JP3641109B2 - 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物、詳しくは、低泡性でかつ泡切れがよく、油汚れ、澱粉汚れ、蛋白質汚れや繊維質を有する汚れに対する優れた洗浄力を有し、かつ被洗浄物を損傷することのない自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、自動食器洗浄機が急速に普及し、業務用ばかりでなく、一般家庭にも盛んに用いられるようになった。現在、自動食器洗浄機としては、加温した洗浄剤水溶液を食器に吹きつけて洗浄し、かつ洗浄剤水溶液を循環使用するタイプのものが普及しているが、このタイプの洗浄機に従来の食器洗剤を使用すると、著しい発泡を生じるために洗浄槽から洗浄剤水溶液が溢れたり、ポンプが空回転して、洗浄機自体の運転が不可能となるという問題点があった。そこで、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物には洗浄力はもとより、低泡性であることが必要条件とされ、今までに幾つかの洗浄剤が提案されてきた。
【0003】
また、食品の汚れは複雑で、油脂による汚れのほかに、澱粉質、例えば、米飯の付着による汚れなどが複合化されていることが多い。この様な複雑な汚れに関する洗浄系に対して、従来は前述した発泡性の問題を考慮して界面活性剤を極力少量もしくは全く含まない強いアルカリ性の洗浄剤が一般的に用いられてきた。しかしながら、やはり油に対する洗浄力は不十分であり、更にはアルミ食器・ガラス食器などの光沢を失わしめるという欠点があった。斯かる欠点を解決するために、現在は油汚れに対しては、トリポリリン酸塩や珪酸塩に代表されるビルダー類、HLBが10未満の非常に少量の非イオン性界面活性剤(洗浄剤水溶液に対して0.008wt%程度)及び造粒したアミラーゼあるいはプロテアーゼを含有した弱アルカリ性の粉末洗浄剤が広く用いられている。しかし、上記洗浄剤においても油の量の多い汚れに対する洗浄力は未だ十分でないという問題が存する。
【0004】
以上のような問題を解決する洗浄剤として、特開平3−56600号公報には、特定のポリオキシアルキレン誘導体及び酵素を含有する洗浄剤組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載の洗浄剤組成物は、低泡性であるという性質は具備しているものの、生じた泡の泡切れが悪く、また洗浄機内に泡が残留した場合、すすぎ性が悪いという点で未だ満足のいくものではなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、低泡性でかつ泡切れがよく、油汚れ、澱粉汚れ、蛋白質汚れや繊維質を有する汚れに対する優れた洗浄力を示し、かつ被洗浄物を損傷することのない自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような要望に応えるべく鋭意研究の結果、特定のホスホン酸又はその塩と特定のポリオキシプロピレンとを含有する洗浄剤組成物が上記の目的を達成し得るものであることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、下記一般式(1) 〜(4) で表されるホスホン酸又はその塩(a) と、オキシプロピレン基の平均縮合度が10〜90であるポリオキシプロピレン(b) とを含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を提供するものである。
【0009】
【化3】
【0010】
〔式中、n は1〜8の数であり、X は下記一般式(5)
【0011】
【化4】
【0012】
で表されるホスホン酸基又はホスホン酸塩基を示す。M1、M2は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換アルキルアンモニウムを示す。〕
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の(a) 成分である一般式(1) 〜(4) で表されるホスホン酸又はその塩において、一般式(5) で表されるホスホン酸塩基中の中のM1、M2(対イオン)は、上記で定義されるものであるが、なかでも水素、ナトリウム、カリウムが一般的である。これらの化合物は例えばモンサント社製の「ディクエスト(DEQUEST) 」シリーズとして入手可能である。
【0014】
本発明において、(a) 成分は1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%配合される。(a) 成分の配合量が1重量%より少ない場合には充分な洗浄効果が得られず、50重量%より多い場合には後述のように酵素を配合した場合に酵素の活性が損なわれる。
【0015】
本発明の(b) 成分であるポリオキシプロピレンは、オキシプロピレン基の平均縮合度が10〜90、好ましくは30〜50である。この範囲のものが洗浄力に優れている。本発明に用いられるポリオキシプロピレンとしては、平均分子量として600 以上5000以下のものが好ましく、特に2000〜4000のものが好ましい。本発明において、かかるポリオキシプロピレンは、組成物中に0.001 〜10重量%配合されることが好ましく、より好ましくは 0.005〜5重量%である。ポリオキシプロピレンの配合量が 0.001重量%より少ない場合には充分な洗浄効果が得られず、10重量%より多く含有する場合には増泡により洗浄効率が損なわれる。
【0016】
また、本発明においては、(a) 成分と(b) 成分の重量比が、(a) /(b) =1/5〜500 /1、特に1/2〜30/1であることが洗浄力の面からより好ましい。更に組成物中の(a) 成分と(b) 成分の合計量は1.5 〜60重量%が好ましく、特に2〜15重量%が好ましい。
【0017】
本発明の組成物には、酵素を配合することが好ましい。本発明に使用される酵素成分としては、アミラーゼ、澱粉枝切り酵素、セルラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、プロテアーゼなどである。
【0018】
アミラーゼとしては菌から誘導されたものであってもよい。好適なアミラーゼはBacillus licheniformis菌から得られたアミラーゼであり、Novo社から市販されている"Termamyl"(登録商標)等である。より好ましくは液化型アルカリα−アミラーゼが挙げられる。かかる液化型アルカリα−アミラーゼを生産する微生物としては、高ランダムに澱粉又は澱粉系多糖類を分解する性質を有し、かつ至適pHがアルカリ領域にあり、等電点の高いα−アミラーゼを生産する能力を有するものであれば特に限定されないが、例えば特開平3−108482号公報記載のバチルス属に属するバチルス エスピー. (Bacillus sp.)KSM-AP1378(FERM BP-3048)が挙げられる。
【0019】
アミラーゼは0.2 〜5重量%配合され、これによってDNS法による糖化活性が本洗浄剤組成物の実使用濃度において1×103 キロユニット(1分間に1mgのグルコースを生成する酵素量を100 単位とする。)以上となるようにする。
【0020】
又、適当なプロテアーゼの例としては、B.subtilis菌や、B.licheniformis 菌の特定の菌株から得られる、スプチリシンが挙げられる。これらの例としてはギスト社から販売されている”マクサターゼ”(登録商標)、Novo社の”アルカラーゼ”(登録商標)、”エスペラーゼ”(登録商標)及び”サビナーゼ”(登録商標)などである。
【0021】
本発明に用いられる澱粉枝切り酵素としてはプルラナーゼ、イソプルラナーゼ及びイソアミラーゼが挙げられる。これら澱粉枝切り酵素は、α−アミラーゼ及びβ−アミラーゼと同様に澱粉質の分解に関与するものであるが、α−アミラーゼ及びβー アミラーゼがアミロース及びアミロペクチン中の糖鎖のα−1,4 結合を切断するのに対して、プルラナーゼ及びイソアミラーゼはアミロペクチン中の糖鎖のα−1,6 結合を、イソプルラナーゼは糖鎖のα−1,6 結合近傍のα−1,4 結合を選択的に切断する酵素として知られている。すなわちアミロペクチン中の分岐鎖を切断する点でα−アミラーゼ及びβ−アミラーゼと異なっている。
【0022】
これらの澱粉枝切り酵素は種々の起源から得られるが、一般には菌類から誘導される。好適な澱粉枝切り酵素としては、クレブシェラ属に属する菌、バチルス属に属する菌、アスペルギルス属に属する菌、シュードモナス属に属する菌等から得られたアミロペクチン−6−グルカノヒドラーゼ活性を示すプルラナーゼ、イソプルラナーゼ及びイソアミラーゼが挙げられる。
【0023】
また、澱粉枝切り酵素は市販品を用いることもできる。市販されているプルラナーゼとしては、スプレンターゼ(天野製薬社製)、プロモザイム200L(ノボ・インダストリー社製)等が、イソアミラーゼとしては、イソアミラーゼ(生化学工業社製)等が挙げられる。
【0024】
澱粉枝切り酵素としては、アルカリ性、特にpH8〜11に至適pHを有するものが好ましく、特にアルカリプルラナーゼが好ましい。アルカリプルラナーゼ生産菌としては、バチルス エスピー.KSM-AP1876(FERM BP-3049) が利用できる。ここで、至適pHは、0.25%プルラン、10mM酢酸緩衝液(pH4〜6)、リン酸緩衝液(pH6〜8)、グリシン−食塩−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8〜11)及び塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH11〜12)の反応系を用い、45℃で10分間反応させて測定することができる。
【0025】
本発明において、酵素成分の含有量は0.1 〜10重量%、好ましくは0.1 〜5重量%である。本成分の含有量が0.1 重量%より少ない場合には洗浄液の安定性が低く、10重量%より多く含有する場合には配合の自由度が小さくなる。
【0026】
また、本発明の組成物には、Ca(カルシウム)捕捉剤を配合することが好ましい。Ca捕捉剤としては、ヒドロキシモノあるいは多価カルボン酸あるいはその塩、イミノ二酢酸構造を有するアミノカルボン酸あるいはその塩、珪酸化合物、アルミノ珪酸化合物、ポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体の塩、マレイン酸とオレフィン類の共重合体の塩からなる群より選ばれる1種以上のCa捕捉剤が挙げられる。ここで、ヒドロキシモノあるいは多価カルボン酸(塩)としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、グルタール酸等及びこれらの塩が挙げられる。イミノ二酢酸構造を有するアミノカルボン酸(塩)としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等及びこれらの塩が挙げられる。また、ヘキサメタリン酸、アミノトリ(メチレンスルホン酸)等を配合することもできる。Ca捕捉剤は、組成物中に5〜85重量%配合することが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
【0027】
本発明の組成物には、漂白剤を配合することができる。漂白剤としては酸素系漂白剤が挙げられる。酸素系漂白剤としては、モノパーオキシフタル酸マグネシウムなどの有機塩酸又はその塩、アルカリ金属の過ホウ酸塩(1水和物又は4水和物)、過炭酸塩及び過ケイ酸塩などの水溶液中で過酸化水素を発生する過酸化物が挙げられる。これら過酸化水素付加体のうち、好ましいものは過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムである。また、漂白剤は、水中において過酸化水素と反応して有機過酸を発生する漂白活性化剤と併用して用いるのが良い。漂白活性化剤としてはテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、グルコースペンタ酢酸(GPA)及びキシローステトラ酢酸(XTA)が一般的に使用される。漂白剤/漂白活性化剤は重量比で8/1〜1/1の範囲で用いられる。漂白剤を配合する場合、その配合量は組成物中0.1 〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。漂白剤の含有量が0.1 重量%より少ない場合には漂白効果が弱く、20重量%より多く含有する場合には酵素等の他の成分を阻害する。また、漂白活性化剤を配合する場合、その配合量は組成物中0.1 〜30重量%であり、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。漂白活性化剤の配合量が0.1 重量%未満では洗浄効果の向上が認められず、また30重量%を超えて配合してもそれ以上の効果は得られず、経済的にも不利となる傾向にある。
【0028】
本発明の組成物には、アルカリ剤や界面活性剤を配合することができる。
【0029】
アルカリ剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、珪酸ナトリウムなどが挙げられる。珪酸ナトリウムは金属腐食防止作用を有するので、これを他のアルカリ剤と併用するのが望ましい。特に、炭酸水素ナトリウムと珪酸ナトリウム(SiO2/NaO 比が1/1〜4/1、好ましくは2/1〜 2.5/1)の重量比が35/1〜2/1、或いは炭酸ナトリウムと珪酸ナトリウム(SiO2/Na2O比が1/1〜4/1、好ましくは2/1〜2.5 /1)の重量比が35/1〜2/1で併用して用いるのが最も好ましい。本発明において、アルカリ剤の配合量は5〜85重量%が好ましく、より好ましくは20〜70重量%である。アルカリ剤は0.05〜1重量%濃度の洗剤溶液が pH9.0〜11.0になるように調整して用いるのが望ましい。
【0030】
本発明に用いられる界面活性剤としては、一般的な界面活性剤が挙げられるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0031】
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシプロピレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類、ポリオキシブチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類、アルキレンオキシド付加モノアルキル基又はモノアルケニル基含有非イオン性界面活性剤混合物、蔗糖脂肪酸エステル類、脂肪族アルカノールアミド類、脂肪酸グリセリンモノエステル類、アミンオキサイド類、酸化エチレン縮合型界面活性剤及びアルキルグリコシド類の中から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。かかる非イオン性界面活性剤を更に具体的に示すと以下の (1)〜(10)が挙げられる。
【0032】
(1) ポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、エチレンオキサイド付加モル数は、平均で1〜30モルであるもの。
【0033】
(2) ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類であって、アルキル基の平均炭素数が6〜12であり、エチレンオキサイド付加モル数は、平均で1〜25モルであるもの。
【0034】
(3) ポリオキシプロピレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、プロピレンオキサイド付加モル数は、平均で1〜20モルであるもの。
【0035】
(4) ポリオキシブチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル類であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、ブチレンオキサイド付加モル数は、平均で1〜20モルであるもの。
【0036】
(5) 片末端のみにアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比: 0.1/9.9 〜 9.9/0.1 )あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイド(モル比: 0.1/9.9 〜9.9 /0.1 )が付加されてなる非イオン性界面活性剤混合物であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、1分子当たりのアルキレンオキサイド付加モル数は平均で1〜30モルであるもの。
【0037】
(6) 下記の一般式(A)で表わされる高級脂肪酸アルカノールアミド類又はそのアルキレンオキサイド付加物。
【0038】
【化5】
【0039】
〔式中、R3は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、R4、R5は同一又は異なってH 又はCH3 であり、p は1〜3の数、q は0〜3の数である。〕
(7) 蔗糖脂肪酸エステル類であって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であるもの。
【0040】
(8) 脂肪酸グリセリンモノエステル類であって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であるもの。
【0041】
(9) アミンオキサイド類。例えば炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミンオキサイドが挙げられる。より好ましいアミンオキサイドとしては、下記の一般式(B)で表されるアルキルアミンオキサイドが挙げられる。
【0042】
【化6】
【0043】
上記一般式(B)において、R6は炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基であるが、特に炭素数12〜18のアルキル基が好ましい。R7、R8は炭素数1〜3のアルキル基であるが、特に炭素数1のメチル基が好ましい。
【0044】
(10)アルキル多糖類。例えば、下記の一般式(C)で表されるアルキル多糖類。
R9(OR10)xGy (C)
〔式中、R9は、直鎖又は分岐鎖の総炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基又はアルキルフェニル基を表わし、R10 は炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、G は炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基である。x(平均値)は0〜5であり、y(平均値)は1〜5である。〕
上記一般式(C)中のx はその平均値が0〜5であるが、この値を変えることにより、本洗浄剤組成物の水溶性及び結晶性を調整できる。つまり、x の値が大きいもの程、水溶性が高くなり且つ結晶性が低くなる傾向にある。好ましいx の値は0〜2であり、特に好ましくは0である。一方、y は、その平均値が1より大きい場合、つまり2糖類以上の糖鎖を親水性基とする場合、糖鎖の結合様式が1−2、1−3、1−4、1−6結合のもの、更にα−、β−ピラノシド結合又はフラノシド結合及びこれらの混合された結合様式を有する任意の混合物を含むことが可能である。また、一般式(C)中のy の平均値は1〜5、好ましくは1〜1.5 、より好ましくは 1.1〜1.4 である。尚、y の測定値はプロトンNMR法によるものである。また、式中のR9は、溶解性及び洗浄性の点から炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。また、R10 は、水溶性の点から炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。更にG は単糖類若しくは2糖類以上の原料によってその構造が決定されるが、このG の原料としては、単糖類ではグルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、及びこれらの混合物等が挙げられ、2糖類以上ではマルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、好ましい原料は、それらの入手容易性及びコストの点から、単糖類ではグルコース及びフルクトースであり、2糖類以上ではマルトース及びスクロースである。この中でも特に入手容易性の点からグルコースが好ましい。更に、ペンタエリスリトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ソルビトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、マンニトール・2−オクチルドデシルグリシジルエーテルの1モル付加体、メチルグルコシド・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ジグリセリン・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、フィタントリオール等の1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基又はアルケニル基及び少なくとも3個の水酸基を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0045】
これらのノニオン界面活性剤の中でも(1) 、(5) 、(6) 、(9) 及び(10)が好ましく、更に(5) 、(9) 及び(10)が特に好ましい。
【0046】
本発明において、界面活性剤の配合量は0.0010〜10重量%、好ましくは1〜10重量%である。界面活性剤の配合量が1重量%より少ない場合には充分な洗浄効果が得られず、10重量%より多く含有する場合には配合の自由度が狭まるため好ましくない。
【0047】
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は一般に乾燥粉粒状生成物の形に製造できる。即ちこれは、常用の製造技術に従って粉状又は粒状の各成分を乾式混合し次に液体成分(非イオン性界面活性剤など)を前記混合物上に噴霧することによっても製造できるが、特に限定されるものではない。
【0048】
尚、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤は、上記したように強アルカリを使用せずに、特定のホスホン酸又はその塩とポリオキシプロピレンとを必須成分とすることにより、充分な洗浄力を有するものであり、主に強アルカリの使用が困難である家庭用の自動食器洗浄機に対して使用される。
【0049】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤は自動食器洗浄機用洗浄剤の基本性能である油汚れ、澱粉汚れ、蛋白質汚れや繊維質を有する汚れなどに対する充分な洗浄力を有すると同時に低泡性でかつ泡切れがよく、実用的価値の高い自動食器洗浄機用洗浄剤である。
【0050】
【実施例】
次に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、以下の例において「%」は「重量%」を表す。
【0051】
実施例1〜7及び比較例1〜4
下記の表1に示す組成物を調製し、下記の洗浄条件で、下記の洗浄力試験を行い、評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
【0053】
<洗浄力の評価>
〔米飯汚れ洗浄力測定法〕
(汚染皿の調製)
軟質の炊き上がり米飯を30分間室温にて放置し、3gを直径25cmの磁性の皿に引き伸ばして塗布し、室温で1昼夜風乾したものを6枚洗浄に供した。
【0054】
(米飯汚れ洗浄力評価方法)
洗浄後の皿の米飯の残留をヨウ素の呈色反応によって生じた青色部分の面積(P)を写真判定によって測り、初期の汚染面積(S)から各皿の洗浄率を下式によって求めた。更に、6枚の皿の洗浄率を平均し、平均洗浄率(%)とした。
皿一枚の洗浄率(%)=〔(S−P)/S〕×100
【0055】
【数1】
【0056】
〔複合汚れ洗浄力測定法〕
(汚染皿の調製)
ホワイトソース(ハインツ社製の缶詰) 100gにマーガリン(雪印社製「ネオソフト」)10gを加え、60℃に加温し良く混合し複合汚れとする。
直径25cmの磁性の皿一枚当たりに、上記の複合汚れ5gを塗布し、 120℃で15分間焼き付ける。これを一昼夜放置した後洗浄に供した。
(洗浄試験と洗浄力評価方法)
汚染皿5枚を洗浄機に入れ、上記の洗浄条件にて洗浄を行った。洗浄後の皿は一枚づつ下記の判断基準により判定し、下式により洗浄評価点を算出した。
完全に洗浄された 5点
わずかに汚れの残留がある 4点
少量の汚れの残留が認められる 3点
皿の約1/4に汚れの残留が認められる 2点
皿の約1/2に汚れの残留が認められる 1点
全く洗浄されなかった 0点
洗浄評価点=〔各汚染皿の評価点の和〕×4
【0057】
【表1】
【0058】
(注)
*1:ディクエスト2000〔アミノトリ(メチレンホスホン酸)、モンサント社製〕
*2:ディクエスト2010(1−ヒドロキシエチリデン−1,1 −ジホスホン酸、モンサント社製)
*3:ディクエスト2041〔エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)酸、モンサント社製〕
*4:ポリプロピレングリコール、平均分子量約3000、平均縮合度約50(ジオールタイプ、和光純薬株式会社)
*5:ソフタノールEP7085(日本触媒(株))
*6:ターマミル60T(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))
*7:サビナーゼ12.0T(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))
*8:テトラアセチルエチレンジアミン(WARWICK 社製)
Claims (15)
- (a) 成分を1〜50重量%含有する請求項1記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (b) 成分を0.001 〜10重量%含有する請求項1又は2記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- (a) /(b) 重量比が、(a) /(b) =1/5〜500 /1である請求項1〜3の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 酵素を含有する請求項1〜4の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 酵素を0.1 〜10重量%含有する請求項5記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 酵素が、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、プルラナーゼ、イソプルラナーゼ、及びイソアミラーゼからなる群より選ばれる1種以上の酵素である請求項5又は6記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- Ca捕捉剤を含有する請求項1〜7の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- Ca捕捉剤を5〜85重量%含有する請求項8記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- Ca捕捉剤が、ヒドロキシモノあるいは多価カルボン酸あるいはその塩、珪酸化合物、アルミノ珪酸化合物、ポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体の塩、マレイン酸とオレフィン類の共重合体の塩からなる群より選ばれる1種以上のCa捕捉剤である請求項8又は9記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 漂白剤を0.1 〜20重量%含有する請求項1〜10の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 漂白剤が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種の漂白剤である請求項11記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 水中において過酸化水素と反応して有機過酸を発生する漂白活性化剤0.1 〜30重量%を含有する請求項11又は12記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- アルカリ剤を5〜85重量%含有する請求項1〜13の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
- 界面活性剤を含有する請求項1〜14の何れか1項記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22348497A JP3641109B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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