説明図
【図25】本発明のセル回転角測定処理に用いる機器の装着状態の説明図
【図26】図25の光検出器の説明図
【図27】セルドラムとアクセッサを右方向に駆動する測定処理の説明図
【図28】セルドラムとアクセッサを左方向に駆動する測定処理の説明図
【図29】図27,図28による測定角度の説明図
【図30】本発明によるセルドラム回転角測定処理のフローチャート
【図31】本発明によるパワーオンスタート時のROMとフロッピディスクのテーブルデータ不一致に伴なう処理のフローチャート
【図32】モータを2台搭載したアクセッサ走行部の機構説明図
【図33】モータを2台搭載したアクセッサ走行部の機構説明図
【図34】図33のモータ2台による走行駆動の説明図
【図35】マシン・コントローラに搭載されたモータ制御部のブロック図
【図36】図35のモータドライバの回路図
【図37】図33のモータ単独の速度制御パターンの説明図
【図38】2台のモータを選択した本発明の最適速度パターンの説明図
【図39】図38の速度制御のフローチャート
【図40】従来のライブラリ装置のフレーム構成の説明図
【符号の説明】
10,10−1〜10−12:セルドラム
12,12−1,12−2:アクセッサ
14:レール
15:投入排出ユニット
16,16−1〜16−4:デッキユニット
18−1,18−2:コントロールボックス
20−1〜20−4:ホストコンピュータ
22−1〜22−4:チャネル・インタフェース・バス
24:ライブラリ装置
26−1〜26−4:ディレクタ
30,30−1,30−2:アクセッサ・コントローラ
32,32−1,32−2:マシン・コントローラ
34−1〜34−12:磁気テープ装置
35,35−1,35−2:ドラム・コントローラ
40:走行部
42:支柱
44,44−1,4−2:モータ
46:リフト部
48:ロボットハンド
50:ネジシャフト
52:旋回用モータ
54,60:ワイヤベルト
56:旋回プーリ
58:スライド用モータ
62:ピッカ部
64:セル
70:CPU
72:運搬制御部
74:測定処理部
76:ROM
78:DRAM
80:キューイングテーブル
82:セルアドレス変換テーブル(変換テーブル)
84:上位インタフェース制御部
88:マシン・コントローラ・インタフェース制御部
92:ドラム・インタフェース制御部
94,102:デバイス・インタフェース制御部
96:CEパネル(システム・エンジニア・操作パネル)
98:表示部
100:FD選択スイッチ
104:フロッピディスク装置
108:セルエッジ
110:光検出器
112:発光部
114:受光部
120:傾斜取付部材
122:治具
124:反射部材
126:反射面
130:ドラム回転軸
132:ドラム基準位置
134:アクセッサ走行軌跡
136:発光器
140:光検出器
142:円筒部材
144:受光部
150:ヘリカル・ラックギア
152,154:ヘリカル・ピニオンギア
156:DSP
158:距離カウンタ
160:速度制御部
162:位置付け制御部
164,166:速度テーブル
168,172:DAコンバータ
176,180:リレー
178,182:リレー接点
188:オペアンプ
190,192:トランジスタ

Claims (2)

  1. 持ち運び可能な記憶媒体の読み書きを行う記憶再生ユニットと、
    前記記憶媒体の投入と排出を装置外部との間で行う投入排出ユニットと、
    前記記憶媒体を格納するセルを円筒面に複数備え、回転駆動自在な複数のセルドラムと、
    前記記憶媒体をロボットハンドでピックアップして前記セルドラムと前記記憶再生ユニットの間、又は投入排出ユニットと前記セルドラムの間で運搬する少なくとも2台のアクセッサと、
    上位ユニットからのムーブコマンドにより受領した移動元アドレス及び移動先アドレスを含む媒体運搬情報を格納するキューイングテーブルと、
    前記キューイングテーブルから取り出したムーブコマンドの移動元アドレス及び移動先アドレスに基づいて、前記セルドラムに回転を指示すると共に前記アクセッサに媒体の運搬を指示するアクセッサ・コントローラと、
    前記アクセッサ・コントローラからの回転指示に基づいて、前記セルドラムの指定アドレス位置のセルをアクセッサ取出し位置に回転させるドラム・コントローラと、
    前記アクセッサ・コントローラからの運搬指示に基づく座標位置にロボットハンドを移動させるマシン・コントローラと、
    を備え、前記記録再生ユニットの設置場所の中心に左右に分けて前記セルドラムを配置すると共に、前記セルドラム及び記録再生ユニットの配列方向に沿って前記2台のアクセッサが走行するレールを設置し、前記左側に配置したセルドラムの媒体運搬を左側に位置するアクセッサに割り当て、前記右側に配置したセルドラムの媒体運搬を右側に位置するアクセッサに割り当てたライブラリ装置に於いて、
    前記アクセッサ・コントローラに設けられ、前記セルドラムの各セルを前記アクセッサによる規定の媒体取出し位置に回転させるための回転角を計測するセルドラム測定部と、
    測定対象とするセルに装着されてドラム回転中心とセル開口部の中心を結ぶ光軸方向の光を照射する発光部と、
    前記ロボットハンドの中央にセルドラムを向けて配置され、円筒部材の内部に受光部を備えた光検出器と、
    を備え、前記セルドラム測定部は、所定のセル回転角θの位置を中心に、前記セルドラムを反時計回りに微小角度δθずつ回転すると同時に前記セルドラムの回転に同期して前記アクセッサを微小距離δLずつ追従移動させて前記光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ1を測定し、また前記セルドラムを時計回りに前記微小角度δθずつ回転すると同時に前記セルドラムの回転に同期して前記アクセッサを前記微小距離δLずつ追従移動させて前記光検出器で受光信号が得られなくなるドラム回転角Δθ2を測定し、測定された前記ドラム回転角Δθ1,Δθ2に基づいて前記セル回転角θを修正して前記セルを前記アクセッサの正面に向ける回転角を測定することを特徴とするライブラリ装置。
  2. 請求項1記載のライブラリ装置に於いて、前記セルドラム測定部で測定された各セル毎の回転角θを、前記アクセッサ・コントローラのセルアドレスをエントリとした変換テーブルに格納したことを特徴とするライブラリ装置。
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