JP3640881B2 - 液晶ディスプレイの駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスブレイ装置に係り、特にドットマトリクス型デイスブレイの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の液晶ディスプレイ装置の走査線駆動回路の構成例を示したブロック図である。従来の液晶ディスプレイ装置は、走査ライン数バイナリカウンタ5からのロード信号(LOAD信号)によりデコーダ2又はデコーダ3から選択データを取り込んで順方向又は逆方向走査パルスをシフトしながら出力する双方向シフトレジスタ1、順方向の走査スタート位置をデコードして双方向シフトレジスタ1に格納する走査スタートパルス用デコーダ2、逆方向の走査スタート位置をデコードして双方向シフトレジスタ1に格納する走査スタートパルス用デコーダ3、走査を開始する任意の走査線の位置を指定する値を保持する走査スタートライン保持レジスタ4、走査ライン数をカウントしてシフトレジスタ1へのロード信号を生成する走査ライン数バイナリカウンタ5、双方向シフトレジスタ1から走査線へ出力する走査パルスをブロック毎に反転又は非反転するブロック反転/非反転切替部(マルチプレクサ)6−1〜6−4を有している。
【0003】
ここで、走査線駆動回路は走査端子数が0〜nまでのn+1本あり、走査端子が4ブロックに分かれており、ブロック1の最後尾端子N0=x、ブロック2の最後尾端子N0=y、ブロック3の最後尾端子N0=z、ブロック4の最後尾端子N0=nとなっている。ブロック反転/非反転切替部6−1〜6−4により、ブロック毎の反転/非反転切替え機能を有している。
【0004】
次に上記従来例の動作について説明する。順方向で全ての画面に表示する場合、走査スタートライン保持レジスタ4は走査スタートパルス用デコーダ2に0本目の走査線に対応するスタート値を教える。これにより、走査スタートパルス用デコーダ1は走査スタート時のデータを生成し、双方向レジスタ1に出力されている。双方向レジスタ1は走査スタート時にデコーダ1のデータをロードする。双方向レジスタ1から選択パルスがブロック反転/非反転切替部6−1から6−4を通して順番に走査線0からn+1に出力される。走査ライン数バイナリカウンタ5は選択パルスが送出された走査線の数をカウントし、それがn+1に達すると、ロード信号を双方向シフトレジスタ1に出力する。双方向シフトレジスタ1はロード信号により走査スタートパルス用デコーダ2から再度走査スタート時のデータを取り込み、上記と同様の動作を繰り返す。
【0005】
逆方向で全ての画面に表示する場合、走査スタートライン保持レジスタ4は走査スタートパルス用デコーダ3にn+1本目の走査線に対応するスタート値を教える。これにより、走査スタートパルス用デコーダ3は逆方向走査用の走査スタート時のデータを生成し、双方向レジスタ1に出力されている。また、双方向レジスタは全体反転/非反転切り替え信号によってシフト方向が逆方向に設定されている。以降の動作は順方向の場合の同様である。
【0006】
また、例えば順方向で画面の部分表示を行う場合、走査スタートライン保持レジスタ4は走査スタートパルス用デコーダ2にk本目の走査線に対応するスタート値を教える。これにより、走査スタートパルス用デコーダ2は走査スタート時のデータを生成し、双方向レジスタ1に出力されている。双方向レジスタ1は走査スタート時にデコーダ1のデータをロードする。双方向レジスタ1から選択パルスがブロック反転/非反転切替部6−1から6−4の全部又は一部を通して順番にk本目の走査線からk+j本目の走査線に出力される。
【0007】
走査ライン数バイナリカウンタ5は選択パルスが送出された走査線の数をカウントし、それがj+1に達すると、ロード信号を双方向シフトレジスタ1に出力する。双方向シフトレジスタ1はロード信号により走査スタートパルス用デコーダ2から再度走査スタート時のデータを取り込み、上記と同様の動作を繰り返す。これにより、k本目の走査線〜k+j本目の走査線がある範囲に順方向で画像が表示される。ブロック反転/非反転切替部6−1から6−4は走査線と双方向シフトレジスタ1の選択パルス出力端子の接続が順番通りでない配線の引き回しなっている場合、双方向シフトレジスタ1から出力される選択パルスを必要に応じてブロック毎に反転することにより、走査線に選択信号が順番通り出力されるようにする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドットマトリクス型ディスプレイの走査線を駆動する走査線駆動回路は双方向シフトレジスタ1を使用して、選択パルスを片側の端の走査線から順次出力することにより走査線を走査していた。しかしながら近年、COG化(チップ・オン・グラス:ICチップを直接液晶ガラスに取りつけるアッセンブリ形態)、IC取りつけ位置の選択機能、駆動端子の多ピン化による分割配置化等により、双方向走査と走査端子の一部分反転機能を組み合わせた仕様となり、更には低消費電力のため、液晶ディスプレイの一部分のみを走査する表示機能も追加された仕様も出て来た。このため、これらの複数機能をICに盛り込むに当たり、上記のような双方向シフトレジスタ1、走査スタートパルス用デコーダ2、3及びマルチプレクサ用いたブロック反転/非反転切替部6−1〜6−4を用いる必要があり、特に多入力切換用のマルチプレクサ用いることで回路が非常に複雑になってしまうという問題点がある。更に、走査スタートパルス用デコーダを2個も用いることで回路規模が大きくなってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述の如き従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、回路を簡単化して回路規模を小さくすることにより設計期間とシミュレーション期間を短縮化することができる液晶ディスプレイの駆動回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明の特徴は、ドットマトリクス型の液晶ディスプレイの駆動回路において、走査パルスを出力する走査線のスタートラインからエンドラインを示した値を発生するカウンタ部と、走査パルスを発生し、前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をデコードすることによって特定された範囲の走査線に、前記走査パルスを順次出力するデコーダ部と、前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をライン反転/非反転する変換部を具備し、前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを前記変換部を通して前記デコーダ部に送出すると共に、前記デコーダ部を複数のブロックに分割して、各ブロック毎のデコーダ部により、当該デコーダに接続されている走査線に走査パルスを出力して走査線の走査を行うようにし、前記各ブロック毎に前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をライン反転又は非反転するブロック用変換部を具備し、前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値を前記変換部を通し、更に前記ブロック用変換部を通して対応するブロックのデコード部に入力することである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の液晶ディスプレイの駆動回路の第1の実施形態に係る構成を示したブロック図である。液晶ディスプレイの駆動回路は、走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12の出力に従って走査端子0〜nの1本を選択し、これに走査パルスを出力するブロック毎に配置されたデコーダ11−1〜11−4、任意のカウントスタート値とカウントエンド値を設定できる走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12、ブロック毎にカウント値をライン反転/非反転(上記カウントスタート値からカウントエンド値を示した値をスタートラインとエンドラインの方向的に反転又は非反転)させる演算回路101〜104と、走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12から出力されたカウント値をライン反転/非反転して、全走査線の選択信号をライン反転/非反転する演算回路105を有している。
【0016】
ここで、演算回路101〜104、105は同一構成を有し、各演算回路はカウント値を全ビット反転させるインバータ21、ビット反転されたカウント値とあらかじめ設定された固定値を加算する加算器22、入力された元の値と加算器22の出力値を選択するマルチプレクサ23から構成されている。
【0017】
次に本実施形態の動作について説明する。走査線数が0〜nまでのn+1本あり、走査線端子が4ブロックに分かれており、ブロック1の最後尾端子NO=x、ブロック2の最後尾端子NO=y、ブロック3の最後尾端子NO=z、ブロック4の最後尾端子NO=nとなっている。
【0018】
例えば、順方向で全走査線に対して走査を行う場合、走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12は、最初、走査スタートラインのカウント値(走査端子0に相当)を出力する。この場合、演算回路101〜104、105のマルチプレクサ23は元の入力値を選択して出力するように切り替わっているため、カウンタ12から出力されたカウント値は演算回路105をスルーし、更に、演算回路101〜104をスルーしてブロック毎のデコーダ11−1〜11−4に入力される。デコーダ11−1は入力カウント値をデコードし、端子0の走査線に選択パルスを出力する。以降、走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12は端子1、2、…、nに対応するカウント値を繰り返し発生して出力するため、デコーダ11−1〜11−4は走査線に対して順番に選択パルスを出力して、走査線を順方向に走査する。
【0019】
次に全画面の走査線を逆方向に走査する際には、全体反転非反転切替え信号50を反転にすると、演算回路105のマルチプレクサ23は加算器22から出力されるライン反転カウント値を選択して出力する。
【0020】
ここで、演算回路105の動作について説明する。カウンタ値をある範囲内で反転させるには下限値+上限値−カウンタ値で計算できる。実際の回路では加算回路のみ用いるため、下限値+上限値+1+ビット反転したカウンタ値を演算することにより、ある範囲のカウント値のライン反転カウント値を生成することができる。演算回路105では、下限値+上限値+1が実際には固定値となるため、1段の加算器22と1段のインバータ21及びライン反転しない場合は入力カウンタ値をそのままスルーさせればいいので、ライン反転/非反転を切り替える1段のマルチプレクサ23より構成される。
【0021】
これにより、加算器22は下限値=0上限値=nより、A入力は下限値+上限値+1=n+1を用い、ビット反転したカウント値として走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12からの入力カウント値をインバータ21で全ビット反転させた値をB入力に用いて、ライン反転カウント値を算出する。
【0022】
演算回路105から出力されたライン反転カウント値は演算回路101〜104をスルーしてブロック毎のデコーダ11−1〜11−4に入力される。デコーダ11−1〜11−4は入力カウント値に対応する選択パルスを、n、n−1、…、端子の順番で出力し、逆方向に走査線を走査する。
【0023】
一方、演算回路101〜104は演算回路105と構成は同一で同様の動作により、入力カウント値をブロックごとにライン反転させてデコーダに出力することができる。従って、デコーダの端子と走査線の端子の配線の順番が異なる場合、ブロック反転/非反転切替信号60により該当ブロックの演算回路によってカウント値をライン反転させることで、走査線の走査の順番の整合性を取ることができる。
【0024】
本実施形態によれば、走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ12、走査線を選択するためのブロック毎に配置されたデコーダ11−1〜11−4、カウント値をライン反転又は非反転する演算回路101〜105により構成することができ、しかも、演算回路101〜105は同一回路構成であり、多入力を切り換えるマルチプレクサを必要としないため、回路を簡単化することができる。これにより、回路の設計期間及びシュミレーション期間を短縮することができる。また、順方向、逆方向の2種類のデコーダを必要としないため、回路の小規模化ができ、コストダウンを可能にすることができる。
【0025】
図2は、本発明の液晶ディスプレイの駆動回路の第2の実施形態に係る構成を示したブロック図である。本例の構成は、図1に示した第1の実施形態と同様であるが、異なる点は、演算回路101〜104のインバータを省略し、その代わり、これら演算回路101〜104の共通のインバータ41を設け、このインバータ41で反転したカウント値を各演算回路101〜104の加算器22に入力するようにしている。
【0026】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果があるが、特にインバータ41を共通にすることにより、部品点数を減らすことができる。
【0027】
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の液晶ディスプレイの駆動回路によれば、回路を簡単化して回路規模を小さくすることにより設計期間とシミュレーション期間を短縮化することができる事により設計期間とシミュレーション期間を短縮化できる。また、回路規模を小さくできる事により製造原価を下げる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶ディスプレイの駆動回路の第1の実施形態に係る構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の液晶ディスプレイの駆動回路の第2の実施形態に係る構成を示したブロック図である。
【図3】従来の液晶ディスプレイの走査線駆動回路の構成例を示したブロック図である。
【符号の説明】
11−1〜11−4 デコーダ
12 走査スタートライン/エンドラインバイナリカウンタ
21、41 インバータ
22 加算器
23 マルチプレクサ
101〜105 演算回路

Claims (3)

  1. ドットマトリクス型の液晶ディスプレイの駆動回路において、
    走査パルスを出力する走査線のスタートラインからエンドラインを示した値を発生するカウンタ部と、
    走査パルスを発生し、前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をデコードすることによって特定された範囲の走査線に、前記走査パルスを順次出力するデコーダ部と、
    前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をライン反転/非反転する変換部を具備し、
    前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを前記変換部を通して前記デコーダ部に送出すると共に、前記デコーダ部を複数のブロックに分割して、各ブロック毎のデコーダ部により、当該デコーダに接続されている走査線に走査パルスを出力して走査線の走査を行うようにし、
    前記各ブロック毎に前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値をライン反転又は非反転するブロック用変換部を具備し、
    前記カウンタ部から発生されたスタートラインからエンドラインを示した値を前記変換部を通し、更に前記ブロック用変換部を通して対応するブロックのデコード部に入力することを特徴とする液晶ディスプレイの駆動回路。
  2. 前記変換部と前記ブロック用変換部は同一構成で、入力される前記スタートラインからエンドラインを示した値をビット反転するインバータと、前記インバータによりビット反転された値とライン反転するためにあらかじめ設定された固定値とを用いて加算することによって前記元の値をライン反転する演算器と、前記演算器から出力されるライン反転値と前記元の値のいずれか一方を選択して出力するマルチプレクサとから構成されていることを特徴とする請求項に記載の液晶ディスプレイの駆動回路。
  3. 複数の前記ブロック用変換部の各々は、ビット反転された値とライン反転するためにあらかじめ設定された固定値とを用いて加算することによって前記元の値をライン反転する演算器と、前記演算器から出力されるライン反転値と前記元の値のいずれか一方を選択して出力するマルチプレクサとから成り、前記加算器に入力するビット反転された値を発生するインバータを前記複数のブロック用変換部に対して共通にひとつ設けることを特徴とする請求項に記載の液晶ディスプレイの駆動回路。
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